JP2002025419A - 過電流保護素子、これを有する半導体素子、および過電流保護素子の製造方法 - Google Patents

過電流保護素子、これを有する半導体素子、および過電流保護素子の製造方法

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JP2002025419A
JP2002025419A JP2000211072A JP2000211072A JP2002025419A JP 2002025419 A JP2002025419 A JP 2002025419A JP 2000211072 A JP2000211072 A JP 2000211072A JP 2000211072 A JP2000211072 A JP 2000211072A JP 2002025419 A JP2002025419 A JP 2002025419A
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insulating layer
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Yasufumi Matsuoka
康文 松岡
Masahide Maeda
雅秀 前田
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Rohm Co Ltd
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒューズ体における放熱を抑制して、ヒュー
ズ体の機能を十分に発揮させることのできる過電流保護
素子を提供する。 【解決手段】 基板13と、この基板13上に形成され
た絶縁層14と、絶縁層14上に配され、熱により溶断
する溶断部16を有するヒューズ体15とを備え、基板
13、絶縁層14、およびヒューズ体15がパッケージ
ング樹脂によって樹脂パッケージされた過電流保護素子
であって、ヒューズ体15は、少なくとも溶断部16の
周囲全体が、熱伝導性の低い熱伝導抑止体17によって
覆われている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電気回路に過電
流が流れたときにそれを遮断する過電流保護素子、これ
を有する半導体素子、および過電流保護素子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気回路においては、過電流
が流れたときにそれを遮断する過電流保護素子がよく用
いられている。図13は、上記過電流保護素子の一例を
示す斜視図、図14は、上記過電流保護素子の側面図で
ある。この過電流保護素子では、一方のリードフレーム
51上に基板52が実装されている。この基板52上に
は絶縁層53が形成され、絶縁層53上に、たとえばア
ルミニウムからなる平面視略H字状のヒューズ体54が
形成されている。
【0003】ヒューズ体54の両端部55,56は、金
属ワイヤWを介してそれぞれ各リードフレーム51,5
7に電気的に接続されている。また、ヒューズ体54の
溶断部としての中間部58の上面には、たとえばシリコ
ーン樹脂からなる保護層59が形成されている。そし
て、基板52、金属ワイヤW、ヒューズ体54、保護層
59および各リードフレーム51,57の一部は、エポ
キシ樹脂等により一体的にモールドされ、樹脂パッケー
ジ60が形成されている。
【0004】上記過電流保護素子は、電気回路を構成す
る配線パターンが形成された、図示しないプリント配線
基板等に表面実装され、上記ヒューズ体54は、各リー
ドフレーム51,57を介してそれぞれ配線パターンと
導通される。そのため、ヒューズ体54は、電気回路の
一部を構成することとなり、このヒューズ体54を含む
電気回路に過電流が流れると、ヒューズ体54の溶断部
が発熱して溶断することにより電流の流れを遮断する。
すなわち、ヒューズ体54は、電流ヒューズとして機能
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記過
電流保護素子の構成では、ヒューズ体54の下面全体が
絶縁層53を介して基板52に密着しており、また、ヒ
ューズ体54の一部は樹脂パッケージ60に覆われてい
る。そのため、ヒューズ体54において過電流によるジ
ュール熱が発生すると、図14の矢印Aに示すように、
基板52や樹脂パッケージ60等に放熱してしまい、過
電流保護素子全体が高温になるといったことになる。
