JP2002029754A - コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電解質電池 - Google Patents

コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電解質電池

Info

Publication number
JP2002029754A
JP2002029754A JP2000220521A JP2000220521A JP2002029754A JP 2002029754 A JP2002029754 A JP 2002029754A JP 2000220521 A JP2000220521 A JP 2000220521A JP 2000220521 A JP2000220521 A JP 2000220521A JP 2002029754 A JP2002029754 A JP 2002029754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
hydroxide
nickel
nickel oxyhydroxide
oxyhydroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000220521A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Sasaki
佐々木  秀樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Storage Battery Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Storage Battery Co Ltd filed Critical Japan Storage Battery Co Ltd
Priority to JP2000220521A priority Critical patent/JP2002029754A/ja
Publication of JP2002029754A publication Critical patent/JP2002029754A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電池の活物質に使用した場合に、放電容量が大
きく、充放電サイクルの進行にともなう容量低下がおこ
らず、優れたサイクル特性を有するコバルト含有オキシ
水酸化ニッケルの製造方法を提供する。 【解決手段】コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造
方法において、一般式がNi1-xCox(OH)2(0<x
<0.5)で表わされる水酸化物を多段階で酸化処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コバルト含有オキ
シ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電
解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル
−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池のニッケル極の活物
質は、放電末期では水酸化ニッケル(Ni(OH)2
であり、充電末期ではオキシ水酸化ニッケル(NiOO
H)である。
【0003】近年のセルラーホンあるいは携帯用電子端
末等の種々の小型携帯電子機器の普及にともない、それ
らの電源としての二次電池は重要な役割を果たしてい
る。とくにリチウムイオン電池は、ニッケル・カドミウ
ム蓄電池あるいはニッケル・水素蓄電池といった水溶液
系電池に比べて高いエネルギー密度を有することから、
脚光を浴びている。
【0004】現在市販されているリチウムイオン電池
は、コバルト酸リチウムなどの遷移金属の複合酸化物よ
りなる正極活物質を含有した正極板と、グラファイトな
どの炭素系物質よりなる負極活物質を含有した負極板
と、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのセパレー
タと、エチレンカーボネートなどの各種炭酸エステルに
LiPF6などのリチウム塩を溶解させた電解液とから
構成される電池である。この電池の作動電圧は約4Vで
あり、いわゆる4V系非水電解質電池である。
【0005】一方、3V以下の低電圧で作動するICの
開発が進んでいることや、電池の安全性の観点から、今
後3V系非水電解質電池の需要が増大するものと推測さ
れる。この3V系非水電解質電池用正極活物質として
は、LiMnO2やV25があるが、放電容量やサイク
ル寿命特性の面で多くの問題点を有しているために、メ
モリーバックアップ用など、限られた用途でのみ使用さ
れているのが現状である。
【0006】また、最近、ニッケルを主体とするオキシ
水酸化物が3V系非水電解質二次電池用正極活物質とし
て利用できることが提案されており、例えば特開平10
−270017号公報等においては、球状あるいは略球
状のオキシ水酸化物を用いて、電極のエネルギー密度を
向上させる方法が提案されている。
