JP2002019047A - 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材。 - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材。

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JP2002019047A
JP2002019047A JP2000199322A JP2000199322A JP2002019047A JP 2002019047 A JP2002019047 A JP 2002019047A JP 2000199322 A JP2000199322 A JP 2000199322A JP 2000199322 A JP2000199322 A JP 2000199322A JP 2002019047 A JP2002019047 A JP 2002019047A
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foam
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Toru Ueda
亨 上田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サンルーフ等からの太陽光の照射によっても劣
化、光漏れがなく、かつ、自動車走行中の異音の発生が
防止できる自動車内装材用発泡積層シート、ないしは自
動車内装材を得る。 【解決手段】 耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層の両
面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した発泡積
層シートにおいて、一方の非発泡層上に着色剤を含有さ
せた着色熱可塑性樹脂フィルムを設けてなる自動車内装
材用発泡積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内装材用発
泡積層シートおよび該シートを用いた自動車内装材に関
する。さらに詳しくは太陽光の照射によっても劣化、光
漏れがなく、かつ自動車走行中の異音の発生が防止でき
る自動車内装材用発泡積層シート、および該シートを用
いた自動車内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車天井材として、熱可塑性樹
脂発泡体を主体とする基材にウレタンフォームを積層し
たものや、スチレン−無水マレイン酸共重合体の発泡層
の両面にスチレン−無水マレイン酸共重合体の非発泡層
を積層した積層シートを所望の形状に成形したものが広
く用いられている。それらの自動車天井は、軽量で断熱
性が高く、成形加工性がすぐれているという特徴があ
る。
【0003】しかしがら、上記のような従来の自動車天
井材は、高温に長時間さらされると、耐熱性が不十分で
あるため、フロント部が自重で垂れ下がったり(ヒート
サグ)、変形を生じるなどの問題を発生することがあっ
た。
【0004】そこで、これらの問題を解決するために、
無機質のガラス繊維とプラスチックの複合材料をベース
とした自動車天井材が使用されるようになってきた。し
かし、この複合材料では、耐熱性という品質は維持でき
るものの、軽量化が図れない上に、ガラス繊維を使用し
ているため、リサイクル性が悪く、またコスト高になる
という問題があった。
【0005】このような問題を解決するため、軽量で耐
熱性のある変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下
「変性PPE系樹脂」と記す。)発泡層の両面に、変性
PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートを用い
た自動車天井材用発泡積層シートが提案されている(実
開平4−11162号公報)。この変性PPE系樹脂を
用いた自動車天井材用発泡積層シートは、耐熱性に優
れ、軽量であるため、高温下での変形や自重による垂れ
下がり等を改善することができるとしている。
【0006】一方、最近では自動車のエンジン音の低下
や車内の防音効果の向上に伴って、車内の静けさがクロ
ーズアップされてきている。ところが、上記の変性PP
E系樹脂発泡積層シートなどの耐熱性樹脂発泡積層シー
トを天井材として、自動車に装着した場合、クーラーな
どで車内を急冷した際や、凹凸のある路面での走行時、
急カーブでの走行時において異音を発生させる原因にな
るという問題があった。この問題を解決するために、ウ
レタン発泡シートを予めそのような発泡積層シートに積
層したり、自動車天井材の成形加工時にクラフトテープ
を貼りつけたりして対応している。
【0007】しかしながら、これらの方法は、いずれも
作業が煩雑であったり、材料コストや製造コストのアッ
プを引き起こすため、これらに代わる方法の出現が待望
されている。しかしながら、未だ満足し得る方法が提案
されていないのが実状である。
【0008】さらに、図1に示すようにサンルーフを有
する構造の自動車では、太陽光がサンルーフ部のガラス
を通じて入射し、入射角によっては太陽光が自動車の天
板と自動車天井材の間の隙間に入って、自動車天井材を
直接照射する可能性がある。その結果、自動車天井材の
劣化を引き起こしたり、室内に光漏れを発生させる危険
性がある。
【0009】この問題を解決するため、サンルーフ部に
おいて自動車天板と天井材の隙間に光の遮蔽板等を設け
ることを行っているが、材料コストや製造コストのアッ
プを引き起こすため、これらに代わる方法の出現が待望
されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太陽光の照
射によっても劣化、光漏れがなく、かつ、自動車走行中
の異音の発生を防止できる自動車内装材用発泡積層シー
ト、および該シートを用いた自動車内装材を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するべく鋭意研究の結果、異音の発生がクーラー
などで車内を急冷した際や、凹凸のある路面での走行
時、急カーブでの走行時に、車体を構成する鉄板やプラ
スチック板と自動車の内装材の室外側表面とが接触し擦
れ合うことに起因する点に着目し、鉄板やプラスチック
板と接触する基材表面に、擦れ音の発生が抑えられる摺
動性の良好なポリオレフィン系樹脂フィルムからなる異
音防止フィルムを積層することで、異音の発生が防止で
きることに加え、この異音防止フィルム中にカーボンブ
ラックに代表される着色剤としての黒色顔料および必要
に応じて紫外線吸収剤を添加することにより、太陽光が
当たっても劣化、光漏れのない自動車内装材が得られる
事を見出し本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、 (1)耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、熱
可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した発泡積層シート
において、一方の非発泡層上に0.5重量%以上の着色
剤を含有させた着色熱可塑性樹脂フィルムを設けてなる
自動車内装材用発泡積層シート。(請求項1) (2)着色熱可塑性樹脂フィルムが着色剤としてカーボ
ンブラックを含有することを特徴とする(1)記載の自
動車内装材用発泡積層シート。(請求項2) (3)着色熱可塑性樹脂フィルムの基材樹脂がポリオレ
フィン系樹脂であることを特徴とする(1)または
(2)記載の自動車内装材用発泡積層シート。(請求項
3) (4)着色熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹
脂を基材樹脂とするフィルムと、ポリスチレン系樹脂を
基材樹脂とするフィルムとの積層フィルムであることを
特徴とする(1)または(2)記載の自動車内装材用発
泡積層シート。(請求項4) (5)ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とするフィルム
が着色剤としてカーボンブラックを含有するフィルムで
あることを特徴とする(4)記載の自動車内装材用発泡
積層シート。(請求項5) (6)ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするフィルムが
着色剤としてカーボンブラックを含有するフィルムであ
ることを特徴とする(4)記載の自動車内装材用発泡積
層シート。(請求項6) (7)ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とするフィルム
と、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするフィルムが共
に着色剤としてカーボンブラックを含有するものである
ことを特徴とする(4)記載の自動車内装材用発泡積層
シート。(請求項7) (8)着色熱可塑性樹脂フィルム中に紫外線吸収剤が含
有されていることを特徴とする(1)〜(7)の1記載
の自動車内装材用発泡積層シート。(請求項8) (9)紫外線吸収剤がヒンダードアミン系紫外線吸収
剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤から選ばれることを特徴とする
(8)記載の自動車内装材用発泡積層シート。(請求項
9) (10)発泡層の基材樹脂である耐熱性樹脂が変性ポリ
フェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする
(1)〜(9)の1記載の自動車内装材用発泡積層シー
ト。(請求項10) (11)発泡層の一方の面に積層された非発泡層の基材
樹脂が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなり、発
