JP5848687B2 - シート成形用ロール及びシート成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺のシートを加圧して成形するためのシート成形用ロール及びシート成形方法に関する。
フィルムシートは、一般に、剛性を有する一対のシート成形用ロール(以下、成形ロールと称する)の間に、成形機のTダイから押し出される溶融樹脂材を挟み込んでシート状に成形され、冷却されることで形成されている。
温度制御機能を有する成形ロールとしては、薄肉円筒状の外セルと、外セルの内部に配される内セルと、を有してなる二重管ロールが知られている。外セルと内セルとの間に形成される空間に、温調液を流すことによって、外セルの外周、すなわち二重管ロールの外周の温度が制御されている。
ところで、厚さ0.1mm以下の透明なクリアシートは、成形ロールの周面ですぐに固化しやすく、シート幅の全域に亘って均一な押圧力を加えることが困難であるので、シート幅の方向において押圧力の差異が生じることで、シートの長さ方向に延びる縦縞が生じやすく、シートの幅方向に対して厚さのばらつき(ムラ)が生じやすい。
一対のシート成型用ロールのニップ圧を高くすることで、シート幅の方向に対する押圧力の差異を小さくすることができるが、シートの内部応力は増えるので、偏光フィルム等の光学用途のシートの場合には、光学ムラが生じるので不都合が生じる。このため、外セルと内セルによって構成される2重管ロールである成形ロールの外セルの厚さを薄くすることで、柔軟性を高めた成形ロールが知られている。
特許文献1には、2重管ロールにおいて、外セルの厚さが、外セルの半径の0.03倍以下に形成された成形ロールか開示されている。この成形ロールは、金属製の外セルを有しており、外セルの厚さを薄くすることで、この成形ロールが押圧される一方の成形ロール(以下、主ロールとも称する)に対する押圧力で、主ロールの外周に倣って弾性変形可能に構成されている。このように弾性変形しやすくすることで、一対の成形用ロールの間での接触幅を広げて、かつ、成形ロールの軸方向(シート幅の方向)に亘って均一なニップ圧を得ることが可能にされている。
また、この成形ローラでは、外セルの両端部のバネ常数が高くなることを避けて弾性変形しやすくするために、外セルの外周面の端部に、周方向に沿って溝部を形成することで、端部の厚さが更に薄くされた部分が形成され、弾性を高める構成が記載されている。
また、特許文献2には、外セルの内周面に、周方向に沿って溝を形成し、外セルの柔軟性を高めると共に冷却性を高め、大型の成形ロールを構成することが可能な成形ロールが開示されている。
特許3194904号 特開2001−116027号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の成形ロールは、外セルの厚さを薄くすることで弾性変形しやすく構成されているが、外セルの厚さが薄いので、外セルの製造時に弾性変形しやすく、加工することが困難である。
また、特許文献1に記載の成形ロールは、外セルの外周面の端部に溝部を形成することで、弾性を高める効果が得られるものの、外セルに加わる応力が高くなってしまう。
また、特許文献1に記載の成形ロールは、この成形ロールが押圧される主ロールよりも、軸方向の長さが長くなってしまうので、成形装置全体の大型化を招く問題がある。
また、上述した特許文献2に記載の成形ロールは、 成形ロールの軸方向の長さを、主ロールの軸方向の長さと等しく形成した場合、シートの幅方向の端部と、成形ロールの軸方向の端部との間の距離が少ないので、シートの幅方向の端部において、成形ロールの端部のバネ常数が大きくなってしまう問題がある。
また、特許文献2に記載の成形ロールは、外セルが弾性を有しているので、外セルの軸方向の中央部が、両端部よりもバネ常数が小さく、弾性変形しやすい。このため、実際に成形ロールを使用するときに、一対の成形ロールのニップ圧を設定値よりも大きくした場合、シートの幅方向の端部におけるニップ圧が、シートの幅方向におけるニップ圧の平均値よりも高くなり、シートの幅方向の中央部のニップ圧が小さくなってしまう問題がある。
その結果、シートの長さ方向に延びる縦縞が生じやすく、シートの幅方向に対して生じる厚さのばらつき(ムラ)を充分に抑えることができなかった。
そこで、本発明は、上記関連する技術の課題を解決することができるシート成形用ロール及びシート成形方法を提供することを目的とする。本発明の目的の一例は、一組のシート成形用ロール間にシートを挟んだときに弾性変形する外セルの弾性変形量を、外セルの軸方向に亘って均一化することができるシート成形用ロール及びシート成形方法を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明に係るシート成形用ロールは、シートを加圧成形するための円筒状の外セルと、外セルの内部に配され、外セルの内径よりも小さい外径を有する円筒状の内セルと、を備え、外セルが、外セルと内セルとの間の空間を回流する温調流体によって温調されるシート成形用ロールであって、
外セルの軸方向の両端を支持する円板状の外フランジ部を有する一対のフランジ部材を備え、外セルと外フランジ部とで閉じられた空間を温調流体が流れる。外フランジ部は、外周側に、内周側よりも軸方向の厚さが小さい薄肉部が設けられ、薄肉部の内周側の端が、内セルの内周面よりも内セルの径方向の内側に位置する。薄肉部の厚さが、外セルの径方向の厚さの1倍以上3倍以下、かつ、外フランジ部の径方向に対する薄肉部の径方向の高さが、外セルの厚さの1倍以上であることを特徴とする。
また、本発明に係るシート成形方法は、本発明のシート成形用ロールを用いて、一対のシート成形用ロールの間に溶融樹脂材を挟んでシートを成形する。
