JP2002022256A - 空気調和機の風向制御板 - Google Patents

空気調和機の風向制御板

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JP2002022256A
JP2002022256A JP2000200723A JP2000200723A JP2002022256A JP 2002022256 A JP2002022256 A JP 2002022256A JP 2000200723 A JP2000200723 A JP 2000200723A JP 2000200723 A JP2000200723 A JP 2000200723A JP 2002022256 A JP2002022256 A JP 2002022256A
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air conditioner
air
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JP2000200723A
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Akihiro Eguchi
晃弘 江口
Seiji Sato
誠司 佐藤
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吹出気流による騒音発生を可及的に防止し得
るようにした空気調和機の風向制御板を提供する。 【解決手段】 風向制御板10を、その前縁部10cか
ら後縁部10dに向けて弧状に湾曲し且つその内部を中
空部13とした中空湾曲板で構成するとともに、風向制
御板10の両側面10a,10bのうち、少なくとも凹
状面で構成される圧力面10aを、該圧力面10aの表
面と上記中空部13とを多数の通気孔14,14,・・
を介して連通可能な通気構造とする。かかる構成とする
ことで、乱れ流れをもつ吹出気流Aが圧力面10aに対
してその前縁部10c側から流入したとしても、この乱
れ流れが圧力面10aの多数の通気孔14,14,・・
から中空部13内に流入することでその乱れが吸収緩和
され、圧力面10a上における圧力変動が可及的に抑制
され、圧力変動に起因する騒音が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和機の風
向制御板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11には、一般的なセパレート型空気
調和機の壁掛け式室内機Zを示している。この室内機Z
は、横長矩形状の外観形態を有し且つその前面及び上面
にかけての部位に吸込口2を、その下面前端側に横長矩
形状の吹出口3を、それぞれ設けたケーシング1を備え
るとともに、該ケーシング1内に、上記吸込口2に臨ん
で熱交換器4を、また上記吹出口3に臨んでファン5
を、それぞれ配置して構成されている。
【0003】また、図11及び図12に示すように、上
記吹出口3の上流側に連続するスクロール状の空気流路
6内には、湾曲板状の断面形状をもち且つ上記吹出口3
の幅寸法より所定寸法だけ短い幅寸法をもつ風向制御板
10が、支軸7により上下方向に回動可能に取り付けら
れている。尚、上記風向制御板10は、暖房運転時(即
ち、上記空気流路6を通って上記吹出口3から吹き出さ
れる吹出気流Aの風向を室内床面寄りに偏向させる必要
がある場合)には、図12に実線図示するように、その
両側面10a,10bのうち、凹状面でなり吹出気流A
に対して該凹状面のガイド機能により偏向作用を行う高
圧側の面10a(以下、この面10aを「圧力面10
a」という)を下側に向け、凸状面でなり吹出気流Aに
対してコアンダ効果により偏向作用をなす低圧側の面1
0b(以下、この面10bを「負圧面10b」という)
を上側に向けた姿勢に設定され、必要に応じてこれを上
記支軸7回りに回動させて吹出気流Aの風向を調整する
ようになっている。これに対して、冷房運転時(即ち、
上記吹出口3から吹き出される吹出気流Aの風向を室内
天井面寄りに偏向させる必要がある場合)には、図12
に鎖線図示するように、上記風向制御板10を暖房運転
時の姿勢から略180°回転させ、その圧力面10aを
上側に、またその負圧面10bを下側に、それぞれ向け
た姿勢に設定される。
【0004】尚、このように上記風向制御板10を暖房
運転時と冷房運転時とで反転させて使用するようにした
結果、暖房運転時に吹出気流Aの上流側に位置する上記
風向制御板10の前縁部10cは、冷房運転時には吹出
気流Aの下流側に位置することになるが、以下において
は、使用上の一形態として、暖房運転時の姿勢を例にと
って説明する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、上記吹出口3に連続する上記空気流路6内に上記風
向制御板10を配置することで、例えば暖房運転時に
は、上記空気流路6の上流側に配置した上記ファン5か
ら吹き出される吹出気流A(空調風)のうち、上記風向
制御板10の圧力面10a側を通過するものは該圧力面
10aのガイド機能によって下方へ偏向され、また該風
向制御板10の負圧面10b側を通過するものは該負圧
面10bのコアンダ効果によって下方へ偏向され、吹出
気流Aは全体として上記吹出口3から下方へ偏向され、
室内床面側に向けて吹き出されるものである。
【0006】ところが、上記風向制御板10側に流れ込
む吹出気流Aは、その上流側の構造物により生じる空気
の乱れ、例えば上記ファン5の後流の乱れとか、上記空
気流路6の下壁面6aとか上壁面6bとの接触による乱
れとか、該空気流路6の最上流端の舌部での乱れを伴っ
たまま上記風向制御板10側に流入することから、この
乱れた空気流が上記風向制御板10の圧力面10a側の
前縁部10c部分においてこれと激しく干渉し、該圧力
面10a上を流れる空気流に圧力変動を生じさせること
で、騒音発生の一因となっていた。尚、上記風向制御板
10の前縁部10cを通過後の吹出気流Aは、上記圧力
面10aのガイド作用を受けてスムーズに吹き出され
る。
【0007】また一方、図11に示すように、上記吹出
口3の両側部にはそれぞれ側壁面6c,6cが存在し、
且つこれら各側壁面6c,6cには上記風向制御板10
の側端部10f,10fがそれぞれ近接対向しているこ
