JP2002017844A - 救急絆創膏 - Google Patents

救急絆創膏

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JP2002017844A JP2000199955A JP2000199955A JP2002017844A JP 2002017844 A JP2002017844 A JP 2002017844A JP 2000199955 A JP2000199955 A JP 2000199955A JP 2000199955 A JP2000199955 A JP 2000199955A JP 2002017844 A JP2002017844 A JP 2002017844A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素原子を含有しない基材フィルムを用いた
救急絆創膏であって、従来の軟質ポリ塩化ビニルからな
る基材フィルムを用いた救急絆創膏に匹敵し得る柔軟性
と伸縮性と風合いなどを備え、貼付中に伸縮運動によっ
て緩んだり、剥離の際にちぎれたりしない救急絆創膏を
提供すること。 【解決手段】 基材フィルムと、該基材フィルムの上に
設けられた粘着剤層と、該粘着剤層の上に配置されたパ
ッドとを有する救急絆創膏において、該基材フィルム
が、メタロセン触媒を用いて重合した、密度が0.89
0〜0.940g/cm3 で、メルトフローレートが
2.5〜20g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン
(A) 単独または該直鎖状低密度ポリエチレン(A) を主成
分とする樹脂組成物から形成されたフィルムであること
を特徴とする救急絆創膏。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可塑剤を実質的に
含まない基材フィルムを使用した救急絆創膏に関し、さ
らに詳しくは、低温時であっても柔軟で伸縮性を有し、
関節部位に貼付した際に関節運動による緩みが生じ難
く、さらには、剥離の際にちぎれが発生し難い救急絆創
膏に関する。また、本発明は、指の関節等に巻き付けた
際に、屈伸を繰り返しても、巻き緩みが生じ難く、しか
もなお、巻き締りも生じ難い救急絆創膏に関する。
【0002】
【従来の技術】救急絆創膏は、一般に、基材フィルム
と、該基材フィルム上に塗工された粘着剤層と、該粘着
剤層上に配置されたガーゼなどのパッドとからなる層構
成を有しており、さらに、パッドを覆うように粘着剤層
の上に剥離紙が積層されている。救急絆創膏は、皮膚表
面の創傷などを保護するために、家庭などで簡便に使用
されている。救急絆創膏は、皮膚に貼付されるため、皮
膚の複雑な形状や動きに追従できる程度の柔軟性や伸縮
性を有することが求められる。
【0003】従来、救急絆創膏の基材フィルムとして
は、柔軟性、伸縮性、風合いなどの観点から、一般的
に、軟質ポリ塩化ビニルフィルムが用いられている。軟
質ポリ塩化ビニルは、ポリ塩化ビニルに柔軟性を付与す
るために、ジオクチルフタレートなどの可塑剤が多量に
配合されている。そのため、軟質ポリ塩化ビニルフィル
ムを基材フィルムとする救急絆創膏は、基材フィルム中
の可塑剤が経時により粘着剤中に移行して、粘着剤の凝
集力を低下させ、その結果、貼付した皮膚面へののり残
り現象を引き起こすという間題があった。また、多量の
可塑剤が粘着剤層に移行すると、粘着剤の粘着力そのも
のが阻害されて、救急絆創膏が剥れやすくなる。さら
に、近年、急速に重要度が高まっている環境保護の観点
から、ポリ塩化ビニルのような塩素原子を含有するポリ
マーの使用をできるだけ抑制することが望まれるように
なってきている。
【0004】このため、救急絆創膏の基材フィルムとし
て、従来の軟質ポリ塩化ビニルに代替し得る材料が求め
られている。そのような材料として、塩素原子を含まな
いポリオレフィン系フィルムが注目されている。具体的
には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢ビ
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、これらの混
合物などからなるフィルム、あるいはこれらのフィルム
の多層構造による基材が提案されている。
【0005】これらのポリオレフィン系フィルムは、柔
軟性や伸縮性があるものの、ポリオレフィン系フィルム
を基材フィルムとする救急絆創膏は、貼付中に伸縮運動
によって緩んだり、剥離の際にちぎれたり、ごわごわ感
があって風合いが悪いなどの問題があった。そのため、
ポリオレフィン系フィルムを基材フィルムとする救急絆
創膏は、未だ十分な実用性が確立されていない。また、
救急絆創膏は、使い捨て用途を主とするものであるた
め、基材フィルムの製造に特殊な樹脂や設備を必要とす
るのでは、コスト面で対応することができないという問
題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩素
原子を含有しない基材フィルムを用いた救急絆創膏であ