泡層の他方の面に積層された非発泡層の基材樹脂が耐熱
性の改善されたポリスチレン系樹脂からなることを特徴
とする(1)〜(10)の1記載の自動車内装材用発泡
積層シート。(請求項11) (12)耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シートの両面
に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した発泡積層
シートであって、一方の非発泡層上に設けた着色熱可塑
性樹脂フィルムが自動車の室外側になるように成形して
なる自動車内装材。(請求項12) に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の自動車内装材用発泡積層
シートおよび自動車内装材を図面に基づいて説明する。
【0014】なお、本発明では、一方の非発泡層上に
0.5重量%以上の着色剤を含有させた着色熱可塑性樹
脂フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂と
する熱可塑性樹脂フィルムまたは、ポリオレフィン系樹
脂を基材樹脂とする熱可塑性樹脂フィルムとポリスチレ
ン系樹脂を基材樹脂とする熱可塑性樹脂フィルムの積層
フィルムを用いることにより、前記の異音防止効果が得
られることから、この場合に於ける着色熱可塑性樹脂フ
ィルムを、着色異音防止フィルムと称することがある。
また、着色剤で着色しない場合には、単に、異音防止フ
ィルムと称することがある。
【0015】図2は、本発明の1実施形態に係る自動車
内装材用発泡積層シートの構成を示すものであり、耐熱
性樹脂を基材樹脂とする発泡層10の両面に、熱可塑性
樹脂からなる非発泡層(12、14)が形成され、非発
泡層14の表面に接着剤層16を介して異音防止フィル
ム18が積層されてなる。
【0016】図3は、本発明の1実施形態に係る自動車
内装材用発泡積層シートの構成を示すものであり、耐熱
性樹脂を基材樹脂とする発泡層10の両面に、熱可塑性
樹脂からなる非発泡層(12、14)が形成され、非発
泡層14の表面に異音防止フィルム18が積層されてな
る。
【0017】図4は、本発明の1実施形態に係る自動車
内装材の構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹脂
とする発泡層10の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発
泡層(室内側非発泡層12および室外側非発泡層14)
が形成され、室外側非発泡層14の表面に接着剤層16
を介して異音防止フィルム18が積層され、室内側非発
泡層12の表面に接着剤層22を介して表皮材20が積
層されてなる。図5は、本発明の1実施形態に係る自動
車内装材の構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹
脂とする発泡層10の両面に、熱可塑性樹脂からなる非
発泡層(室内側非発泡層12および室外側非発泡層1
4)が形成され、室外側非発泡層14の表面に異音防止
フィルム18が積層され、室内側非発泡層12の表面に
接着剤層22を介して表皮材20が積層されてなる。
【0018】本発明の発泡層10の基材樹脂として使用
される耐熱性樹脂は、耐熱性を有するとして当業者に知
られるいずれの樹脂をも用いることができる。例えば、
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱
ポリスチレン系樹脂;ポリスチレンあるいは耐熱ポリス
チレンとポリフェニレンエーテル(PPE)とのブレン
ド体、PPEへのスチレングラフト重合物などのスチレ
ン・フェニレンエーテル共重合体、等の変性ポリフェニ
レンエーテル系樹脂(変性PPE系樹脂);ポリカーボ
ネート樹脂;およびポリブチレンテレフタレートやポリ
エチレンテレフタレートで例示されるポリエステル樹脂
などが使用される。これらの樹脂は、1種あるいは2種
以上を用いることもできる。発泡シートは1層の発泡層
でもよいが2層以上の発泡層を積層してシート状にした
ものであってもよい。
【0019】この中でも、変性PPE系樹脂を発泡層の
基材樹脂として使用すると、耐熱性および剛性等の品質
に優れているうえに、加工性および製造が容易である点
で好ましい。
【0020】変性PPE系樹脂に使われるPPEとして
は、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,
4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニ
レン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニ
レンー1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフ
ェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6
−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エ
ーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフ
ェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6
−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0021】変性PPE系樹脂中、PPE系樹脂と混合
樹脂を形成するポリスチレン系樹脂(PS系樹脂)はス
チレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジク
ロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等
を主成分とする樹脂である。したがって、PS系樹脂は
スチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体
に限らず他の単量体と共重合することによって作られた
共重合体であってもよい。
【0022】また、前記PPE系樹脂に重合、好ましく
はグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例として
は、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチ
レン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合
わせてもよい。これらのうちではスチレンが、汎用性、
コストの点から好ましい。
【0023】本発明の発泡層10に使用される基材樹脂
として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレ
ンエーテル成分として、通常25〜70重量部、スチレ
ン成分として75〜30重量部が好ましく、更に好まし
くは、フェニレンエーテル成分として35〜60重量
部、スチレン成分として65〜40重量部、特に好まし
くは、フェニレンエーテル成分として38〜58重量
部、スチレン成分として62〜42重量部がよい。変性
PPE系樹脂中のフェニレンエーテル成分が少ないと、
耐熱性が劣る傾向にあり、フェニレンエーテル成分が多
いと、加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難になる
傾向がある。
【0024】発泡層10を形成する1次発泡層として
は、層の厚みが1〜5mm、更には1.5〜3.5mm
が好ましい。発泡倍率は3〜20倍、更には5〜15倍
であることが好ましい。セル径は0. 05〜0. 9m
m、更には0.1〜0.7mmが好ましい。独立気泡率
は70%以上、更には80%以上であるのが好ましい。
1次発泡層の厚さが1mm未満であると、強度および断
熱性に劣り自動車内装材用発泡積層シートとして適当で
ない場合がある。一方、5mmを超える場合、成形加熱
時に熱が発泡層10の厚み方向の中心部まで伝わり難
く、そのため充分な加熱が行なえず、成形性が悪くなる
場合がある。また、充分な加熱を行うべく加熱時間を長
くすると、発泡層表面のセルに破泡等が生じ、製品とし
て許容できるものが得られ難くなる場合がある。
【0025】また、1次発泡倍率が3倍未満の場合、柔
軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また軽量
化の効果が少ない。1次発泡倍率が20倍を越える場
合、強度が低下し、中心部まで加熱しにくいことにより
成形性が低下する傾向がある。更に、セル径が0.05
mm以下の場合、充分な強度が得られ難く、0.9mm
以上の場合、断熱性に劣る傾向がある。また、独立気泡
率が70%以下の場合、断熱性、剛性に劣るとともに、
成形加熱によって目的とする2次発泡倍率を得ることが
困難となり、成形性に劣る傾向がある。
【0026】発泡層10を形成する1次発泡層中の残存
揮発成分の量は発泡層全重量に対して1〜5重量%、更
には2〜4重量%が好ましい。残存揮発成分が1重量%
を下回る場合は2次発泡倍率が低くなりすぎることも有
り得るため、良好な成形性を得るのに影響を与える場合
がある。また、残存揮発成分が5重量%を越える場合は
非発泡層との間に空気だまりが発生したり、経時による
寸法安定性が悪くなる傾向を有する。なお、残存揮発成
分の量は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良
いが、通常、発泡層試験片を変性PPE系樹脂が軟化し
はじめる温度以上で分解温度以下の温度範囲で加熱して
揮発成分を充分に揮発させ、加熱前後の重量差により測
定することができる。
【0027】本発明において使用される発泡層10の基
材樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、耐衝撃性改良
剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭
気低減剤等を添加してもよい。
【0028】本発明に係る自動車内装材用積層発泡シー
トは、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層10の両面に
熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層12、14が積
層される。これは、耐熱時の変形制御、成形時の成形体
形状の安定化を図る目的で、発泡層の動きを車内外非発
泡層で制御する必要があることによる。
【0029】非発泡層12,14に用いられる熱可塑性
樹脂としては、PS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性PP
E系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹
脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられ、こ
れらは単独で、または2種以上組み合わせて用いられる
が、発泡層10として変性PPE系樹脂を使用する場合
は、該樹脂層との接着性の観点から、変性PPE系樹
脂、耐熱PS系樹脂が好ましく使用される。
【0030】非発泡層12として変性PPE系樹脂を使
う場合は、上述の発泡層10の場合と同様に、PPE系
樹脂をスチレン系化合物を主体とする単量体またはその
重合体で重合または混合による変性を行ったものであ
り、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、
PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−
スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはP
PE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂と
PS系樹脂との混合物などが挙げられる。これらのうち
では、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造
が容易であるなどの点から好ましい。
【0031】これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはス
チレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS
系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、
それを使用する理由などは、発泡層10において説明し
た場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具
体例として、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)
で代表されるスチレン−ブタジエン共重合体が、非発泡
層12,14の耐衝撃性改善効果が大きいという点から
好ましい。
【0032】非発泡層14として耐熱PS系樹脂を使う
場合は、使用される耐熱PS系樹脂としては、スチレン
またはその誘導体と他の単量体との共重合体であり、耐
熱性の改善効果を有し、スチレンまたはその誘導体と共
重合可能な単量体としては、例えばマレイン酸、フマル
酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不
飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリ
ル化合物またはその誘導体が挙げられる。
【0033】これらは単独で用いてもよく、2種類以上
組み合わせて用いてもよい。また、スチレンまたはスチ
レン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテ
ックスを添加して重合させたものとマレイン酸、フマル
酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不
飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリ
ル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、
スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アク
リル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
がその耐熱性改善効果、汎用性、コストの面から好まし
い。
【0034】耐熱PS系樹脂は単独で用いても良く、あ
るいは2種類以上組み合わせても良い。また、耐熱PS
系樹脂は他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよ
く、ブレンドする熱可塑性樹脂としては例えば、ポリス
チレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、
ポリアミドやそれらの共重合体などがあげられる。この
うちでは汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層
の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からH
IPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用
でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
【0035】次に、非発泡層12,14の厚みは50〜
300μmさらには75〜200μmが好ましい。非発
泡層の厚さが50μmより薄い場合には、強度、剛性、
耐熱性などが低下する傾向があり、300μmより厚い
場合には、発泡積層シートの成形性が劣る傾向にある。
【0036】非発泡層を形成する場合、必要に応じて、
耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止
剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独又は2種以上組
み合わせて添加してもよい。
【0037】耐衝撃性改良剤は、非発泡層12,14を
発泡層10に積層し、2次発泡させた積層シートを自動
車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シ
ートや成形体を輸送する際に、非発泡層12,14の割
れなどを防止するのに有効である。耐衝撃性改良剤とし
ては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮
するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改
良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝
撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えば
HIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混
合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層12,14
に耐衝撃性を付与することができる。
【0038】本発明に係る自動車内装材は、図4、5に
例示するように、室外側の非発泡層14の表面に接着剤
層16を介して(図4)、または、接着剤層16を介さ
ずに(図5)着色熱可塑性樹脂フィルム18が設けられ
ている。この着色熱可塑性樹脂フィルムは、基材樹脂が
ポリオレフィン系樹脂等である場合には、異音防止効果
を有するので、以下着色異音防止フィルム18と表現す
ることがある。すなわち、この着色異音防止フィルム1
8は、自動車に装着した場合、車内をクーラー等で急冷
した際、また、凹凸のある路面での走行中や急カ−ブで
の走行中に発生する異音を防止するのに効果を発揮す
る。
【0039】さらに、着色異音防止フィルム18は、図
1に例示するようにサンルーフ等室外側から太陽光が自
動車内装材に直接照射された際に、表層部において太陽
光を吸収し、内部へ光の進入をくい止めるため、自動車
内装材の劣化の防止、自動車室内への光漏れの防止に効
果を発揮する。
【0040】着色異音防止フィルム18の基材樹脂とし
ては、摺動性に優れる結晶性樹脂であるポリオレフィン
系樹脂、ポリアセタール系樹脂が好ましい。更に好まし
くは、コスト、汎用性、フィルム加工の容易さからポリ
オレフィン系樹脂が好ましい。
【0041】着色異音防止フィルム18の基材樹脂とし
て使用されるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等
の単独重合体、エチレンープロピレン共重合体、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、エチレンとメタアクリレート、
アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単
量体との共重合体、またこれらの混合物等からなるポリ
エチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレン
酢酸ビニル共重合体、プロピレンとメタアクリレート、
アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単
量体との共重合体、またはこれらの混合物等からなるポ
リプロピレン系樹脂が好ましく。これらの中では、摺動
