JP2002031159A - 自動クラッチ制御装置 - Google Patents

自動クラッチ制御装置

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JP2002031159A
JP2002031159A JP2000214934A JP2000214934A JP2002031159A JP 2002031159 A JP2002031159 A JP 2002031159A JP 2000214934 A JP2000214934 A JP 2000214934A JP 2000214934 A JP2000214934 A JP 2000214934A JP 2002031159 A JP2002031159 A JP 2002031159A
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクセルオフ時に、クラッチストロークを調
整することで、快適なクリープ運転を実現し、ドライバ
ビリティを向上させるようにする。 【解決手段】 摩擦クラッチの断接を自動的に行なう自
動クラッチのクリープ制御装置において、クラッチを断
接駆動するクラッチアクチュエータ6と、車両の加速度
を検出する車体加速度検出手段30と、アクセルオフ時
に車体加速度検出手段30により検出された車体加速度
が所定車体加速度よりも小さくなったら、クラッチが半
クラッチ状態又は切断状態になるようにクラッチのスト
ロークを調整すべくクラッチアクチュエータ6を制御す
る制御手段30とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦クラッチの断
接を自動的に行なう自動クラッチ制御装置に関し、特に
機械式自動変速機に用いて好適の自動クラッチ制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両の変速機として、
摩擦クラッチと平行2軸式変速機とからなる手動変速機
を自動化した、いわゆる機械式自動変速機が開発されて
いる。このような機械式自動変速機では、エンジンから
駆動輪までの駆動力伝達系に流体クラッチ(トルクコン
バータ)が介在しないため、トルクコンバータを用いた
自動変速機よりも伝達効率が高く、燃費の向上を図るこ
とができる。また、トルクコンバータ特有のスリップ感
がないためドライバビリティも向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
機械式自動変速機では、上述したようにトルクコンバー
タをそなえていないので、エンジントルクの微少伝達に
よる微速走行、いわゆるクリープ運転を行なうことがで
きない。このようなクリープ現象を利用したクリープ運
転は、ブレーキ操作のみで車庫入れや駐車位置の微修正
を行なえる等便利である。そこで、機械式自動変速機に
ついても、摩擦クラッチの係合状態を半クラッチ状態に
制御して、クリープ運転(クリープ走行)を行なうこと
ができるように構成することが考えられる。
【0004】しかしながら、良好なクリープ運転を実現
すべく、常に最適なクリープ力が得られるようにするた
めには、クラッチを接続しすぎたり、切断しすぎたりし
ないようにする必要がある。つまり、クラッチを接続し
すぎると(オーバーストローク)、クリープ力が大きく
なり、車速が上がり過ぎてしまう場合がある。また、ク
ラッチを接続しすぎると、エンジン回転速度が低下して
しまい、エンストしてしまうおそれもある。逆に、クラ
ッチを切断しすぎると、必要なクリープ力が得られず、
これではドライバの要求に応じたクリープ運転を行なえ
ない。また、クリープ運転中のブレーキが軽く踏まれ
て、車両が減速する場合、エンジン回転速度が過度に低
下してしまう場合がある。
【0005】そこで、特開平1−115747号公報に
は、半クラッチ状態でクリープ運転を行なう場合に、車
速が設定値以上になったときにクラッチを切断して、ス
ピードが出過ぎてしまうのを防止する技術が開示されて
いる。しかし、この技術では、スピードが出過ぎるのを
防止することができるとしても、クラッチストロークを
どのように調整するか等については何ら考慮されていな
いため、クラッチストロークの調整によって快適な走り
を実現し、ドライバビリティを向上させることは難し
い。
【0006】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、アクセルオフ時に、クラッチストロークを調
整することで、快適なクリープ運転を実現し、ドライバ
ビリティを向上させるようにした、自動クラッチ制御装
置を提供することを目的とする。また、アクセルオフ時
にクラッチストロークを調整することで、クリープ運転
中に過度に車速が上昇してしまうのを抑制して、快適な
クリープ運転を実現し、ドライバビリティを向上させる
ことも目的とする。
【0007】さらに、アクセルオフ時にクラッチストロ
ークを調整することで、エンジン回転速度が低下してエ
ンストしてしまうのを防止して、快適なクリープ運転を
実現し、ドライバビリティを向上させることも目的とす
る。また、アクセルオフ時であって車両の減速時にクラ
ッチストロークを調整することで、エンジン回転速度が
過度に低下してしまうのを防止して、ドライバの要求に
応じて直ぐに発進・クリープ運転が行なわれるようにエ
ンジン回転状態を安定化させて、快適なクリープ運転を
実現し、ドライバビリティを向上させることも目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の自動クラッチ制御装置では、クラッチアクチ
ュエータによってクラッチが断接駆動されるようになっ
ており、車体加速度検出手段によって車両の加速度が検
出され、制御手段によって、アクセルオフ時に車体加速
度検出手段により検出された車体加速度が所定車体加速
度よりも小さくなったら、クラッチが半クラッチ状態又
は切断状態になるようにクラッチのストロークを調整す
べくクラッチアクチュエータが制御される。これによ
り、アクセルオフ時であって車両の減速時にクラッチス
トロークが調整され、エンジン回転速度が過度に低下し
てしまうのが防止される。
【0009】請求項2記載の本発明の自動クラッチ制御
装置では、エンジン回転速度検出手段によってエンジン
の回転速度が検出され、クラッチストローク検出手段に
よってクラッチのストロークが検出されて、制御手段に
よって、クラッチの断接を行なうための目標作動速度が
設定され、目標作動速度に基づいてクラッチアクチュエ
ータが制御されるようになっており、アクセルオフ時目
標作動速度設定部によって、アクセルオフ時にエンジン
回転速度検出手段により検出されたエンジン回転速度に
基づいて目標作動速度が設定され、目標作動速度変更部
によって、クラッチストローク検出手段により検出され
たクラッチストロークが所定値よりも接続側である場合
には、アクセルオフ時目標作動速度設定部により設定さ
れる目標作動速度よりもクラッチを切断する作動速度が
速くなるように目標作動速度が変更される。これによ
り、アクセルオフ時であって車両の減速時にクラッチス
トロークが調整され、エンジン回転速度が過度に低下し
てしまうのが防止される。
【0010】請求項3の本発明の自動クラッチ制御装置
では、クラッチアクチュエータによってクラッチが断接
駆動されるようになっており、エンジン回転速度検出手
段によってエンジンの回転速度が検出され、制御手段に
よって、クラッチの断接を行なうための目標作動速度が
設定され、目標作動速度に基づいてクラッチのストロー
クを調整すべくクラッチアクチュエータが制御されるよ
うになっており、この場合に、アクセルオフ時目標作動
速度設定部によって、アクセルオフ時にエンジン回転速
度検出手段により検出されたエンジン回転速度に基づい
て目標作動速度が設定され、目標作動速度変更部によっ
て、エンジン回転速度検出手段により検出されるエンジ
ン回転速度がエンスト判定しきい値よりも低くなった場
合に、アクセルオフ時目標作動速度設定部により設定さ
れた目標作動速度よりもクラッチを切断する作動速度が
速くなるように目標作動速度が変更される。これによ
り、エンジン回転速度が低下してエンストしてしまうの
が防止される。
【0011】請求項4の本発明の自動クラッチ制御装置
では、道路勾配検出手段によって道路勾配が検出され、
目標作動速度変更部によって、道路勾配検出手段により
検出された道路勾配に基づいて目標作動速度が変更され
る。これにより、より確実にエンストを防止できるよう
になる。請求項5の本発明の自動クラッチ制御装置で
は、クラッチアクチュエータによってクラッチが断接駆
動されるようになっており、車速検出手段によって車両
の速度が検出され、制御手段によって、アクセルオフ時
に、車速検出手段により検出される車速が所定車速より
も高くなったら、クラッチを切断側へ所定ストローク量
だけ移動させるようにクラッチアクチュエータが制御さ
れる。これにより、クリープ運転中に過度に車速が上昇
してしまうのが抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態としての自動クラッチ制御装置について、図1〜
図17を参照しながら説明する。まず、本発明が適用さ
れる機械式自動変速機について説明すると、この機械式
自動変速機は、トルクコンバータ等の流体クラッチをそ
なえた自動変速機とは異なり、摩擦クラッチと平行2軸
式変速機とをそなえた一般的な手動変速機に対し、ドラ
イバの代わりにクラッチ操作及び変速操作を行なうアク
チュエータや電子制御スロットル(いわゆるドライブバ
イワイヤシステム)等が付設されており、これらのアク
チュエータ等の作動を適宜制御することにより、自動変
速が実行されるように構成されている。
【0013】ここで、図9に示すように、この自動変速
機のコントローラ[A/T−ECU、以下単にECU
(制御手段)という]30には、変速判定部1,変速実
行部2,クラッチアクチュエータ駆動制御部3,シフト
セレクトアクチュエータ駆動制御部4及びスロットルア
クチュエータ駆動制御部5が設けられている。また、車
両側には、変速機本体の入力軸回転速度を検出するとと
もに車両の速度を検出する車速センサとしても機能する
入力軸回転速度センサ(車速検出手段)10,アクセル
開度又はアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセ
ル開度センサ(アクセル状態検出手段)11,エンジン
回転速度を検出するエンジン回転速度センサ(エンジン
回転状態検出手段)12,スロットルの開度を検出する
スロットル開度センサ13及びクラッチのレリーズスト
ローク(クラッチストローク)及びレリーズ液圧をそれ
ぞれ検出するレリーズストロークセンサ(ストロークセ
ンサ,クラッチストロークセンサ,クラッチストローク
検出手段)14及びレリーズ液圧センサ(圧力センサ)
15が設けられている。
【0014】そして、上記車速センサ10及びアクセル
開度センサ11からの検出情報に基づいて、変速判定部
1でシフトアップ又はシフトダウンのタイミングが判定
(変速判定)されるとともに、変速実行部2では、変速
判定部1からの変速指示を受けて各アクチュエータ駆動
制御部3〜5に対して制御信号が設定されるようになっ
ている。
【0015】また、この機械式自動変速機には、クラッ
チの断接を行なうクラッチアクチュエータ6と、変速機
本体の変速段を切り換えるためのシフトセレクトアクチ
ュエータ7と、電子制御スロットルのスロットル開度を
変更するためのスロットルアクチュエータ8とが設けら
れている。なお、このスロットルアクチュエータ8は、
例えばステッパモータにより構成される。
【0016】そして、各アクチュエータ駆動制御部3〜
5では、上記変速実行部2からの制御信号に応じてクラ
ッチアクチュエータ6,シフトセレクトアクチュエータ
7及びスロットルアクチュエータ8の作動を制御するよ
うになっている。具体的には、変速判定部1で変速判定
されると、スロットルの戻し操作,クラッチ切断操
作,ギアチェンジ(変速段の切り換え),エンジン
回転速度合わせ,クラッチ接続操作の順に各操作が実
行されるようになっており、変速実行部2では、変速操
作実行時に最適なタイミングで各アクチュエータ6〜8
が作動するように各駆動制御部3〜5に制御信号を設定
するようになっているのである。
【0017】次に、クラッチアクチュエータ6及びシフ
トセレクトアクチュエータ7の構成についてそれぞれ図
10及び図11を用いて簡単に説明する。図10に示す
ように、クラッチアクチュエータ6には、クラッチレリ
ーズシリンダ61が設けられており、このクラッチレリ
ーズシリンダ61のプッシュロッド(駆動軸)61bの
先端には図示しないレリーズフォークが接続されてい
る。そして、このクラッチレリーズシリンダ61の室6
1aに対する作動流体(本実施形態では作動油)の給排
状態を制御することでクラッチレリーズシリンダ61の
プッシュロッド61bを進退させてクラッチの係合状態
を制御するようになっている。なお、ここでは室61a
に作動油が供給されてクラッチレリーズシリンダ61の
プッシュロッド61bが図中右方向に伸長すると、クラ
ッチが切れるように構成されている。
【0018】また、図示するように、室61aとオイル
タンク62の間には、油圧源(オイルポンプ)63,調
圧弁(レギュレータ)64,油圧供給用のソレノイド6
5及び油圧排出用のソレノイド66等が設けられてお
り、上記クラッチアクチュエータ駆動制御部3によりこ
れら2つのソレノイド(開閉弁)65,66がそれぞれ
