JP2002012794A - 微粒子およびその製造方法 - Google Patents

微粒子およびその製造方法

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JP2002012794A JP2001131538A JP2001131538A JP2002012794A JP 2002012794 A JP2002012794 A JP 2002012794A JP 2001131538 A JP2001131538 A JP 2001131538A JP 2001131538 A JP2001131538 A JP 2001131538A JP 2002012794 A JP2002012794 A JP 2002012794A
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ethylene glycol
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Masaya Adachi
眞哉 足立
Maki Kami
真樹 上
Masahiro Henmi
昌弘 辺見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機マトリックスへの分散性、親和性を向上さ
せた微粒子を提供する。 【解決手段】加水分解可能な有機金属化合物を多価アル
コールを含む溶液中で加水分解および縮合することによ
って得られることを特徴とする微粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機マトリックス
への分散性および親和性が良好な微粒子および製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、微粒子は樹脂、フィルム、繊
維、化粧品等の種々の分野において、充填剤、滑剤、添
加剤、顔料等の様々な用途で使用されている。
【0003】これらの製品は、固体または液体の有機マ
トリックスに微粒子を配合したものが多く、微粒子と有
機マトリックスの組み合わせによっては、親和性や分散
性に問題が生じる場合があった。
【0004】特に、フィルムや繊維などのμオーダーの
薄さあるいは細さの製品の充填剤や滑剤として使用する
場合、微粒子の分散状態が製品の特徴に大きな影響をお
よぼすことから、できるだけ分散状態がよくなるように
様々な検討がなされている。
【0005】例えば、ポリエステルフィルム分野を例に
とると、特公昭59−8216号公報、特開昭52−3
645号公報等によれば、シリカ、酸化チタン、硫酸バ
リウム、酸化ケイ素−酸化マグネシウム、シリカ−アル
ミナ化合物、ガラス粉末、炭酸カルシウム、クレイ、雲
母、タルク、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等
の無機微粒子が用途により使い分けられている。しかし
ながら、これらの無機微粒子は、ハロゲン化シリカの熱
分解法やケイ酸ナトリウム湿式法による凝集塊の粉砕シ
リカであったり、天然品の粉砕体を原料としたものであ
り、粒径分布が非常に広く、また粒子形状が不定形であ
る上に有機マトリックスへの分散性に乏しいために粗大
な凝集塊を形成するなど、フィルム表面の凹凸の均一性
を実現することが困難であり、磁気記録の高密度化、高
性能化が要求される用途には使用できなかった。
【0006】また、アルコキシシランをアルコール中で
加水分解して製造した球状微粒子シリカを使用する例も
報告されている(特開昭62−207356号公報)
が、これらの球状微粒子シリカは形状が真球であるた
め、マトリックスであるポリエステルとの界面での剥離
が発生しやすく、剥離部分に形成されたボイドにより、
やがて粒子の脱落に至るといった問題があった。この粒
子の脱落の対策として、特開平5−4812号公報に球
状微粒子シリカにさらに粒径の小さい微粒子シリカを結
合させる技術が報告されているが、製造工程が多くなり
コスト的に問題があった。また、これらの他にも微粒子
表面をエチレングリコールや極性溶媒で処理したり、界
面活性剤、カップリング剤等で処理を行うことでポリエ
ステルへの分散性、親和性を向上させる検討も行われて
いるが、効果的に表面処理されなかったり、粒子径が小
さくなる程、分散性を向上させるためには大量の表面処
理剤あるいは界面活性剤等を添加しなければならず、結
果として製品の諸特性に悪影響をおよぼす等、満足した
ものが得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決することを目的とし、有機マトリックスへの分散性
および親和性を向上させた微粒子に関するものである。
すなわち、粒子表面や内部にポリマーや化粧品等の原料
でもある多価アルコール成分を化学的に結合あるいは強
固に吸着、会合させることにより、有機媒体中での親和
性が向上し、結果的にポリマーや化粧品等への分散性を
向上させることができる。また、例えばポリエステルに
使用する場合、ポリエステル製造時に微粒子表面の多価
アルコール成分がポリエステルの原料であるジカルボン
酸成分と縮合することが可能であるため、微粒子が化学
的結合により樹脂中に固定されることによる脱落防止効