性が良好で、しかも材料費が安価である低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン、ホモポ
リプロピレン、或いはエチレン−プロピレン共重合がさ
らに好ましい。
【0042】着色異音防止フィルム18は基材樹脂中に
光を遮断するため着色剤としてカーボンブラック、酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミ等の無機充填
剤、シアニンブルー、シアニングリーン、ミロリブル
ー、スレンブルー、カドミウムレッド、カドミウムイエ
ロー、カドミウムオレンジ、弁柄、群青、フタロシアニ
ンブルー等の有機或いは無機顔料を含有する。この中で
もカーボンブラックは少量の添加で著しい光の遮断効果
が発現すること、光の遮断効果に加えて基材樹脂の耐光
性が向上すること、酸化防止能があること、コスト的に
有利であることなどから好ましい着色剤であって、かつ
効率的な黒色顔料として用いられる。
【0043】着色異音防止フィルム18の基材樹脂中に
含有されるカーボンブラックの添加量は0.5〜5重量
%が好ましく、更には1〜3重量%が好ましい。0.5
%以下では光の遮断効果が十分でなく、5%以上になる
と基材樹脂の引張強さ、伸び、モジュラス、脆化点など
物理的性質が悪化する傾向にある。
【0044】着色異音防止フィルム18は、基材樹脂中
に紫外線による光劣化、および紫外線を遮断するため紫
外線吸収剤を含有させるのが好ましい。使用される紫外
線吸収剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セパケート、ビス−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セパケー
ト、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セパケート、〔コハク酸ジメチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラピペリジン〕縮合物、1,2,6,6―
ペンタメチル−4−ピペリジル−トリデシル−1,2,
3,4−ブタンテトラカルボキシレート等のヒンダード
アミン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル
−5−クロロ)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒド
ロキシ−3、5―ビス(α、α―ジメチルベンジル)フ
ェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2、2’−メチ
レンビス〔4−(1,1,3,3−テトラブチル)〕−
6−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤等が挙げら
れる。
【0045】着色異音防止フィルム18の基材樹脂中に
含有される紫外線吸収剤の添加量は1〜10重量%が好
ましく、更には3〜7重量%が好ましい。1%以下では
紫外線の吸収効果が十分でなく、10%以上になると基
材樹脂の引張強さ、伸び、モジュラス、脆化点など物理
的性質が悪化する傾向にある。
【0046】着色異音防止フィルム18を非発泡層14
に積層する方法としては、接着剤層16を介して積層す
る方法(図2)、接着剤層16を介さずに積層する方法
(図3)があげられる。
【0047】接着剤層16を介して積層する際に、使用
される接着剤層としては、少なくとも分子間力、水素結
合、共有結合等の化学的な結合で非発泡層14と着色異
音防止フィルム18を接着させる働きを有するものが用
いられる。
【0048】接着剤層16の具体例としては、酢酸ビニ
ル系、セルロース系、アクリル系、ポリアミド系、ポリ
ビニルアセテート系等の熱可塑性接着剤、ウレタン系、
メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル
系、アクリル系等の熱硬化性接着剤、クロロプレンゴム
系、二トリルゴム系、シリコーンゴム系等のゴム系接着
剤、でんぷん、たん白質、天然ゴム等の天然物系接着
剤、ホットメルト接着剤があげられる。また、ホットメ
ルト接着剤の具体例としては、ポリオレフィン系、変性
ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱
可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチ
レン−イソプレン共重合体系等などの樹脂を成分とする
物があげられる。
【0049】着色異音防止フィルム18を非発泡層14
に接着剤層16を介さずに積層する際は、耐熱PS系樹
脂からなる非発泡層14に対して効果的な熱接着が可能
なポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするフィルムを配
し、室外側に摺動性に優れるポリオレフィン系樹脂を基
材樹脂とするフィルムを配した、ポリオレフィン系樹脂
フィルム−ポリスチレン系樹脂フィルムからなる積層フ
ィルムを用いるのが好ましい。
【0050】ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とするフ
ィルムの厚みは15〜100μm、更には20〜50μm
であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂を基材樹
脂とするフィルムの厚みが15μmより薄い場合、異音
防止効果が得られないことがある。一方100μmより
厚い場合、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とするフィ
ルム層の成形時の歪みによって、内装材に耐熱変形が生
じたり、コストが無駄に増加したりすることがある。
【0051】ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするフィ
ルムの厚みは10〜100μm、更には20〜50μmで
あることが好ましい。ポリスチレン系樹脂を基材樹脂と
するフィルムの厚みが10μmより薄い場合、非発泡層
14との安定した接着性が得られない場合がある。一
方、100μmより厚い場合、大量の熱量を与えれば非
発泡層14との安定した接着性を得ることが出来るが、
大幅な生産性の低下を引き起こしたり、ポリスチレン系
樹脂を基材樹脂とするフィルム層の成形時の歪みによっ
て、内装材に耐熱変形が生じる可能性がある。
【0052】本発明の自動車内装材は、図4に示すよう
に、室内側の非発泡層12の表面に接着剤層22を介し
て表皮材用の不織布層が20が積層されている。
【0053】表皮材用の不織布層20としては、原料繊
維を、接着剤、溶融繊維、あるいは機械的方法により接
合させた布状物であればいずれの種類でも用いられ得
る。原料繊維の種類も特に限定されず、合成繊維、半合
成繊維、あるいは天然繊維のいずれをも用いることがで
きる。具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポ
リアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル等の合成
繊維や、羊毛、木綿、セルロース等の天然繊維を使用す
ることが出来、これらを組み合わせて使用することも出
来るが、中でもポリエステル繊維が好ましく、特に耐熱
性の高いポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
【0054】更に表皮材として、織布、不織布、等が挙
げられるが成形加工性の点から不織布が好ましい。不織
布の種類として、その製造加工方法により、接合バイン
ダー接着布、ニードルパンチ布、スパンポンド布、スプ
レファイバー布、あるいはステッチボンド布等が挙げら
れ、いずれの不織布も用いることができる。
【0055】表皮材用の不織布層20の自動車内装材と
の接着方法としては、あらかじめ接着剤層22を接着し
た表皮材を発泡積層シートに熱ロール等を用いて接着す
る方法、あらかじめ接着剤層22を接着した発泡積層シ
ートに表皮材を仮止めし加熱成形時に成形と接着を同時
に行う方法、発泡積層シートの製造時に非発泡層12の
基材樹脂を溶融させ、溶融した非発泡層12の基材樹脂
を発泡層10と表皮材20で挟み込み圧着する方法等が
挙げられる。なお、発泡積層シートの製造時に非発泡層
12の基材樹脂を溶融させ、溶融した非発泡層12の基
材樹脂を発泡層10と表皮材20で挟み込み圧着する方
法は、実質的に接着剤層を用いないためコスト的に有利
となり更に好ましい。
【0056】次に、表皮材用の不織布層20は、品質お
よびコストを考慮すると、100〜300g/m2の目
付けを有していることが好ましく、更には140〜20
0g/m2の目付けを有していることが好ましい。10
0g/m2以下の目付けでは、内装材としての充分な感
触を得ることができないことがある。一方、300g/
2以上の目付けでは、表皮材の成形歪みが熱変形に影
響を与えることがある。
【0057】接着剤層22としては、少なくとも分子間
力、水素結合、共有結合等の化学的な結合で非発泡層1
4と表皮材用の不織布層20を接着させる働きを有する
ものが用いられる。
【0058】接着剤層22の具体例としては、酢酸ビニ
ル系、セルロース系、アクリル系、ポリアミド系、ポリ
ビニルアセテート系等の熱可塑性接着剤、ウレタン系、
メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル
系、アクリル系等の熱硬化性接着剤、クロロプレンゴム
系、ニトリルゴム系、シリコーンゴム系等のゴム系接着
剤、でんぷん、たん白質、天然ゴム等の天然物系接着
剤、ホットメルト接着剤があげられる。また、ホットメ
ルト接着剤の具体例としては、ポリオレフィン系、変性
ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱
可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチ
レン−イソプレン共重合体系等などの樹脂を成分とする
物があげられる。
【0059】次に、本発明の自動車内装材の製造法につ
いて説明する。本発明において使用される発泡層10
(1次発泡層)は、各種の添加材を加えた耐熱性基材樹
脂を押出機により150℃〜400℃で溶融・混練し、
ついで150〜400℃、3〜50MPaの高温高圧下
で樹脂100部に対して発泡剤1〜15部を圧入し発泡
最適温度(150〜300℃)に調節して、サーキュラ
ーダイなどを使い低圧帯(通常は大気中)に押出した
後、マンドレルなどに接触させて、例えば0.5〜40
m/分の速度で引き取りながらシート状に成形し、カッ
ト後、巻き取るなどの方法により製造することができる
発泡層10を製造する際に使用される発泡剤としては、
ブタン、プロパン、ペンタンなどの炭化水素系発泡剤が
あげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上
を組み合わせて使用しても良い。
【0060】発泡層10に非発泡層14および着色異音
防止フィルム18を積層する方法としては、予め発泡成
形して、供給される発泡層10の上面または下面に押出
機から供給した溶融状態の非発泡層14の基材樹脂を発
泡層10と着色異音防止フィルム18で挟み込む形で層
状に積層し、冷却ローラーなどによって圧着する方法が
好ましい。なかでも、発泡層10の押出発泡シート成形
と非発泡層14の押出をインラインで行って積層する方
法が製造工程が簡略化できる点で好ましい。
【0061】得られた1次発泡積層シートから自動車内
装材である成形した2次発泡積層成形体を成形する方法
としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に発泡積
層シートをクランプして導き、成形に適した温度、たと
えば120〜200℃に加熱して2次発泡させたのち、
温度調節した金型にて、着色異音防止フィルム18の設
けられた面を自動車の室外側、表皮材用の不織布層20
の設けられた面を自動車の室内側に配して取り付けるよ
うに成形される。
【0062】成形方法の例としてはプラグ成形、フリー
ドローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッ
ジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ド
レープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、
プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成
形などの方法が挙げられる。
【0063】前述の(1次)発泡シートを加熱2次発泡
させる際には、1次発泡シート(発泡倍率:3〜20
倍、好ましくは5〜15倍、厚さ:1〜5mm、好まし
くは、1.5〜3.5mm)に対して、通常1.2〜4
倍に2次発泡させるが、さらには1.5〜3倍に2次発
泡させるのが好ましい(この結果、2次発泡後のシート
倍率は、3.6〜80倍、好ましくは7.5〜45倍、
更に好ましくは10〜40倍、厚さは、1.2〜20.
0mm、好ましくは、2.25〜10.5mm、更に好
ましくは3.0〜7.0mmとなる)。
【0064】以上、本発明に係る自動車内装材用積層発
泡シートの実施態様を種々説明したが、本発明は上述の
態様に限定されるものではない。たとえば、自動車内装
材用発泡積層シートは用途として電車などの内装材用発
泡積層シートにも使用することができ、広義に解釈され
るべきものである。その他、本発明はその趣旨を逸脱し
ない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、
変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
【0065】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもの
ではない。実施例・比較例に用いた樹脂を表1に示す。
【0066】
【表1】 なお表1に示した樹脂に関する各符号は次の通りであ
る。 変性PPE :変性ポリフェニレンエ−テル樹脂 PS :ポリスチレン樹脂 SMA共重合体 :無水マレイン酸変性ポリスチレン樹脂 HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂 実施例および比較例で行った評価方法を以下に示す。
【0067】(発泡層および成形体の厚さ)1次発泡シ
ート、成形体の幅方向に20ヶ所の厚さを測定し、その
測定値の平均値を算出した。
【0068】(発泡倍率)1次発泡シートの密度dfを
JIS K 7222に準じて測定し、変性PPE系樹
脂の密度dpを JIS K 7112に準じて測定
し、次式より求めた。
【0069】発泡倍率=dp/df (独立気泡率)ASTMD−2859に準じて評価して
求めた。(マルチピクノメーター(ベックマン社製)を
使用) (セル径)発泡層の断面を光学顕微鏡で観察し、20個
のセル径を測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0070】(目付)1次発泡シートの押し出し方向の
5ヶ所より、10cm×10cmの大きさの試験片を切
り出し、それらの重量を測定したのち、平均値を算出し
た。
【0071】(耐光性)発泡積層シート、自動車内装材
から70mm×100mmの試験片を切り出し、着色異
音防止フィルム側から光が照射するようにフェドメータ
ー(スガ試験機(株)社製紫外線オートフェドメーター
(密閉式)カーボンアーク1灯がけ、光源から試験片ま
での距離250mm、機内温度55〜65℃、試験架台
のブラックパネル温度83±3℃、相対湿度30〜50
%、アーク電圧120〜145V、電流15〜17A、
試料回転速度3〜4回/min)に取り付け、400時
間の照射を行い、異音防止フィルムを取り除いた後、室
外側非発泡層の変退色の状態、劣化状態の観察を行っ
た。判定の基準としては自動車内装材としての実用性を
考慮して、以下の基準を用いた。
【0072】変退色の判定基準(JISL0804に規
定されたグレースケールを使用) 等級5・・色の変化が変退色用グレースケール5号程度
のもの 等級4・・色の変化が変退色用グレースケール4号程度
のもの 等級3・・色の変化が変退色用グレースケール3号程度
のもの 等級2・・色の変化が変退色用グレースケール2号程度
のもの 等級1・・色の変化が変退色用グレースケール1号程度
のもの又はその程度を越えるもの。
【0073】劣化状態観察の判定基準 ○・・クラック等の外観異常の発生無し ×・・クラック等の外観異常の発生有り (遮光性)発泡積層シート、自動車内装材から200m
m×200mmの試験片を採取し、光源からの距離1m
の場所に試験片を設置して、室外側より赤外線ランプ
(岩崎電気(株)220V−375W)の光を照射し、
室内側から光の漏れ、表皮材の透けを観察した。
【0074】判定の基準としては自動車内装材としての
実用性を考慮して、以下の基準を用いた。 ○・・光の漏れ、表皮材の透け無し。 ×・・光の漏れ、表皮材の透け有り。
【0075】(走行試験)自動車内装材を実際に自動車
に装着させ、通常の自動車の使用方法で1ヶ月間、異音
の発生の有無の確認を行った。判定の基準としては自動
車内装材としての実用性を考慮して、以下の基準を用い
た。 ・異音発生の有無 ○・・異音の発生無し ×・・異音の発生有り (実施例1)PPE樹脂成分40重量%,PS樹脂成分
60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1部と
PS樹脂(B)42.9部とを混合した混合樹脂(ビカ
ット軟化温度145℃)100重量部に対してiso−
ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブ
タン=85/15)3.4重量部及びタルク0.32重
量部を押出機により混練した。この混練樹脂をサーキュ
ラーダイスにより押出し、引き取りロールを介して巻取
りロールにロール状に巻取り、一次厚み2.4mm、一
次発泡倍率12倍、独立気泡率90%、セル径0.19
mm、目付け180g/m2の発泡シートを得た。次い
で、この発泡シートをロールより繰出しながら、SMA
A共重合体樹脂(C)47.5部とHIPS樹脂(D)
47.5部、耐衝撃性改良剤(E)5部の混合樹脂を、
樹脂温度が245℃となるように押出機で溶融・混錬
し、Tダイを用いて、非発泡層としての熱可塑性樹脂フ
ィルムをフィルム状に押出し、押出の際、着色異音防止
フィルムを供給することにより、溶融状態でフィルム状
に押出した上述の非発泡層を、着色異音防止フィルムと
発泡層とで挟み込む形で積層し、厚み120μmの室外
側非発泡層を形成した。
【0076】上記した着色異音防止フィルムとしては、
カーボンブラック(Columbian Chemic
als Company社製 RAVEN 1020)
を2.0部を含有する厚さ25μmの線状低密度ポリエ
チレン(住友化学(株)社製スミカセンFZ103)フ
ィルムと、厚さ25μmのハイイインパクトポリスチレ
ン(旭化成(株)社製スタイロン475D)フィルムと
をウレタン系接着剤でドライラミネートして得られる、
積層フィルムを用いた。
【0077】次に、この発泡層の片面に非発泡層と着色
異音防止フィルムとを形成したシートをロールから反転
して繰出し、PPE系樹脂成分20重量%、PS系樹脂
成分80重量%になるように、PPE系樹脂(A)2
8.6部、PS系樹脂(B)71.4部を混合した混合
樹脂を樹脂温度が265℃となるように押出機で溶融・
混錬し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、発泡層の