本発明によれば、フランジ部材の外フランジ部が薄肉部を有することで、外セルの軸方向の端部が弾性変形しやすくなるので、一対のシート成形用ロールの間にシートを挟んだときに弾性変形する外セルの弾性変形量を、外セルの軸方向に亘って均一化することができる。その結果、本発明は、シートの幅方向に厚さのばらつきが生じることを防ぐことができる。
また、本発明によれば、シート成形用ロールを軸方向に長くすることなく簡素な構成で、外セルの軸方向に対する弾性変位量の均一化が図られ、成形装置全体の大型化を避けることができる。
実施形態のシートの成形装置を示す概略図である。 第1の実施形態の成形ロールを示す断面図である。 第1の実施形態の成形ロールの要部を示す断面図である。 第1の実施形態の成形ロールを軸方向に直交する面で切断して示す断面図である。 第1の実施形態の成形ロールに線圧が加えられた状態を説明するための図である。 一対の成形ロールの間にシートを挟み込んでいる状態を示す断面図である。 第1の実施形態の成形ロールと、従来の成形ロールと比較して、たわみ曲線を示す図である。 第1の実施形態の成形ロールと、従来の成形ロールと比較して、線圧を示す図である。 第2の実施形態の成形ロールの要部を示す断面図である。 第3の実施形態の成形ロールの要部を示す断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
本明細書において、『線圧』とは、一対のロールを押し当てたときのロールの軸方向の単位長さ当たりの力を意味する(例:100N/cm)。線圧はニップ圧とも称する。
また、『クラウン』とは、ロールの軸方向の中央部が、ロールの軸方向の端部よりも太い形状を指す。『クラウン量』とは、ロールの軸方向の中央部の直径と、ロールの軸方向の端部の直径との差の値を指し、ロールの軸方向の中央部の直径をD1、ロールの軸方向の端部の直径をD2としたとき、クラウン量=D1−D2で表される。
(第1の実施形態)
図1に、シートを加圧成形する成形装置の概略図を示す。成形装置1によって成形されるシート2は、厚さが0.05mmから1mm程度までの範囲内の透明クリアシートであり、PC(Polycarbonate)やPMMA(Polymethylmethacrylate)、PET(Polyechylene Terephthalate)などの樹脂材料を用いて成形される。
図1に示すように、実施形態の成形装置は、溶融樹脂材を押し出すため押出機のTダイ3と、溶融樹脂材を挟んでシート2の厚さや形状を整えて形成する成形ロール4a、4b、4cと、を備えている。成形ロール4a、4b及び4cは、成形ロールの軸方向に対して同じ幅を有している。成形ロール4a、4b及び4cによってシート2に線圧がかけられることでシート成形が行われる。
Tダイ3は、押出機から供給される樹脂材料をシート状に押出し、樹脂材料を一対の成形ロール4aと成形ロール4bとの間隙に導く。Tダイ3が鉛直方向の下向きに設置され、Tダイ3の下側に成形ロール4aと成形ロール4bとの間隙が位置するように成形ロール4a及び4bが配設されている。
また、成形ロール4a及び成形ロール4bは、溶融樹脂材を挟むように互いに平行に配置されている。鉛直方向下向きに押出された溶融樹脂材を一対の成形ロール4a及び成形ロール4bで受けることによって樹脂材料の成形性を高めることができる。
成形ロール4bは位置が固定されており、成形ロール4a、4cは不図示の加圧装置によって成形ロール4bとの間隙を開閉する方向(図1に示す白抜き矢印の方向)に移動可能に構成されている。加圧装置としては、一般的に、空圧式や油圧式シリンダが用いられる。成形ロール4a及び成形ロール4bは、通常、同じ周速で回転され、成形ロール4a及び成形ロール4bの軸方向であるシート幅全域に均一な圧力をかけることによってシート2を一定の厚さに成形する。
シート2は、成形ロール4aと成形ロール4bとの間隙を通過した後、成形ロール4bに巻き付けられ、必要に応じて成形ロール4cによって搬送方向の下流側に搬送される。また、成形ロール4aと同様に、成形ロール4cも加圧装置によって成形ロール4bとの間隙を開閉する方向(図1に示す白抜き矢印の方向)への移動が可能になっている。
成形ロール4cを通過した後、シート2は冷却され、コイル状に巻き取られるか、または所定の長さで切断される。必要に応じて、成形ロール4cや不図示の他の成形ロールを用いて、シート2を再度加圧成形してもよい。
次に、成形ロール4aの構造について説明する。図2に、第1の実施形態の成形ロール4aの断面図を示す。図3に、図2に示す成形ロール4aの、軸方向の中央部から操作側にかけて拡大した詳細断面図を示す。図3にて、成形ロール4aの軸方向の長さLの中央の位置をFで示している。
図2に示すように、成形ロール4aは、弾性を有する薄肉金属体で形成された円筒状の外セル5と、外セル5の内径よりも小さい外径を有する内セル6と、を備える二重管ロールである。したがって、外セル5の内周面と内セル6の外周面との間には空間が形成されており、この空間が、温調流体としての温調液7が流れる流路(間隙流路)8cとして構成されている。図2に示す外セル5及び内セル6は、鋼材によって形成されており、成形ロール4aも鋼材を溶接して構成されている。なお、温調流体としては、温調液7の代わりに、気体や気液混合流体が用いられてもよい。
また、図2及び図3に示すように、外セル5の両端、及び内セル6の両端には、一対のフランジ部材としてのフランジ10が溶接接合されており、フランジ10に一体に形成された軸9が、軸受け11によって回転可能に支持されている。
図3に示すように、本実施形態におけるフランジ10は、外セル5の軸方向の両端を支持する円板状の外フランジ部20と、内セル6の軸方向の両端を支持する円板状の内フランジ部21と、を有している。内フランジ部21は、外フランジ部20に対して、外セル5及び内セル6の軸方向に並んで配されている。このように外セル5及び外フランジ部20と、内セル6及び内フランジ部21とで閉じられた空間を温調液7が流れる。
