JP4106860B2 - 自動クラッチ制御装置 - Google Patents

自動クラッチ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4106860B2
JP4106860B2 JP2000214933A JP2000214933A JP4106860B2 JP 4106860 B2 JP4106860 B2 JP 4106860B2 JP 2000214933 A JP2000214933 A JP 2000214933A JP 2000214933 A JP2000214933 A JP 2000214933A JP 4106860 B2 JP4106860 B2 JP 4106860B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
creep
engine
target release
stroke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000214933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002031166A (ja
Inventor
ウォルターズ ケビン
喜亮 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2000214933A priority Critical patent/JP4106860B2/ja
Publication of JP2002031166A publication Critical patent/JP2002031166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4106860B2 publication Critical patent/JP4106860B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦クラッチの断接を自動的に行なう自動クラッチ制御装置に関し、特に機械式自動変速機に用いて好適の自動クラッチ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等の車両の変速機として、摩擦クラッチと平行2軸式変速機とからなる手動変速機を自動化した、いわゆる機械式自動変速機が開発されている。このような機械式自動変速機では、エンジンから駆動輪までの駆動力伝達系に流体クラッチ(トルクコンバータ)が介在しないため、トルクコンバータを用いた自動変速機よりも伝達効率が高く、燃費の向上を図ることができる。また、トルクコンバータ特有のスリップ感がないためドライバビリティも向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような機械式自動変速機では、上述したようにトルクコンバータをそなえていないので、エンジントルクの微少伝達による微速走行、いわゆるクリープ運転を行なうことができない。このようなクリープ現象を利用したクリープ運転は、ブレーキ操作のみで車庫入れや駐車位置の微修正を行なえる等便利である。そこで、機械式自動変速機についても、摩擦クラッチの係合状態を半クラッチ状態に制御して、クリープ運転(クリープ走行)を行なうことができるように構成することが考えられる。
【0004】
しかしながら、良好なクリープ運転を実現すべく、常に最適なクリープ力が得られるようにするためには、クラッチを接続しすぎたり、切断しすぎたりしないように摩擦クラッチの係合状態を常に半クラッチ状態に維持する必要があるが、実際には半クラッチ状態を維持するのは難しい。
このため、クリープ力が弱すぎたり、強すぎたりしてしまい、半クラッチ状態を維持して最適なクリープ力を確保するのは困難である。また、クラッチを接続しすぎてエンジン回転速度が低下してしまい、エンストしてしまうおそれもあり、さらにクラッチを切断しすぎて必要なクリープ力が得られず、クリープ運転が行なわれなくなるおそれもある。
【0005】
また、常に一定のクリープ力を確保して確実にクリープ運転を行なえるように、クラッチが接続しすぎたり、切断しすぎたりせずに常に最適な半クラッチ状態を維持すべくクラッチを断接する制御を繰り返して行なうようにすることが考えられるが、これではクリープ運転中に制御ハンチングが生じてしまい、振動や騒音が発生する原因となる。
【0006】
そこで、特開昭64−78937号公報には、クリープ力を一定に保持するできるようにすべく、エンジン負荷の変動に対応してクラッチの開度を制御してクリープ運転を行なわせる技術が開示されている。しかし、この技術では、一定のクリープ力を確保するための具体的な構成については何ら開示されていない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、クリープ運転中に制御ハンチングによって振動や騒音が生じないようにしながら、一定のクリープ力を確保して確実にクリープ運転を行なえるようにした、自動クラッチ制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の自動クラッチ制御装置では、クラッチアクチュエータによってクラッチを断接駆動するようになっており、エンジン回転速度センサによってエンジンの回転速度を検出し、クラッチストローク検出手段によってクラッチのストロークを検出して、制御手段によって、エンジン回転速度センサから検出したエンジン回転速度がエンスト判定しきい値よりも高く、かつ、エンジン回転速度センサの検出情報に基づいて算出されたエンジン回転加速度がクリープポイント検出用回転加速度よりも小さく、かつ、クラッチストローク検出手段から検出したクラッチストロークが接続側である場合に車両がクリープし始めるクリープポイントに到達したと判定し、一定のクリープ力を確保すべくクラッチストロークを維持するようにクラッチアクチュエータを制御される。これにより、クリープ運転中の制御ハンチングが防止される。
【0008】
また、制御手段によって、クリープポイント検出後所定期間内に、エンジン回転速度センサの検出情報に基づいて算出されたエンジン回転加速度のピーク値がピーク値判定用回転加速度よりも大きくなった後に、エンジン回転加速度が接続側最適化処理用回転加速度よりも大きくなった場合にクラッチストロークを増減させてクリープポイントを最適化するようにクラッチアクチュエータが制御される。これにより、一定のクリープ力が確保される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置について、図1〜図19を参照しながら説明する。
まず、本発明が適用される機械式自動変速機について説明すると、この機械式自動変速機は、トルクコンバータ等の流体クラッチをそなえた自動変速機とは異なり、摩擦クラッチと平行2軸式変速機とをそなえた一般的な手動変速機に対し、ドライバの代わりにクラッチ操作及び変速操作を行なうアクチュエータや電子制御スロットル(いわゆるドライブバイワイヤシステム)等が付設されており、これらのアクチュエータ等の作動を適宜制御することにより、自動変速が実行されるように構成されている。
【0010】
ここで、図9に示すように、この自動変速機のコントローラ[A/T−ECU、以下単にECU(制御手段)という]30には、変速判定部1,変速実行部2,クラッチアクチュエータ駆動制御部3,シフトセレクトアクチュエータ駆動制御部4及びスロットルアクチュエータ駆動制御部5が設けられている。
また、車両側には、変速機本体の入力軸回転速度を検出するとともに車両の速度を検出する車速センサとしても機能する入力軸回転速度センサ(車速検出手段)10,アクセル開度又はアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ(アクセル状態検出手段)11,エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサ(エンジン回転状態検出手段)12,スロットルの開度を検出するスロットル開度センサ13及びクラッチのレリーズストローク(クラッチストローク)及びレリーズ液圧をそれぞれ検出するレリーズストロークセンサ(ストロークセンサ,クラッチストロークセンサ,クラッチストローク検出手段)14及びレリーズ液圧センサ(圧力センサ)15が設けられている。
【0011】
そして、上記車速センサ10及びアクセル開度センサ11からの検出情報に基づいて、変速判定部1でシフトアップ又はシフトダウンのタイミングが判定(変速判定)されるとともに、変速実行部2では、変速判定部1からの変速指示を受けて各アクチュエータ駆動制御部3〜5に対して制御信号が設定されるようになっている。
【0012】
また、この機械式自動変速機には、クラッチの断接を行なうクラッチアクチュエータ6と、変速機本体の変速段を切り換えるためのシフトセレクトアクチュエータ7と、電子制御スロットルのスロットル開度を変更するためのスロットルアクチュエータ8とが設けられている。なお、このスロットルアクチュエータ8は、例えばステッパモータにより構成される。
【0013】
そして、各アクチュエータ駆動制御部3〜5では、上記変速実行部2からの制御信号に応じてクラッチアクチュエータ6,シフトセレクトアクチュエータ7及びスロットルアクチュエータ8の作動を制御するようになっている。具体的には、変速判定部1で変速判定されると、▲1▼スロットルの戻し操作,▲2▼クラッチ切断操作,▲3▼ギアチェンジ(変速段の切り換え),▲4▼エンジン回転速度合わせ,▲5▼クラッチ接続操作の順に各操作が実行されるようになっており、変速実行部2では、変速操作実行時に最適なタイミングで各アクチュエータ6〜8が作動するように各駆動制御部3〜5に制御信号を設定するようになっているのである。
【0014】
次に、クラッチアクチュエータ6及びシフトセレクトアクチュエータ7の構成についてそれぞれ図10及び図11を用いて簡単に説明する。
図10に示すように、クラッチアクチュエータ6には、クラッチレリーズシリンダ61が設けられており、このクラッチレリーズシリンダ61のプッシュロッド(駆動軸)61bの先端には図示しないレリーズフォークが接続されている。そして、このクラッチレリーズシリンダ61の室61aに対する作動流体(本実施形態では作動油)の給排状態を制御することでクラッチレリーズシリンダ61のプッシュロッド61bを進退させてクラッチの係合状態を制御するようになっている。なお、ここでは室61aに作動油が供給されてクラッチレリーズシリンダ61のプッシュロッド61bが図中右方向に伸長すると、クラッチが切れるように構成されている。
【0015】
また、図示するように、室61aとオイルタンク62の間には、油圧源(オイルポンプ)63,調圧弁(レギュレータ)64,油圧供給用のソレノイド65及び油圧排出用のソレノイド66等が設けられており、上記クラッチアクチュエータ駆動制御部3によりこれら2つのソレノイド(開閉弁)65,66がそれぞれデューティ制御されるようになっている。そして、このように2つのソレノイド65,66をオンオフ制御することにより室61aへの油圧供給状態が変更されて、クラッチの断接が行なわれるようになっている。
【0016】
例えば、ソレノイド65をオン(開)にするとともにソレノイド66をオフ(閉)として室61aに作動油を供給することでクラッチが切断される。また、上記とは逆にソレノイド65をオフ(閉)にするとともにソレノイド66をオン(開)として室61aの作動油をオイルタンク62にドレーンすることでクラッチが接続される。また、図10に示すように、両ソレノイド65,66をともにオフ(閉)にした場合には、クラッチの状態が保持されるのである。
【0017】
なお、上述したように、クラッチアクチュエータ6には、クラッチレリーズシリンダ61のプッシュロッド61bの位置(レリーズストローク)を検出するストロークセンサ14と、室61aに供給される作動油の圧力(レリーズ圧)を検出する圧力センサ15とが付設されており、これらのセンサ14,15の検出情報はクラッチアクチュエータ駆動制御部3にフィードバックされるようになっている。
【0018】
次に、図11を用いてシフトセレクトアクチュエータ7について説明すると、このシフトセレクトアクチュエータ7は、シフトアクチュエータ71とセレクトアクチュエータ72とをそなえている。このうち、シフトアクチュエータ71は、その作動方向が、手動変速機におけるシフトレバーの前後方向(シフト方向)に対応するように設けられ、セレクトアクチュエータ72は、その作動方向が、シフトレバーの左右方向(セレクト方向)に対応するように設けられている。
【0019】
また、これらのアクチュエータ71,72は、いずれも3つの位置をとりうる3位置油圧パワーシリンダとして構成されており、これらのシフト方向の3位置とセレクト方向の3位置とを組み合わせることにより、手動変速機のシフトパターンに対応した動作で変速段を切り換えることができるようになっている。
ここで、アクチュエータ71,72の構成について、シフトアクチュエータ71を例に簡単に説明すると、アクチュエータ71内には受圧面積の異なる2つのピストン71a,71bが設けられている。ピストン71a,71bに作用する力は、油圧が一定であれば受圧面積に応じて大きくなるので、ピストン71a,71bに対してそれぞれ独立して油圧を作用させて各ピストン71a,71bの位置をそれぞれ変更することにより、アクチュエータ71の作動位置を図中の上中下で示すような3位置に切り換えることができるようになっている。
【0020】