果が期待できる微粒子を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため以下の構成を有するものである。「200℃か
ら600℃における、加熱重量減少率が5%以上である
ことを特徴とする微粒子。」「加水分解可能な金属化合
物を多価アルコールの存在下で、加水分解および縮合さ
せることによって製造し、多価アルコール量が加水分解
可能な金属化合物の等倍モル以上であることを特徴とす
る微粒子の製造方法。」
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の微粒子は、有機金属化合
物を多価アルコールを含む溶液と接触させることで、加
水分解、縮合反応を進行させ製造される。その際、多価
アルコールを含む溶液中には、有機金属化合物の加水分
解に必要な水を共存させることが好ましく、加水分解、
縮合反応を促進するための触媒を添加することも好適で
ある。この水や触媒の含量は金属化合物の種類や目的と
する粒子の粒子径、形状により適宜実験的に決定でき
る。また、気相中の湿気により供給する事も可能であ
る。触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等の無機
酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、スルホン
酸、無水酢酸、安息香酸等の有機酸、アンモニア、モノ
メチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、2−アミノエタノー
ル、トリエタノールアミン等のアミン類が使用可能であ
る。これらの中でも毒性が低く、除去が容易でかつ安価
である点からアンモニアが好ましく、一般に市販されて
いる28%アンモニア水溶液を用いることができる。
【0010】本発明で用いられる多価アルコールは、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブ
タンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキ
サンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジ
エチレングリコール、ペンタエリスリトール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、カテコール、ハイドロキノン、
レゾルシノール等が挙げられ、単一または混合物で用い
られる。特にアルカリ性の条件下で加水分解可能な金属
化合物を加水分解および縮合させる場合に用いる多価ア
ルコールとしては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジ
オール、グリセリンなどの隣接した炭素にOH基が結合
した多価アルコールが、ゾルの分散安定性の観点から好
ましい。また、多価アルコール以外に、水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、ブタノール等のモノアルコール類やジオキサン、メ
チルセロソルブ、γ-ブチロラクトン、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、2−アミノエタノール、ト
リエタノールアミン、トリエチルアミン、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N-メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフ
ラン等の用いる多価アルコールと相溶可能な溶媒を混合
してもよい。
【0011】多価アルコールの使用量としては、加水分
解可能な金属化合物に対して、等モル以上であることが
好ましく、2倍モル以上がさらに好まい。これより少な
いと粒子が凝集し粒子径の分布が広くなったり、粒子の
沈降が生じる場合がある。多価アルコールゾルとして使
用する場合等は2倍モル以上が好ましい。
【0012】本発明に用いられる微粒子の原料である有
機金属化合物は、Al、B、Ba、Bi、Ca、Ce、
Co、Dy、Er、Fe、Ga、Ge、Hf、In、
K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Nb、P、Pb、
Pr、Sb、Si、Sm、Sn、Sr、Ta、Ti、
V、W、Y、Zn、Zr等のアルコキシド、ハロゲン化
物等の加水分解して縮合化合物を形成しうるものであれ
ば特に制限はない。例えば、N−(β−アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−
アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビ
ニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなど
のシランカップリング剤、パーフルオロオクチルエチル
トリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリ
メトキシシラン、パーフルオロブチルエチルトリメトキ
シシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメト
キシシランなどのフルオロアルキルシラン類、テトラエ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメト
キシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキ
サデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、ジフェニルジメトキシシランなどのアルキルシラ
ン類、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、
ジメチルシリルジイソシアネート、メチルシリルトリイ
ソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、ビ
ニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネート
シランなどのイソシアネート基含有シラン化合物、テト
ライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタ
ネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチ
ルヘキシル)チタネート、チタンテトラアセチルアセト
ネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフ
ェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオク
チルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジア
リルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)
ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイ
ソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルト
リ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピ
ルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ
(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジク
ミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステ
アロイルエチレンチタネート等の有機チタネート化合
物、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウム
ノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセ
トネート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチ
ルアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウ
ムオキサレート、ジルコニウムラクテート等の有機ジル
コニウム化合物、四塩化チタン、四臭化チタン、トリク
ロロエトキシチタン、トリクロロブトキシチタン、三塩
化チタン、ジクロロブトキシチタン、ジクロロフェノキ
シチタン、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジ
メチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメ
チルブチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロ
シランフェニルメチルジクロロシラン等の金属ハライド
が挙げられ、その他のTi、B、Al、Ca、In、T
l、Si、Ge、Sn、Pb、Fe、As、Sb、Bi
等の塩化物、臭化物、ヨウ化物等の金属ハライドも利用
できる。これらの中でも工業的に入手可能で比較的安価
なものとしてSiおよびTiの金属アルコキシドや金属
ハライドおよびそれら誘導体が好適である。また上記し
た有機金属化合物以外にNa、K、Rb、Cs、Ce、
Mg、Ca、Sr、Ba、B、Al、Ga、In、Zn、
Fe、Sn等の有機金属化合物や無機塩の共存状態で加
水分解することにより複合粒子とすることも可能であ
る。また、異なる加水分解可能な金属化合物を段階的に
添加し、異種金属の複合型の微粒子とする事も可能であ
り、用いる有機金属化合物の有する官能基によっては、
その官能基と反応可能な化合物により、さらなる化学的
表面処理を行う事もできる。
【0013】これらの有機金属化合物を多価アルコール
の存在下で加水分解および縮合させる事により、有機金
属化合物同士の縮合とともに、有機金属化合物と多価ア
ルコールとの縮合反応や錯体形成反応が生じ、結果的に
多価アルコールが粒子表面や粒子内部に取り込まれた微
粒子となる。多価アルコールの結合量は、示差熱熱重量
同時測定装置等による加熱重量減少率(加熱による重量
