JP4598938B2 - 缶蓋のカーリング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレス機で打ち抜き成型された金属製の缶蓋の外周を曲げる(カールする)際に用いるカーリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、3ピース缶、または2ピース缶の製造工程においては、金属製の板材料をプレス機で打ち抜き加工して、平面形状がほぼ円形の缶蓋が製造される一方、別途製造された円筒形状の缶胴の開口端と、缶蓋の外周縁とが巻き締められて、両者が固着される。そこで、缶蓋と缶胴とを巻き締め易くするために、巻き締め工程よりも前工程において、缶蓋の外周を曲げてフランジカール部を形成する、いわゆる、カーリング成形がおこなわれる。
【0003】
このようなカーリング成形に用いられる装置の一例が特開昭62−220230号公報に記載されている。この公報に記載されているカーリング成形装置は、回転自在に構成されたカーリングホイールと、このカーリングホイールの外側に配置されたアウタガイドとを有している。カーリングホイールの外周面にはU字形状の第1のカーリング溝が形成されている。また、アウタガイドは、カーリングホイールの全周のほぼ3/4程度の領域を取り囲むような平面形状に構成されている。アウタガイドの内周面には、第1のカーリング溝と線対称に構成された第2のカーリング溝が形成されている。このようにして、カーリングホイールとアウタガイドとの間に、円弧形状の缶蓋移送路が形成されている。さらにアウタガイドには、円周方向に所定間隔をおいて複数のスリットが設けられているとともに、円周方向に所定間隔をおいて複数の軸孔が形成されている。各軸孔には調整ボルトが配置される。
【0004】
上記のように構成されたカーリング成形装置によれば、缶蓋移送路の入口側にに缶蓋が搬入されるとともに、カーリングホイールの回転により、缶蓋の外周が、第1のカーリング溝および第2のカーリング溝に接触して、缶蓋の外周が曲げられたフランジカール部が形成される。ここで、各調整ボルトを緩めれば、アウタガイドの円周方向における曲率半径を調整することができる。したがって、上記公報に記載されたカーリング成形装置によれば、外径の異なる缶蓋の外周にフランジカール部を成形する場合でも、第1のカーリング溝と第2のカーリング溝との距離が異なるカーリング装置を複数用意し、これらの装置を交換するなどの煩わしい作業が不要になるものとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにフランジカール部が形成された缶蓋は、数百枚を1ユニットとして、その中心線方向(厚さ方向)に積み重ねられた状態で袋詰めされ、袋単位で後工程、例えば、内容物の充填工場に出荷される。袋詰め工程から後工程に缶蓋を出荷する場合は、缶蓋の袋入り枚数に過不足が生じないように、各袋に対する缶蓋の充填枚数を調整および管理している。しかしながら、同種の缶蓋を巻き締める場合において、同じ蓋枚数でも、取り扱いの可能な1ユニットの製品長さ(缶蓋の積み重ね方向の長さ)は、シーマーの型式、あるいは缶蓋の供給装置の種類によって異なる場合がある。例えば、1ユニット内の缶蓋の収容枚数が同じ250枚であるにも関わらず、取り扱い可能な1ユニットの長さが、約15mm前後も異なる場合がある。
【0006】
したがって、1ユニットの製品長さと、缶蓋の枚数との対応関係を、袋詰めした缶蓋の出荷先に応じて、その都度調整する必要がある。そして、缶蓋にはフランジカール部が形成されているため、中心線方向におけるフランジカール部の厚さ、つまりカール厚が、所定長さあたりに積み重ねられる缶蓋の枚数、および1ユニットの製品長さを決定する重要な要因となっている。そこで、所定長さあたりにおける缶蓋の収容枚数(2インチあたりの缶蓋枚数という)を調整するために、カーリング工程において、缶蓋のカール厚を調整することが考えられる。
【0007】
しかしながら、上記公報に記載されたカーリング装置は、異なる外径を有する缶蓋には対処できるものの、缶蓋の厚さ方向の寸法調整については何ら記載が無く、カーリングの溝の形状を変えるか、あるいはフランジカール部の形状を変更するかなどの設計変更をせざるを得なかった。
【0008】
一方、缶蓋の中心線方向におけるカーリング溝の長さが異なるカーリングホイールを何種類か揃えておき、所定の長さ単位で必要枚数の缶蓋を積み重ねられるように、カーリングホイールを交換することが考えられる。しかしながら、このような構成を採用すると、1ユニットの必要長さに応じて、形状の異なるカーリング溝を有するカーリングホイールを、複数種類用意する必要があり、不経済であるばかりでなく、1ユニットの必要長さを変更する場合には、カーリングホイール自体をそっくり交換しなければならず、しかもカーリングホイールの位置決めの微調整ができないため、その調整作業が面倒であるという問題もあった。さらに、カーリングホイールに形成された第1のカーリング溝が、回転軸線方向の一部において摩耗した場合でも、カーリングホイール全体を一括して交換しなければならず、缶蓋の製造コストの上昇を招いていた。
【0009】