また、図示するように、各アクチュエータ71,72とオイルタンク73との間には、油圧源(オイルポンプ)74,調圧弁(レギュレータ)75及びソレノイド76〜79等が設けられており、上記のクラッチアクチュエータ6と同様に、各ソレノイド76〜79をデューティ制御することにより上記各ピストン71a,71bへの作動油供給状態が適宜切り換えられるようになっている。そして、これによりアクチュエータ71,72の作動位置が切り換えられて、変速段が切り換えられるようになっているのである。
【0021】
なお、この自動変速には、シフトレンジとしてPレンジ,Nレンジ,Rレンジ及びDレンジ等が設けられている。
ところで、本実施形態にかかる車両には、図2に示すように、上述のようにECU30内の機能として備えられる変速判定部1や変速実行部2によって、通常走行時の変速制御を行なう通常走行制御モードと、速やかでショックの少ない発進・クリープ運転(単にクリープ運転,クリープ走行ともいう)を実現しうるようにクラッチ制御を行なう発進・クリープ制御モードとが、所定条件に基づいて切り換えられるようになっている。
【0022】
これらの通常走行モードと発進・クリープ制御モードとを切り換えるための条件として、走行モード移行条件A及び発進・クリープ制御モード移行条件Bが設定されている。
ここで、走行モード移行条件Aとしては、▲1▼車速Vが第1所定車速V1(例えば約10km/h)よりも高いこと(V>V1)、▲2▼エンジン回転速度Neとクラッチ回転速度(例えば入力軸回転速度センサ等により検出される)が一定時間以上略等しい状態が継続したことの2つの条件が設定されている。そして、これらの2つの条件の双方が成立した場合に、発進・クリープ制御モードから通常走行モードへ移行するようになっている。
【0023】
また、発進・クリープ制御モード移行条件Bとしては、▲1▼車速Vが第2所定車速V2(例えば約6km/h)よりも低いこと(V<V2)、▲2▼目標シフト段が3速用変速段よりも低速段であること(目標シフト段<3速用変速段)の2つの条件が設定されている。そして、これらの2つの条件の双方が成立した場合に、通常走行モードから発進・クリープ制御モードへ移行するようになっている。なお、発進・クリープ制御モードでは、シフト段が1速用変速段に設定されるようになっている。
【0024】
次に、発進・クリープ制御モード時において最適なクラッチ制御を行なうために備えられる自動クラッチ制御装置について説明する。
本自動クラッチ制御装置は、図1に示すように、ECU(制御手段)30内の機能として備えられる上述のクラッチアクチュエータ駆動制御部3及び目標レリーズストローク勾配設定部(目標レリーズ勾配設定部)31と、クラッチアクチュエータ6と、上述した入力軸回転速度センサ(車速検出手段)10,エンジン回転速度センサ(エンジン回転状態検出手段)12及びストロークセンサ(クラッチストローク検出手段)14と、アクセルペダルが踏み込まれるとオンとなるアイドルスイッチ(アクセルスイッチ,アクセル状態検出手段)17と、車両のブレーキ圧(ここでは特にブレーキ・マスタシリンダでの油圧)PBを検出するマスタシリンダ圧センサ(M/C圧センサ,ブレーキ圧検出手段)19と、車両の加速度を検出する加速度センサ(以下Gセンサという)20とをそなえて構成されている。
【0025】
そして、自動クラッチ制御装置は、入力軸回転速度センサ10の検出情報に基づいてECU30で演算される車速情報(車速V)と、エンジン回転速度センサ12からのエンジン回転速度情報(エンジン回転速度Ne)と、ストロークセンサ14からのクラッチストローク情報と、アイドルスイッチ17から得られるアクセル操作情報(アクセルのオン・オフ情報)と、マスタシリンダ圧センサ19からの検出情報に基づいて算出されるブレーキ圧PBと、Gセンサ20からの加速度情報に応じてECU30で演算される道路勾配θとに基づいて、クラッチアクチュエータ駆動制御部3でクラッチアクチュエータ6の作動を制御することで摩擦クラッチ(図示略)を制御するものである。
【0026】
なお、入力軸回転速度センサ10、エンジン回転速度センサ12、アイドルスイッチ17、マスタシリンダ圧センサ19、ストロークセンサ14は、いずれも車両の運転状態を検出する機能を有するものであるため、これらをまとめて車両運転状態検出手段という。また、Gセンサ20及びECU30の機能により道路勾配θが検出されるため、これらのGセンサ20及びECU30を道路勾配検出手段という。
【0027】
ここで、目標レリーズストローク勾配設定部31は、発進・クリープ運転時に、車両の走行状態(運転状態)を調整するためにドライバによって操作されるアクセル及びブレーキの操作状態に応じて適切なクラッチ制御を行なうべく、図1に示すように、ドライバによる操作状態を判定する機能(操作状態判定部32)を備えて構成される。
【0028】
この操作状態判定部32は、アイドルスイッチ17からのアクセルオン・オフ情報と、入力軸回転速度センサ10の検出情報に基づいてECU30で演算される車速Vと、マスタシリンダ圧センサ19からのブレーキ圧PBと、Gセンサ20からの加速度情報に基づいて演算される道路勾配θに応じて算出されるブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1及びアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2とに基づいて、▲1▼アクセルオフであるか(ただし、後述の停止操作状態は除く)、▲2▼アクセルオンであるか、▲3▼車両が停止しており、かつ、ブレーキを強く踏んでいる停止操作状態であるか、のいずれの操作状態であるかを判定する機能を有する。
【0029】
なお、▲3▼の停止操作状態に対して、▲1▼アクセルオフである操作状態及び▲2▼アクセルオンである操作状態とは、ドライバが車両を発進させようとする場合であり、発進・クリープ運転の状態であるため、操作状態判定部32は、(1)▲1▼アクセルオフであるか、▲2▼アクセルオンであるかのクリープ運転状態(アクセル操作クリープ走行)であるか、(2)▲3▼車両が停止しており、かつ、ブレーキを強く踏んでいる操作状態(車両の停止操作状態)であるかを判定するものであると見ることもできる。
【0030】
まず、操作状態判定部32は、▲1▼アクセルオフであるか、▲2▼アクセルオンであるかのいずれの操作状態であるかは、アイドルスイッチ17がオンであるか、オフであるかによって判定するようになっている。つまり、操作状態判定部32は、アイドルスイッチ17がオンであるか否かを判定し、この結果、アイドルスイッチ17がオンであると判定された場合にはアクセルオフであると判定する一方、アイドルスイッチ17がオフであると判定された場合にはアクセルオンであると判定するようになっている。
【0031】
なお、ここではアイドルスイッチ17がオンである場合にアクセルオフであると判定するようになっているが、これに限られるものではなく、例えば以下▲1▼〜▲3▼の3つの条件のいずれかが満たされた場合にアクセルオフであると判定するようにしても良い。
▲1▼アイドルスイッチ17がオンであり、かつ、アイドルスイッチ17がオンになる前にアイドルスイッチ17がオフである状態が所定時間(例えば約50ミリ秒)継続していたこと
▲2▼アイドルスイッチ17がオンになってから所定時間(例えば約300ミリ秒 )が経過したこと
▲3▼アイドルスイッチ17がオンであり、かつ、ブレーキ処理に入ったこと
ここで、アクセルオフであると判定される場合には、アクセルを踏んでいない状態であることになるが、このような状態としては、アクセルもブレーキも踏んでいない状態のほか、ブレーキを軽く踏んでいる状態も含まれる。また、ブレーキを軽く踏んでいる状態には、車両が停止している場合と、車両がクリープ走行(微速走行)している場合とがある。
【0032】
なお、ここでは、アクセルのオン・オフをアイドルスイッチ17のオン・オフによって判定しているが、アクセル開度センサ(アクセル状態検出手段)11からのアクセル開度情報に基づいてアクセルのオン・オフを判定するようにしても良い。
一方、操作状態判定部32は、▲3▼停止、かつ、ブレーキが強く踏まれている操作状態であるかは、車両を確実に停車させるのに必要なブレーキ圧(最低停車ブレーキ圧)PB0に応じて判定するようになっている。
【0033】
ここでは、最低停車ブレーキ圧(必要ブレーキ圧)PB0は、道路勾配θ,車体重量(車重)W,ブレーキ力とブレーキ圧(ブレーキマスタシリンダ圧)とを変換するための変換係数KPRS及び所定値(定数値)βを用いて、次式(1)により算出されるようになっている。なお、車重W,変換係数KPRS,及び所定値βはいずれもECU30に定数として予め記憶されている。また、所定値βは、最低停車ブレーキ圧PB0に余裕を持たせるためのもので正の数で設定されている(β>0)。
【0034】
最低停車ブレーキ圧PB0=sinθ×W×KPRS+β …(1)
このように道路勾配θに応じて最低停車ブレーキ圧PB0を設定しているのは、主に以下の理由による。
即ち、本装置では、上述したように、ブレーキ圧PBが車両を停止させる程度の軽いものであるときには、ドライバは、クリープ力を利用してブレーキペダルのオン・オフだけで微速運転を実行させようとしていると考えられるが、車両を停止させる程度のブレーキ圧PBは道路勾配θに応じて変動する。このため、仮に最低停車ブレーキ圧PB0を道路勾配θにかかわらず一定とすると、例えば急な坂道においては、ブレーキ圧PBが車両を停止させる程度に軽いものとなるようにドライバがブレーキペダルを踏み込んでいたとしても、ブレーキ圧PBが最低停車ブレーキ圧PB0よりも大きくなってしまう場合があり、ドライバの意思に応じてクリープ運転を行なえないおそれがある。
【0035】
そこで、このように道路勾配θに応じて最低停車ブレーキ圧PB0が設定されることにより、例えば、上り坂では平坦な場所に比べて最低停車ブレーキ圧PB0が大きく設定され、ドライバが上り坂で車両が後退しないように比較的強くブレーキペダルを踏み込んだ場合でも、この場合のブレーキ圧PBよりも最低停車ブレーキ圧PB0の方が大きく設定されることになるため、ドライバの意思に応じて確実にクリープ運転を実行できるようになるのである。
【0036】
本実施形態では、操作状態判定部32は、車両停止で、かつブレーキを強く踏んでいるかは、ブレーキ圧PBが、最低停車ブレーキ圧PB0に所定圧PB1′(例えば2.5kg/cm2)を加えた値として設定されるブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1[PB1=PB0+PB1′]よりも高いか否かにより判定するようになっている。つまり、操作状態判定部32は、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1よりも高いか否かを判定し、この結果、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1よりも高いと判定した場合には、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる(車両停止)と判定する一方、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1以下であると判定した場合には、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいないと判定するようになっている。
【0037】
本実施形態では、操作状態判定部32が、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいないと判定した場合には、さらにブレーキ圧PBが、最低停車ブレーキ圧PB0から所定圧PB2′(例えば2.5kg/cm2)を引いた値として設定されるアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2[PB2=PB0−PB2′]よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧PBがアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2よりも低いと判定した場合に、アクセルオフ又はアクセルオンの操作状態(クリープ走行)であるとして、上述のアクセルのオン・オフ判定を行なうようになっている。なお、ブレーキ圧PBが、ブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1以下で、かつ、アクセル操作判定用ブレーキ圧PB2以上である場合は不感帯で、直前のクラッチ状態を維持するようにしている。
【0038】
目標レリーズ勾配設定部31は、アクセルやブレーキの操作状態に基づいて、ストロークセンサ14からのクラッチストローク情報から求められるクラッチ結合度に応じて最適な目標レリーズストローク勾配(目標レリーズ勾配ともいう)Sを設定するように構成されている。
ここで、目標レリーズ勾配Sとは、クラッチを接続したり、切断したりする場合のレリーズストロークの勾配、即ちレリーズストロークの変化速度(mm/s)をいう。なお、レリーズストロークの変化速度に応じてクラッチが作動されるため、レリーズストロークの変化速度をクラッチの作動速度ともいう。
【0039】
ここでは、目標レリーズ勾配Sの値が0mm/sよりも小さい場合(S<0mm/s:即ち、負の値である場合)が、クラッチを接続する場合のレリーズストロークの変化速度を示し、目標レリーズ勾配の値が0mm/s以上の場合(S≧0mm/s:即ち、正の値である場合)が、クラッチを切断する場合のレリーズストロークの変化速度を示している。
