JP2002014490A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2002014490A
JP2002014490A JP2000197829A JP2000197829A JP2002014490A JP 2002014490 A JP2002014490 A JP 2002014490A JP 2000197829 A JP2000197829 A JP 2000197829A JP 2000197829 A JP2000197829 A JP 2000197829A JP 2002014490 A JP2002014490 A JP 2002014490A
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Hitoshi Itabashi
仁 板橋
Yasukazu Ayaki
保和 綾木
Yayoi Tazawa
弥生 田澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布がシャープでかつ、着色力に優れ、
帯電特性に優れたトナーの製造方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 重合性単量体と顔料を少なくとも含有す
る単量体組成物を、有機溶媒を主体とする反応媒体中に
添加し、該反応媒体中で少なくとも該重合性単量体を溶
解して、該単量体組成物を重合し、該反応媒体中から重
合により生成された重合体を析出させトナー粒子を生成
するトナーの製造方法であって、該顔料は、処理剤によ
り表面処理されてなり、該処理剤は少なくとも2種類以
上の官能基を有し、少なくとも1つ以上の官能基(X)
が顔料表面の官能基(P)と共有結合可能であり、か
つ、該処理剤の他の少なくとも1つ以上の官能基(Y)
が前記重合性単量体と共重合可能であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電印
刷の如き画像形成方法において、静電荷像を現像するた
めのトナー、またはトナージェット方式の画像形成方法
におけるトナー像を形成するためのトナーの製造方法に
関し、特にトナーで形成されたトナー像を転写材の如き
プリントシートに加熱加圧定着させる定着方式に供され
るトナーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】記録体上の電気的、あるいは磁気的潜像
を顕像化するために、トナーといった検電性、あるいは
感磁気性の微粒子を該潜像に吸着させて可視像とする画
像形成方法がある。その代表的なものとしては電子写真
法が挙げられ、例えば米国特許第2,297,691号
明細書に記載されているように、多数の方法が知られて
いる。この電子写真法においては、一般には光導電性物
質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成
し、次いで該潜像をトナーを用いて現像してトナー像を
形成し、必要に応じて紙などの転写材にこのトナー画像
を転写した後、加熱、加圧、あるいは溶剤蒸気を用いて
トナー画像を転写材に定着することにより、複写物を得
るといったものである。
【0003】近年、上述の技術がその印字品質の高さ、
静粛性といったことからコンピューター、ワードプロセ
ッサー等の出力手段、いわゆるプリンターに使用される
ようになっている。印字品質を高める方法としては前述
のトナーの粒子径を小さくし、前述の潜像を細かく忠実
に再現するための技術が盛んに検討されている。通常、
プリンターや複写機に使用されるトナーは、主成分が樹
脂及び磁性体、カーボンブラック、染料・顔料等の着色
剤、及びワックス類からなる微粒子であり、通常その粒
径は6〜30μmの範囲である。
【0004】トナーは、一般に熱可塑性樹脂中に染顔料
あるいは磁性体からなる着色剤を混合、溶融し、着色剤
を均一に分散させた後、微粉砕、分級することにより所
望の粒子径を有するトナーとして製造されている。この
方法は技術として比較的安定しており、各材料、各工程
の管理も比較的容易に行うことができるが、その粒径が
樹脂の機械的粉砕に依存しているため、6μm以下など
と粒径を細かくしようとすれば収率が極端に低下する。
なぜなら、電子写真に用いるために該トナーを摩擦帯電
部材により帯電させる場合、粒子径が小さいほど帯電量
が高くなるという性質から、トナーに均一帯電を行うた
めに粒度分布をシャープにする必要が生じ、分級工程に
おいて多量の微粉および粗粉の除去が必要となるためで
ある。
【0005】近年、上述の欠点を改善したものとして重
合法によるトナーの製造方法、いわゆる懸濁重合法によ
るトナーの製造方法が提案されている。これらは、例え
ば特公昭36−10231号公報、特公昭51−148
95号公報、特開昭53−177735号公報、特開昭
53−17736号公報、及び特開昭53−17737
号公報に記載されている。この方法は、結着樹脂、染料
・顔料などの着色剤、例えば磁性体、カーボンブラッ
ク、帯電制御剤、ワックスやシリコーンオイルなどの離
型剤等トナー中に内包すべき物質を必要に応じて重合開
始剤や分散剤とともに重合性単量体中に溶解、あるいは
分散させて重合性組成物とし、分散安定剤を含有する水
系連続相に分散装置を使用して分散させ、微粒子の分散
体とし、この分散体を重合させて固化することによって
所望の粒径・組成を有するトナー粒子を得るものであ
る。この方法は、粉砕工程が無いためエネルギーの節
約、工程収率の向上、コスト削減といった効果が期待さ
れるものであるが、撹拌状態や製造スケールといった製
造条件によって製造物の粒径分布が変動し粒径分布が比
較的広がったものが得られる場合が多く、かつさらに高
