JP2002016577A - 通信方法および通信装置 - Google Patents

通信方法および通信装置

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JP2002016577A
JP2002016577A JP2000194715A JP2000194715A JP2002016577A JP 2002016577 A JP2002016577 A JP 2002016577A JP 2000194715 A JP2000194715 A JP 2000194715A JP 2000194715 A JP2000194715 A JP 2000194715A JP 2002016577 A JP2002016577 A JP 2002016577A
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JP
Japan
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coding rate
modulation scheme
modulation
subcarrier
metric value
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JP2000194715A
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English (en)
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Makoto Honda
真 本多
Kunio Fukuda
邦夫 福田
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Sony Corp
Tektronix Japan Ltd
Original Assignee
Sony Corp
Sony Tektronix Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビット誤りの増大を防止し、所要伝送電力を
節約する。 【解決手段】 変調部102のディジタル変調方式およ
び誤り訂正符号の符号化率がスロット分解部116によ
って抽出された設定情報に基づいて適応的に可変され
る。サブキャリアまたはセグメント毎に設定がなされ
る。復調部115では、ビタビ復号器のメトリック値を
使用して変調方式および符号化率を決定した後に、設定
情報をスロット合成部101に入力し、変調データビッ
トとともにスロットを形成して変調部102に対して入
力する。メトリック値の時間変動および積分値に基づい
て、各サブキャリアまたは各セグメントに対応する伝播
路の状況に適応し、最適な符号化率、変調方式の設定が
可能とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動体のデータ
通信に適用される通信方法および通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速の移動体通信のインフラとし
て、マルチメディア移動アクセスシステム(MMAC
(Multimedia Mobile Access Communication System
))が提案されている。MMACは、光ファイバ通信
網に、具体的にはBISDN(Broadband Integrated S
ervices Digital Network )にシームレスに接続が可能
な高速無線アクセスシステムであり、このアクセスシス
テムでは、5GHz帯の周波数領域、20〜30Mbp
s程度の伝送レートが用いられる。また、変調方式とし
て、多数のキャリアを使用するOFDM(orthogonal f
requency division multiplexing:直交周波数分割多
重)方式が使用される。
【0003】OFDM方式は、互いに異なる周波数で、
直交する多数の搬送波(以下、キャリアと称する)をそ
れぞれ伝送ディジタルデータで変調し、変調信号を周波
数多重するもので、マルチパス干渉の影響を受けにくい
ばかりではなく、周波数利用効率が高いなどの利点を有
する。
【0004】図11は、従来のMMAC用のOFDM変
復調部の構成を示すブロック図である。送信すべき変調
データビットは、OFDMベースバンドディジタル変調
部2において、OFDMディジタル変調され、直交する
時間軸のディジタルベースバンド信号I−D、Q−Dと
して出力される。ディジタルベースバンド信号I−D、
Q−Dは、D/A変換器3において、アナログ信号に変
換される。
【0005】アナログ信号は、直交変調器4において、
第2局部発振器5の発振周波数f12により直交変調さ
れ、中間周波数fi(=f12)の信号に変換される。中
間周波数fiに変調された信号は、送信ミキサ6におい
て、第1局部発振器7の周波数f11により、周波数fc
