JP2002019569A - 乗員保護装置 - Google Patents

乗員保護装置

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JP2002019569A
JP2002019569A JP2000202148A JP2000202148A JP2002019569A JP 2002019569 A JP2002019569 A JP 2002019569A JP 2000202148 A JP2000202148 A JP 2000202148A JP 2000202148 A JP2000202148 A JP 2000202148A JP 2002019569 A JP2002019569 A JP 2002019569A
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airbag
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child seat
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Yoshinori Maeda
佳則 前田
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャイルドシート取付時と大人着座時とを正
確に判別して、チャイルドシート取付時にはエアバッグ
展開を抑制することができる乗員保護装置を提供する。 【解決手段】 荷重センサ12は、シート5及び図示し
ない着座物による荷重を検出する。荷重センサ制御ユニ
ット13は、規定重量に対する検出荷重の大小を判別
し、検出荷重が小さいときにエアバッグ動作を抑制する
とともに、検出荷重が大きいとき、シートベルトリトラ
クタ3の状態を検出するA−ELRスイッチ3aがAL
R状態を示していれば、エアバッグ動作を抑制する。こ
れにより、シートベルトのチャイルドシート取付張力が
大きい場合でも、大人が着座していると誤判断して、エ
アバッグを展開することがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の乗員保護
装置に係り、特に、チャイルドシート取付時にエアバッ
グの展開制御を可能とした乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグは、シートベルトと併用する
ことにより、車両の接触時に乗員をより確実に拘束する
ための乗員保護装置である。このようなエアバッグ制御
の従来技術として、特開平11−1153号公報記載の
技術が知られている。
【0003】この従来技術によれば、シートに着座した
乗員の体重を検出する荷重センサを備え、荷重センサが
検出した乗員の体重が少ないときにはエアバッグ内に比
較的少量のガスを供給し、体重が多いときにはエアバッ
グ内に比較的多量のガスを供給するようにして、乗員の
体重の多少に関わらずより適切な作動ができるエアバッ
グ装置を提供しようとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、乗員の体重を車体側に固定された重量セン
サで検出しているため、体重の重い大人と体重の少ない
子供との判別は可能であるが、チャイルドシートと大人
との判別が困難であるという問題点があった。
【0005】何故ならば、チャイルドシートはシートベ
ルトを使用してシートに固定されるが、チャイルドシー
トがぐらつかないように、シートベルトでしっかり締め
付ける必要がある。この際シートベルトの張力が荷重と
なってシートに加わるため、シートベルトの締め付け力
によっては、シートにかかる荷重が大人と同等レベルに
なってしまう現象があるからである。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その課題とするところは、チャイルドシート取付
時と大人着座時とを正確に判別して、チャイルドシート
取付時にはエアバッグ展開を抑制することができる乗員
保護装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、シートに着座している着座物