って、従来の軟質ポリ塩化ビニルからなる基材フィルム
を用いた救急絆創膏に匹敵し得る柔軟性と伸縮性と風合
いなどを備え、貼付中に伸縮運動によって緩んだり、剥
離の際にちぎれたりしない救急絆創膏を提供することに
ある。
【0007】本発明者らは、前記課題を達成するために
鋭意研究した結果、基材フィルムとして、メタロセン触
媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合
体であって、特定の密度とメルトフローレートを有する
直鎖状低密度ポリエチレンから形成されたフィルムが適
していることを見いだした。メタロセン触媒を用いて重
合した直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「メタロセン
LLDPE」と略記することがある)からなるフィルム
を基材フィルムとする救急絆創膏は、柔軟性や伸縮性が
良好であり、常温ではもとより、低温であっても柔軟で
伸縮性を有している。また、本発明の救急絆創膏は、関
節部位に貼付した際に関節運動による緩みが生じ難く、
さらには、剥離の際にちぎれが発生し難い。
【0008】さらに、本発明者らは、鋭意研究した結
果、メタロセンLLDPEと、メタロセン触媒以外の触
媒で重合した直鎖状低密度ポリエチレンとを含有する樹
脂組成物からなるフィルムを基材フィルムとして用いる
と、例えば、指の関節等に巻き付けた際に、屈伸を繰り
返しても、巻き緩みが生じ難く、しかもなお、巻き締り
も生じ難い救急絆創膏の得られることを見いだした。本
発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、基材フィルムと、該基材フィルムの上に設けられた
粘着剤層と、該粘着剤層の上に配置されたパッドとを有
する救急絆創膏において、該基材フィルムが、メタロセ
ン触媒を用いて重合した、密度が0.890〜0.94
0g/cm3 で、メルトフローレートが2.5〜20g
/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A) 単独または該
直鎖状低密度ポリエチレン(A) を主成分とする樹脂組成
物から形成されたフィルムであることを特徴とする救急
絆創膏が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】1.メタロセン触媒により重合し
た直鎖状低密度ポリエチレン 本発明では、基材フィルムの材質として、メタロセン触
媒により重合して得られる直鎖状低密度ポリエチレン
(メタロセンLLDPE)を使用する。LLDPEと
は、直鎖状低密度エチレン・αオレフィン共重合体を意
味している。α−オレフィンとしては、炭素原子数3〜
12のα−オレフィンが用いられる。炭素原子数3〜1
2のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン等が挙げられる。これらの中でも、1−ブテン、1−
ペンテン、1−へキセン、4−メチル−1−ペンテン、
及びl−オクテンが好ましい。エチレン・α−オレフィ
ン共重合体中のエチレン含量は、通常95〜99モル%
であり、それに対応するα−オレフィン含量は、通常1
〜5モル%である。
【0011】本発明で用いられるメタロセンLLDPE
は、メタロセン触媒の存在下に、エチレンとα−オレフ
ィンを共重合させることにより合成されたものである。
メタロセン触媒とは、ジルコニウム(Zr)等の遷移金
属をπ電子系の不飽和環状化合物で挟んだ構造の化合物
のことであり、トルエン等の芳香族溶媒に可溶な均一系
となっており、メチルアルミノキサン(MAO)等の助
触媒との組み合わせにより使用されている。メタロセン
触媒に関する技術開発が進み、多くの触媒系が提案され
ているが、いずれもエチレンに対する高い重合活性を示
し、活性点が均一なシングルサイトであるという特徴を
持っている。
【0012】メタロセン触媒として代表的なものは、シ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1
個有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物からなる
メタロセン触媒成分、及び有機アルミニウムオキシ化合
物触媒成分を必須成分とし、必要に応じて、微粒子状担
体、有機アルミニウム化合物触媒成分、イオン化イオン
性化合物触媒成分から形成された触媒系である。
【0013】メタロセン触媒成分としては、例えば、次
の一般式で示される遷移金属化合物が挙げられる。 ML1 X 式中、Xは、遷移金属原子Mの原子価である。Mは、周
期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具
体的には、ジルコニウム、チタン、ハフニウムである。
l は、遷移金属Mに配位する配位子であり、これらの
うち少なくとも1個の配位子L1 は、シクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子である。
【0014】具体的には、シクロペンタジエニル基、メ
チルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジ
エニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラ
メチルシクロペンタジエニル基等が挙げられる。シクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子では、
炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、トリ
アルキルシリル基、ハロゲン原子、水素等が挙げられ
る。
【0015】有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分と
しては、アルミノキサンが好ましく用いられる。具体的
には、次式で表わされる繰り返し単位が通常3〜50程
度のメチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、メ
チルエチルアルミノキサン等が挙げられる。 −A1(R)O− (ただし、Rは、アルキル基である。)
【0016】本発明で用いられる直鎖状エチレン・α−
オレフィン共重合体は、上記のようなメタロセン触媒成
分、及び有機アルミニウムオキシ化合物触媒等を含むオ
レフィン重合用触媒の存在下に、気相、スラリー状、ま
たは溶液状の液相などの種々の条件下で、エチレンとα
−オレフィンとを、常圧からl00kg/cm2 の範囲
の圧力条件下で共重合させることにより得ることができ
る。
【0017】本発明で使用するメタロセンLLDPEの
密度は、0.890〜0.940g/cm3 で、好まし
くは0.900〜0.920g/cm3 である。本発明
で使用するメタロセンLLDPEのメルトフローレート
は、2.5〜20g/10分で、好ましくは3〜15g
/10分である。メタロセンLLDPEの密度が低すぎ
ると、該LLDPEからなるフィルムを基材フィルムと
する救急絆創膏が柔軟になりすぎて、指の関節などに巻
き付けた際に、屈伸を繰り返すことにより巻き緩みが生
じやすくなる。メタロセンLLDPEの密度が高すぎる
と、該LLDPEからなるフィルムを基材フィルムとす
る救急絆創膏が硬くなり、特に低温時に突っぱり感やご
わごわ感が生じやすくなる。また、メタロセンLLDP
Eのメルトフローレートは、製膜性やフィルムの強度な
どの点で、上記の範囲内にあることが望ましい。
【0018】本発明で使用するメタロセンLLDPE
は、合成することにより得ることができるが、市販品の
中から適したものを選択することもできる。市販品の具
体例としては、商品名で表示すると、エボリューSP0
540、SP3040〔三井化学(株)製〕、カーネル
KC570S、KC573〔日本ポリケム(株)製〕、
ハーモレックスNC524A、NC489A〔日本ポリ
オレフィン(株)製〕等が挙げられる。
【0019】2.メタロセン触媒以外の触媒により重合
した直鎖状低密度ポリエチレン 本発明の救急絆創膏の基材として用いるフィルムは、上
記メタロセンLLDPEを単独で製膜したものを用いて
もよいが、改質成分を含めた樹脂組成物を製膜したもの
を用いることもできる。改質成分としては、他のポリマ
ー、充填剤、各種添加剤を挙げることができる。
【0020】他のポリマーとしては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの
α−オレフィンの単独重合体;エチレン−プロピレン共
重合体などのエチレンとα−オレフィンとの共重合体;
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体等のα−オレフィンと他のモノマーとの共重合
体;SBS、SlS、SEBS等のブロック共重合体;
等が挙げられる。これらの中でも、メタロセン触媒以外
の触媒により重合した直鎖状低密度ポリエチレンが特に
好ましい。
【0021】メタロセンLLDPEは、それ単独のフィ
ルムを基材フィルムとして使用すると、救急絆創膏を関
節などに巻き付けた際に、屈曲を繰り返しても巻き緩み
が生じ難いが、逆に、巻き締りを引き起こす場合もあ
る。そこで、他の触媒により重合して得られたLLDP
Eをブレンドすることにより、巻き緩みを防ぎつつ、巻
き締りが過度になるのを防ぐことができる。すなわち、
ブレンドにより、救急絆創膏としての特有の性能のバラ
ンスを図ることができる。
【0022】このような直鎖状低密度ポリエチレンは、
メタロセン触媒がシングルサイト触媒と呼ばれるのに対
して、マルチサイト触媒と呼ばれる触媒により重合した
ものである。重合法には、液相法と気相法がある。いず
れもメタロセン触媒と同様、エチレンと炭素原子数3〜
12のα−オレフィンとの共重合であり、液相法は、チ
ーグラー系触媒系を用いて、気相法は、クロム系触媒ま
たはクロム系蝕媒とチーグラー系触媒の混合物を用いて
いる。いずれも、従来の低密度ポリエチレンと比べ長鎖
の分岐が無く、共重合による短い側鎖が見られる構造と
なっている。直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.
