JP2011218651A - 押出成形用フラットダイ - Google Patents

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Abstract

【課題】リップたわみ調整機構とリップ変位付与機構との両方を備え、かつ口開きを抑制できる押出成形用フラットダイを提供する。
【解決手段】本発明の押出成形用フラットダイ1は、溶融材料を通過させてシート状に成形するためのスリット口2を形成するように対向して配置された一対のリップ部3を備えた一対のダイ本体7と、一対のリップ部3のうちの一方のリップ部3aにスリット口2の長手方向に並んで配置され、スリット口2の長手方向における一方のリップ部3aの一部の、スリット口2の短手方向におけるたわみを調整するための複数のリップたわみ調整機構4と、を備える。リップたわみ調整機構4の全てを保持して、一対のリップ部3のうちの他方のリップ部3bに対してシート状に成形された溶融材料と交わる第1の方向x1に移動することが可能なリテーナ13と、リテーナ13を第1の方向x1に移動させるリテーナ移動機構14と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂等の溶融材料をシート状に押出す押出成形用フラットダイに関する。
押出成形用フラットダイ(以下、フラットダイと称す)は、溶融可塑化装置等で融解された樹脂などの溶融材料を薄く幅広いシート状に成形するために押出機の吐出口に設けられる付帯装置である。フラットダイは、単一の溶融材料を押出してシート状に成形するだけでなく、厚み方向に異なる溶融材料を積層させる場合にも用いられることがある。
フラットダイには、スリット口を形成するように対向して配置された一対のリップ部が設けられている。スリット口に溶融材料を通過させることにより、溶融材料が所望の厚さでシート状に成形される。
フラットダイでは、成形品の幅方向、すなわちスリット口の長手方向において溶融材料の厚みを均一に吐出することが求められる。スリット口の長手方向における溶融材料の厚みの均一性は、スリット口の形状だけでなく、溶融材料の粘度や溶融材料をスリット口に送るための流路の形状により決定付けられる。そのため、厚みの均一性を高める流路の形状として、例えば非特許文献1に開示されているT型ダイやコートハンガー型ダイなどが知られている。
溶融材料をスリット口の長手方向に均一な厚みで吐出するように、溶融材料の粘度に合わせて流路の形状を設計しても、実際の溶融材料の押出成形においては溶融材料の厚みがスリット口の長手方向に均一にならないことがある。溶融材料の厚みが均一にならない要因の一つは、溶融材料の流動による内部圧力によって生じるリップ部の口開き(スリット口の長手方向においてリップ部がスリット口の短手方向に不均一にたわむ現象)である。
口開きに対して、リップ部に力を加えてリップ部のたわみを矯正するリップたわみ調整機構を備えたフラットダイが提案されている。リップたわみ調整機構はスリット口の長手方向において複数設けられており、口開きの程度が大きい位置におけるリップたわみ調整機構を操作してリップ部のたわみを矯正する。その結果、口開きが解消されて溶融材料がスリット口の長手方向において均一の厚さで吐出される。
また、近年では、フラットダイの交換のために生じる押出機の稼働率の低下の抑制や、フラットダイの個体数を減らすために、一つのフラットダイを用いて複数の厚みの成形品を製造することが要求されている。成形品の厚みを変化させる方法の一つとして、スリット口の短手方向の幅を、スリット口の長手方向の全部において変化させる方法がある。
前述のリップたわみ調整機構を備えるフラットダイでは、スリット口の長手方向の全部においてリップたわみ調整機構の全てを操作しなければならないため、多大な作業時間を要し、生産効率の低下を招く虞がある。そこで、特許文献1では、一対のリップ部のうちの一方のリップ部を、スリット口の短手方向に移動させることができるリップ変位付与機構を備えるフラットダイが開示されている。図8は、特許文献1で開示されているフラットダイ1の断面図である。