の重量を検出する重量センサと、車両衝突時に展開して
前記シート着座物を保護するエアバッグと、前記シート
にチャイルドシートがシートベルトにより固定されてい
るか否かを検出するチャイルドシート検出手段と、前記
重量センサが検出した重量と所定値との比較結果に基づ
いて前記着座物がエアバッグを展開すべき着座物かエア
バッグの展開を抑止すべき着座物かを判別する一方、前
記チャイルドシート検出手段がチャイルドシートの固定
を検出している場合に前記着座物をエアバッグの展開を
抑止すべき着座物であると判別する着座物判別手段と、
前記着座物判別手段の判別結果に基づいて前記エアバッ
グの展開を制御するエアバッグ制御手段と、を備えたこ
とを要旨とする乗員保護装置である。
【0008】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るため、シートに着座している着座物の重量を検出する
重量センサと、車両衝突時に展開して前記シート着座物
を保護するエアバッグと、前記重量センサが検出した重
量と所定値との比較結果に基づいて前記着座物がエアバ
ッグを展開すべき着座物かエアバッグの展開を抑止すべ
き着座物かを判別する着座物判別手段と、前記着座物判
別手段の判別結果に基づいて前記エアバッグの展開を制
御するエアバッグ制御手段と、シートベルトにより前記
シートにチャイルドシートが固定されているか否かを検
出するチャイルドシート検出手段と、前記チャイルドシ
ート検出手段がチャイルドシートの固定を検出している
場合に、前記重量センサが検出した重量を低減するよう
に補正、又は前記所定値を増加するように補正する補正
手段と、を備えたことを要旨とする乗員保護装置であ
る。
【0009】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項1または請求項2記載の乗員保護装置に
おいて、前記チャイルドシート検出手段は、シートベル
トリトラクタがチャイルドシートの固定の為にシートベ
ルトの出し入れが禁止された状態であることを検出する
リトラクタ状態検出手段であることを要旨とする。
【0010】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項3記載の乗員保護装置において、前記リ
トラクタ状態検出手段は、前記シートベルトの出し入れ
に応じて回動する回動体を回動可能状態またはロック状
態のいずれかに保持するロック部材の状態を検出するロ
ック状態検出スイッチであることを要旨とする。
【0011】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、シート
に着座している着座物の重量を検出する重量センサと、
車両衝突時に展開して前記シート着座物を保護するエア
バッグと、前記シートにチャイルドシートがシートベル
トにより固定されているか否かを検出するチャイルドシ
ート検出手段と、前記重量センサが検出した重量と所定
値との比較結果に基づいて前記着座物がエアバッグを展
開すべき着座物かエアバッグの展開を抑止すべき着座物
かを判別する一方、前記チャイルドシート検出手段がチ
ャイルドシートの固定を検出している場合に前記着座物
をエアバッグの展開を抑止すべき着座物であると判別す
る着座物判別手段と、前記着座物判別手段の判別結果に
基づいて前記エアバッグの展開を制御するエアバッグ制
御手段と、を備えたので、体重の小さい子供が着座して
いるときにエアバッグの展開を制御できるとともに、チ
ャイルドシートをシートベルトを用いてシートに取り付
けることにより重量センサが大人の体重相当の力を検出
した場合でも、エアバッグの展開を抑制することができ
る。
【0012】また、請求項2記載の本発明によれば、シ
ートに着座している着座物の重量を検出する重量センサ
と、車両衝突時に展開して前記シート着座物を保護する
エアバッグと、前記重量センサが検出した重量と所定値
との比較結果に基づいて前記着座物がエアバッグを展開
すべき着座物かエアバッグの展開を抑止すべき着座物か
を判別する着座物判別手段と、前記着座物判別手段の判
別結果に基づいて前記エアバッグの展開を制御するエア
