JP2002021062A - ソイルセメント合成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空管の外径よりも周方向に延出した状態で
掘削攪拌翼を仮固定するために、シャーピンを用いず、
作業効率及び作業性が良好な、ソイルセメント合成杭造
成装置の掘削攪拌翼保持装置を提供すること。 【解決手段】 中空管４に挿通し、かつ下端に杭坑底面
を掘削する掘削翼５を取り付けた掘削攪拌ロッド１に配
設したブラケット１１に、中空管４の外径よりも周方向
に延出する掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂの基端部２１を揺動可
能に軸支し、さらに、基端部２１にカム３９を配設し、
このカム３９に当接することにより、掘削攪拌翼２Ａ，
２Ｂの水平掘削攪拌位置からの揺動を規制するための皿
ばね３５により付勢された付勢部材３６をブラケット１
１に配設するとともに、付勢部材３６を付勢する皿ばね
３５の付勢力を解除する調整ボルト３３をブラケット１
１に併設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の基礎等に
適用されるソイルセメント合成杭造成装置の掘削攪拌翼
保持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建造物の基礎等に適用されるソイ
ルセメント合成杭を造成するために、図９に示すような
ソイルセメント合成杭造成装置が用いられている（例え
ば、特開平３−２１２５０６号公報参照）。このソイル
セメント合成杭造成装置は、鋼管等の中空管４に挿通す
る掘削攪拌ロッド１の下部に、中空管４の下端から掘削
土の流動を許容する所定の間隙を有して、中空管４の外
径よりも周方向に延出する、複数組の掘削攪拌翼２を、
各掘削攪拌翼２の基端部２１を、掘削攪拌ロッド１に形
成したブラケット１１に、軸２２を介して揺動可能に、
かつ、各掘削攪拌翼２，２間に掘削土の流動を許容する
所定の間隙を設けて、掘削攪拌ロッド１に固定して配設
し、さらに、各掘削攪拌翼２の基端部２１と掘削攪拌ロ
ッド１に形成したブラケット１１との間に、シャーピン
Ｐを配することにより、各掘削攪翼２の基端部２１を軸
２２を介して掘削攪拌ロッド１に形成したブラケット１
１に揺動可能に配設した掘削攪拌翼２を、中空管４の外
径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位置で仮固定で
きるように構成されている。

【０００３】そして、掘削攪拌ロッド１を回転駆動する
ことによって、掘削攪拌翼２を回転させながら、掘削攪
拌ロッド１の下端に形成した硬化性注入材の注入口１５
から掘削土中に硬化性注入材を注入して、掘削土と硬化
性注入材とを攪拌してソイルセメントを形成しながら、
中空管４と掘削攪拌ロッド１を降下させて地盤Ｇを所定
深度まで掘削する。その後、掘削攪拌ロッド１を少し引
き上げることにより、掘削攪拌翼２を中空管４の下端に
当接させることによって、各掘削攪拌翼２の基端部２１
と掘削攪拌ロッド１に形成したブラケット１１との間に
配したシャーピンＰを切断し、掘削攪拌翼２を揺動、縮
径して中空管４内を通過できるようにし、地盤Ｇ中に中
空管４を残して掘削攪拌ロッド１を引き抜いて掘削攪拌
翼２を掘削攪拌ロッド１と共に地上に回収するようにし
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のソイ
ルセメント合成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置は、掘
削攪拌翼の基端部と掘削攪拌ロッドに形成したブラケッ
トとの間に、シャーピンを配することにより、各掘削攪
拌翼の基端部を軸を介して掘削攪拌ロッドに形成したブ
ラケットに揺動可能に配設した掘削攪拌翼を、中空管の
外径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位置で仮固定
できるように構成しているが、掘削攪拌翼を仮固定する
ために用いるシャーピンは、１本のソイルセメント合成
杭を造成する毎に折れるため、シャーピンをその都度交
換、すなわち、更新する必要があり、作業性が低下する
という問題があった。