【0006】過電流保護素子全体が高温になりすぎる
と、たとえばヒューズ体54の中間部58を覆う保護層
59を形成する樹脂等が炭化してしまい、ヒューズ体5
4が熱により溶断しても、生成された炭化物により導通
状態が維持され、ヒューズ体54としての機能を阻害す
ることがある。また、過電流保護素子が高温になりすぎ
て燃焼し発煙することもある。あるいは、過電流保護素
子を外部のプリント配線基板に実装するときに用いられ
た半田が溶融し、過電流保護素子が上記実装基板から脱
落するといった問題点がある。
【0007】
【発明の開示】本願発明は、上記した事情のもとで考え
出されたものであって、ヒューズ体における放熱を抑制
して、ヒューズ体の機能を十分に発揮させることのでき
る過電流保護素子を提供することを、その課題とする。
【0008】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0009】本願発明の第1の側面によって提供される
過電流保護素子は、基板と、この基板上に形成された絶
縁層と、絶縁層上に配され、熱により溶断する溶断部を
有するヒューズ体とを備え、基板、絶縁層、およびヒュ
ーズ体がパッケージング樹脂によって樹脂パッケージさ
れた過電流保護素子であって、ヒューズ体は、少なくと
も溶断部の周囲全体が、熱伝導性の低い、たとえばシリ
コーン樹脂からなる熱伝導抑止体によって覆われたこと
を特徴としている。
【0010】上記構成によれば、ヒューズ体において、
電気回路上に過電流が流れると溶断する溶断部の周囲全
体が熱伝導性の低い熱伝導抑止体によって覆われている
ので、ヒューズ体の溶断部に発生するジュール熱は、基
板の内部や樹脂パッケージ等に放熱されることが抑制さ
れる。そのため、溶断部においてジュール熱が適切に蓄
積され、所定温度以上に達すればヒューズ体が溶断し、
ヒューズ体の本来の機能を充分に発揮させることができ
る。
【0011】本願発明の第2の側面によって提供される
過電流保護素子は、基板と、この基板上に形成された絶
縁層と、絶縁層上に配され、熱により溶断する溶断部を
有するヒューズ体とを備え、基板、絶縁層、およびヒュ
ーズ体がパッケージング樹脂によって樹脂パッケージさ
れた過電流保護素子であって、ヒューズ体は、少なくと
も溶断部の周囲全体が、熱伝導性の低い中空部によって
覆われたことを特徴としている。
【0012】上記構成によれば、ヒューズ体の溶断部の
周囲全体が中空状態とされているため、本願の第1の側
面に係る過電流保護素子と同様に、ヒューズ体で生じる
ジュール熱が基板の内部や樹脂パッケージ等に放熱しに
くくなる。そのため、溶断部が所定温度以上に達すれば
確実に溶断し、ヒューズ体としての機能を充分に発揮さ
せることができる。
【0013】本願発明の好ましい実施の形態によれば、
ヒューズ体は、溶断部としての中間部が凸状に湾曲する
ように形成される一方、両端部が絶縁層と接触して配さ
れるとともに、両端部が金属ワイヤを介して樹脂パッケ
ージの外部に延びて形成されたリードフレームに接続さ
れている。このように、ヒューズ体の中間部が凸状に湾
曲するように形成されれば、中間部が中空に浮くような
状態となり、そのため、その周囲に熱伝導抑止体を容易
に形成させることができる。あるいはその周囲を容易に
中空状態とすることができる。
【0014】また、基板の表面には、凹部が形成され、
ヒューズ体は、凹部を跨ぐようにしてその両端部が絶縁
層と接触して配されるようにしてもよい。このように、
基板の表面に凹部を形成するようにすれば、ヒューズ体
をたとえば中間部が凸状に湾曲するように形成する必要
がなくなり、ヒューズ体を上記凹部に跨ぐように配置さ
せることで、その周囲に熱伝導抑止体を容易に形成させ
ることができる。
【0015】本願発明の第3の側面によって提供される
過電流保護素子の製造方法によれば、シリコンウェハか
らなる基板上に酸化シリコンを薄膜形成することにより
絶縁層を形成し、絶縁層上に、熱により溶断する溶断部
としての中間部が凸状に湾曲するように形成されたヒュ
ーズ体を配し、少なくともヒューズ体の溶断部の周囲全
体を熱伝導性の低い熱伝導抑止体によって覆い、ヒュー
ズ体の両端部を金属ワイヤを介してリードフレームに接
続し、その後、基板、ヒューズ体、熱伝導抑止体および
リードフレームの一部をパッケージング樹脂によって樹
脂パッケージすることを特徴としている。
【0016】また、本願発明の第4の側面によって提供
される半導体素子は、本願発明の第1および第2の側面
によって提供される過電流保護素子が他の回路素子と同