バッグ制御手段と、シートベルトにより前記シートにチ
ャイルドシートが固定されているか否かを検出するチャ
イルドシート検出手段と、前記チャイルドシート検出手
段がチャイルドシートの固定を検出している場合に、前
記重量センサが検出した重量を低減するように補正、又
は前記所定値を増加するように補正する補正手段と、を
備えたことにより、チャイルドシート取り付け時に、チ
ャイルドシートの重量とチャイルドシート締め付け力を
重量に換算した値との加算値により重量センサ検出結果
を補正することができるので、チャイルドシートがシー
トベルトで締め付けられて重量センサが検出する見かけ
の重量が増加しても、チャイルドシートを大人であると
誤判別する可能性が小さくなるため、エアバッグの展開
制御をより適した展開制御とすることができる。
【0013】また、請求項3記載の本発明によれば、請
求項1または請求項2記載の乗員保護装置において、前
記チャイルドシート検出手段は、シートベルトリトラク
タがチャイルドシートの固定の為にシートベルトの出し
入れが禁止された状態であることを検出するリトラクタ
状態検出手段であるようにしたので、構成が簡単なシー
トベルトのリトラクタ状態検出手段により、チャイルド
シート検出手段を安価に実現することができる。
【0014】また、請求項4記載の本発明によれば、請
求項3記載の乗員保護装置において、前記リトラクタ状
態検出手段は、前記シートベルトの出し入れに応じて回
動する回動体を回動可能状態またはロック状態のいずれ
かに保持するロック部材の状態を検出するロック状態検
出スイッチとしたので、安価で作動が確実なスイッチの
信号としてリトラクタ状態検出信号を得ることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係る乗員保護装
置の第1実施形態の構成を示す車室横断面図であり、図
2は、同実施形態の構成を示す平面図である。尚、本実
施形態においては、左ハンドル乗用車の助手席に乗員保
護装置を設けた実施形態を示しているが、右ハンドル車
の助手席や後部座席に設けることができるのは、明らか
である。
【0016】図1において、第1実施形態の乗員保護装
置は、シートベルトウエビング2(以下、単にウエビン
グと略す)と、A−ELR(自動ロック及び緊急時ロッ
ク)機能を有するシートベルトリトラクタ3と、シート
ベルトリトラクタ3に組み込まれシートベルトリトラク
タ3が自動ロック状態か緊急時ロック状態かを示すA−
ELRスイッチ3aと、ベルトアウター側アンカー4
と、シートベルトバックル6と、ベルトインナー側アン
カー7と、シート5の重量に着座物の重量を加えた荷重
を検出する荷重センサ12と、荷重センサ12が検出し
た荷重に基づいて着座物がエアバッグを展開すべき着座
物か、エアバッグの展開を抑止すべき着座物かを判別す
る着座物判断手段としての荷重センサ制御ユニット13
と、荷重センサ制御ユニット13の判別結果に基づいて
図外のエアバッグの展開を制御するエアバッグ制御手段
としてのエアバッグ制御ユニット15とを備えている。
【0017】図1に示すように、Bピラー(センター・
ピラー)1の内側下部にウエビング2の一端部からウエ
ビング2を巻き取るシートベルトリトラクタ3が設けら
れ、さらにその下部にベルトアウター側アンカー4によ
りウエビング2の他端部がBピラー1に固定されてい
る。
【0018】助手席シート5(以下、単にシートと略
す)の車両内側には、先端部にシートベルトバックル6
を備えるベルトインナー側アンカー7が設けられ、ウエ
ビング2に挿通されたタングプレート8とシートベルト
バックル6とが結合・分離可能となっている。
【0019】シートベルトリトラクタ3は、一旦ウエビ
ング2が全容量引き出されたときに、次にウエビング2
が全容量巻き取られるまで巻き取り方向しか作動しない
自動ロック状態にあるか、そうでない状態である緊急時
ロック状態であるかを示すA−ELRスイッチ3aを備
えている。
【0020】シート5は、内側と外側の2本のレール9
により前後に滑動可能となっていて、それぞれのレール
9の前後はブラケット10により車体11に取り付けら
れている。レール9とブラケット10との間には、シー