【0040】
また、クラッチ結合度とは、クラッチの断接状態の目安となるもので、レリーズストロークに応じて一義的に決定される。クラッチ結合度は5段階に設定され、クラッチ結合度0(ゼロ)は、クラッチが完全に接続された状態を示し、クラッチ結合度1は、クラッチは接続境界(即ち、クラッチ結合度がこれよりも大きくなると係合していたクラッチが滑り接触し始める状態)を示し、クラッチ結合度3は、クラッチ切断境界(即ち、クラッチ結合度がこれよりも小さくなると切断されていたクラッチが滑り接触し始める状態)を示し、クラッチ結合度4はクラッチが完全に切断された状態を示し、クラッチ結合度2では、クラッチ結合度1,3の中間の状態を示し、いわゆる半クラッチ状態を示している。なお、クラッチが滑らない状態、即ち、クラッチの回転速度がエンジン回転速度と同一の状態を、クラッチ結合点という。
【0041】
そして、目標レリーズ勾配設定部31には、図1に示すように、ストロークセンサ14からのクラッチストローク情報に基づいてクラッチ結合度を設定するための機能(クラッチ結合度設定部33)が備えられている。
このクラッチ結合度設定部33は、図3に示すように、レリーズストロークの大きさに応じてクラッチ結合度0〜4を設定するようになっている。つまり、クラッチ結合度設定部33は、レリーズストロークが大きくなるにしたがって段階的にクラッチ結合度を大きい値に設定するようになっている。
【0042】
さらに、本実施形態では、目標レリーズ勾配設定部31は、▲1▼アクセルオフの場合、▲2▼アクセルオンの場合、▲3▼停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合のそれぞれの場合にクラッチ結合度(0〜4)に応じて最適な目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。
このため、目標レリーズ勾配設定部31は、図1に示すように、アクセルオフ時目標レリーズストローク勾配設定部(アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部)34と、アクセルオン時目標レリーズストローク勾配設定部(アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部)35と、停止時目標レリーズストローク勾配設定部(停止時目標レリーズ勾配設定部)36とを備えて構成され、発進・クリープ走行時に基本的に半クラッチ状態が維持されるように目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。なお、目標レリーズ勾配設定部31からは、ECI40へアイドルアップ指示も出されるようになっており、例えばエンジン回転速度Neがエンストしてしまうおそれがあるほど低下していると判定し、できるだけ速くクラッチを切断しうるように目標レリーズ勾配Sを設定する場合等に、同時にECI40へアイドルアップ指示を出してエンジン回転速度Neを高める制御を行なうようになっている。
【0043】
本実施形態では、アクセルオフの場合には、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によってクラッチを接続する側の目標レリーズ勾配Sが設定される一方、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合には、停止時目標レリーズ勾配設定部36によってクラッチを切断する側の目標レリーズ勾配Sが設定されるようになっており、例えばブレーキ操作のみでクリープ走行を行なう場合に、基本的にクラッチが半クラッチ状態に維持されるようにするとともに、エンジン回転速度が低下してエンストのおそれがある場合やブレーキが強く踏みこまれて車両を停止させた場合に速やかにクラッチが切断されてクリープ走行が解除されるようになっており、最適なクリープ走行を実現している。
【0044】
また、アクセルオンの場合には、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によってクラッチ接続側及びクラッチ切断側の目標レリーズ勾配Sが設定されるようになっており、例えばアクセル操作のみでクリープ走行を行なう場合に、クラッチが半クラッチ状態に維持されるように、ドライバによるアクセル操作に応じてクラッチが作動し、最適なクリープ走行が実現されるようになっている。
【0045】
以下、具体的な目標レリーズ勾配Sの設定について説明する。
(1)アクセルオフの場合
アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、クラッチ結合度と、エンジン回転速度Neと、道路勾配θと、エンジン回転加速度dNeとに応じて、アクセルオフ時に最適な目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。
【0046】
ここでは、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、クラッチ接続側の目標レリーズ勾配Sを設定するようにしている。また、上述の操作状態判定部32によってアクセルオフであると判定されたら、クラッチストロークが大きいほど(即ち、クラッチのストローク量が大きいほど、クラッチ結合度を示す数値が大きいほど)、速やかにクラッチが接続されるように目標レリーズ勾配Sの値を大きく設定している。つまり、上述の操作状態判定部32によってアクセルオフであると判定されたら、クラッチストロークがクラッチ結合点に近づくにしたがって(即ち、クラッチのストローク量が小さいほど、クラッチ結合度を示す数値が小さいほど)、クラッチの作動が遅くなるように目標レリーズ勾配Sの値を小さく設定している。これにより、クラッチ接続タイミング及びクラッチ接続スピードを最適なものとしている。
▲1▼クラッチ結合度が0か1の場合
アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に示すように、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1(例えば850rpm)よりも高いか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よりも高い場合[Ne>Ne1]には、目標レリーズ勾配SをSa(Sa<0;Saは微小な値である)に設定し、これ以外のときには、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定するようになっている。
【0047】
なお、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定することは、クラッチの接続状態(即ち、クラッチ結合度)を維持することを意味する。また、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定することは、この制御周期におけるクラッチ制御を行なわないと考えることもできる。
ここでは、第1所定回転速度Ne1は例えば約850rpmに設定され、いわゆるアイドル回転速度(例えば700rpm)よりも高い回転速度に設定されており、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よりも高い場合には、エンストのおそれがないと考えられるため、クラッチを少し速いスピードで接続されるようにし、これにより、クラッチが少し速くクラッチ接続側の目標位置までくるようにして(即ち、クラッチストロークを小さくして)、クリープ力を確保するようにしている。
▲2▼クラッチ結合度が2の場合
アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に示すように、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1(例えば850rpm)よりも高いか、又は、道路勾配θが所定道路勾配θ1(例えば5%)よりも大きいか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よりも高い場合[Ne>Ne1]、又は、道路勾配θが所定道路勾配θ1よりも大きい場合[θ>θ1]、又は、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よりも高く、かつ、道路勾配θが所定道路勾配θ1よりも大きい場合[Ne>Ne1、かつ、θ>θ1]には、目標レリーズ勾配SをSb(Sb<0,|Sb|>|Sa|)に設定する一方、これら以外の場合には、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定するようになっている。
【0048】
ここでは、第1所定回転速度Ne1は例えば約850rpmに設定され、いわゆるアイドル回転速度(例えば700rpm)よりも高い回転速度に設定されており、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よりも高い場合には、エンストのおそれがないと考えられるため、クラッチを少し速いスピードで接続されるようにし、これにより、クラッチが少し速くクラッチ接続側の目標位置までくるようにして(即ち、クラッチストロークを小さくして)、クリープ力が確保されるようにしている。
【0049】
また、道路勾配θが所定道路勾配θ1よりも大きい場合には、これ以外の場合よりもクラッチがより速いスピードで接続されるようにし、これにより、クラッチが少し速くクラッチ接続側の目標位置までくるようにして(即ち、クラッチストロークを小さくして)、例えば上り坂等においても車両が後退しないようにクリープ力が確実に確保されるようにしている。
【0050】
また、クラッチ結合度が2の場合は、クラッチ結合度が0や1の場合よりも、クラッチストロークが大きいため、目標レリーズ勾配Sをクラッチ接続側でより大きな値に設定して、クラッチがより速くクラッチ接続側の目標位置までくるようにしている。
▲3▼クラッチ結合度が3の場合
アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に示すように、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高いか、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きいとき[Ne>Ne1、かつ、dNe>dNe1]には、目標レリーズ勾配SをSc(Sc<0,|Sc|>|Sb|>|Sa|)に設定する一方、これら以外のときには、目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定するようになっている。
【0051】
このように、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きい場合には、これら以外の場合よりもクラッチがより速いスピードで接続されるようにし、これにより、クラッチをより速くクラッチ接続側の目標位置にくるようにして(即ち、クラッチストロークを小さくして)、クリープ力を確保できるようにしている。
【0052】
このように設定しているのは、第2所定回転速度Ne2は例えば約2000rpmに設定されるとともに、所定回転加速度dNe1は例えば約1000rpm/sに設定され、上述のような条件が成立する場合には、例えばアクセルのオン・オフ操作によりクリープ走行を行なっていると考えられ、ドライバは積極的にクリープ走行させようとしており、より速くクラッチストロークを小さくしてクラッチをクラッチ接続側の目標位置まで移動させる必要があるからである。
【0053】
また、クラッチ結合度が3の場合は、クラッチ結合度が0〜2の場合よりもクラッチストロークが大きいため、目標ストローク勾配Sをクラッチ接続側でより大きな値になるように設定し、クラッチがより速くクラッチ接続側の目標位置にくるようにしている。
▲4▼クラッチ結合度が4の場合
アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、図4に示すように、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高いか、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きいとき[Ne>Ne1、かつ、dNe>dNe1]には、目標レリーズ勾配SをSe(Se<0,|Se|>|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定する一方、これら以外のときには、目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定するようになっている。なお、ここでは、条件を満たさない場合に、目標レリーズ勾配SをSdに設定しており、上述のクラッチ結合度が3の場合であって、条件を満たさない場合と同一にしているが、異なる値としても良い。
【0054】
このように、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きい場合には、これら以外の場合よりもクラッチがより速いスピードで接続されるようにし、これにより、クラッチをより速くクラッチ接続側の目標位置にくるようにして(即ち、クラッチストロークを小さくして)、クリープ力を確保できるようにしている。
【0055】
