JP2002016288A - Iii族窒化物系化合物半導体発光素子 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体発光素子

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JP2002016288A
JP2002016288A JP2000192292A JP2000192292A JP2002016288A JP 2002016288 A JP2002016288 A JP 2002016288A JP 2000192292 A JP2000192292 A JP 2000192292A JP 2000192292 A JP2000192292 A JP 2000192292A JP 2002016288 A JP2002016288 A JP 2002016288A
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Toshiya Kamimura
俊也 上村
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 III族窒化物系化合物半導体発光素子の発光
観察面における均一発光を達成する。 【構成】 透光性電極を絶縁部で区切って複数の電流拡
散経路を形成して各電流拡散経路の抵抗を区切る前のプ
レーンな透光性電極自体より高くする。これにより、電
流拡散経路の電流は当該電流拡散経路から半導体層側へ
流れ込み易くなり、電流は一極に集中することなく半導
体層の全面へ均等に分配される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIII族窒化物系化合物半
導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】III族窒化物系化合物半導体は発光ダイ
オード等の発光素子に用いられる。かかる発光素子で
は、例えばサファイア製の基板表面に素子機能を有する
III族窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長さ
せた構成である。発光ダイオードを例にとれば、基板の
上にn型クラット層\発光層\p型クラッド層を順次積
層した構成である。サファイア基板は絶縁性であるた
め、正電極及び負電極を一の面側から取り出す必要があ
る。負電極(n型台座電極)を設けるために、n型クラ
ッド層の下にはコンタクト層が形成され、その一部がエ
ッチングにより表出される。p型のIII族窒化物系化合
物半導体層は一般に高抵抗であるため、p型クラッド層
の上に正電極(p型台座電極)を設けただけではp型ク
ラッド層の全域に電流が分散されない。そこで従来か
ら、p型クラッド層のほぼ全面に透光性電極を貼着して
いる。又、かかる透光性電極とp型クラッド層との間に
p型コンタクト層を設けている場合もある。これによ
り、p型台座電極の電流が透光性電極を介してp型半導
体層の全域へ注入されるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の観察によれば、従来の技術ではp型半導体層におい
て電流密度は均一とならず、その結果発光層における電
流密度に差異が生じて、発光観察面(透光性電極側)に
明るい部分と暗い部分とが生じていた。特に、チップの
径が大きくなるとこのような明るい部分と暗い部分との
コントラストが無視できない程度となる。本発明者はこ
のような不均一発光の原因を探るため鋭意検討を重ねて
きた結果、n型コンタクト層の電気抵抗の影響に思い至
った。即ち、水のように流れ易きに流れるという電流の
性質に鑑みれば、透光性電極に注入された電流も最も電
気抵抗の小さい部分に流れることとなる。一方、透光性
電極に比べてn型コンタクト層は抵抗率が高い。n型コ
ンタクト層においてはn型台座電極から離れれば離れる
ほど抵抗が大きくなので、透光性電極から注入された電
流はn型コンタクト層において抵抗の小さい部分、即ち
n型台座電極の付近へ集中して流れることとなる。実際
発光ダイオードを観察した場合においてもn型台座電極
の周囲が明るい部分であり、これから離れるにつれて暗
い部分が多くなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は発光観察面に
おける均一発光を達成するために鋭気検討を重ねてきた
結果、下記構成の本発明を想到するに至った。即ち、透
光性電極が絶縁部で区切られて複数の電流拡散経路が形
成され、前記各電流拡散経路の第1の端部はp型台座電
極に接続されて該p型台座電極からの電流が前記各電流
拡散経路へ分配される、ことを特徴とするIII族窒化物
系化合物半導体発光素子。
【0005】このように構成されたIII族窒化物系化合
物半導体発光素子によれば、透光性電極を絶縁部で区切
って形成した複数の電流拡散経路は、区切られていない
