JP5253038B2 - シート・フィルムのロール成形装置およびロール成形方法 - Google Patents

シート・フィルムのロール成形装置およびロール成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチックの押出成形シートやフィルムの単材、シート類同士、紙や繊維などの複合材を挟圧成形して冷却し、シート製品やフィルム製品、ラミネート製品、特に光学的用途の極薄シート・フィルムの成形に適したシート・フィルムのロール成形装置およびロール成形方法に関する。
従来の熱可塑性樹脂の押出成形法には、金属ロール挟圧成形法とゴムロール挟圧成形法がある。
金属ロール挟圧成形法は、押出成形機からTダイを介して互いに平行に配置された主ロールと押さえロール上にシート状の溶融樹脂が供給され、主ロールと押さえロールの間で挟圧されて主ロールの表面に巻き付けられつつ、正確な成形厚みで両ロールの表面の鏡面またはエンボス面が転写成形され、ガイドロールを介して引き出される。これら主ロールと押さえロールは、多くの場合、径が200〜500mmで肉厚が15〜30mmと剛性の高い金属ロールにより構成され、主ロールと押さえロールは、それぞれ中空部に水や油などの冷却流体が供給されて樹脂を適正な温度に冷却するように構成されている。そして、これら主ロールと押さえロールは剛性の高いロールであるため、溶融樹脂シートを挟圧している状態で主ロールと押さえロールの表面の変形は無く、主ロールと押さえロールの間に溶融樹脂シートの余剰分が溜まるバンクが発生する。
また、弾性体が被覆された主ロールと樹脂との間に、無端状の金属帯を介在させるものもある。
上記金属ロール挟圧成形法において、バンクの量は、挟圧力およびシート状溶融樹脂の成形圧とロール間隔との差、溶融シート供給速度とロール周速度との差、溶融樹脂の粘度と温度に依存しているが、シート・フィルムの成形厚みが薄くなるほどバンク量を少なくする必要があり、溶融樹脂が許容する以上にバンク量が多くなると、製品の表面にバンクマークと呼ばれる横波状の凹凸模様が発生する。このバンク量を適正に許容範囲内で保持することで、緩衝作用となって挟圧部で良好に密着し、鏡面やエンボス面が良好に転写される。他方、このバンク量が許容範囲を越える場合には、挟圧部で樹脂シートに歪みが付与され、この歪みは、樹脂の弾性性質により左右されるが、ロール挟圧力やバンク量、溶融シート、ロール温度差が大きいと比例して大きくなる傾向にある。このような残留歪みがあるシートは、特に光の乱反射や複屈折現象を起こすために、光学的用途たとえば液晶などの表示装置には使用できず、また経時的に歪みが回復するために変形が生じて初期形状を保持できないため、文具類などに適用できないという問題があった。
ゴムロール挟圧成形法は、押さえロールの本体の表面に円筒状ゴムを被覆したもので、低い挟圧力であっても押さえロールの円筒状ゴムが主ロールの表面に沿って変形し、全ての溶融樹脂が挟圧部に送り込まれてバンクが発生することがない。
このゴムロール挟圧成形法では、バンクを形成することなく成形できるため、残留歪みが生じないが、押さえロールのゴム面では金属ロールのような鏡面が得られず、またゴムの熱伝導率が低いため高速成形ができない。さらにゴムが許容する挟圧力が小さいため、エンボス面の十分な転写ができず、さらにゴムの寿命が短いなどの問題があった。
そこで、本出願人は、特許文献1において、主ロールを剛性金属製の高剛性ロールとし、押さえロールを、弾性を有する薄肉金属製の弾性外筒を外嵌させた金属弾性ロールとし、さらに弾性外筒の肉厚/ロール半径≦0.03として、弾性外筒自体の持つ弾性(可撓性)で高剛性ロールへの押圧部分を凹ませて主ロールに面接触させるシート・フィルムの成形用ロール装置を提案した。
特許第3194904号
上記従来の成形用ロール装置により鏡面転写する場合、光学的用途に使用可能なシート・フィルムの成形厚みが0.3mm程度であるが、このように薄い成形厚みでは、安定して製造することが困難で歩留まりも悪いという問題があり、さらに近年では、さらに薄いシート・フィルムも求められているという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決して、残留歪みがなく光学的用途に好適なシート・フィルムの成形厚みをより薄く、かつ歩留まりもよく安定して成形でき、またエンボス面等の転写も高精度で行えるシート・フィルムのロール成形装置およびロール成形方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のシート・フィルムのロール成形装置は、押出成形機から押出されるシート状溶融樹脂(P)を主ロール(10)と第1押さえロールとで挟圧成形する第1挟圧部(1)と、当該第1挟圧部(1)から主ロール(10)の外周面に沿って送り出されたシート状溶融樹脂(P)を主ロール(10)と第2押さえロールとにより挟圧成形する