デューティ制御されるようになっている。そして、この
ように2つのソレノイド65,66をオンオフ制御する
ことにより室61aへの油圧供給状態が変更されて、ク
ラッチの断接が行なわれるようになっている。
【0019】例えば、ソレノイド65をオン(開)にす
るとともにソレノイド66をオフ(閉)として室61a
に作動油を供給することでクラッチが切断される。ま
た、上記とは逆にソレノイド65をオフ(閉)にすると
ともにソレノイド66をオン(開)として室61aの作
動油をオイルタンク62にドレーンすることでクラッチ
が接続される。また、図10に示すように、両ソレノイ
ド65,66をともにオフ(閉)にした場合には、クラ
ッチの状態が保持されるのである。
【0020】なお、上述したように、クラッチアクチュ
エータ6には、クラッチレリーズシリンダ61のプッシ
ュロッド61bの位置(レリーズストローク)を検出す
るストロークセンサ14と、室61aに供給される作動
油の圧力(レリーズ圧)を検出する圧力センサ15とが
付設されており、これらのセンサ14,15の検出情報
はクラッチアクチュエータ駆動制御部3にフィードバッ
クされるようになっている。
【0021】次に、図11を用いてシフトセレクトアク
チュエータ7について説明すると、このシフトセレクト
アクチュエータ7は、シフトアクチュエータ71とセレ
クトアクチュエータ72とをそなえている。このうち、
シフトアクチュエータ71は、その作動方向が、手動変
速機におけるシフトレバーの前後方向(シフト方向)に
対応するように設けられ、セレクトアクチュエータ72
は、その作動方向が、シフトレバーの左右方向(セレク
ト方向)に対応するように設けられている。
【0022】また、これらのアクチュエータ71,72
は、いずれも3つの位置をとりうる3位置油圧パワーシ
リンダとして構成されており、これらのシフト方向の3
位置とセレクト方向の3位置とを組み合わせることによ
り、手動変速機のシフトパターンに対応した動作で変速
段を切り換えることができるようになっている。ここ
で、アクチュエータ71,72の構成について、シフト
アクチュエータ71を例に簡単に説明すると、アクチュ
エータ71内には受圧面積の異なる2つのピストン71
a,71bが設けられている。ピストン71a,71b
に作用する力は、油圧が一定であれば受圧面積に応じて
大きくなるので、ピストン71a,71bに対してそれ
ぞれ独立して油圧を作用させて各ピストン71a,71
bの位置をそれぞれ変更することにより、アクチュエー
タ71の作動位置を図中の上中下で示すような3位置に
切り換えることができるようになっている。
【0023】また、図示するように、各アクチュエータ
71,72とオイルタンク73との間には、油圧源(オ
イルポンプ)74,調圧弁(レギュレータ)75及びソ
レノイド76〜79等が設けられており、上記のクラッ
チアクチュエータ6と同様に、各ソレノイド76〜79
をデューティ制御することにより上記各ピストン71
a,71bへの作動油供給状態が適宜切り換えられるよ
うになっている。そして、これによりアクチュエータ7
1,72の作動位置が切り換えられて、変速段が切り換
えられるようになっているのである。
【0024】なお、この自動変速には、シフトレンジと
してPレンジ,Nレンジ,Rレンジ及びDレンジ等が設
けられている。ところで、本実施形態にかかる車両に
は、図2に示すように、上述のようにECU30内の機
能として備えられる変速判定部1や変速実行部2によっ
て、通常走行時の変速制御を行なう通常走行制御モード
と、速やかでショックの少ない発進・クリープ運転(単
にクリープ運転,クリープ走行ともいう)を実現しうる
ようにクラッチ制御を行なう発進・クリープ制御モード
とが、所定条件に基づいて切り換えられるようになって
いる。
【0025】これらの通常走行モードと発進・クリープ
制御モードとを切り換えるための条件として、走行モー
ド移行条件A及び発進・クリープ制御モード移行条件B
が設定されている。ここで、走行モード移行条件Aとし
ては、車速Vが第1所定車速V1(例えば約10km
/h)よりも高いこと(V>V1)、エンジン回転速
度Neとクラッチ回転速度(例えば入力軸回転速度セン
サ等により検出される)が一定時間以上略等しい状態が
継続したことの2つの条件が設定されている。そして、
これらの2つの条件の双方が成立した場合に、発進・ク
リープ制御モードから通常走行モードへ移行するように
なっている。
【0026】また、発進・クリープ制御モード移行条件
Bとしては、車速Vが第2所定車速V2(例えば約6
km/h)よりも低いこと(V<V2)、目標シフト
段が3速用変速段よりも低速段であること(目標シフト
段<3速用変速段)の2つの条件が設定されている。そ
して、これらの2つの条件の双方が成立した場合に、通
常走行モードから発進・クリープ制御モードへ移行する
ようになっている。なお、発進・クリープ制御モードで
は、シフト段が1速用変速段に設定されるようになって
いる。
【0027】次に、発進・クリープ制御モード時におい
て最適なクラッチ制御を行なうために備えられる自動ク
ラッチ制御装置について説明する。本自動クラッチ制御
装置は、図1に示すように、ECU(制御手段)30内
の機能として備えられる上述のクラッチアクチュエータ
駆動制御部3及び目標レリーズストローク勾配設定部
(目標レリーズ勾配設定部)31と、クラッチアクチュ
エータ6と、上述した入力軸回転速度センサ(車速検出
手段)10,エンジン回転速度センサ(エンジン回転状
態検出手段)12及びストロークセンサ(クラッチスト
ローク検出手段)14と、アクセルペダルが踏み込まれ
るとオンとなるアイドルスイッチ(アクセルスイッチ,
アクセル状態検出手段)17と、車両のブレーキ圧(こ
こでは特にブレーキ・マスタシリンダでの油圧)PB
検出するマスタシリンダ圧センサ(M/C圧センサ,ブ
レーキ圧検出手段)19と、車両の加速度を検出する加
速度センサ(以下Gセンサという)20とをそなえて構
成されている。
【0028】そして、自動クラッチ制御装置は、入力軸
回転速度センサ10の検出情報に基づいてECU30で
演算される車速情報(車速V)と、エンジン回転速度セ
ンサ12からのエンジン回転速度情報(エンジン回転速
度Ne)と、ストロークセンサ14からのクラッチスト
ローク情報と、アイドルスイッチ17から得られるアク
セル操作情報(アクセルのオン・オフ情報)と、マスタ
シリンダ圧センサ19からの検出情報に基づいて算出さ
れるブレーキ圧PBと、Gセンサ20からの加速度情報
に応じてECU30で演算される道路勾配θとに基づい
て、クラッチアクチュエータ駆動制御部3でクラッチア
クチュエータ6の作動を制御することで摩擦クラッチ
(図示略)を制御するものである。
【0029】なお、入力軸回転速度センサ10、エンジ
ン回転速度センサ12、アイドルスイッチ17、マスタ
シリンダ圧センサ19、ストロークセンサ14は、いず
れも車両の運転状態を検出する機能を有するものである
ため、これらをまとめて車両運転状態検出手段という。
また、Gセンサ20及びECU30の機能により道路勾
配θが検出されるため、これらのGセンサ20及びEC
U30を道路勾配検出手段という。
【0030】ここで、目標レリーズストローク勾配設定
部31は、発進・クリープ運転時に、車両の走行状態
(運転状態)を調整するためにドライバによって操作さ
れるアクセル及びブレーキの操作状態に応じて適切なク
ラッチ制御を行なうべく、図1に示すように、ドライバ
による操作状態を判定する機能(操作状態判定部32)
を備えて構成される。
【0031】この操作状態判定部32は、アイドルスイ
ッチ17からのアクセルオン・オフ情報と、入力軸回転
速度センサ10の検出情報に基づいてECU30で演算
される車速Vと、マスタシリンダ圧センサ19からのブ
レーキ圧PBと、Gセンサ20からの加速度情報に基づ
いて演算される道路勾配θに応じて算出されるブレーキ
操作判定用ブレーキ圧PB1及びアクセル操作判定用ブ
レーキ圧PB2とに基づいて、アクセルオフであるか
(ただし、後述の停止操作状態は除く)、アクセルオ
ンであるか、車両が停止しており、かつ、ブレーキを
強く踏んでいる停止操作状態であるか、のいずれの操作
状態であるかを判定する機能を有する。
【0032】なお、の停止操作状態に対して、アク
セルオフである操作状態及びアクセルオンである操作
状態とは、ドライバが車両を発進させようとする場合で
あり、発進・クリープ運転の状態であるため、操作状態
判定部32は、(1)アクセルオフであるか、アク
セルオンであるかのクリープ運転状態(アクセル操作ク
リープ走行)であるか、(2)車両が停止しており、
かつ、ブレーキを強く踏んでいる操作状態(車両の停止
操作状態)であるかを判定するものであると見ることも
できる。
【0033】まず、操作状態判定部32は、アクセル
オフであるか、アクセルオンであるかのいずれの操作
状態であるかは、アイドルスイッチ17がオンである
か、オフであるかによって判定するようになっている。
つまり、操作状態判定部32は、アイドルスイッチ17
がオンであるか否かを判定し、この結果、アイドルスイ
ッチ17がオンであると判定された場合にはアクセルオ
フであると判定する一方、アイドルスイッチ17がオフ
であると判定された場合にはアクセルオンであると判定
するようになっている。
【0034】なお、ここではアイドルスイッチ17がオ
ンである場合にアクセルオフであると判定するようにな
っているが、これに限られるものではなく、例えば以下
〜の3つの条件のいずれかが満たされた場合にアク
セルオフであると判定するようにしても良い。 アイドルスイッチ17がオンであり、かつ、アイドル
スイッチ17がオンになる前にアイドルスイッチ17が
オフである状態が所定時間(例えば約50ミリ秒)継続
していたこと アイドルスイッチ17がオンになってから所定時間
(例えば約300ミリ秒)が経過したこと アイドルスイッチ17がオンであり、かつ、ブレーキ
処理に入ったこと ここで、アクセルオフであると判定される場合には、ア
クセルを踏んでいない状態であることになるが、このよ
うな状態としては、アクセルもブレーキも踏んでいない
状態のほか、ブレーキを軽く踏んでいる状態も含まれ
る。また、ブレーキを軽く踏んでいる状態には、車両が
停止している場合と、車両がクリープ走行(微速走行)
している場合とがある。
【0035】なお、ここでは、アクセルのオン・オフを
アイドルスイッチ17のオン・オフによって判定してい
るが、アクセル開度センサ(アクセル状態検出手段)1
1からのアクセル開度情報に基づいてアクセルのオン・
オフを判定するようにしても良い。一方、操作状態判定
部32は、停止、かつ、ブレーキが強く踏まれている
操作状態であるかは、車両を確実に停車させるのに必要
なブレーキ圧(最低停車ブレーキ圧)PB0に応じて判
定するようになっている。
【0036】ここでは、最低停車ブレーキ圧(必要ブレ
ーキ圧)PB0は、道路勾配θ,車体重量(車重)W,
ブレーキ力とブレーキ圧(ブレーキマスタシリンダ圧)
とを変換するための変換係数KPRS及び所定値(定数
値)βを用いて、次式(1)により算出されるようにな
っている。なお、車重W,変換係数KPRS,及び所定
値βはいずれもECU30に定数として予め記憶されて
いる。また、所定値βは、最低停車ブレーキ圧PB0に
余裕を持たせるためのもので正の数で設定されている
(β>0)。
【0037】 最低停車ブレーキ圧PB0=sinθ×W×KPRS+β …(1) このように道路勾配θに応じて最低停車ブレーキ圧PB
0を設定しているのは、主に以下の理由による。即ち、
本装置では、上述したように、ブレーキ圧PBが車両を
停止させる程度の軽いものであるときには、ドライバ
は、クリープ力を利用してブレーキペダルのオン・オフ
だけで微速運転を実行させようとしていると考えられる
が、車両を停止させる程度のブレーキ圧PBは道路勾配
θに応じて変動する。このため、仮に最低停車ブレーキ
圧PB0を道路勾配θにかかわらず一定とすると、例え
ば急な坂道においては、ブレーキ圧PBが車両を停止さ
せる程度に軽いものとなるようにドライバがブレーキペ
ダルを踏み込んでいたとしても、ブレーキ圧PBが最低
停車ブレーキ圧PB0よりも大きくなってしまう場合が
あり、ドライバの意思に応じてクリープ運転を行なえな
いおそれがある。
【0038】そこで、このように道路勾配θに応じて最
低停車ブレーキ圧PB0が設定されることにより、例え
ば、上り坂では平坦な場所に比べて最低停車ブレーキ圧
B0が大きく設定され、ドライバが上り坂で車両が後
退しないように比較的強くブレーキペダルを踏み込んだ
場合でも、この場合のブレーキ圧PBよりも最低停車ブ
レーキ圧PB0の方が大きく設定されることになるた
め、ドライバの意思に応じて確実にクリープ運転を実行
できるようになるのである。
【0039】本実施形態では、操作状態判定部32は、
車両停止で、かつブレーキを強く踏んでいるかは、ブレ
ーキ圧PBが、最低停車ブレーキ圧PB0に所定圧P
B1′(例えば2.5kg/cm2)を加えた値として設
定されるブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1[PB1=
B0+PB1′]よりも高いか否かにより判定するよう
になっている。つまり、操作状態判定部32は、ブレー
キ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1よりも高
いか否かを判定し、この結果、ブレーキ圧PBがブレー
キ操作判定用ブレーキ圧PB1よりも高いと判定した場