(=f12+f11)の信号に変換される。
【0006】周波数fcに変換されたOFDM変調信号
は、パワーアンプ8において、所定の送信電力に増幅さ
れる。増幅された信号は、アンテナスイッチ9を介し
て、アンテナ10に供給され、送信される。
【0007】図12は、従来のOFDMベースバンドデ
ィジタル変調部2の構成を示すブロック図である。変調
データビットは、誤り訂正符号化器21において、符号
化される。ここで、誤り訂正符号化器21は、ビットイ
ンタリーバおよび畳み込み符号化器からなる。
【0008】符号化された信号は、サブキャリア変調器
22において、OFDM信号の各サブキャリアに対し
て、例えば、直交位相変調(QPSK(quadrature pha
se shift keying ))等の同一の固定されたディジタル
変調が行われ、サブキャリア変調信号として出力され
る。QPSKは、1シンボルで2ビットを伝送できる。
QAM(Quadrature Amplitude Modulation) もディジタ
ル変調方式として使用可能である。QAMの場合では、
4QAMの場合には、QPSKと同様に、2ビットを伝
送できる。QPSKと4QAMのいずれもディジタル情
報を位相で表現し、ノイズ等の影響下での伝送品質は同
じである。
【0009】サブキャリア変調信号は、直列−並列変換
器23においてパラレルデータに変換され、高速逆フー
リエ変換部(IFFT(Inverse fast Fourier transfo
rm))24において直交する多数のキャリアに変調が施
され、ディジタルベースバンド信号I−D、Q−Dとし
て出力される。
【0010】一方、アンテナ10により受信された中心
周波数fc のOFDM信号は、アンテナスイッチ9を介
して、ローノイズアンプ11に入力される。ローノイズ
アンプ11から出力された信号は、受信ミキサ12にお
いて、第1局部発振器7の発振周波数f11をミックスさ
れ、中間周波数fi の信号に変換される。
【0011】中間周波数fi に変換された信号は、直交
検波器13において、第2局部発振器5の中間周波数f
12により直交検波され、アナログベースバンド信号I、
Qに変換される。アナログベースバンド信号I、Qは、
A/D変換器14において、ディジタルベースバンド信
号I−D、Q−Dに変換される。ディジタルベースバン
ド信号I−D、Q−Dは、OFDMディジタル復調部1
5においてOFDMディジタル復調され、復調データビ
ットとして出力される。
【0012】図13は、OFDMベースバンドディジタ
ル復調部15の構成を示すブロック図である。ディジタ
ルベースバンド信号I−D、Q−Dは、FFT(fast F
ourier transform)31に入力される。ここで、サブキ
ャリア数をNFFTとすれば、FFT31において、N
FFT点の高速フーリエ変換をされ、すなわちNFFT
点のパラレル受信データに復調される。
【0013】パラレル受信データは、並列−直列変換3
2において、シリアルのサブキャリア受信シンボルデー
タ列に変換される。サブキャリア受信シンボルデータ列
は、サブキャリア復調器33に供給され、サブシンボル
からビットが復調される。そして、誤り訂正符号復号器
34において誤り訂正され、復調データとして出力され
る。ここで、誤り訂正符号復号器34は、たとえば、メ
トリック演算器、メトリックデインタリーバおよびビタ
ビデコーダからなる。なお、上述の説明では、ビットイ
ンターリーバ、シンボルタイミング同期、周波数同期、
等化器等の機能は省略されている。
【0014】図14は、OFDMによる無線通信システ
ムのフレーム構成例である。アクセス方式としてTDM
A(Time Division Multiple Access) /TDD(Time Di
vision Duplex)方式が使用される。1フレームは、Tf
の時間長であり、1フレームがn個の上り回線用スロッ
トT1〜Tnと、n個の下り回線用スロットR1〜Rn
で構成される。1スロットは、Tsの時間長であり、同
期、制御情報等に使用されるヘッダ41と、ユーザ情報
42と、誤り検出用のCRC(cyclic redundancy code)
と、誤り訂正用のFEC(Forward Error Correction)と
から構成される。
【0015】OFDMを使用する場合には、上り下りの
各フレームは、図14において、45および46でそれ
ぞれ示すように、Nc個のサブキャリアからなるマルチ
キャリアで構成される。従来では、f1〜fNcまでの
サブキャリアに対して同一の変調方式と誤り訂正の符号
化率が用いられる。符号化率は、もともと情報を表して
いるビット数kと実際に伝送または蓄積されるビット数
nとの比(k/n)を意味する。符号化率が大きけれ
ば、冗長度が小さい反面、誤り訂正能力が小さい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】OFDMは、比較的低