第2挟圧部(2)とを具備したシート・フィルムのロール成形装置であって、主ロール(10)は、外周部に厚肉金属製の剛性外筒(11)が配置されて成形圧で変形しない高剛性に形成されるとともに、当該剛性外筒(11)の内周部に冷却空間(15)が形成され、第1押さえロールを、外周部に弾性を有する薄肉金属製の弾性外筒(21)が配置されその内周部に冷却空間(25)が形成された第1金属弾性ロール(20)とし、第2押さえロールを、外周部に弾性を有する薄肉金属製の弾性外筒(31)が配置されその内周部に冷却空間(35)が形成された第2金属弾性ロール(30)とし、第2金属弾性ロール(30)の弾性外筒(31)の肉厚(t3)が、第1金属弾性ロール(20)の弾性外筒(21)の肉厚(t2)をより厚く形成されるとともに、第2挟圧部(2)の成形圧(F2)が第1挟圧部(1)の成形圧(F1)より大きく設定され、第2挟圧部(2)は、主ロール(10)の外周面に沿って案内されるシート状溶融樹脂(P)の温度が、ガラス転位点以上で当該ガラス転位点から40℃高い温度以下の範囲内に配置されたものである。
請求項2記載のシート・フィルムのロール成形装置は、請求項1記載の構成において、弾性外筒(21)を有する第1金属弾性ロール(20)と弾性外筒(31)を有する第2金属弾性ロール(30)の少なくとも一方は、主ロール(10)と平行な軸心(O2)(O3)上に配置された内筒軸(23)(33)と、当該内筒軸(23)(33)から一定角度ごとに半径方向に突設されて冷却空間(25)(35)を周方向に区画する複数のリブ(24)(34)とを具備し、前記少なくとも一方の弾性外筒(21)(31)は、前記リブ(24)(34)の外周側に成形圧(F1)(F2)による弾性変形で接触しない隙間をあけて外嵌され、前記内筒軸(23)(33)に、当該内筒軸(23)(33)の軸心穴(23a)(33a)から供給された冷却流体を複数の前記冷却空間(25)(35)に分散供給する開口部(23b)(33b)が形成されたものである。
請求項3記載のシート・フィルムのロール成形装置は、請求項1または2記載の構成において、第1金属弾性ロール(20)の外径:D2と第1弾性外筒(21)の肉厚:t2とを、0.005≦t2/D2≦0.010の範囲とし、第2金属弾性ロール(30)の外径:D3と第2弾性外筒(31)の肉厚:t3とを、0.008≦t3/D3≦0.015(但し、t2<t3)の範囲とし、第1挟圧部(1)の成形圧:F1と第2挟圧部(2)の成形圧:F2とを、1.5≦F2/F1≦10の範囲としたものである。
請求項4記載のシート・フィルムのロール成形方法は、押出成形機から押出されるシート状溶融樹脂(P)を、外周部に厚肉金属製の剛性外筒(11)が外嵌されて内周部に冷却空間(15)を形成した主ロール(10)の外周部の、第1挟圧部(1)と第2挟圧部(2)とで成形するに際し、第1挟圧部(1)で、シート状溶融樹脂(P)を、外周部に弾性を有する薄肉金属製の第1弾性外筒(21)が外嵌されて内周部に冷却空間(25)を形成した第1金属弾性ロール(20)と、前記主ロール(10)とで挟圧成形し、第1挟圧部(1)から送り出されるシート状溶融樹脂(P)を、ガラス転位点以上で当該ガラス転位点から40℃高い温度以下の範囲で、第2挟圧部(2)に導入し、第2挟圧部(2)で、外周部に前記第1弾性外筒(21)より肉厚が大きくかつ弾性を有する薄肉金属製の第2弾性外筒(31)が外嵌されて内周部に冷却空間(35)を形成した第2金属弾性ロール(30)と、主ロール(10)とで、第1挟圧部(1)の成形圧(F1)より大きい成形圧(F2)で挟圧成形するものである。
請求項1記載のシート・フィルムのロール成形装置または請求項4記載のシート・フィルムのロール成形方法によれば、第1挟圧部で第1弾性外筒による弾性変形により、第1金属弾性ロールをシート状溶融樹脂を介して主ロールに面接触させて挟圧成形した後、主ロールの外周面に案内されるシート状溶融樹脂の温度がガラス転位点まで下がる前の40℃以下の範囲で、シート状溶融樹脂を第2挟圧部に導入する。この第2挟圧部で、第2弾性外筒の弾性変形により第2金属弾性ロールをシート状溶融樹脂を介して主ロールに面接触させて再度挟圧成形する。これにより、第1挟圧部で挟圧成形されたシート状溶融樹脂の裏面が、外気に触れて冷却され成形精度が低下するが、第2挟圧部で第2金属弾性ロールにより面接触させて挟圧成形することにより、シート状溶融樹脂に鏡面やエンボス面を効果的に転写して、残留歪みがなく光学的用途に好適なシート・フィルムを安定して成形することができる。また第2挟圧部では、第1弾性外筒よりも肉厚が大きい第2弾性外筒を使用し、かつ第1挟圧部の成形圧より大きい成形圧で挟圧成形することにより、温度が低下して硬化が進むシート状溶融樹脂に対する主ロールと第2金属弾性ロールの密着性を高めて、高精度で転写することができる。これにより、成形厚みの薄いシート・フィルムを歩留まりもよく安定して成形することができる。