この発明は上記の事情を背景としてなされたもので、缶蓋の外周に形成される曲げ部(フランジカール部)の厚さを容易に調整できるだけでなく、缶蓋の製造コストを低減でき、かつ、フランジカール部の厚さを変更する場合に、製造装置の部品の交換や調整が簡単であり、さらには、工具に摩耗などが発生した場合の対処が簡単で、かつ、工具のカーリング溝の加工性に優れた缶蓋のカーリング装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、回転軸線を中心とする環状の成形面を備えた回転工具と、この回転工具の外側に配置され、かつ、前記成形面とほぼ線対称をなす近似形状に設定された成形面を備えた固定工具とを備え、金属製の缶蓋の外周を、前記回転工具および前記固定工具の成形面に接触させるとともに、前記回転工具を回転させることにより、前記缶蓋の外周を、前記回転工具および前記固定工具の成形面に沿って曲げ加工する缶蓋のカーリング装置において、前記回転工具または前記固定工具の少なくとも一方は、前記回転軸線方向に沿って分割された複数の工具構成体を備えているとともに、各工具構成体に、前記成形面が分割して形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項1の発明によれば、複数の工具構成体の組合せにより、回転工具または固定工具の少なくとも一方の成形面における回転軸線方向の長さを調整することができる。したがって、缶蓋のフランジカール部の厚さの調整段階や調整程度に対応する複数の工具を揃える必要が無く、また、回転工具もしくは固定工具の少なくとも一方を一括して交換するという煩わしい作業も必要がない。また、各工具構成体に分割されている成形面が摩耗した場合は、その成形面を有する工具構成体のみを交換することができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記回転軸線方向における前記複数の工具構成体同士の相対位置を調整することにより、前記回転軸線方向における前記成形面の長さを調整する調整機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、複数の工具構成体同士の相対位置を調整すれば、回転工具または固定工具の少なくとも一方の成形面における回転軸線方向の長さが調整される。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記各工具構成体に分割して形成された成形面は、前記缶蓋の外周が接触するカール外径規制面と、このカール外径規制面により曲げられた缶蓋の曲げ先端部が接触するカール厚規制面とを備え、このカール厚規制面の表面粗さは、前記カール外径規制面の表面粗さよりも粗く設定されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、カール外径規制面と缶蓋との摩擦力よりも、カール厚規制面と缶蓋との摩擦力の方が大きいために、缶蓋を曲げるための荷重が徐々に強められ、缶蓋の曲げ状態(カール状態)が、各規制面に沿った状態に維持され易くなる。また、缶蓋の外周に外バリが存在していたとしても、カール厚規制面と外バリとの摩擦作用で、この外バリが小さくなるかもしくは除去される。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記回転工具または前記固定工具の少なくとも一方の成形面は、前記缶蓋の外周が接触し、かつ、前記回転軸線を含む平面内で湾曲する形状を備えたカール外径規制面と、このカール外径規制面により曲げられた缶蓋の曲げ先端部が接触し、かつ、前記平面内で前記回転軸線にほぼ直交する方向に延ばされたカール厚規制面とを備えているとともに、前記回転軸線方向における前記カール外径規制面の曲率中心と前記カール厚規制面との距離が、前記カール厚規制面に最も近い領域の前記カール外径規制面の曲率半径以下に設定されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、カール外径規制面における最もカール厚規制面に近い領域で、缶蓋とカール外径規制面との摩擦力よりも、カール厚規制面と缶蓋との摩擦力の方が小さくなることがなく、回転軸線方向における缶蓋の先端部の位置、つまり、缶蓋のフランジカール部の厚さが全周に亘って揃い易い。また、缶蓋の先端部の外周に外バリが存在していたとしても、カール厚規制面と外バリとの摩擦作用で、このバリが小さくなるかもしくは除去される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例を添付図面に基づいて説明する。図2は、カーリング装置1の全体構成を示す平面図であり、このカーリング装置1は、プレス加工された缶蓋2の外周を曲げ加工するための装置である。図3は缶蓋2を示す縦断面図であり、この図3においては、プレス加工され、かつ、カーリング装置1により加工される前の缶蓋2の形状が実線で示され、カーリング成形された後の缶蓋2の形状が点線で示されている。缶蓋2は、アルミニウム合金などの金属製の平板材を加工して、中心線A1を中心としてその平面形状がほぼ円形にプレス成形されている。なお、この平板材の両面には、合成樹脂からなる図示しない被膜が予め形成されている。この被膜は、保護塗料や樹脂フィルムから形成されている。
【0019】
缶蓋2は、円板形状の平坦パネル部3と、平坦パネル部3の外周に連続して形成され、かつ、中心線A1方向に向けてU字形状に湾曲された湾曲部4と、この湾曲部4の外周に連続して形成され、かつ、外径が大きくなる方向に傾斜されたチャック壁5と、このチャック壁5の外周端に連続して形成され、かつ、外側に向けて湾曲されたフランジカール部6とを有している。フランジカール部6は、湾曲部4とは逆方向に湾曲している。なお、フランジカール部6の外周端部7は、中心線A1と平行な方向にほぼ直線状に延びており、缶蓋2の外径D5が設定されている。