【０００５】この問題点を改善するために、本件出願人
は、先に、中空管の外径よりも周方向に延出した状態で
掘削攪拌翼を仮固定するために、シャーピンを用いず、
掘削攪拌翼を、中空管の外径よりも周方向に延出する水
平掘削攪拌位置と、中空管の内径よりも縮径する傾斜位
置とに、選択的に位置するように付勢する引張ばねを配
設した掘削攪拌翼保持装置を提案した（特願平１１−４
９８４８号）。

【０００６】この掘削攪拌翼保持装置は、１本のソイル
セメント合成杭を造成する毎に、シャーピンを交換する
必要がなく、作業効率を高めることができる利点を有す
る反面、掘削攪拌翼を、１本のソイルセメント合成杭を
造成する毎に、中空管の内径よりも縮径した傾斜位置か
ら中空管の外径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位
置に復帰させる必要があるが、この際、比較的大きな力
を必要とし、作業性が若干悪いという問題があった。

【０００７】本発明は、中空管の外径よりも周方向に延
出した状態で掘削攪拌翼を仮固定するために、シャーピ
ンを用いず、作業効率及び作業性が良好な、ソイルセメ
ント合成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のソイルセメント合成杭造成装置の掘削攪拌
翼保持装置は、中空管に挿通し、かつ下端に杭坑底面を
掘削する掘削翼を取り付けた掘削攪拌ロッドに配設した
ブラケットに、中空管の外径よりも周方向に延出する掘
削攪拌翼の基端部を揺動可能に軸支してなるソイルセメ
ント合成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置において、掘
削攪拌翼の基端部にカムを配設し、該カムに当接するこ
とにより、掘削攪拌翼の水平掘削攪拌位置からの揺動を
規制するためのばねにより付勢された付勢部材をブラケ
ットに配設するとともに、前記付勢部材を付勢するばね
の付勢力を解除する調整ボルトをブラケットに併設して
なることを特徴とする。

【０００９】このソイルセメント合成杭造成装置の掘削
攪拌翼保持装置は、掘削攪拌翼の基端部にカムを配設
し、このカムに当接することにより、掘削攪拌翼の水平
掘削攪拌位置からの揺動を規制するためのばねにより付
勢された付勢部材をブラケットに配設するとともに、付
勢部材を付勢するばねの付勢力を解除する調整ボルトを
ブラケットに併設するようにしているため、シャーピン
を用いずに、掘削攪拌翼を、中空管の外径よりも周方向
に延出する水平掘削攪拌位置と、中空管の内径よりも縮
径する傾斜位置とに、選択的に位置させることができる
とともに、ブラケットに併設した調整ボルトを操作する
ことにより、付勢部材を付勢するばねの付勢力を解除す
ることにより、小さな力で、中空管の内径よりも縮径し
た傾斜位置から中空管の外径よりも周方向に延出する水
平掘削攪拌位置に復帰させることができる。

【００１０】この場合において、付勢部材を付勢するば
ねに、皿ばねを用いることができる。

【００１１】これにより、掘削攪拌翼保持装置をコンパ
クトに構成することができ、掘削攪拌翼の周囲に十分な
掘削攪拌領域を確保することができ、掘削攪拌の信頼性
を向上することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明のソイルセメント合
成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１３】図１〜図８に、本発明のソイルセメント合
成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置の一実施例を示す。

【００１４】このソイルセメント合成杭造成装置は、鋼
管、鉄筋コンクリート管等の中空管４に挿通する掘削攪
拌ロッド１の下部に、中空管４の下端から掘削土の流動
を許容する所定の間隙を有して、中空管４の外径よりも
周方向に延出する複数組（特に限定されるものではない
が、本実施例においては４組）の掘削攪拌翼２Ａ，２
Ｂ，２Ｂ，２Ｂを、一方（特に限定されるものではない
が、本実施例においては最上段の１組）の掘削攪拌翼２
Ａを攪拌専用（本明細書においては、攪拌専用のものも
含め「掘削攪拌翼」といい、本発明のソイルセメント合
成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置は、この構成を排除
するものではない。）とし、この掘削攪拌翼２Ａの基端
部２１を、掘削攪拌ロッド１に遊転するように遊嵌した
従動機構のパイプ部材１０（本発明のソイルセメント合
成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置は、このように掘削
攪拌ロッド１に間接的に掘削攪拌翼２Ａを配設する構成
を排除するものではない。）に形成したブラケット１０
１に、他方（特に限定されるものではないが、本実施例
においては３組）の掘削攪拌翼２Ｂ，２Ｂ，２Ｂの基端
部２１を、掘削攪拌ロッド１に形成したブラケット１１
に、それぞれ軸２２を介して揺動可能に、かつ、各掘削
攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂ間に掘削土の流動を許容
する所定の間隙を設けて配設するようにする。