請求項2記載の発明によれば、内筒軸から半径方向に取り付けられたリブで、冷却空間を複数に区画することにより、冷却流体を均一に分散させて周方向で均一に冷却することができる。また弾性外筒とリブとの間に、成形圧による弾性変形で接触しない隙間を形成したので、挟圧部で成形の妨げになることもなく、また必要以上の成形圧が弾性外筒に加わった時に、弾性外筒の塑性変形を防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、薄肉金属製の第1,第2弾性外筒は、同一の肉厚で同一の成形圧であれば、外径が小さいほど弾性変形が小さい。そこで第1弾性外筒の肉厚を、0.005≦t2/D2≦0.010の範囲とし、第2弾性外筒の肉厚を、0.008≦t3/D3≦0.015の範囲とするとともに、第2挟圧部の成形圧を第1挟圧部の成形圧の2倍以上で10倍以下とすることにより、第1挟圧部では、弾性変形された第1弾性外筒と主ロールとを、高温温度で柔軟なシート状溶融樹脂に面接触させて転写を高精度で行うことができる。また第2挟圧部では、弾性変形された第2弾性外筒と主ロールとを、冷却されて硬化が進むシート状溶融樹脂に十分に面接触させて転写を高精度で行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
このシート・フィルムのロール成形装置は、図1,図2に示すように、押出機からTダイDを介して押出されたシート状溶融樹脂Pを、第1挟圧部1で主ロール10と第1金属弾性ロール(押さえロール)20との間で挟圧成形し、主ロール10の外周面に沿って案内されるシート状溶融樹脂Pを、第2挟圧部2で主ロール10と第2金属弾性ロール(押さえロール)30との間で挟圧成形するものである。
[主ロール]
主ロール10は、回転軸12に軸心O1上に配置された内筒軸13と、この内筒軸13から一定角度ごとに半径方向に突設され内筒軸13の外周空間を周方向に分割して複数の冷却通路(冷却空間)15を形成する複数のリブ14と、両端部が回転軸12にそれぞれ支持されるとともにリブ14の外周部に外嵌されて支持される剛性外筒11とを具備し、剛性外筒11は、成形圧で変形しない厚肉金属製で高剛性に形成され、たとえば肉厚が20〜30mm程度の継ぎ目無し鋼管(シームレス管)により形成されて、外周面が鏡面またはエンボス面に仕上げられている。
この主ロール10は、冷却通路15に冷却油(冷却流体)を供給してロール温度を成形樹脂材質に合わせてコントロールするために、回転軸12の一端側に形成された給油穴16が内筒軸13の軸心穴13aに接続され、内筒軸13の他端側で軸心穴13aが開口されて他端開口部13bが形成されている。そして他端開口部13bが、内筒軸13と剛性外筒11との間に一定角度ごとに連結されて軸心O1周りにスパイラル状に形成された複数のリブ14により分割された複数の冷却通路15に連通され、またこれら冷却通路15は、回転軸10の左右一端側で、給油穴16の外周部に形成された排油穴17に接続されている。したがって、給油穴16から軸心穴13aに供給された冷却油は、他端開口部13bから迂回されて複数の冷却通路15にそれぞれ均一に分散供給され、剛性外筒11を介してシート状溶融樹脂Pを冷却した後、排油穴17から排出される。
これらスパイラル状に形成された複数の冷却通路25により、より均一な冷却が可能となる。
なお、リブ14を軸心O1周りにスパイラル状に形成したが、軸心O1方向に沿う直板状に形成することもできる。
[第1金属弾性ロール]
第1金属弾性ロール20は、回転軸22の軸心O2上に配置された内筒軸23と、この内筒軸23のロール全幅にわたって一定角度(図では60°)ごとに半径方向に突設されて冷却通路(冷却空間)25を周方向に沿って区画する複数(図では6枚)のリブ24と、両端が回転軸22に支持されるとともにリブ24の外周側に、第1挟圧部1の成形圧:F1による弾性変形で第1弾性外筒21が接触せず、かつ近接する隙間をあけて外嵌された第1弾性外筒21とを具備している。この第1弾性外筒21は、シームレス鋼管などにように継ぎ目の無い薄肉鋼管(シームレス管)により形成された弾性(可撓性)を有する肉厚:t2の薄肉金属製で、成形圧:F1により変形して主ロール10にシート状溶融樹脂Pを介して所定の実面接触長さK1(後述の面接触長さk1とは異なる)で周方向に面接触するように構成されている。
そして回転軸22の左右一端側に冷却油(冷却流体)が供給される給油穴26が形成され、この給油穴26が内筒軸23の軸心穴23aに接続されている。内筒軸26の他端部には、軸心穴23aが開口された他端開口部(開口部)23bが形成され、この他端開口部23bが、内筒軸23と第1弾性外筒21との間で一定角度ごとに配置されて軸心O2周りにスパイラル状に形成された複数のリブ24により区画された複数の冷却通路25に連通され、冷却通路25は回転軸22の左右一端側で給油穴22の外周部に形成された排油穴27に接続されている。したがって、給油穴26から軸心穴23aに供給された冷却油は、他端開口部23bから迂回されて複数の冷却通路25に均一に分散供給され、第1弾性外筒21を介してシート状溶融樹脂Pを冷却した後、排油穴27から排出される。またスパイラル状に形成された複数の冷却通路25により、より均一な冷却が可能となる。