いビットレートを伝送する直交キャリアを多数集めて、
電波伝播が劣化した環境下、すなわち、マルチパス(多
重伝播波)フェージング環境下でも、高速なビットレー
トでもって無線伝送を行えるように工夫した方式であ
る。しかしながら、屋外での車両等による高速移動中の
通信では、雑音や激しい周波数選択性のマルチパスフェ
ージングの影響を受けやすくなる。例えば16QAMや
64QAMは、位相と共に振幅をも使用してディジタル
情報を表現するために、1シンボル当たりでそれぞれ4
ビットおよび8ビットを伝送することができるが、QP
SKに比較してノイズ等の影響を受けやすく、品質が悪
くなる。これらの16QAMや64QAMのように、多
値数(位相数または振幅数)が比較的多いサブキャリア
変調方式を使用した場合には、ビット誤りが増大し、著
しい性能劣化を来す。また、誤り訂正符号の符号化率が
比較的大きい場合も同様の性能劣化が生じる。
【0017】逆に、電波伝播の状態が良好な環境下、例
えば見通し内での固定通信時では、S/N比が大きくな
り、電波伝播路特性の変化が微少であるから、サブキャ
リアの変調方式の多値数や、符号化率を大きくして、情
報伝送速度を速くすることが可能である。しかし、良好
な環境下で、多値数を小さい場合、例えばBPSK(Bin
ary Phase Shift Keying) 方式を使用した場合には、最
大情報伝送速度よりも小さい速度で通信を行うことにな
り、電波利用効率が悪い。
【0018】従来では、サブキャリアの変調方式または
誤り訂正符号の符号化率が固定されているのが普通であ
った。また、変調方式または符号化率を可変できたとし
ても、ユーザがマニュアルで設定できる程度であり、高
速移動時に通信する際に必然的に発生する電波伝播路の
激しい変化に追従することができなかった。さらに、ユ
ーザがマニュアルで設定することは、端末の操作性を悪
くするおそれがあった。
【0019】したがって、この発明の目的は、直面する
伝播環境下、例えば周波数選択性が著しいマルチパスフ
ェージング環境下における最大の伝送速度と最高の品質
を適応的に設定することが可能な通信方法および通信装
置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、変調方式としてOFDMを
使用して無線データ伝送を行う通信方法であって、変調
側では、誤り訂正符号として畳み込み符号化を使用し、
復調側では、ビタビ復号によって誤り訂正を行うように
した通信方法において、各サブキャリアまたは複数のサ
ブキャリアから構成されるセグメントのディジタル変調
方式および誤り訂正符号の符号化率の少なくとも一方
を、ビタビ復号器において生成されるメトリック値によ
って適応的に決定する通信方法である。
【0021】請求項8の発明は、変調方式としてOFD
Mを使用して無線データ伝送を行う通信装置であって、
変調側では、誤り訂正符号として畳み込み符号化を使用
し、復調側では、ビタビ復号によって誤り訂正を行うよ
うにした通信装置において、各サブキャリアまたは複数
のサブキャリアから構成されるセグメントのディジタル
変調方式および誤り訂正符号の符号化率の少なくとも一
方を、ビタビ復号器において生成されるメトリック値に
よって適応的に決定する通信装置である。
【0022】請求項1および8に係る発明では、サブキ
ャリア毎、または周波数軸上でいくつかのサブキャリア
を集めたセグメント毎にディジタル変調方式と符号化率
の少なくとも一方を、復調器側のサブキャリア毎または
セグメント毎に配置したビタビ復号器のメトリック出力
に基づいて適応的に決定される。すなわち、ビタビ復号
において生成されるメトリック値の時間変動および積分
値からビット誤りの程度を推定し、ビット誤りの程度に
適応して変調方式および符号化率の好くなとも一方を決
定することによって、通信品質の劣化を防止し、所要送
信電力の節約を可能とできる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は、一実施形態のO
FDM無線通信システムの構成を示す。従来構成を示す
図11中の構成要素と対応する図1中の構成要素には、
同一符号を付すことにする。すなわち、D/A変換器3
からアンテナ10に至る変調(送信)側の構成、並びに
アンテナ10からA/D変換器14に至る復調(受信)
側の構成は、従来のシステムと同一の構成である。
【0024】一実施形態では、OFDMベースバンドデ
ィジタル変調部102のサブキャリア変調方式および誤
り訂正符号の符号化率がスロット分解部116によって
抽出されたサブキャリア変調方式・誤り訂正符号符号化
率設定情報に基づいて適応的に可変される。スロット分
解部116は、OFDMベースバンドディジタル復調部
115に接続されている。また、復調部115では、ビ
タビ復号器のメトリック値を使用してサブキャリア変調
方式および符号化率を決定した後に、設定情報をスロッ
ト合成部101に入力し、変調データビットとともにス