【0020】
つぎに、前記カーリング装置1の構成を、図1、図2、図4に基づいて説明する。図1はカーリング装置1の縦断面図、図4は、カーリング装置1の部分的な平面図である。平面形状がほぼ方形の基台8の上面には、固定枠9が設けられている。この固定枠9は、基台8の中心B1の周囲にほぼ270度の範囲に亘り、ほぼ扇形に配置された平板部10と、平板部10の外周端に連続して形成され、かつ、ほぼ垂直に立てられた壁部11とを有している。つまり、壁部11は、ほぼ270度の範囲に円弧形状に配置されている。
【0021】
この壁部11には、その内周面から外周面に貫通する雌ねじ孔12が、円周方向に所定間隔をおいて複数(10箇所ないし15箇所)形成されている。この雌ねじ孔12に対応する数の第1の調整ねじ13が複数設けられており、この第1の調整ねじ13の雄ねじ部14が、各雌ねじ孔12にねじ込まれている。また、雄ねじ部14であって、壁部11の外側に位置している第1の調整ねじ13の端部にはナット15が形成されている。また、第1の調整ねじ13には、その軸線方向に沿って軸孔16が貫通して形成されている。
【0022】
さらに、軸孔16には、第2の調整ねじ17の雄ねじ部18が挿入され、壁部11の外側に位置している端部には頭部19が形成されている。この第2の調整ねじ17と第1の調整ねじ13とは相対回転可能に構成されている。さらにまた、頭部19とナット15との間には、ワッシャ20が介在されている。なお、壁部11の円周方向において、各雌ねじ孔12の配置位置とは異なる位相に雌ねじ孔21が配置されている。この雌ねじ孔21は、壁部11の上面に臨み、かつ、円周方向に所定間隔をおいて配置されている。
【0023】
前記平板部10上には、中心B1の周囲にほぼ270度の範囲に亘って円弧形状のアジャストガイド22が設けられている。このアジャストガイド22は、平板部10の上面に沿って水平方向に移動可能である。このアジャストガイド22は、平板部23と、平板部23の外周に立設された壁部24とを有している。また、平板部23には、円周方向に所定間隔をおいて放射状のスリット25が複数設けられている。また、アジャストガイド22は、水平方向の曲げ荷重が付与された場合に、所定の範囲で弾性変形して、その曲率が変化する剛性を備えた金属材料などにより構成されている。ここで、各スリット25によりアジャストガイド22の曲げ剛性が弱められており、その弾性変形が一層容易となっている。
【0024】
さらにアジャストガイド22の外周には、円周方向に所定間隔をおいて雌ねじ孔26が複数形成されている。各雌ねじ孔26は、前記軸孔16の数に対応して形成されており、かつ、各第2の調整ねじ17の雄ねじ部18が、各雌ねじ孔26にねじ込まれている。なお、前記第1の調整ねじ13の雄ねじ部14の先端部は、アジャストガイド22の外周面に接触する。
【0025】
また、アジャストガイド22上には円周方向に分割された複数のセグメント27が取り付けられている。この実施形態では図2に示すように、複数のセグメント27が設けられており、各セグメント27の平面形状はほぼ扇形になっている。各セグメント27は金属材料により構成されているとともに、各セグメント27は、ボルト28によりアジャストガイド22に固定されている。各セグメント27の構成を図5に基づいて説明する。図5は、缶蓋2の中心線A1を含む平面内におけるカーリング装置1の縦断面図である。
【0026】
各セグメント27の内周側には成形面29が設けられている。この成形面29は、外側に向かうにともない水平線C1との距離が狭められる方向に傾斜した傾斜面30と、この傾斜面30の外周端に連続して形成され、かつ、上方に向けて湾曲した前半曲面31と、この前半曲面31における傾斜面30とは反対側の端部に連続して湾曲形成された後半曲面32と、この後半曲面32における前半曲面31とは反対側の端部に連続して形成された平坦面33とを有している。
【0027】
ここで、前半曲面31の曲率中心P1および後半曲面32の曲率中心P2は、共に水平線C1上に設定されている。また、前半曲面31の曲率半径R1は、後半曲面32の曲率半径R2よりも大きく設定されている。さらに平坦面33は水平線C1と平行に設定されている。なお、中心線A1方向において、平坦面33と水平線C1との距離h1は、後半曲面32の曲率半径R2以下に設定されている。また、水平線C1と傾斜面30とのなす鋭角側の角度(リードアングル)θ1が設定されている。上記のように構成された各セグメント27の成形面29は、外側に向けて突出する湾曲形状を備えている。また、成形面29に臨む空間を、外側カーリング溝(第2のカーリング溝に相当)34と呼ぶ。この外側カーリング溝34は、その平面形状が円弧形状となっている。
【0028】
前記図4に示すように、缶蓋2の移送経路(後述する)の入口F1に相当する位置に配置されているセグメント27の成形面29には、その外周端の平面形状が、入口F1から缶蓋2の移送方向(矢印G1方向)の下流側に向かうにともないカーリングホイール(後述)に近づく方向に傾斜された直線部68が設けられている。
【0029】