一樹脂パッケージ内に樹脂パッケージされたことを特徴
としている。
【0017】上記したように、過電流保護素子の製造方
法によれば、一般的な半導体素子を作製する際に用いら
れるウェハプロセスによって作製することができる。そ
のため、本願発明の第4の側面によって提供される半導
体素子のように、たとえばダイオードやトランジスタ等
の回路素子と上記過電流保護素子とを、同一樹脂パッケ
ージ内に組み込むことができる。したがって、ヒューズ
付きの半導体素子を容易に作製することができ、半導体
素子の高密度化の要請に寄与することができる。また、
過電流保護素子は、ウェハプロセスによって作製が可能
であることから、微細加工が容易となり、素子の小型化
を図ることができる。
【0018】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0020】<第1実施形態>図1は、本願発明の第1
実施形態に係る過電流保護素子の内部構造を示す斜視図
である。図2は、図1のII−II縦断面図、図3は、図1
のIII−III断面図である。この過電流保護素子は、電気
回路において過電流が流れたときにそれを遮断するため
のものであり、大略して、一対のリードフレーム11,
12と、一方のリードフレーム11に搭載された基板1
3と、基板13に絶縁層14を介して配されたヒューズ
体15と、ヒューズ体15の中間部16を覆う熱伝導抑
止体17と、これらを一体的に封止する樹脂パッケージ
18とによって構成されている。
【0021】基板13は、後述するように、シリコン単
結晶を研磨、切断することによりなるシリコンウェハを
適当な大きさに加工したものである。基板13は、その
下面が、一方のリードフレーム11の上面に接着剤等を
介して接着される。
【0022】絶縁層14は、たとえば酸化シリコン(S
iO2)からなり、基板13の上面に、CVD法等によ
って薄膜状に形成されている。絶縁層14は、電気絶縁
性を有しており、絶縁層14の表面に配されるヒューズ
体15と上記基板13とは、電気的に絶縁される。
【0023】ヒューズ体15は、アルミニウム等の金属
を薄膜状に形成したものからなり、平面視で略H字状に
形成されるとともに、側面視で中間部16が凸状に湾曲
するように形成されている。すなわち、ヒューズ体15
の両端部19,20は、絶縁層14に接触して配される
とともに、中間部16は、絶縁層14との間に所定の長
さD(図2参照)を有する間隙21ができるようにされ
る。なお、中間部16は、熱により溶断する溶断部とし
て機能する。また、ヒューズ体15の厚みは、数μm〜
数十μmとされ、上記間隙21は、数μm〜数百μmと
される。なお、ヒューズ体15の形状は、後述するよう
に略H字状に限るものではない。
【0024】ヒューズ体15の両端部19,20の表面
には、たとえばAuからなる金属ワイヤWの一端がボン
ディングされて接続されている。金属ワイヤWの他端
は、各リードフレーム11,12の表面にボンディング
されて接続されている。したがって、ヒューズ体15
は、上記金属ワイヤWを介して一対のリードフレーム1
1,12同士を互いに接続することになる。
【0025】熱伝導抑止体17は、たとえば熱伝導性の
低い材料であるシリコーン樹脂からなり、ヒューズ体1
5の溶断部としての中間部16の周囲全体を覆うように
略直法体形状に形成される。すなわち、熱伝導抑止体1
7は、ヒューズ体15の中間部16と絶縁層14との間
に形成された間隙21にも充填され、中間部16の周囲
全体を覆う。
【0026】一対のリードフレーム11,12は、銅等
の薄肉金属板によってそれぞれ構成され、一方のリード
フレーム11は、上述したように、平面視略長矩形状に
形成された平坦部24と、平坦部24から延びた棒状の
リード部25とを有している。また、他方のリードフレ
ーム12は、一方のリードフレーム11に沿って、同一
平面上に配された矩形部26と、矩形部26から延びた
棒状のリード部27とを有している。一方のリードフレ
ーム11の平坦部24上には、接着剤等が塗布されて基
板13が実装される。なお、上記リードフレーム11,
12は、後述する導体フレームから派生したものであ
る。
【0027】各リード部25,27は、樹脂パッケージ
18の外部に突出しており、所定のフォーミングにより
折り曲げられて形成されている。このリード部25,2
7によって、この過電流保護素子を配線パターンが形成
された図示しないプリント配線基板に表面実装すること
ができる。すなわち、半田ペーストが塗布されたプリン