ロットを形成して変調部102に対して入力する。
【0025】図2は、この一実施形態における変調部1
02の構成を示す。Nmをサブキャリア数またはセグメ
ント数とする。復調部115から入力され、デコーダ2
6によって復調されたサブキャリア変調方式・誤り訂正
符号符号化率設定情報によって、各サブキャリアまたは
各セグメントの変調方式と符号化率が設定されるように
なされる。
【0026】入力された変調データビットは、直列−並
列変換器25によってNm個の並列データへ変換され、
Nm個の畳み込み符号化器211 〜21Nmへ入力され
る。畳み込み符号化されたデータは、サブキャリア変調
器221 〜22Nmに入力され、サブキャリア変調を行
い、直列−並列変換器231 〜23Nmによってサブキャ
リア毎またはセグメント毎に並列データに変換された後
に、IFFT24へ入力される。
【0027】Nm個の符号化器211 〜21Nmとサブキ
ャリア変調器221 〜22Nmは、復調部115の復調デ
ータから抽出されたサブキャリア変調方式・誤り訂正符
号符号化率設定情報によって制御される。設定情報によ
って設定される内容は、各サブキャリアまたは各セグメ
ントに対応する伝播路の状況に適応し、異なる符号化
率、または異なる変調方式の設定が可能とされている。
【0028】図3は、誤り訂正符号化器21の符号化率
が1種類で、サブキャリア変調方式がNm種類の場合の
変調部102の構成を示す。復調部115から入力さ
れ、デコーダ26によって復調されたサブキャリア変調
方式・誤り訂正符号符号化率設定情報によって、各サブ
キャリアまたは各セグメントの変調方式と符号化率が設
定される。符号化率は、設定情報によって設定される
が、各サブキャリアまたは各セグメントに関して、共通
の値である。
【0029】変調データビットは、誤り訂正符号化器2
1で符号化され直列−並列変換器25によって、Nm個
の並列データに変換されて、サブキャリア変調器221
〜22Nmへ入力される。変調器出力は、直列−並列変換
器231 〜23Nmによって並列データに変換されてIF
FT24へ入力され、OFDM変調が行われる。
【0030】図4は、この一実施形態における復調部1
15の構成を示す。復調部115においては、FFT3
1の出力をNm個の並列−直列変換器321 〜32Nm
出力に対応するサブキャリア復調器331 〜33Nmに入
力する。サブキャリア復調器331 〜33Nmの出力ビッ
トまたはサブシンボルを対応する誤り訂正復号化器(ビ
タビ復号器)341 〜34Nmへ入力する。誤り訂正復号
化器341 〜34Nmによって誤り訂正を行い、復号デー
タビットを並列−直列変換器35に入力し、直列データ
に変換して復調データビットとして出力する。
【0031】誤り訂正復号化器341 〜34Nmは、ビタ
ビ復号器の構成であり、受信データの他に、メトリック
値も出力する。各メトリック値は、破線の信号路を介し
てサブキャリア変調方式・符号化率決定アルゴリズム3
6に入力される。決定アルゴリズム36の出力は、一時
的にレジスタ37に保持しておく。次フレームのスロッ
トを受信する直前にレジスタ37からデータを読み出し
て、各サブキャリア復調器と各誤り訂正復号化器にデー
タを入力してサブキャリア変調方式および符号化率を設
定する。さらに、レジスタ37の出力は、エンコーダ3
8によって符号化され、エンコーダ38からの設定情報
が図1のスロット合成部101へ出力される。
【0032】図5に、誤り訂正符号化器の符号化率が1
種類で、サブキャリア変調方式がNm種類の場合の復調
部115の構成を示す。復調部115においては、FF
T31の出力をNm個の並列−直列変換器321 〜32
Nmに入力し、並列−直列変換器321 〜32Nmの出力を
対応するサブキャリア復調器331 〜33Nmに入力す
る。サブキャリア復調器331 〜33Nmの出力データ
は、並列−直列変換器35によって直列データに変換さ
れ、ビタビ復号器の構成の誤り訂正復号化器34によっ
て誤り訂正を行い、復調データビットとして出力する。
【0033】誤り訂正復号化器34のメトリック出力
は、破線の信号経路で示すように、直列−並列変換器3
9によって、各サブキャリア復調器に対応したNm個の
並列データへ変換される。並列データは、変調方式・符
号化率決定アルゴリズム36に入力され、その出力デー
タをレジスタ37に格納する。次フレームのスロットを
受信する直前にレジスタ37からデータを読み出して、
各サブキャリア復調器と誤り訂正復号化器34にデータ
を入力して変調方式および符号化率を設定する。さら
に、レジスタ37の出力は、エンコーダ38によって符
号化され、図1のスロット合成部101へ出力される。
【0034】なお、図4および図5において、誤り訂正
復号化器としてのビタビ復号器の判定手法は、硬判定ま
たは軟判定である。軟判定を使用する場合は、サブキャ
リア復調器の入力信号を直接ビタビ復号器に供給するよ