一方、中心B1を通過し、かつ、垂直に設定された回転軸線H1を中心として回転可能な回転軸35が設けられており、回転軸35の先端にはカーリングホイール36が取り付けられている。このカーリングホイール36は、円板形状の第1の構成体36Aおよび第2の構成体37とを有している。第1の構成体36Aおよび第2の構成体37は共に金属材料により構成されている。この実施形態においては、第2の構成体37の方が第1の構成体36Aよりも、材質の硬度が高い。そして、第1の構成体36Aにおける第2の構成体37側の上面には、水平線C1と平行な環状の保持面39が形成されている。またこの保持面39の内周端には環状の垂直面40が形成され、垂直面40の上端には水平な上端面41が形成されている。
【0030】
第2の構成体37の平面形状は環状に構成されており、第2の構成体37は保持面39上に接触した状態、もしくは保持面39と接触しない状態で、保持面39の上方に保持されている。また、第1の構成体36Aは、セグメント27側に向かうにともない水平線C1との距離が広がる方向に傾斜した傾斜面42と、この傾斜面42の内周端に連続して形成され、かつ、上方に向けて湾曲した前半曲面43と、この前半曲面43における傾斜面42とは反対側の端部に連続して形成された後半曲面44とを有している。この後半曲面44における前半曲面43とは反対側の端部に、微小な曲率半径のコーナー部を介して保持面39が連続されている。ここで、前半曲面43の曲率中心P3および後半曲面44の曲率中心P4は、共に水平線C1上に設定されている。また、前半曲面43の曲率半径R1は、後半曲面44の曲率半径R2よりも大きく設定されている。
【0031】
さらに第2の構成体37であって、保持面39と対向する領域に環状の平坦面45が形成されている。この平坦面45と前記傾斜面42と前半曲面43と後半曲面44とにより、缶蓋2の外周が接触する成形面38が形成されている。この平坦面45は、回転軸線H1に対してほぼ直交して設定されている。この保持面39と平坦面45との間には所定の隙間H5が形成されている。なお、第2の構成体37の内周側には平面形状が環状の凹部46が形成されており、この凹部46には環状のシム47が配置されている。つまり、第2の構成体37と保持面39との間にシム47が介在されており、このシム47の厚さや枚数などを変更することにより、隙間H5が調整される。そして、平坦面45と水平線C1との距離h1は、後半曲面44の曲率半径R2以下に設定されている。また、水平線C1と傾斜面42とのなす鋭角側の角度(リードアングル)θ1が設定されている。上記のように、成形面38は内側に向けて突出する方向に湾曲されている。
【0032】
上記のように、相互に対向する成形面29と成形面38とは、ほぼ線対称をなす形状に構成されている。さらに、第1の構成体36Aの前半曲面43および後半曲面44はラッピング仕上げ加工が施されて、その表面粗さが、JISB0601で0.4s程度に調整されている。これに対して、第2の構成体37の平坦面45の表面には、サウンドブラスト加工やショットブラスト加工が施され、前記第1の構成体36Aの前半曲面43および後半曲面44の表面よりも粗い表面状態、例えば、JISB0601で0.4ないし6.3sの範囲に調整されている。
【0033】
なお、図1の回転軸線H1方向において、各セグメント27の平坦面33と、前半曲面31と傾斜面30との境界部分との長さH2は、カーリングホイール36の平坦面45と、前半曲面43と傾斜面42との境界部分との長さ、即ちカール厚規制長さH3以上に設定される。これは、缶蓋2をカーリング成形する際に、第1のカーリング溝(後述する)を主たるカーリング溝として機能させ、前述した第2のカーリング溝を従たるカーリング溝として機能させるためである。ここで、「主たるカーリング溝」とは、「フランジカール部6のカール厚T1を規制するための荷重の殆どを発生させる溝」という意味であり、「従たるカーリング溝」とは、「フランジカール部6の曲げ加工には寄与するものの、カール厚T1を規制する荷重を発生する機能が殆どない溝」という意味である。
【0034】
なお、上記のように構成された第1の構成体36Aの成形面38に臨む空間を、内側カーリング溝(第1のカーリング溝に相当)48と呼ぶ。この内側カーリング溝48は、その平面形状が円形となっている。また、第1の構成体36Aの上面には、ねじ部材49により環状の押えプレート50が固定されており、この押えプレート50と第1の構成体36Aとにより第2の構成体37が挟持されている。上記のように構成されたカーリングホイール36の外周面と、各セグメント27の内周面との間に、缶蓋2の移送経路J1が形成されている。この移送経路J1は、図2に示すように、中心B1の周囲にほぼ270度の範囲に亘って形成され、その平面形状が円弧形状になっている。そして、移送経路J1における円周方向の一端に入口F1が形成され、他端に出口F2が形成されている。
【0035】
さらにまた、固定枠9の壁部11に対しては、雌ねじ孔21にねじ込まれたねじ部材51により締め付け固定された上側枠体52が取り付けられており、この上側枠体52は、その平面形状がほぼ扇形に構成されている。また、上側枠体52であって、前記移送経路J1の上方に相当する位置の円周上には、所定間隔をおいて、複数の雌ねじ孔53が、ほぼ垂直に貫通して形成されている。各雌ねじ孔53に対応して第3の調整ねじ54が設けられており、この第3の調整ねじ54の雄ねじ部55が、各雌ねじ孔53にねじ込まれている。また、雄ねじ部55の上端部にはナット56が形成されている。また、第3の調整ねじ54には、その軸線方向に沿って軸孔57が貫通して形成されている。
【0036】
