JP2002019993A - ペーパーガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形部分から成るペーパーガイドを改善し
て、該ペーパーガイドが公知の欠点を避け、経済的に高
い精度でかつ多様に形成できるようにする。 【解決手段】 成形部分２が押し出し成形体３から成っ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、成形部分から成る
殊に湾曲案内若しくは曲線案内のためのペーパーガイド
に関する。

【０００２】

【従来の技術】ペーパーガイド(Papierfuehrung)は、ペ
ーパーを処理する種々の機械、例えば印刷機械、若しく
は印刷処理装置などに用いられる。特に、個別の枚葉紙
を案内したい場合には、枚葉紙の安定した正確な案内若
しくは構成部分の高い精度に対する要求が課せられる。
静電式の印刷法においては、静電荷を排除するという要
求がある。静電荷は別の印刷法による印刷物にも摩擦に
よって生じて、同じく排除されねばならない。

【０００３】従来、ペーパーガイドは薄板(Blech)によ
って製造されている。この場合、搬送路の特に湾曲部分
（カーブ部分）のために薄板を曲げてある場合に問題が
あり、特に高速運転の機械にとって必要な高い精度が得
られない。特に曲げ加工は、例えば材料特性のわずかな
変化に基づき寸法誤差を生ぜしめ、ひいては不良品の率
を増大させてしまうことになる。

【０００４】薄板から成る構成部分のさらなる欠点とし
て、取り付け手段（取り付け部材）及び保持面若しくは
支持面の形成、並びにペーパーガイド通路の幅の変化が
簡単には可能ではなく、しばしば費用のかかる溶接結合
を必要とし、溶接結合によって精度が損なわれる。この
ような薄板構造にとって通常は鋼薄板を用いなければな
らず、従って構成部分の重量が不都合に大きくなる。

【０００５】前述の問題を解決するためのこころみが、
カーブガイド領域の成形部分をプラスチックから製造す
ることにある。この場合、薄板成形部分よりも改善され
た成果が得られるものの別の問題がある。一面におい
て、このようなプラスチック部分の製造には極めて高価
な成形型（成形工具）が必要であり、他面では該プラス
チック部分には静電荷の排除のために例えばクロムめっ
きによる金属表面が設けられねばならない。このような
金属表面はプラスチック部分（成形部分）を高価なもの
にし、機械的な高い要求に耐え得るものではなく、摩滅
しやすい。従って、機械の修理頻度が高くなる。さら
に、該プラスチック部分は特にねじ溝による取り付けに
とって十分な安定性を有していない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、成形
部分から成るペーパーガイドを改善して、該ペーパーガ
イドが前述の欠点を避け、経済的に高い精度でかつ多様
に形成できるようにすることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の構成では、成形部分が押し出し成形体から成
っている。

【０００８】

【発明の効果】本発明に基づく前記構成の利点として、
成形部分をプラスチック成形部分としてわずかな工具コ
スト及びわずかな作業手間並びに薄板成形部分よりも著
しく高い精度で製造できる。本発明に基づく構成の成形
部分は高い安定性及び剛性、表面の高い耐摩耗性並びに
良好な静電特性を有している。製造にとって極めて良好
な再現性が得られ、従って小さい公差が可能である。特
に有利には形状の多様な押し出し成形体が得られ、それ
というのは押し出し成形型があらゆる種類の取り付け手
段、材料厚さ及び形、並びに支持面に適合して形成でき
るからである。これによって、成形部分が棒状の押し出
し成形体から所望の長さに切り取って得られ、煩雑な付
加的な後処理を必要としない。通常は、ペーパーガイド
ローラのためのフライス加工部を施すだけでよい。成形
部分がペーパー搬送路の多くの箇所に使用され、種々の
形式で取り付けられる。さらに機能部材を任意に取り付
けかつ簡単に調節することができる。

【０００９】本発明の有利な実施態様では、成形部分が
アルミニウム押し出し成形体から成っている。これによ
って重量が小さく、特に必要な静電特性が申し分なく得
られる。成形部分のペーパー案内特性及び耐用年数が、
成形部分を表面処理して、表面を平滑に硬くかつ耐摩耗
性にすることによってさらに増大される。表面の最終処
理の例として、陽極処理若しくは硬質コーティングなど
である。このような表面は安価に形成でき、プラスチッ
クの被覆、例えばクロムめっきよりも耐摩耗性である。