ト5及び着座物の重量を検出する重量センサ12が合計
4個設けられている。またシート5の座面5aの裏側に
は、重量センサ12からの重量検出信号に基づいて、着
座物の重量と規定の重量との大小を判別する重量センサ
制御ユニット13が配置されている。
【0021】車体11のフロアトンネル14の上側に
は、重量センサ制御ユニット13の判別結果及びシート
ベルトリトラクタ3に設けられたA−ELRスイッチ3
aの信号に基づいて、図外のエアバッグの展開を制御す
るエアバッグ制御ユニット15が設けられている。
【0022】そして、図2の平面図に示すように、シー
トベルトリトラクタ3と、4個の重量センサ12と、重
量センサ制御ユニット13と、エアバッグ制御ユニット
15と、図外のエアバッグモジュールとの間は、ワイヤ
ハーネス16により相互に接続され、必要な電気信号が
送受されるようになっている。
【0023】本実施形態のシートベルトリトラクタ3
は、ELR機能とALR機能との両方の機能を兼ね備え
たA−ELRシートベルト装置として動作する。即ち、
通常の使用状態では、ELR(緊急ロック式巻取装置)
として、例えば、自動車の衝突、追突、転覆などによっ
て急激な速度変化が生じたときに、ロック機構が働い
て、ウエビング引出しをロックするとともに、チャイル
ドシートを固定するときには、ウエビングを全容量まで
引き出すことにより、ELR機能からALR(自動ロッ
ク式巻取装置)機能に自動的に切り替わる。
【0024】ALR機能に移行したときには、シートベ
ルトリトラクタ3は、巻き取り方向しか作動せず、任意
の位置でウエビングを再度引き出そうとしてもロックが
働き、引出すことができないようになっている。このA
LR機能により、チャイルドシートをシートに固定する
ことが可能となる。また、ALR機能状態からELR機
能状態へ戻したいときには、ウエビングの全容量を巻き
取ることにより移行することができる。
【0025】A−ELRスイッチ3aは、ALR機能と
ELR機能のいずれの機能が働いているかを示す信号を
出力するスイッチであり、例えば、ALR機能が働いて
いるときにオフとなり、逆にELR機能が働いていると
きにオンとなるように設定されている。
【0026】次に、図3のフローチャートを参照して、
本第1実施形態の動作を説明する。
【0027】まず、4つの荷重センサ12により、シー
ト5を含めて着座中の乗員の重量による荷重を検出する
(ステップS10)。次いで、荷重センサ制御ユニット
13は荷重センサの検出値を読み込み、規定重量に対す
る検出荷重の大小を判別する(ステップS12)。規定
重量より検出荷重が小さければ、子供が着座していると
して、荷重センサ制御ユニット13からエアバッグ動作
抑止指示をエアバッグ制御ユニット15へ出力する(ス
テップS20)。エアバッグ動作抑制指示を受けたエア
バッグ制御ユニット15は、エアバッグを展開すべき事
象が起きたとき、シート5の着座物を保護すべく設けら
れたエアバッグの展開を抑止するように制御する。
【0028】ステップS12の判定で、規定重量より検
出荷重が大きければ、次いでA−ELRスイッチ3aの
状態を荷重センサ制御ユニット13へ入力し(ステップ
S14)、A−ELRスイッチ3aがALR状態を示し
ているか、ELR状態を示しているかを判断する(ステ
ップS16)。ALR状態を示していれば、チャイルド
シート取付状態であると判断して、ステップS20へ移
行する。
【0029】ステップS16の判断でELR状態を示し
ていれば、チャイルドシートは取り付けられておらず、
且つ荷重センサ12が大人の荷重を検出しているので、
荷重センサ制御ユニット13からエアバッグ動作可能指
示をエアバッグ制御ユニット15へ出力する(ステップ
S18)。エアバッグ動作可能指示を受けたエアバッグ
制御ユニット15は、エアバッグを展開すべき事象が起
きたときに、シート5の着座物を保護すべく設けられた
エアバッグを展開させるように制御する。
【0030】次に、第2の実施形態を説明する。第2実
施形態の構成は、図1及び図2に示した第1実施形態と
同様である。第1実施形態との相違は、荷重センサ制御
ユニット13の動作が異なることである。本実施形態の
荷重センサ制御ユニット13は、A−ELRスイッチ3