さらに、軸孔57には、第4の調整ねじ58の雄ねじ部59が挿入され、雄ねじ部59の上端部には頭部60が形成されている。この第4の調整ねじ58と第3の調整ねじ54とは相対回転可能に構成されている。さらにまた、頭部60とナット56との間には、ワッシャ61が介在されている。
【0037】
前記移送経路J1と上側枠体52との間には、平面形状がほぼ円弧形状のエンドサポート62が設けられている。このエンドサポート62は中心B1の周囲にほぼ270度の範囲に配置されている。そして、エンドサポート62の上面には、円周方向に所定間隔をおいて雌ねじ孔63が複数形成されている。各雌ねじ孔63には、各第4の調整ねじ58の雄ねじ部59がねじ込まれている。なお、上側枠体52上にはカバー64が取り付けられており、各第3調整ねじ54および第4調整ねじ58が配置される軸孔65が、カバー64に設けられている。
【0038】
さらに、図2に示すように、移送経路J1の入口F1に臨んで缶蓋搬入用ガイド部材66が設けられているとともに、移送経路J1の出口F2に臨んで缶蓋搬出用ガイド部材67が設けられている。図2の実施形態においては、缶蓋搬入用ガイド部材66の上方を缶蓋搬出用ガイド部材67が通過する配置態様になっている。ここで、缶蓋搬入用ガイド部材66と缶蓋搬出用ガイド部材67とが接触することがなく、かつ、缶蓋搬入用ガイド部材66で保持されている缶蓋2と缶蓋搬出用ガイド部材67とが接触することがないように、缶蓋搬入用ガイド部材66と缶蓋搬出用ガイド部材67との上下方向の距離、缶蓋搬入用ガイド部材66および缶蓋搬出用ガイド部材67の傾斜角度などが設定されている。なお、図2においては、便宜上、カバー64、上側枠体52、各第3調整ねじ54、第4調整ねじ58などの構成が省略されている。
【0039】
つぎに、図3に示す形状の缶蓋2を、カーリング装置1により曲げ加工する工程を説明する。まず、図3に示すような形状にプレス加工された缶蓋2は、缶蓋搬入用ガイド部材66により、湾曲部4が上方に向けられた状態でほぼ水平方向に、移送経路J1の入口F1に導入される。すると、図1に示すように、エンドサポート62が湾曲部4の頂端に接触して、缶蓋2がその中心線A1方向、即ち、湾曲部4の突出方向の歪みを規制する。ここで、図4に示すように、セグメント27側の成形面29の直線部68の奥端と、カーリングホイール36側の成形面38の内周端との距離が、図3に示す缶蓋2の外径D5よりも、若干広く設定されている。
【0040】
このように、移送経路J1の入口F1側の距離(幅)が、缶蓋2の外径D5よりも広く設定されているため、缶蓋2が缶蓋搬入用ガイド部材66から移送経路J1に対して円滑に搬入され易くなる。
【0041】
一方、モータ(図示せず)の駆動力が回転軸35に伝達されており、図2の平面図において、回転軸35が反時計方向に回転する。このため、缶蓋2のフランジカール部6の外周面と、カーリングホイール36側の成形面38およびセグメント27側の成形面29とが接触するとともに、成形面38とフランジカール部6の外周面との摩擦力により、缶蓋2が時計方向に自転し、かつ、中心B1の周囲を移送経路J1に沿って円弧形状に缶蓋2が反時計方向に公転(移動)する。缶蓋2が自転しながら公転する過程で、フランジカール部6の外周が、成形面29および成形面38に対応する形状に曲げ加工される。すなわち、フランジカール部6が、図3に点線で示すように、その曲率半径が小さくなるように、徐々に曲げられる(カール成形される)。
【0042】
ここで、移送経路J1の距離Dの調整方法について説明する。第1の調整ねじ13を締め付けると、アジャストガイド22に対して、半径方向に内側向き(カーリングホイール36に接近させる向き)に移動させる押圧力が作用する。これに対して、第2の調整ねじ17を締め付けると、アジャストガイド22を半径方向に外側向き(カーリングホイール36から離れる方向)に移動させる引っ張り力が作用する。
【0043】
そこで、円周方向に所定間隔で配置されている複数の第1の調整ねじ13および第2の調整ねじ17の締め付け量を個々に調整して、アジャストガイド22に対して曲げ荷重を与え、各セグメント27とカーリングホイール36との半径方向の相対位置関係を制御することにより、移送経路J1に臨む距離Dを調整される。すなわち、この実施形態においては、カーリングホイール36に対する各セグメント27の相対位置を調整することにより、缶蓋2の移送方向の上流側から下流側に向けて距離Dを徐々に短くし(狭くし)、フランジカール部6の外周が滑らかに曲げられるようにして、缶蓋2の目標カール外径D3となるように調整しているのである。
【0044】
一方、この実施形態においては、各セグメント27の成形面29およびカーリングホイール36の成形面38が、前半曲面31,43および後半曲面32,44を備えており、プレス加工された缶蓋2のフランジカール部6が、まず、傾斜面30,42に案内され、前半曲面31,43に接触してこの前半曲面31,43に対応する形状に曲げられると同時、もしくはその後に、フランジカール部6の外周端部7、すなわち、先端部6Aが、後半曲面32,44に接触して、後半曲面32,44に対応する形状に曲げられる。さらに、後半曲面32,44により曲げられたフランジカール部6の先端部6Aが、平坦面33および平坦面45に接触し、そのカーリング成形が完了する。
【0045】