【００１０】特に有利な実施態様では、成形部分が、押
し出し成形方向に延びる取り付け部材を有している。こ
のような取り付け部材は、機械への成形部分の取り付け
手段として、若しくは成形部分への機能部材の取り付け
手段として形成されていてよい。特に有利には、取り付
け部材がねじ溝として形成されている。ねじ溝が、押し
出し成形方向に向いたねじの受容のために、若しくは押
し出し成形方向に対して横方向(quer)、有利には垂直方
向に向いたねじの受容のために形成されていてよい。ね
じ溝を押し出し成形方向に対して横方向に向いたねじの
受容のために形成してある場合には利点として、機能部
材をねじ溝に沿った任意の箇所に取り付けることができ
る。このために、付加的にストッパ面を設けてよく、ス
トッパ面が同じく押し出し成形方向に延びている。機能
部材が、ねじ溝に取り付けられたアングル片によって保
持されててよい。このような機能部材の例として、軸
受、例えばペーパーガイドローラの軸受がある。

【００１１】さらに有利な実施態様では、成形部分が、
押し出し成形方向に延びる補強リブを備えており、該補
強リブが剛性及び強度を高め、かつ振動発生を防止す
る。特に有利には、補強リブが、成形部分を機械に取り
付けるための取り付け手段の領域に設けられ、該領域に
特に高い形状安定性を与えている。ペーパーガイド通路
の幅が変化させられることによって、ペーパーガイド通
路が狭窄部を有しており、狭窄部がペーパーガイド方向
でペーパーガイドローラの前に配置されている。有利に
は、ペーパーガイド通路内に狭窄部とペーパーガイドロ
ーラとの間に段状の拡大部を設けてあり、これによって
ペーパーガイド通路の壁からペーパーガイドローへの移
行部でのペーパーの確実な案内が達成される。

【００１２】ペーパーガイド通路を開くことができるよ
うにするために、ペーパーガイドが２つの成形部分によ
って形成されており、一方の成形部分が機械に取り付け
られており、他方の成形部分がヒンジ及び係止機構を用
いて一方の成形部分に対して離反旋回可能に配置されて
いる。これによって、ペーパーガイド通路へのアクセス
が、例えばペーパーガイド通路の詰まりの排除若しくは
汚れの除去のために容易に可能である。有利には成形部
分が、該成形部分の、ペーパーガイド通路とは逆の側に
配置された３つの取り付け手段によって機械に取り付け
られるようになっている。

【００１３】成形部分の多様な使用を可能にするため
に、成形部分が、成形部分を機械の種々の箇所に使用で
きるように形成されており、取り付け部材が多様な取り
付けを可能にするように形成されている。成形部分が内
側のカーブシェル並びに外側のカーブシェルとして形成
されており、従って機械のペーパーガイドが完全に若し
くは機械のペーパーガイドの大部分が、本発明に基づく
二種類の成形部分を用いて形成できる。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１はペーパーガイド１の斜視図
である。この場合、押し出し成形体３から形成された成
形部分２が用いられている。押し出し成形方向はが、ペ
ーパーガイド通路１８のペーパーガイド方向２０に対し
て横方向である。２つの成形部分２を用いてあり、機械
に取り付けられる一方の成形部分２２がペーパーガイド
通路１８の内側のカーブシェル（カーブ案内シェル構造
ともいう）２８を形成しており、開き旋回可能な他方の
成形部分２３が内側のカーブシェル２７を形成してい
る。取り付け及び機能が別の形式で構成されていてもよ
い。成形部分２は押し出し品として押し出し方向９に製
造されて、組立に必要な長さに切断して形成されてい
る。成形部分はフライス加工部３１を備えていてよく、
及び／又は表面処理を施されていてよい。押し出し成形
体３には既に必要なすべての取り付け部材４が備えられ
ている。

【００１５】取り付け部材は機械に、成形部分をここで
は例として機械側壁３２に取り付けるための取り付け手
段５である。このような取り付けは、ねじ１０のために
設けられたねじ溝８を用いて行われ、ねじ溝が押し出し
方向９に延びている。このような形式で、例えば係止機
構２５が取り付けられる。機械側壁３２への取り付け５
も、押し出し方向９に延びるねじ１０によって行われ
る。

