JP2002012480A - 炭酸固化体の製造方法 - Google Patents

炭酸固化体の製造方法

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JP2002012480A
JP2002012480A JP2000193036A JP2000193036A JP2002012480A JP 2002012480 A JP2002012480 A JP 2002012480A JP 2000193036 A JP2000193036 A JP 2000193036A JP 2000193036 A JP2000193036 A JP 2000193036A JP 2002012480 A JP2002012480 A JP 2002012480A
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solidified
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Norio Isoo
典男 磯尾
Tatsuto Takahashi
達人 高橋
Keiji Watanabe
圭児 渡辺
Katsuhiro Nishi
勝宏 西
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Kokan Mining Co Ltd
JFE Engineering Corp
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KOKAN KOGYO KK
Kokan Mining Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
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    • C04B40/0231Carbon dioxide hardening

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分を添加した未炭酸化Ca含有原料の原料
充填層内に炭酸ガスを吹き込むことで原料を炭酸固化さ
せ、炭酸固化体を製造する方法において、大型で且つ強
度がある炭酸固化体を簡単な構造の型枠を用いて安価に
製造する。 【解決手段】 原料充填層内の一方の側にガス吹込用部
材を埋設するとともに、このガス吹込用部材を型枠の前
記ガス供給部に直接、又は原料充填層内に埋設されたガ
ス供給導管を介して接続し、前記ガス吹込用部材から原
料充填層内に吹き込まれる炭酸ガスが、原料充填層内を
通過して原料充填層の他方の側から排気されるように
し、前記ガス供給部から前記ガス吹込用部材内に炭酸ガ
スを供給し、これを前記ガス吹込用部材から原料充填層
内に吹き込むことにより原料充填層を炭酸固化させ、少
なくともガス吹込用部材が補強材として埋設された炭酸
固化体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、CaO含有廃材や
鉄鋼製造プロセスで発生したスラグなどの未炭酸化Ca
含有原料を炭酸化反応により固化させて得られる炭酸固
化体の製造方法に関するもので、製造された炭酸固化体
は、漁礁・藻礁造成用石材、築磯用石材、水質浄化用石
材、通水性舗装用石材、通水性被覆ブロック、埋設排水
溝用ブロック、水耕栽培用ベース材、浄水用フィルタ
ー、給水用容器をはじめとする種々の用途に使用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】従来の鋼製品やコンクリート製品に替わ
る漁礁・藻礁造成用石材として、鉄鋼製造プロセスで発
生した粉粒状のスラグを炭酸化反応により固化させた炭
酸固化体を用いることが特開平11−71160号公
報、特開平11−193516号公報に開示されてい
る。このスラグを原料とする炭酸固化体は、微細気孔を
有するポーラスな性状を有しており、また、コンクリー
ト製品のような海水のpH上昇などの問題も生じないた
め、漁礁・藻礁造成用石材として藻類や海中微小生物の
成育、棲息に適したものであるということができる。
【0003】上記のような炭酸固化体の製造方法として
は、スラグなどの未炭酸化Ca含有原料をブロック状な
どに成形してから炭酸ガス雰囲気内に置き、炭酸化養生
