明 細 書
OFDM送信装置、 OFDM受信装置及び OFDM通信方法
技術分野
[0001] 本発明は、複数のサブキャリアを使用して OFDM通信を行う OFDM送信装置、 O FDM受信装置及び OFDM通信方法に関する。
本願は、 2004年 12月 13日に出願された特願 2004— 360114号に基づき優先権 を主張し、その内容をここに援用する。
背景技術
[0002] 現在、我が国では IMT— 2000 (International Mobile Telecommunication 2000)の サービスが 2001年 10月力も世界に先駆けてサービスが開始されるなど、移動通信 システムにおける伝送、アクセス技術が急速に進展している。また、 HSDPA (High S peed Down-link Packet Access)などの技術が標準化され、最大約 10Mbps程度の データ伝送の実用化が進められて 、る。
一方で、 10Mbpsから 100Mbpsの伝送レートをターゲットにしたブロードバンドワイ アレスインターネットアクセスを実現するための標準化も進められており、様々な技術 が提案されている。
[0003] 高速な伝送レートの無線通信を実現するために必要となる要件は、周波数利用効 率を高めることである。伝送レートと使用する帯域幅は比例関係にあるので、伝送レ ートを上げるには、利用する周波数帯域幅を広げることにより解決することができる。 しかし、利用できる周波数帯域は逼迫しており、新たな無線通信システムが構築され る上で十分な帯域幅が割り当てられることは考え難い。従って周波数利用効率を高 めることが必要となる。
シングルキャリアを使用して無線通信を行う場合、変調速度を上げて 、くとマルチ パス等の要因で帯域の一部の伝播状態が悪くなつたときに特性が大きく劣化してしま うという問題がある。この問題を解決するためにキャリアを複数使用したマルチキヤリ ァ方式を用いて、伝送路に冗長性を持たせる方法が知られている。このマルチキヤリ ァ方式の中で最も各キャリア間隔の狭い方式が OFDM (Orthogonal Frequency Divi
sion Multiplexing)である。
[0004] OFDMは 5GHz帯の無線通信システムである IEEE802. 11 aや、地上ディジタル 放送で用いられている方式である。 OFDMは数十力も数千のキャリアを、理論上干 渉の起こらない最小となる周波数間隔に並べ同時に通信する方式である。通常、 OF DMにおいてこのキャリアをサブキャリアと呼び、各サブキャリアに対して PSK (Phase Shift Keying)、 QAM (Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等の変調 を行うことにより位相変移変調を行なう。更に、誤り訂正方式と組み合わせて多値直 交振幅変調を行うことにより、周波数選択性フェージングに強い変調を行うことができ る。従来の OFDM送信装置及び OFDM受信装置の構成について、図 14、図 15を 用いて説明する。この説明では、 OFDMに使用されるサブキャリア数が 768波である 場合を例示する。
[0005] 図 14は、 OFDMに使用される OFDM送信装置 300の構成を示すブロック図であ る。 OFDM送信装置 300は、誤り訂正符号部 3001、 SZP (シリアル Zパラレル)変 換部 3002、マッピング部 3003、 IFFT (Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フー リエ変換)部 3004、 PZS (パラレル Zシリアル)変換部 3005、 GI (ガードインターバ ル)揷入部 3006、 DZA (ディジタル Zアナログ)変換部 3007、無線送信部 3008、 アンテナ部 3009を有する。
[0006] 誤り訂正符号部 3001は、送信データに対して、誤り訂正符号化の処理を行う。 SZ P変換部 3002は、誤り訂正符号部 3001から出力されるデータを、各サブキャリアの 変調に必要となるデータに変換する。例えば、サブキャリア数が 768波で、各サブキ ャリアの変調方式が QPSK (Quadrature Phase Shift Keying:直交位相変調)の場合 、 2ビットずつ、 768系統のデータに変換する。マッピング部 3003は、 SZP変換部 3 002から出力されるデータに対して、各サブキャリアごとに変調の処理を行う。 IFFT 部 3004は、マッピング部 3003から出力されるデータに対して、逆高速フーリエ変換 の処理を行う。 768波の OFDM信号を生成する場合、通常使用される逆高速フーリ ェ変換のポイント数は 1024である。 PZS変換部 3005は、 IFFT部 3004から出力さ れるデータを、パラレルデータ力もシリアルデータに変換する。 GI揷入部 3006は、 P ZS変換部 3005から出力されるデータに対して、ガードインターバルを挿入する。ガ
ードインターバルは OFDM信号を受信する際、シンボル間干渉を低減させるために 挿入されるものである。 DZA変換部 3007は、 GI挿入部 3006から出力されるデータ を、ディジタル信号カゝらアナログ信号に変換する。無線送信部 3008は、 DZA変換 部 3007から出力されるデータを、送信するための周波数のデータに変換する。アン テナ部 3009は、無線送信部 3008から出力されるデータの送信を行う。
[0007] 図 15は、 OFDMに使用される OFDM受信装置 305の構成を示すブロック図であ る。基本的に、 OFDM受信装置 305では、 OFDM送信装置 300と逆の処理が行わ れる。 OFDM受信装置 305は、誤り訂正復号部 3051、 PZS (パラレル Zシリアル) 変換部 3052、伝播路推定 'デマッピング部 3053、 FFT(Fast Fourier Transform:高 速フーリエ変換)部 3054、 SZP (シリアル Zパラレル)変換部 3055、 GI (ガードイン ターバル)除去部 3056、 AZD (アナログ Zディジタル)変換部 3057、無線受信部 3 058、アンテナ部 3059、同期部 3060を有する。
[0008] アンテナ部 3059は、 OFDM送信装置 300から送信される電波を受信する。無線 受信部 3058は、アンテナ部 3059で受信した電波を、アナログ Zディジタル変換が 可能な周波数帯域のデータに周波数変換する。 AZD変換部 3057は、無線受信部 3058から出力されるアナログデータをディジタルデータに変換する。同期部 3060は 、 AZD変換部 3057から出力されるデータに対して、 OFDMのシンボル同期を取る 。 GI除去部 3056は、同期部 3060から出力されるデータ力もガードインターバルを 除去する。 SZP変換部 3055は、 GI除去部 3056から出力されるデータを 1024波の データにパラレル化する。 FFT部 3054は、 SZP変換部 3055から出力されるデータ に対して、 1024ポイントの高速フーリエ変換の処理を行う。伝播路推定'デマッピン グ部 3053は、 FFT部 3054から出力されるデータに対して、 768波のサブキャリアの 復調を行う。通常、伝播路推定は、 OFDM送信装置 300から OFDM受信装置 305 に対して既知のデータを送ることによって行われる。 PZS変換部 3052は、伝播路推 定'デマッピング部 3053から出力されるデータを、シリアル化する。誤り訂正復号部 3 051は、 PZS変換部 3052から出力されるデータに対して誤り訂正を行ない、 OFD M送信装置 300から送信されたデータを復調する。