減少量の仕込サンプル重量に対する割合)で測定でき
る。加熱重量減少率としては、残存原料や吸着した水分
の影響を除くために、200℃から600℃までの範囲
の値を、用いる。この値としては、5%以上であること
が必要であり、好ましくは10%以上である。この範囲
より下回る、すなわち多価アルコール成分の結合または
強固な吸着量が少ない場合は、本発明の目的を達成でき
ない。また、加水分解可能な金属化合物以外に沸点や分
解温度が200℃以上の原料を使用した場合や、微粒子
以外の副生成物の沸点や分解温度が200℃以上の場
合、これらの沸点または分解温度から600℃までの加
熱重量減少率を用いるべきである。
【0014】本発明の微粒子は、有機金属化合物を多価
アルコールを含む均一溶液中に混合し、製造しても良い
し、有機金属化合物を含む相(以下有機金属化合物相)
と多価アルコールを含む溶液相(以下多価アルコール
相)からなる不均一系で製造してもよい。不均一系で製
造する場合には、有機金属化合物相と多価アルコール相
の界面で徐々に反応が進行し、最終的には微粒子が多価
アルコール相に分散した状態で得られる。この際、粒径
の微細化、粒径分布の単分散性を実現させるためには、
反応終了まで有機金属化合物相と多価アルコール相の二
相状態を維持することが好ましい。二相状態を維持する
上では、有機金属化合物相は多価アルコール相より比重
が小さい方が、粒子径の微細化の観点から好ましい。ま
た、有機金属化合物相は有機金属化合物単独であっても
よいし、反応速度制御や二相状態を保つ目的で適切な溶
媒を添加してもよい。また、重合開始剤等の触媒やその
他添加剤が含まれていてもよい。
【0015】二相状態で微粒子を製造する場合、全く撹
拌を行わず静置しただけでは、界面に塊状の重合生成物
が発生しやすい傾向がある。逆に撹拌が早すぎると、有
機金属化合物相が多価アルコール相に巻き込まれ、反応
が急激に進行し、粒度分布が広くなりやすい傾向があ
る。従って、二相の界面を乱さない程度の撹拌速度で行
うことが好ましい。撹拌速度は反応容器のスケール、撹
拌羽根の形状、撹拌方式などのより実験的に決定する事
ができる。
【0016】本発明で得られた微粒子の固液分離は、濾
過、遠心分離、蒸発法等の通常公知の方法を用いること
ができる。乾燥は結合した多価アルコールの分解を防止
する観点から350℃以下で行うのが好ましく、300
℃以下がさらに好ましい。着色が問題となる用途には減
圧下での乾燥が好ましい。
【0017】本発明の微粒子を、ポリエステル等のポリ
マーや化粧品用に添加して使用する場合は、通常公知の
方法で原料や重合体に混練して使用することができ、ま
た、多価アルコール以外の溶液やアンモニア等の触媒を
減圧留去等で除去した多価アルコールゾルや、さらに別
の溶媒を加えたゾルとして、各種塗料、ペースト等の原
料用に使用できる。また、500℃以上で焼成する事に
より無機酸化物となることから無機酸化物前駆体として
利用する事も可能である。
【0018】本発明で得られた微粒子は、多価アルコー
ル成分由来の化学構造部位を有するため、有機マトリッ
クスへの分散性、親和性が優れているため、多価アルコ
ールを原料とする合成樹脂や塗料の充填剤、添加剤に好
適であり、例えば、ビデオテープ、カセットテープ、フ
ロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体用フィル
ム、インクリボン、ラミネート用フィルム等のフィルム
材料、繊維、光学材料等への充填剤等、ファンデーショ
ン、口紅等の化粧品、ハードコート、バリアコート、感
光性塗料等の各種コーティング材料に利用できる。
【0019】また、化学的に結合あるいは強固に吸着、
会合された多価アルコール成分由来の化学構造部位を有
していることから吸湿作用があり、フィルム、繊維、化
粧品等に添加した場合、吸湿性や保湿性を付与すること
も可能である。
【0020】さらに、加水分解可能な金属化合物の種類
によっては、PETなどポリエステル、PMMAなどの
アクリル系樹脂、ビニル樹脂などの重合触媒などにも利
用できる。
【0021】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げるが、本発明の
適用範囲はこれによって何ら限定されるものではない。
【0022】得られた微粒子の加熱重量減少率測定は、
200℃、76cmHgの条件で減圧乾燥を8hr行っ
た試料を使用し、セイコーインスツルメンツ(株)製
“TG/DTA6200”で窒素雰囲気下、昇温速度1
0℃/分で30℃〜600℃の範囲を測定し、200℃
〜600℃の範囲の減少率を用いた。
【0023】得られた微粒子の有機マトリックスへの分
散性および親和性の評価は、各々の微粒子の多価アルコ
ールゾルを用いて次のようにして行った。(株)久保田
製作所製“高速冷却遠心機6930”でRA−120ア
ングルロータを使用し20℃、22000rpm、10
分の条件で処理した上澄み液と処理前の試料のヘーズ値
を、スガ試験機(株)製“直読ヘーズコンピューターH
GM−2DP”にて測定し、その保持率(=遠心処理後
のヘーズ値/処理前のヘーズ値(%))を指標とした。
つまり、親和性、分散性の高い微粒子ほど遠心力により
沈降しにくいため、ヘーズ値の保持率が大きく、反対