【００１６】さらに機能部材７の取り付け手段６のため
の取り付け部材４が設けられている。機能部材はここで
はペーパーガイドローラ１５として形成されており、ペ
ーパーガイドローラが軸、該軸を支承する軸受１４、該
軸受を保持するアングル片１３を用いて取り付けられて
いる。アングル片１３が、押し出し方向９に対して矛方
向に向いたねじ１１をねじ溝８内にねじ込むことによっ
て取り付けられている。同様の形式で、リミットスイッ
チ２９のための操作レバー３０が取り付けられている。
このようにして、成形部分２は必要なすべての機能部材
７を備えていてよい。

【００１７】図２はペーパーガイド１の側面を示してお
り、図３は同じペーパーガイド１を開いた状態で示して
いる。成形部分２２が取り付け手段５を用いて機械に、
即ち側壁３２に取り付けられている。このような取り付
け手段５の１つが、同時に補強リブ１６を成すように形
成されている。該取り付け手段５が三点取り付け機構２
６として構成されている。成形部分２２にヒンジ２４を
介して、開放旋回可能（離反旋回可能ともいう）な成形
部分２３を接合してあり、該成形部分が図３では開かれ
ており、このために係止機構２５が係止解除される。図
３では係止機構２５の両方の構成部分が見えている。

【００１８】図４は、機械に取り付け可能な成形部分２
２の斜視図であり、この場合、成形部分２２は外側のカ
ーブシェル２８として形成されている。図４から明らか
なように、ペーパーガイドローラ１５が軸受１４を用い
て配置されており、軸受１４がアングル片１３によって
保持されており、アングル片がねじ１１によってねじ溝
８に固定されている。この場合、軸受１４は互いに直角
を成す２つのストッパー面１２に当接している。軸受１
４とペーパーガイドローラ１５との間に１つの軸３３を
延在させてあり、該軸がペーパーガイドローラ１５を支
持している。もちろん各ペーパーガイドローラがそれぞ
れ１つの軸によって支持されていてよい。ペーパーガイ
ドローラ１５をペーパーガイド通路１８内に係合させる
ために、成形部分２にフライス加工部３１が設けられて
いる。該領域でのペーパーの良好な案内のために、成形
部分２に狭窄部１９及び段状の拡大部２１が形成されて
いる。このことについては後で詳細に述べる。

【００１９】図５は、内側のカーブシェル２７の斜視図
である。該カーブシェルにも機能部材、例えばペーパー
ガイドローラ１５の取り付け手段６が設けられている。

【００２０】図６にはペーパーガイド通路１８の断面が
拡大して示してあり、ペーパーガイド通路が狭窄部１９
を備えており、狭窄部がペーパーを正確にペーパーガイ
ドローラ１５へ送るためにペーパーガイドローラ１５の
前に配置されている。狭窄部１９とペーパーガイドロー
ラ１５との間に段状の拡大部２１が配置されており、狭
窄部１９によるペーパーのスムースな案内が維持して保
証される。

【００２１】図６から明らかなように、成形部分２を押
し出し成形体３によって製造することに基づき、薄板か
ら成形部分を製造することとは逆に、成形部分２の壁厚
さを任意に変化させることができる。壁厚さを任意に変
化させることによって、形状安定性のより高い領域を設
けること若しくは機械的な負荷を受ける箇所、例えば取
り付け手段５，６に肉厚部を設けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ペーパーガイドの斜視図。

【図２】ペーパーガイドの側面図。

【図３】ペーパーガイドの開かれた状態の側面図。

【図４】外側のカーブシェルの斜視図。

【図５】内側のカーブシェルの斜視図。

【図６】ペーパーガイド通路の断面図。

【符号の説明】

１ ペーパーガイド、 ２ 成形部分、 ４ 取り
付け部材、 ５，６取り付け手段、 ７ 機能部
材、 ８ ねじ溝、 ９ 押し出し方向、１０，１
１ ねじ、 １３ アングル片、 １４ 軸受、
１５ ペーパーガイドローラ、 １６ 補強リブ、
１８ ペーパーガイド通路、１９ 狭窄部、 ２
２ 成形部分、 ２４ ヒンジ、 ２５ 係止機
構、 ２７，２８ カーブシェル、 ２９ リミッ
トスイッチ、 ３０ 操作レバー、 ３１ フライ
ス加工部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2H072 CA01 CB06 JA04 JB01 JB03 JC08 3F101 FA01 FA02 FB04 FB05 FB14 FB15 FC05 FC07 FC11 FD01 FD02 FE08 LA01 LB03