[0009] OFDMを含めたマルチキャリア方式の周波数利用効率を向上する技術として適応
変調技術がある。これは各サブキャリア毎に伝播状況を把握して伝播状況の良 、サ ブキャリアに高速な変調方式を用い、より多くの情報を送るという技術である。あわせ て伝播状況に応じて各サブキャリアの送信電力を変更するという方法もある。
[0010] OFDMに適応変調を適用した方法の一つに各サブキャリアの変調パラメータを伝 播状況に合わせて変化させるという方法がある。 OFDMにおいては、各サブキャリア を多値変調することで伝送量を増加させる。通常、各サブキャリアに対して BPSK(Bi nary Phase Shift Keying)、 QPSK、 16QAM、 64QAM等の変調を行って伝送量を 変化させる。各サブキャリアにどの変調方式を使用する力、すなわち、各サブキャリア どれだけのビットを割り付けるかの基準として、 SNR (Signal to Noise power Ratio :信 号対雑音比)や SINR (Signal to Interference and Noise power Ratio :信号対干渉雑 音比)を使用する場合が多い。図 14および図 15に示した例では、 OFDM送信装置 300側は OFDM受信装置 305側で得たサブキャリア毎の SINRを知ることができる。 OFDM送信装置 300が SINRを知る方法は様々考えられる力 この例では、一例と して、 OFDM受信装置 305が OFDM送信装置 300に SINRを通知する。この SINR に従って、 OFDM送信装置 300は、サブキャリアごとに伝達できる情報量が最も多く なるように変調パラメータを設定する。各サブキャリアの変調方式として BPSK、 QPS K、 16QAM、 64QAMを使用したときに所望の誤り率特性を満たすことができる SI NRの閾値を、 TH— BPSK、 TH— QPSKゝ TH— 16QAM、 TH— 64QAMと表す ことにする。
[0011] 図 16は、サブキャリアと、 SINRにより選択される変調方式との関係を示すグラフで ある。ここでは、サブキャリア数が 10 (サブキャリア番号が 0から 9)の場合について説 明する。図 16の縦軸は SINRを示し、横軸はサブキャリア番号を示している。例えば 、サブキャリア番号が 3の場合、 SINR力 16QAMの閾値である TH— 16QAMは 超えている力 64QAMの閾値である TH— 64QAMには満たない。よって、変調方 式として 16QAMを選択する。
この動作を伝播路が変化する度に行うことで周波数効率良ぐまた、伝播路の状況 が悪くなつても的確に情報を伝送することが可能となる。
[0012] この適応変調を行うマルチキャリア方式の技術の応用先として 1セル繰り返しセルラ
システムが考えられて 、る。 1セル繰り返しセルラシステムはセルを並べて構成される 通信エリアにぉ 、て、全てのセルで 1種類の周波数帯しか用いな 、方式である。
1セル繰り返しセルラシステムの問題点は、セル境界付近に移動端末がある場合、 それぞれのセルの基地局からの電波が干渉してしまうことである。しかし、双方の基 地局からの伝播特性が異なるため、希望する基地局との通信を干渉基地局力 の伝 播路状況が悪いサブキャリア、即ち、受信電力が低くなるサブキャリアを用いて通信 を行なうことにより、基地局との通信が可能となり、 1セル繰り返しセルラシステムが可 能となる。更に、サブキャリア単位での適応変調を行うと、伝播路特性は改善されるこ とが報告されている。
[0013] 適応変調を行ってセルラシステムの効率を向上させようとする技術として、特許文献 1に開示されている技術が知られている。この技術においては、サブキャリア単位で 希望波と干渉波の電力を測定し、所望の伝送速度が得られるサブキャリアのみを選 択して通信を行う。
[0014] なお、上記の OFDMに関する技術としては、例えば、特許文献 2、特許文献 3、非 特許文献 1に記載されて 、るものが知られて 、る。
特許文献 1:特開 2003— 304214号公報
特許文献 2:特開平 7— 79415号公報
特許文献 3:特開 2003— 115817号公報
非特許文献 1:中西俊之、三瓶政一、森永規彦著「サブキャリア適応変調方式を用い た 1セル繰り返し OFDMZTDMAシステムにおける干渉低減技術に関する検討」信 学技報、 RCS2002— 239、 . 2003
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0015] しカゝし、適応変調を実際の機器に実装する場合、 ARQ (Automatic Repeat reQuest )や FEC (Frame Error Correction)などの実装をするために実際に扱うデータは固 定長になる場合が殆どで、適応変調を行うことで伝送可能な情報量が数%増えても 実際にはその増えた分を使用できない場合が多い。例えば、情報が 256バイト、 512 バイト、 768バイト単位で 3種類力も選択されて通信が行なわれる場合、適応変調を
用いることにより 500バイトの伝送容量を得ることができても、実際に送信できるノイト 数は 256であり、 244バイト分の通信路容量が無駄になってしまう。
[0016] さらに、従来用いられている適応変調方式では、 SINR等の指標をもとに、一意的 に変調方式を割り当てているという問題がある。このことは、様々な特性をもつ OFD M受信装置が考えられる通信システムの場合、非常に問題点が多い。例えば、 64Q AM等のアナログ特性が悪 、端末に対しても、 SINRに基づ 、て 64QAMを割り当て てしまい、割り当てを行う時の SINRと、実際通信を行なうときの SINRが少し変化した だけで、通信エラーを起こしてしまうという問題がある。この問題に対しては予め 64Q AMの SINRの閾値、即ち TH— 64QAMに余裕を持たせておく等の解決策も考えら れる力 これでは適応変調としての効果が減少してしまうという問題がある。
[0017] また、従来用いられている適応変調方式は、 1セル繰り返しセルラシステムにおける 利用効率を向上させるために十分であるとはいえない。この理由は、 SINRに基づい て通信に用いる変調方式を決めているため、適応変調を行った端末と希望基地局と の通信においては、与えられた環境下では、ほぼ理想的な通信が行なわれるものの 、他セルへの影響、すなわち、無線通信システム全体としての通信路容量について は全く考慮されていないためである。したがって、自端末本位の通信になってしまい 、無線通信システム全体としての利用効率は向上しな 、場合がある。