ト配線基板の配線パターン上に、上記リード部25,2
7を接触させるようにこの過電流保護素子を載置した
後、半田ペーストを加熱して半田リフロー処理を行う
と、この過電流保護素子をプリント配線基板の配線パタ
ーン上に表面実装することができる。
【0028】樹脂パッケージ18は、たとえばエポキシ
樹脂やフェノール樹脂の熱硬化性樹脂からなり、基板1
3、金属ワイヤW、ヒューズ体15、熱伝導抑止体1
7、および各リードフレーム11,12の一部を覆うよ
うにたとえばトランスファ成形により一体的に形成され
ている。
【0029】ヒューズ体15は、上記のように、各リー
ドフレーム11,12同士を金属ワイヤWを介して導通
させるとともに、上記プリント配線基板の配線パターン
や実装部品によって構成される電気回路において、過電
流が流れた場合に熱により溶断する電流ヒューズとして
の機能を有する。すなわち、ヒューズ体15は、電気回
路に過電流が流れた場合、ヒューズ体15の内部でジュ
ール熱が発生し、ヒューズ体15の溶断部としての中間
部16が所定温度以上に達したとき、アルミニウムが溶
断し、電流を遮断して回路を開放する。
【0030】そして、この第1実施形態によれば、ヒュ
ーズ体15の中間部16の周囲全体が、熱伝導性の低い
熱伝導抑止体17によって覆われている。すなわち、中
間部16は、凸状に湾曲するように形成され、つまり中
間部16が中空に浮くような状態となっており、熱伝導
抑止体17が周囲に形成されやすいように構成されてい
る。
【0031】そのため、電気回路上に過電流が流れる
と、ヒューズ体15の中間部16に発生するジュール熱
は、基板13の内部や樹脂パッケージ18等に放熱され
ることが抑制される。これにより、中間部16において
ジュール熱が適切に蓄積され、所定温度以上に達すれば
中間部16が溶断する。したがって、従来の構成のよう
に、ヒューズ体54で生じる熱が基板52等に放熱して
しまい、過電流保護素子全体が高温になることにより生
じていた問題点を、本実施形態により解消することがで
きる。そのため、ヒューズ体15の本来の機能を充分に
発揮させることができる。
【0032】なお、熱伝導抑止体17は、この第1実施
形態では、ヒューズ体15の中間部16を覆うように形
成されているが、これに代わり、熱伝導抑止体17は、
絶縁層14の上面全体、すなわち、ヒューズ体15全体
および金属ワイヤWの一部を覆うように形成されていて
もよい。
【0033】次に、この過電流保護素子の製造方法につ
いて説明する。この過電流保護素子の製造方法では、ケ
イ石を溶融、精製して形成されるシリコン単結晶を研
磨、切断してなるシリコンウェハが用いられる。すなわ
ち、本実施形態では、図4(a)に示すように、このシリ
コンウェハを基板13として用いる。
【0034】シリコンウェハからなる基板13上には、
図4(b) に示すように、CVD法、真空蒸着法、または
スパッタリング等によって酸化シリコン(SiO2)か
らなる絶縁層14を形成する。次いで、絶縁層14の表
面にレジスト材料を塗布し、その後、不要部分をエッチ
ングして、図4(c) に示すように、平面視で略長矩形状
のレジスト体30を形成する。
【0035】次に、上記レジスト体30の上面に、図4
(d) に示すように、アルミニウム等からなる金属層を、
フォトリソグラフィーの工法や金属ペースト塗布後のエ
ッチング等によって薄膜形成してヒューズ体15を形成
する。このとき、ヒューズ体15の中間部16は、レジ
スト体30の上面を覆うとともに、ヒューズ体15の両
端部19,20が絶縁層14に接触するように形成す
る。また、ヒューズ体15は、図1ないし図3に示すよ
うに、金属ワイヤWを接続するために中間部16と直交
する方向に延びた両端部19,20を有するように平面
視略H字状に形成する。
【0036】その後、図4(e) に示すように、レジスト
体30をたとえばドライエッチングにより除去する。こ
れにより、中間部16が凸状に湾曲するとともに、その
両端19,20が絶縁層14に接触し、中間部16の下
方の、絶縁層14との間に間隙21を有するヒューズ体
15が形成される。
【0037】次いで、図5(f) に示すように、ヒューズ
体15の中間部16の周囲全体を覆うように、熱伝導抑
止体17を形成する。この場合、熱伝導抑止体17は、
間隙21にも充填されるように形成される。また、ヒュ
ーズ体15の両端部19,20の表面は、後工程におい
て金属ワイヤWをボンディングするため、外部に露出さ
せておく。そして、図5(g) に示すように、各ヒューズ
体15ごとに基板13を縦横に切断して個片化し、基板