とから、該各側壁面6c,6cの近傍をこれに沿って流
れる空気流は、上記吹出口3の幅方向中央寄りを流れる
空気流とは異なった流れ状態を呈することになる。即
ち、上記空気流路6を通って上記吹出口3から吹き出さ
れる吹出気流Aのうち、該空気流路6の側壁面6c,6
c寄りを流れる空気は、該側壁面6c,6cとの接触に
よって上記吹出口3の幅方向内側向きに渦巻くような乱
れを生じ、この乱れた空気流が風向制御板10の側端部
10f,10f部分と干渉し圧力変動を生じさせること
で、これまた騒音発生の一因となっていた。
【0008】そこで本願発明は、吹出気流による騒音発
生を可及的に防止し得るようにした空気調和機の風向制
御板を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0010】本願の第1の発明では、空気調和機の吹出
口3に連続する空気流路6内に該空気流路6を横切って
配置され該空気流路6を通って上記吹出口3から吹き出
される吹出気流Aの風向を制御する空気調和機の風向制
御板10において、該風向制御板10を、吹出気流Aの
流れ方向の上流側に位置する前縁部10cから下流側に
位置する後縁部10dに向けて弧状に湾曲し且つその内
部を中空部13とした中空湾曲板で構成するとともに、
該風向制御板10の両側面10a,10bのうち、少な
くとも凹状面で構成される圧力面10aを、該圧力面1
0aの表面と上記中空部13とを多数の通気孔14,1
4,・・を介して連通可能とする通気構造としたことを
特徴としている。
【0011】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる空気調和機の風向制御板において、上記中空部1
3内に、該中空部13を複数の小室13a,13a,・
・に仕切る複数の仕切板15,15,・・を設けたこと
を特徴としている。
【0012】本願の第3の発明では、上記第2の発明に
かかる空気調和機の風向制御板において、上記各仕切板
15,15,・・を、上記風向制御板10における吹出
気流Aの流れ方向に略直交する方向に延設したことを特
徴としている。
【0013】本願の第4の発明では、上記第2の発明に
かかる空気調和機の風向制御板において、上記各仕切板
15,15,・・を、上記風向制御板10における吹出
気流Aの流れ方向に略平行に延設したことを特徴として
いる。
【0014】本願の第5の発明では、上記第3の発明に
かかる空気調和機の風向制御板において、上記各仕切板
15,15,・・の間隔を、上記風向制御板10の吹出
気流Aの流れ方向略中央寄り部位において大きく、前縁
部10c寄り部位において小さくなるように設定したこ
とを特徴としている。
【0015】本願の第6の発明では、上記第3の発明に
かかる空気調和機の風向制御板において、上記各仕切板
15,15,・・の間隔を、上記風向制御板10の前縁
部10c側から後縁部10d側にかけて略均等としたこ
とを特徴としている。
【0016】本願の第7の発明では、上記第5又は第6
の発明にかかる空気調和機の風向制御板において、上記
中空部13の両端部近傍に、上記風向制御板10におけ
る吹出気流Aの流れ方向に略平行に延出する複数の仕切
板16,16,・・を設けたことを特徴としている。
【0017】本願の第8の発明では、上記第4の発明に
かかる空気調和機の風向制御板において、上記各仕切板
15,15,・・の間隔を、上記風向制御板10の両側
端部10f,10f寄り部位において小さく、中間部1
0e寄り部位において大きくなるように設定したことを
特徴としている。
【0018】本願の第9の発明では、上記第1,第2,
第3,第4,第5,第6,第7又は第8の発明にかかる
空気調和機の風向制御板において、上記圧力面10aの
前縁部10cの近傍における上記通気孔14,14,・
・の孔径を、該前縁部10c以外の部位におけるそれよ
りも小径としたことを特徴としている。
【0019】本願の第10の発明では、上記第1,第
2,第3,第4,第5,第6,第7又は第8の発明にか
かる空気調和機の風向制御板において、上記圧力面10
aの前縁部10cにおける上記通気孔14,14,・・
の孔間隔を、該前縁部10c以外の部位におけるそれよ
りも小間隔としたことを特徴としている。
【0020】本願の第11の発明では、上記第1,第
2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9又は第
10の発明にかかる空気調和機の風向制御板において、
上記風向制御板10の圧力面10a側と負圧面10b側
とを別体構成とし、上記仕切板15,15,・・,同1
6,16,・・を上記圧力面10a側と、又は上記負圧
面10b側と一体的に形成したことを特徴としている。
【0021】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0022】(イ) 本願の第1の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、風向制御板10を、吹出気
流Aの流れ方向の上流側に位置する前縁部10cから下
流側に位置する後縁部10dに向けて弧状に湾曲し且つ
その内部を中空部13とした中空湾曲板で構成するとと
もに、該風向制御板10の両側面10a,10bのう
ち、少なくとも凹状面で構成される圧力面10aを、該
圧力面10aの表面と上記中空部13とを多数の通気孔
14,14,・・を介して連通可能とする通気構造とし
ているので、例え上記空気流路6を通って上記吹出口3
から吹き出される吹出気流Aがその上流側の構造物の影
響により乱れを生じ且つこれがそのまま上記圧力面10
aの前縁部10c側に流入したとしても、この乱れをも
つ空気流の一部が該圧力面10aに設けられた多数の通
気孔14,14,・・から上記中空部13内に流入する
ことで、この乱れ流れがもつエネルギーが吸収緩和さ
れ、該圧力面10a上における圧力変動が可及的に抑制
される。この結果、上記圧力面10a上における空気流
の圧力変動に起因する騒音の発生が効果的に抑制され、
空気調和機においてはその吹出口3部分に上記風向制御
板10を備えた構成であるにも拘わらず、静粛性の高い
運転が実現されることになる。
【0023】(ロ) 本願の第2の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記(イ)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発