[0018] 本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、データを固定長にそ ろえるための調整ビットを不要とするとともに、誤りが発生し易いサブキャリアの変調 方式を下げることにより通信特性を改善することができる OFDM送信装置、 OFDM 受信装置及び OFDM通信方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0019] 本発明は、一送信単位で伝送するデータ量が固定長であり、複数のサブキャリアを 用いてデータを伝送する OFDM送信装置であって、この OFDM送信装置は、 n (n は 1以上の整数)個の前記サブキャリア毎に変調方式を選択し、選択された変調方式 によりデータ伝送可能なデータ量を算出し、算出された伝送可能なデータ量が伝送 すべき固定長のデータ量と略等しくなるように前記サブキャリア毎に選択された変調 方式を調整する変調方式決定部を有する。
[0020] 本発明の OFDM送信装置は、前記複数のサブキャリアの受信特性を取得する受 信部をさらに有し、前記変調方式決定部は、前記受信部により取得されるサブキヤリ ァ毎の受信特性と変調方式により定まる閾値との差を算出し、サブキャリアの受信特 性以下の閾値を有する変調方式のうち最大の閾値を有する変調方式を前記サブキ ャリア毎に使用する選択された変調方式とし、 n個のサブキャリアのうち少なくとも 1つ のサブキャリアにつ!/、て選択された変調方式よりも少なくとも 1ステップ低 、閾値を有 する変調方式に変更することにより、伝送可能なデータ量が伝送すべき固定長のデ ータ量と略等しくなるように調整することができる。
[0021] また、本発明の OFDM送信装置において、前記変調方式決定部は、 n個のサブキ ャリア毎の受信特性と変調方式により定まる閾値との差が小さいサブキャリア力も順 に、上記選択された変調方式の変更を行ってもよい。
[0022] また、本発明の OFDM送信装置にぉ 、て、前記変調方式決定部は、 n個の前記サ ブキャリア毎に前記選択された変調方式の変更を行う際に、伝送可能なデータ量が 伝送する固定長のデータ量を下回るときには、そのサブキャリアに対する変調方式の 変更を中止するようにしてもょ 、。
[0023] また、本発明の OFDM送信装置にぉ 、て、前記変調方式決定部は、前記選択さ れた変調方式の変更を中止したサブキャリアの受信特性と変調方式により定まる閾 値との差の算出を、変更が中止された変調方式により定まる閾値を用いて行ってもよ い。
[0024] また、本発明の OFDM送信装置において、前記少なくとも 1つのサブキャリアの前 記選択された変調方式は、その変調方式より 1ステップ低い閾値を有する変調方式 に変更されるようにしてもょ 、。
[0025] また、本発明の OFDM送信装置にぉ 、て、前記変調方式決定部は、全てのサブ キャリアに対して前記選択された変調方式の変更が中止された場合には、伝送可能 なデータ量と伝送する固定長のデータ量とが異なっていても、 n個のサブキャリア毎 に前記選択された変調方式によりデータ伝送を行うようにしてもょ ヽ。
[0026] また、本発明の OFDM送信装置にぉ 、て、前記受信部は受信端末情報を受信又 は予め記憶しておくことにより取得し、前記変調方式決定部は、前記受信端末情報
が所定の受信特性を満たさな 、変調方式を示す場合には、 n個のサブキャリア毎の 受信特性と変調方式により定まる閾値との差から更に所定値を減算する処理を、上 記所定の受信特性を満たさない変調方式が前記選択された変調方式として設定さ れたサブキャリアにつ 、て行うようにしてもょ 、。
[0027] また、本発明の OFDM送信装置において、前記受信端末情報は、受信端末毎の アナログ回路の特性、受信性能、伝播路情報、又は、移動速度情報を含んでいても よい。
[0028] また、本発明の OFDM送信装置にぉ 、て、前記変調方式決定部は、前記所定の 受信特性を満たさな!/ヽ変調方式が複数存在する場合には、それらの変調方式毎に 異なる所定値を減算する処理を行うようにしてもょ ヽ。
[0029] また、本発明の OFDM送信装置にぉ 、て、前記変調方式決定部は、 n個のサブキ ャリア毎の受信特性と変調方式の閾値との差から更に所定値を減算する処理を、無 伝送以外で最も低い閾値を有する変調方式が前記選択された変調方式として設定 されたサブキャリアについて行い、前記所定値の減算結果が、変調方式の最小の閾 値よりも低 、サブキャリアを伝送に使用しな 、ようにしてもょ 、。
[0030] また、本発明の OFDM送信装置は、干渉を及ぼすセルがあるか否かについての 情報であるセル情報を予め又は前記受信部から受信して記憶するセル情報記憶部 を更に有し、前記変調方式決定部は、前記セル情報記憶部に記憶されているセル 情報に基づいて n個のサブキャリア毎の受信特性と変調方式の閾値との差力 更に 所定値を減算する処理を、無伝送以外で最も低!、閾値を有する変調方式が前記選 択された変調方式として設定されて 、るサブキャリアにつ 、て行 、、前記所定値の減 算結果が変調方式の最小の閾値よりも低いサブキャリアを無伝送キャリアとしてもよい
[0031] 前記 n個のサブキャリア毎の受信特性の一例として、 SINRを使用することが挙げら れる。
[0032] また、前記 n個のサブキャリア毎の受信特性の他の例として、 SNRを使用することが 考えられる。
[0033] 本発明に係る OFDM受信装置は、一送信単位で伝送するデータ量が固定長であ
り、複数のサブキャリアを用いて伝送されるデータを受信する OFDM受信装置であ つて、サブキャリア受信特性の情報、データ通信に干渉を及ぼすセルがあるか否か についての情報であるセル情報、受信端末情報のうち少なくとも 1つを送信する情報 送信部を有する。
[0034] 本発明に係る OFDM通信方法は、一送信単位で伝送するデータ量が固定長であ り、複数のサブキャリアを用いて OFDM送信装置力 OFDM受信装置に対してデ ータを伝送するための OFDM通信方法であって、前記 OFDM受信装置から前記 O FDM送信装置に対して前記複数のサブキャリアの受信特性を送信する第 1のステツ プと、前記 OFDM送信装置により前記第 1のステップで前記 OFDM受信装置から 送信された受信特性と変調方式により定まる閾値との差を算出する第 2のステップと 、前記 OFDM送信装置によりサブキャリアの受信特性以下の閾値を有する変調方 式のうち最大の閾値を有する変調方式を前記サブキャリア毎に使用する変調方式と して設定する第 3のステップと、サブキャリアに設定された変調方式のうち少なくとも 1 つのサブキャリアにつ 、て少なくとも 1ステップ低 、閾値を有する変調方式に再設定 することにより、伝送可能なデータ量が伝送すべき固定長のデータ量と略等しくなる ように調整する第 4のステップと、前記第 4のステップで再設定された変調方式に基 づ 、て、前記 OFDM送信装置から前記 OFDM受信装置にデータを伝送する第 5の ステップとを有する。
発明の効果
[0035] 本発明では、変調方式決定部により n個のサブキャリア毎に変調方式を選択し、選 択した変調方式によりデータ伝送可能なデータ量を算出し、算出した伝送可能なデ ータ量が前記 OFDM受信装置に伝送する固定長のデータ量と等しくなるようにサブ キャリア毎に変調方式を調整するようにした。
これにより、データを固定長にそろえるための調整ビットを使用する必要がなくなり、 誤りが比較的発生しやすいサブキャリアの変調方式を下げることにより通信特性を改 善することができる。