【0007】なお、ここで「ニッケルを主体とするオキ
シ水酸化物」とは、オキシ水酸化ニッケルのニッケルの
一部をコバルト等の金属で置換したもので、オキシ水酸
化物に含まれる全金属元素の合計モル数に対するニッケ
ルのモル数の比が0.5以上であることを意味し、以下
では「ニッケルを主体とする」を同様の意味で使用す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ニッケルを主体とする
オキシ水酸化物は、3V系非水電解質二次電池用正極活
物質として利用できる。その初期放電容量は高い値であ
るが、充放電サイクルの進行にともなって放電容量が低
下する問題があり、それを解決することが望まれてい
る。
【0009】ニッケルを主体とするオキシ水酸化物を製
造する手段として、ニッケルを主体とする水酸化物を前
駆体として用いて、その前駆体を酸化処理する方法が開
示されている。
【0010】ところが、オキシ水酸化物は高い電子導電
性を有するが、水酸化物の電子導電性が低いため、従来
のように1段階で前駆体を酸化処理した場合、酸化反応
は電子の授受をともなうので、反応初期には前駆体は水
酸化物であるため酸化反応が進行しにくいが、徐々にオ
キシ水酸化物の割合が増加して電子導電性が向上すると
酸化反応が進行しやすくなるものの、全体的には不均一
に酸化が進行する。
【0011】そのため、1段階で前駆体を酸化処理して
得られたオキシ水酸化物を電池の活物質に使用した場
合、優れた電池特性が得られなかった。
【0012】すなわち、前駆体としての水酸化物を酸化
処理してオキシ水酸化物を得る場合、水酸化物の酸化処
理条件は、オキシ水酸化物の電池における正極物質とし
ての性能を決定する重要な因子であり、本発明者らは、
その酸化処理条件の適正化によって正極物質の性能を制
御できることを見出し、上記の問題を解決し得ることに
想到した。
【0013】本発明は、かかる知見に基づきなされたも
のであって、その目的とするところは、電池に使用した
場合に、放電容量が大きく、充放電サイクルの進行にと
もなう容量低下がおこらないため、優れたサイクル特性
を有する、オキシ水酸化物の製造方法を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式がNi
1-xCox(OH)2(0<x<0.5)で表わされる水酸
化物を多段階で酸化処理することを特徴とするコバルト
含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法を提供する。
【0015】また、その多段階の酸化処理において、最
終段階以前のいずれかの段階での酸化処理終了時におけ
るニッケルとコバルトの合計平均価数が2.8価以下で
あることを特徴とし、また、最終段階以前のいずれかの
段階での酸化処理までの合計酸化剤投入量が、水酸化物
のニッケルとコバルトの合計平均価数を2価から3価ま
で酸化するのに必要な当量の80%以下であることを特
徴とする。
【0016】そして、コバルト含有オキシ水酸化ニッケ
ルの製造時の前駆体として用いる水酸化物は、CuKα
によるX線回折図形において(101)面の半値幅が2
θ=0.7°以上であることを特徴とし、また、その形
状が球状または略球状であり、さらに、比表面積が5m
2/g以上であることを特徴とするものである。
【0017】さらに本発明は、上記の製造方法によって
得られたコバルト含有オキシ水酸化ニッケルを非水電解
質電池の正極活物質に使用することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のコバルト含有オキシ水酸
化ニッケルの製造方法は、一般式がNi1-xCox(OH)
2(0<x<0.5)で表わされる水酸化物を前駆体と
して使用し、この前駆体を多段階で酸化処理するもので
ある。前駆体のニッケルとコバルトの合計モル数に対す
るコバルトのモル数の比xが0.5以上になると、電池
の活物質に使用した場合、容量が小さくなる。
【0019】前駆体を多段階で酸化処理する方法は、最
終段階以前のいずれかの段階での酸化処理終了時の前駆
体のニッケルとコバルトの合計平均価数が2.8価以下
になるように酸化処理した後、これ以降の段階で3価以
上に酸化することが望ましいく、さらには最終段階以前
のいずれかの段階での酸化処理終了時の前駆体のニッケ
ルとコバルトの合計平均価数は2.5価以下の方が好ま
しい。
【0020】なお、最終段階以前のいずれかの段階での
酸化処理終了時の、前駆体のニッケルとコバルトの合計
平均価数を2.8価以下とするためには、最終段階以前
のいずれかの段階での酸化処理までの合計酸化剤投入量
が、水酸化物のニッケルとコバルトの合計平均価数を2
価から3価まで酸化するのに必要な当量の80%以下と
する必要がある。
【0021】水酸化ニッケルが酸化されてオキシ水酸化
ニッケルに、またオキシ水酸化ニッケルが還元されて水
酸化ニッケルに、連続的に変化する場合、ニッケルの価
数は水酸化ニッケルの2価とオキシ水酸化ニッケルの3
価の間を連続的に変化する。
【0022】ただし、「電池便覧、増補版、(丸善)、
平成7年1月20日発行」の231頁に記載されている
ように、水酸化ニッケルは絶縁体(導電率約10-14
・cm-1)であり、オキシ水酸化ニッケルは導電体(導