に、親和性、分散性の低い微粒子はヘーズ値の保持率が
小さくなる傾向を定量的に表した。
【0024】得られたゾルの13C-NMR測定は、溶液1
3C-NMR Chemagnetics 社製CMX Infinity を用
い、室温で基準物質としてヘキサメチルベンゼン(17.4
ppm)を用いて測定した。
【0025】また、乾燥した試料の13C-NMR測定
は、固体13C-NMR(CP/MAS)JEOL 社製 GX
−270を用い、室温で基準物質としてエチルベンゼン
の重クロロホルム溶液(77.5 ppm)を外部基準として用
いて測定した。
【0026】実施例1 温度計、撹拌機の付いた反応容器にエチレングリコール
100g、28%アンモニア水20gを入れ20℃に保
ち、撹拌しながらエタノール300gにテトラエトキシ
シラン40g混合した溶液を30分かけて添加した。3
時間撹拌を継続した後、エタノール、アンモニアを減圧
留去にて除去しシリカ系粒子のエチレングリコールゾル
を得た。このエチレングリコールゾルを200℃で真空
乾燥しシリカ系の微粒子Aを得た。この微粒子Aの加熱
重量減少率を測定し、200℃から600℃の値を表1
にまとめた。また、エチレングリコールゾルの状態でヘ
ーズ保持率を測定し値を表1にまとめた。
【0027】比較例1 実施例1のエチレングリコールを水100gに変更した
以外は同様に微粒子Bを作製した。微粒子Bの加熱重量
減少率を測定し200℃から600℃の値を表1にまと
めた。また、微粒子合成後の水/エタノール分散液にエ
チレングリコール100gを加え、エチレングリコール
以外を減圧留去により除去した微粒子Bのエチレングリ
コールゾルを作製した。このゾルのヘーズ保持率を測定
し値を表1にまとめた。
【0028】実施例2 実施例1のエチレングリコールをグリセリンに変更した
以外は同様に微粒子Cを得た。この微粒子Cの加熱重量
減少率を測定し、200℃から600℃の値を表1にま
とめた。また、エチレングリコールゾルのヘーズ保持率
を測定し値を表1にまとめた。
【0029】実施例3 温度計、撹拌機の付いた反応容器にエタノール200
g、テトラ−n−ブトキシチタン80gを入れ20℃に
保ち、撹拌しながらプロピレングリコール100g、2
8%アンモニア水30gを混合した溶液を一括添加し
た。3時間撹拌を継続した後、エタノール、アンモニア
を減圧留去にて除去しチタン系粒子のプロピレングリコ
ールゾルを得た。このプロピレングリコールゾルを20
0℃で真空乾燥しチタン系の微粒子Dを得た。この微粒
子Dの加熱重量減少率を測定し、200℃から600℃
の値を表1にまとめた。このプロピレングリコールゾル
は透明でありヘーズ保持率は測定できなかった。
【0030】実施例4 実施例3のプロピレングリコールをエチレングリコール
に変更した以外は同様に微粒子Eを得た。この微粒子E
の加熱重量減少率を測定し、200℃から600℃の値
を表1にまとめた。このエチレングリコールゾルは透明
でありヘーズ保持率は測定できなかった。このエチレン
グリコールゾルの溶液13C-NMRでは70-80ppm に認め
られたブロードなピークが、微粒子Eの固体13C-NM
Rでは、80.2 ppm, および76.0 ppmにそれぞれ Ti - O
- CH2-、Ti - O - CH2 - CH2 -に帰属できるシャープ
なピークとして観測された。
【0031】比較例2 実施例3のプロピレングリコールをエタノール100g
に変更した以外は同様に微粒子Fを作製した。この微粒
子Fの加熱重量減少率を測定し、200℃から600℃
の値を表1にまとめた。また、微粒子合成後の水/エタ
ノール分散液にエチレングリコール100gを加え、エ
チレングリコール以外を減圧留去により除去した微粒子
Fのエチレングリコールゾルを作製した。このゾルのヘ
ーズ保持率を測定し値を表1にまとめた。
【0032】実施例5 実施例3のプロピレングリコールをグリセリンに変更し
た以外は同様に微粒子Gを得た。この微粒子Gの加熱重
量減少率を測定し、200℃から600℃の値を表1に
まとめた。このグリセリンゾルは透明でありヘーズ保持
率は測定できなかった。また、このグリセリンゾルの溶
液13C-NMRでは70-80ppmに認められたブロードなピ
ークが、微粒子Gの固体13C-NMRでは、85.8 ppm,
および 80.8 ppmにそれぞれ Ti - O - CH-、 Ti - O -
CH2 - に帰属できるシャープなピークとして観測され
た。
【0033】実施例6 温度計、撹拌機の付いた反応容器に水400g、28%
アンモニア水14g、エチレングリコール100gを入
れ25℃に保ち、100rpmで撹拌し多価アルコール
相とした。撹拌速度を10rpmに下げた後、金属化合
物相としてメチルトリメトキシシラン13g、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン2gの混合液を、
多価アルコール相に混ざらないように速やかに加えた。
撹拌速度を50rpmに上げ二相に保ちながら5時間反
応した。反応の進行にともない、金属化合物相が徐々に
消失し多価アルコール相へ微粒子が生成した。水、生成
したエタノール、アンモニアを減圧留去にて除去しシリ
カ系粒子のエチレングリコールゾルを得た。このエチレ