このように設定しているのは、第2所定回転速度Ne2は例えば約2000rpmに設定されるとともに、所定回転加速度dNe1は例えば約1000rpm/sに設定され、上述のような条件が成立する場合には、例えばアクセルのオン・オフ操作によりクリープ走行を行なっていると考えられ、ドライバは積極的にクリープ走行させようとしており、より速くクラッチストロークを小さくしてクラッチをクラッチ接続側の目標位置まで移動させる必要があるからである。
【0056】
また、クラッチ結合度が4の場合は、クラッチ結合度が0〜3の場合よりもクラッチストロークが大きいため、目標レリーズ勾配Sをクラッチ接続側でより大きな値になるように設定し、クラッチがより速くクラッチ接続側の目標位置にくるようにしている。
次に、このアクセルオフ状態の目標レリーズ勾配Sの設定について、エンジン回転速度Ne、エンジン回転加速度dNe及びクラッチストロークの変化を示す図5(A)〜(D)のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0057】
まず、クラッチ結合度が4でクラッチが切断されており、エンジン回転速度Neが約710〜約730rpmで、エンジン回転加速度が約100rpm/s〜約−100rpm/sであると、目標レリーズ勾配SはSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定され、クラッチ結合度が4から2になる。
【0058】
この場合、同時にアイドルアップ指示が出されるため、エンジン回転速度Neは高くなっていくが[図5(A)中、符号Aで示す部分]、クラッチ結合度が2の場合、エンジン回転速度Neは850rpm(第1所定回転速度Ne1)に達するまでは、目標レリーズ勾配Sは0mm/sに設定され、クラッチストロークは維持される。そして、エンジン回転速度Neが850rpmを超えると目標レリーズ勾配SがSb(Sb<0,|Sb|>|Sa|)に設定され、クラッチ結合度が2から1になる。
【0059】
このようにしてエンジン回転速度Neが850rpmを超えた状態で、クラッチ結合度が1になると、目標レリーズ勾配SはSa(Sa<0;Saは微小な値である)に設定される。これにより、クラッチ結合度が2から1になり、半クラッチ状態からクラッチがさらに接続されていくと、それに応じてエンジン回転速度Neが低下していくことになる。これにより、エンジン回転速度Neが850rpmよりも低くなると、目標レリーズ勾配Sは0mm/sに設定され、クラッチストロークが維持される。なお、図5中、破線Xは車両が走行し始めるクリープポイントを示している。
(2)アクセルオンの場合
アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、クラッチ結合度と、基準エンジン回転速度Ne0及び基準レリーズストローク勾配(基準レリーズ勾配ともいう)と、エンジン回転速度Neと、エンジン回転加速度dNeとに応じて、アクセルオン時に最適な目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。
【0060】
ここでは、アクセルオン目標レリーズ勾配設定部35は、基本的に発進・クリープ走行時に半クラッチ状態が維持されるように、エンジン回転速度Neに追従するようにクラッチ接続側及びクラッチ切断側の目標レリーズ勾配Sを設定する一方、クラッチストロークが大きい場合(ここでは、クラッチ結合度3,4の場合)、速やかにクラッチが接続されるように目標レリーズ勾配Sの値を大きく設定している。これにより、クラッチ接続・切断タイミング及びクラッチ接続・切断スピードを最適なものとしている。
▲1▼クラッチ結合度が0〜2の場合
本実施形態では、クラッチ結合度が0〜2の場合には、クラッチを接続したり、切断したりするときの実際のレリーズ勾配(実レリーズ勾配)が、ドライバの操作に応じて変化するアクセル開度(即ち、アクセル開度に応じて変化するエンジン回転速度Ne)に敏感に追従するように、目標レリーズ勾配Sをエンジン回転速度Neに基づいてフィードバック制御するようになっている。
【0061】
このため、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、図8に示すように、エンジン回転速度Ne,基準エンジン回転速度Ne0及び基準レリーズ勾配S0に基づいて目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。
ここで、基準エンジン回転速度Ne0は、例えばアイドル回転速度に相当するエンジン回転速度(例えば700rpm)として設定される。また、基準レリーズ勾配S0は、クラッチを接続する場合に基準となるレリーズストローク勾配であり、ここでは、クラッチがゆっくり接続されるように例えば微小な値に設定される。
【0062】
ここでは、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、図8に示すように、基準レリーズストローク勾配S0と、基準エンジン回転速度Ne0とエンジン回転速度Neとの偏差に比例ゲインKPを掛けた値とを加算し、さらにエンジン回転速度Neの微分値dNe/dt(即ち、エンジン回転加速度dNe)に微分ゲインKDを掛けた値を減算することにより算出した値(算出値,フィードバック値)FBに基づいて目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。
【0063】
つまり、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、図4に示すように、クラッチ接続側である場合には、算出値FBを1/4倍した値FB/4を目標レリーズ勾配Sとして設定し、クラッチ切断側である場合には、算出値FBをそのまま目標レリーズ勾配Sとして設定するようになっている。このように設定しているのは、クラッチを接続する場合にはなるべくショックが生じないようにする一方、クラッチを切断する場合にはなるべく速い速度で切断したいためである。
【0064】
このため、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、算出値FBが負の値であるか、正の値であるかを判定し、これにより、クラッチ接続側であるか、クラッチ切断側であるかを判定するようになっている。つまり、算出値FBが負の値である場合にはクラッチ接続側であると判定し、正の値である場合にはクラッチ切断側であると判定するようになっている。この機能をクラッチ接続側/切断側判定部という。
▲2▼クラッチ結合度が3の場合
アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、図4に示すように、上述のアクセルオフの場合と同様に、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高いか、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きいとき[Ne>Ne1、かつ、dNe>dNe1]には、目標レリーズ勾配をSc(Sc<0,|Sc|>|Sb|>|Sa|)に設定する一方、これら以外のときには、目標レリーズ勾配をSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定するようになっている。
▲3▼クラッチ結合度が4の場合
アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35は、図4に示すように、上述のアクセルオフの場合と同様に、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高いか、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1よりも大きいとき[Ne>Ne1、かつ、dNe>dNe1]には、目標レリーズ勾配をSe(Se<0,|Se|>|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定する一方、これら以外のときには、目標レリーズ勾配をSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定するようになっている。
【0065】
次に、このアクセルオン状態の目標レリーズ勾配Sの設定について、エンジン回転速度Ne、エンジン回転加速度dNe及びクラッチストロークの変化を示す図6(A)〜(D)のタイムチャートを参照しながら説明する。
まず、クラッチ結合度が1の場合に、アクセルオン状態となり、これに応じてエンジン回転速度Neが約800rpmから約1200rpm近くまで少しずつ高まっていくと、エンジン回転速度フィードバック制御により設定される目標レリーズ勾配Sは0mm/sから少しずつマイナス側(クラッチ接続側)になっていってクラッチの作動速度が徐々に速くなっていく。これにより、クラッチストロークはクラッチ接続側で狭まっていく(クラッチ結合度は1のままである)。
【0066】
そして、エンジンが吹き上がることなく、発進可能なクリープストロークになる発進ポイント(図中、符号Yで示す)に到達して、車両が発進し始めると、エンジン回転速度Neは低下していくが、これに基づいてエンジン回転速度フィードバック制御により設定される目標レリーズ勾配Sは、少しずつ0mm/sへ向かっていってクラッチの作動速度が徐々に遅くなっていき、その後、しばらくの間0mm/sに設定される。これにより、クラッチストロークはクラッチ接続側で狭まっていき、その後、維持される(クラッチ結合度は1のままである)。
【0067】
その後、エンジン回転速度Neが低下していくと、エンジン回転速度フィードバック制御により設定される目標レリーズ勾配Sは、0mm/sから少しずつプラス側(クラッチ切断側)になっていってクラッチの作動速度が徐々に速くなっていく。これにより、クラッチストロークはクラッチ接続側で広がっていくことになる(クラッチ結合度は1のままである)。
(3)停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合
停止時目標レリーズ勾配設定部36は、クラッチ結合度と、エンジン回転速度Neと、ブレーキ圧PBと、道路勾配θとに応じて、停止、かつ、ブレーキが強く踏み込まれた場合に最適な目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。
【0068】
ここでは、停止時目標レリーズ勾配設定部36は、上述の操作状態判定部32によって停止、かつ、ブレーキが強く踏まれたと判定された場合に、クリープ走行を解除すべく、ブレーキ圧PBに応じて目標レリーズ勾配Sを設定するようになっている。
つまり、停止時目標レリーズ勾配設定部36は、ブレーキ圧PBが非常に高い場合には、ドライバがブレーキを非常に強く踏み込んでおり、直ぐにクリープ走行を開始する可能性は低いと考えられるため、できるだけ速やかにクラッチが切断されるように目標レリーズ勾配Sの値を可能な限り大きく設定している。また、ブレーキ圧PBがそれほど高くなっていない場合には、ドライバはブレーキをそれほど強く踏み込んでおらず、直ぐにクリープ走行を開始する可能性もあると考えられるため、クラッチ結合度が0〜2の場合(即ち、クラッチ接続側でクラッチストロークが小さい場合)はエンジン回転速度Neが低下してエンストするおそれがあるときだけに、より速やかにクラッチが切断されるように目標レリーズ勾配Sの値を大きく設定している。なお、これにより、クラッチ切断タイミング及びクラッチ切断スピードを最適なものとしている。
▲1▼クラッチ結合度が0〜2の場合
停止時目標レリーズ勾配設定部36は、図4に示すように、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高い場合(PB>PB3)には、目標レリーズ勾配SをSA(SA>0;SAは非常に大きな値である)に設定する。
【0069】
ここで、目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3は、車両を確実に停車させるのに必要なブレーキ圧である最低停車ブレーキ圧PB0に所定圧PB3′(例えば10kg/cm2)を加えた値として設定される[PB3=PB0+PB3′]。このように、目標レリーズ勾配Sをクラッチができる限り速く切断するように設定しているのは、ブレーキが車両を停車させるほど強く踏みこまれた場合には、できるだけ速くクリープ運転を解除してエンストを防止する必要があるからである。
【0070】
一方、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3以下の場合(PB≦PB3)には、さらに、エンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3(例えば840rpm)よりも低いか否かを判定し、エンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3よりも低いとき[Ne<Ne3]には、目標レリーズ勾配SをSB(SB>0,SB<SA)に設定し、これ以外のときには、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定するようになっている。つまり、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3以下(PB≦PB3)であって、かつ、エンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3よりも低いとき[Ne<Ne3]には、目標レリーズ勾配SをSB(SB>0,SB<SA)に設定し、これ以外のときには、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定するようになっている。