うになされる。
【0035】次に、サブキャリア変調方式・符号化率決
定アルゴリズム36について説明する。ビット誤りの態
様は、大まかに分けて、S/Nの劣化に起因するランダ
ム誤りと、マルチパスによって伝播路の遅延広がりが増
加し、シンボル間干渉の発生に起因するバースト的な誤
りの2つがある。ここでは、ビット誤りが頻繁に発生す
るほどメトリック値が大きくなるものと想定している。
【0036】ビタビ復号方法では、ノイズを含む実際の
受信信号から最尤な状態遷移を選択するようになされ
る。まず、ある時点における状態について、その状態に
至る過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の
尤度の和を計算し、さらに、計算された尤度の和を比較
して、最尤の復号系列を選択するようになされる。この
ような尤度の和をパスメトリックと称する。ある時点に
おけるパスメトリックは、その時点に至るまでの状態遷
移の尤度の総和である。そして、候補となるパスメトリ
ック値のうちで最小のパスメトリックを有するパスをた
どり、復号ビットを推定する。この発明におけるビタビ
復号器は、その最小のパスメトリックをメトリック値と
して出力するものである。
【0037】この一実施形態では、時系列メトリック値
の極大点の個数と積分値に着目する。ランダム誤りの場
合は、メトリック値の時間的な変動が著しくなる。すな
わち、極大点の個数が多くなる。ただし、メトリック値
の平均値は、比較的小さな一定値のため、積分値は、比
較的小さくなる。主としてバースト的な誤りがビット誤
りの主要因となる場合は、メトリック値の積分値が増大
するが、時間的変動が緩やかとなり、極大点の個数が少
なくなる。
【0038】したがって、メトリック値の積分値と単位
時間あたりの極大点の個数を求め、ランダム誤りかバー
スト誤りかを推定できる。両者の値について複数の範囲
を決めておき、各範囲毎にサブキャリアの変調方式と符
号化率を定めておけば、積分値と極大点の個数にしたが
って最適なサブキャリアの変調方式と符号化率を決定す
ることができる。なお、メトリック値の極大点の個数
は、メトリック値の微分値が定められたしきい値を超え
たときにカウントすることで求めることができる。
【0039】図6は、サブキャリア変調方式・符号化率
決定アルゴリズム36の構成を示す。サブキャリア変調
方式・符号化率設定部511 〜51Nmは、各サブキャリ
アまたは各セグメントに対応している。誤り訂正復号化
器(ビタビ復号器)から入力されたメトリック値が微分
器52に入力される。微分器52の出力値とあるしきい
値がしきい値判別部53で比較される。微分出力がしき
い値を超えていれば、カウンタ54がその微分出力をカ
ウントする。カウンタ54の出力が量子化回路55に供
給される。
【0040】さらに、メトリック値は、積分器56にも
供給され、積分器56の出力が量子化回路57に供給さ
れる。量子化回路55および57は、カウンタ54の出
力および積分器56の出力をそれぞれのレベルに応じて
いくつかのレベル範囲に分ける。量子化回路55および
57は、具体的には、量子化ステップ幅で入力を割り算
する割り算器、変換テーブルが格納されたROM等で構
成される。
【0041】量子化回路55および57のそれぞれの出
力xおよびyがサブキャリア変調方式選択表58および
符号化率選択表59に入力される。選択表58および5
9は、ROM、組み合わせ論理回路等のハードウエアで
構成される。ROMの構成の場合には、量子化回路55
および57の出力がアドレスとして使用される。
【0042】2つのレジスタ61および62は、それぞ
れサブキャリア変調方式選択表58と符号化率選択表5
9の出力を記憶する。レジスタ61および62の出力
は、現在使用しているサブキャリアの変調方式、符号化
率を表す。レジスタ61および62の出力が選択表58
および59に入力される。このように、量子化された極
大値の個数の出力xおよび積分器出力yを選択表58お
よび59にそれぞれ入力することによって、サブキャリ
ア変調方式と符号化率の設定信号が選択表58および5
9からそれぞれ出力される。
【0043】各サブキャリアに対応したサブキャリア変
調方式選択表58の例を図7に示し、各サブキャリアに
対応した符号化率選択表59の例を図8に示す。これら
の選択表は、縦軸に極大値の数xの値をとり、横軸に積
分出力yの値をとり、両方の値で変調方式および符号化
率がそれぞれ設定される構成である。一例として、極大
値の数および積分出力の値がそれぞれnとm種類として
おり、n×m通りの設定が可能とされている。また、レ
ジスタ61および62からの現在のサブキャリア変調方
式と符号化率によって選択表が選ばれる。図7と図8に
示される選択表は、現在のサブキャリア変調方式および
符号化率によって次のスロットのサブキャリア変調方式
と符号化率が決定されることを示す。例えば、積分値y
と極大値の数xがそれぞれx1とy1とであれば、次の