aがALR状態を示しているとき、荷重センサ12が検
出した着座物の重量を減少させるように補正し、この補
正結果に基づいて、着座物がエアバッグを展開させるべ
き着座物か、エアバッグを展開させるべきでない着座物
かを判断することに特徴がある。
【0031】ここで、図4を参照して、荷重センサが検
出した重量の補正方法について、説明する。まず、幼児
とチャイルドシート(図中、CRSと略す)の重量をW
1とする。シートベルトのアンカーがアウター/インナ
ー側共シートに固定されている場合、荷重センサ12が
検出するシート5への荷重は、シートベルトのウエビン
グ2の張力の強弱には関係がなく、一定の値W1とな
る。このとき、エアバッグ作動/不作動のの仕切荷重は
W2に設定する。
【0032】次いで、シートベルトのアンカーがアウタ
ー/インナー側どちらか一方がシートに固定されている
場合、荷重センサ12が検出するシート5への荷重は、
シートベルトのウエビング2の張力のが大きいほど大き
くなるが、その傾きはあまり大きくない。このとき、エ
アバッグ作動/不作動の仕切荷重は、W2より大きいW
3に設定する。
【0033】さらに、シートベルトのアンカーがアウタ
ー/インナー側共車体(フロアー等)に固定されている
場合、荷重センサ12が検出するシート5への荷重は、
シートベルトのウエビング2の張力のが大きいほど大き
くなり、その傾きは大きい。このとき、エアバッグ作動
/不作動の仕切荷重は、W3より大きいW4に設定す
る。
【0034】次に、図5のフローチャートを参照して、
第2実施形態の動作を説明する。
【0035】まず、4つの荷重センサ12により、シー
ト5を含めて着座中の乗員の重量による荷重を検出する
(ステップS30)。次いで、A−ELRスイッチ3a
の状態を荷重センサ制御ユニット13へ入力し(ステッ
プS32)、A−ELRスイッチ3aがALR状態を示
しているか、ELR状態を示しているかを判断する(ス
テップS34)。A−ELRスイッチ3aがALR状態
を示していれば、検出荷重から所定の重量を減じて補正
後の荷重を得て(ステップS36)、ステップS38へ
進む。A−ELRスイッチ3aがELR状態を示してい
れば、検出荷重の補正ステップであるステップS36を
飛ばして、ステップS38へ進む。
【0036】ステップS38では、規定荷重に対する補
正後の荷重(補正しない場合には検出荷重)の大小を判
別する。規定重量より検出荷重が小さければ、子供が着
座、またはチャイルドシートが装着されているとして、
荷重センサ制御ユニット13からエアバッグ動作抑止指
示をエアバッグ制御ユニット15へ出力する(ステップ
S42)。エアバッグ動作抑制指示を受けたエアバッグ
制御ユニット15は、エアバッグを展開すべき事象が起
きたとき、シート5の着座物を保護すべく設けられたエ
アバッグの展開を抑止するように制御する。
【0037】ステップS38の判定で、規定重量より検
出荷重が大きければ、大人が着座していると判断して、
ステップS40へ移行する。
【0038】ステップS40では、荷重センサ制御ユニ
ット13からエアバッグ動作可能指示をエアバッグ制御
ユニット15へ出力する。エアバッグ動作可能指示を受
けたエアバッグ制御ユニット15は、エアバッグを展開
すべき事象が起きたときに、シート5の着座物を保護す
べく設けられたエアバッグを展開させるように制御す
る。
【0039】次に、図6、図7を参照して、第1及び第
2実施形態で使用可能なシートベルトリトラクタ3及び
A−ELRスイッチ3aの構成を詳細に説明する。
【0040】図6(a)はシートベルトリトラクタの部
分分解正面図、(b)は(a)のAA’線断面図、
(c)はスイッチ部の拡大図である。
【0041】また図7(a)は、シートベルトリトラク
タからウエビングが最大に引き出された状態(A−EL
Rストッパーロック状態)を示す部分分解正面図であ
る。図7(b)は、シートベルトリトラクタからウエビ
ングが最大に引き出された状態(A−ELRストッパー
ロック状態)を示すスイッチ部の拡大図である。図7
(c)は、シートベルトリトラクタからウエビングの引
出量を途中まで戻した状態(A−ELRストッパーロッ