画質・高精細な複写画像を得るために要求される所望の
粒度分布に調節するための分級工程を行う場合が多い。
【0006】さらに粒径分布のシャープな重合法トナー
を製造する方法として、例えば、特公平6−17373
号公報、特開昭61−18965号公報、特開昭61−
18966号公報、特開昭61−228458号公報、
特開昭62−73276号公報で提案されているいわゆ
る分散重合法を用いる方法がある。これは、非水系の溶
媒中において高分子安定剤と単量体及び開始剤、着色
剤、荷電制御剤等を溶解させた均一系から重合反応を熱
あるいは光等で開始させ、粒子の核となるものを生成
し、その粒子がそれぞれ成長することによって粒度分布
の揃ったトナー粒子を製造する方法である。分散重合法
は、粒径1〜10μm程度の単分散粒子を作製する有力
な方法とされている。粒度分布が非常にシャープなた
め、トナーの帯電量分布もシャープとなり、現像におけ
るドット再現性、転写の忠実性、定着性が他法と比べ優
れている。しかし分散重合法は、その粒子形成機構によ
り反応系内の不純物を排除しやすいという特徴をもって
おり、電子写真用トナーの製造方法として用いる場合に
は、反応系内に不溶となりやすい顔料などの着色剤が入
りにくいことが欠点となってしまう。
【0007】近年そのことを改善するべく、いくつかの
提案がなされている。例えば、特許第2633383号
においては、顔料粒子の表面を粒子に取り込まれやすい
ように処理するという提案がなされている。これによれ
ば、顔料分散剤にラジカル重合性基を有するものを用い
ることによって、粒子内部に顔料を含有する粒子径の揃
ったトナー粒子が得られると記載されている。しかし、
実際はわずかに粒子に取り込むことができている状況で
あって、更なる着色効率の向上が望まれている。
【0008】また、従来の方法で着色を行う場合には、
重合反応初期における顔料の取り込み効率が悪いため、
結果的に顔料が表面近傍に多く付着したようなものとな
りやすく、顔料の種類によってはトナー表面の環境特性
が悪く帯電制御しにくい場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決したトナーの製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】すなわち、本発明の目的は、粒度分布がシ
ャープでかつ、着色力の優れたトナーの製造方法を提供
することにある。
【0011】また本発明の目的は、着色効率に優れたト
ナーの製造方法を提供することにある。
【0012】さらに本発明の目的は、帯電特性に優れた
トナーの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成することができる。
【0014】すなわち、本発明は、重合性単量体と顔料
を少なくとも含有する単量体組成物を、有機溶媒を主体
とする反応媒体中に添加し、該反応媒体中で少なくとも
該重合性単量体を溶解して、該単量体組成物を重合し、
該反応媒体中から重合により生成された重合体を析出さ
せトナー粒子を生成するトナーの製造方法であって、該
顔料は、処理剤により表面処理されてなり、該処理剤は
少なくとも2種類以上の官能基を有し、少なくとも1つ
以上の官能基(X)が顔料表面の官能基(P)と共有結
合可能であり、かつ、該処理剤の他の少なくとも1つ以
上の官能基(Y)が前記重合性単量体と共重合可能であ
ることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0015】また、本発明は、前記の顔料を処理剤によ
り表面処理する工程において、該顔料表面はヒドロキシ
ル基、カルボキシル基、アミノ基のうち少なくとも1種
類以上の官能基を有し、かつ、該顔料処理剤が有する官
能基(X)、および官能基(Y)が下式に示されること
を特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0016】
【化2】
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の特徴は、顔料粒子の表面にラジカ
ル重合性基を存在させ、周囲に存在する重合性単量体と
ともに共重合し、顔料粒子を取り込みながらトナー粒子
を形成させていることである。その具体的な方法として
は、顔料表面に存在する置換基を、そこに前記重合性単
量体と共重合しうるラジカル重合性基(Y)に置換する
処理を顔料に対して行っておくことである。
【0019】本発明に用いることのできる顔料として
は、公知の顔料が利用できるが、特にカーボンブラック
は表面に官能基が多く存在することから好ましく用いら
れる。顔料はその表面に存在する官能基として、ヒドロ
キシル基またはカルボキシル基またはアミノ基を有して
いることが好ましい。カーボンブラックの中にも製法等
の違いにより酸性カーボンブラック、塩基性カーボンブ
ラック等の種類があるが、両者とも十分な官能基を有し
ており、特に問題なく使用可能である。
【0020】また、顔料処理剤としては、顔料表面に存
在するヒドロキシル基、あるいはカルボキシル基、アミ
ノ基等の活性水素とよく反応しうるイソシアネート基や
エポキシ基を分子の末端に有するものが適しており、下
式のように記述できる。
【0021】
【化3】
【0022】2種の官能基X,Yを結ぶ炭素鎖の炭素数
nはそれぞれの官能基の反応性を維持しうる程度に大き
ければ任意に設定可能であるが、n=1以上あれば十分
である。ラジカル重合性基(Y)としては、メタクリロ
イル基、アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げ
られる。
【0023】具体的には、例えば、イソシアネート基を
有する処理剤としては、2−イソシアナトメチルメタク