スロットは、BPSKと9/16とそれぞれ決定され
る。
【0044】極大値の数と積分値が共に小さければ、ビ
ット誤りが小さいので、安定した伝播路であると考えら
れ、図7に示すように最大値数のサブキャリア変調方式
(64QAM)を設定する設定信号が選択表58から出
力される。また、安定した伝播路であると考えられると
きには、図8に示すように、最大の符号化率(3/4)
を設定する設定信号が選択表59から出力される。
【0045】次に、単位時間当たりのメトリック値の極
大値が多く、積分値が小さければ、ランダム誤りが発生
していると推定され、誤り訂正の効果を期待できる。こ
の場合には、値数の比較的大きいサブキャリア変調方式
例えば16QAMを選択することが可能であり、比較的
大きい符号化率例えば9/16を選択することが可能で
ある。
【0046】さらに、積分値が大きければ、バースト誤
りが発生していると推定できる。したがって、BPSK
のような最小の値数(2相)のサブキャリア変調方式
と、誤り訂正を強力に行うために最小の符号化率例えば
1/2を選択する。
【0047】図9は、ダウンリンクのサブキャリア変調
方式と符号化率の決定情報を伝送するフレーム構成の一
例を示す。71および72は、時間的に連続するフレー
ムを示す。フレーム71は、アップリンク73およびダ
ウンリンク74からなり、フレーム72は、アップリン
ク75およびダウンリンク76からなる。端末局は、例
えばフレーム71のダウンリンク74のスロット77を
受信する。このスロット77を受信したときのメトリッ
ク値より、次のフレーム72のダウンリンク76のスロ
ット78のサブキャリア変調方式と符号化率が決定され
る。その変調方式と符号化率を端末局の復調部に設定す
る。
【0048】サブキャリア変調方式と符号化率設定情報
を次フレーム72のアップリンク75のスロット79を
用いて基地局へ伝送する。このスロット79は、ヘッダ
81、ユーザ情報82、サブキャリア変調方式・符号化
率設定情報83、CRC84、FEC85から構成され
る。サブキャリア変調方式・符号化率設定情報83以外
は、従来の方式と同一である。
【0049】このスロット79を受信した基地局は、情
報83に基づき復調部の設定を行い、ダウンリンク76
のスロット78の変調を行う。例えばキャリアf1〜f
iから構成されるセグメント86のサブキャリア変調方
式がQPSK、符号化率が9/16とされ、キャリアf
i+1 〜fjから構成されるセグメント87のサブキャリ
ア変調方式が16QAM、符号化率が3/4とされ、キ
ャリアfj+1 〜fNdから構成されるセグメント88のサ
ブキャリア変調方式がBPSK、符号化率が1/2とさ
れる。このように各セグメント毎に最適な変調方式と符
号化率で、スロット78が変調され、送信される。
【0050】前述した説明は、ダウンリンクの変調方式
と符号化率を設定する方法であった。アップリンクの変
調方式と符号化率の設定も同様の方法で行われる。但
し、一般的にアップリンクの電波は、端末局から送信さ
れるために、基地局での受信電力は、ダウンリンクの受
信電力よりも弱い。その電力差を考慮して、端末局側と
基地局側のサブキャリア変調方式選択表と符号化率選択
表は異なっても良い。
【0051】次に、この発明の一実施形態における制御
シーケンスについて、図10を参照して説明する。図1
0において、左側が端末局側で右側が基地局側であり、
それぞれが制御チャンネル、通信チャンネルをアクセス
できるようにされている。また、図10における矢印が
スロットを意味している。矢印上にある記号UとDがそ
れぞれ、アップリンクとダウンリンクの変調方式と符号
化率の組み合わせを示す。その後ろの数字は、時間方向
のインデックスを示し、この組み合わせでそのスロット
のサブキャリア変調方式と符号化率の設定信号の内容を
表すもようにされる。図10の左右端に端末局側の変調
・復調部の方式を記述する。最初は、ビット誤りの発生
し難い値数と符号化率が共に最小の方式を採用する。
【0052】基地局からは、常時、端末の待ち受け時の
とまり木用に制御信号91aを制御チャンネルで間欠的
に通知する。端末局側では、この制御信号91aをバッ
テリーセービングのために間欠受信する。発信要求が端
末側で発生すると、リンクチャンネル確立要求91bを
基地局へ送信する。基地局側では、空いている通信チャ
ンネルをリンクチャンネル割り当て91cで通知を行
う。端末局側では、指定された通信チャンネルに移行
し、同期信号91dを送信する。基地局側も同期信号9
1eを送信し、両者の同期は確立する。その後、接続先
の設定、受付等の呼制御信号91fのやりとりを端末局
および基地局間で行い、通信状態91gに移行する。
【0053】最初のアップリンクスロット91hを基地
局が受信する。基地局は、そのメトリック値から次回の
アップリンクスロット91jのサブキャリア変調方式と
符号化率をU1と決定し、復調部の設定をU0からU1