図面の簡単な説明
[0036] [図 1]図 1は、本発明の一実施形態による OFDM送信装置を示すブロック図である。
[図 2]図 2は、図 1に示された OFDM送信装置に含まれる変調方式決定部の第 1の 実施形態による適応変調処理を示すフローチャートである。
[図 3]図 3は、図 2に示されたフローチャートにおけるステップ S10の処理を実現する ためのプログラムを示す図である。
[図 4]図 4は、図 2に示されたフローチャートにおけるステップ S11の処理を実現する ためのプログラムを示す図である。
[図 5]図 5は、図 2に示されたフローチャートにおけるステップ S12の処理を実現する ためのプログラムを示す図である。
[図 6]図 6は、図 2に示されたフローチャートにおけるステップ S15の処理を実現する ためのプログラムを示す図である。
[図 7]図 7は、図 2に示されたフローチャートにおけるステップ S16の処理を実現する ためのプログラムを示す図である。
[図 8]図 8は、図 2に示されたフローチャートにおけるステップ S18の処理を実現する ためのプログラムを示す図である。
圆 9]図 9は、第 1の実施形態の変調方式決定部における適応変調処理の具体例を 示すための、サブキャリア毎の SINRと変調方式の閾値との関係を示すグラフである
[図 10]図 10は、図 1に示された OFDM送信装置に含まれる変調方式決定部の第 2 の実施形態による適応変調処理を示すフローチャートである。
[図 11]図 11は、第 2の実施形態の変調方式決定部における適応変調処理の具体例 を示すための、サブキャリア毎の SINRと変調方式の閾値との関係を示すグラフであ る。
[図 12]図 12は、図 1に示された OFDM送信装置に含まれる変調方式決定部の第 3 の実施形態による適応変調処理を示すフローチャートである。
[図 13]図 13は、第 3の実施形態の変調方式決定部における適応変調処理の具体例 を示すための、サブキャリア毎の SINRと変調方式の閾値との関係を示すグラフであ る。
[図 14]図 14は、 OFDMに使用される従来の OFDM送信装置を示すブロック図であ
る。
[図 15]図 15は、 OFDMに使用される OFDM受信装置を示すブロック図である。
[図 16]図 16は、従来の適応変調処理の具体例を示すための、サブキャリア毎の SIN Rと変調方式の閾値との関係を示すグラフである。
符号の説明
2 マッピング §
3 ヌルキャリア生成部
4 IFFT咅
5 PZS変換部
6 GI挿入部
7 DZA変換部
8 無線送信部
9 アンテナ部
10 変調方式決定部
11 SINR情報記憶部
12 セル情報記憶部
13 端末情報記憶部
14 受信部
15 誤り訂正符号部
16 SZP変換部
100 OFDM送信装置
305 OFDM受信装置
3051 誤り訂正復号部
3052 PZS変換部
3053 伝播路推定.デマッピング部
3054 FFT咅
3055 SZP変換部
3056 GI除去咅
3057 AZD変換部
3058 無線受信部
3059 アンテナ部
3060 同期部
発明を実施するための最良の形態
[0038] 以下に本発明の一実施开態による OFDM (Orthogonal Frequency Division Multip lexing)送信装置 100を、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、 OF DM送信装置 100から OFDM受信装置 305 (図 15参照)に対して、 OFDMによりデ ータを無線通信によって送信する場合について説明する。また、 OFDM送信装置 1 00は、 OFDM受信装置 305におけるサブキャリア毎の SINR (Signal to Interference and Noise power Ratio)を知っていることを前提として説明する。なお、無線通信シス テムによっては SNR (Signal to Noise power Ratio)を用いた方が良い場合もあるが、 以下に説明する本発明の実施形態では、一例として、 SINRを使用する場合につい て説明する。 OFDM送信装置 100側で OFDM受信装置 305における SINRの情報 を知る方法としては、様々な方法が考えられる力 例えば、 OFDM受信装置 305か ら OFDM送信装置 100に当該情報を通知する方法が考えられる。
[0039] 以下の説明では、 OFDMに使用するサブキャリア数を C本とする。送信に際しては 各サブキャリアの送信電力は等しく Pであり、送信に使用しないサブキャリアも存在す る。また、一送信単位によるデータ伝送において使用される OFDMシンボルは L個と する。また、一送信単位としてパケットを使用する場合について説明するが、一送信 単位としてフレーム構成のスロット等を使用することもできる。データ伝送においては 、このデータ伝送用の OFDMシンボルのほかに、 AGC (Auto Gain Control)、 AFC (Auto Frequency Control)用のシンボルや、各サブキャリアの変調方式を通知する ためシンボル MLI (Modulation Level Information)等のデータが必要となる。
[0040] 1回の通信にぉ ヽて送信すべきデータのビット数(一送信単位で伝送するデータ量 )は Rl、 R2、 R3のいずれかにより定まる固定長であるものとする。 Rl、 R2、 R3は整 数であり、 R1 <R2<R3の関係を満たす。これを、 lOFDMシンボル辺りのビット数 にするとそれぞれ、《R1ZL》、《R2ZL》、《R3ZL》である。ただし、《X》は
小数点以下を切り上げた Xに最も近い整数を意味する。以下に説明する実施形態で は、説明を簡単にするため、 Rl/ R2/ R3ZLのそれぞれは整数であると仮 定する。
各サブキャリアの変調方式は BPSK (Binary Phase Shift Keying)、 QPSK (Quadrat ure Phase Shift Keying)、 16Q AM (Quadrature Amplitude Modulation)、 64QAM のいずれかであり、それぞれ送信可能なビット数は 1、 2、 4、 6である。全てのサブキ ャリアで 16QAMが使用されたと仮定すると、 1回のデータ伝送で送信できるビット数 は 4 X C X Lビットになる。
[0041] 上述したように、 OFDM送信装置 100は、各サブキャリアの電力を Pで送信した際 の OFDM受信装置 305における SINRの情報を取得している。各サブキャリアの SI NRを SINR— cnumと表す。 cnumはサブキャリア番号であり、 l≤cnum≤Cの条件 を満たす整数である。それぞれの変調方式で通信し、所定の誤り率を満たすために 必要となる SINRの閾値を TH— (変調方式)で表す。即ち、 BPSKにおける SINRの 閾値を TH— BPSKと表し、 QPSKにおける SINRの閾値を TH— QPSKと表し、 16 QAMにおける SINRの閾値を TH— 16QAMと表し、 64Q AMにおける SINRの閾 値を TH— 64QAMと表す。
[0042] 図 1は、本発明の実施形態による OFDM送信装置 100の構成を示すブロック図で ある。ここでは、 OFDMのサブキャリア数が 768波であり、逆高速フーリエ変換にお けるポイント数が 1024である場合について説明する。