図8に示すように、フラットダイ1のスリット口2は一対のリップ部3を対向させることによって形成されている。一対のリップ部3のうちの一方のリップ部3aにはリップたわみ調整機構4が設けられており、他方のリップ部3bにはリップ変位付与機構5が設けられている。リップ部3の口開きを解消するためには、口開きの程度が大きい位置におけるリップたわみ調整機構4を操作して一方のリップ部3aの一部を矯正する。押出される溶融材料のスリット口2の長手方向の全部において厚さを変化させるためにはリップ変位付与機構5を操作して他方のリップ部3bをスリット口2の短手方向に移動させる。
特許文献1で開示されているフラットダイを用いることにより、一つのフラットダイで、容易に複数の厚みの成形品を製造することができ、また口開きが発生しても容易に口開きを解消することができる。
特許3229143号
伊藤公正著、「押出成形用ダイの設計」、工業調査会発行
しかしながら、図8に示すように、リップたわみ調整機構4やリップ変位付与機構5を備えるフラットダイ1では、リップ部3の矯正や移動を容易にするために、リップ部3は、フレキシブル部6を介してダイ本体7に結合される。特許文献1で開示されているフラットダイ1は、一方のリップ部3aにリップたわみ調整機構4が設けられ、他方のリップ部3bにリップ変位付与機構5が設けられているため、双方のリップ部3がフレキシブル部6を介してダイ本体7に結合されている。
そのため、特許文献1で開示されているフラットダイ1は、フレキシブル部6が片方にしかない場合に比べて強度が低下し、溶融材料の粘度や吐出速度などの成形条件の変化に伴い口開きが発生しやすくなる。
特に、近年では樹脂フィルムなどの成形品の高機能化の要求に伴い、より粘度の高い溶融材料を押出成形しなければならない。その結果、スリット口2の長手方向における液膜の厚さにばらつきが生じやすく、そのたびにリップ部3を矯正しなければならず、作業時間が増加し生産効率が低下する。
そこで、本発明は、リップたわみ調整機構とリップ変位付与機構との両方を備え、かつ口開きを抑制できる押出成形用フラットダイを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の押出成形用フラットダイは、溶融材料を通過させてシート状に成形するためのスリット口を形成するように対向して配置された一対のリップ部を備えた一対のダイ本体と、一対のリップ部のうちの一方のリップ部にスリット口の長手方向に並んで配置され、スリット口の長手方向における一方のリップ部の一部の、スリット口の短手方向におけるたわみを調整するための複数のリップたわみ調整機構と、を備える。リップたわみ調整機構の全てを保持して、一対のリップ部のうちの他方のリップ部に対してシート状に成形された溶融材料と交わる第1の方向に移動することが可能なリテーナと、リテーナを第1の方向に移動させるリテーナ移動機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の押出成形用フラットダイによれば、リップたわみ調整機構とリップ変位付与機構との両方を備え、かつ口開きを抑制することができる。
本発明の実施形態における押出成形用フラットダイの斜視図である。 図1に示す押出成形用フラットダイの側面の断面図である。 図1に示す押出成形用フラットダイの正面の断面図である。 図1に示す押出成形用フラットダイの上面図である。 比較例における押出成形用フラットダイの側面図である。 本発明の実施形態におけるリテーナの移動量とスリット口の短手方向の幅の変化量を示したグラフである。 本発明及び比較例における押出成形用フラットダイの口開き量を示したグラフである。 従来の押出成形用フラットダイの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態における押出成形用フラットダイ(以下、フラットダイ1と称す)の斜視図である。図2は、側面(図1に示す方向A)からフラットダイ1を見たときの断面図である。
図1及び図2に示すように、フラットダイ1は、2つのダイ本体7を組み合わせることによって構成される。2つのダイ本体7は、本体結合ボルト8を用いて固定されている。