明では、上記第1の発明にかかる空気調和機の風向制御
板において、上記中空部13内に、該中空部13を複数
の小室13a,13a,・・に仕切る複数の仕切板1
5,15,・・を設けているので、上記通気孔14,1
4,・・を通して上記中空部13内に流入した空気の該
中空部13内での移動が上記各小室13a,13a,・
・内の狭い領域に限られ、例えば上記仕切板15,1
5,・・を設けない場合(即ち、上記中空部13が単一
の容積部とされている場合)に比して、該通気孔14,
14,・・を通して行われる上記中空部13への空気の
流入流出が可及的に抑制され、この結果、空気の流入流
出に伴う上記圧力面10a側における圧力損失が可及的
に低減され、吹出気流Aの到達距離が増大し空調性能の
向上が図られる。
【0024】(ハ) 本願の第3の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記第2の発明にかかる空
気調和機の風向制御板において、上記各仕切板15,1
5,・・を、上記風向制御板10における吹出気流Aの
流れ方向に略直交する方向に延設しているので、該各仕
切板15,15,・・によって上記中空部13が吹出気
流Aの流れ方向において複数に仕切られ、上記各小室1
3a,13a,・・が吹出気流Aの流れ方向に沿って並
ぶことから、上記通気孔14,14,・・を通して上記
中空部13内に流入した空気の該中空部13内での移動
がより一層抑制され、上記(ロ)に記載の効果がさらに
促進されることになる。
【0025】(ニ) 本願の第4の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記(ロ)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発
明では、上記第2の発明にかかる空気調和機の風向制御
板において、上記各仕切板15,15,・・を、上記風
向制御板10における吹出気流Aの流れ方向に略平行に
延設しているので、特に上記風向制御板10の両側端部
10f,10f側において該風向制御板10の幅方向内
側に向けて渦巻くように乱れを生じて流れる空気の上記
中空部13への流入流出に起因する圧力損失を抑制する
という点において有効である。
【0026】(ホ) 本願の第5の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記(ハ)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発
明では、上記第3の発明にかかる空気調和機の風向制御
板において、上記各仕切板15,15,・・の間隔を、
上記風向制御板10の吹出気流Aの流れ方向略中央寄り
部位において大きく、前縁部10c寄り部位において小
さくなるように設定している。
【0027】従って、上記風向制御板10の前縁部10
cは、乱れを伴った吹出気流Aが直接流入することから
この空気の乱れによる圧力変動に起因する騒音を防止す
る必要性が最も高い部位であり、且つ上記通気孔14,
14,・・を通して上記中空部13内に流入する空気量
そのものも多い部位であるところ、該前縁部10c寄り
において上記仕切板15,15,・・の間隔を小さく設
定することで、乱れを伴う空気を上記中空部13に流入
させて上記圧力面10a側における圧力変動を抑制する
ことによる騒音低減効果を確保しつつ、上記通気孔1
4,14,・・を介する上記中空部13への空気の流入
流出による圧力損失を効果的に抑制してより高い空調性
を確保することが可能となるものである。
【0028】また、上記風向制御板10の吹出気流Aの
流れ方向略中央寄り部位は、元々、空気の乱れが比較的
少なく安定した流れが得られる部位であって、空気の乱
れに起因する騒音防止の必要性がさほどない部位である
ところ、該略中央寄り部位において上記仕切板15,1
5,・・の間隔を大きく設定することで、騒音低減と圧
力損失の抑制とを両立させつつ、不必要な仕切板15,
15,・・の設置による風向制御板10の重量増大を抑
えてその低コスト化を図ることができる。
【0029】(ヘ) 本願の第6の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記(ハ)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発
明では、上記第3の発明にかかる空気調和機の風向制御
板において、上記各仕切板15,15,・・の間隔を、
上記風向制御板10の前縁部10c側から後縁部10d
側にかけて略均等としているので、該仕切板15,1
5,・・の間隔をその配置部位に応じて変更設定する場
合に比して、該仕切板15,15,・・の製作、延いて
は上記風向制御板10の製作が容易であり、結果的に該
風向制御板10を備えた空気調和機の低コスト化が可能
となる。
【0030】(ト) 本願の第7の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記(ホ)又は(ヘ)に記
載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即
ち、この発明では、上記第5又は第6の発明にかかる空
気調和機の風向制御板において、上記中空部13の両端
部近傍に、上記風向制御板10における吹出気流Aの流
れ方向に略平行に延出する複数の仕切板16,16,・
・を設けているので、特に上記風向制御板10の両側端
部10f,10f側において該風向制御板10の幅方向
内側に向けて渦巻くように乱れて流れる空気の上記中空
部13への流入流出に起因する圧力損失の抑制効果を、
より少ない数の仕切板16,16,・・によって確実に
得ることができるものである。
【0031】(チ) 本願の第8の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記(ニ)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発
明では、上記第4の発明にかかる空気調和機の風向制御
板において、上記各仕切板15,15,・・の間隔を、
上記風向制御板10の両側端部10f,10f寄り部位
において小さく、中間部10e寄り部位において大きく