なお、リブ24を軸心O2周りのスパイラル状に形成したが、軸心O2方向に沿う直板状に形成することもできる。
[第2金属弾性ロール]
第2金属弾性ロール30は、回転軸32のロール軸心O3上に配置された内筒軸33と、この内筒軸33からロール全幅にわたって一定角度(図では60°)ごとに半径方向に突設されて冷却通路(冷却空間)35を区画する複数(図では6枚)のリブ34と、両端が回転軸32に支持されるとともにリブ14の外周部に、第2挟圧部2の成形圧:F2による弾性変形で接触、かつ近接する隙間をあけて外嵌された第2弾性外筒31とを具備している。そして第2弾性外筒31は、シームレス鋼管などにように継ぎ目の無い薄肉鋼管(シームレス管)により形成された弾性(可撓性)を有する肉厚:t3の薄肉金属製で、成形圧:F2により変形して主ロール10にシート状溶融樹脂Pを介して所定の実接触長さK2(後述の面接触長さk2とは異なる)で面接触するように構成されている。
そして回転軸32の一端側に冷却油(冷却流体)が供給される給油穴36が形成され、この給油穴36が内筒軸33の軸心穴33aに接続されている。内筒軸33の他端部には、軸心穴33aが開口された他端開口部(開口部)33bが形成され、この他端開口部33bが、内筒軸33と第2弾性外筒31との間で一定角度ごとに配置されて軸心O3周りにスパイラル状に形成された複数のリブ34により区画された複数の冷却通路35に連通され、冷却通路35は回転軸32の左右一端側で、給油穴36の外周部に形成された排油穴37に接続されている。したがって、給油穴36から軸心穴33aに供給された冷却油は、他端開口部33bから迂回されて複数の冷却通路35に均一に分散供給され、第2弾性外筒31を介してシート状溶融樹脂Pを冷却した後、排油穴37から排出される。またスパイラル状に形成された複数の冷却通路35により、より均一な冷却が可能となる。
なお、リブ34を軸心O3周りのスパイラル状に形成したが、軸心O3方向に沿う直板状に形成することもできる。
[成形方法]
上記構成において、第1挟圧部1で、押出機からTダイDを介して押出されたシート状溶融樹脂Pが、主ロール10と第1金属弾性ロール20との間の第1挟圧部1に供給される。第1挟圧部1では、周速度V1で回転される主ロール10と、周速度V2(樹脂の種類や温度、性状により、V1>V2、V1=V2、V1<V2から選択される)で回転され、かつ主ロール10に対して所定の成形圧(線圧力:F1)で押圧される第1金属弾性ロール20との間にシート状溶融樹脂Pが供給されて挟圧形成される。この時、第1弾性外筒21が弾性変形して、主ロール10の表面にシート状溶融樹脂Pを介して面接触し、この接触面における周方向の長さが実面接触長さ:K1である。なお、この第1挟圧部1で、バンクはほとんど確認できず、実面接触長さ:K1で余分な樹脂を外端側に押出して分散させ成形厚みを均一化するというバンクと同様の作用効果を奏しているものと考えられる。
次いで主ロール10の外周面に案内されたシート状溶融樹脂Pが第2挟圧部2に導入され、周速度V1で回転される主ロール10と、周速度V3(樹脂の種類や温度、性状により、V1>V3、V1=V3、V1<V3から選択される)で回転され、かつ主ロール10に対して所定の成形圧(線圧力:F2)で押圧される第2金属弾性ロール30との間で挟圧成形されて導出される。この時、第2弾性外筒31が弾性変形して、第2金属弾性ロール30が主ロール10にシート状溶融樹脂Pを介して面接触し、この接触面における周方向の長さが実面接触長さ:K2である。
第2挟圧部2は、主ロール10に案内されるシート状溶融樹脂Pの温度が、シート状溶融樹脂Pのガラス転位点以上で、ガラス転位点より40℃高い温度以下の範囲に配置されている。第1挟圧部1において主ロール10と第1金属弾性ロール20により冷却され挟圧成形されたシート状溶融樹脂Pの表面が、主ロール10の外周面に接して冷却され、裏面が外気(雰囲気)に晒されて放冷凝固され、この放冷により裏面に形成された鏡面やエンボス面が劣化し、これが転写精度を低下させる原因となっている。このため、温度がガラス転位点となる以前でガラス転位点より40℃高い温度以下でシート状溶融樹脂Pを第2挟圧部2に導入するように第2金属弾性ロール30を配置して、再度挟圧成形している。ここで、シート状溶融樹脂Pの温度がガラス転位点以下となると、樹脂の柔軟性がさらに低くなり、シート状溶融樹脂Pと第2金属弾性ロール30とが密着せず、転写精度が低くなるからであり、ガラス転位点から40℃を越えると、第2金属弾性ロール30による挟圧成形後に、放熱により再度転写精度が劣化する恐れがあるからである。第2挟圧部2の位置を調整する場合には、図1(a)に仮想線で示すように、第2挟圧部2に導入するシート状溶融樹脂Pの温度に対応して、第2金属弾性ロール30を主ロール10の軸心O1を中心に回動させて位置決めすればよい。