リレート、2−イソシアナトメチルアクリレート、2−
イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナト
エチルアクリレート、2−イソシアナトプロピルメタク
リレート、2−イソシアナトプロピルアクリレート、2
−イソシアナトヘキシルメタクリレート等があげられ
る。
【0024】顔料の処理方法に関しては、溶液法によ
り、凝集した顔料の内部にまで処理剤が浸透できるよう
に工夫する必要がある。処理は、ラジカル重合性基
(Y)が重合反応を起こさない程度の低い温度で行い、
液中の溶存酸素により重合禁止効果を得るようにする。
処理後の顔料は処理剤の残留がないように、不活性有機
溶媒で十分に洗浄・濾過を繰り返す。得られた処理顔料
は、顔料分散剤、有機溶媒とともにビーズミル等の分散
器により分散され、顔料ぺーストを作製した後、該顔料
ぺーストを用いて、トナー粒子の製造を行う。
【0025】処理顔料の添加量は、重合性単量体100
質量部当たり5〜20質量部が好ましい。
【0026】本発明のトナーの製造方法に用いることの
できる有機溶媒は、主として単量体および重合体の溶解
性から決められるものである。具体的には、例えば水、
メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアル
コール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベン
ジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール
類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のエーテルアルコール類;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、
セロソルブアセテート等のエステル類;ヘキサン、オク
タン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の炭化水素類;四塩化炭素、トリクロ
ロエチレン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水
素類;エチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキ
サンテトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、
ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸等の酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼ
ン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の
硫黄・窒素含有有機化合物類等から選ばれる。またこれ
らの溶媒を2種類以上混合して用いることもできる。溶
媒に対する単量体濃度は、溶媒に対して単量体1〜80
質量%、好ましくは10〜65質量%である。
【0027】本発明のトナーの製造方法に用いることの
できる重合性単量体は、付加重合系あるいは縮合重合系
単量体である。好ましくは、付加重合系単量体である。
具体的にはスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,
4ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4ジメ
チルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n
−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n
−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチ
レン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン
類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ポリエン類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニル
などのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ド
デシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸エステル
類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステ
アリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フ
ェニルなどのアクリル酸エステル類;ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどの
ビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカル
バゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリド
ン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の
アクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などを挙げるこ
とができる。
【0028】本発明のトナーの製造方法に用いる分散安
定剤としては、公知の高分子分散安定剤を挙げることが
できる。高分子分散安定剤の具体例としては、ポリスチ