合には、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる(車両
停止)と判定する一方、ブレーキ圧PBがブレーキ操作
判定用ブレーキ圧PB1以下であると判定した場合に
は、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいないと判定す
るようになっている。
【0040】本実施形態では、操作状態判定部32が、
停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいないと判定した場
合には、さらにブレーキ圧PBが、最低停車ブレーキ圧
B0から所定圧PB2′(例えば2.5kg/cm2
を引いた値として設定されるアクセル操作判定用ブレー
キ圧PB2[PB2=PB0−PB2′]よりも高いか否か
を判定し、ブレーキ圧PBがアクセル操作判定用ブレー
キ圧PB2よりも低いと判定した場合に、アクセルオフ
又はアクセルオンの操作状態(クリープ走行)であると
して、上述のアクセルのオン・オフ判定を行なうように
なっている。なお、ブレーキ圧PBが、ブレーキ操作判
定用ブレーキ圧PB1以下で、かつ、アクセル操作判定
用ブレーキ圧PB2以上である場合は不感帯で、直前の
クラッチ状態を維持するようにしている。
【0041】目標レリーズ勾配設定部31は、アクセル
やブレーキの操作状態に基づいて、ストロークセンサ1
4からのクラッチストローク情報から求められるクラッ
チ結合度に応じて最適な目標レリーズストローク勾配
(目標レリーズ勾配ともいう)Sを設定するように構成
されている。ここで、目標レリーズ勾配Sとは、クラッ
チを接続したり、切断したりする場合のレリーズストロ
ークの勾配、即ちレリーズストロークの変化速度(mm
/s)をいう。なお、レリーズストロークの変化速度に
応じてクラッチが作動されるため、レリーズストローク
の変化速度をクラッチの作動速度ともいう。
【0042】ここでは、目標レリーズ勾配Sの値が0m
m/sよりも小さい場合(S<0mm/s:即ち、負の
値である場合)が、クラッチを接続する場合のレリーズ
ストロークの変化速度を示し、目標レリーズ勾配の値が
0mm/s以上の場合(S≧0mm/s:即ち、正の値
である場合)が、クラッチを切断する場合のレリーズス
トロークの変化速度を示している。
【0043】また、クラッチ結合度とは、クラッチの断
接状態の目安となるもので、レリーズストロークに応じ
て一義的に決定される。クラッチ結合度は5段階に設定
され、クラッチ結合度0(ゼロ)は、クラッチが完全に
接続された状態を示し、クラッチ結合度1は、クラッチ
は接続境界(即ち、クラッチ結合度がこれよりも大きく
なると係合していたクラッチが滑り接触し始める状態)
を示し、クラッチ結合度3は、クラッチ切断境界(即
ち、クラッチ結合度がこれよりも小さくなると切断され
ていたクラッチが滑り接触し始める状態)を示し、クラ
ッチ結合度4はクラッチが完全に切断された状態を示
し、クラッチ結合度2では、クラッチ結合度1,3の中
間の状態を示し、いわゆる半クラッチ状態を示してい
る。なお、クラッチが滑らない状態、即ち、クラッチの
回転速度がエンジン回転速度と同一の状態を、クラッチ
結合点という。
【0044】そして、目標レリーズ勾配設定部31に
は、図1に示すように、ストロークセンサ14からのク
ラッチストローク情報に基づいてクラッチ結合度を設定
するための機能(クラッチ結合度設定部33)が備えら
れている。このクラッチ結合度設定部33は、図3に示
すように、レリーズストロークの大きさに応じてクラッ
チ結合度0〜4を設定するようになっている。つまり、
クラッチ結合度設定部33は、レリーズストロークが大
きくなるにしたがって段階的にクラッチ結合度を大きい
値に設定するようになっている。
【0045】さらに、本実施形態では、目標レリーズ勾
配設定部31は、アクセルオフの場合、アクセルオ
ンの場合、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場
合のそれぞれの場合にクラッチ結合度(0〜4)に応じ
て最適な目標レリーズ勾配Sを設定するようになってい
る。このため、目標レリーズ勾配設定部31は、図1に
示すように、アクセルオフ時目標レリーズストローク勾
配設定部(アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部)3
4と、アクセルオン時目標レリーズストローク勾配設定
部(アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部)35と、
停止時目標レリーズストローク勾配設定部(停止時目標
レリーズ勾配設定部)36とを備えて構成され、発進・
クリープ走行時に基本的に半クラッチ状態が維持される
ように目標レリーズ勾配Sを設定するようになってい
る。なお、目標レリーズ勾配設定部31からは、ECI
40へアイドルアップ指示も出されるようになってお
り、例えばエンジン回転速度Neがエンストしてしまう
おそれがあるほど低下していると判定し、できるだけ速
くクラッチを切断しうるように目標レリーズ勾配Sを設
定する場合等に、同時にECI40へアイドルアップ指
示を出してエンジン回転速度Neを高める制御を行なう
ようになっている。
【0046】本実施形態では、アクセルオフの場合に
は、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によっ
てクラッチを接続する側の目標レリーズ勾配Sが設定さ
れる一方、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合
には、停止時目標レリーズ勾配設定部36によってクラ
ッチを切断する側の目標レリーズ勾配Sが設定されるよ
うになっており、例えばブレーキ操作のみでクリープ走
行を行なう場合に、基本的にクラッチが半クラッチ状態
に維持されるようにするとともに、エンジン回転速度が
低下してエンストのおそれがある場合やブレーキが強く
踏みこまれて車両を停止させた場合に速やかにクラッチ
が切断されてクリープ走行が解除されるようになってお
り、最適なクリープ走行を実現している。
【0047】また、アクセルオンの場合には、アクセル
オン時目標レリーズ勾配設定部35によってクラッチ接
続側及びクラッチ切断側の目標レリーズ勾配Sが設定さ
れるようになっており、例えばアクセル操作のみでクリ
ープ走行を行なう場合に、クラッチが半クラッチ状態に
維持されるように、ドライバによるアクセル操作に応じ
てクラッチが作動し、最適なクリープ走行が実現される
ようになっている。
【0048】以下、具体的な目標レリーズ勾配Sの設定
について説明する。 (1)アクセルオフの場合 アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、クラッ
チ結合度と、エンジン回転速度Neと、道路勾配θと、
エンジン回転加速度dNeとに応じて、アクセルオフ時
に最適な目標レリーズ勾配Sを設定するようになってい
る。
【0049】ここでは、アクセルオフ時目標レリーズ勾
配設定部34は、クラッチ接続側の目標レリーズ勾配S
を設定するようにしている。また、上述の操作状態判定
部32によってアクセルオフであると判定されたら、ク
ラッチストロークが大きいほど(即ち、クラッチのスト
ローク量が大きいほど、クラッチ結合度を示す数値が大
きいほど)、速やかにクラッチが接続されるように目標
レリーズ勾配Sの値を大きく設定している。つまり、上
述の操作状態判定部32によってアクセルオフであると
判定されたら、クラッチストロークがクラッチ結合点に
近づくにしたがって(即ち、クラッチのストローク量が
小さいほど、クラッチ結合度を示す数値が小さいほ
ど)、クラッチの作動が遅くなるように目標レリーズ勾
配Sの値を小さく設定している。これにより、クラッチ
接続タイミング及びクラッチ接続スピードを最適なもの
としている。 クラッチ結合度が0か1の場合 アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に
示すように、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度
Ne1(例えば850rpm)よりも高いか否かを判定
し、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よ
りも高い場合[Ne>Ne1]には、目標レリーズ勾配
SをSa(Sa<0;Saは微小な値である)に設定
し、これ以外のときには、目標レリーズ勾配Sを0mm
/sに設定するようになっている。
【0050】なお、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに
設定することは、クラッチの接続状態(即ち、クラッチ
結合度)を維持することを意味する。また、目標レリー
ズ勾配Sを0mm/sに設定することは、この制御周期
におけるクラッチ制御を行なわないと考えることもでき
る。ここでは、第1所定回転速度Ne1は例えば約85
0rpmに設定され、いわゆるアイドル回転速度(例え
ば700rpm)よりも高い回転速度に設定されてお
り、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よ
りも高い場合には、エンストのおそれがないと考えられ
るため、クラッチを少し速いスピードで接続されるよう
にし、これにより、クラッチが少し速くクラッチ接続側
の目標位置までくるようにして(即ち、クラッチストロ
ークを小さくして)、クリープ力を確保するようにして
いる。 クラッチ結合度が2の場合 アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に
示すように、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度
Ne1(例えば850rpm)よりも高いか、又は、道
路勾配θが所定道路勾配θ1(例えば5%)よりも大き
いか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第1所定回
転速度Ne1よりも高い場合[Ne>Ne1]、又は、
道路勾配θが所定道路勾配θ1よりも大きい場合[θ>
θ1]、又は、エンジン回転速度Neが第1所定回転速
度Ne1よりも高く、かつ、道路勾配θが所定道路勾配
θ1よりも大きい場合[Ne>Ne1、かつ、θ>θ
1]には、目標レリーズ勾配SをSb(Sb<0,|S
b|>|Sa|)に設定する一方、これら以外の場合に
は、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定するように
なっている。
【0051】ここでは、第1所定回転速度Ne1は例え
ば約850rpmに設定され、いわゆるアイドル回転速
度(例えば700rpm)よりも高い回転速度に設定さ
れており、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度N
e1よりも高い場合には、エンストのおそれがないと考
えられるため、クラッチを少し速いスピードで接続され
るようにし、これにより、クラッチが少し速くクラッチ
接続側の目標位置までくるようにして(即ち、クラッチ
ストロークを小さくして)、クリープ力が確保されるよ
うにしている。
【0052】また、道路勾配θが所定道路勾配θ1より
も大きい場合には、これ以外の場合よりもクラッチがよ
り速いスピードで接続されるようにし、これにより、ク
ラッチが少し速くクラッチ接続側の目標位置までくるよ
うにして(即ち、クラッチストロークを小さくして)、
例えば上り坂等においても車両が後退しないようにクリ
ープ力が確実に確保されるようにしている。
【0053】また、クラッチ結合度が2の場合は、クラ
ッチ結合度が0や1の場合よりも、クラッチストローク
が大きいため、目標レリーズ勾配Sをクラッチ接続側で
より大きな値に設定して、クラッチがより速くクラッチ
接続側の目標位置までくるようにしている。 クラッチ結合度が3の場合 アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に
示すように、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度
Ne2(例えば2000rpm)よりも高いか、かつ、
エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1
(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判
定し、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2
よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回
転加速度dNe1よりも大きいとき[Ne>Ne1、か
つ、dNe>dNe1]には、目標レリーズ勾配SをS
c(Sc<0,|Sc|>|Sb|>|Sa|)に設定
する一方、これら以外のときには、目標レリーズ勾配S
をSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|
Sa|)に設定するようになっている。
【0054】このように、エンジン回転速度Neが第2
所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加
速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きい場合