電率約10-1S・cm-1)である。そして、水酸化ニッ
ケルが酸化されるにしたがって導電率は上昇し、ニッケ
ルの価数が2.25では、導電率は約10-4S・cm-1
となる。この関係はニッケルの一部をコバルトで置換し
た、コバルト含有水酸化ニッケルあるいはコバルト含有
オキシ水酸化ニッケルの場合にもあてはまる。
【0023】水酸化物を多段階で酸化処理することによ
り、電池に使用した場合に良好な性能を示すコバルト含
有オキシ水酸化ニッケルが得られる理由は、つぎのよう
に考えられる。ここで前駆体として用いる水酸化物は電
子導電性が低いものであるのに対し、オキシ水酸化物は
電子導電性を有する。酸化反応は電子の授受をともなう
ので、電子導電性が低い水酸化物では酸化反応が進行し
にくい。
【0024】すなわち、反応初期には前駆体は水酸化物
であり、その電子導電性が低いため酸化反応が進行しに
くいが、徐々にオキシ水酸化物の割合が増加して電子導
電性が向上するため、酸化反応が進行しやすくなる。
【0025】ただし、従来のように1段階で前駆体を酸
化処理した場合には、酸化がすすんで電子導電性が高く
なったオキシ水酸化物と、ほとんど酸化されていない水
酸化物が混在することになり、全体的には不均一に酸化
が進行し、得られるオキシ水酸化物も不均一なものとな
る。
【0026】これに対して、本発明のように多段階で酸
化処理を行い、途中の最終段階以前のいずれかの段階で
の酸化処理時において、水酸化物を部分的に酸化して電
子導電性を付与した後に、それ以降の段階でオキシ水酸
化物に酸化する方法では、それ以降の段階での酸化反応
が均一におこるようになって、正極物質の内部まで酸化
が良好に進行するものと考えられる。
【0027】酸化方法としては、ペルオキソ二硫酸塩、
過塩素酸塩や過マンガン酸塩、オゾン等の酸化剤を用い
て化学的に酸化処理する方法や、電気化学的に陽極酸化
する方法が挙げられ、各段階の酸化処理では、これらを
種々組み合わせることが可能である。酸化剤で化学的に
酸化処理する場合には、理論化学当量の1.2倍以上の
酸化剤を用いることが望ましい。
【0028】また、酸化処理における温度条件として
は、28〜100℃が好ましい。その理由は、温度が2
8℃未満では酸化反応の効率が充分でないためであり、
また温度が100℃を超えると、一旦酸化された活物質
が媒体として使用する水等の酸化を促し、自らは還元さ
れるため、結果的に酸化反応の効率が低下するためであ
る。より好ましい温度条件は、40〜90℃である。
【0029】本発明のコバルト含有オキシ水酸化ニッケ
ルの製造方法においては、前駆体である水酸化物の結晶
性、形状、比表面積などが、反応生成物に受け継がれ
る。
【0030】そこで、本発明における前駆体である水酸
化物の1段階目の酸化処理前の形状を、CuKαによる
X線回折図形において、その(101)面の半値幅が2
θ=0.7°未満であるような結晶性が高い水酸化物を
前駆体として用いると、活物質の放電容量が小さくなる
ため好ましくないので、(101)面の半値幅が2θ=
0.7°以上である、結晶性の低い水酸化物を使用する
ことが好ましい。
【0031】さらに、本発明における前駆体である水酸
化物の1段階目の酸化処理前の形状を、球状または略球
状とすることによって、ほぼ球状の生成物を得ることが
できる。このようなコバルト含有オキシ水酸化ニッケル
を電池の正極物質に用いた場合、集電体への正極物質を
含むペーストの塗布がし易くなくなり、かつ塗布後の電
極への正極物質の充填密度が高くなる特徴がある。な
お、ここで「略球状」とは、粒子に鋭角部分がない、球
状に近い形状のことをさす。
【0032】また、本発明における前駆体である水酸化
物の1段階目の酸化処理前の比表面積は5m2/g以上
とすることにより、このようなコバルト含有オキシ水酸
化ニッケルを電池の正極物質に用いた場合、高率放電特
性に優れた電池が得られるものである。
【0033】このようにして作製されたコバルト含有オ
キシ水酸化ニッケルを正極物質に使用し、この正極物質
粉末と導電剤と結着剤と溶媒とを混練して得た活物質ペ
ーストを、アルミニウム箔等の導電芯材に塗布・乾燥・
プレスする等の方法によって、正極板が作製される。こ
の正極板と、負極板、セパレータ、電解液等を用いて非
水電解質電池を構成すると、高エネルギー密度でかつサ
イクル特性が良好な3V系非水電解質電池を得ることが
できる。
【0034】非水電解質の溶媒としては、エチレンカー
ボネートやプロピレンカーボネート等の環状炭酸エステ
ル、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートやメ
チルエチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ−ブ
チロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶
媒、もしくはこれらの混合物を使用することができる。
【0035】また、非水溶媒に溶解するリチウム塩とし
ては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3
CO2、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、Li