に変更する。さらに、その設定情報をダウンリンクスロ
ット91iで端末局に伝送する。端末局では、復調後、
その設定情報に基づき変調部の設定をU0からU1に変
更する。受信時のメトリック値より次のダウンリンクス
ロット91kのサブキャリア変調方式と符号化率をD1
と決定し、復調部の設定をD0からD1に変更する。D
1のサブキャリア変調方式と符号化率設定情報をU1の
方式で変調したスロット91jで基地局に伝送する。
【0054】このように、次回の送信スロットで適用す
るサブキャリア変調方式と符号化率を現在の受信スロッ
トのメトリック値から決定し、先ず、その方式を自己の
復調部に設定し、さらに、その設定情報を現在設定され
ている方式によって送信することによって、スロット毎
に最適なサブキャリア変調方式と符号化率を適応的に設
定可能である。
【0055】以上のようにして各サブキャリアまたはセ
グメント毎にビタビ復号器のメトリック値を利用して電
波伝播路の環境に追従して適応的に変調方式として符号
化率を設定することによって、周波数選択性マルチパス
フェージングチャンネルに対して最適な通信方式を選択
できる。
【0056】この発明は、上述した実施形態等に限定さ
れるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内
で様々な変形や応用が可能である。例えばサブキャリア
変調方式と誤り訂正符号の符号化率の少なくとも一方を
適応的に可変するようにしても良い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、広帯域のスペクトラムを使用して高速伝送を行う高
速移動体通信方式において、電波伝播の伝送路関数は周
波数依存性を有し、時々刻々と変化する。そこで、復調
器側で各キャリアまたはキャリア群に割り当てられたビ
タビ復号器のメトリックを計算してその時刻の特定周波
数帯域の伝播特性に最適なサブキャリアの変調方式と符
号化率の少なくとも一方を適応的に決定し、決定したサ
ブキャリア変調方式と符号化率の少なくとも一方を使用
することによって、情報の伝送を高速にかつ高品質に実
現できるようになった。
【0058】また、この発明は、アップリンクおよびダ
ウンリンクで独立にサブキャリアの変調方式と符号化率
の少なくとも一方を設定できる。したがって、アップリ
ンク側のサブキャリア変調方式選択表と符号化率選択表
の選択肢をビット誤りに強い、すなわち、多値数が小さ
く、符号化率が小さい方式に設定しておけば、所要伝送
電力を減少でき、端末局の消費電力の節約が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるOFDM通信システムの一実施
形態のブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態におけるベースバンドデ
ィジタル変調部の一例の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態におけるベースバンドデ
ィジタル変調部の他の例の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】この発明の一実施形態におけるベースバンドデ
ィジタル復調部の一例の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の一実施形態におけるベースバンドデ
ィジタル復調部の他の例の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】この発明の一実施形態におけるサブキャリア変
調方式・符号化率設定アルゴリズムの構成例を示すブロ
ック図である。
【図7】この発明の一実施形態におけるサブキャリア変
調方式選択表の一例を示す略線図である。
【図8】この発明の一実施形態における符号化率選択表
の一例を示す略線図である。
【図9】この発明の一実施形態におけるフレーム構成例
を示す略線図である。
【図10】この発明の一実施形態における制御シーケン
ス例を示す略線図である。
【図11】従来のOFDMによる通信システムのブロッ
ク図である。
【図12】従来のOFDMによる通信システムにおける
ベースバンドディジタル変調部の一例の構成を示すブロ
ック図である。
【図13】従来のOFDMによる通信システムにおける
ベースバンドディジタル復調部の一例の構成を示すブロ
ック図である。
【図14】従来のOFDMによる通信システムにおける
フレーム構成例を説明するための略線図である。
【符号の説明】
101・・・スロット合成部、102・・・ベースバン
ドディジタル変調部、115・・・ベースバンドディジ
タル復調部、115・・・スロット分解部、21、21
1 〜21Nm・・・誤り訂正符号化器、22、221 〜2
Nm・・・サブキャリア変調器、33、331 〜33Nm
・・・サブキャリア復調器、34、341〜34Nm・・
