JP2002022003A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP2002022003A
JP2002022003A JP2000202834A JP2000202834A JP2002022003A JP 2002022003 A JP2002022003 A JP 2002022003A JP 2000202834 A JP2000202834 A JP 2000202834A JP 2000202834 A JP2000202834 A JP 2000202834A JP 2002022003 A JP2002022003 A JP 2002022003A
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Japan
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gear
clutch
input shaft
output shaft
driven
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JP2000202834A
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English (en)
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Hiroshi Sakamoto
博史 坂本
Kouchiyuu Kin
金  弘中
Toshimichi Minowa
利通 箕輪
Takashi Okada
岡田  隆
Mitsuo Kayano
光男 萱野
Tatsuya Ochi
辰哉 越智
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速時におけるクラッチの締結・解放の際の
ショック感を和らげること。 【解決手段】 エンジンの動力を受けて入力軸を回転
し、この入力軸を回転させることによって入力軸を回転
し、噛み合いクラッチによって速度に合わせたドリブン
ギヤを締結・解除せしめて自動変速し、該入力軸の回転
をドライブギヤを介して駆動輪出力軸に伝達する噛み合
い式の自動変速機にあって、噛み合いクラッチの切替の
際、発進クラッチ以外の噛み合いクラッチのいずれもが
ドリブンギヤに締結されない期間、入力軸の回転動力を
駆動輪出力軸に伝達するアシスト機構を入力軸に設け、
複数の噛み合いクラッチ又はアシスト機構を、あるいは
複数の噛み合いクラッチ及びアシスト機構をリニアモー
タで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】変速装置として従来の手動変速機の機
構、すなわち、噛み合い歯車式変速機を用い、エンジン
と変速機とを締結及び解放する発進クラッチと、各ギヤ
と出力軸とを締結及び解放する噛み合いクラッチのそれ
ぞれのクラッチを動かすアクチュエータとして、油圧式
のアクチュエータを設け、このアクチュエータへの油圧
を制御して、自動変速を実行する自動変速機が知られて
いる。この油圧式のアクチュエータは、油圧ポンプを作
動してクラッチの切替を行っている。この油圧式のアク
チュエータは、油圧ポンプの作動が停止すると、動作位
置(停止位置)を保持する機能を有していないため、常
時油圧ポンプが作動した状態となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この油圧式のアクチュ
エータは、バッテリで作動しており、油圧式のアクチュ
エータの場合、常時作動しており、バッテリ容量の減少
を考えると、バッテリを常時充電する必要があり、充電
のためのエンジンの稼働が多くなり燃費が低下し、常時
バッテリ電源を消費しているため、それなりに容量の大
きいバッテリを搭載しているのが現状である。
【0004】また、クラッチの締結時に油圧ポンプが停
止するとクラッチの締結が外れてしまうため、常時、油
圧ポンプが作動している。しかし、油圧式のアクチュエ
ータは、レスポンスが遅く、クラッチの停止時にクラッ
チがふらつき安定性に欠けるということがある。
【0005】また、このように構成される従来の自動変
速機にあっては、噛み合いクラッチがいずれのギヤにも
締結されていない、いわゆる中立の状態がある。このよ
うな中立の状態は、1速から2速へ、2速から3速へ、
3速から4速へ、4速から5速へ変速する場合において
噛み合いクラッチがいずれのギヤにも締結されていない
状態で、車両は加速している状態であるにも拘わらず変
速時の噛み合いクラッチがいずれのギヤにも噛み合って
いないため、加速の動力が出力軸に伝達されず、運転者
に対して減速したような一種のショック感を与えること
になり運転感覚が悪いという問題がある。このショック
感は、クラッチの締結・解放の際のレスポンスの速度が
関係している。すなわち、クラッチの締結・解放時のシ
ョック感は、クラッチ切替時のクラッチの動作レスポン
スが遅いと生じる。このため、クラッチの切り替えに油
圧式のアクチュエータを用いると、ショック感が大き
い。
【0006】本発明の目的は、加速時におけるクラッチ
の締結・解放の際のショック感を和らげることのできる
自動変速機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エンジンの動力を受けて入力軸を回転
し、この入力軸を回転させることによって入力軸を回転
し、噛み合いクラッチによって速度に合わせたドリブン
ギヤを締結・解除せしめて自動変速し、該入力軸の回転
をドライブギヤを介して駆動輪出力軸に伝達する噛み合
い式の自動変速機にあって、噛み合いクラッチの切替の
際、発進クラッチ以外の噛み合いクラッチのいずれもが
ドリブンギヤに締結されない期間、入力軸の回転動力を
駆動輪出力軸に伝達するアシスト機構を入力軸に設け、
複数の噛み合いクラッチ又はアシスト機構を、あるいは
複数の噛み合いクラッチ及びアシスト機構をリニアモー
タで構成したものである。
【0008】このリニアモータは、電機子と、磁性を有
する可動子とからなり、電機子が少なくとも第1の対向
部を有する第1極性の磁極と第2の対向部を有する第2
極性の磁極とを有し、可動子が第2の対向部に挟持され
るように構成してある。そして、この電機子と磁性を有
する可動子とからなるリニアモータは、電機子と可動子
との相互作用により、可動子の移動方向と垂直方向にお
ける相対位置が保持されるように構成してある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図11を用いて本発
明に係る自動変速機の実施の形態を説明する。図1は本
発明の一実施の形態をなす自動変速機の全体構成図、図
2は図1に図示のアシスト機構の拡大図、図3は図1に
図示の自動変速機の噛み合いクラッチの拡大図、図4は