残された他方の面に厚さ120μmの室内側非発泡層を
形成した。このようにして、本発明の1実施態様である
目的の着色異音防止フィルムを積層した発泡積層シート
を得た。
【0078】得られた着色異音防止フィルムの積層され
た発泡積層シートから、100mm×70mmの試験片
を切り出し、耐光性試験を行った。また、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートから200mm×
200mmの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (実施例2)着色異音防止フィルムとして、厚さ25μ
mの線状低密度ポリエチレン(住友化学(株)社製スミ
カセンFZ103)フィルムと、カーボンブラック(C
olumbian Chemicals Compan
y社製 RAVEN 1020)を2.0部を含有する
厚さ25μmのハイイインパクトポリスチレン(旭化成
(株)社製スタイロン475D)フィルムとをウレタン
系接着剤でドライラミネートして得られる着色異音防止
フィルムを使用した以外は実施例1記載の方法により着
色異音防止フィルムが積層された発泡積層シートを得
た。
【0079】得られた着色異音防止フィルムが積層され
た発泡積層シートから、100mm×70mmの試験片
を切り出し、耐光性試験を行った。また、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートから200mm×
200mmの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (実施例3)着色異音防止フィルムとして、カーボンブ
ラック(Columbian Chemicals C
ompany社製 RAVEN 1020)を2.0部
含有する厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(住友
化学(株)社製スミカセンFZ103)フィルムと、カ
ーボンブラック(Columbian Chemica
ls Company社製 RAVEN 1020)を
2.0部を含有する厚さ25μmのハイイインパクトポ
リスチレン(旭化成(株)社製スタイロン475D)フ
ィルムとをウレタン系接着剤でドライラミネートして得
られる着色異音防止フィルムを使用した以外は実施例1
記載の方法により着色異音防止フィルムが積層された発
泡積層シートを得た。
【0080】得られた着色異音防止フィルムが積層され
た発泡積層シートから、100mm×70mmの試験片
を切り出し、耐光性試験を行った。また、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートから200mm×
200mmの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (実施例4)着色異音防止フィルムとしてカーボンブラ
ック(Columbian Chemicals Co
mpany社製 RAVEN 1020)を2.0部お
よび紫外線吸収剤(CLARIANT Akiteng
esellschaft社製Sanduvor VS
U)5.0部を含有する厚さ25μmの線状低密度ポリ
エチレン(住友化学(株)社製スミカセンFZ103)
フィルムと、厚さ25μmのハイイインパクトポリスチ
レン(旭化成(株)社製スタイロン475D)フィルム
とをウレタン系接着剤でドライラミネートして得られる
着色異音防止フィルムを使用した以外は実施例1記載の
方法により着色異音防止フィルムが積層された発泡積層
シートを得た。
【0081】得られた着色異音防止フィルムが積層され
た発泡積層シートから、100mm×70mmの試験片
を切り出し、耐光性試験を行った。また、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートから200mm×
200mmの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (実施例5)着色異音防止フィルムとして厚さ25μm
の線状低密度ポリエチレン(住友化学(株)社製スミカ
センFZ103)フィルムとカーボンブラック(Col
umbian Chemicals Company社
製 RAVEN 1020)を2.0部および紫外線吸
収剤(CLARIANT Akitengesells
chaft社製 Sanduvor VSU)を5.0
部を含有する厚さ25μmのハイイインパクトポリスチ
レン(旭化成(株)社製スタイロン475D)フィルム
とをウレタン系接着剤でドライラミネートして得られる
着色異音防止フィルムを使用した以外は実施例1記載の
方法により着色異音防止フィルムが積層された発泡積層
シートを得た。
【0082】得られた着色異音防止フィルムが積層され
た発泡積層シートから、100mm×70mmの試験片
を切り出し、耐光性試験を行った。また、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートから200mm×
200mmの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (実施例6)着色異音防止フィルムとしてカーボンブラ
ック(Columbian Chemicals Co
mpany社製 RAVEN 1020)を2.0部お
よび紫外線吸収剤(CLARIANT Akiteng
esellschaft社製Sanduvor VS
U)を5.0部を含有する厚さ25μmの線状低密度ポ
リエチレン(住友化学(株)社製スミカセンFZ10
3)フィルムとカーボンブラック(Columbian
Chemicals Company社製 RAVE
N 1020)を2.0部および紫外線吸収剤(CLA
RIANT Akitengesellschaft社
製 Sanduvor VSU)を5.0部を含有する
厚さ25μmのハイイインパクトポリスチレン(旭化成
(株)社製スタイロン475D)フィルムとをウレタン
系接着剤でドライラミネートして得られる着色異音防止
フィルムを使用した以外は実施例1記載の方法により着
色異音防止フィルムが積層された発泡積層シートを得
た。
【0083】得られた着色異音防止フィルムが積層され
た発泡積層シートから、100mm×70mmの試験片
を切り出し、耐光性試験を行った。また、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートから200mm×
200mmの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (比較例1)異音防止フィルムとして厚さ25μmの線
状低密度ポリエチレン(住友化学(株)社製スミカセン
FZ103)フィルムと厚さ25μmのハイイインパク
トポリスチレン(旭化成(株)社製スタイロン475
D)フィルムとをウレタン系接着剤でドライラミネート
して得られる異音防止フィルムを使用した以外は実施例
1記載の方法により異音防止フィルムが積層された発泡
積層シートを得た。
【0084】得られた異音防止フィルムが積層された発
泡積層シートから、100mm×70mmの試験片を切
り出し、耐光性試験を行った。また、異音防止フィルム
が積層された発泡積層シートから200mm×200m
mの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (比較例2)異音防止フィルムとしてカーボンブラック
(Columbian Chemicals Comp
any社製 RAVEN 1020)を0.1部含有す
る厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(住友化学
(株)社製スミカセンFZ103)フィルムと厚さ25
μmのハイイインパクトポリスチレン(旭化成(株)社
製スタイロン475D)フィルムとをウレタン系接着剤
でドライラミネートして得られる異音防止フィルムを使
用した以外は実施例1記載の方法により異音防止フィル
ムが積層された発泡積層シートを得た。
【0085】得られた異音防止フィルムが積層された発
泡積層シートから、100mm×70mmの試験片を切
り出し、耐光性試験を行った。また、異音防止フィルム
が積層された発泡積層シートから200mm×200m
mの試験片を切り出し遮光性試験を行った。 (比較例3)異音防止フィルムとして厚さ25μmの線
状低密度ポリエチレン(住友化学(株)社製スミカセン
FZ103)フィルムとカーボンブラック(Colum
bian Chemicals Company社製
RAVEN 1020)を0.1部含有する厚さ25μ
mのハイイインパクトポリスチレン(旭化成(株)社製
スタイロン475D)フィルムとをウレタン系接着剤で
ドライラミネートして得られる異音防止フィルムを使用
した以外は実施例1記載の方法により異音防止フィルム
が積層された発泡積層シートを得た。
【0086】得られた異音防止フィルムが積層された発
泡積層シートから、100mm×70mmの試験片を切
り出し、耐光性試験を行った。また、異音防止フィルム
が積層された発泡積層シートから200mm×200m
mの試験片を切り出し遮光性試験を行った。表2に実施
例1〜6および比較例1〜3で得られた発泡積層シート
の評価結果を示す。
【0087】
【表2】 (実施例7)実施例1と同様な方法にて、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートを得た。得られた
発泡積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織布
表皮材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約
1.0mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)
社製クランベターX2200)を介して仮止めした。表