して炭酸固化体を製造する方法と、大型ブロックを製造
するために型枠内に未炭酸化Ca含有原料を充填し、こ
の原料充填層に炭酸ガスを吹き込むことで充填層全体を
炭酸固化させる製造方法が考えられる。上記特開平11
−71160号公報、特開平11−193516号公報
には、この後者の製造方法が示されている。
【0004】上記2タイプの製造方法のうち、前者のも
のは比較的小型製品を量産するのに適しているが、成形
体はその表面から炭酸化するために内部まで均一に炭酸
化させることが難しく、場合によっては成形体表層に厚
さが数百μm程度の緻密な炭酸化層が生成してしまい、
成形体内部まで炭酸化されないこともある。これに対し
て、後者の製造方法は原料層内部まで炭酸化反応させる
のに適しており、また大型ブロックを製造することがで
きる利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
ガス吹き込み機構を有する型枠が必要であり、特に大型
製品用の型枠は高価である難点がある。例えば、底部か
ら炭酸ガスを吹き込む形式の大型の型枠の場合、型枠底
板を原料充填層の重量を支える強度とガス吹き込み機能
とを兼ね備えたものとする必要があるため、型枠の製作
コストはかなり高くなる。また、上記のような型枠によ
って製造される大型の炭酸固化体ブロックは強度に問題
があり、その自重により割れなどを生じやすい欠点があ
る。
【0006】したがって本発明の目的は、大型の炭酸固
化体ブロックであっても簡単な構造の型枠を用いて安価
に製造することが可能な炭酸固化体の製造方法を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、割れを生じ
にくい炭酸固化体ブロック、特に大型の炭酸固化体ブロ
ックを安価に製造することが可能な炭酸固化体の製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の特徴は以下のとおりである。 [1] ガス供給部とガス排気部とを有する実質的に気密な
型枠内に、水分を添加した粉粒状の未炭酸化Ca含有原
料を充填して原料充填層を形成し、該原料充填層内に炭
酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込むことで、未炭酸
化Caの炭酸化反応により生成する炭酸カルシウムを主
たるバインダーとして未炭酸化Ca含有原料を固化さ
せ、炭酸固化体を製造する方法において、原料充填層内
の一方の側にガス吹込用部材を埋設するとともに、該ガ
ス吹込用部材を型枠の前記ガス供給部に直接、又は原料
充填層内に埋設されたガス供給導管を介して接続し、前
記ガス吹込用部材から原料充填層内に吹き込まれる炭酸
ガス又は炭酸ガス含有ガスが、原料充填層内を通過して
原料充填層の他方の側から排気されるようにし、前記ガ
ス供給部から前記ガス吹込用部材内に炭酸ガス又は炭酸
ガス含有ガスを供給し、これを前記ガス吹込用部材から
原料充填層内に吹き込むことにより原料充填層を炭酸固
化させ、少なくともガス吹込用部材が埋設された炭酸固
化体を得ることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
【0008】[2] 上記[1]の製造方法において、原料充
填層内にガス吹込用部材とガス供給導管が埋設され、こ
れらが炭酸固化体の補強材となることを特徴とする炭酸
固化体の製造方法。 [3] 上記[1]又は[2]の製造方法において、ガス吹込用部
材が複数のガス吹き出孔を有する中空体で構成されてい
ることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。 [4] 上記[1]又は[2]の製造方法において、ガス吹込用部
材が通気性を有する多孔質材又は繊維集合材で構成され
ていることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の炭酸固化体の製造方法
は、ガス供給部とガス排気部とを有する実質的に気密な
型枠内に、水分を添加した粉粒状の未炭酸化Ca含有原
料(以下、単に「原料」という)を充填して原料充填層
を形成し、この原料充填層に炭酸ガス又は炭酸ガス含有
ガス(以下、単に「炭酸ガス」という)を吹き込むこと
で、未炭酸化Caの炭酸化反応により生成する炭酸カル
シウムを主たるバインダーとして原料を固化させ、炭酸