外フランジ部20は、外周側に、内周側よりも、この径方向に直交する軸方向の厚さが小さい薄肉部22が設けられており、薄肉部22の内周側の端が、内セル6の内周面よりも径方向の内側に位置するように延ばして形成されている。このように薄肉部22が形成されることで、外フランジ部20の外周側のバネ常数が小さくされ、弾性変形しやすく形成されている。その結果、外セル5の両端部の弾性変位量が大きくされている。
加えて、薄肉部22の軸方向の厚さt3は、外セル5の軸方向の中央部における厚さt1(図3参照)の1倍以上3倍以下、かつ、外フランジ部20の径方向に対する薄肉部22全体の高さ(長さ)hが、外セル5の厚さt1の1倍以上に設定されている。
薄肉部22は、外セル5全体を支えており、大きな外圧が加わることになる。また、温調液7による内圧も、薄肉部の内面に加わっており、温調液7が収容された圧力容器として考えると、円筒状の外セル5よりも外フランジ部20に加わる応力が大きい。このため、薄肉部22の軸方向の厚さt3は、外セル5の厚さt1の1倍未満の場合、外セル5の機械的強度を充分に確保する困難であり、厚さt1の1倍以上に設定されている。
また、薄肉部22の軸方向の厚さt3は、外セル5の厚さt1の3倍を超えた場合には、薄肉部22の高さhを大きく確保しても、薄肉部22の弾性を充分に得ることができないので、外セル5の厚さt1の3倍以下に設定されている。
また、内フランジ部21と外フランジ部20との間には、内フランジ部21の径方向に窪んだ環状の溝部としての外回流溝23が、内フランジ部21の周方向に亘って設けられており、外回流溝23の底面が、内セル6の外周面よりも、内セル6の径方向の内側に位置している。外回流溝23は、外セル5と内セル6との間の流路8cに連通されている。また、薄肉部22の内周側の端は、外回流溝23の底面に連続して形成されている。
このように、成形ロール4aは、外回流溝23を有することで、流路8dから外回流溝23内に流入した温調液7が、外回流溝23の周方向に広がるように流れ、流路8dから流れ込む温調液7の流速を下げるバッファとして外回流溝23が機能することになる。その結果、外回流溝23の周方向に流入した温調液7が流路8cに流れ込むことになるので、温調液7の流速が平均化され、シート2に冷却ムラが生じることが抑えられる。加えて、成形ロール4aは、外回流溝23を有することで、流路8dから流路8cに向かって流れ出た温調液7が、外セル5の内面に高速で衝突することが抑えられるので、長期間の使用に伴って厚さが薄い外セル5に摩耗や腐食が生じることが抑えられる。
また、図2及び図3に示すように、操作側の軸9には、温調液7が操作側に向かって流れる流路8aと、流路8aの周りを温調液7が駆動側に向かって流れる流路8eとが形成されている。流路8aは、駆動側の軸9から、成形ロール4aの中心を通って操作側の軸9に向かって延ばされて設けられている。
図4に、成形ロール4aの軸方向に直交し、かつ流路8dの中心を通る面で切断したときの成形ロール4aの断面図(図3に示すC−C断面図)を示す。図4に示すように、フランジ10には、6つの流路8dが、フランジ10の中心から外周に向かって放射状に形成され、かつ周方向に対して互いに均等な間隔をあけて設けられており、流路8cと流路8eとが連通されている。なお、駆動側のフランジ10も、流路8dと同様の構造をなす流路8bを有しており、流路8bによって、流路8aと流路8cとが連通されている。
また、フランジ10には、図3及び図4に示すように、流路8eと流路8dとの連結部分に、フランジ部10の径方向に窪んだ環状の内回流溝27が設けられており、温調液7がスムーズに流れるように構成されている。
また、フランジ10の外回流溝23には、流路8dから外回流溝23内に流入して外回流溝23を流れる温調液7の流れを遮る遮蔽部材としての円環状の整流板25が、内フランジ部21に溶接接合されて設けられている。また、整流板25の周面は、内セル6の周面と、径方向の位置を一致させるように配置されている。整流板25によって遮られながら、流路8cに流入した温調液が、内セル6の周面に沿って円滑に流れ、流路8cに沿って外セル5の軸方向に流れる。
さらに、外フランジ部20の薄肉部22の内面と、薄肉部22に対向する整流板25の端部との間の隙間は、外セル5の内周面と内セル6の外周面との間の空間が構成する流路8cよりも、外セル5の径方向に対する間隙を小さくする絞り部31として機能する。
本実施形態では、整流板25を有することで、流路8dから流入した温調液7が、整流板25に衝突して、外回流溝23の周方向に広がると共に絞り部31を通ることで、流路8cに流速が更に均一化された温調液7が流路8cを流れることになる。すなわち、流路8dから流路8cに向かって流れる温調液7が整流板25に衝突し、かつ絞り部31を通ることで、温調液7の流速が均一化され、シート2に冷却ムラが生じることが更に抑えられる。
なお、本実施形態では、円環状の整流板25が用いられたが、6つの流路8dから外回流溝23内に流入する温調液7の流れが遮られればよく、流路8dの端部に対向する位置に、6つの整流板(不図示)に分割されて配置されてもよい。複数の整流板に分割された構成の場合には、整流板と外フランジ部20との間に構成される絞り部が、外フランジ部20の周方向に部分的に設けられることになる。しかしながら、この場合にも、温調液7を周方向に分散させる働きがあり、流路8cに流入する温調液7の流れを周方向に対して均一化する作用が得られるので、冷却特性がシート2の幅方向に対して均一化することができる。