【0071】
このように、ブレーキが車両を停車させるほど強く踏み込まれていない場合(即ち、PB2<PB≦PB3)であっても、エンジン回転速度Neを考慮して目標レリーズ勾配Sを設定しているのは、エンジン回転速度Neが低くなりすぎるとエンストのおそれがあるからである。
▲2▼クラッチ結合度が3か4の場合
停止時目標レリーズ勾配設定部36は、図4に示すように、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高い場合(PB>PB3)には、目標レリーズ勾配SをSA(SA>0;SAは非常に大きな値である)に設定し、これ以外の場合には、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定するようになっている。
【0072】
このように、目標レリーズ勾配Sをクラッチができる限り速く切断するように設定しているのは、ブレーキが車両を停車させるほど強く踏みこまれた場合には、できるだけ速くクリープ運転を解除してエンストを防止する必要があるからである。
次に、この停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる状態の目標レリーズ勾配Sの設定について、エンジン回転速度Ne、エンジン回転加速度dNe、クラッチストローク及びブレーキ圧の変化を示す図7(A)〜(E)のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0073】
まず、クラッチ結合度が1でクラッチが接続されており、エンジン回転速度Neが約870rpm近傍で、エンジン回転加速度が約0rpm/s近傍である状態で、ブレーキ圧がブレーキ操作判定用ブレーキ圧よりも大きくなったら(ここでは、ブレーキ圧が約26kg/cm2を超えたら)、停止、かつ、ブレーキが強く踏み込まれた状態であると判定され、目標レリーズ勾配Sが0mm/sに設定され、クラッチストロークは維持される。そして、エンジン回転速度Neが840rpmよりも低くなったら、目標レリーズ勾配SがSB(SB>0,SB<SA)に設定され、クラッチストロークが拡がり、クラッチ結合度が1から2になる。その後、ブレーキ圧が目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧よりも大きくなったら(ここでは、ブレーキ圧が約35kg/cm2)を超えたら、目標レリーズ勾配SはSA(SA>0;SAは非常に大きな値である)に設定され、クラッチストロークが拡がり、クラッチ結合度が2から4になる。
【0074】
その後、ブレーキ圧が第1ブレーキ圧以下になると、停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる状態でないと判定される。この場合、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配Sが設定されることになる。つまり、クラッチ結合度が4であり、エンジン回転速度Neが1000rpmで、エンジン回転加速度dNeが約0〜約150rpm/s近傍である場合には、目標レリーズ勾配SがSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定され、クラッチストロークが少しずつ狭まっていき、クラッチ結合度が4から2になる。
【0075】
ところで、クラッチアクチュエータ駆動制御部3は、図1に示すように、目標レリーズストローク勾配設定部31により設定された目標レリーズ勾配Sに基づいて、クラッチアクチュエータ6のソレノイドバルブを駆動するためのデューティ比を計算するようになっている。そして、このクラッチアクチュエータ駆動制御部3からの信号に基づいてクラッチアクチュエータ3の作動が制御されるようになっている。
【0076】
本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置は上述のように構成されているので、例えば図12〜図15のフロチャートに示すようにして目標レリーズ勾配を設定する処理が行なわれる。なお、これらの目標レリーズ勾配Sを設定する処理は所定周期毎に行なわれる。
(1)目標レリーズ勾配設定部31による全体の処理手順
まず、目標レリーズ勾配設定部31による全体の処理手順について、図12を参照しながら説明すると、図12に示すように、ステップS10で、入力軸回転速度センサ10の検出情報に基づいて算出された車速Vを読み込む。また、マスタシリンダ圧センサ19の検出情報に基づいて算出されたブレーキ圧PBを読み込むとともに、このブレーキ圧PBや道路勾配θ等に応じて設定されるブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1及びアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2を読み込む。さらに、アイドルスイッチ17からのオン・オフ情報を読み込む。
【0077】
次に、ステップS20で、車速Vがゼロ、かつ、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1よりも高いか否かを判定し、この判定の結果、車速Vがゼロ、かつ、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1よりも高いと判定した場合(V=0、かつ、PB>PB1)には、ドライバは車両を停止させるべくブレーキを強く踏んでいると考えられるため、ステップS30へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36により停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合に最適な目標レリーズ勾配Sを設定して、リターンする。なお、この目標レリーズ勾配Sの設定については後述する(図15参照)。
【0078】
一方、ステップS20で、車速Vがゼロ、かつ、ブレーキ圧PBがブレーキ操作判定用ブレーキ圧PB1よりも高いという条件を満たしていないと判定した場合には、ステップS40へ進み、さらに、ブレーキ圧PBがアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2よりも低いか否かを判定し、この判定の結果、ブレーキ圧PBがアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2よりも低いと判定した場合(PB<PB2)には、ステップS50へ進む。なお、ブレーキ圧PBがアクセル操作判定用ブレーキ圧PB2よりも低いという条件を満たしていないと判定した場合は、そのままリターンして、直前の目標レリーズ勾配Sを維持する。
【0079】
ステップS50では、アイドルスイッチ17からのオン・オフ情報に基づいて、アクセルがオンであるか、オフであるかを判定する。つまり、アイドルスイッチ17がオンの場合には、アクセルオフであると判定し、アイドルスイッチ17がオフの場合には、アクセルオンであると判定するようになっている。
この判定の結果、アクセルオフであると判定した場合には、ドライバはブレーキ操作によりクリープ走行(微速運転)を行なおうとしていると考えられるため、ステップS60へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によりアクセルオフの場合に最適な目標レリーズ勾配Sを設定し、リターンする。なお、この目標レリーズ勾配Sの設定については後述する(図13参照)。
【0080】
一方、ステップS50で、アクセルオンであると判定した場合には、アクセル操作によりクリープ走行(微速運転)を行なわせようとしていると考えられるため、ステップS70へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によりアクセルオンの場合に最適な目標レリーズ勾配Sを設定し、リターンする。なお、この目標レリーズ勾配Sの設定については後述する(図14参照)。
【0081】
このようにして目標レリーズ勾配Sの設定が行なわれ、目標レリーズ勾配設定部31は、この目標レリーズ勾配Sをクラッチアクチュエータ駆動制御部3へ出力し、クラッチアクチュエータ駆動制御部3が目標レリーズ勾配Sに応じてデューティ比を設定し、このデューティ比をクラッチアクチュエータ6へ出力する。これにより、クラッチアクチュエータ6の作動が制御されて、摩擦クラッチ(図示略)が制御され、発進・クリープ運転が行なわれることになる。
(2)アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34による処理手順
次に、上述のステップS60におけるアクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34による目標レリーズ勾配Sを設定する処理手順について、図13を参照しながら説明する。
【0082】
まず、図13に示すように、ステップA10で、クラッチ結合度設定部32によりストロークセンサ14からの検出情報に基づいて設定されたクラッチ結合度を読み込む。また、エンジン回転速度センサ12からエンジン回転速度Neを読み込むとともに、エンジン回転速度センサ12からの検出情報に基づいて算出されたエンジン回転加速度dNeを読み込む。さらに、Gセンサ20の検出情報に基づいて算出された道路勾配θを読み込む。
【0083】
次に、ステップA20で、クラッチ結合度が0,1であるか、2であるか、3,4であるかを判定する。
この判定の結果、クラッチ結合度が0,1であると判定された場合には、クラッチストロークはクラッチ接続側であるため(即ち、クラッチストロークは小さいため)、ステップA30へ進み、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1(例えば850rpm)よりも高いか否かを判定し、この判定の結果、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1よりも高い場合(Ne>Ne1)には、ステップA40へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配SをSa(Sa<0;Saは微小な値である)に設定して[図5(C)中、(iii)参照]、リターンし、これ以外の場合は、ステップA50へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定して、リターンする。この場合、図5(D)に示すように、クラッチ結合度が2から1となる。
【0084】
ところで、ステップA20で、クラッチ結合度が2であると判定された場合には、半クラッチ状態であるため、ステップA60へ進み、エンジン回転速度Neが第1所定回転速度Ne1(例えば850rpm)よりも高いか、又は、道路勾配θが所定道路勾配θ1(例えば5%)よりも大きいか否かを判定し、この判定の結果、これらの条件を満たしていると判定した場合(Ne>Ne1、又は、θ>θ1)には、ステップA70へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配SをSb(Sb<0,|Sb|>|Sa|)に設定して[図5(C)中、(ii)参照]、リターンし、これらの条件を満たしていないと判定した場合は、ステップA50へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定して、リターンする。この場合、図5(D)に示すように、クラッチストロークが狭まる。
【0085】
ところで、ステップA20で、クラッチ結合度が3,4であると判定された場合には、クラッチストロークがクラッチ切断側であるため、ステップA80へ進み、クラッチ結合度が3であるか、4であるかを判定し、この判定の結果、クラッチ結合度が3である場合には、ステップA90へ進み、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、この判定の結果、これらの条件を満たしていると判定した場合(Ne>Ne2、かつ、dNe>dNe1)には、ステップA100へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配SをSc(Sc<0,|Sc|>|Sb|>|Sa|)に設定して、リターンし、これらの条件を満たしていないと判定した場合は、ステップA110へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定して[図5(C)中、(i)参照]、リターンする。この場合、図5(D)に示すように、クラッチ結合度が4で、クラッチストロークが少しずつ狭まっていき、クラッチ結合度が4から2となる。
【0086】