ダイ本体7のそれぞれには、リップ部3が設けられており、2つのダイ本体7を組み合わせたときに一対のリップ部3が互いに対向し、スリット口2が形成される。スリット口2に樹脂などの溶融材料を通過させることによって、溶融樹脂がシート状に形成される。
2つのダイ本体7のうちの一方(以下、ダイ本体7aと称す)に設けられているリップ部3(リップ部3aと称す)は、フレキシブル部6を用いてダイ本体7aと結合されている。フレキシブル部6は、スリット口2から押出されたシート状の溶融材料と交わる第1の方向x1へ移動可能にリップ部3aとダイ本体7aとを結合する。したがって、リップ部3aを第1の方向x1に沿って移動させることにより、スリット口2の短手方向の幅を変えることができる。
本実施形態では、ダイ本体7aの外周から他方のダイ本体7(ダイ本体7bと称す)に向けて、ダイ本体7aを貫通しない溝9を形成することによってフレキシブル部6を形成した。溝9は、溶融材料の押出方向と交わる方向に延在している。ダイ本体7aに溝9を形成したときのダイ本体7aの残存部のうち、溝9よりもスリット口2の側の残存部をリップ部3aとし、ダイ本体7aとリップ部3aとの間の残存部をフレキシブル部6とした。
ダイ本体7bに設けられている他方のリップ部3(リップ部3bと称す)は、フレキシブル部を介すことなくダイ本体7bと一体となっている。すなわち、リップ部3bはほとんど変動することがなく、リップ部3bに対してリップ部3aが変形又は移動することによって、スリット口2の形状やスリット口2の短手方向の幅が変化する。
また、フラットダイ1には、リップたわみ調整機構4とリップ変位付与機構5とが備えられている。リップたわみ調整機構4は、リップ部3aの、スリット口2の長手方向における所望の一部を第1の方向x1に向かって変形させることができる。リップ変位付与機構5は、リップ部3aの、スリット口2の長手方向における全部を第1の方向x1に移動させることができる。
ここで、本実施形態におけるリップたわみ調整機構4の構造について説明する。
リップたわみ調整機構4は、リップ調整棒10と、リップ調整棒10の一の端部をリップ部3aに連結する連結部11と、リップ調整棒10の他の端部又は胴部を保持する保持部12とからなる。リップ調整棒10は、リップ調整棒10の軸(以下、調整棒軸と称す)が第1の方向x1に平行に配置されている。
連結部11は、リップ調整棒10が調整棒軸を中心に回転可能に且つ軸調整棒の方向に移動しないように、リップ調整棒10をリップ部3aに連結する。
また、リップ調整棒10の、保持部12によって保持される位置には雄ねじが形成されており、保持部12には該雄ねじに対応した雌ねじが形成されている。したがって、リップ調整棒10の雄ねじと保持部12の雌ねじとを螺合させることにより、リップ調整棒10が保持部12に保持される。
なお、リップ調整棒10の雄ねじ及び保持部12の雌ねじは、締め付けによってリップ調整棒10と保持部12とが固定されるものではなく、リップ調整棒10を回転させることによって雄ねじと雌ねじの形状に合わせてリップ調整棒10が移動するものである。リップ調整棒10は保持部12を貫通してもよい。また、リップ調整棒10の雄ねじは、リップ調整棒10の、保持部12の雌ねじと接する範囲に形成されていればよい。
リップ調整棒10の一端がリップ部3aに連結されているため、保持部12を固定した状態でリップ調整棒10を回転させることにより、リップ調整棒10が第1の方向x1に沿って移動する。
リップ調整棒10は、スリット口2の長手方向において複数設けられている。所望の位置におけるリップ調整棒10を回転させることにより、その位置におけるリップ部3aが変形しスリット口2の短手方向の幅を変えることができる。また、リップ調整棒10が回転していないときには、リップ調整棒10は、リップ部3aを固定させるため、リップ部3aの変形を抑制することができる。
リップ変位付与機構5は、複数のリップたわみ調整機構4と、複数のリップたわみ調整機構4の全てが固定されているリテーナ13と、リテーナ13を移動させるリテーナ移動機構14と、からなる。リテーナ13は、第1の方向x1に沿って移動可能に設けられている。
本実施形態では、リップたわみ調整機構4の保持部12はリテーナ13に固定されている。リテーナ13と保持部12とを一体形成することによっても得られる。具体的には、リテーナ13に保持部12となる雌ねじを形成すればよい。
