JP2002020632A - 抗菌性樹脂組成物 - Google Patents
抗菌性樹脂組成物Info
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Abstract
成物を提供する。 【解決手段】 樹脂(A)に、銀、銅、亜鉛および錫か
らなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを
ゼオライトに担持させた抗菌剤(B)と、銀イオンを含
有するリン酸塩系化合物を有効成分とする抗菌剤(C)
または銀イオンを含有する溶解性ガラス粉末からなる抗
菌剤(D)とを配合することを特徴とする。
Description
関する。更に詳しくは、優れた抗菌性を有するととも
に、分散性及び耐変色性に優れた抗菌性樹脂組成物に関
する。
た、高付加価値製品を追求する消費者のニーズに伴い、
ボールペン、消しゴムなどの文房具、マナイタなどの台
所用品あるいは風呂桶などの風呂場用品などの日用雑貨
品、電話機、炊飯器、冷蔵庫などの家電製品、床材、壁
材などの建築資材、シーツ、パジャマ、白衣、カーテン
などの繊維製品などのあらゆる分野において抗菌化が進
められている。
つはプラスチック成形品、合成繊維、フィルムなどの製
品の製造段階で樹脂中に抗菌剤を添加混練する方法であ
る。この方法で得られた抗菌性製品の抗菌性は、長期間
に亘って持続する。他の1つはこれらの製品を、抗菌剤
を含有するコーティング剤で被覆処理する方法である。
この方法で得られた抗菌性製品は、使用により被覆層が
脱落するため、徐々に抗菌性が低下する傾向がある。ど
ちらの方法を採用するは商品素材、商品の製造条件、要
求特性、使用する抗菌剤の種類などにより適宜選択され
る。
機系抗菌剤とに分類される。有機系抗菌剤は、人体に対
する安全性に不安があり、また抗菌力も十分でないもの
が多い。これに対し、無機系抗菌剤は銀イオンに代表さ
れる金属イオンを用いており、安全性と抗菌力に優れて
いる。従って、一般には、上記製品には、無機系抗菌剤
が配合され、使用されている。
の抗菌活性は、使用する金属イオンの溶出速度に依存す
る。金属イオンを用いる無機抗菌剤を樹脂に配合して用
いる場合、金属イオンが樹脂中の触媒残渣、酸化防止
剤、光安定剤などの添加剤と反応して、抗菌力を低下さ
せると同時に、光や熱により樹脂が変色するという問題
がある。
どで成形される樹脂の場合にあっては、マスターバッチ
成形時に抗菌剤を添加するのが一般的であるが、樹脂中
及び樹脂表面に抗菌剤を効率良く分散配合させること
が、抗菌性能を最大限に発揮させるには必要である。
黄褐色に変色することがなく、樹脂中への分散性に優
れ、優れた抗菌性を発揮する樹脂組成物が求められてい
る。
解決するべく鋭意研究の結果、特定の抗菌剤を組み合わ
せることにより、各々の抗菌剤の欠点が補完されるとと
もに、各々の作用が相乗的に発揮され、上記課題が解決
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
よび錫からなる群から選択される少なくとも1種の金属
イオンをゼオライトに担持させた抗菌剤(B)と、銀イ
オンを含有するリン酸塩系化合物を有効成分とする抗菌
剤(C)または銀イオンを含有する溶解性ガラス粉末
(D)を配合した、抗菌性樹脂組成物に関する。
100重量部に対して、抗菌剤(B)が0.01〜10
重量部、抗菌剤(C)が0.01〜10重量部配合され
ている。
樹脂(A)100重量部に対して、抗菌剤(B)が0.