一方、ステップA80で、クラッチ結合度が4である場合には、ステップA120へ進み、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、この判定の結果、これらの条件を満たしていると判定した場合(Ne>Ne2、かつ、dNe>dNe1)には、ステップA130へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配SをSe(Se<0,|Se|>|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定して、リターンし、これらの条件を満たしていないと判定した場合は、ステップA110へ進み、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34によって目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定して、リターンする。
(3)アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35による処理手順
次に、上述のステップS70におけるアクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35による目標レリーズ勾配Sを設定する処理手順について、図14を参照しながら説明する。
【0087】
まず、ステップB10で、ストロークセンサ14からの検出情報に基づいて設定されたクラッチ結合度を読み込む。また、エンジン回転速度センサ12からの検出情報を読み込むとともに、エンジン回転速度センサ12からの検出情報に基づいて算出されたエンジン回転加速度dNeを読み込む。さらに、ECU30内に予め記憶されている基準エンジン回転速度Ne0及び基準レリーズ勾配S0を読み込む。
【0088】
次に、ステップB20で、クラッチ結合度が0,1,2であるか、3,4であるかを判定する。
この判定の結果、クラッチ結合度が0,1,2であると判定した場合には、ステップB30へ進み、エンジン回転速度Neに基づいて算出値FBを演算し、さらにステップB40で、算出値FBが正の値であるか、負の値であるかによって、クラッチ接続側であるか、クラッチ切断側であるかを判定する。
【0089】
この判定の結果、クラッチ接続側であると判定した場合は、ステップB50へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によって、算出値FBを1/4した値FB/4を目標レリーズ勾配Sとして設定して[図5(C)参照]、リターンする一方、クラッチ切断側であると判定された場合には、ステップB60へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によって、算出値FBを目標レリーズ勾配Sとして設定して[図5(C)参照]、リターンする。
【0090】
ところで、ステップB20で、クラッチ結合度が3,4であると判定した場合には、クラッチストロークが切断側であるため、ステップB70へ進み、クラッチ結合度が3又は4であるかを判定し、この判定の結果、クラッチ結合度が3である場合には、ステップB80へ進み、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、この判定の結果、これらの条件を満たしていると判定した場合(Ne>Ne2、かつ、dNe>dNe1)には、ステップB90へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35よって目標レリーズ勾配SをSc(Sc<0,|Sc|>|Sb|>|Sa|)に設定して、リターンし、これらの条件を満たしていないと判定した場合は、ステップB100へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によって目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定して、リターンする。
【0091】
一方、ステップB80で、クラッチ結合度が4である場合には、ステップB110へ進み、エンジン回転速度Neが第2所定回転速度Ne2(例えば2000rpm)よりも高く、かつ、エンジン回転加速度dNeが所定回転加速度dNe1(例えば1000rpm/s)よりも大きいか否かを判定し、この判定の結果、これらの条件を満たしていると判定した場合(Ne>Ne2、かつ、dNe>dNe1)には、ステップB120へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35よって目標レリーズ勾配SをSe(Se<0,|Se|>|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定して、リターンし、これらの条件を満たしていないと判定した場合は、ステップB100へ進み、アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部35によって目標レリーズ勾配SをSd(Sd<0,|Sc|>|Sd|>|Sb|>|Sa|)に設定して、リターンする。
(3)停止時目標レリーズ勾配設定部36による処理手順
次に、上述のステップS30における停止時目標レリーズ勾配設定部36による目標レリーズ勾配Sを設定する処理手順について、図15を参照しながら説明する。
【0092】
まず、ステップC10で、エンジン回転速度センサ12からの検出情報を読み込み、ストロークセンサ14からの検出情報に基づいて検出されたクラッチ結合度を読み込み、Gセンサ20の検出情報に基づいて検出された道路勾配θを読み込み、マスタシリンダ圧センサ19の検出情報に基づいて検出されたブレーキ圧PBを読み込む。また、道路勾配θ等に応じて算出された目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3を読み込む。
【0093】
次に、ステップC20で、クラッチ結合度が0,1,2であるか、3,4であるかを判定する。
この判定の結果、クラッチ結合度が0,1,2であると判定した場合には、ステップC30へ進み、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高いと判定した場合には、ステップC40へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36によって目標レリーズ勾配SをSA(SA>0;SAは非常に大きな値である)に設定して[図7(C)中、(ii)参照]、リターンする。
【0094】
なお、このように目標レリーズ勾配SをSA(SA>0;SAは非常に大きな値である)に設定した場合には、クラッチは直ぐに切断されて、クラッチ結合度が4になるため、図7(C)に示すように、所定時間後に目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定して、その状態を維持するようになっている。
一方、ステップC30で、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3以下であると判定した場合には、ステップC50へ進み、さらにエンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3(例えば840rpm)よりも低いか否かを判定する。この判定の結果、エンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3よりも低いと判定した場合(Ne<Ne3)には、ステップC60へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36によって目標レリーズ勾配SをSB(SB>0,SB<SA)に設定して[図7(C)中、(i)参照]、リターンする一方、エンジン回転速度Neが第3所定回転速度Ne3(例えば840rpm)以上であると判定した場合には、ステップC70へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36によって目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定して、リターンする。
【0095】
ところで、ステップC20で、クラッチ結合度が3,4であると判定した場合には、ステップC80へ進み、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高いか否かを判定し、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3よりも高いと判定した場合(PB>PB3)には、ステップC90へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36によって目標レリーズ勾配SをSA(SA>0;SAは非常に大きな値である)に設定して、リターンする一方、ブレーキ圧PBが目標レリーズ勾配設定用ブレーキ圧PB3以下であると判定された場合には、ステップC100へ進み、停止時目標レリーズ勾配設定部36によって目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定して、リターンする。
【0096】
ところで、本実施形態では、上述のような自動クラッチ制御を前提として、アクセルオフの場合(例えばブレーキ操作のみでクリープ運転を行なう場合等)に、一定のクリープ力を確保できるようにすべく、図1に示すように、ECU30の機能として、上述のアクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34にはクリープポイント判定部34Aが備えられており、さらにクリープポイント最適化手段37も備えられている。
【0097】
ここで、クリープポイント判定部34Aは、図1に示すように、入力軸回転速度センサ10の検出情報に基づいてECU30で演算される車速Vと、エンジン回転速度センサ12からのエンジン回転速度Neと、ストロークセンサ14からのクラッチストロークと、上述のクラッチ結合度設定部33により設定されるクラッチ結合度と基づいて、半クラッチ状態に達したか、即ち、車両がクリープ走行し始めるクラッチストローク(以下、クリープポイントという)に到達したか否かを判定する機能を有する。
【0098】
ここでは、クリープポイント判定部34Aは、以下の▲1▼のクリープポイント検出条件が成立したか、又は、▲2▼〜▲4▼の全てのクリープポイント検出条件が成立した場合に、クリープポイントに到達したと判定するようになっている。
▲1▼車速Vが所定車速V1(例えば約3km/h)よりも高いこと(V>V1)
▲2▼エンジン回転加速度dNeがクリープポイント検出用回転加速度dNe2( 例えば約−100rpm/s)よりも小さいこと(即ち、エンジン回転加速 度dNeが負の値であって、所定回転加速度dNe2よりも値が大きいこと )(dNe<dNe2)
▲3▼エンジン回転速度Neがエンスト判定しきい値SH(例えばエンスト判定値 ES+所定値)よりも高いこと(Ne>SH)
▲4▼クラッチ結合度が1以下であること、即ち、クラッチ結合度が0か1である こと(クラッチ結合度≦1)
これを、クラッチストローク、エンジン回転速度Ne及びエンジン回転加速度dNeの変化を示す図16(A)〜(C)のタイムチャートを参照しながら説明すると、図16(B)に示すように、クラッチが結合していくと、エンジン回転速度Neは少し低下するため、エンジン回転加速度dNeは、図16(C)に示すように、一旦小さくなった後に大きくなるという特性がある。
【0099】
このため、本実施形態では、図16(A),(C)に示すように、エンジン回転加速度dNeがクリープポイント検出用回転加速度dNe2(例えば約−100rpm/s)よりも小さくなったら、クリープポイントに到達したと判定するようにしている。なお、他の条件も満たしているものとする。
ここでは、クリープポイント判定部34Aは、エンジン回転速度Neとエンジン回転加速度dNeとに基づいて、エンスト傾向を予測して、エンストするおそれのあるか否かを判定するようになっている。この機能をエンスト判定部という。
【0100】
このエンスト判定部は、図17に示すように、エンジン回転速度Neとエンジン回転加速度dNeとにより規定される領域のうち、エンジン回転速度Neがエンスト判定値ESよりも低い領域をエンスト判定領域とし、エンスト判定を行なうようになっている。
ここでは、安全のために、エンスト判定値ESに所定値(安全値)を加算して、この加算値をエンスト判定しきい値SHとして設定している。これにより、既存のエンスト判定マップを用いることができるようになるが、本制御に固有のエンスト判定マップを用いても良く、この場合には、エンジン回転速度Neとエンジン回転加速度dNeとにより規定される領域のうち、エンジン回転速度Neがエンスト判定しきい値SHよりも低い領域をエンスト判定領域とし、エンスト判定を行なうようにすれば良い。
【0101】
なお、ここでは、車速Vが所定車速V1(例えば約3km/h)よりも高いか否かも条件とし、車速Vが所定車速V1よりも高い場合には、この条件を満たしたことのみでクリープポイントに到達したと判定するようになっているが、この条件は必須ではない。
そして、クリープポイント判定部34Aが、クリープポイントに到達したと判定した場合には、アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部34は、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定するようになっている。つまり、クリープポイントに到達した場合には目標レリーズ勾配Sが0mm/sに設定され、これに基づいてクラッチアクチュエータ6が制御されて、クラッチストロークが維持されるようになっている。
【0102】