Claims (22)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 成形部分（２）から成るペーパーガイド
   （１）において、成形部分（２）が押し出し成形体
   （３）から成っていることを特徴とするペーパーガイ
   ド。
2. 【請求項２】 成形部分（２）がアルミニウム押し出し
   成形体から成っている請求項１記載のペーパーガイド。
3. 【請求項３】 成形部分（２）が表面処理されており、
   これによって成形部分の表面が平滑で、硬くかつ耐摩耗
   性である請求項１又は２記載のペーパーガイド。
4. 【請求項４】 成形部分（２）が押し出し成形方向
   （９）に延びる取り付け部材（４）を有している請求項
   １から３のいずれか１項記載のペーパーガイド。
5. 【請求項５】 取り付け部材（４）が機械への成形部分
   （２）の取り付け手段（５）として形成されている請求
   項４記載のペーパーガイド。
6. 【請求項６】 取り付け部材（４）が成形部分（２）へ
   の機能部材（７）の取り付け手段（６）として形成され
   ている請求項４又は５項記載のペーパーガイド。
7. 【請求項７】 取り付け部材（４）がねじ溝（８）とし
   て形成されている請求項４から６のいずれか１項記載の
   ペーパーガイド。
8. 【請求項８】 ねじ溝（８）が、押し出し成形方向
   （９）に向いたねじ（１０）の受容のために形成されて
   いる請求項７記載のペーパーガイド。
9. 【請求項９】 ねじ溝（８）が、押し出し成形方向
   （９）に対して横方向に向いたねじ（１１）の受容のた
   めに形成されている請求項７又は８記載のペーパーガイ
   ド。
10. 【請求項１０】 ストッパ面（１２）が機能部材（７）
    の取り付けのために形成されている請求項１から９のい
    ずれか１項記載のペーパーガイド。
11. 【請求項１１】 機能部材（７）が、ねじ溝（８）に取
    り付けられたアングル片（１３）によって保持されてい
    る請求項１０記載のペーパーガイド。
12. 【請求項１２】 機能部材（７）が軸受（１４）である
    請求項１０又は１１記載のペーパーガイド。
13. 【請求項１３】 機能部材が、ペーパーガイドローラ
    （１５）の軸受（１４）である請求項１２記載のペーパ
    ーガイド。
14. 【請求項１４】 成形部分（２）が、押し出し成形方向
    （９）に延びる補強リブ（１６）を備えている請求項１
    から１３のいずれか１項記載のペーパーガイド。
15. 【請求項１５】 補強リブ（１６）が、成形部分を機械
    に取り付けるための取り付け手段（５）の領域に設けら
    れている請求項１４記載のペーパーガイド。
16. 【請求項１６】 ペーパーガイド通路（１８）の幅（１
    ７）が変化している請求項１から１５のいずれか１項記
    載のペーパーガイド。
17. 【請求項１７】 ペーパーガイド通路が狭窄部（１９）
    を有しており、狭窄部がペーパーガイド方向（２０）で
    ペーパーガイドローラ（１５）の前に配置されている請
    求項１６記載のペーパーガイド。
18. 【請求項１８】 ペーパーガイド通路が狭窄部（１９）
    とペーパーガイドローラ（１５）との間に段状の拡大部
    （２１）を有している請求項１７記載のペーパーガイ
    ド。
19. 【請求項１９】 ペーパーガイドが２つの成形部分（２
    ２，２３）によって形成されており、一方の成形部分
    （２２）が機械に取り付けられており、他方の成形部分
    （２３）がヒンジ（２４）及び係止機構（２５）を用い
    て一方の成形部分に対して離反旋回可能に配置されてい
    る請求項１から１８のいずれか１項記載のペーパーガイ
    ド。
20. 【請求項２０】 成形部分（２２）が、該成形部分の、
    ペーパーガイド通路（１８）とは逆の側に配置された３
    つの取り付け手段（２６）によって機械に取り付けられ
    ている請求項１９記載のペーパーガイド。
21. 【請求項２１】 成形部分（２）が、成形部分を機械の
    複数の箇所に使用できるように形成されており、取り付
    け部材（４）が複数の取り付け（５，６）を可能にする
    ように形成されている請求項１から２０のいずれか１項
    記載のペーパーガイド。
22. 【請求項２２】 成形部分（２）が内側のカーブシェル
    （２７）若しくは外側のカーブシェル（２８）として形
    成されている請求項１から２１のいずれか１項記載のペ
    ーパーガイド。