レン、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリスチレンス
ルホン酸等のポリスチレン誘導体、ポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタ
クリル酸エステル類、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルキルエーテル類、ポリビニルアセタール類、ポリ
カルボン酸ビニル類、ポリアクリルアミド、ポリメタク
リルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、
ポリエチレンイミン、ポリ−2−アルキル−2−オキサ
ゾリン類、ポリビニルホルムアミド、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリオキシアルキレン類、セルロース誘導体などを
挙げることができる。2種類以上の高分子分散安定剤を
同時に用いてもよいし、高分子分散安定剤は共重合体で
もよい。分散安定剤の濃度は溶剤に対して0.1〜50
質量%が好ましい。より好ましくは0.1〜30質量%
である。
【0029】本発明のトナーの製造方法に用いる重合開
始剤としては、公知の重合開始剤を挙げることができ
る。具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチ
レート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレル酸、
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル
バレロニトリル)等のアゾ系化合物;ベンゾイルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸
化物;アルカリ金属、金属水酸化物、グリニャール試薬
等の求核試薬;プロトン酸、ハロゲン化金属、安定カル
ボニウムイオン等が挙げられる。重合開始剤の濃度は単
量体に対して0.1〜20質量%が好ましく、より好ま
しくは0.1〜10質量%である。
【0030】本発明の重合法トナーの製造方法に用いる
連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤を挙げることが
できる。
【0031】更に本発明では様々な特性付与を目的とし
て、以下に示すようなトナーの添加剤を用いることもで
きる。
【0032】トナーの摩擦帯電特性を安定化するため
に、あらかじめトナー粒子に荷電制御剤を含有させてお
いても良い。この場合、トナーの帯電スピードが速く且
つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ま
しい。また、本発明においては、重合阻害性がない荷電
制御剤が特に好ましい。具体的には、ネガ系制御剤とし
ては、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサ
リチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等の金属化合
物;スルホン酸、カルボン酸を側鎖にもつ高分子型化合
物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリー
クスアレーン等が好ましい。ポジ系制御剤としては、四
級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有す
る高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化
合物等が好ましい。これら荷電制御剤は、結着樹脂10
0質量部に対し0.5乃至10質量部添加することが好
ましい。
【0033】流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等)が好適に用
いられる。これらは疎水化処理を行ったものがより好ま
しい。研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロン
チウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素等)、
炭化物(炭化ケイ素等)金属塩(硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム等)が好適に用いられる。滑
剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポ
リテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸金属塩(ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)が好適に用い
られる。荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化ス
ズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム等)、カーボンブラック等が好適に用いられる。こ
れらの添加剤は、トナー粒子100質量部に対し0.1
乃至10質量部、好ましくは0.1乃至5質量部が用い
られ、単独で使用しても良いし、複数を併用しても良
い。
【0034】本発明のトナーは一成系分現像剤として用
いることもできるし、キャリアと混合して二成分系現像
剤として用いることもできる。
【0035】本発明で使用する摩擦帯電量の測定方法を
記載する。トナーとキャリアを現像剤化するとき適当な
混合量(トナー2〜15質量%)となるように混合し、
ターブラミキサーで180秒混合する。この混合粉体