このように、第2挟圧部2では、ガラス転位点以上で、ガラス転位点を40℃越えた温度範囲で、シート状溶融樹脂Pを主ロール10と第2金属弾性ロール30とで再度挟圧成形することにより、鏡面やエンボス面を高精度で鮮明に転写することができる。
なお、特許文献1を含む従来の成形ロール装置には、主ロールの外周面からシート状溶融樹脂Pを引き離すロールを配置している例が多く見られるが、このロールは、ガラス転位点以下に冷却されたシート状樹脂を案内して導き出すためのもので、挟圧成形するものではない。
[主ロールと第1,第2金属弾性ロールの具体例]
主ロール10は、TダイDの出口から第1挟圧部1までのエアギャップを小さくするために、特別なロール成形装置を除いて外径:D1=600mm以下に形成されており、また第1金属弾性ロール20の外径:D2および第2金属弾性ロール30の外径:D3は、薄肉のシームレス管を使用することなどの製造上の問題などから、通常、主ロール10の外径:D1と同じか、または幾分小径に形成され、D2=D3=(0.65〜1.00)×D1の範囲に形成されている。
また第1,第2弾性外筒21,31は、ゴム弾性に近い弾性(柔軟性と可撓性、復元性)をもたせるために、弾性力学の薄肉円筒理論が適用できる範囲内で薄肉化が図られている。第1金属弾性ロール20の肉厚:t2、第2金属弾性ロール30の肉厚:t3とすると、この薄肉円筒理論で評価される可撓性は、t2/r≦0.03(D2=600mmで、t2は9mm以下)、t3/r≦0.03(D3=600mmで、t3は9mm以下)の場合に好適な条件となる(rはロール半径)。
第1挟圧部1に対して第2挟圧部2では、シート状溶融樹脂Pの冷却が進み温度が低いために樹脂の柔軟性(粘度)も低い。したがって、第2挟圧部2で挟圧成形による効果を得るためには、第1挟圧部1の成形圧:F1に比較して第2挟圧部2の押圧力:F2を大きく(F1<F2)設定することが必要となり、たとえば後述の実験1では、F2(線圧力)/F1(線圧力)=2.05〜8.14としており、近似値において、F2/F1=1.5〜10.0の範囲が適正であると推測される。ここで、F2/F1=1.5未満では、第2挟圧部2において、第2金属弾性ロール30とシート状溶融樹脂Pとの密着ができず、転写精度が低下する。またF2/F1=10.0を越えると、第2弾性外筒31の肉厚t3を大きくする必要があり、実面接触長さK2を確保しにくくなるからである。
[金属弾性ロールのクラウニング]
ところで、第1,第2弾性外筒21,31は、肉厚t2,t3を小さくすることで弾性と復元性が高くなるが、成形圧:F1,F2を高めてゆくと、第1,第2金属弾性ロール20,30の両端部の弾性(可撓性)が低いため、第1,第2金属弾性ロール20,30は中央部から端部にかけて凹状の鼓形に湾曲する。これは、後述の実験2の図7に表れている。これによりシート状溶融樹脂Pの成形厚みが中央部ほど厚くなり、極端な場合には両端部で主ロール10と第1,第2金属弾性ロール20,30が接触するおそれがある。そのため、図3に示すように、第1,第2弾性外筒21,31の中央部(CL)の外径が両端部の外径よりも所定のクラウニング量:Cだけ大きい太鼓形に形成されている。このクラウニング量:Cは、ロール幅や樹脂特性にもよるが、ロール幅が800mm〜1200mm程度では、C=0.05〜0.2mmの範囲で補正効果が得られ、これによりシート状溶融樹脂Pの中央部の厚肉化を防止できる。
また、第1,第2弾性外筒21,31の挟圧力の増大に伴って鼓形になるのを防止する別の手段として、図4に示すように、第1,第2弾性外筒21,31の両端部近傍に肉厚:t1,t2を減肉量:ΔHだけ減少させる溝部28,38を全周にわたってそれぞれ形成してもよい。この溝部28,38により、第1,第2弾性外筒21,31の両端部の可撓性を高めてシート状溶融樹脂Pの両端部の薄肉部分を挟圧せず、また主ロール10の剛性外筒11と第1,第2弾性外筒21,31との端部接触を防止することができる。なお、減肉量:ΔHの適正範囲は、肉厚:t1,t2に対して30%〜50%の範囲であり、30%より少ないと可撓性の向上が少なく、50%を越えると強度が不足するためである。
また、上記クラウニング量:Cと溝部28,38は、それぞれ単独でもよいが、両方を組み合わせることにより、第1,第2弾性外筒21,31の湾曲による悪影響をより効果的に排除することができる。
[実験1]
上記実験例1〜4と比較例1,2の実験結果を、図5を参照して説明する。
・主ロール10は、外径:350mm、剛性外筒11の材質はクロムモリブデン鋼(SCM)で、肉厚:20mmである。