図1に図示の自動変速機の発進クラッチの拡大図、図5
は図1に図示のアシスト機構と噛み合いクラッチと発進
クラッチのアクチュエータであるリニアモータの構成
図、図6は図5に図示のリニアモータの正面図、図7は
図1に図示のアシスト機構と噛み合いクラッチと発進ク
ラッチのアクチュエータである別なリニアモータの構成
図、図8は図7に図示の別なリニアモータの正面図、図
9は本発明の他の実施の形態をなす自動変速機の全体構
成図である。
【0010】図1において、エンジン1は、エンジント
ルクを調節する電子制御スロットルを備え、出力トルク
を制御することができるようになっている。このエンジ
ン1のエンジン出力軸3と自動変速機50の入力軸12
との間には、発進クラッチ4が設けられており、エンジ
ン1のトルクを入力軸12に伝達することができるよう
になっている。この入力軸12は、発進クラッチ4の締
結によってエンジン1の回転が伝達され、回転する。こ
の入力軸12は、トランスミッションケース内に回転自
在に軸支されている。この発進クラッチ4は、乾式単板
方式のものが用いられており、押し付け力の制御には、
リニアモータ100aが用いられている。この発進クラ
ッチ4の押し付け力を調整する(制御する)ことによっ
てエンジン1のエンジン出力軸3から入力軸12への動
力伝達を断続する構成となっている。この自動変速機5
0は、トランスミッションケース内に収納されている。
【0011】発進クラッチ4を作動させるアクチュエー
タであるリニアモータ100aは、永久磁石を用いた電
気式の直線運動のモータで、油圧式のアクチュエータに
比べ応答性が良く、バラツキも少ないので発進クラッチ
4を高精度に制御することが可能となり、自動車の発進
性能の向上を図ることができる。
【0012】入力軸12は、エンジン1のエンジン出力
軸3と発進クラッチ4によって直結され、発進クラッチ
4の締結によってエンジン出力軸3の回転が直接入力軸
12に伝達される。
【0013】また、この入力軸12には、車体後方側に
所定間隔を置いて1速ドライブギヤ5が入力軸12に回
転自在に取り付けられており、この1速ドライブギヤ5
から車体後方側に所定間隔を置いて2速ドライブギヤ7
が入力軸12に回転自在に取り付けられている。また、
2速ドライブギヤ7の車体後方側には、2速ドライブギ
ヤ7から所定間隔を置いて3速ドライブギヤ8が入力軸
12に回転自在に取り付けられており、この3速ドライ
ブギヤ8の車体後方側には、3速ドライブギヤ8から所
定間隔を置いて、4速ドライブギヤ10が入力軸12に
回転自在に取り付けられている。さらに4速ドライブギ
ヤ10の車体後方側に所定間隔を置いてアシストドライ
ブギヤ11が入力軸12に固着されており、常時入力軸
12と共に回転している。
【0014】これら1速ドライブギヤ5、2速ドライブ
ギヤ7、3速ドライブギヤ8、4速ドライブギヤ10に
は、入力軸12の軸方向に移動しないように図示されて
いないストッパーが設けられている。
【0015】また、入力軸12には、1速ドライブギヤ
5と2速ドライブギヤ7との間に、噛み合いクラッチ6
が設けられており、この噛み合いクラッチ6が作動する
と、噛み合いクラッチ6は入力軸12の軸方向に移動
し、1速ドライブギヤ5か2速ドライブギヤ7と締結す
るようになっている。すなわち、噛み合いクラッチ6
は、入力軸12が軸方向左側に移動すると1速ドライブ
ギヤ5と締結し、噛み合いクラッチ6が1速ドライブギ
ヤ5と締結すると、入力軸12の回転が1速ドライブギ
ヤ5に伝達されるようになっている。また、噛み合いク
ラッチ6は、入力軸12が軸方向右側に移動すると2速
ドライブギヤ7と締結し、噛み合いクラッチ6が2速ド
ライブギヤ7と締結すると、入力軸12の回転が2速ド
ライブギヤ7に伝達されるようになっている。図1は、
噛み合いクラッチ6が1速ドライブギヤ5、2速ドライ
ブギヤ7のいずれにも締結されていない中立の位置に有
る状態が示されている。
【0016】したがって、1速ドライブギヤ5は、噛み
合いクラッチ6が締結されない限り、常時、ドリブン1
速ギヤ14の回転によって入力軸12上を空転してお
り、2速ドライブギヤ7は、噛み合いクラッチ6が締結
されない限り、常時、ドリブン2速ギヤ15の回転によ
って入力軸12上を空転している。
【0017】また、入力軸12には、3速ドライブギヤ
8と4速ドライブギヤ10との間に、噛み合いクラッチ
9が設けられており、この噛み合いクラッチ9が作動す
ると、噛み合いクラッチ9は入力軸12の軸方向に移動
し、3速ドライブギヤ8か4速ドライブギヤ10と締結
するようになっている。すなわち、噛み合いクラッチ9
は、入力軸12が軸方向左側に移動すると3速ドライブ
ギヤ8と締結し、噛み合いクラッチ9が3速ドライブギ
ヤ8と締結すると、入力軸12の回転が3速ドライブギ
ヤ8に伝達されるようになっている。また、噛み合いク
ラッチ9は、入力軸12が軸方向右側に移動すると4速
ドライブギヤ10と締結し、噛み合いクラッチ9が4速
ドライブギヤ10と締結すると、入力軸12の回転が4
速ドライブギヤ10に伝達されるようになっている。図
1は、噛み合いクラッチ9が3速ドライブギヤ8、4速
ドライブギヤ10のいずれにも締結されていない中立の
位置に有る状態が示されている。
【0018】したがって、3速ドライブギヤ8は、噛み
合いクラッチ9が締結されない限り、常時、ドリブン3
速ギヤ16の回転によって入力軸12上を空転してお
り、4速ドライブギヤ10は、噛み合いクラッチ9が締
結されない限り、常時、ドリブン4速ギヤ17の回転に
よって入力軸12上を空転している。
【0019】この噛み合いクラッチ6は、具体的には、
入力軸12と共に回転し、1速ドライブギヤ5又は2速
ドライブギヤ7に押圧接すると1速ドライブギヤ5又は
2速ドライブギヤ7に入力軸12の回転力を与えるスリ
ーブを備え、このスリーブの内側には、入力軸12の複
数の溝と噛み合う溝が設けられており、スリーブが入力
軸12の軸方向には相対移動を可能に構成されている
が、回転方向への相対移動は制限するように入力軸12
に係合させたもので、入力軸12のトルクが、噛み合い
クラッチ6に伝達されることになる。
【0020】また、噛み合いクラッチ9も噛み合いクラ
ッチ6同様、具体的には、入力軸12と共に回転し、3
速ドライブギヤ8又は4速ドライブギヤ10に押圧接す
ると3速ドライブギヤ8又は4速ドライブギヤ10に入
力軸12の回転力を与えるスリーブを備え、このスリー
ブの内側には、入力軸12の複数の溝と噛み合う溝が設
けられており、スリーブが入力軸12の軸方向には相対
移動を可能に構成されているが、回転方向への相対移動
は制限するように入力軸12に係合させたもので、入力
軸12のトルクが、噛み合いクラッチ9に伝達されるこ
とになる。
【0021】この噛み合いクラッチ6と噛み合いクラッ
チ9を作動させるアクチュエータには、リニアモータ1