固化体を得る方法である。このような炭酸固化体の製造
方法において、本発明はコンクリートブロック用などの
既製の型枠(ガス吹き込み機構を有しない型枠)などに
簡単な改造を加えただけの型枠を用いて炭酸固化体を製
造することが可能であり、しかも優れた強度を有する炭
酸固化体を得ることができる方法を提供するものであ
る。
【0010】本発明の特徴は、型枠内に形成された原料
充填層の一方の側に、製造される炭酸固化体ブロックの
一部となるガス吹込用部材を埋設するとともに、このガ
ス吹込用部材を型枠のガス供給部に直接接続するか、若
しくは原料充填層内に埋設されたガス供給導管(このガ
ス供給導管も、製造される炭酸固化体ブロックの一部と
なる)を介して接続し、前記ガス吹込用部材から原料充
填層内に吹き込まれる炭酸ガスが、原料充填層内を通過
して原料充填層の他方の側から排気されるようにする。
そして、前記ガス供給部から前記ガス吹込用部材内に炭
酸ガスを供給し、これを前記ガス吹込用部材から原料充
填層内に吹き込むことにより原料充填層を炭酸固化さ
せ、少なくともガス吹込用部材が埋設された炭酸固化体
を得る。これにより特別なガス吹き込み機構を備えた型
枠を用いることなく大型の炭酸固化体ブロックを製造す
ることができ、また、原料充填層内に埋設されたガス吹
込用部材、さらにはガス供給導管が補強材となるため、
高い強度を有する炭酸固化体ブロックを得ることができ
る。
【0011】図1及び図2は本発明の一実施形態を示す
もので、図1は型枠を縦断面した状態で示す説明図、図
2は型枠内に配置されるガス吹込用部材及びガス供給導
管を示す平面図である。図において、1は実質的に気密
にすることが可能な型枠、2はガス吹込用部材、3は型
枠に設けられるガス供給部、4は同じくガス排気部、5
はガス供給導管、Aは型枠1の内部に形成された原料充
填層である。
【0012】実質的に気密にすることが可能な前記型枠
1は、例えば容器状の本体10とその上部を閉塞する蓋
体11とから構成され、本実施形態では蓋体11にガス
供給部3とガス排気部4がそれぞれ設けられている。前
記ガス供給部3は蓋体11に貫設されたガス供給管によ
り、また前記ガス排気部4は蓋体11に設けられたガス
排気管によりそれぞれ構成されている。なお、前記蓋体
11はシートなどで構成してもよい。
【0013】型枠1内には原料が装入されて原料充填層
Aが形成されるが、この原料充填層Aを形成する際に原
料充填層Aの底部近傍(原料充填層Aの一方の側)にガ
ス吹込用部材2を埋設する。このガス吹込用部材2は、
その内部に炭酸ガスを供給し、これを原料充填層A内に
吹き込むための部材であり、また製造される炭酸固化体
ブロックの一部となることによりその補強材として機能
する。本実施形態のガス吹込用部材2は、多数のガス通
孔を有する複数の金属管20を格子状に接続した構成を
有している。
【0014】前記ガス吹込用部材2はガス供給導管5に
より前記ガス供給部3(ガス供給管)と接続されてい
る。本実施形態のガス供給導管5は金属管により構成さ
れ、その一端側がガス供給部3を構成するガス供給管に
脱着可能に接続され、他端側がガス吹込用部材2を構成
する金属管20に接続され、ガス供給部3からガス供給
導管5を経てガス吹込用部材2内に炭酸ガスが供給でき
るようになっている。また、このガス供給導管5も、製
造された炭酸固化体ブロックの一部となることによりそ
の補強材として機能する。また、本実施形態では、炭酸
固化体を型枠1から吊り上げるための吊り具6が設けら
れ、この吊り具6を構成するためのロッドの端部が、そ
れぞれガス供給導管5と金属管20に連結されている。
【0015】このようにガス吹込用部材2及びガス供給
導管5を埋設配置した原料充填層Aを形成した状態で、
前記ガス供給部3からガス供給導管5を介してガス吹込
用部材2内に炭酸ガスを供給すると、ガス吹込用部材2
から原料充填層A内に炭酸ガスが吹き込まれ、この炭酸
ガスは原料充填層A内を通過して原料充填層Aの上部
(原料充填層Aの他方の側)から排気され、ガス排気部
4を通じて型枠1外に排出される。
【0016】このような炭酸ガスの供給を一定期間(例
えば、数時間〜数百時間)行うことにより、原料充填層
A内の原料中の未炭酸化Caと炭酸ガスが水を介して反
応(未炭酸化Caの炭酸化反応)し、これにより生成し
た炭酸カルシウムを主たるバインダーとして原料が固化
し、炭酸固化体が得られる。このような炭酸化処理後、