N(SO2CF2CF32、LiN(COCF32および
LiN(COCF2CF32などの塩もしくはこれらの
混合物でもよい。
【0036】また、セパレータ(隔離体)としては、ポ
リエチレンやポリプロピレン等の絶縁性のポリオレフィ
ン微多孔膜や、高分子固体電解質、高分子固体電解質に
電解液を含有させたゲル状電解質等も使用できる。ま
た、絶縁性の微多孔膜と高分子固体電解質等を組み合わ
せて使用してもよい。さらに、高分子固体電解質として
有孔性高分子固体電解質膜を使用する場合、高分子中に
含有させる電解液と、細孔中に含有させる電解液とが異
なっていてもよい。また、有孔性高分子固体電解質膜
は、極板の内部および表面、および活物質自身を被覆す
る形で存在するものも含まれる。
【0037】さらに、負極活物質としては、Al、S
i、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金、L
iFe2O3、WO2、MoO2等の遷移金属酸化物、
グラファイトやカーボン等の炭素質材料、Li5(Li
3N)等の窒化リチウム、もしくは金属リチウム、又は
これらの混合物を用いてもよい。
【0038】なお、本発明の製造方法によって得られた
コバルト含有オキシ水酸化ニッケルは、非水電解質電池
の活物質に使用できるだけではなく、アルカリ電池の活
物質としても使用可能である。
【0039】
【実施例】以下、本発明の詳細を好適な実施例を用いて
説明する。 [実施例1]まず、コバルト含有水酸化ニッケルを2段
階で酸化処理して、コバルト含有オキシ水酸化ニッケル
を製造する方法について説明する。ニッケルとコバルト
とのモル比が95:5である硫酸ニッケルと硫酸コバル
トとの水溶液を攪拌し、その中に、pHを一定の値(=
9〜11)に保ちながら、アンモニア水溶液および水酸
化ナトリウム水溶液を滴下して、沈殿物を析出させた。
これを、水洗・乾燥して、平均粒径が約10μmである
球状の水酸化ニッケル粉末を得た。この水酸化物のCu
KαによるX線回折分析における(101)面半価幅
は、2θ=1.0°であった。
【0040】つぎに、酸化剤としてペルオキソ二硫酸ナ
トリウムを用い、その全添加量を、水酸化物の金属を2
価から3価まで酸化するのに必要な量の1.5倍当量で
一定とし、水酸化ナトリウム水溶液(比重は約1.2
5)中、反応温度を40℃として、前記の方法で得られ
た水酸化ニッケル粉末の酸化をおこなった。水酸化ニッ
ケル粉末100重量部を、充分な量の水酸化ナトリウム
水溶液(比重は約1.25)中に添加し、1段階目の酸
化として、酸化に必要な量の0〜1.5倍当量に相当す
る重量分のペルオキソ二硫酸ナトリウム粉末を添加し
て、溶液の温度を40℃に保ちながら約5時間攪拌し
た。
【0041】つづいて、2段階目の酸化として、酸化に
必要な量の1.5倍当量から1段階目に添加した量を差
し引いた重量分のペルオキソ二硫酸ナトリウム粉末を添
加して、溶液の温度を40℃に保ちながら約10時間攪
拌した。つづいて、多量の精製水で洗浄して付着したア
ルカリ分を除去した後、80℃の熱風乾燥器中で乾燥し
て、コバルト含有オキシ水酸化ニッケルを得た。
【0042】1段階目の酸化剤添加量が0.8当量の時
の、中間生成物粉末のニッケルとコバルトの合計平均価
数は2.78価であった。また、別途おこなった1段階
目の酸化剤添加量を変えた場合の、全段階の酸化処理後
のコバルト含有オキシ水酸化ニッケルの、ニッケルとコ
バルトの合計平均価数には大きな差は見られなかったこ
とから、1段階目の酸化剤添加量を0.8当量以下とし
たときに、内部まで均一に酸化されたコバルト含有オキ
シ水酸化ニッケルが得られることがわかった。
【0043】[実施例2]実施例1の方法で得られた種
々のコバルト含有オキシ水酸化ニッケルを正極物質とす
る試験電池を作製し、その特性を比較した。
【0044】正極物質粉末90重量部と、導電剤として
のアセチレンブラック粉末6重量部とを、ポリフッ化ビ
ニリデン(結着剤)と溶媒としてのN−メチルピロリド
ン(NMP)とよりなる溶液を加えて混練してペースト
を作製し、これを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面
に所定量を塗布した後、乾燥・プレスして、種々の正極
板を得た。
【0045】つぎに、試験電池の製作方法について説明
する。上記のようにして製作した正極板1枚と、対極に
同じ大きさのリチウム金属板2枚と、参照極にリチウム
金属片を、電解液に1mol/Lの過塩素酸リチウムを
含むエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの
体積比で1:1の混合溶媒50mlを用いて、種々の試
験電池を製作した。
【0046】さらに、充放電試験条件について説明す
る。各試験電池を、25℃において、0.1mA/cm2
の電流密度で1.5Vまで放電をおこなって、初期放電
容量を測定した。ついで、同じ電流密度で4.2Vまで
充電、1.5Vまで放電するという条件で、10サイク
ルの充放電試験をおこなった。
【0047】上記種々の試験電池の、1サイクル目およ
び10サイクル目の放電容量の比較を図1に示す。図1
において、1段階目の酸化剤添加量(当量比)が0のも