00cが用いられている。このリニアモータ100c
は、永久磁石を用いた電気式の直線運動のモータで、油
圧式のアクチュエータに比べ応答性が良く、バラツキも
少ないので噛み合いクラッチ6及び噛み合いクラッチ9
を高精度に制御することが可能となり、自動車の変速性
能の向上を図る(変速時のショックを無くす)ことがで
きる。
【0022】噛み合いクラッチ6と噛み合いクラッチ9
とが同時に作動することがないので、噛み合いクラッチ
6か噛み合いクラッチ9のいずれかを選択して作動させ
ることになる。この噛み合いクラッチ6か噛み合いクラ
ッチ9の選択は、噛み合いクラッチ6、噛み合いクラッ
チ9とリニアモータ100cとを結ぶセレクト機構によ
って行われる。すなわち、リニアモータ100cの可動
ロッドにジョイント101を介してストライキングロッ
ド104が円周方向に回転可能に接続されている。この
ストライキングロッド104の回転は、ストライキング
ロッド104に取り付けられた回転子102と、この回
転子102の周囲に設けられた固定子103とによって
行われる。この固定子103を励磁して回転子102を
回転させて必要な角度ストライキングロッド104を回
転させて、噛み合いクラッチ6に固定されているセレク
トロッド105か、噛み合いクラッチ9に固定されてい
るセレクトロッド106を選択することになる。
【0023】一方、入力軸12に平行に駆動輪出力軸1
3が回転自在に支持されている。この駆動輪出力軸13
には、車体前方側にドリブン1速ギヤ14が駆動輪出力
軸13に固着されており、このドリブン1速ギヤ14か
ら車体後方側に所定間隔を置いてドリブン2速ギヤ15
が駆動輪出力軸13に固着されている。また、ドリブン
2速ギヤ15の車体後方側には、ドリブン3速ギヤ16
が駆動輪出力軸13に固着されており、このドリブン3
速ギヤ16から車体後方側に所定間隔を置いてドリブン
4速ギヤ17が駆動輪出力軸13に固着されている。ま
た、このドリブン4速ギヤ17から車体後方側に所定間
隔を置いてアシスト出力ギヤ20が駆動輪出力軸13に
回転自在に嵌合している。したがって、駆動輪出力軸1
3に固着されているドリブン1速ギヤ14、ドリブン2
速ギヤ15、ドリブン3速ギヤ16、ドリブン4速ギヤ
17は、常時が駆動輪出力軸13と共に回転している
が、アシスト出力ギヤ20は駆動輪出力軸13と常に回
転しているものではない。
【0024】また、駆動輪出力軸13に固着されている
ドリブン1速ギヤ14には、入力軸12に回転自在に嵌
合している1速ドライブギヤ5が噛合しており、駆動輪
出力軸13に固着されているドリブン2速ギヤ15に
は、入力軸12に回転自在に嵌合している2速ドライブ
ギヤ7が噛合されている。したがって、1速ドライブギ
ヤ5はドリブン1速ギヤ14によって、2速ドライブギ
ヤ7はドリブン2速ギヤ15によって、それぞれ常時回
転している。
【0025】また、駆動輪出力軸13に固着されている
ドリブン3速ギヤ16には、入力軸12に回転自在に嵌
合している3速ドライブギヤ8が噛合しており、駆動輪
出力軸13に固着されているドリブン4速ギヤ17に
は、入力軸12に回転自在に嵌合している4速ドライブ
ギヤ10が噛合されている。したがって、3速ドライブ
ギヤ8はドリブン3速ギヤ16によって、4速ドライブ
ギヤ10はドリブン4速ギヤ17によって、それぞれ常
時回転している。
【0026】また、駆動輪出力軸13に回転自在に嵌合
しているアシスト出力ギヤ20には、入力軸12に固着
されているアシストドライブギヤ11が噛合されてい
る。したがって、アシスト出力ギヤ20は、アシストド
ライブギヤ11によって、常時回転している。
【0027】さらに、アシスト出力ギヤ20には、アシ
スト機構(アシストクラッチ)18が設けられている。
このアシストクラッチ18は、複数のプレート19を用
いた湿式多板方式のもので構成されている。この複数の
プレート19の押し付け力の制御には、アシストクラッ
チ18を作動させるアクチュエータとしてリニアモータ
100bが用いられている。この複数のプレート19の
押し付け力を調整することによって入力軸12に固着さ
れているアシストドライブギヤ11の回転力がアシスト
出力ギヤ20を介して駆動輪出力軸13への動力伝達を
断続することになる。
【0028】このリニアモータ100bは、永久磁石を
用いた電気式の直線運動のモータで、油圧式のアクチュ
エータに比べ応答性が良く、バラツキも少ないので発進
クラッチ4を高精度に制御することが可能となり、自動
車のアシスト性能の向上を図ることができる。
【0029】図2に、湿式多板方式のアシストクラッチ
18を作動させるアクチュエータにリニアモータを適用
した場合の構成が示されている。
【0030】図において、301は、クラッチ・ドラム
で、このクラッチ・ドラム301には、所定間隔を保っ
てドライブ・プレート302が複数設けられている。ま
た、このクラッチ・ドラム301は、アシスト出力ギヤ
20に直結されており、アシスト出力ギヤ20が回転す
ると、クラッチ・ドラム301も一緒に回転する。ま
た、駆動輪出力軸13には、クラッチ・ハブ304が直
結されており、このクラッチ・ハブ304には、ドリブ
ン・プレート303が設けられている。このドリブン・
プレート303は、ライブ・プレート302の間に非接
触で装着されている。図2の状態は、アシストクラッチ
18が作動していない状態を示している。
【0031】また、クラッチ・ドラム301とクラッチ
・ハブ304には、それぞれ、図示していないスプライ
ン溝が形成されており、クラッチ・ドラム301にはド
ライブ・プレート302が、クラッチ・ハブ304には
ドリブン・プレート303がそれぞれ嵌合されている。
したがって、アシストクラッチ18が解放されている状
態では、ドライブ・プレート302とドリブン・プレー
ト303とは別々に回転をしている。
【0032】また、100bは電気式のリニア・モータ
であり、101bはリニア・モータ100bの作動によ
って伸縮移動するクラッチ・ロッドである。このクラッ
チ・ロッド101bの先端には、ウイズドロアル・レバ
ー309の一端が屈曲自在に取り付けられている。そし
て、このウイズドロアル・レバー309の他端は、ボー
ルピン308によって回動自在に軸支されており、リニ
ア・モータ100bが作動し、クラッチ・ロッド101
bが図示矢印の方向に伸長すると、ウイズドロアル・レ
バー309は、ボールピン308を支点に図示矢印の方
向に回動することになる。
【0033】307は軸受で、この軸受307にスプリ
ング306の一端が接続されており、このスプリング3
06の他端は、駆動輪出力軸13に非接触に嵌合するプ
レッシャー・フランジ305に接続されている。そし
て、プレッシャー・フランジ305とドリブン・プレー
ト303との間には、ドリブン・プレート押圧部材が設
けられており、プレッシャー・フランジ305が図示矢
印に示す方向に押圧することによって、ドリブン・プレ