成形ロール4aの外周の温度制御は、流路8cを流れる温調液7を回流させることによって行われる。温調液7は、冷水や温水等が用いられ、成形ロール4aの外周を所望の温度に制御するために流量が調整される。図2に示すように、温調液7の回流は、まず操作側の軸9に設置されたロータリジョイント16にて外部から取り込まれ、軸9に設けられた流路8eに沿って駆動側の軸9に向かって流れる。その後、操作側のフランジ10に形成された内回流溝27、流路8d、外回流溝23を通って、流路8cへ流入し、外セル5の内周面に沿って操作側から駆動側へ到達する。
最後に、駆動側のフランジ10に形成された流路8bから駆動側の軸9の中心に設けられた流路8aに流入し、流路8aに沿って駆動側から操作側に流れて、成形ロール4aから排出される。その後、温調液7は、外周流路を経て不図示の温調装置に入り、温調装置から再び流路8eに流入する。温調装置は、温調液7の温度を一定に保つ機能を有する。
また、軸9の一端は、モータ23と連結されており、モータ23によって成形ロール4aが所定の速度で回転駆動される。なお、成形ロールにおいて、モータ23が連結されている側を駆動側とし、この駆動側の反対に位置する側を操作側とする。
さらに、軸受11は、不図示の軸受箱を介して成形ロール4bと成形ロール4aとの間隙を開閉する方向(図1に示す白抜き矢印の方向)に押圧する加圧装置が設けられている。加圧装置としては、通常、空気式、又は油圧シリンダ式が使用される。ロール軸受箱は、リニアガイドによって移動可能に支持されており、成形ロール4aは平行移動することができる。
また、図3に示すように、外セル5の内周面には、外セル5の軸回りに沿って延びる凹部12が形成されている。第1の実施形態では、凹部12として、凹部12が延びる長手方向に直交する断面形状が台形をなす雌ネジ状の溝が形成されている。また、凹部12は、連続する1本の溝で形成される一条ネジをなすように構成されている。
外セル5の軸方向に隣り合う凹部12のピッチPは、外セル5の柔軟性を得るために重要な寸法であり、詳細については後述する。
第1の実施形態において、凹部12のピッチPが4mm、外セル5の厚さが5mmであり、外セル5の柔軟性が、凹部12が延びる長手方向に直交する方向において異なる作用を有している。また、このピッチPは熱移動の観点からも重要である。
隣り合う凹部12のピッチPは、外セル5の外周面における温調能力の均一性を高めるため、外セル5の径方向の厚さ以下にする方がよい。成形時に成形ロール4aに接触するシート2の温度偏差が小さくなり、シート2の結晶化のばらつきが低減される。
また、外セル5の、凹部12が形成されている凹形成部12pは、シート2が接触するシート接触部(シート幅)2pよりも広い範囲に形成されている。凹形成部12pの端部からシート接触部2pの端部までの部分には、凹部12よりも深さが小さい凹部(以下、小型凹部13と称す)が形成されている。
小型凹部13は、外セル5の肉厚の急激な変化をなくす役割を有している。したがって、肉厚が急激に変化する位置で生じる応力集中を抑制し、外セル5の破損を防止することができる。なお、小型凹部13の代用として、外セル5の径方向の厚さを徐々に変化させることによって、外セル5の軸方向に対して外セル5の内周面を緩やかに変化させたテーパ部(不図示)が形成されてもよい。
外セル5の内周面は、鋼製である外セル5の腐食を防止するためにメッキ膜が設けられている。特に、凹部12の底面部は厚さが薄肉に形成されているので、外セル5の機械的強度を長期間に亘って保つために、腐食を防止することが重要であり、第1の実施形態では、Niメッキを施されて鏡面仕上げにされている。
本実施形態の成形ロールの外セル5の凹部12の深さDは、外セル5の軸方向の中央部の厚さt1(図3参照)の0.1倍以上である。本実施形態のロールの外セル5の凹部12のピッチ(隣接する凹部12間のピッチ)Pは、凹部12の底面の外セル5の最小厚さtt(図3参照)の10倍以下である。
外セル5には、シート接触部2pよりも広い範囲にクラウンが形成されている(以下、クラウンが形成されている範囲をクラウン形成部15と称す)。外セル5は、シート2を成形するときの荷重でたわむ。そこで、予めクラウンを形成しておくことによって、成形ロール4aに荷重が加わった状態で均一な線圧が得られるようにしている。
第1の実施形態では、クラウンは外セル5の全領域に形成されていない。クラウン形成部15の端部から外セル5の端部までのクラウンが形成されていない範囲には、外セル5の端部に向かって外径を徐々に小さくするテーパ部17が設けられている。テーパ部17が設けられることによって、成形ロール4aの端部と成形ロール4b(図1)の端部との接触が回避される。
内セル6の肉厚は、外セル5の肉厚が薄いので、成形ロール4a全体の剛性を高く保つために、外セル5の肉厚よりも厚く形成されており、内セル6の両端がフランジ10の内フランジ部21に溶接接合されている。
成形ロール4aは、外セル5の内周面に、凹部12が形成されており、凹部12が形成されていない場合に比べて温調液7との接触面積が大きくされている。したがって、外セル5と温調液7との間の熱交換も多くなる。
また、第1の実施形態では、温調液7が凹部12の延在方向に対してほぼ直角に流れるので、乱流が生じる。一般に層流よりも乱流の方が、渦が発生しやすく伝熱効果が高い。したがって、流れに対してほぼ直角に凹部12が形成された第1の実施形態では、効率良く熱交換が行われる。
すなわち、第1の実施形態では、接触面積を大きくした効果と、乱流を生じさせる効果とによって、成形ロール4aの温調能力が高められている。
以上のように構成された実施形態の成形ロールの構成例を表1に示す。
Figure 0005848687