また、この実施形態のカーリングホイール36は、前半曲面43および後半曲面44が第1の構成体36に設けられている一方、平坦面45が第2の構成体37に設けられている。そして、シム47の厚さを変更すること(厚さの異なるシム47を複数用意しておき、これらを交換したり、複数枚のシム47を積み重ねることなど)により、フランジカール部6のカール厚T1を調整することができる。つまり、主として、カーリングホイール36の傾斜面42および平坦面45により、缶蓋2の中心線方向のフランジカール部6のカール厚T1が調整される。このため、回転軸線H1を含む平面内において、各セグメント27の外側カーリング溝34の回転軸線H1方向の長さは固定化されているので、カーリングホイール36の内側カーリング溝48の回転軸線H1方向の長さよりも若干長く設定され、カール厚T1の調整に積極的な作用を及ぼさないようになっている。
【0046】
上記のようにして、缶蓋2は移送経路J1内を自転しつつ公転することにより、フランジカール部6の外周が曲げ加工された後、出口F2を経由して缶蓋搬出用ガイド部材67に搬出され、さらに後工程に搬送される。そして、数百枚単位を1ユニットとして積み重ねられた状態で袋詰めされ、内容物の充填工場に出荷される。この充填工場において、缶胴と缶蓋との巻き締めがおこなわれる。
【0047】
ところで、巻き締め工程で使用されるシーマーの型式、またはシーマーに缶蓋を供給する供給装置の許容長に1ユニット毎の袋の長さを適応させるため、例えば2インチあたりにおける缶蓋2の枚数を調整する対策として、フランジカール部6のカール厚T1を調整することが考えられる。
【0048】
この実施形態においては、カーリングホイール36のカール厚規制長さH3および隙間H5を、シム47の厚さを変更することにより調整し、カーリング装置1により曲げ加工される缶蓋2のカール厚T1を調整している。したがって、カール厚T1を調整する場合に、従来のようにカーリングホイール自体をそっくり交換する必要がなく、カーリングホイール36の部品の一部、即ち、シム47を交換するだけで済み、その交換作業性が向上し、かつ、前記長さH3および隙間H5の微調整を簡単におこなうことができる。また、各種のカール厚に対応して、角度θ1の異なるカーリングホイールを複数種類用意する必要もなく、角度θ1を変更することなく、第1の構成体36Aおよび第2の構成体37をそのまま用いることができる。したがって、缶蓋2のカール厚T1の調整に要する作業コストを低減することができ、経済的である。
【0049】
ところで、この実施形態においては、缶蓋2のフランジカール部6が、前半曲面31,43に接触してこの前半曲面31,43に対応する形状に曲げられ、これと同時またはその後に、フランジカール部6が、後半曲面32,44に接触して、後半曲面32,44に対応する形状に曲げられる。ここで、後半曲面32,44の曲率半径R2の方が、前半曲面31,43の曲率半径R1よりも小さく設定されている。
【0050】
このため、フランジカール部6の外周面とカーリング溝との接触において、先端部6Aが前半曲面31,43により曲げられる場合の摩擦力(中心線A1方向の制動力)よりも、後半曲面32,44により曲げられる場合の摩擦力の方が大きくなる。つまり、フランジカール部6に作用する曲げ荷重が増加する。その結果、各セグメント27およびカーリングホイール36に対する缶蓋2のスリップを防止でき、缶蓋2の形態保持機能が向上する。したがって、フランジカール部6のカール厚T1が、缶蓋2の円周方向において均一化され、1ユニット長さが安定して製品品質が向上する。また、後半曲面32,44により曲げられたフランジカール部6の先端部6Aが、その後に、平坦面33および平坦面45に接触するが、距離h1が曲率半径R2以下に設定されているため、先端部6Aが確実に平坦面33および平坦面45に接触する。
【0051】
このため、フランジカール部6の先端部6Aと、平坦面33および平坦面45との摩擦力を確保することができ、フランジカール部6に作用する曲げ荷重が一層増加するとともに、カール成形が完了するまでの間中、形態保持機能を維持することができる。さらに、カーリング装置1よりも前工程のプレス加工工程において、板材料を打ち抜き成形した場合に、図3に示すように、缶蓋2のフランジカール部6の先端に外バリ6Bが生じていた場合でも、缶蓋2をカーリング装置1で曲げ加工する際に、フランジカール部6の先端部6Aが、平坦面33および平坦面45に接触する際の摩擦力により、この外バリ6Bが小さくなるかもしくは除去される。さらに、カーリングホイール36側の成形面38においては、前半曲面43および後半曲面44の表面粗さよりも、平坦面45の表面粗さの方が粗く設定されている。このため、フランジカール部6の先端部6Aが、平坦面45に接触する際のバリ除去機能が一層向上している。
【0052】
このようにして、缶蓋2の外バリ6Bを小さくしたり除去したりできると、缶蓋2同士を積み重ねた場合に、缶蓋2に形成されている樹脂被膜層に、外バリ6Bによる擦り傷が発生することを防止でき、缶蓋2の耐食性が向上する。また、缶胴(図示せず)の開口端とフランジカール部6とを巻き締める工程において、巻き締めロールによる巻き締め動作を、円滑、かつ確実におこなうことができるとともに、巻き締め皺(リバースリンクルなどと呼ばれる)などの巻き締め不良を抑制することができる。なお、上記実施形態においては、前半曲面43および後半曲面44の表面粗さよりも、平坦面45の表面粗さの方が粗く設定されているが、前半曲面43および後半曲面44の表面粗さと、平坦面45の表面粗さとを同等の表面粗さに設定してもよく、平坦面45の平坦性により、ある程度の摩擦力を発生させることができる。
【0053】