もとの透光性電極に比べれば、その断面積が小さくな
る。また、複数の拡散経路を設けることにより、そのう
ちの少なくとも一つの長さはp型台座電極とn型台座電
極との距離(正確には、平面視における距離)より長く
なる。従って、区切られていないもとの透光性電極に比
べて各電流拡散経路の電気抵抗は大きくなる。これによ
り、p型台座電極から各電流拡散経路に注入された電流
は、n型台座電極付近から集中して半導体層へ流れ込む
ことが無くなる。即ち、電流拡散経路の抵抗が大きくな
った結果、半導体層の抵抗と電流拡散経路自体の抵抗と
の差が比較的小さくなって半導体層側へ電流が流れ込み
易くなる。これにより、電流がn型台座電極の付近に著
しく集中することが防止される。よって、発光観察面か
ら見たときの不均一発光が防止乃至緩和される。
【0006】以下、この発明を構成する要素について詳
細に説明する。各電流拡散経路はそのp型台座電極に接
続する第1の端部からもう一方の端部(第2の端部)ま
での距離が長ければ長いほど、またその幅が狭ければ狭
いほど高い抵抗を有するものとなるので、電流拡散経路
の電流を半導体層側へより多く注入できるものとなる。
電流拡散経路を構成する透光性電極材料自体の抵抗率を
高くすることにより電流拡散経路の抵抗を上げることも
可能である。電流拡散経路の抵抗がn型コンタクト層に
比べて格段に大きくなると、今度は発光観察面におい
て、p型台座電極の周囲のみが明るくなりこれから離れ
るに従って暗くなるという現象が観察された。従って、
各電流拡散経路の抵抗は、n型コンタクト層の抵抗を考
慮しつつ適宜設定していく必要がある。
【0007】各電流拡散経路の抵抗を設定する際には、
各電流拡散経路の電流密度が等しくなるようにすること
が好ましい。これにより、各電流拡散経路から半導体層
へ注入される電流密度も等しくなり、より均一な発光が
得られることとなる。各電流拡散経路の電流密度を等し
くするには各電流拡散経路の電気抵抗を等しくすればよ
い。抵抗(R)は導電率(σ)と断面積(A)に反比例
し長さ(l)に比例するので、これらのパラメータを適
宜選択することにより、各電流拡散経路の抵抗を等しく
することが可能である。
【0008】このうち、導電率(σ)は形成材料に依存
するので各電流拡散経路毎に制御することは困難であ
る。また、電流拡散経路の厚さに変化を与えることも困
難である。そこで、各電流拡散経路においては、その長
さと幅を等しくすることが各電流拡散経路の電気抵抗を
等しくする最も簡便な方法である。なお、電流拡散経路
の幅に変化を持たせることを何ら制限するものではな
い。
【0009】この発明は最外径が700μm以上の発光
素子に適用することが好ましい。矩形チップの場合、一
辺の長さが500μm以上(最外径では700μm以
上)のチップに適用されることが好ましい。このように
チップサイズが大きくなると、従来のようなプレーンな
透光性電極では、十分な電流密度が得られずに暗くなっ
てしまう部分が容認できないほどに大きな領域となり、
かつその領域が素子の中央部分に現出して発光態様を不
適なものとする惧れがある。更に好ましくは、矩形チッ
プの場合、一辺の長さが600μm以上であり、更に更
に好ましくは一辺の長さが700μm以上であり、最も
好ましくは800μm以上である。素子の平面視形状は
矩形に限定されるものではなく、円形、楕円径、多角形
等任意に設計できる。
【0010】電流拡散経路を区画する絶縁部は電流拡散
経路間を絶縁するものである。実施例では溝(数μm
幅)によりこの絶縁部を形成した。この溝は二酸化シリ
コン製等の保護膜で充填される場合がある。透光製電極
材料(電流拡散経路の形成材料)をp型コンタクト層へ
蒸着するときのマスクを用いてこの溝は形成される。エ
ッチングによりこの溝を形成することも可能である。各
電流拡散経路の一端(第1の端部)はp型台座電極に接
続されるものとする。p型台座電極から補助電極が延設
される場合には、この補助電極に接続されておればよ
い。各電流拡散経路の他端(第2の端部)の配置は特に
限定されるものではないが、n型台座電極に対向してい
ると各電流拡散経路の電気抵抗を等しくし易い。各電流
拡散経路の両端の電気的な環境を一致させることによ
り、各電流拡散経路の電流密度の均一化を図り易くな
る。
【0011】III族窒化物系化合物半導体は、一般式と
してAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦
Y≦1、0≦X+Y≦1)で表され、AlN、GaN及
びInNのいわゆる2元系、AlGa1−xN、Al
In1−xN及びGaIn1−xN(以上において
0<x<1)のいわゆる3元系及びAlGaIn
1−X−YN(0<X<1、0<Y<1)の4元系を包
含する。III族元素の一部をボロン(B)、タリウム
(Tl)等で置換しても良く、また、窒素(N)の一部
もリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビ
スマス(Bi)等で置換できる。発光素子の素子機能部
分は上記2元系若しくは3元系のIII族窒化物系化合物
半導体より構成することが好ましい。III族窒化物系化
合物半導体は任意のドーパントを含むものであっても良
い。n型不純物として、Si、Ge、Se、Te、C等
を用いることができる。p型不純物として、Mg、Z
n、Be、Ca、Sr、Ba等を用いることができる。
なお、p型不純物をドープした後にIII族窒化物系化合
物半導体をさらに低抵抗化するために電子線照射、プラ
ズマ照射若しくは炉により加熱することも可能である。
III族窒化物系化合物半導体は、有機金属気相成長法
(MOCVD法)のほか、周知の分子線結晶成長法(M
BE法)、ハライド系気相成長法(HVPE法)、スパ
ッタ法、イオンプレーティング法、電子シャワー法等に
よっても形成することができる。発光素子の構成として
は、MIS接合、PIN接合やpn接合を有したもの
や、ホモ構造、ヘテロ構造若しくはダブルへテロ構造の
ものを用いることができる。発光層として量子井戸構造
(単一量子井戸構造若しくは多重量子井戸構造)を採用
することもできる。
【0012】電流拡散経路の形成材料は、透光性電極と
同様に、コバルト及び金を含んでなる合金で形成するこ
とが耐久性の点で好ましい。コバルト及び金を含んでな
る透光性電極は耐水性に優れている。したがって、通常
の使用環境下において、SiOxなどの保護膜がない場
合や、保護膜としての機能が不充分の場合であっても良
好な耐久性を確保できる。コバルトの一部をニッケル(N
i)、鉄(Fe)、銅(Cu)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、バナ
ジウム(V)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)
のうち少なくとも一種の元素で置換し、金の一部をパラ
ジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)のうち少なくと
も1種の元素で置換することも可能であるが、あくまで
も耐水性を有する範囲とする。即ち、電流拡散経路はコ
バルト・金合金製とすることが好ましい。かかる電流拡
散経路は、第1電極層としてコバルトを0.5〜15n
mの膜厚でp型コンタクト層の上に積層し、当該コバル
ト層の上に第2電極層として金を3.5〜25nmの膜
厚で積層する。その後、熱処理により両者を合金化させ
る。熱処理後において、p型コンタクト層の表面から深
さ方向の元素分布は、CoよりもAuが深く浸透した分布と
なる。ここに、熱処理は酸素を含むガス中において行う
ことが好ましい。このとき、酸素を含むガスとしては、
O2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、又は、H2Oの少なくと
も1種又はこれらの混合ガスを用いることができる。又
は、O2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、又は、H2Oの少な
くとも1種と不活性ガスとの混合ガス、又は、O2、O3
CO、CO2、NO、N2O、NO2、又は、H2Oの混合ガスと不活性
ガスとの混合ガスを用いることができる。要するに酸素
を含むガスは、酸素原子、酸素原子を有する分子のガス
の意味である。熱処理時の雰囲気の圧力は、熱処理温度
において、窒化ガリウム系化合物半導体が熱分解しない
圧力以上であれば良い。酸素を含むガスは、O2ガスだけ
を用いた場合には、窒化ガリウム系化合物半導体の分解
圧以上の圧力で導入すれば良く、他の不活性ガスと混合
した状態で用いた場合には、全ガスを窒化ガリウム系化
合物半導体の分解圧以上の圧力とし、O2ガスは全ガスに
対して10-6程度以上の割合を有しておれば十分であ
る。要するに、酸素を含むガスは極微量存在すれば十分
である。尚、酸素を含むガスの導入量の上限値は、p型
低抵抗化及び電極合金化の特性からは、特に、制限され
るものではない。要は、製造が可能である範囲まで使用
できる。熱処理に関しては、最も望ましくは、500〜
600℃である。500℃以上の温度で、抵抗率が完全
に飽和した低抵抗のp型窒化ガリウム系化合物半導体を
得ることができる。又、600℃以下の温度において、
電極の合金化処理を良好に行うことができる。又、望ま
しい温度範囲は、450〜650℃である。詳しくは特
願2000−92611号(出願人整理番号990472、代
理人整理番号:P0197)を参照されたい。
【0013】発光素子をフリップチップ型としてLED
を構成する場合は、p型半導体層へ貼着される電極材料
には透光性が要求されない。この場合には電流拡散経路
の形成材料として、p型III族窒化物系化合物半導体に
対してオーム接触の得られる材料(主として金及び金合
金)が採用される。