・第1(弾性)ロール20Aは、外径:300mm、第1弾性外筒21の材質はSCM440(クロムモリブデン鋼)で、肉厚2.0mmである。
・第1(弾性)ロール20Bは、外径300mm、第1弾性外筒21の材質はNi(ニッケル電鋳)で、肉厚:2.0mmである。
・第2(弾性)ロール30は、外径:350mm、第2弾性外筒31の材質はSACM440(クロムモリブデン鋼)で、肉厚:3.0mmである。
・第2ロールに使用した剛性ロールは、外径:300mm、剛性外筒の材質はSACM440(クロムモリブデン鋼)で、肉厚:17.0mmである。
図5によれば、実験例1〜4において、成形シートの成形厚みが0.3〜0.5mmの範囲で、鏡面転写も良好なシートを成形することができた。
ロールの回転速度について、第1金属弾性ロール20の回転速度V2は、主ロール10の回転速度V1に対して+3.0%〜−5.0%の範囲であり、また第2金属弾性ロール30の回転速度V3は、主ロール10の回転速度V1に対して+0.1%〜−3.0%であった。したがって、第1金属弾性ロール20と第2金属弾性ロール30の回転速度V1,V2は樹脂や成形厚みにより左右され、特に第1金属弾性ロール20の回転速度V1を大きく変化させて調整する必要がある。
成形圧について、第1金属弾性ロール20の成形圧(線圧力)F1に対する第2金属弾性ロール30の成形圧(線圧力)F2の比(F2/F1)が、2.05〜8.14であり、これにより、近似値として、第1挟圧部1と第2挟圧部2における成形圧比が1.5〜10の範囲が適正であることを推測することができる。
なお、第2ロールに剛性ロールを使用した比較例1、2では、第2挟圧部2での密着性を高めるために、成形圧(線圧力)の比(F2/F1)を12〜21と大きくしても、シート状樹脂Pを第2金属弾性ロール30に密着させることができず、良好なシート状樹脂が得られなかった。
[弾性外筒の肉厚について]
ところで、薄肉金属製の弾性外筒21,31は、同一の肉厚で同一の成形圧であれば、外径D2,D3が小さいほど弾性変形が小さくなる。第1金属弾性ロール20の第1弾性外筒21について、たとえば最小外径:D2min=300mmとした場合、肉厚:t2=2.0〜2.5mmが適正と考えられ、また最大外径:D2max=400mmとした場合、肉厚:t2=3.0〜3.5mmが適正と考えられる。すると、
t2/D2min=(2.0〜2.5)/300=0.0067〜0.0083
t2/D2max=(3.0〜3.5)/400=0.0075〜0.0086
となり、0.0067≦t2/D2≦0.0086となる。
この近似値において、0.005≦t2/D2≦0.010が適正範囲と推測できる。
これは、第1挟圧部1では、シート状溶融樹脂Pの温度が高く、十分に柔軟性があり、小さい加圧力F1で第1弾性外筒21が弾性変形してシート状溶融樹脂Pに十分に密着し精度良く転写できるからである。
また第2金属弾性ロール30の第2弾性外筒31について、たとえば最小外径:D3min=300mmとした場合、肉厚:t3=3.0〜4.5mmが適正と考えられ、最大外径:D3max=450mmとした場合、肉厚:t3=4.0〜5.0mmが適正と考えられる。すると、
t3/D3min=(3.0〜4.0)/300=0.010〜0.0150
t3/D3max=(4.0〜5.0)/450=0.0089〜0.011
となり、0.0089≦t3/D3≦0.015となる。
この近似値において、0.008≦t3/D3≦0.015が適正範囲と推測できる。
これは、第2挟圧部2では、シート状溶融樹脂Pが冷却されて流動性が低下され、硬化が進んでいるため、大きい加圧力F2で第2弾性外筒31を強くシート状溶融樹脂Pに面圧着させて密着させることにより、精度良く転写できるからである。
[実験2]
ここで、第1挟圧部1の成形圧F1による第1金属弾性ロール20と主ロールの面接触による周方向の面接触長さk1(実面接触長さK1とは異なる)と、第2挟圧部2の成形圧F2による第2金属弾性ロール30と主ロール10との面接触による周方向の面接触長さk2(実面接触長さK2とは異なる)とを、シート状溶融樹脂Pに替えて、感圧紙(厚み0.2mm、フジフィルム製、商標名:プレースケール、品番LLL−W)を使用して測定した結果を図6、図7を参照して説明する。
・主ロール10は、実験1と同じであり、ロール幅:1200mm、ロール有効幅:830mmである。
・第1金属弾性ロール20Aは、実験1と同じであり、ロール幅:1500mm、ロール有効幅:1060mmである。
・第1金属弾性ロール20Bは、実験1と同じであり、ロール幅:1500mm、ロール有効幅:1320mmである。
・第2金属弾性ロール30は、実験1と同じであり、ロール幅:1200mm、ロール有効幅:1090mmである。