01〜10重量部、抗菌剤(D)が0.01〜10重量
部配合されている。
(A)が熱可塑性樹脂であり、さらに好ましい態様で
は、この熱可塑性樹脂がポリオレフィンである。
しては特に制限はなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、再生または半合成ポリマーなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコー
ル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABS樹脂、
アクリル樹脂、ふっ素樹脂、ポリウレタンエラストマ
ー、ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。熱硬
化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂などが挙げられる。再生または半合成ポリマ
ーとしては、レーヨン、キュプラ、アセテート、トリア
セテートなどが挙げられる。
ッタ触媒の塩素化合物系残渣(四塩化チタン、三塩化チ
タンなど)、難燃剤などの塩素含有添加剤(塩素化パラ
フィン、パークロロペンタシクロデカンなど)を含有
し、抗菌剤の配合により変色し易いが、本発明に用いら
れる抗菌剤(B)と、抗菌剤(C)または(D)とを配
合することにより、顕著に変色が抑制され、抗菌性も高
まるため、本発明に用いた場合、特に顕著な効果が認め
られるので、本発明に用いる樹脂として好適である。
いが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフ
ィンの単独重合体、エチレンとプロピレンまたは他のα
−オレフィンとの共重合体、もしくはこれらのα−オレ
フィンの2種以上の共重合体などが挙げられる。これら
の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポ
リエチレン及びポリプロピレンが好ましい。ポリプロピ
レンはホモポリマーに限られず、プロピレン成分を50
モル%以上、好ましくは80モル%以上含む他のα−オ
レフィンとのランダムまたはブロック共重合体も使用す
ることができる。プロピレンに共重合するコモノマーと
してはエチレンその他のα−オレフィンがあり、エチレ
ンが特に好ましい。
銅、亜鉛および錫からなる群から選択される少なくとも
1種の金属イオンをゼオライトに担持させている。この
抗菌剤(B)は、米国EPAのガイドラインに基づく毒
性、環境に対する影響の試験でも安全性が確認されてい
るという特徴を有するうえ、ゼオライト系であるので硬
度が2〜3と小さく、結晶水を含むという特徴がある。
この結晶水を含む特徴によって、抗菌剤(B)は樹脂練
り込み時に発熱を抑制する長所を有している反面、ポリ
エステルに練り込んだ場合に解重合が生じるという欠点
がある。
の抗菌剤(C)または抗菌剤(D)と混合することで解
消され、抗菌力も向上する。
ば、特開昭62−241832号公報、特公昭63−2
8402号公報に記載された抗菌剤が挙げられる。抗菌
剤(B)の平均粒子径は、0.2〜10μmが好まし
い。より好ましくは 2〜5μmである。平均粒子径が
0.2μm未満であるか、あるいは10μmを超える
と、抗菌剤(C)または(D)の分散性を改良すること
ができない。市販品としては、例えば、「商品名バクテ
キラー:鐘紡株式会社製」が挙げられる。
オンを含有するリン酸塩系化合物を有効成分としてなる
抗菌剤である。例えば、特公平6−10126号公報に
記載されたものが挙げられる。好ましい抗菌剤(C)
は、下記の一般式で示される化合物を有効成分とする。 AgxHyAzM2(PO4)3 (Aはアルカリ金属を、MはZr、TiまたはSnを表
し、x、y、およびzはそれぞれ1未満の正数で、かつ
x+y+z=1である。)。
て、樹脂の変色が小さく、また結晶水を持たないという
利点を有するが、金属として含有するジルコニウムやチ
タン化合物は硬度が高く、練り込み時に製造機械の汚れ
を持ち込みやすい、および抗菌性がやや小さいという欠
点がある。
の抗菌剤(B)と混合することで解消される。この抗菌
剤(C)の平均粒子径は、0.3〜5μmが好ましい。
より好ましくは0.5〜2μmである。0.3μm未満
では、樹脂添加時における分散不良が起こりやすくな
る。5μmを超えると、成形品の機械的物性が低下す
る。
オンを含有する溶解性ガラス粉末からなる抗菌剤であ
る。このような抗菌剤(D)としては、例えば、特開平
3−124810号公報に記載されたも抗菌剤が挙げら
れる。この抗菌剤(D)は樹脂を変色させない、結晶水
を持たない、組成比の自由度が高いなどの利点を有する
反面、粒子形状が不均一で、硬度が大きいため、分散性
に劣り、練り込み時に製造機械の汚れを持ち込みやすい
という欠点がある。しかし、この抗菌剤(D)の欠点
は、上述の抗菌剤(B)と混合することで解消される。
抗菌剤(D)の平均粒子径は、0.3〜10μmが好ま
しい。より好ましくは0.5〜2μmである。0.3μ
m未満では、樹脂添加時における分散不良が起こりやす
くなる。10μmを超えると、成形品の機械的物性が低
下する。
抗菌剤(B)および(C)からなる場合、好ましくは、
樹脂(A)100重量部に対して、抗菌剤(B)が0.
01〜10重量部、抗菌剤(C)が0.01〜10重量
部配合される。好ましくは抗菌剤(B)が0.01〜1
重量部、抗菌剤(C)が0.1〜5重量部配合される。
抗菌剤(B)が0.01重量部未満では分散性が改良さ
れにくく、一方、10重量部を超えると変色しやすくな
る。また、抗菌剤(C)が0.01重量部未満では抗菌
性が発揮できず、一方、10重量部を超えると分散不良
となりやすく、樹脂添加混錬時の汚れの持ち込み、発熱
による変色が生じる。
抗菌剤(B)および(D)からなる場合、好ましくは、
樹脂(A)100重量部に対して、抗菌剤(B)が0.