個片32を得る。
【0038】上記のような方法により作製した基板個片
32を、図6に示すように、導体フレーム33に搭載す
る。この導体フレーム33は、たとえば銅製の金属板に
打ち抜きプレス加工を施し、所定のフォーミング加工を
施す等して形成されたものであり、一定方向に延びる長
尺状に形成されている。より詳細には、この導体フレー
ム33は、多数の送り孔34が一定間隔で穿設された2
条の側縁部35の間に、基板13を搭載するための一方
のリードフレーム11および他方のリードフレーム12
をその長手方向に一定間隔で複数箇所形成したものであ
る。
【0039】上記導体フレーム33の一方のリードフレ
ーム11上に、図5(h) に示すように、基板個片32を
搭載する。この場合、一方のリードフレーム11側また
は基板13の下面に、予めたとえばチップボンダを塗布
しておく。その後、ヒューズ体15と一方のリードフレ
ーム11とを金属ワイヤWを介して結線接続する。すな
わち、ヒューズ体15上に、金属ワイヤWの一端部を図
示しないキャピラリ等の治具を用いて載置し、超音波熱
圧着法により固定する。次いで、リードフレーム11上
に、金属ワイヤWの他端部を、超音波熱圧着法により固
定する。
【0040】次に、たとえばトランスファー成形法を用
いて、基板13やその周辺部分を樹脂パッケージ18に
よって封止する。詳細には、リードフレーム11,12
等を図示しない所定の金型内に配置し、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂を金型内に注入する。これにより、基板
13、熱伝導抑止体17等の周囲がパッケージングさ
れ、樹脂パッケージ18が成形される。その後、導体フ
レーム33の不要部分を除去し、各リードフレーム1
1,12に対して所定のフォーミングを行うことによ
り、図5(i) に示す過電流保護素子を得る。なお、リー
ドフレーム11,12は、導体フレーム33の段階でフ
ォーミングが行われてもよい。
【0041】このように、本実施形態では、半導体素子
を製作する際に用いられる上記したウェハプロセスを利
用して過電流保護素子を作製することができる。そのた
め、たとえばダイオードやトランジスタ等の回路素子を
上記した過電流保護素子と組み合わせて、同一の樹脂パ
ッケージ内に回路素子とヒューズ体15とを組み込むこ
とが可能である。したがって、ヒューズ付きの半導体素
子を容易に作製することができ、半導体素子の高密度化
の要請に寄与することができる。また、過電流保護素子
は、ウェハプロセスによって作製が可能であることか
ら、微細加工が容易となり、素子の小型化を図ることが
できる。
【0042】<第2実施形態>第2実施形態に係る過電
流保護素子では、図7に示すように、ヒューズ体15の
中間部16の周囲が熱伝導抑止体17によって覆われた
第1実施形態の過電流保護素子の構成に代わり、ヒュー
ズ体15の中間部16の周囲全体が熱伝導性の低い中空
部41によって覆われている。すなわち、第1実施形態
の熱伝導抑止体17と略同等の大きさの中空部41がヒ
ューズ体15の中間部16の周囲を覆う構成とされてい
る。その他の構成については、上記第1実施形態と略同
様である。なお、図7中、42は、中空部41を形成す
るために用いられる、たとえばプラスチックまたはガラ
スからなり、一面が開放された略直方体形状のケースで
ある。
【0043】このように、ヒューズ体15の中間部16
の周囲が中空部41で覆われていると、第1実施形態と
同様に、ヒューズ体15で生じるジュール熱が基板13
の内部や樹脂パッケージ18等に放熱しにくくなる。そ
のため、この第2実施形態においても、溶断部としての
中間部16が所定温度以上に達すれば確実に溶断し、ヒ
ューズ体15としての機能を充分に発揮させることがで
きる。
【0044】この第2実施形態に係る過電流保護素子
は、以下に示す方法において作製することができる。す
なわち、基板13上にヒューズ体15を形成するまでの
工程は、第1実施形態と同様である(図4(a) 〜(e) 参
照)。それ以後の工程として、図8(f) に示すように、
各ヒューズ体15ごとに基板13を縦横に切断して個片
化し、基板個片32を得る。
【0045】次いで、導体フレーム33(図6参照)上
に基板個片32を載置し、上記したように金属ワイヤW
をボンディングする。そして、ヒューズ体15の中間部
16の周囲を覆うように、ケース42を絶縁層14上に
載置する。これにより、ヒューズ体15の周囲は、ケー
ス42によって中空部41が形成され密閉状態となる。