ート押圧部材がドリブン・プレート303を押圧し、ド
リブン・プレート303とドライブ・プレート302が
接触し、アシスト出力ギヤ20の回転力がドリブン・プ
レート303を介してラッチ・ハブ304に伝達され
る。
【0034】このアシストクラッチ18が作動しないと
き、すなわち、変速によるギヤチェンジが行われないと
きは、スプリング306の押圧力でドリブン・プレート
303とドライブ・プレート302が接触していない解
放状態に保持している。いま、リニア・モータ100b
が作動し、クラッチ・ロッド101bに図の矢印方向の
力が加えられると、ウイズドロアル・レバー309は、
ボールピン308を支点として図の矢印方向に回動し、
プレッシャー・フランジ305を押圧する。このウイズ
ドロアル・レバー309がプレッシャー・フランジ30
5を押圧すると、プレッシャー・フランジ305は、プ
レッシャー・フランジ305の押圧力によって図の矢印
方向に移動する。プレッシャー・フランジ305が移動
すると、ドリブン・プレート押圧部材によってドリブン
・プレート303を押圧し、ドリブン・プレート303
とドライブ・プレート302が接触し、アシスト出力ギ
ヤ20のトルクが、クラッチ・ドラム301→ドライブ
・プレート302→ドリブン・プレート303→クラッ
チ・ハブ304→駆動輪出力軸13の順に伝達される。
【0035】このようにアシストクラッチ18を作動さ
せるアクチュエータとしてリニアモータ100bを用い
ているため、ドライブ・プレート302とドリブン・プ
レート303との間の押し付け力を高精度に制御するこ
とができ、自動車の変速性能向上が可能となる。
【0036】図3には、1速ドライブギヤ5と2速ドラ
イブギヤ7との間に設けられている噛み合いクラッチ6
にリニアモータを適用した場合の構成が示されている。
【0037】図において、1速ドライブギヤ5には歯車
401とシンクロナイザリング402が設けられてお
り、2速ドライブギヤ7には歯車404とシンクロナイ
ザリング403が設けられている。この1速ドライブギ
ヤ5と2速ドライブギヤ7との間に噛み合いクラッチ6
が設けられており、この噛み合いクラッチ6は、入力軸
12に締結され入力軸12と共に回転するスリーブの外
周部に断面凹状の保持部か形成されており、この保持部
にシフトフォーク102dの一端が嵌合しており、この
シフトフォーク102dの他端には、ジョイントを介し
て略直角方向にクラッチ・ロッド101dが設けられて
いる。このクラッチ・ロッド101dには、電気式のリ
ニア・モータ100dが取り付けられ、リニア・モータ
100dが作動すると、クラッチ・ロッド101dが図
示矢印の方向に伸長するようになっている。
【0038】いま、リニア・モータ100dが作動し、
クラッチ・ロッド101dに図示矢印の方向に力が加え
られると、シフトフォーク102dを介して噛み合いク
ラッチ6を構成しているスリーブが図の矢印方向へ移動
し、噛み合いクラッチ6を構成しているスリーブがシン
クロナイザリング403および歯車404を介してギア
7に直結する。噛み合いクラッチ6を構成しているスリ
ーブがシンクロナイザリング403および歯車404を
介して2速ドライブギア7に直結すると、入力軸12の
トルクが噛み合いクラッチ6→シンクロナイザリング4
03→歯車404→2速ドライブギヤ7→ドリブン2速
ギヤ15→駆動輪出力軸13の順に伝達される。
【0039】このように噛み合いクラッチ6を作動させ
るアクチュエータとしてリニア・モータ100dを用い
ているため、1速ドライブギヤ5及び2速ドライブギヤ
7の切放時間および噛み合いクラッチ6の位置を高精度
に制御することができ、自動車の変速性能向上が可能と
なる。
【0040】図1の構成では、1個のリニアモータ10
0cを用い、噛み合いクラッチ6と噛み合いクラッチ9
の選択をセレクト機構によって行うように構成されてお
り、噛み合いクラッチ9を選択し、この噛み合いクラッ
チ9を作動させる場合のリニアモータ100cの動作
は、噛み合いクラッチ6を選択し、この噛み合いクラッ
チ6を作動させる場合のリニアモータ100cの動作と
同様である。
【0041】図4に、乾式単板方式の発進クラッチ4に
リニアモータを適用した場合の構成が示されている。
【0042】図において、200は、歯車式変速機50
のフロントケースであり、201は入力軸12に回転フ
リーに嵌合するフライホイールである。このフライホイ
ール201はエンジン1のエンジン出力軸3に直結して
おり、エンジン1の回転力がフライホイール201に常
時伝達されている状態になっている。202はクラッチ
・ディスクであり、203はクラッチ・ディスク202
をフライホイール201に押し付けるためのプレッシャ
ー・プレートで、このプレッシャー・プレート203に
よってクラッチ・ディスク202がフライホイール20
1に押し付けられると、フライホイール201の回転が
クラッチ・ディスク202に伝達されることになる。こ
のプレッシャー・プレート203のクラッチ・ディスク
202への押圧力は、スプリング204によってもたら
され、このスプリング204は、支点205を中心に、
一端がプレッシャー・プレート203に接触し、他端が
入力軸12に回転フリーに嵌合するクラッチ・レリーズ
・ベアリング206に当接している。
【0043】フライホイール201のエンジン回転力を
クラッチ・ディスク202に伝達する場合は、クラッチ
・レリーズ・ベアリング206を入力軸12の右軸方向
に移動し、スプリング204の付勢力によってプレッシ
ャー・プレート203をフライホイール201側に押圧
し、プレッシャー・プレート203の押圧力によってク
ラッチ・ディスク202をフライホイール201に押圧
接させる。図4は、このスプリング204の付勢力によ
ってプレッシャー・プレート203によってクラッチ・
ディスク202がフライホイール201にに押圧接され
ている状態を示している。すなわち、図4は、エンジン
出力軸3に直結しているフライホイール201のトルク
(回転力)が、クラッチ・ディスク202に伝達され、
クラッチ・ディスク202が回転し、クラッチ・ディス
ク202に固定されている入力軸12が回転している状
態を示している。
【0044】クラッチ・レリーズ・ベアリング206
は、スプリング204の付勢力によって入力軸12の軸
方向の右方向に押し付けられている。そして、このクラ
ッチ・レリーズ・ベアリング206は、クラッチ・レリ
ーズ・フォーク207の作用によって定位置に停止させ
られるようになっている。さらに、このクラッチ・レリ
ーズ・フォーク207には、クラッチ・ロッド101a
が取り付けられており、このクラッチ・ロッド101a
には、電気式のリニア・モータ100aが取り付けられ
ており、リニア・モータ100aが作動すると、クラッ
チ・ロッド101aが図示矢印の方向に伸長するように
なっている。