900〜0.940g/cm3 の範囲が好ましく、メル
トフローレートが3〜20g/10分の範囲が好まし
い。
【0023】本発明で使用する樹脂組成物は、メタロセ
ンLLDPE(A) が好ましくは50〜90重量%、より
好ましくは50〜80重量%、特に好ましくは50〜7
0重量%で、これらに対応して、メタロセン触媒以外の
触媒により重合したLLDPE(B) が好ましくは10〜
50重量%、より好ましくは20〜50重量%、特に好
ましくは30〜50重量%である。樹脂組成物中のメタ
ロセンLLDPEの配合割合が過小であると、該樹脂組
成物からなる基材フィルムを用いた救急絆創膏の低温で
の柔軟性が低下したり、剥離の際にちぎれが発生した
り、さらには、救急絆創膏を関節などに巻き付けた際
に、屈曲を繰り返すと、巻き緩みが生じたりする。前記
の如き配合割合の範囲内にあることによって、救急絆創
膏の巻き緩みを防ぎつつ、巻き締りが過度になるのを防
ぐなどの性能のバランスを図ることができる。
【0024】3.その他の添加剤成分 充填剤として、各種有機・無機の充填剤や顔料等が、着
色や改質の目的で適宜添加することができる。充填剤を
添加する場合、その配合割合は、ポリマー成分100重
量部に対して、30重量部以下が好ましく、2〜30重
量部がより好ましい。その他の添加剤としては、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられ、
それぞれの用途に応じ適量を添加することができる。
【0025】4.基材フィルム 基材フィルムは、樹脂のペレットやその他の添加剤等の
所定量をミキシングロール、2軸混練機、ヘンシェルミ
キサー等で混合した樹脂組成物を、インフレーション
法、Tダイ法、カレンダー法などによって製膜すること
によって調製することができる。基材フィルムの厚み
は、通常20〜200μm、好ましくは50〜150μ
mである。基材フィルムの少なくとも片面には、粘着剤
の投錨性を良好にするために、下塗剤塗布やコロナ放電
処理することが好ましい。
【0026】5.救急絆創膏 基材フィルムには、その片面に粘着剤が塗布されるが、
粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコ
ン系等の各種粘着剤を挙げることができる。これらの中
でも、アクリル系粘着剤は、皮膚刺激性、価格などの点
から好ましい。アクリル粘着剤としては、ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニル
アクリレート等の炭素数4〜12程度の長鎖(メタ)ア
クリルエステルモノマーの単独重合体、あるいは、これ
らのモノマーを主成分とし、〈メ夕)アクリル酸、酢酸
ビニル、スチレン、ビニルピロリドン、アクリルアミ
ド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート等のモノマーを1または2種類以上2〜
50重量%の範囲内で共重合してなる共重合体が挙げら
れる。
【0027】これらのアクリル系粘着剤は、トルエン、
ヘキサン、酢酸エチル等の有機溶剤中で、過酸化ベンゾ
イル等の過酸化物等を開始剤としてモノマーを重合して
得られる溶剤型でもよいし、モノマー等を水中で界面活
性剤にて乳化分散後重合して得られるエマルジョン型で
もよい。
【0028】粘着剤を基材フィルム上に塗布する方法
は、特に限定されるものてばないが、直接、基材フィル
ム上にナイフコータ、リバースコータ、コンマコータ等
にて塗布し、溶媒を乾燥してから剥離紙を重ね合わせる
か、剥離紙(剥離シート)上に同様に塗布して、乾燥
後、基材フィルムに貼り合わせるのが一般的である。粘
看剤の乾燥後の塗布厚は、通常10〜200μm、好ま
しくは20〜100μmである。また、救急絆創膏に通
気性を与えるために、粘着剤付き基材フィルムに穿孔を
行うことが好ましい。剥離紙(剥離シート)としては、
シリコーン離型処理した上質紙、グラシン紙等の紙基材
やポリエステルフィルム等が挙げられる。