のと1.5のものは、1段階のみで酸化した場合の結果
である。
【0048】1段階目の酸化剤添加量が0.8当量以下
の場合に、電流分布が均一になり、1サイクル目の放電
容量が大きく、サイクル経過後も容量が大きいことがわ
かる。一方、1段階目の酸化剤添加量が、0.8当量を
超える多量の酸化剤を添加したり、1段階で酸化した場
合は、放電容量が小さかった。
【0049】なお、本発明の実施例では、コバルト含有
オキシ水酸化ニッケルおよびその前駆体としてニッケル
とコバルトとを含有したものを用いたが、少量の亜鉛や
カドミウム、マンガン、アルミニウム、カルシウム、マ
グネシウム、および希土類系元素を含有させたものも用
いることができ、またこれらの少なくとも1種以上のも
のを組み合わせて含有させることも可能である。
【0050】また、本発明の実施例では、導電剤として
アセチレンブラックを、結着剤としてポリフッ化ビニリ
デンを、その溶剤としてNMPを使用したが、他のもの
を使用することも可能である。また、多段階で酸化する
方法として、いわゆる「回分式」を用いた場合を記載し
たが、工業的には「半回分式」あるいは「連続式」の設
備を用いることができることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法による正極物質を用い
ることによって、放電容量が大きく、サイクル特性に優
れた3V系非水電解質電池を提供することができるの
で、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験電極の、正極物質前駆体の1段階目の酸化
における酸化剤添加量(当量比)と1サイクル目および
10サイクル目の放電容量との関係を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA03 AB02 AC06 AD04 AD06 AE05 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL01 AL02 AL06 AL07 AL08 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ14 DJ16 HJ00 HJ02 HJ07 HJ13 5H050 AA07 AA08 BA17 CA08 CB01 CB02 CB07 CB08 CB09 CB12 CB29 FA17 HA00 HA02 HA07 HA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式がNi1-xCox(OH)2(0<x
    <0.5)で表わされる水酸化物を多段階で酸化処理す
    ることを特徴とするコバルト含有オキシ水酸化ニッケル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 最終段階以前のいずれかの段階での酸化
    処理後のニッケルとコバルトの合計平均価数が2.8価
    以下であることを特徴とする請求項1記載のコバルト含
    有オキシ水酸化ニッケルの製造方法。
  3. 【請求項3】 最終段階以前のいずれかの段階での酸化
    処理までの合計酸化剤投入量が、水酸化物のニッケルと
    コバルトの合計平均価数を2価から3価まで酸化するの
    に必要な当量の80%以下であることを特徴とする請求
    項1または2記載のコバルト含有オキシ水酸化ニッケル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 水酸化物のCuKαによるX線回折図形
    において、(101)面の半値幅が2θ=0.7°以上
    であることを特徴とする請求項1、2または3記載のコ
    バルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法。
  5. 【請求項5】 水酸化物の形状が球状または略球状であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のコ
    バルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法。
  6. 【請求項6】 水酸化物の比表面積が5m2/g以上で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記
    載のコバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載のコバルト含有オキ
    シ水酸化ニッケルを正極活物質に使用したことを特徴と
    する非水電解質電池。
JP2000220521A 2000-07-21 2000-07-21 コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電解質電池 Pending JP2002029754A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220521A JP2002029754A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電解質電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220521A JP2002029754A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電解質電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002029754A true JP2002029754A (ja) 2002-01-29