【0045】いま、図4に示す状態から、リニア・モー
タ100aが作動し、クラッチ・ロッド101aに図示
矢印の方向に力が加えられると、クラッチ・レリーズ・
フォーク207が図の矢印方向へ移動し、クラッチ・レ
リーズ・ベアリング206を押圧移動する。このクラッ
チ・レリーズ・ベアリング206が移動すると、クラッ
チ・レリーズ・ベアリング206に当接しているスプリ
ング204の一端が押圧される。このスプリング204
の一端が押圧されると、支点205を介してプレッシャ
ー・プレート203に接触しているスプリング204の
他端がプレッシャー・プレート203への押圧力が弱め
られ、プレッシャー・プレート203への押圧接力を抑
える方向(図の右向き矢印)に力が発生する。このプレ
ッシャー・プレート203への押圧接力の抑制によっ
て、フライ・ホイール201とクラッチ・ディスク20
2が切り離される。
【0046】また、このフライ・ホイール201とクラ
ッチ・ディスク202が切り離された状態から、フライ
・ホイール201にクラッチ・ディスク202を締結す
る場合は、まず、リニア・モータ100aを作動し、ク
ラッチ・ロッド101aを図示矢印の方向とは反対の方
向に移動し、クラッチ・レリーズ・フォーク207を図
の矢印方向とは反対の方向にへ移動し、クラッチ・レリ
ーズ・フォーク207によるクラッチ・レリーズ・ベア
リング206への押圧を解除する。すると、クラッチ・
レリーズ・ベアリング206は、スプリング204の他
端の付勢力によって図の矢印方向とは反対の方向にへ移
動する。このクラッチ・レリーズ・ベアリング206の
移動によって支点205を介してクラッチ・レリーズ・
ベアリング206に当接しているスプリング204の一
端がプレッシャー・プレート203を図の矢印方向とは
反対の方向に付勢し、プレッシャー・プレート203に
よつてクラッチ・ディスク202をフライ・ホイール2
01に押圧接し、クラッチ・ディスク202とフライ・
ホイール201を締結する。これによってフライ・ホイ
ール201の回転がクラッチ・ディスク202を介して
入力軸12に伝達される。
【0047】このようにクラッチ・ディスク202の締
結・解除をリニア・モータ100aによって行うように
構成することで、クラッチ・ディスク202の押し付け
力を高精度に制御することができ、自動車の発進性能向
上が可能となる。
【0048】図5、図6には、アシストクラッチ18に
用いるリニア・モータ100b、噛み合いクラッチ6及
び噛み合いクラッチ9にに用いるリニア・モータ100
c、発進クラッチ4に用いるリニア・モータ100aの
構成が示されている。
【0049】図において、510は磁極、511aは磁
極510の上部磁極歯、512bは磁極510の下部磁
極歯、520は磁極、521bは磁極520の下部磁極
歯、522aは磁極520の上部磁極歯、530は電機
子、540は電機子巻線、550は電機子鉄心、560
は可動子、570は永久磁石、580は磁極510の上
部磁極歯511aと磁極520の下部磁極歯521b
(磁極510のか無事極歯512bと磁極520の上部
磁極歯522a)のギャップ、Psは同部磁極面の隣り
合う磁極歯中心間の極ピッチである。電機子530は、
その底部の電機子鉄心5の両側に磁極510,520を
設け、断面がコ字状で上に開いた直線状の細長い電機子
鉄心550に長手方向に電機子巻線540を巻回して構
成されている。この電機子530には、二つの磁極51
0,520を持たせることになる。
【0050】また、磁極510は、その状面に磁極52
0に向って突起状の上部磁極歯511a、下部磁極歯5
12b、…を有しており、磁極520は、その上面に磁
極510に向って突起状の下部磁極歯521b、上部磁
極歯522a、…を有している。すなわち、磁極510
の突起状の(2n−1)番目(n=1,2,3、…)の
磁石歯は上部、(2n)番目(n=1,2,3、…)の
磁極歯は下部になるように上下2段に分けて伸ばしてあ
る。
【0051】また、磁極510とは反対に、磁極520
の突起状の(2n−1)番目の磁極歯は下部、(2n)
番目(n−1,2,3,…)の磁極歯は上部になるよう
に同じく2段に分けて伸ばしてある。そして、磁極51
0と磁極520よりの上部磁極歯全体を上部磁極面、下
部磁極歯全体を下部磁極面と定義すると、磁極510と
磁極520の向かい合う磁極歯が互い違いになる磁極面
を上部と下部2ヶ所に持たせる構造になる。
【0052】ここで、1番目の上部磁極歯511aと下
部磁極歯512bは、第一の対向部と定義し、2番目の
下部磁極歯521bと上部磁極歯522aは、第二の対
向部と定義する。このように定義することよって、(2
n−1)番目は、第一の対向部、(2n)番目は、第二
の対向部になるような電機子構造になる。
【0053】また、各対向部の上部磁極歯と下部磁極歯
の間に一定のギャップ580を設け、ギャップ580に
磁性を有する可動子を通すと、可動子が第一の対向部に
狭持され、かつ、可動子が前記第二の対向部に狭持され
た構造を形成する。
【0054】このように構成することにより、リニアモ
ータの各対向部の上部磁極歯と下部磁極歯の間のギャッ
プには、磁束が上部と下部の磁極歯間を交番して上下に
流れる電機子ユニットを形成することができ、ギャップ
を通して可動子が相対移動する構造にすることができ
る。
【0055】図7、図8には、アシストクラッチ18に
用いるリニア・モータ100b、噛み合いクラッチ6及
び噛み合いクラッチ9に用いるリニア・モータ100
c、発進クラッチ4に用いるリニア・モータ100aの
別な構成が示されている。
【0056】図において、断面がコ字状で上に開いた直
線状の電機子610には、内側に断面が同じくコ字状の
ヨークが2つ平行に並んで固定されており、このヨーク
の底にそれぞれコイル620が長手方向に巻回されてい
る。そして、この2つのヨークは、それぞれ上に伸びた
2つの磁極を持っている。この上に伸びた2つの磁極の
上面には、それぞれ磁極板が固定されており、他方の磁
極板に向かって等間隔で突起状の極歯650が伸びてい
る。そして、この向かい合う極歯650が互い違いにな
ってクローポール形の磁極面をなしている。
【0057】また、電機子610の長手方向に移動可能
に支持された可動子630には、磁極面とエアギャップ
を介して対向するように互いに平行な2組の永久磁石6
40が設けられており、磁極板の突起と同じ間隔で極性
が反転するよう着磁されている。このような構成におい
て、2つのヨークに巻回されたコイル620に位相が9
0度ずれた2相の正弦波電流を供給すると、リニア・モ
ータのメカニズムによって、可動子630は電機子61
0の上を長手方向(図8に図示の矢印に示す方向)に移
動することができる。
【0058】次に、自動変速機50の動作について説明
する。エンジン1のスタート後、レンジレバーをドライ
ブレンジ(D)位置に移動すると、セレクト機構によっ