(現像剤を底部に635メッシュの導電性スクリーンを
装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前
後の質量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積され
た電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を25
0mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下
記式を用いて算出する。
【0036】 Q(μC/g)=(C×V)/(W1−W2) (式中、W1は吸引前の質量でありW2は吸引後の質量
であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサ
ーに蓄積された電位である。)
【0037】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって説明する
が、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0038】 <実施例1> (顔料の処理1) ・酸性カーボンブラック 200質量部 ・2−イソシアナトエチルメタクリレート 50質量部 ・ジブチルスズジラウレート 1質量部 ・トルエン 2000質量部 3リットルのフラスコに上記材料を撹拌しながら混合
し、40℃で約3時間反応させた。反応後、得られたカ
ーボンブラックをトルエンで3回濾過した後、メタノー
ルで洗浄し、残留するイソシアネート化合物を取り除い
た。
【0039】 (顔料分散ぺーストの作製) ・処理済みカーボンブラック 150質量部 ・ブチラール系分散剤 25質量部 ・メタノール 425質量部 を容器中でよくプレミクスした後に、それを20℃以下
に保ったままビーズミルで約4時間分散し、顔料分散ぺ
ーストを作製した。
【0040】(トナーの作製)還流管,温度計,窒素導
入管の付いた3リットルのセパラブルフラスコに、 ・メタノール 920質量部 ・ポリビニルピロリドン 80質量部 ・2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 20質量部 ・スチレンモノマー 280質量部 ・n−ブチルアクリレート 70質量部 ・顔料分散ぺースト 120質量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 10質量部 を撹拌しながら混合し、窒素バブリングを50cc/m
inで約1時間行った。その後、溶液温度を65℃まで
昇温し、約20時間還流した。
【0041】重合反応後得られた反応混合物をメタノー
ルで繰り返し濾過して高分子マトリックスであるポリビ
ニルピロリドンを洗浄した。その後、得られたトナーを
さらに真空乾燥してトナー粒子を得た。得られた粉体の
個数平均粒径は4.41μm、標準偏差は0.50で非
常に粒度分布のシャープなトナーであった。また、得ら
れたトナー粒子の断面をTEMで観察したところ、粒子
中央付近から多くのカーボンブラックの粒子が観察さ
れ、着色剤の内添化が良好に行われたことを確認でき
た。さらに、着色剤の含有量を調べるためにTGA(T
A−Instruments社製2950型高分解能オ
ート式)を用いた。窒素気流中で800℃まで昇温し、
そのまま約30分間維持し、トナー樹脂分を取り除い
た。その結果、着色剤の含有量は6.4質量%であり、
仕込量に対し効率の良い着色ができていることがわかっ
た。
【0042】作製したトナーの評価:得られたトナー粒
子100質量部に対し、解砕処理したBET値360m
2/gの疎水性シリカ2質量部を小型高速撹拌器で混合
して外添した。さらに、このトナー4質量%に対して、
平均粒径が36μmのフェライトキャリア96質量%を
ポリ瓶に入れターブラーミキサーで混合撹拌し現像剤を
作製した。
【0043】得られた現像剤1gをブローオフ法により
帯電量を測定したところ、−29μC/gであった。
【0044】この現像剤をキヤノン製フルカラーレーザ
ー複写機CLC−500改造機に入れ画像出しを行っ
た。この現像部周辺の模式図を図1に示し、これをもっ
て説明する。現像器の現像剤担持体(現像スリーブ)9
と現像剤規制部材(磁性ブレード)14との距離Aを6
00μm、現像スリーブ9と静電潜像担持体(感光ドラ
ム)11との距離Bを500μmとした。このときの現
像ニップは5.0mmであった。また、現像スリーブ9
と感光ドラム11との周速比は1.5:1、現像スリー
ブ9の現像極S1の磁場が79.58kA/m(1キロ
エルステッド)、さらに現像条件は、交番電界2kV
(ピーク間電圧),周波数2kHzの矩形波であり、現
像バイアス−460Vとなるように設定した。さらに、
トナー現像コントラスト(Vcont)300V、カブ
リ取り電圧(Vback)100Vとした。また、感光
ドラムの一次帯電は−560Vとした。この現像条件
で、感光体上のデジタル潜像を現像し、最適化された転
写電流値、定着器温度、プロセススピードにより転写・
定着を行った。
【0045】原稿台にテストチャートを載せ、上記条件
によりハードコピーを行った結果、得られた画像はトナ
ー載り量も適当であって、濃度も高く、細線の再現性も
良好で、高品質な画像が得られた。本評価を、低温低湿
(15℃/15%)、高温高湿(30℃/75%)でも
行ったところ、いずれもカブリの発生もなく濃度変化も
少なく、トナーが良好な帯電特性を示していることがわ
かった。
【0046】<比較例1>顔料処理を行わないことを除
いて実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様
に評価を行った。作製したトナーは、個数平均粒径が