また、上記実施形態においては、第3の調整ねじ54を締め付け量を調整することにより、その第3の調整ねじ54の先端の上下方向に位置が決定される。また、第4の調整ねじ58の締め付け量を調整することにより、エンドサポート62の上下方向の位置が調整される。このようにして、図3に示す中心線A1方向の全厚さT2が異なる缶蓋2に対しても、その缶蓋2の湾曲部4に対して確実にエンドサポート62を接触させることができ、缶蓋2が中心線A1方向に歪むことを確実に抑制できる。
【0054】
また、上記実施形態においては、シム47の厚さや枚数を変更することにより、カール厚T1の規制に関与する隙間H5およびカール厚規制長さH3を調整しているが、これ以外の構成により隙間H5およびカール厚規制長さH3を調整することもできる。例えば、前述した第1の調整ねじ13および第2の調整ねじ17と同様の構成(図示せず)を用いることもできる。また、第1の構成体36Aの垂直面40に雄ねじ(図示せず)を形成し、第2の構成体37の内周面に雌ねじを(図示せず)形成し、この雄ねじと雌ねじとをねじ結合して、第1の構成体36Aと第2の構成体37とを中心線A1方向に相対移動させることにより、カール厚T1の規制に関与する隙間H5およびカール厚規制長さH3を調整することもできる。
【0055】
上記実施形態においては、カーリング装置1の平面図を示す図2において、カーリングホイール36が反時計方向に回転し、かつ、移送経路J1内を缶蓋2が反時計方向に公転するように構成されているが、カーリングホイール36が時計方向に回転し、かつ、移送経路J1内を缶蓋2が時計方向に公転するように構成することもできる。
【0056】
また、上記実施形態においては、図1および図5に示すように、缶蓋2の湾曲部4が上方に向けられた状態で、缶蓋2の外周のカーリングがおこなわれるように、カーリング装置1が構成されているが、缶蓋2の湾曲部4が下方に向けられた状態で、缶蓋2の外周のカーリングがおこなわれるように、カーリング装置1を構成することもできる。
【0057】
さらに、上記実施形態においては、カーリングホイール36側の成形面38が、複数の工具構成体により構成されているが、各セグメント27を、回転軸線H1方向に複数に分割する工具構成体(図示せず)で構成し、その複数の工具構成体に成形面を設けることもできる。つまり、カーリングホイール36または各セグメント27の少なくとも一方を、複数の工具構成体により分割構成することができる。さらに、各セグメント27を複数の工具構成体により分割構成した場合も、各工具構成体に設けられている成形面における回転軸線H1方向の長さを調整する調整機構(図示せず)を設けることができる。
【0058】
さらに、前述したように、第1の構成体36Aの材質硬度よりも第2の構成体37の材質硬度の方を高くすることができる。具体的には、第2の構成体37として超硬合金等を使用することにより、その硬度を高め、フランジカール部6の先端部6Aにより摩耗が激しい第2の構成体37の耐久性を向上させることができる。
【0059】
さらにまた、第2の構成体37の平坦面45は、回転軸線H1に直交する方向に設定されているが、第2の構成体37に、後半曲面44の湾曲形状に近似する湾曲面(図示せず)を設け、その湾曲面に連続して平坦面45を設けることもできる。この場合は、湾曲面と平坦面45との境界部分に段部(図示せず)が形成される。ただし、このように湾曲面を設けるよりも、図示実施形態のように平坦面45のみを設けた方が、後半曲面44からの連続性が良好であるために、カーリング溝の加工性に優れている。すなわち、従来のようにカーリングホイールが一体部品であれば、この平坦面を加工することが困難であるが、この実施形態ではカーリングホイール36が第1の構成体36Aおよび第2の構成体37に分割されているため、平坦面45の加工が容易であり、そのカーリング溝の加工精度を向上させることができる。
【0060】
さらにまた、上記実施形態において、各セグメント27を回転軸線H1方向に複数に分割する場合は、各セグメント27の長さH2と、カーリングホイール36のカール厚規制長さH3とを同じに設定することもできる。このように構成した場合は、各セグメント33も、フランジカール部6のカール厚T1を規制する機能を持つことになる。すなわち、外側カーリング溝34が、前述した主たるカーリング溝として機能することになる。
【0061】
ここで、実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、カーリングホイール36がこの発明の回転工具に相当し、各セグメント27およびアジャストガイド24がこの発明の固定工具に相当し、第1の構成体36Aおよび第2の構成体37がこの発明の複数の工具構成体に相当し、シム47と、第1の構成体36Aの垂直面40に形成することのできる雄ねじ(図示せず)、および第2の構成体37の内周面に形成することのできる雌ねじ(図示せず)などのねじ機構と、第1の調整ねじ13および第2の調整ねじ17と同様の構成(図示せず)とが、この発明の調整機構に相当し、前半曲面31,43および後半曲面32,44がこの発明のカール外径規制面に相当し、傾斜面30,42および平坦面33,45がこの発明のカール厚規制面に相当する。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、複数の工具構成体の組合せにより、回転工具または固定工具に設けられている成形面のうち、少なくとも一方の成形面における回転軸線方向の長さを調整することができる。このため、少なくとも一方の工具を構成している複数の工具構成体の少なくとも一つを交換するだけで、缶蓋のカール厚を調整することができる。したがって、固定工具または回転工具全体を一括して交換する必要がなく、その交換作業が容易となる。また、缶蓋のカール厚の調整用として、複数種類の工具を用意する必要が無く経済的である。また、工具の位置調整作業に要するコストの低減が図れる。さらに、いずれかの工具構成体の成形面が摩耗した場合には、その成形面を有する工具構成体のみを交換すればよく、部品コストの低減につながる。