Family

ID=18715114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000220521A Pending JP2002029754A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電解質電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002029754A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6991875B2 (en) 2002-08-28 2006-01-31 The Gillette Company Alkaline battery including nickel oxyhydroxide cathode and zinc anode

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6991875B2 (en) 2002-08-28 2006-01-31 The Gillette Company Alkaline battery including nickel oxyhydroxide cathode and zinc anode

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101313437B1 (ko) 리튬이온 전지용 양극, 그 제조방법, 및 상기 양극을 이용한 리튬이온전지
JP5214202B2 (ja) 非水電解質二次電池およびその製造方法
JP3624539B2 (ja) ニッケル酸リチウム正極板の製造方法およびリチウム電池
JPH1197027A (ja) 非水電解質二次電池
KR101115416B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
CN111771301A (zh) 锂二次电池正极活性材料、其制备方法和包含它的锂二次电池
JP2005281128A (ja) リチウム含有オキシ水酸化鉄の製造方法およびその製造方法で得られたリチウム含有オキシ水酸化鉄を含む電極を用いた非水電解質電気化学セル
KR101646994B1 (ko) 리튬 이차전지용 양극 활물질, 이들의 제조방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
JP2001319647A (ja) リチウム二次電池用正極およびこれを用いたリチウムイオン電池
WO2013125798A1 (ko) 리튬 이차전지용 양극 활물질의 제조 방법
KR20220046267A (ko) 무음극 리튬이차전지 및 그 제조방법
KR100820057B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조방법 및 이를포함하는 리튬 이차 전지
JP4114259B2 (ja) リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2002175836A (ja) 非水電解質電池
JP2001297750A (ja) リチウム二次電池用発電要素およびそれを用いたリチウム二次電池
US6613476B2 (en) Positive active material for rechargeable lithium battery and method of preparing same
JP2003263979A (ja) 非水電解質二次電池およびその製造法
JP4759787B2 (ja) 非水電解質電池および非水電解質電池用正極物質の製造方法
JP4697504B2 (ja) リチウム二次電池正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物及びその製造方法
JPH11154512A (ja) 非水電解質二次電池
KR101627847B1 (ko) 리튬 이차전지용 양극 활물질, 및 이들의 제조방법
JP2002029754A (ja) コバルト含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを用いた非水電解質電池
JP4759786B2 (ja) 非水電解質電池
JP4622014B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2003203636A (ja) 非水電解液二次電池正極用導電剤及びこれを用いた正極板と非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20051213