ク解除状態)を示す部分分解正面図である。
【0042】このシートベルトリトラクタ3は、例えば
Bピラー1などの車体に固着されA−ELRロック機構
を収容するケース301と、図示しないシートベルト巻
取ドラム部との隔壁302と、隔壁302を貫通するシ
ートベルト巻取ドラム回転軸303と、シートベルト巻
取ドラム回転軸303に固定された小歯車304と、小
歯車304に大径部が噛み合うとともに、ケース301
に固定された中歯車軸314の回りを回転可能な2段歯
車である中歯車305と、中歯車305の小径部に噛み
合う内歯歯車である大歯車306と、シートベルト巻取
ドラム回転軸303の回りを回転可能なシートベルトロ
ック用歯車308と、ケース301の内側に円筒形の突
起状に形成されたガイド313と、ガイド313に嵌合
して回転可能なA−ELRストッパーロック解除用回転
体307と、A−ELRストッパーロック解除用回転体
307の外周部に設けられた切欠307aと、切欠30
7aに貫入可能なA−ELRストッパー309と、A−
ELRストッパー309をA−ELRストッパーロック
解除用回転体307の方向へ付勢するコイルスプリング
310と、A−ELRストッパー309のコイルスプリ
ング側に固着された銅板等の導電体311と、導電体3
11に対向して設けられ、A−ELRストッパーが切り
欠き307aに貫入したとき、導電体311から隔離す
るとともに、A−ELRストッパーが切り欠き307a
に貫入しないとき、導電体311と接触するバネ端子3
12とを備えている。
【0043】次に、このシートベルトリトラクタ3の動
作を説明する。小歯車304、中歯車305、及び大歯
車306は、回転数調整用の歯車であり、シートベルト
巻取ドラム回転軸303の回転数を減じて大歯車306
に伝達するものである。即ち、ウエビング2がシートベ
ルトリトラクタ3から引き出されると、ウエビングを巻
き付けている図外のシートベルト巻取ドラムが回転する
ことによって、シートベルト巻取ドラム回転軸303が
回転し、このシートベルト巻取ドラム回転軸303に固
着された小歯車304が回転する。この回転力は、小歯
車304から中歯車305へ、中歯車305から大歯車
306へ順次伝達される。
【0044】シートベルトリトラクタ3からウエビング
2が最大限度まで引き出される間に、シートベルト巻取
ドラム回転軸303の回転数から2段階で減速された大
歯車306の回転は、ゆっくりと反時計回りに約1回転
する。ウエビング2が最大限度まで引き出されると、大
歯車306の外周部に設けられた突起306aがA−E
LRストッパーロック解除用回転体307の内側に設け
られた突起307aに当接しながらこれを反時計回りに
押す。
【0045】これによりA−ELRストッパーロック解
除用回転体307の切欠307aがA−ELRストッパ
ー309に対向する位置に至り、A−ELRストッパー
309がコイルスプリング310により図中左側へ押し
出され、A−ELRストッパー309が切欠307aに
はまり、A−ELRストッパー309の下部がシートベ
ルトロック用歯車308と噛み合う。以後、シートベル
トロック用歯車308に固着されているシートベルト巻
取ドラム回転軸303は、ウエビング2が引き出される
方向には回転が規制される。
【0046】この状態が図7(a)に示すALR状態で
あり、このとき、導電体311と、バネ端子312とで
構成されたA−ELRスイッチ3aはオープン状態(オ
フ)となる。
【0047】逆に、ウエビング2の引出量を途中まで戻
したELR状態では、図7(b)に示すように、A−E
LRストッパー309は、A−ELRストッパーロック
解除用回転体307の切欠307aから外れ、導電体3
11とバネ端子312とで構成されたA−ELRスイッ
チ3aはクローズ状態(オン)となる。
【0048】こうして、A−ELRスイッチ3aは、シ
ートベルトリトラクタ3のALR状態と、ELR状態と
を、それぞれオフ、オンで荷重センサ制御ユニットへ知
らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗員保護装置の実施形態の構成を
示す車室横断面図である。
【図2】本発明に係る乗員保護装置の実施形態の構成を