・誤り訂正復号化器、36・・・変調方式・符号化率決
定アルゴリズム、37・・・レジスタ、38・・・エン
コーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 邦夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5J065 AA02 AB01 AC02 AE02 AF01 5K022 DD01 DD13 DD19 DD23 DD33

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調方式としてOFDMを使用して無線
    データ伝送を行う通信方法であって、変調側では、誤り
    訂正符号として畳み込み符号化を使用し、復調側では、
    ビタビ復号によって誤り訂正を行うようにした通信方法
    において、 各サブキャリアまたは複数のサブキャリアから構成され
    るセグメントのディジタル変調方式および誤り訂正符号
    の符号化率の少なくとも一方を、ビタビ復号器において
    生成されるメトリック値によって適応的に決定する通信
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 端末と基地局の間、端末間、または基地局間での無線デ
    ータ伝送に使用される通信方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 アップリンクとダウンリンクを独立に、上記変調方式お
    よび符号化率の少なくとも一方を適応的に決定する通信
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記メトリック値の時間的変動の程度と上記メトリック
    値の積分値に基づいて、上記変調方式および上記符号化
    率の少なくとも一方を設定する通信方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 現在の時間単位における上記変調方式および上記符号化
    率の少なくとも一方の設定と、上記メトリック値の時間
    的変動の程度と、上記メトリック値の積分値に基づい
    て、次の上記時間単位における上記変調方式および上記
    符号化率の少なくとも一方を設定する通信方法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記ディジタル変調方式は、PSKであって、その位相
    数を適応的に決定する通信方法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 上記ディジタル変調方式は、QAMであって、その振幅
    数を決定する通信方法。
  8. 【請求項8】 変調方式としてOFDMを使用して無線
    データ伝送を行う通信装置であって、変調側では、誤り
    訂正符号として畳み込み符号化を使用し、復調側では、
    ビタビ復号によって誤り訂正を行うようにした通信装置
    において、 各サブキャリアまたは複数のサブキャリアから構成され
    るセグメントのディジタル変調方式および誤り訂正符号
    の符号化率の少なくとも一方を、ビタビ復号器において
    生成されるメトリック値によって適応的に決定する通信
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 端末と基地局の間、端末間、または基地局間での無線デ
    ータ伝送に使用される通信装置。
  10. 【請求項10】 請求項8において、 アップリンクとダウンリンクを独立に、上記変調方式お
    よび符号化率の少なくとも一方を適応的に決定する通信
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項8において、 上記メトリック値の時間的変動の程度と上記メトリック
    値の積分値に基づいて、上記変調方式および上記符号化
    率の少なくとも一方を設定する設定信号生成手段を備え
    る通信装置。
  12. 【請求項12】 請求項8において、 現在の時間単位における上記変調方式および上記符号化
    率の少なくとも一方の設定と、上記メトリック値の時間
    的変動の程度と、上記メトリック値の積分値に基づい
    て、次の上記時間単位における上記変調方式および上記
    符号化率の少なくとも一方を設定する設定信号生成手段
    を備える通信装置。
  13. 【請求項13】 請求項8において、 上記ディジタル変調方式は、PSKであって、その位相
    数を適応的に決定する通信装置。
  14. 【請求項14】 請求項8において、 上記ディジタル変調方式は、QAMであって、その振幅
    数を決定する通信装置。
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