【0063】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、複数の工具構成体同士の相対位置を調整するだけで、缶蓋のカール厚を調整することができ、カール厚を変更するための工具側の位置調整作業や交換作業が簡略化される。
【0064】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、カール外径規制面と缶蓋との摩擦力よりも、カール厚規制面と缶蓋との摩擦力の方が大きくなる。したがって、缶蓋に作用する曲げ荷重が徐々に増加して、缶蓋のカール厚さが全周に亘って揃い易く、1ユニットの長さが安定して、缶蓋の製品品質が向上する。また、缶蓋の先端部の外周に外バリが存在していたとしても、カール厚規制面と缶蓋との摩擦作用で、この外バリが小さくなるかもしくは除去され、缶蓋の製品品質が向上する。
【0065】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、カール外径規制面における最もカール厚規制面に最も近い領域と缶蓋との摩擦力に対して、カール厚規制面と缶蓋との摩擦力が小さくなることがなく、缶蓋に作用する曲げ荷重の低下が抑制され、缶蓋の厚さが全周に亘って、なお一層揃い易い。したがって、缶蓋の製品品質が向上する。また、缶蓋の先端部の外周に外バリが存在していたとしても、カール厚規制面と缶蓋との摩擦作用で、この外バリが小さくなるかもしくは除去される。したがって、缶蓋の製品品質が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のカーリング装置の縦断面図である。
【図2】 図1に示すカーリング装置の全体的な平面図である。
【図3】 図1および図2のカーリング装置に搬入される缶蓋の形状を示す縦断面図である。
【図4】 図2に示すカーリング装置の部分的な平面図である。
【図5】 図1および図2に示すカーリング装置により、缶蓋を曲げ加工する状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…カーリング装置、 2…缶蓋、 6…フランジカール部、 6A…先端部、 24…アジャストガイド、 29,38…成形面、 31,43…前半曲面、 32,44…後半曲面、 33,45…平坦面、 36…カーリングホイール、 36A…第1の構成体、 37…第2の構成体、 47…シム、 50…押えプレート、 H1…回転軸線、 H3…カール厚規制長さ、 h1…距離、R2…曲率半径。

Claims (4)

  1. 回転軸線を中心とする環状の成形面を備えた回転工具と、この回転工具の外側に配置され、かつ、前記成形面とほぼ線対称をなす近似形状に設定された成形面を備えた固定工具とを備え、金属製の缶蓋の外周を、前記回転工具および前記固定工具の成形面に接触させるとともに、前記回転工具を回転させることにより、前記缶蓋の外周を、前記回転工具および前記固定工具の成形面に沿って曲げ加工する缶蓋のカーリング装置において、
    前記回転工具または前記固定工具の少なくとも一方は、前記回転軸線方向に沿って分割された複数の工具構成体を備えているとともに、各工具構成体に、前記成形面が分割して形成されていることを特徴とする缶蓋のカーリング装置。
  2. 前記回転軸線方向における前記複数の工具構成体同士の相対位置を調整することにより、前記回転軸線方向における前記成形面の長さを調整する調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の缶蓋のカーリング装置。
  3. 前記各工具構成体に分割して形成された成形面は、前記缶蓋の外周が接触するカール外径規制面と、このカール外径規制面により曲げられた缶蓋の曲げ先端部が接触するカール厚規制面とを備え、このカール厚規制面の表面粗さは、前記カール外径規制面の表面粗さよりも粗く設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の缶蓋のカーリング装置。
  4. 前記回転工具または前記固定工具の少なくとも一方の成形面は、前記缶蓋の外周が接触し、かつ、前記回転軸線を含む平面内で湾曲する形状を備えたカール外径規制面と、このカール外径規制面により曲げられた缶蓋の曲げ先端部が接触し、かつ、前記平面内で前記回転軸線にほぼ直交する方向に延ばされたカール厚規制面とを備えているとともに、
    前記回転軸線方向における前記カール外径規制面の曲率中心と前記カール厚規制面との距離が、前記カール厚規制面に最も近い領域の前記カール外径規制面の曲率半径以下に設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の缶蓋のカーリング装置。
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