【００１５】これにより、最上段に配設した攪拌専用の
掘削攪拌翼２Ａは、掘削攪拌ロッド１に遊転するよう
に、他方の掘削攪拌翼２Ｂ，２Ｂ，２Ｂは、掘削攪拌ロ
ッド１に固定して配設され、そして、図１に示すよう
に、ベースマシン７に配設した電動機又は油圧モータ、
減速機等からなる回転駆動機構８により中空管４と掘削
攪拌ロッド１をそれぞれ逆方向に回転駆動するようにし
て、一方の掘削攪拌翼２Ａを従動機構のパイプ部材１０
を介して中空管４に従動させて中空管４と同方向に、他
方の掘削攪拌翼２Ｂ，２Ｂ，２Ｂを掘削攪拌ロッド１と
同方向に、それぞれ回転させるようにするとともに、硬
化性注入材の注入機構（図示省略）から、掘削攪拌ロッ
ド１の中空部及び下端に形成した硬化性注入材の注入口
１５を介して、掘削土中にセメントミルク等の硬化性注
入材を注入するように構成している。

【００１６】本実施例においては、各掘削攪拌翼２Ａ，
２Ｂ，２Ｂ，２Ｂは、それぞれ、掘削攪拌ロッド１を挟
んで１８０°の対称位置で周方向に延出するように配設
しているが、これに限定されず、例えば、１２０°又は
９０°の対称位置で周方向に延出するように、さらには
その延出方向も任意に配設することもできる。

【００１７】各掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂは、
基端部２１を、パイプ部材１０又は掘削攪拌ロッド１に
形成したブラケット１０１，１１に、軸２２を介して取
り付けることにより、中空管４の外径よりも周方向に延
出する水平掘削攪拌位置と、中空管４の内径よりも縮径
する傾斜位置との間で揺動可能に配設するようにする。

【００１８】この場合において、図５〜図７に示すよう
に、掘削攪拌翼２Ｂ（以下、掘削攪拌翼２Ｂについて説
明するが、掘削攪拌翼２Ａも同様である。）の基端部２
１に、掘削攪拌翼保持装置３として、ストッパ３８及び
カム３９を配設し、このカム３９に当接することによ
り、掘削攪拌翼２Ｂの水平掘削攪拌位置からの揺動を規
制するための皿ばね３５により付勢された付勢部材３６
をブラケット１１に配設するとともに、付勢部材３６を
付勢する皿ばね３５の付勢力を解除する調整ボルト３３
をブラケット１１に併設するようにする。

【００１９】これにより、掘削攪拌翼２Ｂを、中空管４
の外径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位置と、中
空管４の内径よりも縮径する傾斜位置とに、選択的に位
置させることができるようにするとともに、ブラケット
１１に併設した調整ボルト３３を操作することにより、
付勢部材３６を付勢する皿ばね３５の付勢力を解除する
ことにより、小さな力で、中空管４の内径よりも縮径し
た傾斜位置から中空管４の外径よりも周方向に延出する
水平掘削攪拌位置に復帰させることができるようにす
る。

【００２０】ところで、本実施例において、掘削攪拌翼
保持装置３は、皿ばね３５及び付勢部材３６を収容する
ケーシング３１を、掘削攪拌ロッド１のブラケット１
１，１１に固定するとともに、付勢部材３６を、皿ばね
３５及びばね押え板３４を介して、取付ボルト３７にて
ケーシング３１に固定した調整板３２に螺合した調整ボ
ルト３３により、付勢することができるように構成して
いる。