OFDM送信装置 100は、誤り訂正符合部 15、 SZP (シリアル Zパラレル)変換部 1 6、マッピング部 2、ヌルキャリア生成部 3、 IFFT (Inverse Fast Fourier Transform)部 4、 PZS (パラレル Zシリアル)変換部 5、 GI (ガードインターバル)挿入部 6、 D/A( ディジタル Zアナログ)変換部 7、無線送信部 8、アンテナ部 9、変調方式決定部 10、 SINR情報記憶部 11、セル情報記憶部 12、端末情報記憶部 13、受信部 14を有す る。
[0043] 受信部 14は、各サブキャリアにおける SINRの特性を示す SINR情報、各サブキヤ リアにおける受信特性の悪い変調方式について示す端末情報、各サブキャリアにお いて干渉を及ぼすセルがあるか否かを示すセル情報を、 OFDM受信装置 305 (図 1
5参照)から受信する。 OFDM送信装置 100が OFDM受信装置 305から SINR情報 、端末情報、セル情報を受信する場合には、 OFDM信号を使用する必要は必ずしも なぐその他の種々の通信方法を使用することが可能である。
SINR情報記憶部 11は、受信部 14が OFDM受信装置 305から受信する SINR情 報を取得し記憶する。セル情報記憶部 12は、受信部 14が OFDM受信装置 305か ら受信するセル情報を取得し記憶する。端末情報記憶部 13は、受信部 14が OFDM 受信装置 305から受信する端末情報を取得し記憶する。
変調方式決定部 10は、 SINR情報記憶部 11、セル情報記憶部 12、端末情報記憶 部 13にそれぞれ記憶されている SINR情報、セル情報、端末情報に基づき、 OFD M送信装置 100から送信される各サブキャリアにどのような変調方式を使用するかに ついて決定する。各サブキャリアの変調方式を決定する具体的方法については、変 調方式決定部 10の第 1〜第 3の実施形態毎に後述する。
誤り訂正符合部 15は、送信データに対して、誤り訂正符号化の処理を行う。 S/P 変換部 16は、誤り訂正符合部 15から出力されるデータを、各サブキャリアの変調に 値必要となるデータに変換する。
マッピング部 2は、変調方式決定部 10により決定される 768波の各サブキャリアに 対する変調方式に合わせて、送信データを各サブキャリアに割当てる。ヌルキャリア 生成部 3は、マッピング部 2から出力されるデータのうち、変調方式決定部 10によつ て使用しないと決定されたサブキャリアの電力を 0に設定する。つぎにヌルキャリア生 成部 3は IFFTのポイント数 1024に合わせた周波数データ f (0)〜f (1023)を生成し 、 IFFT部 4に出力する。 IFFT部 4は、これらの周波数データ f (0)〜f (1023)に、逆 高速フーリエ変換の処理を行い、 1024ポイントの OFDM信号の時間データ t (0)〜t (1023)を PZS変換部 5に出力する。 PZS変換部 5は、これらの時間データ t(0)〜 t (1023)のパラレル信号をシリアル信号に変換し、 GI挿入部 6に出力する。 GI挿入 部 6は、 PZS変換部 5から出力されるデータにガードインターバルを生成して、 DZ A変換部 7に出力する。ガードインターバルは、 OFDM信号のシンボル間干渉を低 減するために生成され、通常、 OFDM信号の後ろの信号がコピーされ、 OFDM信 号の先頭に付加される。 DZA変換部 7は、 GI挿入部 6から出力されるデータを、ディ
ジタル信号力もアナログ信号に変換し、無線送信部 8に出力する。無線送信部 8は、 DZA変換部 7から出力される信号を無線通信に使用する周波数に変換し、アンテ ナ部 9に出力する。アンテナ部 9は、無線送信部 8から出力される信号を、 OFDM受 信装置 305に送信する。
[0045] 次に、 OFDM送信装置 100における変調方式決定部 10の処理について説明する 図 2は、第 1の実施形態による変調方式決定部 10によって行われる処理を示すフロ 一チャートである。ここでは、 OFDM送信装置 100において、 OFDM受信装置 305 に S (S >0)ビットのデータ伝送を行う場合にっ 、て説明する。
始めに、変調方式決定部 10は、 SINR情報記憶部 11に記憶されている SINR情報 に基づいて、各サブキャリアの変調方式及び送信ビット数を決定し、余剰電力 CD— cnumを算出する(ステップ S10)。余剰電力 CD— cnumは、 SINR— cnum— TH— (変調方式)の式により演算される。変調方式は、各サブキャリアの SINRである SIN R— cnumと、各変調方式における SINRの閾値である TH— (変調方式)とを比較す ることにより決定される。ここでは、 SINR_cnumが TH— (変調方式)以上になる変 調方式のうち、最大の閾値を有する変調方式を選択する。選択した変調方式は、 CB —cnumとして記憶される。 CD— cnumの演算の際には、 TH— (変調方式)の(変調 方式)として、ステップ S 10で選択された変調方式が使用される。全てのサブキャリア で同様の演算が行なわれる。ステップ S10における処理を行うプログラムを図 3に示 す。
[0046] 次に、 OFDM送信装置 100から OFDM受信装置 305へデータを送信する際に、 所定の誤り率を満たし lOFDMシンボルで通信できる最大のビット数 Rmを求める(ス テツプ Sl l)。即ち、ステップ S 10で求めた CB— cnumを全てのサブキャリアについ て加算する。ステップ S11における処理を行うプログラムを図 4に示す。
ステップ S12では、実際に lOFDMシンボルで送信するビット数 Rrを決定し、余剰 ビット数 Raを算出する。パケット全体で送信するビット数がこの例では Rl、 R2、 R3の 3つのうち 1つと決められているため、このステップ S12が必要となる。ステップ S11で 求めた Rmと RlZL、 R2/ R3ZLとを比較し、 Rmより小さい値の中で、最も大き
い RnZUnは 1〜3の整数)を選択する。ただし、送信すべきビット数が Rmより小さい 場合は、送信ビット数 Sと RnZLを比較し、適切な RnZLを選択する。また、余剰ビッ ト数 Raはステップ S11で求められた最大のビット数 Rmと実際に送信するビット数 Rr の差として求められる。ステップ S 13における処理を行うプログラムを図 5に示す。
[0047] 次に、上記ビット数 Rrが 0であるか否かにつ!、て判断する(ステップ S13)。ここで Rr 力 SOである場合は、要求される誤り率では、伝送不可能であることを示すので、ステツ プ S13で「no」と判断し、異常処理としてフローチャートの処理を終了する。この場合 は、送信を停止し、伝播路状態が変わるのを待つか、または最初に設定した誤り率を 変更して、図 2によるフローチャートの処理を再開する。
Rrが 0でない場合、ステップ S13で「yes」と判断し、ステップ S19へ進む。 ステップ S 19では、 mを 0に設定し、ステップ S 14へ進む。ステップ S 14では余剰ビ ットの有無を判定する。余剰ビットがなくなる、即ち、 Ra = 0であれば、処理が正常終 了となり、送信データを OFDMシンボルに割り当て送信を行なう。