ングリコールゾルを200℃で真空乾燥しシリカ系の微
粒子Hを得た。この微粒子Hの加熱重量減少率を測定
し、200℃から600℃の値を表3にまとめた。ま
た、エチレングリコールゾルの状態でヘーズ保持率を測
定し値を表1にまとめた。
【0034】比較例3 実施例5において多価アルコール相をエチレングリコー
ルを使用せず水500g、28%アンモニア水14gの
水相とした以外は同様に微粒子Iを作製した。この微粒
子Iの加熱減少率を測定し、200℃から600℃の値
を表1にまとめた。また、微粒子合成後の水分散液にエ
チレングリコール100gを加え、エチレングリコール
以外を減圧留去により除去した微粒子Iのエチレングリ
コールゾルを作製した。このゾルのヘーズ保持率を測定
し値を表1にまとめた。
【0035】実施例7 温度計、撹拌機の付いた反応容器にエタノール200
g、テトライソプロポキシ錫50gを入れ20℃に保
ち、撹拌しながらエチレングリコール100g、28%
アンモニア水30gを混合した溶液を一括添加した。3
時間撹拌を継続した後、エタノール、アンモニア、水、
反応生成物のイソプロパノール等を減圧留去にて除去し
錫系粒子のエチレングリコールゾルを得た。このゾルを
200℃で真空乾燥し錫系の微粒子Jを得た。この微粒
子Jの加熱重量減少率を測定し、200℃から600℃
の値を表1にまとめた。このエチレングリコールゾルは
透明でありヘーズ保持率は測定できなかった。
【0036】実施例8 温度計、撹拌機の付いた反応容器にエタノール200
g、トリイソプロポキシアルミニウム70gを入れ20
℃に保ち、撹拌しながらエチレングリコール100g、
35%塩酸15gを混合した溶液を一括添加した。3時
間撹拌を継続した後、エタノール、塩酸、水、反応生成
物のイソプロパノール等を減圧留去にて除去しアルミニ
ウム系粒子のエチレングリコールゾルを得た。このエチ
レングリコールゾルを200℃で真空乾燥しアルミニウ
ム系の微粒子Kを得た。この微粒子Kの加熱重量減少率
を測定し、200℃から600℃の値を表1にまとめ
た。このエチレングリコールゾルは透明でありヘーズ保
持率は測定できなかった。
【0037】実施例9 温度計、撹拌機の付いた反応容器にエタノール200
g、テトライソプロポキシインジウム50gを入れ20
℃に保ち、撹拌しながらエチレングリコール100g、
35%塩酸10gを混合した溶液を一括添加した。3時
間撹拌を継続した後、エタノール、塩酸、水、反応生成
物のイソプロパノール等を減圧留去にて除去しインジウ
ム系粒子のエチレングリコールゾルを得た。このエチレ
ングリコールゾルを200℃で真空乾燥しインジウム系
の微粒子Lを得た。この微粒子Lの加熱重量減少率を測
定し、200℃から600℃の値を表1にまとめた。こ
のエチレングリコールゾルは透明でありヘーズ保持率は
測定できなかった。
【0038】実施例10 温度計、撹拌機の付いた反応容器にエタノール200
g、テトラ−n−ブトキシジルコニウム80gを入れ2
0℃に保ち、撹拌しながらプロピレングリコール100
g、1N塩酸30gを混合した溶液を一括添加した。3
時間撹拌を継続した後、エタノール、塩酸、水、反応生
成物のn−ブタノール等を減圧留去にて除去しチタン系
粒子のプロピレングリコールゾルを得た。このプロピレ
ングリコールゾルを200℃で真空乾燥しジルコニア系
の微粒子Mを得た。この微粒子Mの加熱重量減少率を測
定し、200℃から600℃の値を表1にまとめた。こ
のプロピレングリコールゾルは透明でありヘーズ保持率
は測定できなかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の微粒子は、粒子表面または内部
に化学的に結合あるいは強固に吸着、会合した多価アル
コール成分を有する事から、有機マトリックスへの分散
性、親和性が向上する効果がある。特に多価アルコール
を原料とするポリマーや化粧品等への添加剤、各種塗料
原料として好適に使用でき、また、化学的に結合あるい
は吸着、会合した多価アルコール成分を有することから
吸湿性に優れ、フィルム、繊維、化粧品等に添加した場
合、吸湿性や保湿性を付与することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200℃から600℃における、加熱重
    量減少率が5%以上であることを特徴とする微粒子。
  2. 【請求項2】 加水分解可能な金属化合物を多価アルコ
    ールの存在下で、加水分解および縮合させることによっ
    て製造されることを特徴とする請求項1記載の微粒子。
  3. 【請求項3】 加水分解可能な金属化合物が金属アルコ
    キシドまたは金属ハライド、またはその誘導体であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の微粒子。
  4. 【請求項4】 加水分解可能な金属化合物を多価アルコ
    ールの存在下で、加水分解および縮合させる微粒子の製
    造方法において、多価アルコール量が加水分解可能な金
    属化合物の等倍モル以上であることを特徴とする微粒子
    の製造方法。
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