皮材とホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シー
トの四方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃ま
で加熱し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行っ
た後、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材
を得た。
【0088】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (実施例8)実施例2と同様な方法にて、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートを得た。得られた
発泡積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織布
表皮材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約
1.0mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)
社製クランベターX2200)を介して仮止めした。表
皮材とホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シー
トの四方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃ま
で加熱し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行っ
た後、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材
を得た。得られた自動車内装材から100mm×70m
m、200mm×200mmの試験片を切り出し、耐光
性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動車内
装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (実施例9)実施例3と同様な方法にて、着色異音防止
フィルムが積層された発泡積層シートを得た。得られた
発泡積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織布
表皮材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約
1.0mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)
社製クランベターX2200)を介して仮止めした。表
皮材とホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シー
トの四方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃ま
で加熱し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行っ
た後、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材
を得た。
【0089】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (実施例10)実施例4と同様な方法にて、着色異音防
止フィルムが積層された発泡積層シートを得た。得られ
た発泡積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織
布表皮材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約
1.0mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)
社製クランベターX2200)を介して仮止めした。表
皮材とホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シー
トの四方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃ま
で加熱し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行っ
た後、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材
を得た。
【0090】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (実施例11)実施例5と同様な方法にて、着色異音防
止フィルムが積層された発泡積層シートを得た。得られ
た発泡積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織
布表皮材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約
1.0mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)
社製クランベターX2200)を介して仮止めした。表
皮材とホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シー
トの四方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃ま
で加熱し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行っ
た後、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材
を得た。
【0091】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (実施例12)実施例6と同様な方法にて、着色異音防
止フィルムが積層された発泡積層シートを得た。得られ
た発泡積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織
布表皮材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約
1.0mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)
社製クランベターX2200)を介して仮止めした。表
皮材とホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シー
トの四方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃ま
で加熱し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行っ
た後、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材
を得た。
【0092】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (比較例4)異音防止フィルムを使用しない以外は、実
施例1と同様な方法にて発泡積層シートを得た。得られ
た発泡積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織
布表皮材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約
1.0mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)
社製クランベターX2200)を介して仮止めした。表
皮材とホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シー
トの四方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃ま
で加熱し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行っ
た後、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材
を得た。
【0093】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (比較例5)比較例1と同様な方法にて、異音防止フィ
ルムが積層された発泡積層シートを得た。得られた発泡
積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織布表皮
材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約1.0
mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)社製ク
ランベターX2200)を介して仮止めした。表皮材と
ホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シートの四
方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃まで加熱
し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行った後、
トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材を得
た。
【0094】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (比較例6)比較例2と同様な方法にて、異音防止フィ
ルムが積層された発泡積層シートを得た。得られた発泡
積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織布表皮