なるように設定しているので、特に上記風向制御板10
の両側端部10f,10f側において該風向制御板10
の幅方向内側に向けて渦巻くように乱れて流れる空気の
上記中空部13への流入流出に起因する圧力損失の抑制
を、より少ない数の仕切板15,15,・・によって確
実に実現できるとともに、該各仕切板15,15,・・
の適正配置による数量低減によって上記風向制御板10
の低コスト化が促進されるものである。
【0032】(リ) 本願の第9の発明にかかる空気調
和機の風向制御板によれば、上記(イ),(ロ),
(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト)又は(チ)に
記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。
即ち、この発明では、上記第1,第2,第3,第4,第
5,第6,第7又は第8の発明にかかる空気調和機の風
向制御板において、上記圧力面10aの前縁部10cの
近傍における上記通気孔14,14,・・の孔径を、該
前縁部10c以外の部位におけるそれよりも小径として
いる。
【0033】ここで、上記風向制御板10の前縁部10
c寄り部位は、吹出気流Aの乱れ流れが上記通気孔1
4,14,・・に対して流入し易い角度から流入し且つ
該通気孔14,14,・・近傍に直接衝突する部位であ
る。従って、この発明のように、上記後縁部10d寄り
部位において上記通気孔14,14,・・の孔径を小径
とすることで、上記通気孔14,14,・・が小径であ
っても該通気孔14,14,・・からの乱れ流れの中空
部13への良好な流入状態を確保することができるとと
もに、上記通気孔14,14,・・が小径であることか
ら上記吹出気流Aが該通気孔14,14,・・自体に衝
突して新たな空気の乱れを発生するのを防止でき、これ
らの相乗効果として、上記風向制御板10の圧力面10
aの前縁部10c部分における圧力変動がより効果的に
抑制され、圧力変動に起因する騒音の防止がより一層確
実となり、室内機Zの静粛運転性がさらに向上すること
になる。
【0034】(ヌ) 本願の第10の発明にかかる空気
調和機の風向制御板によれば、上記(イ),(ロ),
(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト)又は(チ)に
記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。
即ち、この発明では、上記第1,第2,第3,第4,第
5,第6,第7又は第8の発明にかかる空気調和機の風
向制御板において、上記圧力面10aの前縁部10cの
近傍における上記通気孔14,14,・・の孔間隔を、
該前縁部10c以外の部位におけるそれよりも小間隔と
している。
【0035】ここで、上記風向制御板10の前縁部10
c寄り部位は、吹出気流Aの乱れ流れとの干渉が大き
く、該干渉を緩和させる要求が最も高い部位である。従
って、上記前縁部10c寄り部位における上記通気孔1
4,14,・・相互間の孔間隔を小間隔とすることで、
乱れ流れの上記中空部13内への流入をより一層促進さ
せて上記圧力面10a側での圧力変動をより効果的に抑
制することが可能となり、その結果、上記風向制御板1
0の圧力面10a側における圧力変動に起因する騒音の
防止効果がより一層促進され、室内機Zの静粛運転性が
さらに向上することになる。
【0036】(ル) 本願の第11の発明にかかる空気
調和機の風向制御板によれば、上記(イ),(ロ),
(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト),(チ),
(リ)又は(ヌ)に記載の効果に加えて次のような特有
の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1,第
2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9又は第
10の発明にかかる空気調和機の風向制御板において、
上記風向制御板10の圧力面10a側と負圧面10b側
とを別体構成とし、上記仕切板15,15,・・,同1
6,16,・・を上記圧力面10a側と、又は上記負圧
面10b側と一体的に形成しているので、例えば上記仕
切板15,15,・・,同16,16,・・を上記圧力
面10a側及び負圧面10b側と別体に形成しこれを事
後的に取り付ける場合に比して、上記風向制御板10の
製作に伴う作業工数の低減が図れ、結果的に該風向制御
板10を備えた空気調和機の低コスト化が促進されるも
のである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を幾つかの好適な
実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0038】第1の実施形態 図1には、室内機Zの吹出口3部分を示している。この
室内機Zは、図11に示した一般的な室内機であり、従
って、室内機Zの全体構成については図12を参照する
ことでその説明を省略し、ここでは本願発明の特徴的構
成である風向制御板10についてのみ説明する。
【0039】上記風向制御板10は、図1及び図2に示
すように、弧状の断面形状をもつとともにその内部を中
空部13とした横長の中空湾曲体であって、次述の本体
部11と蓋体12とで構成される。
【0040】上記本体部11は、樹脂一体成形により製
作されるものであって、その凹状面側に所定深さの凹陥
部11aを設けた弧状の断面形状をもつ横長矩形の外観
形態をもっている。
【0041】一方、上記蓋体12は、上記本体部11と
同様に樹脂一体成形により製作されるものであって、該
本体部11の凹状面の平面形状に合致する如く弧状の断
面形状をもつ横長矩形の板体とされる。また、この蓋体
12には、その平面方向の全域に亙って略同一の微小径
をもつ多数の通気孔14,14,・・が略均等配置で設
けられている。
【0042】尚、この実施形態においては、上述のよう
に、上記蓋体12を樹脂成形品で構成し且つこれに上記
通気孔14,14,・・を形成することでこれを通気構
造としているが、他の実施形態においては、例えば上記
蓋体12そのものを多孔質材で構成し、多孔質材内の微
細孔を上記通気孔14,14,・・として機能させるこ
とで通気構造とすることもできるものである。
【0043】上記の如く形成された上記本体部11と蓋