表1に示すように、本実施形態では、成形ロール4aの主要寸法である外セル5の軸方向の幅及び軸受11間の距離を1350mm及び1580mmとした。シート接触部2p(図3)を1150mmとした。
また、外セル5の外径及び内径を300mm及び290mmとし、外セル5の厚さが5mmとなるようにした。また、内セル6の外径を270mmとし、外セル5と内セル6との間隔、すなわち流路8cの間隔を10mmとした。内セル6の内径を230mmとし、内セル6の厚さが20mmとなるようにした。内セル6は、成形ロール4aの全体の剛性を保つために、外セル5よりも厚くされている。
さらに、凹部12のピッチPを4mmとし、凹部12の深さを1.9mmとした。凹部12の形成によって除去された部分と、凹部12の形成によって凸部として残された部分との断面面積比率を、58%:42%とした。
外セル5の外周面のシート接触部2pは、表面にクロムメッキを施した後、鏡面仕上げを行った。また、クラウン形成部15に形成されるクラウンとして、一般的な円弧状のR曲線を用いた。また、第1の実施形態では、テーパ部17として、クラウン形成部15の端部の外径に対し、外セル5の端部の直径を1mm小さく設定した。
以上のように構成された成形ロール4aは、厚さが0.05mmから1mm程度までの薄いシート2を成形する用途で使用され、シート2の成形時に必要なニップ圧が100N/cmである。本実施形態の成形ロール4aの用途は、剛性が高い成形ロールでは成形が困難である厚さ0.1mm程度の薄膜シートを高速度で成形することである。
なお、図1に示す、成形ロール4aが押圧される相手側となる成形ロール4bも同様に、内部に温調液7を流すことが可能な二重管構造であり、温調可能となっている。ただし、成形ロール4bの外セル5の厚さは、成形ロール4aの外セル5の厚さよりも厚くされており、想定される線圧(例えば100N/cm)ではほとんど変形しない。したがって、成形ロール4bは、剛体ロールと見なすことができるので、クラウンが形成されていない。
図5(a)に、成形ロール4bによって成形ロール4aに線圧がかけられたときの成形ロール4aの断面形状を示す。図5(a)に示す状態は、図5(b)で示すつぶれ変形と、図5(c)に示すたわみ変形とが足し合わされた状態と解釈することができる。
図5(b)は、外セル5の外周の点aから中心に向かって(白抜き矢印の方向)荷重がかけられた場合の外セル5のつぶれ変形aを示す断面図である。実線で示される輪郭が荷重をかけた場合の形状であり、一点鎖線で示される輪郭が荷重をかけていない場合の形状である。外セル5は、荷重がかけられた点aがつぶれ、つぶれた分だけ点aの周辺が膨らむように変形する。
したがって、成形ロール4bと成形ロール4aとが、一点で接触するわけではなく、成形ロール4aがつぶれ変形aの分だけ曲面で接触することとなる。なお、成形ロール4bと成形ロール4aとが接触する幅をニップ幅18と称する(図5(a))。
図5(c)に、外セル5のシート接触部2p全体にわたって均等に荷重をかけた場合の成形ロール4aのたわみ変形eを示す。図5(d)に、成形ロール4aの軸方向に沿ってたわみ変形eを示す。図5(d)に示すように、外セル5は、軸方向の中心において、たわみ変形eが最大となり、たわみ量eを生じる。したがって、たわみ変形eが最大となる位置での成形ロール4aの断面図は、つぶれ変形aを考慮しない場合、図5(c)に示すように、内セル6の中心6cに対して、外セル5の中心5cがたわみ量eだけ移動する。
本実施形態では、外セルの厚さが5mmと薄肉であるので、変形の大部分がつぶれ変形aである。第1の実施形態では、外セル5の軸方向の中央部におけるつぶれ変形a、たわみ変形eはそれぞれ0.14mm、0.06mm程度であり、外セル5のつぶれ変形aの割合が70%を占める。
成形ロール4aの外セル5が成形ロールの軸方向の中央部で大きくたわみ、成形ロール4aの相手側となる成形ロール4bは、剛体ロールと見なせるのでたわみが無視でき、変形しない。このため、成形ロール4a及び成形ロール4bのたわみを一致させてニップを成立させるため、荷重負荷時における成形ロール4aのニップ部を直線にする。そこで、あらかじめ計画した荷重でのたわみ量を計算し、そのたわみ量に相当するクラウンを外セル5に付与することによって、ニップ圧力を軸方向にわたって均一にすることができる。
第1の実施形態において、クラウン量は、成形ロールの中央の半径を0.12mm大きくすることによって形成されている。すなわち、成形ロールの中央における直径でのクラウン量は0.24mmである。クラウンを付けることで、シート2の成形時に規定の線圧をかけたとき、成形ロール4aの幅方向に均一な線圧が得られる。また、成形ロール4bは、セル厚さが厚い剛体ロールであり、たわみが無視できるので、クラウンが付けられていない。
次に、シート成形時のシートの厚さムラ、特に薄いシートに生じやすいシート縦縞に対するニップ性能について述べる。
図6において、凹部12が外セル5の内周を1周するリング状に近い形状に形成されているので、外セル5は、軸方向に沿って柔軟に変形することができる。図6(a)及び図6(b)に、シート2が成形ロール4aと成形ロール4bとの間に挟まれているときの、シート2に対して垂直な面で切断したときの断面図を示す。図6(a)には、凹部12が形成された外セル5を示し、図6(b)には、一様な厚さを有する外セルを示している。
図6(b)に示すように、凹部12が形成されていない場合には、外セル5は一体となって変形をするので、溶融樹脂の流入量が多い付近において未圧搾部29(シート縦縞)が生じやすい。未圧搾部29は、外セル5の外周面の圧搾を受けないので、未圧搾部29と圧搾部とで外観が異なり、結果的にシート2が縞状の外観を呈し、不良品になる。