【0014】p型台座電極の形成材料も特に限定される
ものではないが、例えば下側から第1金属層としてV
層、第2金属層としてAu層及び第3金属層としてAl
層を順次積層する構造とする。第1金属層はその下の層
と強固に結合できるように、第2の金属層よりもイオン
化ポテンシャルが低い元素とする。第2の金属層はAl
又はAuとのボンディング性が良好で、かつ透光性電極
(電流拡散経路)と反応しない元素とする。第3金属層
は保護膜と強固に結合できる元素とすることが好まし
い。望ましくは、第1金属層の構成元素は、ニッケル(N
i)、鉄(Fe)、銅(Cu)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、バナ
ジウム(V)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)のうち少な
くとも一種の元素であり、その膜厚は1〜300nmで
ある。望ましくは、第3金属層の構成元素は、アルミニ
ウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうち少なくとも
一種の元素であり、その膜厚は1〜30nmである。望
ましくは、第2金属層の構成元素は金(Au)であり、その
膜厚は0.3〜3μmである。n型台座電極はバナジウ
ムとアルミニウムとからなる。
【0015】
【実施例】次にこの発明の実施例について説明する。実
施例は発光ダイオード10であり、その構成を図1に示
す。
【0016】各層のスペックは次の通りである。 層 : 組成:ドーパント (膜厚) 透光性電極材料層19 p型クラッド層(兼コンタクト層)18: p−GaN:Mg (0.3μm) 発光層 17 : 多重量子井戸構造 量子井戸層 : In0.15Ga0.85N (3.5nm) バリア層 : GaN (3.5nm) 量子井戸層とバリア層の繰り返し数:1〜10 n型クラッド層(兼コンタクト層)16: n−GaN:Si (4μm) バッファ層 15 : AlN (15nm) 基板 11 : サファイア(a面) (350μm)
【0017】n型クラッド層16は発光層17側の低電
子濃度n-層とバッファ層15側の高電子濃度n+層と
からなる2層構造とすることができる。後者はn型コン
タクト層と呼ばれる。発光層17は多重量子井戸構造の
ものに限定されない。発光素子の構成としてはシングル
へテロ型、ダブルへテロ型及びホモ接合型のものなどを
用いることができる。発光層として単一量子井戸構造を
用いることもできる。発光層17とp型クラッド層18
との間にマグネシウム等のアクセプタをドープしたバン
ドギャップの広いIII族窒化物系化合物半導体層を介在
させることができる。これは発光層17中に注入された
電子がp型クラッド層18に拡散するのを防止するため
である。p型クラッド層18を発光層17側の低ホール
濃度p−層と電極側の高ホール濃度p+層とからなる2
層構造とすることができる。後者はp型コンタクト層と
呼ばれる。量子井戸層はInN、GaN、InGaN及
びInAlNを含むInGaAlNであれば良く、バリ
ア層は量子井戸層よりエネルギーギャップが大きいGa
N、InGaN、InAlN、AlGaNを含むInG
aAlNであればよい。
【0018】上記構成の発光ダイオードは次のようにし
て製造される。まず、MOCVD装置の反応装置内へ水
素ガスを流通させながら当該サファイア基板を1130
℃まで昇温して表面をクリーニングする。その後、その
基板温度においてTMA及びNHを導入してAlN製
のバッファ層15をMOCVD法で成長させる。
【0019】次に基板温度を維持した状態でn型クラッ
ド層16を形成し、それ以降の第二のIII族窒化物系化
合物半導体層17、18を常法(MOCVD法)に従い
形成する。この成長法においては、アンモニアガスとII
I族元素のアルキル化合物ガス、例えばトリメチルガリ
ウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)や
トリメチルインジウム(TMI)とを適当な温度に加熱
された基板上に供給して熱分解反応させ、もって所望の
結晶を基板の上に成長させる。
【0020】次に、Ti/Niをマスクとしてp型クラ
ッド層18、活性層17及びn型クラッド層16の一部
を反応性イオンエッチングにより除去し、n型台座電極
21を形成すべきn型クラッド層(兼n型コンタクト
層)16を表出させる。
【0021】半導体表面上にフォトレジストを一様に塗
布して、フォトリソグラフィにより、p型クラッド層1
8(兼p型コンタクト層)の上の電流拡散経路形成部分
のフォトレジストを除去して、その部分のp型クラッド
層18を露出させる。このとき各電流拡散経路を絶縁分
離する部分のフォトレジストは残されることとなる。蒸
着装置にて、露出させたp型クラッド層18の上に、C
o(コバルト、1.5nm)とAu(金、6.0nm)を順