には、これら以外の場合よりもクラッチがより速いスピ
ードで接続されるようにし、これにより、クラッチをよ
り速くクラッチ接続側の目標位置にくるようにして(即
ち、クラッチストロークを小さくして)、クリープ力を
確保できるようにしている。
【0055】このように設定しているのは、第2所定回
転速度Ne2は例えば約2000rpmに設定されると
ともに、所定回転加速度dNe1は例えば約1000r
pm/sに設定され、上述のような条件が成立する場合
には、例えばアクセルのオン・オフ操作によりクリープ
走行を行なっていると考えられ、ドライバは積極的にク
リープ走行させようとしており、より速くクラッチスト
ロークを小さくしてクラッチをクラッチ接続側の目標位
置まで移動させる必要があるからである。
【0056】また、クラッチ結合度が3の場合は、クラ
ッチ結合度が0〜2の場合よりもクラッチストロークが
大きいため、目標ストローク勾配Sをクラッチ接続側で
より大きな値になるように設定し、クラッチがより速く
クラッチ接続側の目標位置にくるようにしている。 クラッチ結合度が4の場合 アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に
示すように、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度
Ne2(例えば2000rpm)よりも高いか、かつ、
エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1
(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判
定し、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2
よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回
転加速度dNe1よりも大きいとき[Ne>Ne1、か
つ、dNe>dNe1]には、目標レリーズ勾配SをS
e(Se<0,|Se|>|Sc|>|Sd|>|Sb
|>|Sa|)に設定する一方、これら以外のときに
は、目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>
|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定するようになっ
ている。なお、ここでは、条件を満たさない場合に、目
標レリーズ勾配SをSdに設定しており、上述のクラッ
チ結合度が3の場合であって、条件を満たさない場合と
同一にしているが、異なる値としても良い。
【0057】このように、エンジン回転速度Neが第2
所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加
速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きい場合
には、これら以外の場合よりもクラッチがより速いスピ
ードで接続されるようにし、これにより、クラッチをよ
り速くクラッチ接続側の目標位置にくるようにして(即
ち、クラッチストロークを小さくして)、クリープ力を
確保できるようにしている。
【0058】このように設定しているのは、第2所定回
転速度Ne2は例えば約2000rpmに設定されると
ともに、所定回転加速度dNe1は例えば約1000r
pm/sに設定され、上述のような条件が成立する場合
には、例えばアクセルのオン・オフ操作によりクリープ
走行を行なっていると考えられ、ドライバは積極的にク
リープ走行させようとしており、より速くクラッチスト
ロークを小さくしてクラッチをクラッチ接続側の目標位
置まで移動させる必要があるからである。
【0059】また、クラッチ結合度が4の場合は、クラ
ッチ結合度が0〜3の場合よりもクラッチストロークが
大きいため、目標レリーズ勾配Sをクラッチ接続側でよ
り大きな値になるように設定し、クラッチがより速くク
ラッチ接続側の目標位置にくるようにしている。次に、
このアクセルオフ状態の目標レリーズ勾配Sの設定につ
いて、エンジン回転速度Ne、エンジン回転加速度dN
e及びクラッチストロークの変化を示す図5(A)〜
(D)のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0060】まず、クラッチ結合度が4でクラッチが切
断されており、エンジン回転速度Neが約710〜約7
30rpmで、エンジン回転加速度が約100rpm/
s〜約−100rpm/sであると、目標レリーズ勾配
SはSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>
|Sa|)に設定され、クラッチ結合度が4から2にな
る。
【0061】この場合、同時にアイドルアップ指示が出
されるため、エンジン回転速度Neは高くなっていくが
[図5(A)中、符号Aで示す部分]、クラッチ結合度
が2の場合、エンジン回転速度Neは850rpm(第
1所定回転速度Ne1)に達するまでは、目標レリーズ
勾配Sは0mm/sに設定され、クラッチストロークは
維持される。そして、エンジン回転速度Neが850r
pmを超えると目標レリーズ勾配SがSb(Sb<0,
|Sb|>|Sa|)に設定され、クラッチ結合度が2
から1になる。
【0062】このようにしてエンジン回転速度Neが8
50rpmを超えた状態で、クラッチ結合度が1になる
と、目標レリーズ勾配SはSa(Sa<0;Saは微小
な値である)に設定される。これにより、クラッチ結合
度が2から1になり、半クラッチ状態からクラッチがさ
らに接続されていくと、それに応じてエンジン回転速度
Neが低下していくことになる。これにより、エンジン
回転速度Neが850rpmよりも低くなると、目標レ
リーズ勾配Sは0mm/sに設定され、クラッチストロ
ークが維持される。なお、図5中、破線Xは車両が走行
し始めるクリープポイントを示している。 (2)アクセルオンの場合 アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、クラッ
チ結合度と、基準エンジン回転速度Ne0及び基準レリ
ーズストローク勾配(基準レリーズ勾配ともいう)と、
エンジン回転速度Neと、エンジン回転加速度dNeと
に応じて、アクセルオン時に最適な目標レリーズ勾配S
を設定するようになっている。
【0063】ここでは、アクセルオン目標レリーズ勾配
設定部35は、基本的に発進・クリープ走行時に半クラ
ッチ状態が維持されるように、エンジン回転速度Neに
追従するようにクラッチ接続側及びクラッチ切断側の目
標レリーズ勾配Sを設定する一方、クラッチストローク
が大きい場合(ここでは、クラッチ結合度3,4の場
合)、速やかにクラッチが接続されるように目標レリー
ズ勾配Sの値を大きく設定している。これにより、クラ
ッチ接続・切断タイミング及びクラッチ接続・切断スピ
ードを最適なものとしている。 クラッチ結合度が0〜2の場合 本実施形態では、クラッチ結合度が0〜2の場合には、
クラッチを接続したり、切断したりするときの実際のレ
リーズ勾配(実レリーズ勾配)が、ドライバの操作に応
じて変化するアクセル開度(即ち、アクセル開度に応じ
て変化するエンジン回転速度Ne)に敏感に追従するよ
うに、目標レリーズ勾配Sをエンジン回転速度Neに基
づいてフィードバック制御するようになっている。
【0064】このため、アクセルオン時目標レリーズ勾
配設定部35は、図8に示すように、エンジン回転速度
Ne,基準エンジン回転速度Ne0及び基準レリーズ勾
配S0に基づいて目標レリーズ勾配Sを設定するように
なっている。ここで、基準エンジン回転速度Ne0は、
例えばアイドル回転速度に相当するエンジン回転速度
(例えば700rpm)として設定される。また、基準
レリーズ勾配S0は、クラッチを接続する場合に基準と
なるレリーズストローク勾配であり、ここでは、クラッ
チがゆっくり接続されるように例えば微小な値に設定さ
れる。
【0065】ここでは、アクセルオン時目標レリーズ勾
配設定部35は、図8に示すように、基準レリーズスト
ローク勾配S0と、基準エンジン回転速度Ne0とエン
ジン回転速度Neとの偏差に比例ゲインKPを掛けた値
とを加算し、さらにエンジン回転速度Neの微分値dN
e/dt(即ち、エンジン回転加速度dNe)に微分ゲ
インKDを掛けた値を減算することにより算出した値
(算出値,フィードバック値)FBに基づいて目標レリ
ーズ勾配Sを設定するようになっている。
【0066】つまり、アクセルオン時目標レリーズ勾配
設定部35は、図4に示すように、クラッチ接続側であ
る場合には、算出値FBを1/4倍した値FB/4を目
標レリーズ勾配Sとして設定し、クラッチ切断側である
場合には、算出値FBをそのまま目標レリーズ勾配Sと
して設定するようになっている。このように設定してい
るのは、クラッチを接続する場合にはなるべくショック
が生じないようにする一方、クラッチを切断する場合に
はなるべく速い速度で切断したいためである。
【0067】このため、アクセルオン時目標レリーズ勾
配設定部35は、算出値FBが負の値であるか、正の値
であるかを判定し、これにより、クラッチ接続側である
か、クラッチ切断側であるかを判定するようになってい
る。つまり、算出値FBが負の値である場合にはクラッ
チ接続側であると判定し、正の値である場合にはクラッ
チ切断側であると判定するようになっている。この機能
をクラッチ接続側/切断側判定部という。 クラッチ結合度が3の場合 アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、図4に
示すように、上述のアクセルオフの場合と同様に、エン
ジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2
000rpm)よりも高いか、かつ、エンジン回転加速
度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000r
pm/s)よりも大きいか否かを判定し、エンジン回転
速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、
エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よ
りも大きいとき[Ne>Ne1、かつ、dNe>dNe
1]には、目標レリーズ勾配をSc(Sc<0,|Sc
|>|Sb|>|Sa|)に設定する一方、これら以外
のときには、目標レリーズ勾配をSd(Sd<0,|S
c|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定するよう
になっている。 クラッチ結合度が4の場合 アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、図4に
示すように、上述のアクセルオフの場合と同様に、エン
ジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2
000rpm)よりも高いか、かつ、エンジン回転加速
度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000r
pm/s)よりも大きいか否かを判定し、エンジン回転
速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、
エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よ
りも大きいとき[Ne>Ne1、かつ、dNe>dNe
1]には、目標レリーズ勾配をSe(Se<0,|Se
|>|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定
する一方、これら以外のときには、目標レリーズ勾配を
Sd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|S
a|)に設定するようになっている。
【0068】次に、このアクセルオン状態の目標レリー
ズ勾配Sの設定について、エンジン回転速度Ne、エン
ジン回転加速度dNe及びクラッチストロークの変化を
示す図6(A)〜(D)のタイムチャートを参照しなが
ら説明する。まず、クラッチ結合度が1の場合に、アク
セルオン状態となり、これに応じてエンジン回転速度N
eが約800rpmから約1200rpm近くまで少し
ずつ高まっていくと、エンジン回転速度フィードバック
制御により設定される目標レリーズ勾配Sは0mm/s
から少しずつマイナス側(クラッチ接続側)になってい
ってクラッチの作動速度が徐々に速くなっていく。これ
により、クラッチストロークはクラッチ接続側で狭まっ
ていく(クラッチ結合度は1のままである)。
【0069】そして、エンジンが吹き上がることなく、
発進可能なクリープストロークになる発進ポイント(図
中、符号Yで示す)に到達して、車両が発進し始める
と、エンジン回転速度Neは低下していくが、これに基
づいてエンジン回転速度フィードバック制御により設定
される目標レリーズ勾配Sは、少しずつ0mm/sへ向
かっていってクラッチの作動速度が徐々に遅くなってい
き、その後、しばらくの間0mm/sに設定される。こ
れにより、クラッチストロークはクラッチ接続側で狭ま
っていき、その後、維持される(クラッチ結合度は1の
ままである)。
【0070】その後、エンジン回転速度Neが低下して