シート2として特に薄膜フィルムを成形する場合、Tダイ3から溶融樹脂を軸方向に亘って均一に吐出することが難しく、またシート2が薄いので冷却が早く、成形ロール4a及び4bによって圧搾しても軸方向への溶融樹脂の流れが少なく、シート2に未圧搾部29が生じやすい。外セル5に凹部12を形成することにより、図6(a)に示すように、外セル5は、凹部12の長手方向に直交する方向対して変形が容易となり、未圧搾部29を無くすことができる。また、凹部12を有する外セル5によれば、更に薄いシート2を高速に成形することができる。
さらに、本実施形態では、凹部12が外セル5の軸回りにリング状に形成されているので、外セル5が凹部12を有する構造であってもつぶれ変形aが小さくされている。このため、クラウン量も大きくする必要が無く、シート縦縞に対して成形性が良い成形ロールが得られる。
[線圧負荷条件]
第1の実施形態の成形ロール4aに、幅10mm×長さ1300mm×100N/cmの線圧荷重を負荷した。
[たわみ量の計算結果]
計算方法としては、一般的な有限要素法を用いて電子計算機でたわみ量を計算した。たわみ量の計算結果を図7に示す。
[たわみ曲線での比較]
図7に、本実施形態の成形ロール4aの成形性について、薄肉部が設けられていない比較形態の成形ロールと比較して、たわみ曲線を示す。図7において、縦軸がたわみ量を示し、横軸が成形ロールの軸方向の位置(ロール幅)を示す。横軸において、成形ロールの一端部の位置を0mmとして、中央部が675mm付近に対応している。また、図7において、実施形態の成形ロールを破線で示し、比較形態の成形ロール(従来例)を実線で示す。図7にて、線圧がかけられた範囲をRで示す。たわみ曲線とは、成形ロールの表面に線圧をかけて、クラウン形成部の成形ロールの表面のたわみ量を、成形ロールの幅方向に沿ってプロットした曲線である。
実施形態の成形ロールは、図3に示すように、薄肉部22の厚さt3を外セル5の中央部の厚さt1の2倍である10mmとし、薄肉部22の高さhを30mmとし、外回流溝23が設けられたフランジ10を備える構成とした。
一方、比較形態の成形ロールは、一般的な成形ロールを想定しており、外フランジ部の軸方向の厚さを外セルの中央部の厚さt1の5倍である25mmとし、外フランジ部の径方向の高さを7.5mmとし、本実施形態における外回流溝23が設けられていないフランジを備える構成とした。
図7に示すように、実施形態は、比較形態に比べて、成形ロールの軸方向全体に亘ってたわみ量が大きくなっている。特に、実施形態は、ニップ時の成形ロールの端部におけるたわみ量Q1が、比較形態のたわみ量Q2よりも大きくなっており、外フランジ部20が薄肉部22を有することで、たわみ量が増えている。これは、実施形態における外フランジ部20が薄肉部22を有することで、外フランジ部20の剛性(バネ常数)が小さくなり、外セル5の端部と共に弾性変形しやすくなっているためである。
図7に示したたわみ曲線に基づいて、線圧(ニップ圧)が変化した場合のニップ曲線(成形ロールの軸方向におけるプロファイルの変化)を図8に示す。図8において、縦軸が線圧を示し、横軸が成形ロールの軸方向の位置(ロール幅)を示す。また、図8においても、図7と同様に、実施形態の成形ロールを破線で示し、比較形態の成形ロール(従来例)を実線で示す。
図8に示すように、線圧が50N/cmのときには、設計目標値である設計線圧が加わることになり、所定のクラウンが付いているので、実施形態と比較形態とで共に、成形ロールの軸方向に亘って均一なニップ曲線(直線)となる。次に、線圧を70N/cmに変えたときは、線圧増加時の実施形態と比較形態とで共に、成形ロールの中央部から一端部に向かって線圧が次第に高くなるニップ曲線となる。
このように線圧を設計目標値の線圧から変更して成形ロールを使用することは、実際のシート成形工程では一般的に行われている。一例として、薄いシートを成形する場合、シート耳部よりも幅方向の内側に、成形ロールの押圧力のムラ(タッチムラ)が生じやすいが、線圧を大きくすることでタッチムラを解消することができる。また、厚いシートを成形する場合、シートの幅方向全域に亘って成形ロールが押圧され、シートの形成材料に応じて線圧を小さくして、シートに作用する応力を減らして成形を行う場合もある。
特に、成形ロールの端部は、中央部よりもバネ定数が大きいので、成形ロール4aが押圧される成形ロール4bに対して軸方向全域に亘って均等に押圧したとき、端部のニップ荷重(線圧)が大きく増え、中央部のニップ荷重の増加が相対的に少ない。そのため、成形ロールによるニップ荷重を設計目標値よりも大きくした場合、成形ロールの端部での線圧が、軸方向における線圧の平均値よりも大きくなり、中央部が小さい凹状のニップ曲線を示す。一方、ニップ荷重を設計目標値よりも小さくして使用した場合、端部が小さい凸状のニップ曲線を示す。
そして、実施形態の成形ロールの一端部における線圧は、比較形態よりも若干小さくなっており、ニップ曲線全体の線圧が僅かであるが平均化され、成形ロールの軸方向に対する線圧の変化を小さくすることができた。すなわち、実施形態の成形ロールによれば、成形ロールの軸方向における線圧を均一化することができる。
[その他の構成の比較]
また、成形ロール4aは、外セル5、内セル6、フランジ10及び軸9が溶接によって接合されて形成されているので、外セル5や内セル6を個別に回転させる成形ロールに比べて、高速で回転可能である。第1の実施形態によれば、100m/minの回転速度で使用可能となる。
外セルと内セルとが個別に回転する成形ロールでは、外セルと内セルとの摺動部分における機械的強度を高める必要がある。つまり、摺動部分における機械的強度が、この成形ロールでの耐久荷重となる。また、個別に回転する外セルと内セルのシール部分から液漏れが生じやすい。第1の実施形態における成形ロール4aでは、外セル5と内セル6とが一体となって回転するので、摺動部分が存在しない。したがって、材料の許容強度を線圧の耐久荷重とすることができ、耐久性を高められる。さらに、ゴム、プラスチックなどほとんど用いずに、金属材で構成することによって耐久性が高められる。