主ロール10に対して、第1金属弾性ロール20A,20Bと第2金属弾性ロール30とを使用して感圧紙を成形圧F1、F2で挟圧し、ロールセンターからほぼ100mmごとに面接触長さk1,k2を測定した。ここで、成形圧F1,F2は、実験例1〜4の範囲であり、第1挟圧部1の成形圧(線圧力)F1=4.67〜11.83N/mm、第2挟圧部2の成形圧(線圧力)F2=24.22〜48.45N/mmである。この成形圧(線圧力)の比(F2/F1)は、最小が5.19(24.22/4.67)、また最大が10.42(48.45/4.67)である。
図6、図7によれば、第1挟圧部1の成形圧F1より第2挟圧部2の成形圧F2が大きくても、第1金属弾性ロール20A,20Bの第1弾性外筒21の肉厚:t2=2mmより、第2金属弾性ロール30の第2弾性外筒31の肉厚:t3=3mmが厚いため、面接触長さ:k1,k2が2.1〜3.1mmの範囲に収まっており、第1挟圧部1と第2挟圧部2の面接触長さ:k1,k2をほぼ等しい範囲に設定することが好ましい。これにより、第2弾性外筒31とシート状溶融樹脂Pとを密着させて良好な転写を行うことができる。
したがって、第1挟圧部1の成形圧:F1により、主ロール10と第1金属弾性ロール20とを加圧して直接当接させた時の周方向の面接触長さk1と、第2挟圧部2の成形圧:F2により、主ロール10と第2金属弾性ロール30とを加圧して直接当接させた時の周方向の面接触長さk2とを略同一で、約1.0mm前後の範囲に設定することにより、第1挟圧部1と第2挟圧部2とで、主ロール10と第1,第2金属弾性ロール20,30とをシード状溶融樹脂Pを介してそれぞれ十分に面接触させて挟圧成形することができ、シート状溶融樹脂Pの成形厚みを薄くできて、鏡面やエンボス面を良好に転写することができる。
ところで、実験2に使用した感圧紙は、固体で柔軟性がなく、シート状溶融樹脂Pとは性質が異なっている。また第1挟圧部1におけるシート状溶融樹脂Pと比較して、第2挟圧部2におけるシート状溶融樹脂Pは、冷却されて柔軟性が低い。したがって、第1挟圧部1において、主ロール10にシート状溶融樹脂Pを介して第1金属弾性ロール20で挟圧した時の実面接触長さ:K1は、(2.1〜3.1mm)×1.8〜2.2程度で、3.7〜7.0mmと考えられ、また第2挟圧部2において、主ロール10にシート状溶融樹脂Pを介して第2金属弾性ロール30で挟圧した時の実面接触長さ:K2は、(2.1〜3.1mm)×1.3〜1.7程度で、約2.5〜6mm程度と考えられる。なお、ここで実面接触長さ:K1,K2となるシート状溶融樹脂Pの肉厚は0.3〜0.5mmである。
[実施の形態の効果]
上記実施の形態によれば、第1挟圧部1で第1弾性外筒21による弾性変形により、第1金属弾性ロール20をシート状溶融樹脂Pを介して主ロール10に面接触させて挟圧成形した後、シート状溶融樹脂Pの温度がガラス転位点以上でガラス転位点から40℃高い温度以下の範囲で、主ロール10の外周面に案内されるシート状溶融樹脂Pを第2挟圧部2に導入する。そして第2挟圧部2で、第2弾性外筒31の弾性変形により第2金属弾性ロール30をシート状溶融樹脂Pを介して主ロール10に面接触させて再度挟圧成形する。これにより、第1挟圧部10で挟圧成形されたシート状溶融樹脂Pの裏面が、外気に触れて空冷されることにより成形精度が低下していても、ガラス転位点まで冷却される前に第2挟圧部2で再度挟圧成形することにより、成形厚みの薄いシート状溶融樹脂Pに、鏡面やエンボス面を良好に転写して、残留歪みがなく光学的用途に好適なシート・フィルムを成形することができる。また第2挟圧部2で、第1弾性外筒21よりも肉厚が大きい第2弾性外筒31を使用し、かつ第1挟圧部1の成形圧F1より大きい成形圧F2で挟圧成形することにより、温度が低下して硬化が進むシート状溶融樹脂Pと第2金属弾性ロール30との密着性を高めて高精度で転写することができる。これにより、成形厚みの薄いシート・フィルムを、歩留まりもよく安定して成形することができる。
また第1弾性外筒21の肉厚t2を、0.005≦t2/D2≦0.010の範囲とし、第2弾性外筒31の肉厚t3を、0.008≦t3/D3≦0.015の範囲とする。そして第2挟圧部2の成形圧F2を、第1挟圧部1の成形圧F1の2倍以上で10倍以下とすることにより、第1挟圧部1および第2挟圧部2で第1,第2弾性外筒21,31を効果的に弾性変形させて、十分な実面接触長さK1,K2で面接触させることができ、シート状溶融樹脂Pに高精度で転写することができる。
さらに、第1挟圧部1と第2挟圧部2における主ロール10と第1,第2金属弾性ロール20,30との面接触長さk1<k2を略同一とすることにより、第2挟圧部における第2弾性外筒31とシート状溶融樹脂Pとの面接触を十分に行うことができ、転写を高精度で行うことができて0.8〜0.3mmやそれ以下の薄い成形厚みのシート・フィルムを安定して製造することができる。