【００２１】また、掘削攪拌翼２Ｂの基端部２１に配設
するストッパ３８は、ブラケット１１，１１に固定した
ケーシング３１の底面に当接することにより、掘削攪拌
の際の掘削攪拌翼２Ｂにかかる掘削攪拌ロッド１の軸方
向の荷重を支持し、掘削攪拌翼２２Ｂを、中空管４の外
径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位置に保持する
ことができるように構成している。

【００２２】また、カム３９は、掘削攪拌翼２Ｂを、中
空管４の外径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位置
と、中空管４の内径よりも縮径する傾斜位置とに、選択
的に位置させることができるように、掘削攪拌翼２Ｂが
中空管４の外径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位
置にあるとき、付勢部材３６が当接する面を平面に形成
し、掘削攪拌作業が完了した後、油圧シリンダ等からな
る駆動機構９により、掘削攪拌ロッド１と中空管４と
を、回転駆動機構８に取り付けた状態で、軸方向に相対
的に移動、具体的には、中空管４を押し下げて、掘削攪
拌翼２Ｂに、中空管４の下端を当接させることによっ
て、掘削攪拌翼２Ｂを、中空管４の外径よりも周方向に
延出する水平掘削攪拌位置から、中空管４の内径よりも
縮径する傾斜位置に円滑に揺動、縮径することができる
ように、前記平面に続く付勢部材３６が当接する面を曲
面に形成し、傾斜位置において付勢部材３６がカム３９
に当接しなくなるように構成している。

【００２３】そして、掘削攪拌ロッド１の先端には、中
空管４の内径よりも小径の、多数の掘削爪５１を備えた
掘削翼５を固定して配設し、さらに必要に応じて、掘削
攪拌翼２Ｂのアーム２３にも、掘削爪２４を備えるよう
にする。

【００２４】また、一方の掘削攪拌翼２Ａを中空管４に
従動させて中空管４と同方向に回転するようにする従動
機構は、掘削攪拌ロッド１に遊転するように遊嵌した、
下端部に掘削攪拌翼２Ａを軸支するブラケット１０１を
突設したパイプ部材１０の上端部に突設した、中空管４
の内径よりも若干短い長さの反力アーム４２と、この反
力アーム４２の先端部分が当接するように中空管４の内
周面に突設した反力板４１とで構成するようにする。

【００２５】これにより、回転駆動機構８により中空管
４を回転駆動することにより、従動機構を介して、一方
の掘削攪拌翼２Ａを円滑に従動させて回転することがで
きるとともに、中空管４の内径よりも若干短い長さに形
成した反力アーム４２の先端によって、掘削攪拌ロッド
１を中空管４の中心位置に保持して、中空管４と造成さ
れるソイルセメント柱の中心位置を一致させることがで
きるものとなる。

【００２６】ベースマシン７に配設した電動機又は油圧
モータ、減速機等からなる回転駆動機構８は、中空管４
と掘削攪拌ロッド１をそれぞれ逆方向に回転駆動するこ
とができるように構成するが、ソイルセメント合成杭の
造成を効率よく行うことができるように、回転駆動機構
８と中空管４及び掘削攪拌ロッド１とは、容易に接続・
分離できるよう回転駆動機構８側に取り付けたキャップ
８１と中空管４の外周面に突設した突起（図示省略）か
らなる嵌合構造の接続機構やピン接続機構を介して接続
するようにする。

【００２７】また、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂ
に、中空管４を押し下げることにより中空管４の下端を
当接させることによって、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２
Ｂ，２Ｂを、水平掘削攪拌位置から傾斜位置に揺動、縮
径するようにするため、掘削攪拌ロッド１と中空管４と
を、回転駆動機構８に取り付けた状態で、軸方向に相対
的に移動することができるようにする、油圧シリンダ等
からなる駆動機構９を配設するようにする。