リテーナ移動機構14は、変位付与ボルト15と、ヘッド16とからなる。変位付与ボルト15は、変位付与ボルト15の軸(以下、変位ボルト軸と称す)がスリット口2から押出されたシート状の溶融材料と交わるように配置されている。
本実施例では、リップ調整棒10と同様に、変位ボルト軸が第1の方向x1と平行に配置されている。調整棒軸と変位ボルト軸とを平行に配置することによって、リップ調整棒10や変位付与ボルト15に曲げの力が加わらず、リップ部3aを移動させやすくなる。
変位付与ボルト15はリテーナ13を挿通して設けられ、変位付与ボルト15の一端は、ダイ本体7aに固定されている。ダイ本体7aはダイ本体7bに固定され、リップ部3bはダイ本体7bに対してほとんど変動しないため、変位付与ボルト15及びリップ部3bは一定の位置関係を維持することになる。
また、変位付与ボルト15の他端には雄ねじが形成されており、変位付与ボルト15の雄ねじに対応する雌ねじを有するヘッド16が変位付与ボルト15の他端に設けられている。
図3は正面(図1に示す方向B)から見たときのリテーナ13の周辺を拡大した断面図であり、図4は上面(図1に示す方向C)から見たときのリテーナ13の周辺における図である。なお、図3、図4ではリップたわみ調整機構4は省略されている。
図3及び図4に示すように、リテーナ13にはヘッド16を部分的に覆うヘッド押さえ17が固定されている。ヘッド16は、変位付与ボルト15に螺合した状態でヘッド押さえ17によって変位ボルト軸を中心に回転可能に、且つリテーナ13に当接された状態で保持されている。ヘッド16とヘッド押さえ17との間や、ヘッド16とリテーナ13との間に、ヘッド16の回転を容易にさせるため、ベアリングを設けてもよい。
ヘッド16を回転させることにより、ヘッド16に形成された雌ねじと変位付与ボルト15に形成された雄ねじの形状に合わせてヘッド16が変位付与ボルト15に対して移動する。リテーナ13とヘッド16とは、ヘッド押さえ17によって当接された状態で保持されているため、ヘッド16の移動に伴い、リテーナ13も移動する。変位付与ボルト15はダイ本体7aに固定されているため、リテーナ13がダイ本体7aに対して変位ボルト軸の方向に移動する。
リテーナ13はリップたわみ調整機構4を介してリップ部3aに連結されているため、リテーナ13の移動に伴いリップ部3aが移動する。特に、リップ部3aは複数設けられたリップ調整棒10によってリテーナ13との位置関係が維持されるため、リップ部3aのスリット口2の長手方向における全部が移動する。すなわち、ヘッド16を回転させることによって、スリット口2の長手方向の全域におけるスリット口2の短手方向の幅を変更することができる。
リテーナ13が変位ボルト軸方向に沿ってスライド移動できればよいため、リテーナ13と変位付与ボルト15とは摺動可能に設けられていればよい。
また、リテーナ13のスライド移動を補助するためのリテーナサポート18をダイ本体7aに設けてもよい。リテーナサポート18に沿ってリテーナ13がスライド移動することにより、リテーナ13のがたつきが押えられる。その結果、変位付与ボルト15やリップ調整棒10への曲げの力が抑制され、リテーナ13のスライド移動が容易になるとともに変位付与ボルト15やリップ調整棒10の破損を防ぐことができる。
リテーナサポート18を設けたとき、リテーナサポート18とリテーナ13とをボルトなどを用いてリテーナ13の位置の固定を補助することができる。リテーナ13を移動させるときにはリテーナサポート18とリテーナ13とを固定するボルトを緩める。
さらに本実施形態では、リテーナ13の移動及び固定を補助するための一対のテーパプレート19を、リテーナ13とダイ本体7aとの間に備えている。
図3に示すように、一対のテーパプレート19は互いに接して設けられており、第1のテーパプレート19aがリテーナ13に固定され、第2のテーパプレート19bが変位ボルト軸と交わる第2の方向x2に移動可能にダイ本体7aに設けられている。また、一対のテーパプレート19の対外に接する面が、第1の方向x1に向けられ且つ第2の方向x2に平行な面に対して傾斜して設けられている。