上述したように、第1の実施形態の成形ロール4aによれば、一対の成形ロール4a、4bの間にシート2を挟んだときに弾性変形する外セル5の弾性変形量を外セル5の軸方向に亘って均一化する。その結果、本実施形態は、シート2の幅方向に厚さのばらつきが生じることを防ぐことができる。したがって、成形ロール4aの使用時に、成形ロール4aで加える線圧を変更させた場合であっても、線圧プロファイルを均一化することができる。
また、実施形態によれば、成形ロール4aを軸方向に長くすることなく簡素な構成で、成形ロール4aの端部とシート2の端部との間の距離を短くし、外セル5の軸方向に対する弾性変位量の均一化が図られ、成形装置1全体の大型化を避けることができる。
また、実施形態の成形ロール4aは、外回流溝23を備えることで、外セル5と内セル6との間の流路8cを流れる温調液7の流速を均一化することが可能になり、成形ロール4aの軸方向に亘って均一な温度の温調液7で冷却される。その結果、シート2の幅方向に冷却ムラが生じることを抑えることができる。
また、実施形態の成形ロール4aは、整流板25を備えることで、外セル5と内セル6との間の流路8cに流入する温調液7の流速を下げると共に均一化することが可能になり、流路に流入する温調液7が外セル5の内面に衝突することを抑えることができる。その結果、比較的薄く形成されている外セル5が、温調液7によって摩耗や腐食が生じることが抑えられ、成形ロール4aの耐久性を高めることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の成形ロール14aの構成を説明する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部材及び同一の部分には、便宜上、同一符号を付して説明を省略する。
図9に、第2の実施形態の成形ロール14aの軸方向の中央部から操作側までの部分を拡大した詳細断面図を示す。
図9に示すように、第2の実施形態の成形ロール14aは、第1の実施形態の成形ロール4aと比べて、内回流溝27及び整流板25が省かれて構成されている。また、内セル6の外周には、スパイラル板60が、内セル6の軸回りに沿って螺旋状に設けられており、スパイラル板60によって流路8cを流れる温調液7が案内される。なお、スパイラル板60と外セル5の内面との間の隙間EEは、外セル5のたわみ量よりも大きく設定されている。
第2の実施形態のように、整流板25を備えていない構成であっても、外回流溝23内の空間を充分に大きく確保することで、流路8dから流路8cに向かう温調液7の流速が充分に下げられ、流路8cにおける温調液7の流速を均一化することが可能である。したがって、第2の実施形態の成形ロール14aにおいても、第1の実施形態の成形ロール4aと同様に、シート2に冷却ムラが生じることを抑えることができる。
加えて、第2の実施形態は、内セル6がスパイラル板60を備えることによって、流路8c内を流れる温調液7の流速を速くすることが可能になると共に、温調液7が螺旋状に流れることで外セル5の凹部12内の流れも確保することが可能になるので、外セル5の冷却性能を更に高めることができる。
また、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、外セル5の弾性変形量を外セル5の軸方向に亘って均一化することができる。
(第3の実施形態)
図10に、第3の実施形態の成形ロールの要部を軸方向に平行な面で切断した部分断面図を示す。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部材及び同一部分には、便宜上、同一符号を付して説明を省略する。
第1及び第2の実施形態では、薄肉部22が、外フランジ部20の径方向と平行に延びて形成されていたのに対し、第3の実施形態では、薄肉部が、外フランジ部の径方向に直交する軸方向に屈曲された屈曲部を有している。
図10に示すように、第3の実施形態の成形ロール24aが備えるフランジ35は、外セルの端部を支持する外フランジ部36と、内セル6の端部を支持する内フランジ部37とを有している。外フランジ部36は、外周側に、内周側よりも、この径方向に直交する軸方向の厚さが小さい薄肉部38が設けられており、薄肉部38の内周側の端が、内セル6の内周面よりも径方向の内側に位置するように延ばして形成されている。
そして、外フランジ部36の薄肉部38は、外フランジ部36の径方向に直交する軸方向と平行に屈曲された屈曲部39を有しており、薄肉部38の外周部に、外セル5の端部が溶接接合されている。
また。本実施形態においても、薄肉部38の軸方向の厚さt3は、外セル5の軸方向の中央部における厚さt1の1倍以上3倍以下、かつ、外フランジ部36の径方向に対する薄肉部37の高さhが、外セル5の厚さt1の1倍以上に設定されている。第3の実施形態によれば、外フランジ部36の外周側から内周側に向かって延ばされる薄肉部38の長さが長くなり、薄肉部38のバネ常数を更に小さくすることが可能である。
なお、本実施形態における薄肉部38は、内周側から外周側に亘って、厚さt3が均一に形成されているが、薄肉部のバネ常数を小さくする等の必要に応じて、屈曲部の厚みを部分的に更に薄く形成されてもよいことは勿論である。また、本実施形態における薄肉部38の断面形状に限定するものでなく、特に制限はない。