【００２８】次に、このソイルセメント合成杭造成装置
の掘削攪拌翼保持装置の動作方法について説明する。掘
削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂが水平掘削攪拌位置に
あるときは、掘削攪拌の際の掘削攪拌翼２Ｂにかかる掘
削攪拌ロッド１の軸方向の荷重を支持し、掘削攪拌翼２
２Ｂを、中空管４の外径よりも周方向に延出する水平掘
削攪拌位置に保持することができるように、掘削攪拌翼
２Ｂの基端部２１に配設するストッパ３８が、ブラケッ
ト１１，１１に固定したケーシング３１の底面に当接す
るとともに、カム３９の平面に付勢部材３６が当接する
している。この状態で、掘削攪拌ロッド１と中空管４と
が逆回転駆動されることにより、掘削が行われる。な
お、この場合、付勢部材３６を付勢する皿ばね３５の付
勢力、すなわち、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂを
水平掘削攪拌位置に保持しようとする保持力は、調整ボ
ルト３３による皿ばね３５の押圧力を調整することによ
り調整することができる。

【００２９】このようにして、地盤Ｇを所定深度まで掘
削しながら、所定時間、回転駆動機構８により中空管４
と掘削攪拌ロッド１をそれぞれ逆方向に回転して、一方
の掘削攪拌翼２Ａを従動機構３を介して中空管４に従動
させて中空管４と同方向に、他方の掘削攪拌翼２Ｂ，２
Ｂ，２Ｂを掘削攪拌ロッド１と同方向に、それぞれ回転
させるとともに、掘削攪拌ロッド１の下端に形成した硬
化性注入材の注入口６から硬化性注入材を注入して、掘
削土と硬化性注入材とを攪拌してソイルセメントを形成
する。

【００３０】その後、駆動機構９に配設された油圧シリ
ンダ１Ａにより、掘削攪拌ロッド１と回転駆動機構８に
取り付けた中空管４とを、軸方向に相対的に移動、具体
的には、中空管４を押し下げて、掘削攪拌翼２Ａ，２
Ｂ，２Ｂ，２Ｂに、中空管４の下端を順次当接させるこ
とによって、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂを、中
空管４の外径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位置
から、中空管４の内径よりも縮径する傾斜する位置に揺
動、縮径するようにして中空管４内を通過できるように
した掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂを、掘削攪拌ロ
ッド１と共に地上に回収して、ソイルセメント合成杭の
造成を完了する。この工程を繰り返すことにより、順次
ソイルセメント合成杭の造成を行うことができる。

【００３１】掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂの縮径
は、中空管４を押し下げて、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２
Ｂ，２Ｂに、中空管４の下端を順次当接させることによ
って行うが、この際、図８（Ｂ）に示すように、掘削攪
拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂのアーム２３が中空管４の
下端にて押し下げられると、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２
Ｂ，２Ｂが、軸２２を中心として揺動する。そして、付
勢部材３６は、カム３９に当接しながらカム３９の表面
を摺動し、カム３９の端部に達し、カム面より離間する
と、付勢部材３６による付勢力が完全に解除されるた
め、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂはその自重によ
り垂れ下がるようになり、中空管４の内径よりも小径に
縮径され、中空管４内を通過させることにより、掘削攪
拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂを、掘削攪拌ロッド１と共
に地上に回収することができる。

【００３２】そして、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２
Ｂを、掘削攪拌ロッド１と共に地上に回収した後、再び
掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂを水平掘削攪拌位置
に復帰させるには、そのままでは、付勢部材３６を付勢
する皿ばね３５の付勢力に抗するための大きな力を必要
とし、作業性が悪いため、調整ボルト３３を皿ばね３５
の付勢力を緩める方向に操作することにより、付勢部材
３６を付勢する皿ばね３５の付勢力を解除することによ
り、小さな力で、掘削攪拌翼２Ａ，２Ｂ，２Ｂ，２Ｂを
中空管４の外径よりも周方向に延出する水平掘削攪拌位
置に復帰させることができる。