材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約1.0
mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)社製ク
ランベターX2200)を介して仮止めした。表皮材と
ホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シートの四
方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃まで加熱
し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行った後、
トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材を得
た。
【0095】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。 (比較例7)比較例3と同様な方法にて、異音防止フィ
ルムが積層された発泡積層シートを得た。得られた発泡
積層シートの室内側非発泡層上に,PET系不織布表皮
材(日本バイリーン社製RVC−100,厚さ約1.0
mm)をホットメルトフィルム(クラボウ(株)社製ク
ランベターX2200)を介して仮止めした。表皮材と
ホットメルトフィルムを仮止めした発泡積層シートの四
方をクランプし加熱炉に入れ表面温度150℃まで加熱
し、60℃に温調した金型にてプラグ成形を行った後、
トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材を得
た。
【0096】得られた自動車内装材から100mm×7
0mm、200mm×200mmの試験片を切り出し、
耐光性試験、遮光性試験を行った。また、得られた自動
車内装材を自動車に装着し、走行テストを行った。表3
に実施例7〜12および比較例4〜7で得られた自動車
内装材の評価結果を示す。
【0097】
【表3】
【0098】
【発明の効果】本発明における着色剤としてカーボンブ
ラックを含有したポリオレフィンフィルムを着色異音防
止フィルムとして積層することにより、サンルーフ等室
外側から太陽光が直接照射された場合でも、低コスト
で、室外側の表層部において太陽光を吸収し、内部への
光の進入をくい止めるとともに、自動車走行中の異音の
発生を防止することが可能となる。その結果、基材の光
劣化、自動車室内に光漏れのない自動車内装材を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、サンルーフ構造を有する自動車におい
て自動車の室内に光漏れが発生する様子の模式図であ
る。
【図2】図2は、本発明に係る発泡積層シートの要部拡
大断面説明図である。
【図3】図3は、本発明に係る発泡積層シートの要部拡
大断面説明図である。
【図4】図4は、本発明に係る自動車内装材の要部拡大
断面説明図である。
【図5】図5は、本発明に係る自動車内装材の要部拡大
断面説明図である。
【符号の説明】
a;サンルーフ部自動車天板 b;自動車天井材 c;サンルーフ部ガラス d;金属板 e;光漏れ発生箇所 10;発泡層 12,14:非発泡層 16;接着剤層 18;着色異音防止フィルム層 20;表皮材用の不織布層 22:接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D023 BA02 BA04 BB04 BC01 BD01 BE05 4F100 AA37D AA37E AH02D AH03D AK01A AK01B AK01C AK01D AK03D AK12C AK12E AK54A AK54B AL06A AL06B BA04 BA05 BA10B BA10C BA15 CA07D CA13D CA13E DJ01A EH17 GB33 JB16B JB16C JB16D JH01 JJ03A JJ03C JL09 JL10D JL10E YY00D

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面
    に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した発泡積層
    シートにおいて、一方の非発泡層上に0.5重量%以上
    の着色剤を含有させた着色熱可塑性樹脂フィルムを設け
    てなる自動車内装材用発泡積層シート。
  2. 【請求項2】着色熱可塑性樹脂フィルムが着色剤として
    カーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1
    記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  3. 【請求項3】着色熱可塑性樹脂フィルムの基材樹脂がポ
    リオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  4. 【請求項4】着色熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィ
    ン系樹脂を基材樹脂とするフィルムと、ポリスチレン系
    樹脂を基材樹脂とするフィルムとの積層フィルムである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動車
    内装材用発泡積層シート。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とするフ
    ィルムが着色剤としてカーボンブラックを含有するフィ
    ルムであることを特徴とする請求項4記載の自動車内装
    材用発泡積層シート。
  6. 【請求項6】ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするフィ
    ルムが着色剤としてカーボンブラックを含有するフィル
    ムであることを特徴とする請求項4記載の自動車内装材
    用発泡積層シート。
  7. 【請求項7】ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とするフ
    ィルムと、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするフィル
    ムが、共に着色剤としてカーボンブラックを含有するも
    のであることを特徴とする請求項4記載の自動車内装材
    用発泡積層シート。
  8. 【請求項8】着色熱可塑性樹脂フィルム中に紫外線吸収
    剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜請求項
    7の1項記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  9. 【請求項9】紫外線吸収剤がヒンダードアミン系紫外線
    吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びベン
    ゾフェノン系紫外線吸収剤から選ばれることを特徴とす
    る請求項8記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  10. 【請求項10】発泡層の基材樹脂である耐熱性樹脂が変
    性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項9の1項記載の自動車内装材用発泡
    積層シート。
  11. 【請求項11】発泡層の一方の面に積層された非発泡層
    の基材樹脂が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からな
    り、発泡層の他方の面に積層された非発泡層の基材樹脂
    が耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂からなること
    を特徴とする請求項1〜請求項10の1項記載の自動車
    内装材用発泡積層シート。
  12. 【請求項12】耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シート
    の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した発
    泡積層シートであって、一方の非発泡層上に設けた着色
    熱可塑性樹脂フィルムが自動車の室外側になるように成
    形してなる自動車内装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005063864A1 (en) * 2003-12-19 2005-07-14 Jang Won Park Crosslinked foam which has inner-cavity structure, and process of forming thereof

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WO2005063864A1 (en) * 2003-12-19 2005-07-14 Jang Won Park Crosslinked foam which has inner-cavity structure, and process of forming thereof
US7276191B2 (en) 2003-12-19 2007-10-02 Jang Won Park Crosslinked foam which has inner-cavity structure, and process of forming thereof
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