体12とは、該本体部11の凹状面側に上記蓋体12
を、上記凹陥部11aを覆蓋するように衝合させ、且つ
これら両者を接合して一体化することで上記風向制御板
10を構成する。従って、上記風向制御板10において
は、上記中空部13は上記矩形通気孔14,14,・・
を介して外部へ連通することになる。また、この風向制
御板10においては、上記蓋体12で構成される凹状面
を圧力面10a、上記本体部11の表面で構成される凸
状面を負圧面10bとするとともに、弧状方向の一端側
の縁部を前縁部10c、他方側の縁部を後縁部10dと
している。
【0044】そして、この風向制御板10は、図1に示
すように、上記室内機Zの吹出口3に連続する空気流路
6内に、その弦長方向の略1/2を上記吹出口3から外
方へ延出させた状態で、該風向制御板10の両側端部1
0f,10fにそれぞれ設けた支軸7,7によって、回
動自在に取り付けられている(図11参照)。
【0045】尚、上記風向制御板10は、暖房運転時に
は、図1に実線図示するように、その圧力面10aを下
側に、負圧面10bを上側に、それぞれ向けた姿勢に設
定され、必要に応じてこれを上記支軸7,7回りに回動
させて吹出気流Aの風向を調整するようになっている。
これに対して、冷房運転時には、図1に鎖線図示するよ
うに、上記風向制御板10を暖房運転時の姿勢から上記
支軸7,7回りに略180°回転させ、その圧力面10
aを上側に、またその負圧面10bを下側に、それぞれ
向けた姿勢に設定される。
【0046】また、このように上記風向制御板10を暖
房運転時と冷房運転時とで反転させて使用するようにし
た結果、暖房運転時に吹出気流Aの上流側に位置する上
記風向制御板10の前縁部10cは、冷房運転時には吹
出気流Aの下流側に位置することになるが、以下におい
ては、使用上の一形態として、暖房運転時の姿勢を例に
とって説明する。
【0047】続いて、以上のように構成された上記風向
制御板10を上記吹出口3部分に備えた室内機Zの作動
等について図1〜図3を参照して説明する。
【0048】上記室内機Zが運転されると、上記空気流
路6の上流側に配置したファン5(図11を参照)から
吹き出される吹出気流A(空調風)は該空気流路6を通
り上記吹出口3から室内側へ吹き出される。この際、上
記吹出気流Aのうち、上記風向制御板10の圧力面10
a側を通過するものは該圧力面10aのガイド機能によ
って下方へ偏向され、また該風向制御板10の負圧面1
0b側を通過するものは該負圧面10bのコアンダ効果
によって下方へ偏向され、該吹出気流Aは全体として上
記吹出口3から下方へ偏向され、室内床面側に向けて吹
き出されることになる。
【0049】この場合、上記風向制御板10側に流れ込
む吹出気流Aは、その上流側の構造物により生じる空気
の乱れ、例えば上記ファン5の後流の乱れとか、上記空
気流路6の下壁面6aとか上壁面6bとの接触による乱
れとか、該空気流路6の最上流端の舌部での乱れを伴っ
たまま上記風向制御板10側に流入することから、この
吹出気流Aの乱れ流れA0が上記風向制御板10の圧力
面10a側の前縁部10c部分においてこれと激しく干
渉する。このため、この乱れ流れA0の上記前縁部10
c側への干渉を防止する手段が設けられていないと、こ
の乱れ流れA0の上記圧力面10aとの干渉によって該
圧力面10a上を流れる空気流に大きな圧力変動が生
じ、その結果、上記風向制御板10部分において騒音が
発生し、上記室内機Zの静粛運転性が損なわれることは
既述の通りである。
【0050】ところが、この実施形態のものにおいて
は、上述のように、上記風向制御板10の内部を中空部
13とするとともに、該中空部13を上記圧力面10a
に設けた上記各通気孔14,14,・・を介して該圧力
面10aの表面上に開口させているので、上記吹出気流
Aの乱れ流れA0が上記風向制御板10の前縁部10c
側に流入した場合、この乱れ流れA0は、図3に示すよ
うに、上記通気孔14,14,・・を通して上記中空部
13内に導入され、該中空部13内で膨張作用を受ける
ことでその乱れのエネルギーが吸収緩和される。この結
果、上記圧力面10aの前縁部10c側においては、乱
れ流れA0が流入するものの、これが上記中空部13側
にそのまま流入することで該前縁部10c部分への干渉
が可及的に回避され、該前縁部10c部分における圧力
変動の発生が抑制され、この圧力変動に起因する騒音の
発生が可及的に防止される。従って、上記室内機Zにお
いては、その吹出口3部分に上記風向制御板10を設け
た構成であるにも拘わらず、騒音の発生が少なくその静
粛運転性が実現されるものである。
【0051】第2の実施形態 図4には、本願発明の第2の実施形態にかかる風向制御
板10を示している。この風向制御板10は、上記第1
の実施形態にかかる風向制御板10と基本構成を同じに
するものであって、これと異なる点は、該風向制御板1
0を構成する本体部11と蓋体12のうち、該蓋体12
に設けられる上記通気孔14,14,・・の構成であ
る。従って、ここでは上記風向制御板10の具体的構成
及びそれに基づく特有の作用効果のみを説明し、これ以
外の部分の構成等については上記第1の実施形態におけ
る風向制御板10に付したと同一の符号を付するととも
に該第1の実施形態における該当説明を援用することで
ここでの説明は省略する。
【0052】即ち、上記第1の実施形態の風向制御板1
0においては、上記通気孔14,14,・・を全て同一
の孔径とし且つこれらを上記圧力面10aの全域に略均
等に配置していたのに対して、この実施形態の風向制御
板10においては、上記通気孔14,14,・・の孔径
と該各通気孔14,14,・・間の間隔とを、上記風向
制御板10に対する上記吹出気流Aの流入状態に対応さ
せて設定したことに最大の特徴をもつものである。
【0053】具体的には以下の通りである。即ち、この
実施形態の風向制御板10においては、図4及び図5に
示すように、上記風向制御板10の圧力面10aに設け
られる上記通気孔14,14,・・の孔径を、該風向制
御板10の前縁部10c側において最も小さくし、該前
縁部10c側から後縁部10d側に向かうに従って次第
に大きくなるように設定している。また、該各通気孔1
4,14,・・相互間の間隔も、該通気孔14,14,
・・の孔径に対応させて、上記風向制御板10の前縁部
10c側において最も小間隔とし、該前縁部10c側か