01〜10重量部、抗菌剤(D)が0.01〜10重量
部配合される。好ましくは抗菌剤(B)が0.01〜1
重量部、抗菌剤(D)が0.01〜5重量部配合され
る。抗菌剤(B)が0.01重量部未満では分散性が改
良されにくく、一方、10重量部を超えると変色しやす
くなる。また、抗菌剤(D)が0.01重量部未満では
抗菌性が発揮できず、一方、10重量部を超えると分散
不良となりやすく、樹脂添加混錬時の汚れの持ち込み、
発熱による変色が生じる。
性、熱成形性を更に向上させるために、酸化防止剤、タ
ルク、マイカ、ワラストナイトなどの無機充填材、熱安
定剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型
剤、発泡剤、核剤などが添加されていてもよい。
(A)が熱可塑性樹脂の場合、樹脂(A)と抗菌剤
(B)と、抗菌剤(C)または抗菌剤(D)と、更に必
要に応じて、酸化防止剤などの添加剤を配合し、予備混
合した後、押出機で混練することにより、得られる。
更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
抗菌剤(B)として、表1に記載のような、銀イオンの
含有量(重量%)及び平均粒子径を異にする4種のゼオ
ライト系抗菌剤「バクテキラー(鐘紡株式会社製)」を
用い、抗菌剤(C)としてリン酸ジルコニウム系抗菌
剤、および抗菌剤(D)としてガラス系抗菌剤を用い
た。表1に示す割合で、抗菌剤(B)と抗菌剤(C)ま
たは抗菌剤(D)とを配合し、ヘンシェルミキサーで予
備混練を行い、次いで得られた混合物を押出機(50mm
φ、単軸スクリュー)で溶融混練してペレット化した。
押出機中の樹脂温度はシリンダー後部190℃、シリン
ダー中部200℃、シリンダー前部220℃、ダイス2
20℃とした。
分散性、変色性及び抗菌性を下記の方法で測定・評価し
た。結果を表1に示す。
で溶融圧着して薄膜試料を作成し、透過型光学顕微鏡で
粗大粒子の大きさを計測し、以下のように評価した。 ○:20μm以上の粗大粒子 0個/mm2 △:20μm以上の粗大粒子 1〜5個/mm2 ×:20μm以上の粗大粒子 6個以上/mm2
ザーメーター)により25時間試験後の色差ΔEを色差
計により測定した。ΔEの値が大きいほど、変色が大き
い。 ○:ΔEが0.1以上0.6未満 △:ΔEが0.6以上1.1未満 ×:ΔEが1.1以上
菌製品技術協議会)で制定された方法に準拠して評価し
た。 試験方法:フィルム密着法 評価菌種:大腸菌および黄色ブドウ球菌 菌液接触時間:24時間 評価:抗菌剤添加樹脂成形品に菌液を接種し、フィルム
でカバーして24時間後の菌数を測定する。 ○:接種菌数からの減少率が1/100以上 △:接種菌数からの減少率が1/10以上、1/100
未満 ×:接種菌数からの減少率が1/10未満
を配合した以外は、実施例1〜8と同様に操作し、得ら
れた抗菌性樹脂組成物の物性を実施例1〜8と同様にし
て測定・評価した。結果を表1に示す。
比から明らかな如く、抗菌剤(B)と(C)または抗菌
剤(B)と(D)を併用することにより、それぞれを単
独で用いた場合よりも、分散性が良好で、変色がなく、
かつ抗菌性に優れた樹脂組成物が得られることが分か
る。
物は、特定の2種の抗菌剤を併用することにより、分散
性、耐変色性及び抗菌性が共に優れており、文房具、日
用品、家電製品、建築資材、繊維製品などの抗菌化に有
用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 樹脂(A)に、銀、銅、亜鉛および錫か
らなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを
ゼオライトに担持させた抗菌剤(B)、銀イオンを含有
するリン酸塩系化合物を有効成分とする抗菌剤(C)ま
たは銀イオンを含有する溶解性ガラス粉末(D)を配合
した、抗菌性樹脂組成物。 - 【請求項2】 樹脂(A)100重量部に対して、抗菌
剤(B)が0.01〜10重量部、抗菌剤(C)が0.
01〜10重量部配合されている、請求項1記載の抗菌
性樹脂組成物。 - 【請求項3】 樹脂(A)100重量部に対して、抗菌
剤(B)が0.01〜10重量部、抗菌剤(D)が0.
01〜10重量部配合されている、請求項1記載の抗菌
性樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記樹脂(A)が熱可塑性樹脂である、
請求項1から3のいずれかの項に記載の抗菌性樹脂組成
物。 - 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィンであ
る、請求項4記載の抗菌性樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記ポリオレフィンがポリプロピレンで
ある、請求項5に記載の抗菌性樹脂組成物。
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