【００３３】

【発明の効果】本発明のソイルセメント合成杭造成装置
の掘削攪拌翼保持装置によれば、掘削攪拌翼の基端部に
カムを配設し、このカムに当接することにより、掘削攪
拌翼の水平掘削攪拌位置からの揺動を規制するためのば
ねにより付勢された付勢部材をブラケットに配設すると
ともに、付勢部材を付勢するばねの付勢力を解除する調
整ボルトをブラケットに併設するようにしているため、
シャーピンを用いずに、掘削攪拌翼を、中空管の外径よ
りも周方向に延出する水平掘削攪拌位置と、中空管の内
径よりも縮径する傾斜位置とに、選択的に位置させるこ
とができるとともに、ブラケットに併設した調整ボルト
を操作することにより、付勢部材を付勢するばねの付勢
力を解除することにより、小さな力で、中空管の内径よ
りも縮径した傾斜位置から中空管の外径よりも周方向に
延出する水平掘削攪拌位置に復帰させることができ、ソ
イルセメント合成杭の造成作業時の作業効率及び作業性
を良好にできる。

【００３４】また、付勢部材を付勢するばねに、皿ばね
を用いることにより、掘削攪拌翼保持装置をコンパクト
に構成することができ、掘削攪拌翼の周囲に十分な掘削
攪拌領域を確保することができ、掘削攪拌の信頼性を向
上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のソイルセメント合成杭造成装置の一実
施例を示す側面図である。

【図２】同ソイルセメント合成杭造成装置の掘削攪拌翼
が水平掘削攪拌位置にある状態を示す要部の正面図であ
る。

【図３】同側面図である。

【図４】同平面図である。

【図５】ソイルセメント合成杭造成装置の掘削攪拌翼が
水平掘削攪拌位置にある状態を示す正面図である。

【図６】掘削攪拌翼保持装置を拡大した断面図である。

【図７】同掘削攪拌翼保持装置を拡大した側面図であ
る。

【図８】掘削攪拌翼の揺動動作時を示し、（Ａ）は掘削
攪拌翼が水平掘削攪拌位置にある状態を、（Ｂ）は掘削
攪拌翼が縮径した傾斜位置にある状態を示す断面図であ
る。

【図９】従来のソイルセメント合成杭造成装置の掘削攪
拌翼が水平掘削攪拌位置にある状態を示す要部の正面図
である。

【符号の説明】

１ 掘削攪拌ロッド １１ ブラケット １２ 攪拌翼取付台 ２Ａ 掘削攪拌翼 ２Ｂ 掘削攪拌翼 ２１ 基端部 ２２ 軸 ２３ アーム ２４ 掘削爪 ３ 掘削攪拌翼保持装置 ３１ ケーシング ３２ 調整板 ３３ 調整ボルト ３４ ばね押え板 ３５ 皿ばね ３６ 付勢部材 ３７ 取付ボルト ３８ ストッパ ３９ カム ４ 中空管 ５ 掘削翼

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2D040 AB05 CA01 EA12 EA14 EA15 EA18 2D041 AA03 BA44 CB06 DA13 DB02 DB06 EB05 FA03

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空管に挿通し、かつ下端に杭坑底面を
   掘削する掘削翼を取り付けた掘削攪拌ロッドに配設した
   ブラケットに、中空管の外径よりも周方向に延出する掘
   削攪拌翼の基端部を揺動可能に軸支してなるソイルセメ
   ント合成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置において、掘
   削攪拌翼の基端部にカムを配設し、該カムに当接するこ
   とにより、掘削攪拌翼の水平掘削攪拌位置からの揺動を
   規制するためのばねにより付勢された付勢部材をブラケ
   ットに配設するとともに、前記付勢部材を付勢するばね
   の付勢力を解除する調整ボルトをブラケットに併設して
   なることを特徴とするソイルセメント合成杭造成装置の
   掘削攪拌翼保持装置。
2. 【請求項２】 付勢部材を付勢するばねに、皿ばねを用
   いたことを特徴とする請求項１記載のソイルセメント合
   成杭造成装置の掘削攪拌翼保持装置。