したがって、第2のテーパプレート19bの位置によって、第1のテーパプレート19aと第2のテーパプレート19bとが干渉し、リテーナ13とダイ本体7aとの位置関係が維持される。
リテーナ13をダイ本体7aから離す方向に移動させるときには、ヘッド16を回転させるとともに第2のテーパプレート19bを、第1のテーパプレート19aにより干渉させる方向に移動させる。その結果、第2のテーパプレート19bから第1のテーパプレート19aに力が加えられるため、リテーナ13が移動しやすくなる。
また、リテーナ13をダイ本体7aに近づける方向に移動させるときには、所望のリテーナ13の位置で第1のテーパプレート19aと第2のテーパプレート19bとが干渉する位置に、第2のテーパプレート19bを移動させておく。
その後、ヘッド16を回転させて、リテーナ13をダイ本体7aに近づけることによって、所望の位置で第1のテーパプレート19aと第2のテーパプレート19bとが干渉する。その結果、リテーナ13の移動が停止するため、リテーナ13をダイ本体7aに近づけすぎることが抑制される。
第1のテーパプレート19aと第2のテーパプレート19bとが干渉している状態で、リテーナ13を第1のダイ本体7aに近づける方向にヘッド16を回転させる。その結果、リテーナ13がテーパプレート19とヘッド16とに締め付けられ、より強くリテーナ13を固定することができる。
次に、本発明におけるフラットダイ1の動作について説明する。
一定の厚さで溶融材料の吐出を継続するときには、リテーナ13をリテーナサポート18にボルトなどで固定しておく。スリット口2の長手方向の一部の位置において溶融材料の厚さが均一でない場合、該位置におけるリップ調整棒10を操作してリップ部3aの形状を矯正する。その結果、スリット口2の長手方向において、液膜の厚さを均一に調整することができる。
スリット口2の長手方向の全体におけるスリット口2の短手方向の幅を変化させるためには、以下のように行う。まず、リテーナサポート18とリテーナ13とを固定するボルトを緩める。その後、ヘッド16を回すことによって、リテーナ13を第1の方向x1に移動させる。リップ部3aは複数設けられたリップ調整棒10によってリテーナ13との位置関係が維持されるため、リップ部3aのスリット口2の長手方向における全部が移動する。その結果、スリット口2の長手方向の全部におけるスリット口2の短手方向の幅が変化する。
また、一対のテーパプレート19を用いることによって、リテーナ13を容易に移動させることができる。
本発明によれば、リップたわみ調整機構4とリップ変位付与機構5とを備えるフラットダイ1においても、一対のダイ本体7のうちの一方のダイ本体7aにフレキシブル部6を設ければよい。したがって、従来の、フレキシブル部6を一対のダイ本体7の両方に設けたフラットダイよりも高い強度が得られる。
実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の説明では上述した実施形態において示したのと同じ部分に対しては同じ符号を用いて説明する。
(実施例)
図1及び図2に示すフラットダイ1において、スリット口2の長手方向の幅を500mmとした。図6は、横軸にリテーナ13の移動量を示し、縦軸にスリット口2の短手方向の幅の変化量を示したグラフである。
図6に示すように、リテーナ13の移動量に略比例してスリット口2の短手方向の幅が変化している。特に、スリット口2の短手方向の幅の変化量として必要とされる範囲は、2.5mmであり、その範囲においてはリテーナ13の移動量とスリット口2の短手方向の幅の変化量は十分に比例関係を有している。したがって、本発明におけるフラットダイ1は、実用範囲にあることが分かる。
(比較例)
図5に、比較例におけるフラットダイ20の側面図を示す。フラットダイ20は、リップたわみ調整機構4を備えているが、リップ変位付与機構5を備えていない。リップたわみ調整機構4と連結されるリップ部3aは、フレキシブル部6を介してダイ本体7aと結合されている。また、フラットダイ20におけるスリット口2の長手方向の幅は、実施例と同じ500mmとした。