また、第3の実施形態におけるフランジ36の内フランジ部37には、内セル6の径方向に突出して流路8cを狭くする絞り部41が、内フランジ部37の周方向に亘って形成されている。第3の実施形態における絞り部41も、第1の実施形態における絞り部31と同様に機能し、流路8dから流路8cに流入する温調液7の流速を下げ、流路8c内を流れる温調液7の流速を均一化することができる。本実施形態における絞り部41は、温調液7に対してアキュムレータとしての働きを奏する。
上述したように、第3の実施形態の成形ロール24aにおいても、薄肉部38を有することで、第1及び第2の実施形態と同様に、外セル5の両端部の弾性変位量を大きくし、外セル5の軸方向における弾性変位量を均一化することができる。
(その他の実施形態)
本実施形態の成形ロールの加熱冷却方式は、上述した温調液7を用いた加熱冷却方式に限定されるものではなく、電気誘導、気体、気液混合流体を用いた他の加熱冷却方式や、成形ロールの内部に温調流体としてのヒートパイプ液を封入してヒートパイプ液を介して間接的に熱交換する加熱冷却方式であってもよい。
[気体温調方式]
上述した実施形態では、液体である温調液7が用いられたが、気体が用いられてもよい。上述した実施形態の外セル5が有する凹部12は、いわゆる熱交換用フィンとしても機能するので、気体が用いられても温調能力が得られる。なお、温調流体として気体を用いる場合には、液体を用いる場合に比べて流速を高くすることが好ましい。
[2段階温調方式]
また、上述した実施形態では、外セル5の内周側の空間に、液体や気体などの温調流体を直接回流させることで成形ロールの温度調節を行うように構成したが、例えば外セル5の内周側に空間において、第1の温調流体と第2の温調流体を用いて、第1の温調流体と第2の温調流体との間で間接的に熱交換することで、成形ロールの温度調節を行うように構成してもよい。
なお、上述した実施形態では、図1に示した一対の成形ロールのうち、シート2が巻き付けられない成形ロール4aに適用されたが、シート2が巻き付けられる成形ロール4bに適用されてもよい。また、第1から第3の実施形態において、成形されるシートの厚さの一例を挙げて説明したが、上述したシートの厚さ用の成形用ロールに限定するものではない。
さらに、本実施形態の成形ロールは、シートの成形ロール以外の他のロールに適用されてもよい。
本実施形態の成形ロールは、冷却、加熱能力が優れているので、この特性を生かして、シート成形用ロール以外の、加熱、予熱及び冷却を必要とするロール、例えば製紙装置のドライヤーロール、印刷機のロールなどの他の産業用ロールに用いられて好適である。
1 成形装置
4a 成形ロール
5 外セル
6 内セル
8c 流路
10 フランジ
20 外フランジ部
21 内フランジ部
22 薄肉部
23 外回流溝

Claims (8)

  1. シートを加圧成形するための円筒状の外セルと、
    前記外セルの内部に配され、該外セルの内径よりも小さい外径を有する円筒状の内セルと、を備え、
    前記外セルが、該外セルと前記内セルとの間の空間を回流する温調流体によって温調されるシート成形用ロールであって、
    前記外セルの軸方向の両端を支持する円板状の外フランジ部を有する一対のフランジ部材を備え、前記外セルと前記外フランジ部とで閉じられた前記空間を前記温調流体が流れ、
    前記外フランジ部は、外周側に、内周側よりも軸方向の厚さが小さい薄肉部が設けられ、該薄肉部の内周側の端が、前記内セルの内周面よりも前記内セルの径方向の内側に位置し、
    前記薄肉部の前記厚さが、前記外セルの径方向の厚さの1倍以上3倍以下、かつ、前記外フランジ部の径方向に対する前記薄肉部の高さが、前記外セルの前記厚さの1倍以上である、ことを特徴とするシート成形用ロール。
  2. 前記フランジ部材は、前記内セルの軸方向の両端を支持する円板状の内フランジ部を有し、該内フランジ部は、前記外フランジ部に対して前記軸方向に並んで配され、
    前記内フランジ部と前記外フランジ部との間には、前記内フランジ部の径方向に窪んだ環状の溝部が前記内フランジ部の周方向に亘って設けられ、該溝部の底面が、前記内セルの外周面よりも、前記内セルの径方向の内側に位置している、請求項1に記載のシート成形用ロール。
  3. 前記フランジ部材は、該フランジ部材の軸方向に延ばされて前記温調流体が流れる流路を有し、
    前記溝部は、前記フランジ部材の径方向に延ばされた連通路を介して前記流路と連通され、
    前記溝部には、前記溝部を流れる前記温調流体の流れを遮る遮蔽部材が設けられている、請求項2に記載のシート成形用ロール。
  4. 前記外セルの内周面と前記内セルの外周面との間の空間が構成する間隙流路と、前記溝部との間には、前記外セルの径方向に対する前記間隙流路の隙間よりも、該隙間を小さくした絞り部が設けられている、請求項2または3に記載のシート成形用ロール。
  5. 前記外フランジ部の前記薄肉部は、前記外フランジ部の径方向に交差する方向に屈曲された屈曲部を有している、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート成形用ロール。
  6. 前記外セルの内周面には、前記外セルの軸回りに沿って延びる雄ネジ状又はリング状の凹部が形成されている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート成形用ロール。
  7. 前記外セルは、鋼材によって形成されている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート成形用ロール。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシート成形用ロールを用いて、一対の前記シート成形用ロールの間に溶融樹脂材を挟んでシートを成形するシート成形方法。
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