【0029】このようにして得られた粘着シート原反
を、一旦剥離し、パッドを貼り合わせ再度剥離紙を貼り
合わせ、所定の形状に打抜くことにより、救急絆創膏を
得ることができる。パッドとしては、ガーゼ、不織布等
を使用することができる。
【0030】このようにして得られた本発明の救急絆創
膏は、柔軟で伸縮性を有するので、関節部位等に用いて
屈伸を繰り返しても、追従性に優れ、緩んだりしない。
本発明の救急絆創膏は、基材フィルムが可塑剤を含まな
いので、経時により粘着剤の凝集力、粘着力が低下する
ことがない。本発明の救急絆創膏は、常温ではもとよ
り、低温での柔軟性に優れているので、低温使用時にご
わごわ感が少ない。具体的に、本発明の救急絆創膏は、
23℃での引張応力(N/19mm)及び5℃での引張
応力(N/19mm)が、いずれも、好ましくは5〜1
5、より好ましくは6〜10程度である。
【0031】本発明の救急絆創膏は、急速な剥離によっ
ても引きちぎれたりしない。このように、本発明の救急
絆創膏は、優れた実用特性を有するものである。また、
本発明の救急絆創膏は、基材フィルムがポリエチレン系
樹脂からなるので、使用後に焼却されても塩素ガス等を
排出しないので環境にも悪影響が少ない。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して、本発明を
より具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に
限定されるものではない。
【0033】[実施例1]メタロセン触媒により重合し
た直鎖状低密度ポリエチレンであるハーモレックスLL
NH725A(日本ポリオレフィン株式会社製、メル
トフローレート=8.0g/10分、密度=0.907
g/cm3 )をTダイにて厚さ70μmのフィルムに製
膜した。得られたフィルムにコロナ放電処理を施し、そ
の処理面に溶剤型アクリル系粘着剤(2−エチルヘキシ
ルアクリレート:アクリル酸=95:5、架橋剤=3官
能エポキシ樹脂0.05重量%)を乾燥後厚み40μm
に塗布した。次いで、粘着剤層の上に12mm×23m
mのレーヨン不織布からなるパッドを貼り合わせ、さら
に、その上からシリコン処理剥離紙を貼り合わせた。パ
ッドが中央に位置するようにして、19mm×75mm
の長方形サイズに裁断して、救急絆創膏試料とし、以下
の試験に供した。
【0034】[実施例2]フィルム形成用樹脂として、
上記ハーモレックスLL NH725Aを60重量%、
及びチーグラー系触媒により重合した直鎖状低密度ポリ
エチレンであるポリエチLL L40MX(三菱油化株
式会社製、メルトフローレート=8g/10分、密度=
0.921g/cm3 )を40重量%の割合で2軸押出
機にて混合した樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例
1と同様に行った。
【0035】[比較例1]フィルム形成用の樹脂として
チーグラー系触媒により重合した直鎖状低密度ポリエチ
レンであるポリエチLL L40MXを単独で用いたこ
と以外は、実施例1と同様に行った。
【0036】[比較例2]基材フィルムとして、軟質ポ
リ塩化ビニルフィルム(70μm)を用いたこと以外
は、実施例1と同様に行った。
【0037】試験方法 (1)引張テスト 試料を23℃及び5℃雰囲気下に3時間放置後、同雰囲
気下で自動記録型引張試験機にて、つかみ間隔50m
m、引張速度300mm/分で引っ張り、50%伸長時
の応力を求めた。
【0038】(2)引き剥がしテスト 23℃雰囲気下、清浄なベークライト板に試料を貼りつ
け、2kgの荷重ローラで圧着し、20分経過後、一端
を指で掴み、180度の角度で急速に引き剥がして、基
材フィルムの破断の有無を観察した。各試験数50で、
以下の破断が生じた数で判定を行った。 ◎:破断無し、 ○:破断1〜2回、 △:破断3〜5回、 ×:破断6回以上。
【0039】(3)屈伸テスト 成人男女10人に、試料を左右人差し指、中指の第2関