【0046】その後、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で
基板13の周囲および各リードフレーム11,12の一
部を図示しない所定の金型を用いてモールド成形を行
い、樹脂パッケージ18を形成する。この場合、ヒュー
ズ体15の中間部16の周囲は、ケース42によって密
閉状態が維持されているので、ケース42内へのエポキ
シ樹脂の侵入を防止することができ、ヒューズ体15の
中間部16の周囲には、確実に中空部41が形成され
る。そして、導体フレーム33の不要部分を除去し、各
リードフレーム11,12に対して所定のフォーミング
を行うことにより、図8(i) に示す過電流保護素子を得
る。
【0047】なお、上記実施形態においては、ヒューズ
体15の中間部16と絶縁層14との間隙21のみが中
空構造とされ、その他の部分は第1実施形態のように、
熱伝導抑止体17によって覆われていてもよい。この構
成は、シリコーン樹脂の粘性をコントロールすることに
より容易に実現することができる。
【0048】<第3実施形態>この第3実施形態に係る
過電流保護素子では、図9に示すように、基板13に凹
部43が形成され、上記ヒューズ体15が凹部43を跨
ぐようにその両端部19,20が絶縁層14と接触して
配されている。その他の構成については、上記第1実施
形態と略同様である。
【0049】上記構成によれば、基板13に凹部43が
形成されているため、ヒューズ体15は、中間部16が
凸状に湾曲するように形成しなくても、中間部16と絶
縁層14との間に間隙を形成することができる。そのた
め、上記第1実施形態に係る過電流保護素子と同様に、
ヒューズ体15の溶断部の周囲全体を熱伝導抑止体17
によって覆うことが可能となる。つまり、ヒューズ体1
5で生じる熱が基板13等に放熱しにくくなり、溶断部
は、所定温度以上に達すれば確実に溶断し、ヒューズ体
15の本来の機能を適切に実現することができる。な
お、上記凹部43は、基板13の上面中央に形成される
窪みであってもよいし、基板13の上面を縦断する溝で
あってもよい。
【0050】図10を参照して、第3実施形態に係る過
電流保護素子の製造方法を説明すると、図10(a) に示
すシリコンウェハからなる基板13の表面に対して、図
10(b) に示すように、たとえばレーザ等により所定の
間隔をおいて凹部43を形成する。
【0051】次いで、図10(c) に示すように、基板1
3上に酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層14を
形成する。この場合、上記凹部43の内壁面および底面
にも絶縁層14を形成する。次いで、図10(d) に示す
ように、凹部43内にレジスト材料44を充填する。そ
の後、図10(e) に示すように、凹部43を跨ぐように
アルミニウムからなる薄膜状であって、かつ平面視略H
字状のヒューズ体15を形成する。そして、図10(f)
に示すように、エッチング等によって凹部43内のレジ
スト材料のみを除去する。これにより、ヒューズ体15
は、凹部43上を跨ぐように形成されることになり、中
間部16の周囲全体は、外部に露出されることになる。
【0052】その後の製造方法は、図5(f) 〜(i) に示
す方法と同様である。すなわち、ヒューズ体15ごとに
基板13を切断し、基板個片32を形成する。そして、
基板個片32ごとにワイヤボンディングを行い、パッケ
ージ樹脂によって樹脂パッケージ18を形成することに
より、過電流保護素子を得る。
【0053】もちろん、この発明の範囲は上述した実施
の形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施
形態において、ヒューズ体15の形状は、平面視略H字
状としたが、図11に示すように、ヒューズ体15の中
間部16は、熱伝導抑止体17内で蛇行するように形成
されていてもよい。あるいは、図12に示すように、ヒ
ューズ体15の両端部19,20は、絶縁層14の表面
隅部に互いに対角する位置に形成され、中間部16は、
蛇行しながら両端部19,20を接続するように形成さ
れてもよい。
【0054】また、基板13、絶縁層14、熱伝導抑止
体17、リードフレーム11,12、樹脂パッケージ1
8等の形状、大きさ、材質等は、上記した構成に限るも
のではない。また、過電流保護素子は、上記した製造方
法とは異なる方法によって作製されてもよい。また、上
記実施形態においては、過電流保護素子は2端子素子と