実施例、比較例ともに溶融材料を吐出していない状態のスリット口2の短手方向の幅を1mmとして、溶融樹脂を押出成形した場合の口開き量を比較した。フラットダイの剛性を比較するため、リップたわみ調整機構4とリップ変位付与機構5の操作は行わない。
図7は、横軸をスリット口2の長手方向における位置として縦軸に口開き量を示したグラフである。なお、スリット口2の長手方向における位置は、スリット口2の長手方向の中央を基準とした。また、口開き量は、比較例のフラットダイにおける最大口開き量を1としたときの相対値を示している。
図7において、実線は、本実施例のフラットダイ1のリテーナ13が、リテーナサポート18に固定され且つテーパプレート19とヘッド16とに締め付けられている状態における口開き量を示したものである。また、鎖線は、比較例のフラットダイ20の口開き量を示したものである。
図7に示すように、本実施例のフラットダイ1では、比較例のフラットダイ20に比べ、口開き量が約62%に低減されている。これは、リテーナ13をリテーナサポート18に固定させたことにより本実施例のフラットダイ1の剛性が増したことを示している。また、リテーナ13をリテーナサポート18に固定しない場合であっても、口開き量は鎖線で示されるものと略等しくなる。本発明のフラットダイ1では、比較例におけるフラットダイ20と同様にリップ部3aにしか設けられていないためである。
従来の、図8に示す、リップ部3の双方がフレキシブル部6を介してダイ本体7に結合されているフラットダイと比較して、本発明におけるフラットダイ1では、口開き量が小さくなる。
1 フラットダイ
2 スリット口
3 リップ部
4 リップたわみ調整機構
5 リップ変位付与機構
6 フレキシブル部
7 ダイ本体
8 本体結合ボルト
9 溝
10 リップ調整棒
11 連結部
12 保持部
13 リテーナ
14 リテーナ移動機構
15 変位付与ボルト
16 ヘッド
17 ヘッド押さえ
18 リテーナサポート
19 テーパプレート
20 フラットダイ

Claims (4)

  1. 溶融材料を通過させてシート状に成形するためのスリット口を形成するように対向して配置された一対のリップ部を備えた一対のダイ本体と、
    前記一対のリップ部のうちの一方のリップ部に前記スリット口の長手方向に並んで配置され、前記スリット口の長手方向における前記一方のリップ部の一部の、前記スリット口の短手方向におけるたわみを調整するための複数のリップたわみ調整機構と、を備える押出成形用フラットダイにおいて、
    前記リップたわみ調整機構の全てを保持して、前記一対のリップ部のうちの他方のリップ部に対して前記シート状に成形された前記溶融材料と交わる第1の方向に移動することが可能なリテーナと、
    前記リテーナを前記第1の方向に移動させるリテーナ移動機構と、を備えることを特徴とする押出成形用フラットダイ。
  2. 前記リテーナ移動機構が、
    前記リテーナに摺動可能に挿通され、前記一方のリップ部を備えた一方のダイ本体に前記第1の方向に沿って固定された変位付与ボルトと、
    前記変位付与ボルトと螺合し、且つ前記リテーナに当接した状態に保持されたヘッドと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の押出成形用フラットダイ。
  3. 前記リテーナと前記一方のダイ本体との間に互いに接して設けられた一対のテーパプレートをさらに備え、
    前記一対のテーパプレートのうちの少なくとも一方が前記第1の方向と交わる第2の方向に移動可能に設けられ、
    前記一対のテーパプレートの互いに接する面が、前記第1の方向に向けられ、且つ前記第2の方向に平行な面に対して傾斜した面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の押出成形用フラットダイ。
  4. 前記リテーナを固定するためのリテーナサポートを備え、
    前記リテーナサポートが前記一方のダイ本体に固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の押出成形用フラットダイ。
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