節にパッドが甲を向くように巻き付け(各人の各指に対
する試料の割当てはランダムとした)、24時間使用後
の巻きの緩みや締まりについて官能比較評価を行った。
◎、○、△、×の4段階評価であり、◎から×ヘ向かう
に従い、緩みが多い、締まりがきついという評価であ
る。そして、結果について、平均を求めた。
【0040】(4)加熱テスト 次の2水準の対ベークライト板粘着力を測定した(JI
S Z0237準拠、23℃雰囲気下、自動記録型引張
試験機、180度引き剥がし法)。 加熱無しの試料、 40℃の雰囲気に30日間放置し加熱した後、23℃
雰囲気下に3時間放置後の試料。 粘着力低下率(%)=(試料の粘着力/試料の粘着
力)×100 を求め、この値を次の基準で評価した。 ◎:100〜99、 ○:98〜96、 △:95〜91、 ×:90〜。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、塩素原子を含有しない
基材フィルムを用いた救急絆創膏であって、従来の軟質
ポリ塩化ビニルからなる基材フィルムを用いた救急絆創
膏に匹敵し得る柔軟性と伸縮性と風合いなどを備え、貼
付中に伸縮運動によって緩んだり、剥離の際にちぎれた
りしない救急絆創膏が提供される。また、本発明によれ
ば、指の関節等に巻き付けた際に、屈伸を繰り返して
も、巻き緩みが生じ難く、しかもなお、巻き締りも生じ
難いなどの性能のバランスに優れた救急絆創膏が提供さ
れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムと、該基材フィルムの上に
    設けられた粘着剤層と、該粘着剤層の上に配置されたパ
    ッドとを有する救急絆創膏において、該基材フィルム
    が、メタロセン触媒を用いて重合した、密度が0.89
    0〜0.940g/cm3 で、メルトフローレートが
    2.5〜20g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン
    (A) 単独または該直鎖状低密度ポリエチレン(A) を主成
    分とする樹脂組成物から形成されたフィルムであること
    を特徴とする救急絆創膏。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が、メタロセン触媒を用いて
    重合した直鎖状低密度ポリエチレン(A) と、メタロセン
    触媒以外の触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチ
    レン(B) とを含有する樹脂組成物である請求項1記載の
    救急絆創膏。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が、メタロセン触媒を用いて
    重合した直鎖状低密度ポリエチレン(A) 50〜70重量
    %と、メタロセン触媒以外の触媒を用いて重合した直鎖
    状低密度ポリエチレン(B) 30〜50重量%とを含有す
    る樹脂組成物である請求項2記載の救急絆創膏。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100392106C (zh) * 2001-01-26 2008-06-04 克莱里安特财务(Bvi)有限公司 鞣制皮革的生产及适宜于此的产品
JP2013070798A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Bando Chemical Industries Ltd 救急絆創膏用基材フィルム、救急絆創膏及び救急絆創膏の製造方法
JP2015047411A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 バンドー化学株式会社 救急絆創膏用基材フィルム及び救急絆創膏

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