いくと、エンジン回転速度フィードバック制御により設
定される目標レリーズ勾配Sは、0mm/sから少しず
つプラス側(クラッチ切断側)になっていってクラッチ
の作動速度が徐々に速くなっていく。これにより、クラ
ッチストロークはクラッチ接続側で広がっていくことに
なる(クラッチ結合度は1のままである)。 (3)停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合 停止時目標レリーズ勾配設定部36は、クラッチ結合度
と、エンジン回転速度Neと、ブレーキ圧PBと、道路
勾配θとに応じて、停止、かつ、ブレーキが強く踏み込
まれた場合に最適な目標レリーズ勾配Sを設定するよう
になっている。
【0071】ここでは、停止時目標レリーズ勾配設定部
36は、上述の操作状態判定部32によって停止、か
つ、ブレーキが強く踏まれたと判定された場合に、クリ
ープ走行を解除すべく、ブレーキ圧PBに応じて目標レ
リーズ勾配Sを設定するようになっている。つまり、停
止時目標レリーズ勾配設定部36は、ブレーキ圧PB
非常に高い場合には、ドライバがブレーキを非常に強く
踏み込んでおり、直ぐにクリープ走行を開始する可能性
は低いと考えられるため、できるだけ速やかにクラッチ
が切断されるように目標レリーズ勾配Sの値を可能な限
り大きく設定している。また、ブレーキ圧PBがそれほ
ど高くなっていない場合には、ドライバはブレーキをそ
れほど強く踏み込んでおらず、直ぐにクリープ走行を開
始する可能性もあると考えられるため、クラッチ結合度
が0〜2の場合(即ち、クラッチ接続側でクラッチスト
ロークが小さい場合)はエンジン回転速度Neが低下し
てエンストするおそれがあるときだけに、より速やかに
クラッチが切断されるように目標レリーズ勾配Sの値を
大きく設定している。なお、これにより、クラッチ切断
タイミング及びクラッチ切断スピードを最適なものとし
ている。 クラッチ結合度が0〜2の場合 停止時目標レリーズ勾配設定部36は、図4に示すよう
に、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ
圧PB3よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧PBが目
標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高い場合
(PB>PB3)には、目標レリーズ勾配SをSA(SA
>0;SAは非常に大きな値である)に設定する。
【0072】ここで、目標レリーズ勾配設定用ブレーキ
圧PB3は、車両を確実に停車させるのに必要なブレー
キ圧である最低停車ブレーキ圧PB0に所定圧PB3′
(例えば10kg/cm2)を加えた値として設定され
る[PB3=PB0+PB3′]。このように、目標レリ
ーズ勾配Sをクラッチができる限り速く切断するように
設定しているのは、ブレーキが車両を停車させるほど強
く踏みこまれた場合には、できるだけ速くクリープ運転
を解除してエンストを防止する必要があるからである。
【0073】一方、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配
設定用ブレーキ圧PB3以下の場合(PB≦PB3)に
は、さらに、エンジン回転速度Neが第3所定回転速度
Ne3(例えば840rpm)よりも低いか否かを判定
し、エンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3よ
りも低いとき[Ne<Ne3]には、目標レリーズ勾配
SをSB(SB>0,SB<SA)に設定し、これ以外
のときには、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定す
るようになっている。つまり、ブレーキ圧PBが目標レ
リーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3以下(PB≦PB3)
であって、かつ、エンジン回転速度Neが第3所定回転
速度Ne3よりも低いとき[Ne<Ne3]には、目標
レリーズ勾配SをSB(SB>0,SB<SA)に設定
し、これ以外のときには、目標レリーズ勾配Sを0mm
/sに設定するようになっている。
【0074】このように、ブレーキが車両を停車させる
ほど強く踏み込まれていない場合(即ち、PB2<PB
B3)であっても、エンジン回転速度Neを考慮して
目標レリーズ勾配Sを設定しているのは、エンジン回転
速度Neが低くなりすぎるとエンストのおそれがあるか
らである。 クラッチ結合度が3か4の場合 停止時目標レリーズ勾配設定部36は、図4に示すよう
に、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ
圧PB3よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧PBが目
標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高い場合
(PB>PB3)には、目標レリーズ勾配SをSA(SA
>0;SAは非常に大きな値である)に設定し、これ以
外の場合には、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定
するようになっている。
【0075】このように、目標レリーズ勾配Sをクラッ
チができる限り速く切断するように設定しているのは、
ブレーキが車両を停車させるほど強く踏みこまれた場合
には、できるだけ速くクリープ運転を解除してエンスト
を防止する必要があるからである。次に、この停止、か
つ、ブレーキを強く踏んでいる状態の目標レリーズ勾配
Sの設定について、エンジン回転速度Ne、エンジン回
転加速度dNe、クラッチストローク及びブレーキ圧の
変化を示す図7(A)〜(E)のタイムチャートを参照
しながら説明する。
【0076】まず、クラッチ結合度が1でクラッチが接
続されており、エンジン回転速度Neが約870rpm
近傍で、エンジン回転加速度が約0rpm/s近傍であ
る状態で、ブレーキ圧がブレーキ操作判定用ブレーキ圧
よりも大きくなったら(ここでは、ブレーキ圧が約26
kg/cm2を超えたら)、停止、かつ、ブレーキが強
く踏み込まれた状態であると判定され、目標レリーズ勾
配Sが0mm/sに設定され、クラッチストロークは維
持される。そして、エンジン回転速度Neが840rp
mよりも低くなったら、目標レリーズ勾配SがSB(S
B>0,SB<SA)に設定され、クラッチストローク
が拡がり、クラッチ結合度が1から2になる。その後、
ブレーキ圧が目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧よりも
大きくなったら(ここでは、ブレーキ圧が約35kg/
cm2)を超えたら、目標レリーズ勾配SはSA(SA
>0;SAは非常に大きな値である)に設定され、クラ
ッチストロークが拡がり、クラッチ結合度が2から4に
なる。
【0077】その後、ブレーキ圧が第1ブレーキ圧以下
になると、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる状態
でないと判定される。この場合、アクセルオフ時目標レ
リーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配Sが設
定されることになる。つまり、クラッチ結合度が4であ
り、エンジン回転速度Neが1000rpmで、エンジ
ン回転加速度dNeが約0〜約150rpm/s近傍で
ある場合には、目標レリーズ勾配SがSd(Sd<0,
|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定さ
れ、クラッチストロークが少しずつ狭まっていき、クラ
ッチ結合度が4から2になる。
【0078】ところで、クラッチアクチュエータ駆動制
御部3は、図1に示すように、目標レリーズストローク
勾配設定部31により設定された目標レリーズ勾配Sに
基づいて、クラッチアクチュエータ6のソレノイドバル
ブを駆動するためのデューティ比を計算するようになっ
ている。そして、このクラッチアクチュエータ駆動制御
部3からの信号に基づいてクラッチアクチュエータ3の
作動が制御されるようになっている。
【0079】本発明の一実施形態としての自動クラッチ
制御装置は上述のように構成されているので、例えば図
12〜図15のフロチャートに示すようにして目標レリ
ーズ勾配を設定する処理が行なわれる。なお、これらの
目標レリーズ勾配Sを設定する処理は所定周期毎に行な
われる。 (1)目標レリーズ勾配設定部31による全体の処理手
順 まず、目標レリーズ勾配設定部31による全体の処理手
順について、図12を参照しながら説明すると、図12
に示すように、ステップS10で、入力軸回転速度セン
サ10の検出情報に基づいて算出された車速Vを読み込
む。また、マスタシリンダ圧センサ19の検出情報に基
づいて算出されたブレーキ圧PBを読み込むとともに、
このブレーキ圧PBや道路勾配θ等に応じて設定される
ブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1及びアクセル操作
判定用ブレーキ圧PB2を読み込む。さらに、アイドル
スイッチ17からのオン・オフ情報を読み込む。
【0080】次に、ステップS20で、車速Vがゼロ、
かつ、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧
B1よりも高いか否かを判定し、この判定の結果、車
速Vがゼロ、かつ、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定
用ブレーキ圧PB1よりも高いと判定した場合(V=
0、かつ、PB>PB1)には、ドライバは車両を停止さ
せるべくブレーキを強く踏んでいると考えられるため、
ステップS30へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部
36により停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合
に最適な目標レリーズ勾配Sを設定して、リターンす
る。なお、この目標レリーズ勾配Sの設定については後
述する(図15参照)。
【0081】一方、ステップS20で、車速Vがゼロ、
かつ、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧
B1よりも高いという条件を満たしていないと判定し
た場合には、ステップS40へ進み、さらに、ブレーキ
圧PBがアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2よりも低い
か否かを判定し、この判定の結果、ブレーキ圧PBがア
クセル操作判定用ブレーキ圧PB2よりも低いと判定し
た場合(PB<PB2)には、ステップS50へ進む。な
お、ブレーキ圧PBがアクセル操作判定用ブレーキ圧PB
2よりも低いという条件を満たしていないと判定した場
合は、そのままリターンして、直前の目標レリーズ勾配
Sを維持する。
【0082】ステップS50では、アイドルスイッチ1
7からのオン・オフ情報に基づいて、アクセルがオンで
あるか、オフであるかを判定する。つまり、アイドルス
イッチ17がオンの場合には、アクセルオフであると判
定し、アイドルスイッチ17がオフの場合には、アクセ
ルオンであると判定するようになっている。この判定の
結果、アクセルオフであると判定した場合には、ドライ
バはブレーキ操作によりクリープ走行(微速運転)を行
なおうとしていると考えられるため、ステップS60へ
進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によ
りアクセルオフの場合に最適な目標レリーズ勾配Sを設
定し、リターンする。なお、この目標レリーズ勾配Sの
設定については後述する(図13参照)。
【0083】一方、ステップS50で、アクセルオンで
あると判定した場合には、アクセル操作によりクリープ
走行(微速運転)を行なわせようとしていると考えられ
るため、ステップS70へ進み、アクセルオン時目標レ
リーズ勾配設定部35によりアクセルオンの場合に最適
な目標レリーズ勾配Sを設定し、リターンする。なお、
この目標レリーズ勾配Sの設定については後述する(図
14参照)。
【0084】このようにして目標レリーズ勾配Sの設定
が行なわれ、目標レリーズ勾配設定部31は、この目標
レリーズ勾配Sをクラッチアクチュエータ駆動制御部3
へ出力し、クラッチアクチュエータ駆動制御部3が目標
レリーズ勾配Sに応じてデューティ比を設定し、このデ
ューティ比をクラッチアクチュエータ6へ出力する。こ
れにより、クラッチアクチュエータ6の作動が制御され
て、摩擦クラッチ(図示略)が制御され、発進・クリー
プ運転が行なわれることになる。 (2)アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によ
る処理手順 次に、上述のステップS60におけるアクセルオフ時目
標レリーズ勾配設定部34による目標レリーズ勾配Sを
設定する処理手順について、図13を参照しながら説明
する。
【0085】まず、図13に示すように、ステップA1
0で、クラッチ結合度設定部32によりストロークセン
サ14からの検出情報に基づいて設定されたクラッチ結
合度を読み込む。また、エンジン回転速度センサ12か
らエンジン回転速度Neを読み込むとともに、エンジン
回転速度センサ12からの検出情報に基づいて算出され