さらにまた、第1金属弾性ロール20および第2金属弾性ロール30において、内筒軸23,33から半径方向に取り付けられた複数のリブ24,34により、冷却通路25,35を複数に区画するので、冷却油を均一に分散させて周方向で均一に冷却することができる。また第1,第2弾性外筒21,31とリブ24,34との間に、成形圧F1,F2による弾性変形で接触しない隙間を形成したので、第1,第2挟圧部1,2における挟圧成形時の妨げになることもなく、また必要以上の成形圧F1,F2が弾性外筒21,31に加わった時に、弾性外筒21,31の塑性変形を防止することができる。
本発明に係るシート・フィルムのロール成形装置の実施の形態を示す横断面図で、(a)は部材の構成を示し、(b)は寸法等の構成要素を示す。 ロール成形装置の平面視の断面図である。 金属弾性ロールのクラウニング量の説明図である。 金属弾性ロールの溝部を示す部分断面図である。 実験1の結果を示す図表である。 実験2の結果を示す図表である。 実験2の結果を示すグラフである。
符号の説明
P シート状溶融樹脂
D Tダイ
F1 第1挟圧部の成形圧
F2 第2挟圧部の成形圧
1 第1挟圧部
2 第2挟圧部
10 主ロール
11 剛性外筒
15 冷却通路
20 第1金属弾性ロール
21 第1弾性外筒
25 冷却通路
30 第2金属弾性ロール
31 第2弾性外筒
35 冷却通路

Claims (4)

  1. 押出成形機から押出されるシート状溶融樹脂を主ロールと第1押さえロールとにより挟圧成形する第1挟圧部と、当該第1挟圧部から主ロールの外周面に沿って送り出されたシート状溶融樹脂を主ロールと第2押さえロールとにより挟圧成形する第2挟圧部とを具備したシート・フィルムのロール成形装置であって、
    主ロールは、外周部に厚肉金属製の剛性外筒が配置されて成形圧で変形しない高剛性に形成されるとともに、当該剛性外筒の内周部に冷却空間が形成され、
    第1押さえロールを、外周部に弾性を有する薄肉金属製の弾性外筒が配置されその内周部に冷却空間が形成された第1金属弾性ロールとし、
    第2押さえロールを、外周部に弾性を有する薄肉金属製の弾性外筒が配置されその内周部に冷却空間が形成された第2金属弾性ロールとし、
    第2金属弾性ロールの弾性外筒の肉厚が第1金属弾性ロールの弾性外筒の肉厚をより厚く形成されるとともに、第2挟圧部の成形圧が第1挟圧部の成形圧より大きく設定され、
    第2挟圧部は、主ロールの外周面に沿って案内されるシート状溶融樹脂の温度が、ガラス転位点以上で当該ガラス転位点から40℃高い温度以下の範囲に配置された
    ことを特徴とするシート・フィルムのロール成形装置。
  2. 弾性外筒を有する第1金属弾性ロールおよび弾性外筒を有する第2金属弾性ロールの少なくとも一方は、
    主ロールと平行な軸心上に配置された内筒軸と、
    当該内筒軸から一定角度ごとに半径方向に突設されて冷却空間を周方向に区画する複数のリブとを具備し、
    前記少なくとも一方の弾性外筒は、前記リブの外周側に成形圧による弾性変形で接触しない隙間をあけて外嵌され、
    前記内筒軸に、当該内筒軸の軸心穴から供給された冷却流体を複数の前記冷却空間に分散供給する開口部が形成された
    ことを特徴とする請求項1記載のシート・フィルムのロール成形装置。
  3. 第1金属弾性ロールの外径:D2と第1弾性外筒の肉厚:t2とを、
    0.005≦t2/D2≦0.010の範囲とし、
    第2金属弾性ロールの外径:D3と第2弾性外筒の肉厚:t3とを、
    0.008≦t3/D3≦0.015(但し、t2<t3)の範囲とし、
    第1挟圧部の成形圧:F1と第2挟圧部の成形圧:F2とを、
    1.5≦F2/F1≦10の範囲とした
    ことを特徴とする請求項1または2記載のシート・フィルムのロール成形装置。
  4. 押出成形機から押出されるシート状溶融樹脂を、外周部に厚肉金属製の剛性外筒が外嵌されて内周部に冷却空間を形成した主ロールと第1押さえロールとにより挟圧する第1挟圧部に導入し、当該第1挟圧部から主ロールの外周面に沿って送り出されるシート状溶融樹脂を、主ロールと第2押さえロールとにより挟圧成形する第2挟圧部に導入して、シート・フイルムを成形するに際し、
    第1挟圧部の第1押さえロールに、外周部に弾性を有する薄肉金属製の第1弾性外筒が外嵌されるとともに、第1弾性外筒の内周部に冷却空間が形成された第1金属弾性ロールを使用し、
    第1挟圧部から送り出されて第2挟圧部に導入されるシート状溶融樹脂の温度を、ガラス転位点以上で当該ガラス転位点から40℃高い温度以下の範囲とし、
    第2挟圧部の第2押さえロールに、外周部に前記第1弾性外筒より肉厚が大きくかつ弾性を有する薄肉金属製の第2弾性外筒が外嵌されるとともに、当該第2弾性外筒の内周部に冷却空間が形成された第2金属弾性ロールを使用し、さらに第2挟圧部で、第1挟圧部の成形圧より大きい成形圧で挟圧成形する
    ことを特徴とするシート・フィルムのロール成形方法。
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