[0048] 次に、余剰電力が最も低いサブキャリア番号 kを検索する(ステップ S 15)。ステップ S15における処理を行うプログラムを図 6に示す。
次に、サブキャリア kの変調方式を 1ステップ低くして、送信できるビット数を減らした 場合のビット数の減少値 Daを算出し、新たな余剰電力 CD— kを設定する (ステップ S
16)。 CD— kは、変調方式を 1ステップ低くした場合の電力になるので、 TH— (変調 方式)の差で表される。ステップ S16における処理を行うプログラムを図 7に示す。 次に、 Raと Daの差分をとり、その差分の値が負であるか否かを判断する (ステップ S
17)。
[0049] ステップ S17において Ra— Da≥0の関係を満たしている場合には、「yes」と判断し 、ステップ S18へ進む。ステップ S18では、実際に kの変調方式を 1ステップ低くし、 新たに CB_kを設定する。ステップ S18における処理を行うプログラムを図 8に示す これにより余剰ビット数 Ra力も Daが減算される。次に、ステップ S19に戻り、 Raが 0 になるまで、ステップ S19およびステップ S14〜S18の処理を繰り返し行なう。なお、 ステップ S18で負になるのは、ここでは、 Ra= l、 Da = 2になる場合である。従って、
Da= lになるまで、次の候補を検索する。ここで、ステップ S20で mに 1を加算し、ス テツプ S21で mが Cになるまで検索を繰り返す理由は、 C回検索することにより、全て のサブキャリアへの検索が終了できると考えられるためである。全てのサブキャリアの 検索を終えても Daが 1となるサブキャリアがない場合は、 Raが 1のまま正常終了して 送信を開始する。
[0050] 以上の説明をより理解しやすくするために、上述した処理を具体的な数値を用いて 以下に説明する。なお、説明を簡素化するため、誤り訂正等による冗長なビットは考 慮していない。
使用するキャリア数 Cを 10、パケットのデータ伝送に使用する OFDMシンボル数 L を m、 1回の通信において送信すべきデータのビット数 Rl、 R2、 R3をそれぞれ 200 、 300、 400とする。この場合、 lOFDMシンボルで送信すべきビット数はそれぞれ、 20、 30、 40となる。
[0051] 図 9は、 OFDM送信装置 100から全サブキャリアを同一電力で送信した場合にお ける OFDM受信装置 305でのサブキャリア毎の SINRと変調方式の閾値の関係を示 すグラフである。 OFDM送信装置 100は、受信部 14により SINR情報を OFDM受 信装置 305から取得する。図 9の縦軸は SINR、横軸はサブキャリア番号 (0〜9)であ る。また、 A、 B、 C、 Dは各変調方式における SINRの閾値の差である。即ち、 TH— 64QAMと TH— 16QAMの SINRの閾値の差を A、 TH— 16QAMと TH— QPSK の SINRの閾値の差を B、 TH— QPSKと TH— BPSKの SINRの閾値の差を C、 TH — BPSKの SINRの閾値を Dとする。
[0052] 始めに、各サブキャリアに適した変調方式を決定し余剰電力を求める(図 2のステツ プ S10)。サブキャリア番号 cnumと、選択された変調方式により送信可能なビット数 CB— cnumと、余剰電力 CD— cnumとを(cnum、 CB— cnum、 CD— cnum)のよう に表すと、図 9より、次の 10対の信号を得ることができる。
(cnum, CB— cn腹、 CD— cnum) = (0、 6、 a)、 (1、 4、 b)、 (2、 4、 c)、 (3、 4、 d) 、 (4、 2、 e)、 (5、 1、 f)、 (6、 0、 null)、 (7、 0、 null)、 (8、 1、 g)、 (9、 2、 h) ただし、 a〜hについては、 b >a>f>e>g>c >h>dの関係を満たしており、それら の値は、 A、 B、 C、 Dのどの値よりも小さいものとする。なお、 nullはこのフローチヤ一
トによる処理に関係しな 、ので定義して!/ヽな 、。
[0053] 次に、最大送信可能なビット数 Rmを算出する (ステップ Sl l)。ここでは、 Rm=6 + 4+4+4 + 2+ 1 + 1 + 2 = 24となる。
次に、実際に送信するビット数 Rrと、余剰ビット数 Raとを算出する (ステップ S12)。 Rrは 20、 30、 40の! /、ずれ力であり、 20< 24< 30であるため、 Rr= 20となる。また、 余乗 (Jビット数 Raは、 Ra = Rm— Rr = 24— 20 = 4となる。
ステップ S19でパラメータ mに初期値が設定された後、 Raが 0かどうかが判定される (ステップ S14)。ここでは、 Raは 4であり 0でないため、「yes」と判断され、ステップ S1 5へ進む。そして、 CB— cnum>0を満たすサブキャリアの中力も余剰電力が最も低 いものが検索される (ステップ S 15)。先の仮定から、余剰電力が一番小さいサブキヤ リア 3が選ばれる。
この選択されたサブキャリアの変調方式を 1ステップ下げた場合の、ビット数の減少 値 Daを求め、新たな余剰電力 CD— 3を決定する(ステップ S16)。ここでは、 CB— 3 =4なので Da = 2、 CD— 3 = Bとなる。
[0054] 次にビット数を減らしすぎていないことを確認する (ステップ S 17)。ここで、サブキヤ リア 3の変調方式を減らすことが決定したので、(3、 4、 d)は(3、 2、 B)になる。
そして、ステップ S 19、 S14、 SI 5の処理を行いステップ SI 6へ進む。
ステップ S16で選択されるサブキャリアは、 2番目に余剰電力が小さいサブキャリア 9である。同様に処理した後、ステップ S18では、 Ra= lとなり、(9、 2、 h)は(9、 1、 C )【こなる。そして、ステップ S19、 S14、 SI 5の処理を行!ヽステップ SI 6へ進む。
次に、ステップ S15で選択されるサブキャリアは、 3番目に余剰電力が小さいサブキ ャリア 2である。ステップ S 16では CD— 2は cから Bになる力 これは先程と違い、ステ ップ S17で Ra= l、 Da = 2、 Ra— Da=— 1となり、ステップ S 20へ進む。ステップ S 2 0では、 m=0に 1が加算され m= lとなり、ステップ S21へ進む。ステップ S21では、 全てのサブキャリアの試行が終わってない、即ち、 m=Cではないことを確認し、ステ ップ S 15へ進む。そして、次の候補となるサブキャリアを選択する。
先のステップ S 16で cが Bに変更されているので、ステップ S 15ではサブキャリア番 号 8力選択される。そして、ステップ S19、 S14、 S15、 SI 6の処理を行いステップ SI
7へ進む。ステップ 317では 65」と判断し、ステップ S18へ進む。ステップ S18では 、 CB一 8 = 0、 Ra = 0となる。これは(8、 1、 g)力(8、 0、 D)になることを意味する。
[0055] 次に、ステップ S 19へ進んだ後、ステップ S 14に進む。ステップ S 14では、 Ra=0な ので「no」と判断し、フローチャートの処理を正常終了する。