たエンジン回転加速度dNeを読み込む。さらに、Gセ
ンサ20の検出情報に基づいて算出された道路勾配θを
読み込む。
【0086】次に、ステップA20で、クラッチ結合度
が0,1であるか、2であるか、3,4であるかを判定
する。この判定の結果、クラッチ結合度が0,1である
と判定された場合には、クラッチストロークはクラッチ
接続側であるため(即ち、クラッチストロークは小さい
ため)、ステップA30へ進み、エンジン回転速度Ne
が第1所定回転速度Ne1(例えば850rpm)より
も高いか否かを判定し、この判定の結果、エンジン回転
速度Neが第1所定回転速度Ne1よりも高い場合(N
e>Ne1)には、ステップA40へ進み、アクセルオ
フ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ
勾配SをSa(Sa<0;Saは微小な値である)に設
定して[図5(C)中、(iii)参照]、リターンし、
これ以外の場合は、ステップA50へ進み、アクセルオ
フ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ
勾配Sを0mm/sに設定して、リターンする。この場
合、図5(D)に示すように、クラッチ結合度が2から
1となる。
【0087】ところで、ステップA20で、クラッチ結
合度が2であると判定された場合には、半クラッチ状態
であるため、ステップA60へ進み、エンジン回転速度
Neが第1所定回転速度Ne1(例えば850rpm)
よりも高いか、又は、道路勾配θが所定道路勾配θ1
(例えば5%)よりも大きいか否かを判定し、この判定
の結果、これらの条件を満たしていると判定した場合
(Ne>Ne1、又は、θ>θ1)には、ステップA7
0へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34
によって目標レリーズ勾配SをSb(Sb<0,|Sb
|>|Sa|)に設定して[図5(C)中、(ii)参
照]、リターンし、これらの条件を満たしていないと判
定した場合は、ステップA50へ進み、アクセルオフ時
目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配
Sを0mm/sに設定して、リターンする。この場合、
図5(D)に示すように、クラッチストロークが狭ま
る。
【0088】ところで、ステップA20で、クラッチ結
合度が3,4であると判定された場合には、クラッチス
トロークがクラッチ切断側であるため、ステップA80
へ進み、クラッチ結合度が3であるか、4であるかを判
定し、この判定の結果、クラッチ結合度が3である場合
には、ステップA90へ進み、エンジン回転速度Neが
第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)より
も高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加
速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大き
いか否かを判定し、この判定の結果、これらの条件を満
たしていると判定した場合(Ne>Ne2、かつ、dN
e>dNe1)には、ステップA100へ進み、アクセ
ルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリ
ーズ勾配SをSc(Sc<0,|Sc|>|Sb|>|
Sa|)に設定して、リターンし、これらの条件を満た
していないと判定した場合は、ステップA110へ進
み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によっ
て目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>|
Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定して[図5(C)
中、(i)参照]、リターンする。この場合、図5
(D)に示すように、クラッチ結合度が4で、クラッチ
ストロークが少しずつ狭まっていき、クラッチ結合度が
4から2となる。
【0089】一方、ステップA80で、クラッチ結合度
が4である場合には、ステップA120へ進み、エンジ
ン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば20
00rpm)よりも高く、かつ、エンジン回転加速度d
Neが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm
/s)よりも大きいか否かを判定し、この判定の結果、
これらの条件を満たしていると判定した場合(Ne>N
e2、かつ、dNe>dNe1)には、ステップA13
0へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34
によって目標レリーズ勾配SをSe(Se<0,|Se
|>|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定
して、リターンし、これらの条件を満たしていないと判
定した場合は、ステップA110へ進み、アクセルオフ
時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾
配SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|
>|Sa|)に設定して、リターンする。 (3)アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によ
る処理手順 次に、上述のステップS70におけるアクセルオン時目
標レリーズ勾配設定部35による目標レリーズ勾配Sを
設定する処理手順について、図14を参照しながら説明
する。
【0090】まず、ステップB10で、ストロークセン
サ14からの検出情報に基づいて設定されたクラッチ結
合度を読み込む。また、エンジン回転速度センサ12か
らの検出情報を読み込むとともに、エンジン回転速度セ
ンサ12からの検出情報に基づいて算出されたエンジン
回転加速度dNeを読み込む。さらに、ECU30内に
予め記憶されている基準エンジン回転速度Ne0及び基
準レリーズ勾配S0を読み込む。
【0091】次に、ステップB20で、クラッチ結合度
が0,1,2であるか、3,4であるかを判定する。こ
の判定の結果、クラッチ結合度が0,1,2であると判
定した場合には、ステップB30へ進み、エンジン回転
速度Neに基づいて算出値FBを演算し、さらにステッ
プB40で、算出値FBが正の値であるか、負の値であ
るかによって、クラッチ接続側であるか、クラッチ切断
側であるかを判定する。
【0092】この判定の結果、クラッチ接続側であると
判定した場合は、ステップB50へ進み、アクセルオン
時目標レリーズ勾配設定部35によって、算出値FBを
1/4した値FB/4を目標レリーズ勾配Sとして設定
して[図5(C)参照]、リターンする一方、クラッチ
切断側であると判定された場合には、ステップB60へ
進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によ
って、算出値FBを目標レリーズ勾配Sとして設定して
[図5(C)参照]、リターンする。
【0093】ところで、ステップB20で、クラッチ結
合度が3,4であると判定した場合には、クラッチスト
ロークが切断側であるため、ステップB70へ進み、ク
ラッチ結合度が3又は4であるかを判定し、この判定の
結果、クラッチ結合度が3である場合には、ステップB
80へ進み、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度
Ne2(例えば2000rpm)よりも高く、かつ、エ
ンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例
えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定
し、この判定の結果、これらの条件を満たしていると判
定した場合(Ne>Ne2、かつ、dNe>dNe1)
には、ステップB90へ進み、アクセルオン時目標レリ
ーズ勾配設定部35よって目標レリーズ勾配SをSc
(Sc<0,|Sc|>|Sb|>|Sa|)に設定し
て、リターンし、これらの条件を満たしていないと判定
した場合は、ステップB100へ進み、アクセルオン時
目標レリーズ勾配設定部35によって目標レリーズ勾配
SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>
|Sa|)に設定して、リターンする。
【0094】一方、ステップB80で、クラッチ結合度
が4である場合には、ステップB110へ進み、エンジ
ン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば20
00rpm)よりも高く、かつ、エンジン回転加速度d
Neが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm
/s)よりも大きいか否かを判定し、この判定の結果、
これらの条件を満たしていると判定した場合(Ne>N
e2、かつ、dNe>dNe1)には、ステップB12
0へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35
よって目標レリーズ勾配SをSe(Se<0,|Se|
>|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定し
て、リターンし、これらの条件を満たしていないと判定
した場合は、ステップB100へ進み、アクセルオン時
目標レリーズ勾配設定部35によって目標レリーズ勾配
SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>
|Sa|)に設定して、リターンする。 (3)停止時目標レリーズ勾配設定部36による処理手
順 次に、上述のステップS30における停止時目標レリー
ズ勾配設定部36による目標レリーズ勾配Sを設定する
処理手順について、図15を参照しながら説明する。
【0095】まず、ステップC10で、エンジン回転速
度センサ12からの検出情報を読み込み、ストロークセ
ンサ14からの検出情報に基づいて検出されたクラッチ
結合度を読み込み、Gセンサ20の検出情報に基づいて
検出された道路勾配θを読み込み、マスタシリンダ圧セ
ンサ19の検出情報に基づいて検出されたブレーキ圧P
Bを読み込む。また、道路勾配θ等に応じて算出された
目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3を読み込む。
【0096】次に、ステップC20で、クラッチ結合度
が0,1,2であるか、3,4であるかを判定する。こ
の判定の結果、クラッチ結合度が0,1,2であると判
定した場合には、ステップC30へ進み、ブレーキ圧P
Bが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高い
か否かを判定し、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設
定用ブレーキ圧PB3よりも高いと判定した場合には、
ステップC40へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部
36によって目標レリーズ勾配SをSA(SA>0;S
Aは非常に大きな値である)に設定して[図7(C)
中、(ii)参照]、リターンする。
【0097】なお、このように目標レリーズ勾配SをS
A(SA>0;SAは非常に大きな値である)に設定し
た場合には、クラッチは直ぐに切断されて、クラッチ結
合度が4になるため、図7(C)に示すように、所定時
間後に目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定して、そ
の状態を維持するようになっている。一方、ステップC
30で、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレ
ーキ圧PB3以下であると判定した場合には、ステップ
C50へ進み、さらにエンジン回転速度Neが第3所定
回転速度Ne3(例えば840rpm)よりも低いか否
かを判定する。この判定の結果、エンジン回転速度Ne
が第3所定回転速度Ne3よりも低いと判定した場合
(Ne<Ne3)には、ステップC60へ進み、停止時
目標レリーズ勾配設定部36によって目標レリーズ勾配
SをSB(SB>0,SB<SA)に設定して[図7
(C)中、(i)参照]、リターンする一方、エンジン
回転速度Neが第3所定回転速度Ne3(例えば840
rpm)以上であると判定した場合には、ステップC7
0へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36によって
目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定して、リターン
する。
【0098】ところで、ステップC20で、クラッチ結
合度が3,4であると判定した場合には、ステップC8
0へ進み、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブ
レーキ圧PB3よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧
Bが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高
いと判定した場合(PB>PB3)には、ステップC90
へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36によって目
標レリーズ勾配SをSA(SA>0;SAは非常に大き
な値である)に設定して、リターンする一方、ブレーキ
圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3以下で
あると判定された場合には、ステップC100へ進み、
停止時目標レリーズ勾配設定部36によって目標レリー
ズ勾配Sを0mm/sに設定して、リターンする。
【0099】ところで、本実施形態では、上述のような
自動クラッチ制御を前提として、アクセルオフの場合
(例えばブレーキ操作のみでクリープ運転を行なう場合
等)に、過度なスピード上昇やエンストを防止して快適
なクリープ運転を実現するために、クラッチストローク
を調整すべく、図1に示すように、ECU30の機能と
して、上述のアクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部
(アクセルオフ時目標作動速度設定部)34には目標レ
リーズ勾配変更部(目標作動速度変更部)34Bが備え
られており、さらにクラッチストローク調整部38も備
えられている。
【0100】ここで、クラッチストローク調整部38
は、図1に示すように、入力軸回転速度センサ10の検
出情報に基づいてECU30で演算される車速Vに基づ
いて、クラッチストロークを調整する機能を有する。つ
まり、クラッチストローク調整部38は、車速Vがスト
ローク調整判定用車速VA(例えば約4km/h)より
も高いか否かを判定し、車速Vがストローク調整判定用
車速VAよりも高いと判定した場合(即ち、クリープ運
転に適していない速度になっていると判定した場合)に
は、クラッチが結合しすぎており、クリープ力が強すぎ
ると考えられるため、クリープ力が大きくなりすぎない
ようにクラッチストロークを微調整すべく、クラッチを
切断側へ所定ストローク量ST(例えば約1mm)だけ
移動させるべく、クラッチアクチュエータ駆動制御部3
へ信号を出力するようになっている。
【0101】これにより、クラッチアクチュエータ駆動
制御部3からクラッチアクチュエータ6のソレノイドバ
ルブ66へ増圧パルスが1パルス(クラッチストローク
約1mmに相当)だけ出力され、これにより、ソレノイ
ドバルブ65がオン(開)[ソレノイドバルブ66はオ
フ(閉)]となり、クラッチを切断側へ移動させてクラ
ッチストロークを所定ストローク量ST(例えば最小調
整量に相当する約1mm)だけ変化させて、クラッチス
トロークの最適化が図られるようになっている。
【0102】目標レリーズ勾配変更部34Bは、図1に
示すように、エンジン回転速度センサ12からのエンジ
ン回転速度Neと、車速Vを時間微分して求められる車
体加速度dVと、Gセンサ20からの加速度情報に応じ
てECU30で演算される道路勾配θと、上述のクラッ
チ結合度設定部33により設定されるクラッチ結合度と
基づいて、上述のアクセルオフ時目標レリーズ勾配設定
部34により設定された目標レリーズ勾配Sを最適な目
標レリーズ勾配STに変更する機能を有する。なお、車
速Vから車体加速度dVを算出するECU30の機能を
車体加速度検出手段という。
【0103】ここでは、目標レリーズ勾配変更部34B
は、以下の,の条件を判定し、それぞれの条件下で
最適な目標レリーズ勾配STを設定するようになってい
る。 車体加速度(負の値の場合には車両減速度ともいう)
dVが所定車体加速度dV1(例えば−0.02g)よ
りも小さいこと[即ち、車体加速度dVが負の値であっ
て(車両減速度)、所定車体加速度dV1よりも値が負
に大きいこと](dV<dV1) エンジン回転速度Neがストローク調整用エンスト判
定しきい値SH(例えばエンスト判定値ES+所定値)
よりも低いこと(Ne<SH2) クラッチ結合度が2よりも小さいこと(クラッチ結合
度が0か1であること;クラッチ結合度<2)、即ち、
クラッチストロークが所定値よりも接続側であること 道路勾配θが所定道路勾配θ1(例えば約5%)以下
であること(θ≦θ1) ここで、を条件としているのは、車両減速時であっ
て、車体加速度dVが所定車体加速度dV1よりも小さ
い場合には、クラッチが結合しているとエンストにつな
がるため、クラッチが切断状態となるようにクラッチス
トロークを調整する必要があるからである。
【0104】本実施形態では、この条件が成立してい
る場合には、さらに条件を判定し、クラッチ結合度に
応じて最適な目標レリーズ勾配STを設定するようにし
ている。ここで、を条件としているのは、クラッチ結
合度に応じてクラッチストロークが異なるため、クラッ
チ結合度に応じてクラッチ切断スピードやクラッチ切断
タイミングをを調整するためである。
【0105】また、を条件としているのは、エンジン
回転速度Neがストローク調整用エンスト判定しきい値
SHよりも低い場合には、エンジン回転速度Neが低下
しすぎていると考えられるため、クラッチ切断側へクラ
ッチストロークを調整する必要があるからである。ここ
では、目標レリーズ勾配変更部34Bは、エンジン回転
速度Neとエンジン回転加速度dNeとに基づいて、エ
ンスト傾向を予測して、エンストするおそれのあるか否
かを判定するようになっている。この機能をエンスト判
定部という。
【0106】このエンスト判定部は、図16に示すよう
に、エンジン回転速度Neとエンジン回転加速度dNe
とにより規定される領域のうち、エンジン回転速度Ne
がエンスト判定値ESよりも低い領域をエンスト判定領
域とし、エンスト判定を行なうようになっている。ここ
では、安全のために、エンスト判定値ESに所定値(安
全値)を加算して、この加算値をストローク調整用エン
スト判定しきい値SHとして設定している。これによ
り、既存のエンスト判定マップを用いることができるよ
うになるが、本制御に固有のエンスト判定マップを用い
ても良く、この場合には、エンジン回転速度Neとエン
ジン回転加速度dNeとにより規定される領域のうち、
エンジン回転速度Neがエンスト判定しきい値SHより
も低い領域をエンスト判定領域とし、エンスト判定を行
なうようにすれば良い。
【0107】本実施形態では、この条件が成立してい
る場合には、さらに条件を判定し、道路勾配θに応じ
て最適な目標レリーズ勾配STを設定するようにしてい
る。ここで、を条件としているのは、例えば上り坂の
ように道路勾配θが大きい場合には、道路勾配θが小さ
いときよりも速やかにクラッチを切断する必要があり、
道路勾配θに応じて最適な目標レリーズ勾配STは異な
るからである。
【0108】そして、目標レリーズ勾配変更部34B
は、条件が成立していると判定した場合には、さらに
条件を判定し、クラッチ結合度が0,1の場合には、
クラッチストロークは所定値よりも接続側であり、より
速くクラッチを切断する必要があるため、上述のアクセ
ルオフ時目標レリーズ勾配設定部34により設定された
目標レリーズ勾配Sを変えて、クラッチを切断する速度
が速くなるように、目標レリーズ勾配STをSBに設定
し、クラッチ結合度が2,3,4の場合には、クラッチ
ストロークが大きく、エンストにつながるおそれは低い
と考えられるため、目標レリーズ勾配STを0mm/s
に設定し、クラッチストロークを維持するようにしてい
る。なお、ここでは、クラッチ結合度が0,1の場合に
は、目標レリーズ勾配STをSB(SB>0,SB<S
A)に設定しており、停止時目標レリーズ勾配設定部3
6によって、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用
ブレーキ圧PB3以下(PB≦PB3)であって、かつ、
エンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3よりも
低い場合[Ne<Ne3]に目標レリーズ勾配Sとして
設定されるSB(SB>0,SB<SA)と同じ値とし
ているが、これに限られるものではなく、クラッチ切断
側の異なる値として設定しても良い。
【0109】これにより、例えばクリープ運転中に軽く
ブレーキが踏み込まれ、これにより車両が減速する場合
に、クラッチストロークがクラッチ接続側であるとき
は、クラッチ結合度が2になるまでクラッチを接続側へ
移動させるようにして、減速時にエンジン回転速度が過
度に低下してしまうのを防止し、エンジン回転状態を安
定化させることで安定したクリープ運転を実現できるよ
うにしているのである。
【0110】また、条件が成立していないと判定し、
車体加速度dVの観点からはエンストにつながるおそれ
がないと判定した場合であっても、条件が成立してい
ると判定した場合には、エンジン回転速度Neの観点か
らはエンストにつながるおそれがあると考えられるた
め、さらに条件を判定し、道路勾配θが所定道路勾配
θ1(例えば約5%)よりも大きいと判定した場合(例
えば上り坂で勾配が急な場合)には、速やかに切断する
必要があるため、目標レリーズ勾配STをSC(SC>
0,SA>SC>SB)に設定する一方、道路勾配θが
所定道路勾配θ1以下であると判定した場合には、目標
レリーズ勾配STをSD(SD>0,SA>SC>SB
>SD)に設定するようにしている。なお、条件が成
立していないと判定した場合には、エンストするおそれ
がないと考えれられるため、目標レリーズ勾配変更部3
4Bによる処理は行なわない。
【0111】上述のように構成されるため、本実施形態
にかかるクラッチストローク調整部38及び目標レリー
ズ勾配変更部34Bによる処理は、図17のフローチャ
ートに示すようにして行なわれる。なお、この処理は所
定周期毎に実行される。つまり、図17に示すように、
ステップD10で、入力軸回転速度センサ10の検出情
報に基づいてECU30で演算される車速Vを読み込
み、車速Vから算出された車体加速度dVを読み込み、
エンジン回転速度センサ12からのエンジン回転速度N
eを読み込み、Gセンサ20からの加速度情報に応じて
ECU30で演算される道路勾配θを読み込み、上述の
クラッチ結合度設定部33により設定されるクラッチ結
合度を読み込む。
【0112】次に、ステップD20で、クラッチストロ
ーク調整部38によるクラッチストロークを調整する処
理が実行されたことを示すクラッチストローク調整済フ
ラグFが1であるか否かを判定する。なお、クラッチス
トローク調整済フラグFは、初期設定では0になってお
り、クラッチストローク調整部38による調整処理が実
行された場合に1にセットされるようになっている。
【0113】この判定の結果、クラッチストローク調整
済フラグFが1でないと判定した場合(F=0)には、
ステップD30へ進み、車速Vがストローク調整判定用
車速VA(例えば約4km/h)よりも高いか否かを判
定し、車速Vがストローク調整判定用車速VAよりも高
いと判定した場合には、ステップD40へ進んで、クラ
ッチを切断側へ所定ストローク量ST(例えば約1m
m)だけ移動させるべく、クラッチアクチュエータ駆動
制御部3へ信号を出力し、ステップD50へ進んで、ク
ラッチストローク調整済フラグFを1にセットして、リ
ターンする。
【0114】これにより、クラッチアクチュエータ駆動
制御部3からクラッチアクチュエータ6のソレノイドバ
ルブ65へ増圧パルスが1パルス(クラッチストローク
約1mmに相当)だけ出力され、これにより、ソレノイ
ドバルブ65がオン(開)[ソレノイドバルブ66はオ
フ(閉)]となり、クラッチが切断側へ移動されてクラ
ッチストロークが所定ストローク量ST(例えば最小調
整量に相当する約1mm)だけ変化して、クラッチスト
ロークの最適化が図られる。
【0115】一方、ステップD20でクラッチストロー
ク調整済フラグFが1であると判定した場合(F=
1)、及び、ステップD30で車速Vがストローク調整
判定用車速VA以下であると判定した場合には、いずれ
もステップD60へ進み、車体加速度dVが所定車体加
速度dV1(例えば約−0.02g)よりも小さいか否
かを判定する。
【0116】この判定の結果、車体加速度dVが所定車
体加速度dV1よりも小さいと判定した場合(dV<d
V1)は、ステップD70へ進み、クラッチ結合度が2
よりも小さいか否かを判定し、即ち、クラッチ結合度が
0又は1であるか否かを判定し、クラッチ結合度が0,
1の場合には、ステップD80へ進み、目標レリーズ勾
配STをSB(SB>0,SB<SA)に設定し、リタ
ーンする。一方、クラッチ結合度が2,3,4である場
合には、ステップD90へ進み、目標レリーズ勾配ST
を0mm/sに設定し、リターンする。
【0117】ところで、ステップD60で、車体加速度
dVが所定車体加速度dV1以上であると判定した場合
には、ステップD100へ進み、エンジン回転速度Ne
がストローク調整用エンスト判定しきい値SH(エンス
ト判定値ES+所定値)よりも小さいか否かを判定し、
この判定の結果、エンジン回転速度Neがストローク調
整用エンスト判定しきい値SH以上であると判定した場
合には、エンストのおそれがないと考えられるため、こ
こでの処理は行なわずに、リターンする。
【0118】一方、エンジン回転速度Neがストローク
調整用エンスト判定しきい値SHよりも小さいと判定し
た場合には、ステップD110へ進み、さらに、道路勾
配θが所定道路勾配θ1(例えば5%)よりも大きいか
否かを判定する。この判定の結果、道路勾配θが所定道
路勾配θ1(例えば5%)よりも大きいと判定した場合