して説明したが、端子数はこれに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態に係る過電流保護素子
の内部構造を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II縦断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】過電流保護素子の製造方法を説明するための図
である。
【図5】過電流保護素子の製造方法を説明するための図
である。
【図6】導体フレームの要部平面図である。
【図7】第2実施形態に係る過電流保護素子を示す縦断
面図である。
【図8】図7に示す過電流保護素子の製造方法を説明す
るための図である。
【図9】第3実施形態に係る過電流保護素子を示す縦断
面図である。
【図10】図9に示す過電流保護素子の製造方法を説明
するための図である。
【図11】過電流保護素子の変形例を示す断面図であ
る。
【図12】過電流保護素子の他の変形例を示す断面図で
ある。
【図13】従来の過電流保護素子の内部構造を示す斜視
図である。
【図14】図13に示す過電流保護素子の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
11,12 リードフレーム 13 基板 14 絶縁層 15 ヒューズ体 16 中間部 17 熱伝導抑止体 18 パッケージング樹脂 41 中空部 43 凹部 W ワイヤ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板上に形成された絶縁層
    と、上記絶縁層上に配され、熱により溶断する溶断部を
    有するヒューズ体とを備え、上記基板、絶縁層、および
    ヒューズ体がパッケージング樹脂によって樹脂パッケー
    ジされた過電流保護素子であって、 上記ヒューズ体は、少なくとも上記溶断部の周囲全体
    が、熱伝導性の低い熱伝導抑止体によって覆われたこと
    を特徴とする、過電流保護素子。
  2. 【請求項2】 上記熱伝導抑止体は、シリコーン樹脂に
    よって形成された、請求項1に記載の過電流保護素子。
  3. 【請求項3】 基板と、この基板上に形成された絶縁層
    と、上記絶縁層上に配され、熱により溶断する溶断部を
    有するヒューズ体とを備え、上記基板、絶縁層、および
    ヒューズ体がパッケージング樹脂によって樹脂パッケー
    ジされた過電流保護素子であって、 上記ヒューズ体は、少なくとも上記溶断部の周囲全体
    が、熱伝導性の低い中空部によって覆われたことを特徴
    とする、過電流保護素子。
  4. 【請求項4】 上記ヒューズ体は、上記溶断部としての
    中間部が凸状に湾曲するように形成される一方、両端部
    が上記絶縁層と接触して配されるとともに、上記両端部
    が金属ワイヤを介して上記樹脂パッケージの外部に延び
    て形成されたリードフレームに接続された、請求項1な
    いし3のいずれかに記載の過電流保護素子。
  5. 【請求項5】 上記基板の表面には、凹部が形成され、 上記ヒューズ体は、上記凹部を跨ぐようにしてその両端
    部が上記絶縁層と接触して配されるとともに、上記両端
    部が上記金属ワイヤを介して上記樹脂パッケージの外部
    に延びて形成されたリードフレームに接続された、請求
    項1ないし3のいずれかに記載の過電流保護素子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の過
    電流保護素子が他の回路素子と同一樹脂パッケージ内に
    樹脂パッケージされたことを特徴とする、半導体素子。
  7. 【請求項7】 シリコンウェハからなる基板上に酸化シ
    リコンを薄膜形成することにより絶縁層を形成し、 上記絶縁層上に、熱により溶断する溶断部としての中間
    部が凸状に湾曲するように形成されたヒューズ体を配
    し、 少なくとも上記ヒューズ体の溶断部の周囲全体を熱伝導
    性の低い熱伝導抑止体によって覆い、 上記ヒューズ体の両端部を金属ワイヤを介してリードフ
    レームに接続し、 その後、上記基板、ヒューズ体、熱伝導抑止体およびリ
    ードフレームの一部をパッケージング樹脂によって樹脂
    パッケージすることを特徴とする、過電流保護素子の製
    造方法。
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