て噛み合いクラッチ6を駆動するセレクトロッド103
を選択し、リニアモータ100cを作動させて噛み合い
クラッチ6を駆動し、入力軸12に1速ドライブギヤ5
を締結し、この1速ドライブギヤ5に噛合するドリブン
1速ギヤ14を駆動する。その後、運転者がアクセルを
操作すると、そのアクセル指令値に基づいて、リニア・
モータ100aを作動してクラッチ・ロッド101aを
移動し、クラッチ・レリーズ・ベアリング206を移動
し、スプリング204の作用によってクラッチ・ディス
ク202とフライ・ホイール201を徐々に締結してい
き、エンジン出力軸3の回転が入力軸12に伝達され、
入力軸12が回転する。この入力軸12の回転によっ
て、噛み合いクラッチ6によって締結された1速ドライ
ブギヤ5の回転力がドリブン1速ギヤ14に伝達され、
このドリブン1速ギヤ14に伝達された回転力によって
駆動輪出力軸13が回転し、車輪23を回転させる。
【0059】運転者がさらにアクセルを踏むと、エンジ
ン回転数及び車速がさらに上昇し、踏み込んだアクセル
量に対応するアクセル指令値が制御装置に入力され、ア
クセル指令値と車速とからギヤ位置がドリブン1速ギヤ
14の領域を超えると、リニアモータ100cを作動さ
せて噛み合いクラッチ6を1速ドライブギヤ5との締結
を解除する。そして、リニアモータ100cを作動させ
て噛み合いクラッチ6を駆動し、入力軸12に2速ドラ
イブギヤ7を締結し、この2速ドライブギヤ7に噛合す
るドリブン2速ギヤ15を駆動する。すると、エンジン
出力軸3の回転は、入力軸12に伝達され、この入力軸
12に伝達された回転は、2速ドライブギヤ7を介して
ドリブン2速ギヤ15に伝達され、駆動輪出力軸13に
固着されているドリブン2速ギヤ15によって駆動輪出
力軸13が回転し車輪を回転させる。
【0060】このドリブン1速ギヤ14からドリブン2
速ギヤ15に変速する際に、噛み合いクラッチ6が1速
ドライブギヤ5との締結を解除した後、噛み合いクラッ
チ6が2速ドライブギヤ7に締結されるまでの間、いず
れのギヤも締結されていない無締結の状態が一時的に生
じる。このとき運転者は、アクセルを踏み込んでいるの
に加速感がなく、一時減速状態になるショックが生じ
る。この変速時に運転者が受けるショック感を解消する
ためにアシスト機構が作用する。
【0061】噛み合いクラッチ6が1速ドライブギヤ5
に締結しているときは、入力軸12に伝達されたエンジ
ン出力軸3の回転力は、1速ドライブギヤ5からドリブ
ン1速ギヤ14に伝達され、駆動輪出力軸13を回転し
ている。この状態のとき、入力軸12に直結されている
アシストドライブギヤ11は、入力軸12と共に回転し
ており、このアシストドライブギヤ11に噛合している
アシスト出力ギヤ20は、このアシストドライブギヤ1
1によって駆動輪出力軸13上を空回りしている。
【0062】噛み合いクラッチ6が1速ドライブギヤ5
との締結を解除する場合は、図2に示す如く、リニアモ
ータ100bを作動してクラッチ・ロッド101bを伸
長してプレッシャー・フランジ305を介してアシスト
クラッチ18のドリブン・プレート303をドリブン1
速ギヤ14によって駆動輪出力軸13が回転している速
度からドリブン2速ギヤ15によって駆動輪出力軸13
に与えられる回転に橋渡せるようにドライブ・プレート
302に押し付け力を調整しながらドリブン・プレート
303をドライブ・プレート302に締結していく。す
なわち、アシストクラッチ18のドリブン・プレート3
03は、噛み合いクラッチ6が1速ドライブギヤ5との
締結を解除する前にドライブ・プレート302に締結さ
れ、駆動輪出力軸13への回転がアシストされる。ドラ
イブ・プレート302の押し付け力を調整することによ
って、駆動輪出力軸13の回転を、2速ドライブギヤ7
が噛み合いクラッチ6によつて締結されたときにドリブ
ン2速ギヤ15によって駆動輪出力軸13に与えられる
回転にまで上げていき、噛み合いクラッチ6によって2
速ドライブギヤ7の締結に繋げる。これによつて、変速
時の無締結の状態のときに駆動輪出力軸13に駆動力が
作用しなくなるのを防止でき、変速時のショック感を和
らげることができる。
【0063】このアシスト機構の作用は、ドリブン1速
ギヤ14からドリブン2速ギヤ15に変速する際、ドリ
ブン2速ギヤ15からドリブン3速ギヤ16に変速する
際、ドリブン3速ギヤ16からドリブン4速ギヤ17に
変速する際も同様に作用する。
【0064】図9には、本発明の他の実施の形態を示す
自動変速機の全体構成が示されている。本実施の形態が
図1に図示の実施の形態と異なる点は、図1に図示の実
施の形態が1速ドライブギヤ5と2速ドライブギヤ7と
の間に設けられている噛み合いクラッチ6を駆動するア
クチュエータと3速ドライブギヤ8と4速ドライブギヤ
10との間に設けられている噛み合いクラッチ9を駆動
するアクチュエータとを1個のリニアモータ100cで
駆動させているのに対し、本実施の形態が1速ドライブ
ギヤ5と2速ドライブギヤ7との間に設けられている噛
み合いクラッチ6を駆動するアクチュエータと3速ドラ
イブギヤ8と4速ドライブギヤ10との間に設けられて
いる噛み合いクラッチ9を駆動するアクチュエータとを
別々のリニアモータを用いて駆動させる点で異なり、他
は図1に図示の実施の形態と同様である。
【0065】すなわち、図9に図示の実施の形態におい
ては、1速ドライブギヤ5と2速ドライブギヤ7との間
に設けられている噛み合いクラッチ6を駆動するアクチ
ュエータとしてリニアモータ100dを設けられてお
り、3速ドライブギヤ8と4速ドライブギヤ10との間
に設けられている噛み合いクラッチ9を駆動するアクチ
ュエータとしてリニアモータ100eを設けている。
【0066】図10に、ツインクラッチ自動MTのツイ
ンクラッチを駆動するにアクチュエータとしてリニア・
モータを適用した場合の構成が示されている。
【0067】1はエンジン、2はエンジン回転数セン
サ、60は電子制御スロットルであり、3はエンジン1
の出力軸である。61は湿式多板方式の第1クラッチで
あり、入力軸12に直結されている。また、62は乾式
単板方式の第2クラッチであり、第2入力軸63に直結
されている。この第2入力軸63は中空になっており、
入力軸12は、その第2入力軸63の中空部分を貫通
し、第2入力軸63に対し回転方向への相対運動が可能
な構成となっている。
【0068】入力軸12には、2速ドライブギヤ7と4
速ドライブギヤ10が固定されている。また、64は2
速ドライブギヤ7を利用して入力軸12の回転数を検出
するセンサである。また、第2入力軸63には、1速ド
ライブギヤ5と3速ドライブギヤ8が固定されており、
入力軸12に対しては、回転自在となっている。また、
76は1速ドライブギヤ5を利用して入力軸12の回転
数を検出するセンサである。また、1速ドライブギヤ
5、4速ドライブギヤ8、2速ドライブギヤ7、4速ド