ら後縁部10d側に向かうに従って間隔が拡大されるよ
うに設定している。
【0054】このような構成とすることで、上記第1の
実施形態における風向制御板10と同様の作用効果が得
られることは勿論のこと、これに加えて次のような特有
の作用効果が得られるものである。
【0055】即ち、上記風向制御板10の前縁部10c
寄り部位は、吹出気流Aの乱れ流れA0が上記通気孔1
4,14,・・に対して流入し易い角度から流入し且つ
該通気孔14,14,・・近傍に直接衝突する部位であ
る。従って、上記後縁部10d寄り部位において上記通
気孔14,14,・・の孔径を小径とすることで、一方
においては、上記通気孔14,14,・・が小径であっ
ても該通気孔14,14,・・からの乱れ流れA0の中
空部13への良好な流入状態を確保することができ、ま
た他方においては、上記通気孔14,14,・・が小径
であることから上記吹出気流Aが該通気孔14,14,
・・自体に衝突して新たな空気の乱れを発生するのを防
止でき、これらの結果、上記風向制御板10の圧力面1
0aの前縁部10c部分における圧力変動の発生がより
効果的に抑制される。
【0056】また一方、上記風向制御板10の前縁部1
0c寄り部位は、吹出気流Aの乱れ流れA0との干渉が
大きく、該干渉を緩和させる要求が最も高い部位であ
る。従って、上記前縁部10c寄り部位における上記通
気孔14,14,・・相互間の孔間隔を小間隔とするこ
とで、乱れ流れA0の上記中空部13内への流入をより
一層促進させて上記圧力面10a側での圧力変動をより
効果的に抑制することが可能となる。
【0057】これらの相乗効果として、上記風向制御板
10の圧力面10a側における圧力変動に起因する騒音
の防止効果がより一層促進され、室内機Zの静粛運転性
がさらに向上することになる。
【0058】尚、この実施形態においては、上記通気孔
14,14,・・の孔径及び孔間隔を、共に、上記風向
制御板10の圧力面10aの前縁部10c側で小さく
し、該前縁部10cから後縁部10d側に向かうに伴っ
て大きくなるように設定しているが、上述のように、上
記風向制御板10を暖房運転時と冷房運転時とで反転さ
せて用いる点を考慮すれば、上記設定に代えて、例え
ば、上記通気孔14,14,・・の孔径及び孔間隔を、
上記風向制御板10の圧力面10aの前縁部10c側と
後縁部10dの双方で小さくし、これらの中間部位(即
ち、弦長方向中間部位)において大きくなるように設定
することも可能である。
【0059】第3の実施形態 図6には、本願発明の第3の実施形態にかかる風向制御
板10を示している。尚、この風向制御板10は、上記
第1及び第2の実施形態における風向制御板10と同様
に、室内機Zの吹出口3部分に取り付けられるものであ
り、従ってその取付け状態等については、図11を参酌
することでここでの説明を省略し、ここでは上記風向制
御板10の構造等についてのみ説明する。
【0060】上記風向制御板10は、上記第1の実施形
態にかかる風向制御板10の発展例として位置付けられ
るものであって、該第1の実施形態の風向制御板10に
おいては上記中空部13を単一の容積部としていたのに
対して、この実施形態の風向制御板10においては図6
及び図7に示すように、上記中空部13内に複数の仕切
板15,15,・・を設け、該各仕切板15,15,・
・によって上記中空部13内を複数の小室13a,13
a,・・に区画し、該各小室13a,13a,・・をそ
れぞれ上記通気孔14,14,・・を介して圧力面10
aの表面側に開口させたものである。そして、さらにこ
の実施形態においては、上記仕切板15,15,・・の
配置に際して、該各仕切板15,15,・・を上記風向
制御板10の幅方向、即ち、該風向制御板10に対する
吹出気流Aの流れ方向に直交する方向に延びるようにそ
の延設方向を設定するとともに、該各仕切板15,1
5,・・の配置間隔を略均等に設定している。
【0061】このように、上記中空部13内に上記各仕
切板15,15,・・を設け、該各仕切板15,15,
・・によって上記中空部13を複数の小室13a,13
a,・・に区画すると、図7に示すように、上記風向制
御板10側に流入する吹出気流Aに生じる乱れ流れA0
が上記各通気孔14,14,・・から上記各小室13
a,13a,・・内に流入する場合、例えば上記中空部
13内に上記仕切板15,15,・・が設けられず該中
空部13が単一の容積部とされ、且つ該中空部13内に
流入した空気は該中空部13内を自由に移動できる構成
である場合に比して、流入空気の移動範囲が該各小室1
3a,13a,・・のスペース内に限られることから移
動に伴う圧力損失が少なく、また、一旦、上記小室13
aに流入した空気が該小室13aに設けられた他の通気
孔14から流出するという空気の流入流出の頻度が低下
し、これに伴う圧力損失も少なくなる。このように上記
風向制御板10の圧力面10a側における吹出気流Aの
圧力損失が低く抑えられることで、該風向制御板10に
案内されて吹き出される吹出気流Aの到達距離が増大
し、それだけ室内機Zによる室内空間に対する空調性能
が向上することになる。
【0062】さらに、この場合、上記各仕切板15,1
5,・・を、上記風向制御板10における吹出気流Aの
流れ方向に略直交する方向に延設しているので、該各仕
切板15,15,・・によって上記中空部13が吹出気
流Aの流れ方向において複数に仕切られ、上記各小室1
3a,13a,・・が吹出気流Aの流れ方向に沿って並
ぶことから、上記通気孔14,14,・・を通して上記
中空部13内に流入した空気の該中空部13内での移動
がより一層抑制され、これにより上記効果がさらに高め
られることになる。
【0063】尚、上記効果をさらに高める意味からは、
例えば図7に鎖線図示するように、上記仕切板15の配
置数を増やして上記小室13a,13a,・・の容積を
より小さくすることも可能である。
【0064】第4の実施形態 図8には、本願発明の第4の実施形態にかかる風向制御
板10を示している。この風向制御板10は、上記第3
の実施形態における風向制御板10の変形例として位置
付けられるものであって、該第3の実施形態の風向制御
板10と同様に、上記本体部11と蓋体12とで構成さ
れるとともにその内部の中空部13内に複数の仕切板1
5,15,・・を設け、該各仕切板15,15,・・に
よって上記中空部13を複数の小室13a,13a,・
・に区画した構成をもつものであって、該第3の実施形