このように、本実施形態では、クラッチが結合するとエンジン回転速度Neが低下するなどエンジン回転状態が変動するため、この点に着眼して、クリープポイントが判定された場合にはクラッチストロークを維持するようにして、例えばエンジン回転速度Neが一時的に低下するような場合にも、これに応じてクラッチの断接が繰り返し行なわれて制御ハンチングが生じるのを防止しているのである。
【0103】
上述のように構成されるため、本実施形態にかかるクリープポイント判定手段34Aによる処理は、図18のフローチャートに示すようにして行なわれる。
つまり、図18に示すように、ステップD10で、入力軸回転速度センサ10の検出情報に基づいてECU30で演算される車速Vを読み込み、エンジン回転速度センサ12からのエンジン回転速度Neを読み込み、ストロークセンサ14からのクラッチストロークを読み込み、上述のクラッチ結合度設定部33により設定されるクラッチ結合度を読み込む。
【0104】
次に、ステップD20で、クリープポイント判定部34Aが、車速Vが所定車速V1(例えば約3km/h)よりも高いか否かを判定し、この判定の結果、車速Vが所定車速V1よりも高いと判定した場合(V>V1)には、ステップD30へ進み、クリープポイント検出条件が成立したと判断し、クリープポイントに到達したと判断して、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定し、クラッチストロークを維持して、ステップD50へ進み、クリープポイント最適化手段37によりクリープポイントの最適化処理を行なって、リターンする。なお、クリープポイントの最適化処理については、後述する(図19参照)。
【0105】
ところで、ステップD20で、車速Vが所定車速V1以下であると判定した場合には、ステップD40へ進み、エンジン回転加速度dNeがクリープポイント検出用回転加速度dNe2(例えば約−100rpm/s)よりも小さく、かつ、エンジン回転速度Neがエンスト判定しきい値SH(例えばエンスト判定値ES+所定値)よりも高く、かつ、クラッチ結合度が1以下であるか否かを判定する。
【0106】
この判定の結果、これらの条件を全て満たしていると判定した場合は、ステップD30,ステップD50へ進み、上述と同様に、目標レリーズ勾配Sを0mm/sに設定してクリープストロークを維持するとともに、クリープポイントの最適化処理を行なって、リターンする。一方、上述の条件を満たしていないと判定した場合には、これらの処理を行なわずに、リターンする。
【0107】
上述のように、クリープポイント判定部34Aがクリープポイントに到達したと判定した場合には、クリープポイント最適化手段37へ信号が出力されるようになっている。
ここで、クリープポイント最適化手段37は、必要十分なクリープ力が得られるように、クラッチストロークを微調整して、クリープポイントの最適化を図る機能を有するものである。なお、このクリープポイント最適化手段37による処理はクリープポイントに到達した場合に一回のみ行なわれる。
【0108】
このクリープポイント最適化手段37は、上述のようにクラッチストロークが維持された状態で(即ち半クラッチ状態で)、クリープポイントに到達したと判定されてから所定時間t(例えば約0.5秒)内に、以下の▲1▼〜▲3▼の全ての条件が成立した場合には、クラッチの結合が足りないと考えられるため、クラッチを接続側へ第1所定ストローク量ST1(例えば約1mm)だけ移動させるべく、クラッチアクチュエータ駆動制御部3へ信号を出力するようになっている。これにより、クラッチアクチュエータ駆動制御部3からクラッチアクチュエータ6のソレノイドバルブ66へ減圧パルスが1パルス(クラッチストローク約1mmに相当)だけ出力され、これにより、ソレノイドバルブ66がオン(開)[ソレノイドバルブ65はオフ(閉)]となり、クラッチを接続側へ移動させてクラッチストロークを第1所定ストローク量ST1(例えば最小調整量に相当する約1mm)だけ変化させて、クラッチストロークの最適化が図られるようになっている。
▲1▼エンジン回転加速度dNeのピーク値(最大値)dNePKがピーク値判定 用回転加速度dNe3(例えば約−350rpm/s)よりも大きいこと( 即ち、エンジン回転加速度dNeが、正の値であるか、又は、負の値であっ て、所定回転加速度dNe3よりも値が小さいこと)(dNe>dNe4)
▲2▼エンジン回転加速度dNeが接続側最適化処理用回転加速度dNe4[例え ばピーク値dNePKの2/3の値(dNe3=dNePK×2/3)]よ りも大きいこと(dNe>dNe3)
▲3▼エンジン回転速度Neが接続側最適化処理用回転速度Ne4(例えば約85 0rpm)よりも高いこと(Ne>Ne4)
これを、クラッチストローク、エンジン回転速度Ne及びエンジン回転加速度dNeの変化を示す図16(A)〜(C)のタイムチャートを参照しながら説明すると、図16(B)に示すように、クラッチが結合していくと、エンジン回転速度Neは少し低下するため、エンジン回転加速度dNeは、図16(C)に示すように、一旦小さくなった後に大きくなるという特性がある。
【0109】
このため、本実施形態では、図16(A),(C)に示すように、エンジン回転加速度dNeのピーク値dNePKがピーク値判定用回転加速度dNe3(例えば約−350rpm/s)よりも大きくなった後に、エンジン回転加速度dNeが接続側最適化処理用回転加速度dNe4[例えばピーク値dNePKの2/3の値(dNe3=dNePK×2/3)]よりも大きくなったら、クリープポイントの最適化処理を行なうようにしている。なお、他の条件も満たしているものとする。
【0110】
ここで、所定期間t内としているのは、クラッチを結合したことによる影響がでる期間内にエンジン回転速度Neやエンジン回転加速度dNeの変動を見ることでクラッチストロークを最適なものとする意図である。
また、条件▲1▼では、エンジン回転加速度dNeのピーク値dNePKがピーク値判定用回転加速度dNe3よりも大きいか否かを判定するため、この前提として、上述のようにクラッチストロークが維持された状態で(即ち半クラッチ状態で)、クリープポイントに到達したと判定されてから所定時間t(例えば約0.5秒)内において、各検出周期毎にエンジン回転加速度dNeがピーク値dNePKになったか否かを判定して、ピーク値dNePKを検出し、記憶するようになっている[図16(C)参照]。この機能をピーク値検出部という。
【0111】
さらに、条件▲1▼で、ピーク値判定用回転加速度dNe3を約−350rpm/sとしているのは、クラッチ結合後エンジン回転加速度dNeが約−350rpm/sを下回らない場合には、クリープ走行を維持するためにクラッチの結合度合が弱いと考えられるためである。
また、条件▲2▼で、接続側最適化処理用回転加速度dNe4をピーク値dNePKの2/3の値(dNe3=dNePK×2/3)とし、エンジン回転加速度dNeが接続側最適化処理用回転加速度dNe4よりも大きくなったことを条件としているのは、クリープポイントの最適化のためにクラッチを接続するタイミングを図るためである。
【0112】
また、条件▲3▼で、エンジン回転速度Neが接続側最適化処理用回転速度Ne4(例えば約850rpm)よりも高いことを条件としているのは、エンジン回転速度Neが850rpm以下であると、クラッチを接続側へ移動させるとエンストするおそれがあるからである。
一方、クリープポイント最適化手段37は、クリープポイントに到達したと判定してから所定時間t(例えば約0.5秒)内に、以下の▲4▼,▲5▼の双方の条件が成立した場合には、クラッチが結合しすぎていると考えられるため、クラッチを切断側へ第2所定ストローク量ST2(例えば最小調整量に相当する約1mm)だけ移動させるべく、クラッチアクチュエータ駆動制御部3へ信号を出力するようになっている。これにより、クラッチアクチュエータ駆動制御部3からクラッチアクチュエータ6のソレノイドバルブ66へ増圧パルスが1パルス(クラッチストローク約1mmに相当)だけ出力され、これにより、ソレノイドバルブ65がオン(開)[ソレノイドバルブ66はオフ(閉)]となり、クラッチを切断側へ移動させて、クラッチストロークを第2所定ストローク量ST2(例えば約1mm)だけ変化させて、クラッチストロークの最適化が図られるようになっている。
▲4▼エンジン回転速度Neが切断側最適化処理用回転速度Ne5(例えば約80 0rpm)よりも低いこと(Ne<Ne5)
▲5▼エンジン回転加速度dNeが切断側最適化処理用回転加速度dNe5(例え ば約−600rpm/s)よりも小さいこと(即ち、エンジン回転加速度d Neが負の値であって、所定回転加速度dNe5よりも値が大きいこと)( dNe<dNe5)
ここで、条件▲4▼及び▲5▼を条件としているのは、クラッチ結合後エンジン回転速度が約800rpmよりも低くなり、かつ、エンジン回転加速度が約−600rpm/sよりも小さくなっている場合(即ち、エンジン回転速度Neが低くなっており、負の加速度が大である場合)には、クラッチが結合しすぎており、エンストを招くことになると考えられるためである。
【0113】
このように、本実施形態では、クラッチ結合直後のエンジン回転状態、即ちエンジン回転速度Neやエンジン回転加速度dNeに基づいてクリープ力が弱いのか、強いのかを判断して、クリープ力が弱いと判断した場合にはクリープ力を強めるようにクラッチを接続側へ移動させてクラッチストロークを小さくする一方、クリープ力が強いと判断した場合にはクリープ力を弱めるようにクラッチを切断側へ移動させてクラッチストロークを大きくするようにクラッチストロークを微調整して、最適なクリープ力が確保されるようにしているのである。
【0114】
ところで、所定期間t内でなくなった場合、上述の▲1▼〜▲5▼の条件を満たさなかった場合には、クリープポイントに到達してクラッチストロークが維持された状態でクラッチの結合状態が最適なものとなっていたと考えられるため、クリープポイント最適化手段37による処理は行なわない。
上述のように構成されるため、クリープポイント最適化手段37による処理は、図19のフローチャートに示すようにして行なわれる。ここでは、適宜、図16のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0115】
つまり、図19に示すように、ステップE10で、最適化処理実行済フラグFが1であるかを判定し、最適化処理実行済フラグFが1である場合(F=1)には、既にクリープポイント最適化手段37によってクリープポイントの最適化処理が実行されているため、リターンする。なお、最適化処理実行済フラグFは初期設定では0になっており、クリープポイント最適化手段37によって最適化処理が行なわれたら1にセットされるようになっている。
【0116】
一方、最適化処理実行済フラグFが1でない場合は、まだ最適化処理は行なわれていないため、ステップE20へ進み、クリープポイント判定手段34Aによってクリープポイントに到達したと判定されてから所定時間t(例えば約0.5秒)が経過したか否かを判定する。
この判定の結果、所定時間t内である場合には、ステップE30へ進み、エンジン回転加速度dNeのピーク値dNePKがピーク値判定用回転加速度dNe3(例えば約−350rpm/s)よりも大きく、かつ、エンジン回転加速度dNeが接続側最適化処理用回転加速度dNe4[例えばピーク値dNePKの2/3の値(dNe3=dNePK×2/3)]よりも大きく、かつ、エンジン回転速度Neが接続側最適化処理用回転速度Ne4(例えば約850rpm)よりも高いか否かを判定し、これらの条件を全て満たしていると判定した場合には、ステップE40へ進み、クラッチを接続側へ第1所定ストローク量ST1(例えば約1mm)だけ移動させるべく、クラッチアクチュエータ駆動制御部3へ信号を出力し、ステップE50へ進んで、最適化処理実行済フラグFを1にセットして、リターンする。
【0117】
これにより、クラッチアクチュエータ駆動制御部3からクラッチアクチュエータ6のソレノイドバルブ66へ減圧パルスが1パルス(クラッチストローク約1mmに相当)だけ出力され、これにより、ソレノイドバルブ66がオン(開)[ソレノイドバルブ65はオフ(閉)]となり、クラッチが接続側へ移動されてクラッチストロークが第1所定ストローク量ST1(例えば最小調整量に相当する約1mm)だけ変化して、クラッチストロークの最適化が図られる。
【0118】
一方、ステップE20で、所定時間t内でないと判定された場合には、クラッチを結合したことによる影響を適切に考慮することによって最適化処理を行なうか否かを適切に判断することができないと考えられるため、最適化処理を行なわずに、リターンする。
ところで、ステップE30で、上述の条件を満たしていないと判定した場合には、ステップE60へ進み、エンジン回転速度Neが切断側最適化処理用回転速度Ne5(例えば約800rpm)よりも低く、かつ、エンジン回転加速度dNeが切断側最適化処理用回転加速度dNe5(例えば約−600rpm/s)よりも小さか否かを判定する。
【0119】
この判定の結果、これらの条件を全て満たしていると判定した場合は、ステップE70へ進み、クリープポイント最適化手段37によって、クラッチを切断側へ第2所定ストローク量ST2(例えば最小調整量に相当する約1mm)だけ移動させるべく、クラッチアクチュエータ駆動制御部3へ信号を出力し、さらにステップE50へ進んで、最適化処理実行済フラグFを1にセットして、リターンする。
【0120】