示す平面図である。
【図3】第1実施形態の動作を説明するフローチャート
である。
【図4】第2実施形態における荷重補正の概念を示すグ
ラフである。
【図5】第2実施形態の動作を説明するフローチャート
である。
【図6】チャイルドシート検出手段としてのリトラクタ
状態検出スイッチを備えたシートベルトリトラクタの構
成及び動作を説明する図面であり、(a)はシートベル
トリトラクタの部分分解正面図、(b)は(a)のA
A’線断面図、(c)はスイッチ部の拡大図である。
【図7】(a)シートベルトリトラクタからウエビング
が最大に引き出された状態(A−ELRストッパーロッ
ク状態)を示す部分分解正面図である。(b)シートベ
ルトリトラクタからウエビングが最大に引き出された状
態(A−ELRストッパーロック状態)を示すスイッチ
部の拡大図である。(c)シートベルトリトラクタから
ウエビングの引出量を途中まで戻した状態(A−ELR
ストッパーロック解除状態)を示す部分分解正面図であ
る。
【符号の説明】
1 Bピラー 2 ウエビング 3 シートベルトリトラクタ 3a A−ELRスイッチ 4 ベルトアウター側アンカー 5 シート 6 シートベルトバックル 7 ベルトインナー側アンカー 8 タングプレート 9 レール 10 ブラケット 11 車体(フロアパン) 12 荷重センサ 13 荷重センサ制御ユニット 14 フロアトンネル 15 エアバッグ制御ユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートに着座している着座物の重量を検
    出する重量センサと、 車両衝突時に展開して前記シート着座物を保護するエア
    バッグと、 前記シートにチャイルドシートがシートベルトにより固
    定されているか否かを検出するチャイルドシート検出手
    段と、 前記重量センサが検出した重量と所定値との比較結果に
    基づいて前記着座物がエアバッグを展開すべき着座物か
    エアバッグの展開を抑止すべき着座物かを判別する一
    方、前記チャイルドシート検出手段がチャイルドシート
    の固定を検出している場合に前記着座物をエアバッグの
    展開を抑止すべき着座物であると判別する着座物判別手
    段と、 前記着座物判別手段の判別結果に基づいて前記エアバッ
    グの展開を制御するエアバッグ制御手段と、 を備えたことを特徴とする乗員保護装置。
  2. 【請求項2】 シートに着座している着座物の重量を検
    出する重量センサと、 車両衝突時に展開して前記シート着座物を保護するエア
    バッグと、 前記重量センサが検出した重量と所定値との比較結果に
    基づいて前記着座物がエアバッグを展開すべき着座物か
    エアバッグの展開を抑止すべき着座物かを判別する着座
    物判別手段と、 前記着座物判別手段の判別結果に基づいて前記エアバッ
    グの展開を制御するエアバッグ制御手段と、 シートベルトにより前記シートにチャイルドシートが固
    定されているか否かを検出するチャイルドシート検出手
    段と、 前記チャイルドシート検出手段がチャイルドシートの固
    定を検出している場合に、前記重量センサが検出した重
    量を低減するように補正、又は前記所定値を増加するよ
    うに補正する補正手段と、 を備えたことを特徴とする乗員保護装置。
  3. 【請求項3】 前記チャイルドシート検出手段は、 シートベルトリトラクタがチャイルドシートの固定の為
    にシートベルトの出し入れが禁止された状態であること
    を検出するリトラクタ状態検出手段であることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の乗員保護装置。
  4. 【請求項4】 前記リトラクタ状態検出手段は、 前記シートベルトの出し入れに応じて回動する回動体を
    回動可能状態またはロック状態のいずれかに保持するロ
    ック部材の状態を検出するロック状態検出スイッチであ
    ることを特徴とする請求項3記載の乗員保護装置。
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