態の風向制御板10と異なる点は上記各仕切板15,1
5,・・の配置構成である。
【0065】即ち、この実施形態の風向制御板10にお
いては、上記風向制御板10の中空部13内にこれを複
数の小室13a,13a,・・に区画する仕切板15,
15,・・を設けるに際して、該仕切板15,15,・
・の配置間隔を、上記第3の実施形態の風向制御板10
のように略等間隔とするのではなく、該風向制御板10
の前縁部10c寄り部位と後縁部10d寄り部位の双方
においては上記間隔を小さくし、これらの中間部位にお
いては上記間隔を大きく設定したものである。
【0066】このような仕切板15,15,・・の配置
構成を採用することで、以下のような特有の作用効果が
得られる。
【0067】即ち、上記風向制御板10の前縁部10c
部分は、吹出気流Aの乱れ流れA0が直接流入すること
から、この乱れ流れA0による圧力変動に起因する騒音
を防止する必要性が最も高い部位であり、且つ上記通気
孔14,14,・・を通して上記中空部13内に流入す
る空気量そのものも多い部位である。従って、上記前縁
部10c寄り部位における上記仕切板15,15,・・
の間隔を小さくすることで、上記通気孔14,14,・
・を介する上記中空部13への空気の流入流出による圧
力損失をより一層効果的に抑制することができ、室内機
Zによる高い空調性の更なる向上が期待できるものであ
る。
【0068】一方、上記風向制御板10の吹出気流Aの
流れ方向略中央寄り部位は、元々、空気の乱れが比較的
少なく安定した流れが得られる部位であって、空気の乱
れに起因する騒音防止の必要性がさほどない部位であ
る。従って、この実施形態のように、上記略中央寄り部
位において上記仕切板15,15,・・の間隔を大きく
設定することで、騒音低減と圧力損失の抑制とを両立さ
せつつ、不必要な仕切板15,15,・・の設置による
風向制御板10の重量増大を抑えてその低コスト化を図
ることもできる。
【0069】尚、この実施形態のものにおいては、上記
風向制御板10の前縁部10cのみならず、後縁部10
d側においても上記仕切板15,15,・・の間隔を小
さくするようにしているので、上記効果を暖房運転時と
冷房運転時の双方において得ることができるものであ
る。また、この実施形態においては、上記仕切板15,
15,・・の間隔を上記の如く設定するものの、上記圧
力面10aに設けられる上記通気孔14,14,・・の
孔径及び孔間隔はこれを全て同一に設定しているが、か
かる設定に代えて、例えば上記第2の実施形態のよう
に、通気孔14,14,・・の孔径及び孔間隔を上記仕
切板15,15,・・の間隔設定に対応させて異ならせ
ることもでき、かかる構成とした場合には上記効果がよ
り一層顕著となる。
【0070】第5の実施形態 図9には、本願発明の第5の実施形態にかかる風向制御
板10を示している。この風向制御板10は、図6に示
す上記第3の実施形態にかかる風向制御板10の変形例
として位置付けられるものであって、該第3の実施形態
の風向制御板10の構成に加えて、上記中空部13の幅
方向両端寄り部位のそれぞれに、上記風向制御板10の
弦長方向(即ち、吹出気流Aの流れ方向に略平行な方
向)に延びる複数の仕切板16,16,・・を設け、該
仕切板16,16,・・と上記仕切板15,15,・・
とによって上記中空部13の両端寄り部位をハニカム状
に区画し、該両端寄り部位における上記小室13a,1
3a,・・の容積をより小さくしたものである。
【0071】かかる構成は、主として、上記吹出口3の
幅方向両端近傍から吹き出される吹出気流Aによる圧力
損失の増加に対処するためである。
【0072】即ち、従来技術の項において既に説明した
ように、上記吹出口3の幅方向両端部分を流れる吹出気
流Aは、空気流路6の側壁面6c,6cとの接触の影響
を受けて乱れを生じ、且つその乱れ流れは吹出口3の幅
方向内側向きの成分をもつものである。
【0073】そこで、このように吹出口3の幅方向両端
付近から吹き出される吹出気流Aの乱れ流れに対処し
て、特に上記通気孔14,14,・・を通って上記中空
部13内に流入する空気流の流入流出に伴う圧力損失を
低減させるために、上記仕切板16,16,・・を上記
通気孔14,14,・・から流入する空気流の流れ方向
に略直交する方向に向けて設けるとともに、上記仕切板
15,15,・・との共働により上記小室13a,13
a,・・の容積低減を図ったものである。かかる構成の
結果、上記小室13a,13a,・・内における流入空
気の移動距離が可及的に小さくなるともに、該小室13
a,13a,・・への空気の流入流出の頻度そのものも
低く抑えられ、それだけ吹出気流Aの圧力損失が低減さ
れ、吹出気流A1の到達距離の長い快適な空調性が確保
されるものである。
【0074】第6の実施形態 図10には、本願発明の第6の実施形態にかかる風向制
御板10を示している。この風向制御板10は、図9に
示した上記第5の実施形態にかかる風向制御板10の変
形例として位置付けられるものであって、上記第5の実
施形態の風向制御板10においては上記中空部13内に
吹出気流Aの流れ方向に略直交する方向に延びる複数の
仕切板15,15,・・と、該中空部13の幅方向両端
近傍において吹出気流Aの流れ方向に略平行に延びる複
数の仕切板16,16,・・とを設け、特に該中空部1
3の幅方向両端近傍においてはこれら仕切板15,1
5,・・と仕切板16,16,・・とでハニカム状の小
室13a,13a,・・を形成するようにしていたのに
対して、この実施形態の風向制御板10においては、上
記中空部13内に吹出気流Aの流れ方向に略平行に延び
る仕切板15,15,・・のみを設けるとともに、該仕
切板15,15,・・の配置間隔を、該中空部13の幅
方向両端部位においては小さく、中央部位においては大
きくなるように設定したものである。
【0075】かかる構成によれば、特に上記風向制御板
10の両側端部10f,10f側において該風向制御板
10の幅方向内側に向けて渦巻くように乱れて流れる空
気の上記中空部13への流入流出に起因する圧力損失の
抑制を、より少ない数の仕切板15,15,・・によっ
て確実に実現できるとともに、該各仕切板15,15,
・・の適正配置による数量低減によって上記風向制御板
10の低コスト化が促進されるものである。
【0076】その他 上記各実施形態においては、上記通気孔14,14,・