これにより、クラッチアクチュエータ駆動制御部3からクラッチアクチュエータ6のソレノイドバルブ66へ増圧パルスが1パルス(クラッチストローク約1mmに相当)だけ出力され、これにより、ソレノイドバルブ65がオン(開)[ソレノイドバルブ66はオフ(閉)]となり、クラッチが接続側へ移動されて、クラッチストロークが第2所定ストローク量ST2(例えば約1mm)だけ変化して、クラッチストロークの最適化が図られる。
【0121】
一方、ステップE60で、上述の条件を満たしていないと判定した場合には、クリープポイントに到達してクラッチストロークが維持された状態でクラッチの結合状態が最適なものとなっていたと考えられるため、最適化処理は行なわずに、リターンする。
したがって、本実施形態にかかる自動クラッチ制御装置によれば、クリープ運転中に制御ハンチングによって振動や騒音が生じないようにしながら、一定のクリープ力を確保して確実にクリープ運転を行なえるようにすることができるという利点がある。
【0122】
なお、上述の実施形態では、本発明の自動クラッチ制御装置を、機械式自動変速機をそなえた車両に適用した例を示したが、本発明の自動クラッチ制御装置は、摩擦クラッチの断接を自動的に行なう自動クラッチをそなえた車両であれば適用しうるものであり、例えば、変速操作をドライバが手動で行なう一般的な手動変速機をそなえた車両に適用してもよい。
【0123】
また、本発明の自動クラッチ制御装置は、上述のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。例えば、上述した実施形態で用いた数値は、エンジンや車両の特性,緒元等に応じて種々変更することができる。
【0124】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の自動クラッチ制御装置によれば、クリープ運転中に制御ハンチングによって振動や騒音が生じないようにすることができるという利点がある。
請求項2記載の本発明の自動クラッチ制御装置によれば、一定のクリープ力を確保して確実にクリープ運転を行なえるようにすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置を備える車両の制御モード遷移図である。
【図3】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるクラッチ結合度の判定を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置による目標レリーズストローク勾配の設定について説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるアクセルオフ時の目標レリーズ勾配の設定を説明するためのタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるアクセルオン時の目標レリーズ勾配の設定を説明するためのタイムチャートである。
【図7】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置による停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合の目標レリーズ勾配の設定を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるアクセルオンの場合の目標レリーズストローク勾配の設定について説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置を機械式自動変速機に適用した場合の全体的な機能を示す制御ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置にかかるクラッチアクチュエータの構成を示す模式図である。
【図11】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置にかかるシフトセレクトアクチュエータの構成を示す模式図である。
【図12】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるクラッチ制御の全体的な処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるアクセルオフ時の目標レリーズ勾配設定の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるアクセルオン時の目標レリーズ勾配設定の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置による停止、かつ、ブレーキを強く踏んでいる場合の目標レリーズ勾配設定の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるクリープポイントの最適化処理を説明するためのタイムチャートである。
【図17】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるエンスト判定を説明するための図である。
【図18】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるクリープポイント判定の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態としての自動クラッチ制御装置によるクリープポイントの最適化の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
3 クラッチアクチュエータ駆動制御部
6 クラッチアクチュエータ
10 入力軸回転速度センサ(車速検出手段,車両運転状態検出手段)
11 アクセル開度センサ(アクセル状態検出手段,車両運転状態検出手段)
12 エンジン回転速度センサ(エンジン回転状態検出手段,車両運転状態検出手段)
14 ストロークセンサ(クラッチストローク検出手段,車両運転状態検出手段)
17 アイドルスイッチ(アクセル状態検出手段,車両運転状態検出手段)
19 マスタシリンダ圧センサ(ブレーキ圧検出手段,車両運転状態検出手段)
20 加速度センサ(Gセンサ,道路勾配検出手段)
30 ECU(制御手段)
31 目標ストローク勾配設定部
32 クラッチ結合度設定部
33 操作状態判定部
34 アクセルオフ時目標レリーズ勾配設定部
34A クリープポイント判定手段
35 アクセルオン時目標レリーズ勾配設定部
36 停止時目標レリーズ勾配設定部
37 クリープポイント最適化手段

Claims (2)

  1. 摩擦クラッチの断接を自動的に行なってクリープ運転を行なう自動クラッチ制御装置において、
    エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサと、
    前記クラッチのストロークを検出するクラッチストローク検出手段と、
    前記クラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータと、
    前記エンジン回転速度センサから検出したエンジン回転速度がエンスト判定しきい値よりも高く、かつ、前記エンジン回転速度センサの検出情報に基づいて算出されたエンジン回転加速度がクリープポイント検出用回転加速度よりも小さく、かつ、前記クラッチストローク検出手段から検出したクラッチストロークが接続側である場合に前記車両がクリープし始めるクリープポイントに到達したと判定し、一定のクリープ力を確保すべく前記クラッチストロークを維持するように前記クラッチアクチュエータを制御する制御手段とを備えることを特徴とする、自動クラッチ制御装置。
  2. 前記制御手段が、前記クリープポイント検出後所定期間内に、前記エンジン回転速度センサの検出情報に基づいて算出されたエンジン回転加速度のピーク値がピーク値判定用回転加速度よりも大きくなった後に、前記エンジン回転加速度が接続側最適化処理用回転加速度よりも大きくなった場合に前記クラッチストロークを増減させて前記クリープポイントを最適化するように前記クラッチアクチュエータを制御することを特徴とする、請求項1記載の自動クラッチ制御装置。
JP2000214933A 2000-07-14 2000-07-14 自動クラッチ制御装置 Expired - Lifetime JP4106860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000214933A JP4106860B2 (ja) 2000-07-14 2000-07-14 自動クラッチ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000214933A JP4106860B2 (ja) 2000-07-14 2000-07-14 自動クラッチ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002031166A JP2002031166A (ja) 2002-01-31
JP4106860B2 true JP4106860B2 (ja) 2008-06-25

Family

ID=18710432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000214933A Expired - Lifetime JP4106860B2 (ja) 2000-07-14 2000-07-14 自動クラッチ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4106860B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4274681B2 (ja) * 2000-09-08 2009-06-10 ダイハツ工業株式会社 発進クラッチのクリープ力制御方法
JP2009236264A (ja) 2008-03-28 2009-10-15 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機の制御装置
JP5704339B2 (ja) * 2011-08-10 2015-04-22 三菱ふそうトラック・バス株式会社 車両の微動制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002031166A (ja) 2002-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8165766B2 (en) Method for controlling a drivetrain of a vehicle, with a drive motor and a gearbox
EP1342930B1 (en) Vehicle clutch control device and control method of the same
US9440653B2 (en) Drive control device for vehicle
JP2001304305A (ja) 機械式自動変速機の変速制御装置
JP2016114190A (ja) 車両用クラッチ制御システム
CA2899049A1 (en) Hybrid vehicle control device
EP2607670B1 (en) Control device for vehicle engine
JP3948196B2 (ja) 自動クラッチ制御装置
RU2422706C2 (ru) Способ управления автоматической или полуавтоматической трансмиссией автомобиля большой грузоподъемности в режиме холостого хода
US6766238B2 (en) Controller for the drive train of a motor vehicle
JP4106860B2 (ja) 自動クラッチ制御装置
US6878095B2 (en) Automatic-clutch control system of automatic clutch type transmission
JP2020133754A (ja) 自動変速制御装置
JP2002031168A (ja) 自動クラッチ制御装置
JP4042290B2 (ja) 自動クラッチのクリープ制御装置
JP3747736B2 (ja) 機械式自動変速機の変速制御装置
JP2002031158A (ja) 自動クラッチ制御装置
JP6213721B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP3752959B2 (ja) 機械式自動変速機の変速制御装置
JP4766581B2 (ja) 車両の速度制御装置
JP3580998B2 (ja) 自動変速機の制御装置
KR100818503B1 (ko) 자동차의 내연기관에서 드라이브 트레인 요소의 제어 방법
JP4082975B2 (ja) 発進クラッチのクリープ力制御方法
KR101080794B1 (ko) 자동변속기의 변속 제어장치 및 방법
JP2004299415A (ja) 車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071212

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080324

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411

Year of fee payment: 6