型枠1を解体するなどして原料充填層Aを脱型し、炭酸
固化体を取り出す。得られた炭酸固化体は、その内部に
埋設されたガス吹込用部材2とガス供給導管5が補強材
となり、原料のみから製造された炭酸固化体に較べて割
れなどを生じにくい高い強度を有するものとなる。
【0017】原料充填層A内に配置される前記ガス吹込
用部材2は、ガス供給導管5を介することなくを型枠1
に設けられたガス供給部3に直接接続することもでき
る。例えば、図1及び図2の実施形態の場合には、ガス
供給部3を型枠1の底部近傍に設け、このガス供給部3
にガス吹込用部材2の端部を脱着可能(製造された炭酸
固化体を脱型する際にガス供給部3から取外しできるよ
うするため)に接続するようにしてもよい。
【0018】また、本発明では原料充填層Aの全体に均
一に炭酸ガスを流し、炭酸化反応を原料充填層各部で均
一に生じさせるようにするため、ガス吹込用部材2を型
枠1内に形成された原料充填層Aの一方の側に埋設し、
このガス吹込用部材2から原料充填層A内に吹き込まれ
た炭酸ガスが原料充填層A内を通過して原料充填層Aの
他方の側から排気されるようにするものであり、したが
って、例えば、原料充填層Aの上部近傍にガス吹込用部
材2を埋設し、ガス吹込用部材2から原料充填層A内に
吹き込まれた炭酸ガスが原料充填層Aの底部側から排気
されるようにしてもよいし、また、原料充填層Aの一方
の側部近傍にガス吹込用部材2を埋設し、ガス吹込用部
材2から原料充填層A内に吹き込まれた炭酸ガスが原料
充填層Aの他方の側部側から排気されるようにしてもよ
い。
【0019】前記ガス吹込用部材2としては、上記実施
形態の金属管などのようなガス吹き出し孔を有する中空
体を用いるのが一般であるが、それ以外に、例えば通気
性を有する中空又は中実の多孔質材(例えば、セラミッ
ク多孔質材など)や繊維集合体により構成してもよい。
但し、ガス吹込用部材2の補強材として機能を考慮した
場合には、金属管などの金属製中空体が最も好ましい。
また、ガス吹込用部材2として金属管以外のものを用い
る場合の形状は任意であり、内部に炭酸ガスを供給でき
るものであればその形状は問わない。また、多孔質材の
場合には中空体であるか中実体であるかも問わない。ま
た、ガス供給導管5は気密な管体であれば金属管でなく
てもよく、例えば、樹脂管などのような可撓性を有する
非金属管により構成してもよい。但し、ガス供給導管5
の補強材として機能を考慮した場合には、鋼管などの金
属管が最も好ましい。
【0020】なお、本発明の製造方法で用いられる型枠
の形状(内部形状)は任意であり、例えば断面形状が円
形、楕円形、三角形、四角形以上の多角形、星形など、
或いは全体形状が球形状、楕球形、四面体以上の多面体
形、円錐体形、柱状形、テトラポット形など、任意の形
状とすることができる。
【0021】以下、本発明の製造方法で使用される未炭
酸化Ca含有原料、炭酸ガスなどの好ましい条件につい
て説明する。本発明の製造方法で使用する未炭酸化Ca
含有原料は、組成としてCaO及び/又はCa(OH)
を含むものであればよく、したがって、鉱物としての
CaO、Ca(OH)の他に、2CaO・SiO
3CaO・SiO、ガラスなどのように組成の一部と
して固体粒子中に存在するものも含まれる。
【0022】このような未炭酸化Ca含有材の種類に特
に制限はないが、特にCaO(及び/又はCa(OH)
)の含有率が高く、しかも資源のリサイクルを図るこ
とができるという点で、鉄鋼製造プロセスで発生するス
ラグ、コンクリート(例えば、廃コンクリート)が好ま
しい。また、上記スラグやコンクリート以外に、モルタ
ル、ガラス、アルミナセメント、CaO含有耐火物など
が挙げられ、これらの固体粒子の集合体の1種以上を単
独でまたは混合して、或いはスラグ及び/又はコンクリ
ートと混合して使用することもできる。これらの素材は
必要に応じて破砕処理され、粉状及び/又は粒状の固体
粒子の集合体として用いられる。
【0023】鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとして
は、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグなどの高炉系スラ
グ、予備処理、転炉、鋳造などの工程で発生する脱炭ス
ラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラ
グなどの製鋼系スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ
などを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではなく、また、2種以上のスラグを混合して用いるこ
ともできる。また、コンクリートとしては、例えば、建
築物や土木構造物の取壊しなどにより生じた廃コンクリ
ートなどを用いることができる。
【0024】また、未炭酸化Ca含有原料は、金属鉄、
酸化鉄、可溶性シリカなどの1種以上を含むことができ
る。これらは、本発明法により製造された炭酸固化体が
水中沈設用資材などとして用いられる場合に、水中の硫
黄や燐の固定剤、藻類などの水生植物の栄養源などとし
て有効に作用する。また、これら以外にも任意の成分
(粒子)を適量、すなわち炭酸固化体の強度低下などを
招かない限度で含むことができる。また、バインダーと
なる成分として、例えば、セメントや水砕スラグ微粉末
などを少量添加してもよい。未炭酸化Ca含有原料の粒
度は特に限定されないが、一般には全量50mm以下、
好ましくは実質的に6mm以下が望ましい。
【0025】未炭酸化Ca含有原料を炭酸ガスとの反応
を利用して効率的に炭酸固化させるには水分が必要であ
る。これは水にCaと炭酸ガスが溶解することにより炭
酸化反応が促進されるためである。したがって、原料に
は適量の水が添加される必要がある。一般に、原料を振
動充填(原料の型枠への装入中及び/又は装入後に、原
料層に振動を与えることにより原料充填層を形成する方
法)する場合の原料中の水分量は、原料fと水wとの容
積比[f/w]が4〜6程度になるようにするのが好ま
しい。原料fと水wとの容積比[f/w]が4未満で
は、水が過剰であるため原料充填層内に炭酸ガスの通路
を均一に形成することができなくなり、一方、容積比
[f/w]が6を超えると原料充填層中の水分量が少な
過ぎるため、十分な充填性が得られず、原料の粒子間隔
が広いため原料粒子間の結合力が低下してしまう。
【0026】また、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスは原
料充填層の乾燥を防ぐために加湿した状態で原料充填層
に供給されることが好ましい。このため原料充填層に炭
酸ガスを供給するに当たっては、炭酸ガス又は炭酸ガス
含有ガスを一旦水中に吹き込んでHOを飽和させた
後、原料充填層に供給することが好ましく、これにより
原料充填層の乾燥を防止して炭酸化反応を促進させるこ
とができる。
【0027】使用される炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガス
としては、例えば一貫製鉄所内で排出される石灰焼成工
場排ガス(通常、CO:25%前後)や加熱炉排ガス
(通常、CO:6.5%前後)などが好適であるが、
これらに限定されるものではない。また、炭酸ガス含有
ガス中のCO濃度が低すぎると処理効率が低下すると
いう問題を生じるが、それ以外の問題は格別ない。した
がって、CO濃度は特に限定しないが、効率的な処理
を行うには3%以上のCO濃度とすることが好まし
い。
【0028】また、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスの吹
込量にも特別な制限はなく、原料充填層が流動しない程
度にガス吹き込みを行えばよいが、一般的な目安として
は0.004〜0.5m/min・t(原料ton)
程度のガス吹き込み量が確保できればよい。また、ガス
吹き込み時間(炭酸化処理時間)にも特別な制約はない
が、目安としては炭酸ガス(CO)の吹込量が未炭酸
化Ca含有原料の重量の3%以上となる時点、すなわ
ち、ガス量に換算すると原料1t当たり15m以上、
好ましくは200m以上のCOが供給されるまでガ
ス吹き込みを行うことが好ましい。
【0029】吹き込まれる炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガ
スは常温でよいが、ガスが常温よりも高温であればそれ
だけ反応性が高まるため有利である。但し、ガスの温度
が過剰に高いと原料充填層の水分を乾燥させたり、或い
はCaCOがCaOとCO に分解してしまうため、
高温ガスを用いる場合でもこのような分解を生じない程