次積層する。このCoとAuとが熱処理されると透光性
の電流拡散経路31、32、33、34及び35が形成
される。次に、同様にしてp型台座電極20、n型台座
電極21を蒸着する。その後、熱処理を行い、更にウエ
ハからチップを切り分ける。
【0022】このようにして得られた実施例の発光ダイ
オード10チップの平面図を図2に示す。図2のチップ
において一辺の幅は500μmである。図2において、
溝30により計5本の電流拡散経路31,32,33,
34,35が形成されている。各電流拡散経路において
p型台座電極20に接続する端部(第1の端部)からn
型台座電極21に対向する端部(第2の端部)までの距
離(約1000μm)及びその幅(60μm)がほぼ等
しくなるように溝30は設計されている。このようにし
て得られる発光ダイオードによれば発光観測面(図2の
平面)がほぼ均等に発光する。他方、溝30がなく透光
性電極を全面に形成するものは(従来タイプ)はn型台
座電極21側で明るくp型台座電極20側で暗くなって
いる。
【0023】この発明は、上記発明の実施の形態及び実
施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の
範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲
で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【0024】以下、次の事項を開示する。 11 p型台座電極に接続する第1の端部を有し、透光
性電極材料からなる電流拡散経路がp型コンタクト層の
上に複数形成され、該各電流拡散経路からp型コンタク
ト層の全域へ実質的に均等に電流が注入される、ことを
特徴とするIII族窒化物系化合物半導体発光素子。 12 p型台座電極に接続する第1の端部とn型台座電
極に対向する第2の端部とを有し、透光性電極材料から
なる電流拡散経路がp型コンタクト層の上に複数形成さ
れ、前記p型台座電極と前記n型台座電極との距離より
該各電流拡散経路の長さが長いこと、を特徴とするIII
族窒化物系化合物半導体発光素子。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施例の発光ダイオードを示
す。
【図2】図2は発光ダイオードの平面図である。
【符号の説明】
10 発光ダイオード 15 バッファ層 16 n型クラッド層 17 発光層 18 p型クラッド層 19 透光性電極 20 p型台座電極 21 n型台座電極 30 溝 31、32、33、34、35 電流拡散路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性電極が絶縁部で区切られて複数の
    電流拡散経路が形成され、前記各電流拡散経路の第1の
    端部はp型台座電極に接続されて該p型台座電極からの
    電流が前記各電流拡散経路へ分配される、ことを特徴と
    するIII族窒化物系化合物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 該各電流拡散経路の電流密度が実質的に
    等しい、ことを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化
    物系化合物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記各電流拡散経路の電気抵抗が実質的
    に等しい、ことを特徴とする請求項1に記載のIII族窒
    化物系化合物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記各電流拡散経路は前記p型台座電極
    に接続される第1の端部と第2の端部との距離及びその
    幅が実質的に等しい、ことを特徴とする請求項1に記載
    のIII族窒化物系化合物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 平面視の径が700μm以上である、こ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のIII族
    窒化物系化合物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 p型台座電極に接続する第1の端部を有
    し、電極材料からなる電流拡散経路がp型コンタクト層
    の上に複数形成され、前記p型台座電極からの電流が前
    記各電流拡散経路に分配される、ことを特徴とするIII
    族窒化物系化合物半導体発光素子。
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Cited By (4)

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