以上の処理の結果、図 2に示されたフローチャートによる処理を始める前は、 (cnum、 CB— cn腹、 CD_cnum) = (0、 6、 a)、(1、 4、 b)、(2、 4、 c)、(3、 4、 d) 、(4、 2、 e)、(5、 1、 f)、(6、 0、 null)、(7、 0、 null)、(8、 1、 g)、(9、 2、 h) であったのが、
(cnum、 CB— cn腹、 CD_cnum) = (0、 6、 a)、(1、 4、 b)、(2、 4、 B)、(3、 2、 B )、(4、 2、 e)、(5、 1、 f)、(6、 0、 null)、(7、 0、 null)、(8、 0、 D)、(9、 1、 C) となる。このように、 cnum= 2、 3、 8、 9の組み合わせが変更されている。また、 cnum = 3、 8、 9については、変調方式が変更されている。図 9に第 1の実施形態により選 択される各サブキャリアの変調方式を示して 、る。
以上のような処理を行うことにより、従来のようにデータを固定長にそろえるための 調整ビットを使用する必要がなくなり、かつ、誤りが比較的発生しやすいサブキャリア の変調方式を 1ステップ低 、速度の変調方式に変更することから、通信特性も改善さ れる。もちろんスループットの低下もない。
[0056] 次に、第 2の実施形態による OFDM送信装置 100によって行われる処理について 説明する。
図 10は、第 2の実施形態の変調方式決定部 10によって行われる処理を示すフロ 一チャートである。本実施形態では、 OFDM受信装置 305の特性を鑑みて各サブキ ャリアに変調方式を割り当てるようにしている。この説明では、 OFDM受信装置 305 は、変調方式に 64QAMを使用するとアナログ回路の特性が悪い場合を想定して説 明する。このため、以下に説明するように、 OFDM送信装置 100は、 64QAMの変 調方式をできるだけ割り当てないでデータ伝送を行う。なお、第 1の実施形態で説明 した処理と同じ処理を行う部分については、同一の符号を付してその説明を省略す る。
この第 2の実施形態では、サブキャリアの変調方式に 64QAMが選択された場合の
余剰電力の計算方法 (ステップ S30)において第 1の実施形態とは相違している。第 1の実施形態では、余剰電力を SINR— cnum— TH— (変調方式)として定義してい た力 第 2の実施形態においては、 64Q AMの選択時のみ SINR— cnum— TH— 6 4QAM— alphaという計算を行う。ただし、(TH— 64QAM— TH— 16QAM) >alp ha>0である。
[0057] OFDM送信装置 100は、受信部 14により OFDM受信装置 305から受信する SIN R情報と端末情報とを、予め SINR情報記憶部 11と端末情報記憶部 13とにそれぞれ 記憶する。端末情報記憶部 13に記憶している端末情報として、 64QAMの SINRの 変化に対する耐性が弱 ヽと ヽぅ情報が含まれて ヽた場合に、 alphaを 0より大き 、値 に設定する。これにより、サブキャリアの変調方式として 64QAMが選択される割合が 変化する。なお、 64QAMの SINRの変化に対する耐性が非常に弱い場合には alph aの上限値に近く設定することが好ましぐ逆に、 64QAMの SINRの変化に対する耐 性がそれほど弱くな 、場合には 0に近 、値に設定することが望ま 、。
[0058] 図 11は、本実施形態による OFDM受信装置 305におけるサブキャリア毎の SINR と変調方式の閾値との関係を示すグラフである。
第 1の実施形態の場合と同様に、サブキャリア番号 cnumと、選択された変調方式 により送信可能なビット数 CB— cnumと、余剰電力 CD— cnumとを(cnum CB_c num CD— cnum)のように表す。図 11を参照すると、ステップ S 30において、次の 10対の信号を得ることができる。
(cnum, CB— cn CD— cnum) = (0 6 a -alpha) (1 4 b) (2 4 c) ( 3 4 d) (4 2 e) (5 1 f) (6 0 null) (7 0 null) (8 1 g) (9 2 h) ただし、余剰電力について、 b>f >e>g>c>h> d > (a— alpha)の関係を満たし ているものとする。
[0059] 図 10のフローチャード【こお!ヽて、ステップ S30 S11 S13 S19 S14の処理を 行った後、ステップ S 15で余剰電力が最小となるサブキャリアが選択される。
本実施形態では、まずサブキャリア番号 0が選択される。次に、ステップ S16 S18 の処理が行われる。ステップ S18では CB— 0=4 Ra= 2となる。次に、ステップ S19 、ステップ S 14の処理が行われ、ステップ S 15へ進む。ステップ S 15では、サブキヤリ
ァ番号 3が選択される。ステップ S16、 S17の処理を行った後、ステップ S18において CB— 3 = 2、 Ra = 0となり、フローチャートによる処理が正常終了する。図 11の最下 欄は第 2の実施形態により選択される各サブキャリアの変調方式を示す。
これ力 分力るように、通信特性の劣化の大きい 64QAMは選択されず、かつ、従 来のようにデータを固定長にそろえるための調整ビットを使用する必要がなくなる。更 に、誤りが比較的発生しやすいキャリアの変調方式を 1ステップ低い速度の通信方式 に変更したことから、通信特性を改善することができる。もちろんスループットの低下も ない。
なお、本実施形態では端末情報として、 64QAMの SINRの変化に対する耐性が 弱!、と 、うアナログ回路の特性にっ 、ての情報を使用する場合にっ 、て説明したが 、これに限定されるものではない。例えば、端末情報として、受信端末の受信性能、 伝播路情報、又は移動速度情報などを使用することもできる。
[0060] 図 12は、第 3の実施形態による変調方式決定部 10によって行われる処理を示すフ ローチャートである。本実施形態では、セルラシステムのように隣接するエリアで同一 周波数を用いた通信が行われて 、る場合に、他セルへの影響をできるだけ軽減する ように、変調方式を割り当てるようにしている。適応変調の方法として、データ通信に 使用しな 、サブキャリアは送信しな 、と 、う方法があるが、本実施形態では適応変調 において、スループットと通信特性を保証しつつ、データを送信しないサブキャリアを 優先的に選択する。
この第 3の実施形態は、変調方式に BPSKが選択された場合の余剰電力の計算方 法 (ステップ S40)と、使用しないサブキャリアの送信電力を 0に設定する処理 (ステツ プ S41)において第 1の実施形態と相違している。なお、以下の説明において、第 1 の実施形態で説明した処理と同じ処理を行う部分については、同一の符号を付して その説明を省略する。
第 1の実施形態では、余剰電力を SINR— cnum— TH— (変調方式)として定義し ていたが、本実施形態においては、 BPSKの選択時のみ SINR— cnum—TH— BP SK— betaという計算を行う。ただし、 TH— BPSK > beta >0であるものとする。