ライブギヤ10はそれぞれ、ドリブン1速ギヤ14、ド
リブン3速ギヤ16、ドリブン2速ギヤ15、ドリブン
4速ギヤ17と常時噛合している。
【0069】また駆動輪出力軸13は、ドリブン1速ギ
ヤ14、ドリブン3速ギヤ16、ドリブン2速ギヤ1
5、ドリブン4速ギヤ17に対し回転方向への相対運動
が可能な構成となっており、噛み合いクラッチ65およ
び噛み合いクラッチ66を備えている。この噛み合いク
ラッチ65および噛み合いクラッチ66は、駆動輪出力
軸13の軸方向への移動は可能であるが、回転方向への
移動は制限される構成となっているため、噛み合いクラ
ッチ65および噛み合いクラッチ66に伝達されたトル
クは駆動輪出力軸13に伝達される。さらにドリブン1
速ギヤ14、ドリブン3速ギヤ16、ドリブン2速ギヤ
15、ドリブン4速ギヤ17に対し回転方向への相対運
動が可能な構成となっている。そして、このドリブン1
速ギヤ14には噛み合い歯車67とシンクロナイザリン
グ68が設けられており、ドリブン3速ギヤ16には噛
み合い歯車69とシンクロナイザリング70が設けられ
ている。このドリブン1速ギヤ14とドリブン3速ギヤ
16との間に噛み合いクラッチ65が設けられている。
また、ドリブン2速ギヤ15には噛み合い歯車71とシ
ンクロナイザリング72が設けられており、ドリブン4
速ギヤ17には噛み合い歯車73とシンクロナイザリン
グ74が設けられている。このドリブン2速ギヤ15と
ドリブン4速ギヤ17との間に噛み合いクラッチ66が
設けられている。
【0070】入力軸12から駆動輪出力軸13に動力伝
達を行う経路が第1の動力伝達系で、第2入力軸63か
ら駆動輪出力軸13に動力伝達を行う経路が第2の動力
伝達系である。この第1の動力伝達系によりエンジン1
のトルクを駆動輪出力軸13まで伝達するためには、エ
ンジン1のエンジン出力軸3と第1クラッチ61を締結
させ、第2クラッチ62を解放する。また、噛み合いク
ラッチ9をドリブン2速ギヤ15、もしくはドリブン4
速ギヤ17に締結させ入力軸12のトルクを駆動輪出力
軸13に伝達する。
【0071】いま、噛み合いクラッチ9をドリブン2速
ギヤ15に締結させる場合を例に取ると、この場合の動
力伝達経路は、エンジン1→エンジン出力軸3→第1ク
ラッチ61→入力軸12→2速ドライブギヤ7→ドリブ
ン2速ギヤ15→噛み合い歯車71→シンクロナイザリ
ング72→噛み合いクラッチ9→駆動輪出力軸13とな
る。
【0072】また、第2の動力伝達系によりエンジン1
のトルクを駆動輪出力軸13まで伝達するためには、エ
ンジン1のエンジン出力軸3と第2クラッチ62を締結
させ、第1クラッチ61を解放する。また、噛み合いク
ラッチ6をドリブン1速ギヤ14、もしくはドリブン3
速ギヤ16に締結させ第2入力軸63のトルクを駆動輪
出力軸13に伝達する。
【0073】いま、噛み合いクラッチ6をドリブン1速
ギヤ14に締結させる場合を例に取ると、この場合の動
力伝達経路は、エンジン1→エンジン出力軸3→第2ク
ラッチ62→第2入力軸63→1速ドライブギヤ5→ド
リブン1速ギヤ14→噛み合い歯車67→シンクロナイ
ザリング68→噛み合いクラッチ6→駆動輪出力軸13
となる。
【0074】このように、動力の伝達経路を2つのクラ
ッチ(第1クラッチ61、第2クラッチ62)を用いて
第1の動力伝達系と第2の動力伝達系に分ける方式をツ
インクラッチ方式と称しており、このツインクラッチ方
式では通常、第2の動力伝達系により1速と3速を、第
1の動力伝達系により2速と4速を実現するようになっ
ている。このような構成とすることで、変速切換を第1
クラッチ61と第2クラッチ62の切換で実現すること
ができ、噛み合いクラッチ6、噛み合いクラッチ9切換
時の入出力軸の回転数同期が必要最小限で済むといった
利点がある。
【0075】このようなツインクラッチ方式において、
第1クラッチ61には、通常、湿式多板クラッチが、第
2クラッチ62には、通常、乾式単板クラッチが使用さ
れるので、第1実施例と同様にアクチュエータとしてリ
ニア・モータ100f、リニア・モータ100gを利用
することができる。また、噛み合いクラッチ6、噛み合
いクラッチ9の駆動においても、第1実施例と同様にア
クチュエータとしてリニア・モータ100h、リニア・
モータ100iを利用することができる。
【0076】図11は、CVT(Continuous Variable Tra
nsmission:無段変速機)のアクチュエータとしてリニ
ア・モータを適用した場合の構成が示されている。
【0077】図において、80は、CVT(Continuous Va
riable Transmission:無段変速機)で、81は、プラ
イマリ・プーリー、82はセカンダリ・プーリーであ
り、83はVベルトである。いま、プライマリー・プー
リー81の間隔をh1とし、セカンダリ・プーリー82
の間隔をh2とすると、可動シーブ84aおよび可動シ
ーブ84bの押し付け力を調整することにより、間隔h
1およびh2を制御することができる。それぞれのプー
リーは中心方向に向かう斜面となっているので、間隔h
1とh2を制御することにより、Vベルト83を駆動す
るプライマリー・プーリー81の有効半径r1、セカン
ダリ・プーリー82の有効半径r2を制御することが可
能となり、変速比(=半径比r1:r2)を連続的に制
御することが可能となる。これらプーリーの押し付け力
を調整する可動シーブ84a、84bの駆動にもリニア
・アクチュエータ100j、100kを利用することが
可能である。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、応
答を速くすると共にアクチュエータ停止時のふらつきを
無くし、加速時におけるクラッチの締結・解放の際のシ
ョック感を和らげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す自動変速機の全体
構成図である。
【図2】図1に図示のアシスト機構の構成図である。
【図3】図1に図示の噛み合いクラッチの構成図であ
る。
【図4】図1に図示の発進クラッチの構成図である。
【図5】図1に図示のアクチュエータとしてのリニアモ
ータの全体構成斜視図である。
【図6】図5に図示のリニアモータの正面図である。
【図7】図1に図示のアクチュエータとしての他のリニ
アモータの全体構成斜視図である。
【図8】図7に図示のリニアモータの正面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態を示す自動変速機の全
体構成図である。
【図10】ツインクラッチ自動MTのツインクラッチを
駆動するにアクチュエータとしてリニア・モータを適用
した場合の構成図である。
【図11】CVT(無段変速機)のアクチュエータとして
リニア・モータを適用した場合の構成図である。
【符号の説明】