度の温度のガスを用いる必要がある。本発明により製造
される炭酸固化体は、漁礁・藻礁造成用石材、築磯用石
材、水質浄化用石材、通水性舗装用石材、通水性被覆ブ
ロック、埋設排水溝用ブロック、水耕栽培用ベース材、
浄水用フィルター、給水用容器をはじめとする種々の用
途に使用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、大型の炭酸
固化体であっても簡単な構造の型枠を用いて安価に製造
することができる。また、炭酸固化体内部に残されたガ
ス吹込用部材やガス供給導管が補強材となるため、割れ
などが生じにくい高い強度の炭酸固化体を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を、型枠を縦断面した状態
で示す説明図
【図2】図1の実施形態において、型枠内に配置された
ガス吹込用部材及びガス供給導管を示す平面図
【符号の説明】
1…型枠、2…ガス吹込用部材、3…ガス供給部、4…
ガス排気部、5…ガス供給導管、6…吊り具、10…本
体、11…蓋体、20…金属管、A…原料充填層
フロントページの続き (72)発明者 高橋 達人 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 圭児 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 西 勝宏 東京都港区港南2丁目15番1号 鋼管鉱業 株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA29 RA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス供給部とガス排気部とを有する実質
    的に気密な型枠内に、水分を添加した粉粒状の未炭酸化
    Ca含有原料を充填して原料充填層を形成し、該原料充
    填層内に炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込むこと
    で、未炭酸化Caの炭酸化反応により生成する炭酸カル
    シウムを主たるバインダーとして未炭酸化Ca含有原料
    を固化させ、炭酸固化体を製造する方法において、 原料充填層内の一方の側にガス吹込用部材を埋設すると
    ともに、該ガス吹込用部材を型枠の前記ガス供給部に直
    接、又は原料充填層内に埋設されたガス供給導管を介し
    て接続し、前記ガス吹込用部材から原料充填層内に吹き
    込まれる炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスが、原料充填層
    内を通過して原料充填層の他方の側から排気されるよう
    にし、 前記ガス供給部から前記ガス吹込用部材内に炭酸ガス又
    は炭酸ガス含有ガスを供給し、これを前記ガス吹込用部
    材から原料充填層内に吹き込むことにより原料充填層を
    炭酸固化させ、少なくともガス吹込用部材が埋設された
    炭酸固化体を得ることを特徴とする炭酸固化体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 原料充填層内にガス吹込用部材とガス供
    給導管が埋設され、これらが炭酸固化体の補強材となる
    ことを特徴とする請求項1に記載の炭酸固化体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ガス吹込用部材が複数のガス吹き出孔を
    有する中空体で構成されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の炭酸固化体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ガス吹込用部材が通気性を有する多孔質
    材又は繊維集合材で構成されていることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の炭酸固化体の製造方法。
JP2000193036A 2000-06-27 2000-06-27 炭酸固化体の製造方法 Pending JP2002012480A (ja)

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