[0061] OFDM送信装置 100は、受信部 14により OFDM受信装置 305から受信する SIN
R情報とセル情報とを、予め SINR情報記憶部 11とセル情報記憶部 13とにそれぞれ 記憶する。セル情報記憶部 13に記憶されるセル情報は、干渉を及ぼすセルがあるか 否かに関する情報である。干渉を及ぼすセルがあるか否かは、予め設定するか、また は OFDM送信装置 100が OFDM受信装置 305から受信する電波力も判定すること により行われる。干渉を及ぼすセルがあると判定した場合、 OFDM送信装置 100は b etaを 0以上に設定する。これにより、そのサブキャリアが選択される割合が変化する 。なお、隣接するセルが多い場合には betaの上限値に近く設定することが好ましぐ 逆に、少な 、場合には 0に近 、値に設定することが望ま U
[0062] 図 13は、本実施形態による OFDM受信装置 305におけるサブキャリア毎の SINR と変調方式の閾値との関係を示すグラフである。
第 1の実施形態と同様に、サブキャリア番号 cnumと、選択された変調方式により送 信可能なビット数 CB— cnumと、余剰電力 CD— cnumとを(cnum CB— cnum C D— cnum)のように表す。図 13を参照すると、ステップ S40において、次の 10対の 信号を得ることができる。
(cnum, CB— cn CD— cnum) = (0 6 a) (1 4 b) (2 4 c) (3 4 d) (4 2 e) (5 1 f— beta) (6 0 null) (7 0 null) (8 1 g— beta) (9 2 h)
ただし、余剰電力について b>e>c >h>a>d> (f— beta) > (g— beta)の関係を 満たしているものとする。
[0063] 図 12のフローチャード【こお!ヽて、ステップ S40 S11 S13 S19 S14の処理を 行った後、ステップ S 15で余剰電力が最小となるサブキャリアが選択される。
本実施形態では、まずサブキャリア番号 8が選択される。次に、ステップ S16 S18 の処理が行われる。ステップ S18では CB— 8 = 0 Ra= 3となる。さらに、ステップ S1 9、ステップ S 14の処理が行われ、ステップ S 15へ進む。ステップ S 15では、サブキヤ リア番号 5が選択される。次に、ステップ S16 S18の処理が行われる。ステップ S18 では CB— 5 = 0 Ra = 2となる。次に、ステップ S19、ステップ S 14の処理が行われ、 ステップ S15へ進む。ステップ S15では、サブキャリア番号 3が選択される。次に、ス テツプ S16 S18の処理が行われる。ステップ S18では CB 3 = 2 Ra=0となり、ス
テツプ S19の処理を行い、ステップ S14へ進む。ステップ S14では、 Ra=0であるた め、「no」と判断し、ステップ S41へ進む。ステップ S41では、 CB— cnum=0である C B— 5及び CB— 8のサブキャリアの送信電力を 0に設定する。こうして、フローチヤ一 トに示された処理を正常終了する。図 13の最下欄は第 3の実施形態により選択され る各サブキャリアの変調方式を示す。
これ力 分力るように、送信電力を割り当てない no txで表されるサブキャリアが増 え、かつ、従来のようにデータを固定長にそろえるための調整ビットを使用する必要 がなくなる。更に、誤りが比較的発生しやすいサブキャリアの変調方式が下げられた ことから、通信特性を改善することができる。もちろんスループットの低下もない。
[0064] 以上、第 1〜第 3の実施形態による変調方式決定部 10を有する OFDM送信装置 1 00についてそれぞれ説明した力 このような構成に限定されるものではい。 OFDM 送信装置 100は、第 1〜第 3の実施形態による変調方式決定部 10の機能を組み合 わせた変調方式決定部を有してもょ ヽ。
また、上述した第 1〜第 3の実施形態では、 OFDM送信装置 100の受信部 14にお Vヽて OFDM受信装置 305から受信特性として SINR情報を取得し、その SINR情報 を SINR情報記憶部 11に記憶する場合つ 、て説明したが、このような構成に限定さ れるものではない。すなわち、受信部 14において OFDM受信装置 305から受信特 性として SNR情報を取得し、その SNR情報に基づいて変調方式決定部 10によって サブキャリアに適用する変調方式を決定するようにしても構わな 、。
[0065] また、上述した第 1〜第 3の実施形態では、サブキャリア毎に変調方式を選択する 場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、複数 個のサブキャリア毎に変調方式を選択する構成にすることも可能である。
また、変調方式を選択する代わりに、符号化率、拡散率、送信ダイバーシティ法の いずれかを選択して OFDM通信を行う構成にすることも可能である。
[0066] なお、以上説明した実施形態において、変調方式決定部 10などの機能を実現す るためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒 体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより OFDM送信装置 100の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム
」とは、 OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
[0067] また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気 ディスク、 ROM, CD— ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハー ドディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」 とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを 送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場 合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一 定時刻プログラムを保持しているものも含む。また上記プログラムは、前述した機能の 一部を実現するためのものであっても良ぐさらに前述した機能をコンピュータシステ ムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良 い。
[0068] 以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきた力 具体的な構 成はこの実施形態に限られるものではなぐこの発明の要旨を逸脱しない範囲の設 計等も含まれる。
産業上の利用可能性
[0069] 本発明は、複数のサブキャリアを使用して OFDM通信を行う OFDM送信装置、 O FDM受信装置及び OFDM通信方法に適用することができ、複数のサブキャリアに より適切な変調方式を割り当てることによって、通信特性を改善することができる。