1…………………エンジン 3…………………エンジン出力軸 4…………………発進クラッチ 5…………………1速ドライブギヤ 6…………………噛み合いクラッチ 7…………………2速ドライブギヤ 8…………………3速ドライブギヤ 9…………………噛み合いクラッチ 10………………4速ドライブギヤ 11………………アシストドライブギヤ 12………………入力軸 13………………駆動輪出力軸 14………………ドリブン1速ギヤ 15………………ドリブン2速ギヤ 16………………ドリブン3速ギヤ 17………………ドリブン4速ギヤ 18………………アシストクラッチ 19………………プレート 20………………アシスト出力ギヤ 50………………自動変速機 101……………入力軸 102……………回転子 103……………固定子 104……………ストライキングロッド 105……………セレクトロッド 106……………セレクトロッド 510……………磁極 520……………磁極 530……………電機子 540……………電機子巻線 550……………電機子鉄心 560……………可動子 570……………永久磁石 580……………ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:50 F16H 59:50 (72)発明者 箕輪 利通 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 岡田 隆 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 萱野 光男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 越智 辰哉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 3J067 AA21 AB23 AC03 AC05 BA13 BA58 BB04 CA02 CA09 DB32 EA04 FB01 GA01 3J552 MA04 MA13 NA01 NB04 PA02 QB07 RB15 SA26 SA30 VB01W VD02W

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力軸からエンジン駆動力を発
    進クラッチを介して導入する入力軸と、ドライブギヤ
    と、複数の噛み合いクラッチと、駆動力を車輪に伝達す
    る駆動輪出力軸と、複数のドリブンギヤとを備え、エン
    ジンの動力を受けて入力軸を回転し、該入力軸を回転さ
    せることによって前記駆動輪出力軸を回転し、前記噛み
    合いクラッチによって速度に合わせたドリブンギヤを締
    結・解除せしめて自動変速し該入力軸の回転をドライブ
    ギヤを介して駆動輪出力軸に伝達する噛み合い式の自動
    変速機であって、 前記変速の際にギヤを解除し、新しいギヤを締結するま
    での間、前記入力軸の回転をアシストギヤを介して前記
    入力軸の回転動力を駆動輪出力軸に伝達するアシスト機
    構を前記入力軸に設け、前記複数の噛み合いクラッチを
    リニアモータで構成したことを特徴とする自動変速機。
  2. 【請求項2】 エンジン出力軸からエンジン駆動力を発
    進クラッチを介して導入する入力軸と、ドライブギヤ
    と、複数の噛み合いクラッチと、駆動力を車輪に伝達す
    る駆動輪出力軸と、複数のドリブンギヤとを備え、エン
    ジンの動力を受けて入力軸を回転し、該入力軸を回転さ
    せることによって前記駆動輪出力軸を回転し、前記噛み
    合いクラッチによって速度に合わせたドリブンギヤを締
    結・解除せしめて自動変速し該入力軸の回転をドライブ
    ギヤを介して駆動輪出力軸に伝達する噛み合い式の自動
    変速機であって、 前記変速の際にギヤを解除し、新しいギヤを締結するま
    での間、前記入力軸の回転をアシストギヤを介して前記
    入力軸の回転動力を駆動輪出力軸に伝達するアシスト機
    構を前記入力軸に設けると共に、該アシスト機構をリニ
    アモータで構成したことを特徴とする自動変速機。
  3. 【請求項3】 エンジン出力軸からエンジン駆動力を発
    進クラッチを介して導入する入力軸と、ドライブギヤ
    と、複数の噛み合いクラッチと、駆動力を車輪に伝達す
    る駆動輪出力軸と、複数のドリブンギヤとを備え、エン
    ジンの動力を受けて入力軸を回転し、該入力軸を回転さ
    せることによって前記駆動輪出力軸を回転し、前記噛み
    合いクラッチによって速度に合わせたドリブンギヤを締
    結・解除せしめて自動変速し該入力軸の回転をドライブ
    ギヤを介して駆動輪出力軸に伝達する噛み合い式の自動
    変速機であって、 前記変速の際にギヤを解除し、新しいギヤを締結するま
    での間、前記入力軸の回転をアシストギヤを介して前記
    入力軸の回転動力を駆動輪出力軸に伝達するアシスト機
    構を前記入力軸に設け、 前記複数の噛み合いクラッチをリニアモータで構成する
    と共に前記アシスト機構をリニアモータで構成したこと
    を特徴とする自動変速機。
  4. 【請求項4】 前記アシスト機構は、前記噛み合いクラ
    ッチの切替指令が出力されるとドリブンギヤと現在締結
    している噛み合いクラッチが完全に解放される以前に締
    結し始め、該噛み合いクラッチが締結しているドリブン
    ギヤから完全に解放されたときエンジントルクに応じて
    締結され入力軸の回転動力を駆動輪出力軸に伝達し、切
    替指令に基づいて締結しようとしているドリブンギヤに
    噛み合いクラッチが締結したときに解放するようにした
    ものである請求項1、2又は3に記載の自動変速機。
  5. 【請求項5】 前記発進クラッチをリニアモータで構成
    したことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の
    自動変速機。
  6. 【請求項6】 前記リニアモータは、電機子と、磁性を
    有する可動子とからなり、前記電機子が少なくとも第1
    の対向部を有する第1極性の磁極と第2の対向部を有す
    る第2極性の磁極とを有し、前記可動子が前記第2の対
    向部に挟持されるように構成したものである請求項1、
    2、3、4又は5に記載の自動変速機。
  7. 【請求項7】 前記リニアモータは、電機子と、磁性を
    有する可動子とからなり、前記電機子と前記可動子との
    相互作用により、前記可動子の移動方向と垂直方向にお
    ける相対位置が保持されるように構成したものである請
    求項1、2、3、4又は5に記載の自動変速機。
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