4.0μmで、標準偏差は0.35であった。また、ト
ナー粒子の超薄切片を作製し、TEMで粒子の断面を観
察したところ、カーボンブラックの微粒子はトナーの表
面近傍に固まって存在していた。さらに、TGAでカー
ボンブラックの含有量を測定したところ、3.1質量%
であり、トナー粒子に取り込まれなかったカーボンブラ
ックが多く存在したことがわかった。
【0047】実施例1と同様に現像剤を作製し、画像出
しの評価も行った。その結果、トナーの表面抵抗が低い
せいか、トナーの現像効率が低く、画像濃度も薄く、転
写の飛び散りも目立った。
【0048】<実施例2>顔料処理を以下のように行っ
たことを除いて、実施例1と同様にトナーを作製し、実
施例1と同様に評価を行った。
【0049】 (顔料の処理2) ・酸性カーボンブラック 200質量部 ・メタクリロキシメチルエチレンオキサイド 50質量部 ・トリエチルアミン 1質量部 ・トルエン 2000質量部 3リットルのフラスコに上記材料を撹拌しながら混合
し、40℃で約3時間反応させた。反応後、得られたカ
ーボンブラックをトルエンで3回濾過した後、メタノー
ルで洗浄し、残留するエポキシ化合物を取り除いた。
【0050】作製したトナーの評価:作製したトナー
は、個数平均粒径が4.5μmで、標準偏差は0.47
であった。また、トナー粒子の超薄切片を作製し、TE
Mで粒子の断面を観察したところ、カーボンブラックの
微粒子はドナーの中央付近から存在しており、カーボン
ブラックをトナー粒子中に多く取り込んだことがわかっ
た。さらに、TGAでカーボンブラックの含有量を測定
したところ、6.1質量%であり、仕込量に対し効率の
良い着色ができていることがわかった。
【0051】実施例1と同様にして現像剤を作製した。
そのときの帯電量は、−26μC/gであった。得られ
た画像はトナー載り量も適当であって、濃度も高く、細
線の再現性も良好で、高品質な画像が得られた。本評価
を、低温低湿(15℃/15%),高温高湿(30℃/
75%)でも行ったところ、いずれもカブリの発生もな
く濃度変化も少なく、トナーが良好な帯電特性を示して
いることがわかった。
【0052】
【発明の効果】本発明により、粒度分布がシャープでか
つ、着色力に優れ、帯電特性に優れたトナーを提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた画像形成装置の現像部周辺の模
式図である。
【符号の説明】
1 現像器 2 現像容器 3 隔壁 4 現像室 5 撹拌室 6 トナー貯蔵室 7 現像剤 8 撹拌スクリュー 9 現像スリーブ 10 搬送スクリュー 11 感光ドラム 12 現像部 13 磁石 14 現像剤規制部材 A 現像スリーブと現像剤規制部材との距離 B 現像スリーブと感光ドラムとの距離 C 現像ニップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田澤 弥生 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AB02 AB06 CB18 4J037 AA02 CB13 CB15 CB30 DD05 DD23 EE02 EE12 EE33 EE43 FF03 FF11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体と顔料を少なくとも含有す
    る単量体組成物を、有機溶媒を主体とする反応媒体中に
    添加し、該反応媒体中で少なくとも該重合性単量体を溶
    解して、該単量体組成物を重合し、該反応媒体中から重
    合により生成された重合体を析出させトナー粒子を生成
    するトナーの製造方法であって、 該顔料は、処理剤により表面処理されてなり、該処理剤
    は少なくとも2種類以上の官能基を有し、少なくとも1
    つ以上の官能基(X)が顔料表面の官能基(P)と共有
    結合可能であり、かつ、該処理剤の他の少なくとも1つ
    以上の官能基(Y)が前記重合性単量体と共重合可能で
    あることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の顔料を処理剤により表面処理する
    工程において、該顔料表面はヒドロキシル基、カルボキ
    シル基、アミノ基のうち少なくとも1種類以上の官能基
    を有し、かつ、該顔料処理剤が有する官能基(X)、お
    よび官能基(Y)が下式に示されるものであることを特
    徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。 【化1】
JP2000197829A 2000-06-30 2000-06-30 トナーの製造方法 Withdrawn JP2002014490A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052125A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Tokai Carbon Co Ltd ポリウレタン樹脂付加顔料の水性分散体の製造方法、ポリウレタン樹脂付加顔料の水性分散体およびインク組成物

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JP2011052125A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Tokai Carbon Co Ltd ポリウレタン樹脂付加顔料の水性分散体の製造方法、ポリウレタン樹脂付加顔料の水性分散体およびインク組成物

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