・を上記風向制御板10の圧力面10a側のみに設けて
いるが、本願発明はかかる構成に限定されるものではな
く、例えば上記圧力面10aとともに上記負圧面10b
にも上記通気孔14,14,・・を設けることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態に係る風向制御板を
備えた空気調和機の吹出口部分の断面図である。
【図2】図1に示した風向制御板の一部断面斜視図であ
る。
【図3】図2に示した風向制御板の部分拡大断面図であ
る。
【図4】本願発明の第2の実施形態にかかる風向制御板
の一部断面斜視図である。
【図5】図4のV−V拡大図である。
【図6】本願発明の第3の実施形態にかかる風向制御板
の一部断面斜視図である。
【図7】図6に示した風向制御板の部分拡大断面図であ
る。
【図8】本願発明の第4の実施形態にかかる風向制御板
の一部断面斜視図である。
【図9】本願発明の第5の実施形態にかかる風向制御板
の一部断面斜視図である。
【図10】本願発明の第6の実施形態にかかる風向制御
板の一部断面斜視図である。
【図11】一般的な空気調和機の室内機の斜視図であ
る。
【図12】図11のXII−XII拡大断面図である。
【符号の説明】
1はケーシング、2は吸込口、3は吹出口、4は熱交換
器、5はファン、6は空気流路、7は支軸、10は風向
制御板、11は本体部、12は蓋体、13は中空部、1
4は通気孔、15及び16は仕切板、Zは室内機であ
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気調和機の吹出口(3)に連続する空
    気流路(6)内に該空気流路(6)を横切って配置され
    該空気流路(6)を通って上記吹出口(3)から吹き出
    される吹出気流(A)の風向を制御する空気調和機の風
    向制御板(10)であって、 上記風向制御板(10)は、吹出気流(A)の流れ方向
    の上流側に位置する前縁部(10c)から下流側に位置
    する後縁部(10d)に向けて弧状に湾曲し且つその内
    部を中空部(13)とした中空湾曲板で構成されるとと
    もに、 上記風向制御板(10)の両側面(10a),(10
    b)のうち、少なくとも凹状面で構成される圧力面(1
    0a)が、該圧力面(10a)の表面と上記中空部(1
    3)とを多数の通気孔(14),(14),・・を介し
    て連通可能とする通気構造であることを特徴とする空気
    調和機の風向制御板。
  2. 【請求項2】 請求項1おいて、 上記中空部(13)内に、該中空部(13)を複数の小
    室(13a),(13a),・・に仕切る複数の仕切板
    (15),(15),・・が設けられていることを特徴
    とする空気調和機の風向制御板。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記各仕切板(15),(15),・・が、上記風向制
    御板(10)における吹出気流(A)の流れ方向に略直
    交する方向に延設されていることを特徴とする空気調和
    機の風向制御板。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 上記各仕切板(15),(15),・・が、上記風向制
    御板(10)における吹出気流(A)の流れ方向に略平
    行に延設されていることを特徴とする空気調和機の風向
    制御板。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 上記各仕切板(15),(15),・・の間隔が、上記
    風向制御板(10)の吹出気流(A)の流れ方向略中央
    寄り部位において大きく、前縁部(10c)寄り部位に
    おいて小さくなるように設定されていることを特徴とす
    る空気調和機の風向制御板。
  6. 【請求項6】 請求項3において、 上記各仕切板(15),(15),・・の間隔が、上記
    風向制御板(10)の前縁部(10c)側から後縁部
    (10d)側にかけて略均等とされていることを特徴と
    する空気調和機の風向制御板。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、 上記中空部(13)の両端部近傍に、上記風向制御板
    (10)における吹出気流(A)の流れ方向に略平行に
    延出する複数の仕切板(16),(16),・・が設け
    られていることを特徴とする空気調和機の風向制御板。
  8. 【請求項8】 請求項4において、 上記各仕切板(15),(15),・・の間隔が、上記
    風向制御板(10)の両側端部(10f),(10f)
    寄り部位において小さく、中間部(10e)寄り部位に
    おいて大きくなるように設定されていることを特徴とす
    る空気調和機の風向制御板。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7又は
    8において、 上記圧力面(10a)の前縁部(10c)の近傍におけ
    る上記通気孔(14),(14),・・の孔径が、該前
    縁部(10c)以外の部位におけるそれよりも小径とさ
    れていることを特徴とする空気調和機の風向制御板。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7又
    は8において、 上記圧力面(10a)の前縁部(10c)の近傍におけ
    る上記通気孔(14),(14),・・の孔間隔が、該
    前縁部(10c)以外の部位におけるそれよりも小間隔
    とされていることを特徴とする空気調和機の風向制御
    板。
  11. 【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9又は10において、 上記風向制御板(10)の圧力面(10a)側と負圧面
    (10b)側とを別体構成とし、 上記仕切板(15),(15),・・,同(16),
    (16),・・を上記圧力面(10a)側と、又は上記
    負圧面(10b)側と一体的に形成したことを特徴とす
    る空気調和機の風向制御板。
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