には、ステップD120へ進み、目標レリーズ勾配ST
をSC(SC>0,SA>SC>SB)に設定し、リタ
ーンする。一方、道路勾配θが所定道路勾配θ1(例え
ば5%)以下である場合には、ステップD130へ進
み、目標レリーズ勾配STをSD(SD>0,SA>S
C>SB>SD)に設定し、リターンする。
【0119】したがって、本実施形態にかかる自動クラ
ッチ制御装置によれば、アクセルオフ時に、クラッチス
トロークを調整することで、快適なクリープ運転を実現
し、ドライバビリティを向上させることができるという
利点がある。特に、アクセルオフ時であって車両の減速
時にクラッチストロークを調整することで、エンジン回
転速度が過度に低下してしまうのを防止して、ドライバ
の要求に応じて直ぐに発進・クリープ運転が行なわれる
ようにエンジン回転状態を安定化させて、快適なクリー
プ運転を実現し、ドライバビリティを向上させることが
できるという利点がある。
【0120】また、アクセルオフ時にクラッチストロー
クを調整することで、クリープ運転中に過度に車速が上
昇してしまうのを抑制して、快適なクリープ運転を実現
し、ドライバビリティを向上させることができるという
利点もある。さらに、アクセルオフ時にクラッチストロ
ークを調整することで、エンジン回転速度が低下してエ
ンストしてしまうのを防止して、快適なクリープ運転を
実現し、ドライバビリティを向上させることができると
いう利点もある。特に、道路勾配θも考慮することで、
より確実にエンジン回転速度が低下してエンストしてし
まうのを防止することができることになる。
【0121】なお、上述の実施形態では、車速Vに基づ
くクラッチストロークの調整と、車体加速度dVに基づ
くクラッチストロークの調整と、エンジン回転速度Ne
及び道路勾配θに基づくクラッチストロークの調整とを
全て行なうようにしているが、これに限られるものでは
なく、アクセルオフ時に、クラッチストロークを調整す
べく、これらのうちのいずれか1つの制御を行なうよう
にしても良い。
【0122】また、上述の実施形態では、本発明の自動
クラッチ制御装置を、機械式自動変速機をそなえた車両
に適用した例を示したが、本発明の自動クラッチ制御装
置は、摩擦クラッチの断接を自動的に行なう自動クラッ
チをそなえた車両であれば適用しうるものであり、例え
ば、変速操作をドライバが手動で行なう一般的な手動変
速機をそなえた車両に適用してもよい。
【0123】また、本発明の自動クラッチ制御装置は、
上述のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で変更することができる。例えば、上述
した実施形態で用いた数値は、エンジンや車両の特性,
緒元等に応じて種々変更することができる。
【0124】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2記載
の本発明の自動クラッチ制御装置によれば、アクセルオ
フ時(特に車両の減速時)に、クラッチストロークを調
整することで、エンジン回転速度が過度に低下してしま
うのを防止して、ドライバの要求に応じて直ぐに発進・
クリープ運転が行なわれるようにエンジン回転状態を安
定化させて、快適なクリープ運転を実現し、ドライバビ
リティを向上させることができるという利点がある。
【0125】請求項3記載の本発明の自動クラッチ制御
装置によれば、アクセルオフ時にクラッチストロークを
調整することで、エンジン回転速度が低下してエンスト
してしまうのを防止して、快適なクリープ運転を実現
し、ドライバビリティを向上させることができるという
利点がある。請求項4記載の本発明の自動クラッチ制御
装置によれば、道路勾配も考慮するため、より確実にエ
ンジン回転速度が低下してエンストしてしまうのを防止
することができるという利点がある。
【0126】請求項5記載の本発明の自動クラッチ制御
装置によれば、アクセルオフ時にクラッチストロークを
調整することで、クリープ運転中に過度に車速が上昇し
てしまうのを抑制して、快適なクリープ運転を実現し、
ドライバビリティを向上させることができるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置を備える車両の制御モード遷移図である。
【図3】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置によるクラッチ結合度の判定を説明するための図で
ある。
【図4】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置による目標レリーズストローク勾配の設定について
説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置によるアクセルオフ時の目標レリーズ勾配の設定を
説明するためのタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置によるアクセルオン時の目標レリーズ勾配の設定を
説明するためのタイムチャートである。
【図7】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置による停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合
の目標レリーズ勾配の設定を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図8】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置によるアクセルオンの場合の目標レリーズストロー
ク勾配の設定について説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御
装置を機械式自動変速機に適用した場合の全体的な機能
を示す制御ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置にかかるクラッチアクチュエータの構成を示す模
式図である。
【図11】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置にかかるシフトセレクトアクチュエータの構成を
示す模式図である。
【図12】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置によるクラッチ制御の全体的な処理手順を説明す
るためのフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置によるアクセルオフ時の目標レリーズ勾配設定の
処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置によるアクセルオン時の目標レリーズ勾配設定の
処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置による停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場
合の目標レリーズ勾配設定の処理手順を説明するための
フローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置によるエンスト判定を説明するための図である。
【図17】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制
御装置による目標レリーズ勾配変更部及びクラッチスト
ローク調整部の処理手順を説明するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】 3 クラッチアクチュエータ駆動制御部 6 クラッチアクチュエータ 10 入力軸回転速度センサ(車速検出手段,車両運転
状態検出手段) 11 アクセル開度センサ(アクセル状態検出手段,車
両運転状態検出手段) 12 エンジン回転速度センサ(エンジン回転状態検出
手段,車両運転状態検出手段) 14 ストロークセンサ(クラッチストローク検出手
段,車両運転状態検出手段) 17 アイドルスイッチ(アクセル状態検出手段,車両
運転状態検出手段) 19 マスタシリンダ圧センサ(ブレーキ圧検出手段,
車両運転状態検出手段) 20 加速度センサ(Gセンサ,道路勾配検出手段) 30 ECU(制御手段,車体加速度検出手段) 31 目標ストローク勾配設定部 32 クラッチ結合度設定部 33 操作状態判定部 34 アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部(アクセ
ルオフ時目標作動速度設定部) 34B 目標レリーズ勾配変更部(目標作動速度変更
部) 35 アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部 36 停止時目標レリーズ勾配設定部 38 クラッチストローク調整部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J057 AA01 AA06 BB02 GA23 GA30 GA31 GA44 GB02 GB04 GB05 GB12 GB13 GB22 GB32 GB36 GC10 GC11 GE05 GE08 HH02 JJ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦クラッチの断接を自動的に行なう自
    動クラッチ制御装置において、 前記クラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータ
    と、 車両の加速度を検出する車体加速度検出手段と、 アクセルオフ時に前記車体加速度検出手段により検出さ
    れた前記車体加速度が所定車体加速度よりも小さくなっ
    たら、前記クラッチが半クラッチ状態又は切断状態にな
    るように前記クラッチのストロークを調整すべく前記ク
    ラッチアクチュエータを制御する制御手段とを備えるこ
    とを特徴とする、自動クラッチ制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの回転速度を検出するエンジン
    回転速度検出手段と、前記クラッチのストロークを検出
    するクラッチストローク検出手段とを備え、 前記制御手段が、 前記クラッチの断接を行なうための目標作動速度を設定
    し、前記目標作動速度に基づいて前記クラッチアクチュ
    エータを制御するように構成され、 アクセルオフ時に前記エンジン回転速度検出手段により
    検出されたエンジン回転速度に基づいて前記目標作動速
    度を設定するアクセルオフ時目標作動速度設定部と、 前記クラッチストローク検出手段により検出された前記
    クラッチストロークが所定値よりも接続側である場合に
    は、前記アクセルオフ時目標作動速度設定部により設定
    される前記目標作動速度よりも前記クラッチを切断する
    作動速度が速くなるように前記目標作動速度を変更する
    目標作動速度変更部とを備えることを特徴とする、請求
    項1記載の自動クラッチ制御装置。
  3. 【請求項3】 摩擦クラッチの断接を自動的に行なう自
    動クラッチ制御装置において、 前記クラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータ
    と、 エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手
    段と、 前記クラッチの断接を行なうための目標作動速度を設定
    し、前記目標作動速度に基づいて前記クラッチのストロ
    ークを調整すべく前記クラッチアクチュエータを制御す
    る制御手段とを備え、 前記制御手段が、 アクセルオフ時に前記エンジン回転速度検出手段により
    検出されたエンジン回転速度に基づいて前記目標作動速
    度を設定するアクセルオフ時目標作動速度設定部と、 前記エンジン回転速度検出手段により検出されるエンジ
    ン回転速度がエンスト判定しきい値よりも低くなった場
    合に、前記アクセルオフ時目標作動速度設定部により設
    定された前記目標作動速度よりも前記クラッチを切断す
    る作動速度が速くなるように前記目標作動速度を変更す
    る目標作動速度変更部とを備えることを特徴とする、自
    動クラッチ制御装置。
  4. 【請求項4】 道路勾配を検出する道路勾配検出手段を
    備え、 前記目標作動速度変更部が、前記道路勾配検出手段によ
    り検出された道路勾配に基づいて前記目標作動速度を変
    更するように構成されることを特徴とする、請求項3記
    載の自動クラッチ制御装置。
  5. 【請求項5】 摩擦クラッチの断接を自動的に行なう自
    動クラッチ制御装置において、 前記クラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータ
    と、 車両の速度を検出する車速検出手段と、 アクセルオフ時に、前記車速検出手段により検出される
    車速が所定車速よりも高くなったら、前記クラッチを切
    断側へ所定ストローク量だけ移動させるように前記クラ
    ッチアクチュエータを制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする、自動クラッチ制御装置。
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