JP2006255705A - 炭酸固化体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】石炭焚ボイラから排出される石炭灰を、埋め立てなどに適した扱い易い形態に低コストで処理する。
【解決手段】加圧流動床型ボイラなどの石炭焚ボイラから排出される酸化カルシウム含有石炭灰が、炭酸化処理による固結化の対象として好適な材料であることを見出しなされたもので、酸化カルシウム含有石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、この水分を含有する粉粒状原料に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせ、酸化カルシウム含有石炭灰の原料粒子どうしを適当に固結させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、石炭焚ボイラから排出される石炭灰の処理方法及び同石炭灰を原料とする炭酸固化体の製造方法に関する。
石炭焚火力発電設備用の石炭焚ボイラとして、加圧流動床型ボイラが知られている。この加圧流動床型ボイラは、圧力容器内に入れられて加圧状態にある流動床ボイラ内に石炭と石灰石粉(脱硫剤)を装入し、これらの混合体を流動媒体として流動層を形成しつつ、石炭を燃焼させるものである。この加圧流動床型ボイラは、流動媒体として脱硫作用を有する石灰石を用い、しかも燃焼温度が従来型のボイラに較べて低いため、硫黄酸化物と窒素酸化物の発生量を低く抑えることができるという利点がある。
上記加圧流動床型ボイラからは石炭灰が排出されるが、この石炭灰には、石炭焚ボイラの底部に溜まる石炭灰、石炭焚ボイラの燃焼経路に溜まる石炭灰、石炭焚ボイラの排ガス経路に設けられた集塵機に捕集される石炭灰などがあり、いずれの石炭灰にも石灰石粉が熱分解することにより生成した酸化カルシウムが含まれている。
従来、このような加圧流動床型ボイラから排出される石炭灰は、その一部がセメント原料、路盤材、土壌改良材などに利用されてはいるものの(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、大部分は埋め立て処分されているのが現状である。
特開平11−172247号公報 特開平11−147747号公報
石炭灰を埋め立て処分するには、輸送コストの面から火力発電所の近くに処分場(陸上又は海上の処分場)を確保する必要があるが、処分場の確保は年々困難になりつつある。また、石炭灰は飛散しやすいため、埋め立て作業時に灰飛散防止対策(例えば、土砂と交互に盛土しながら締固めて埋め立てする方法など)を採る必要があり、このために埋め立てコストの上昇や処分場の使用期間が短縮化するなどの問題を生じている。
また、埋め立て処分される石炭灰の減容処理法として、石炭灰を1500℃以上の高温で溶融させた後、冷却してスラグ化する方法もあるが、石炭灰を高温で溶融させるために多大な処理コストがかかるという難点がある。
したがって本発明の目的は、石炭焚ボイラから排出される石炭灰を、埋め立てなどに適した扱い易い形態に低コストで処理することができる石炭灰の処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、石炭焚ボイラから排出される石炭灰を原料として、ブロックなどの固化体を低コストで製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、加圧流動床型ボイラなどの石炭焚ボイラから排出される酸化カルシウムを含有する石炭灰(以下、「酸化カルシウム含有石炭灰」という)を飛散しないような扱い易い形態に処理することができる方法、さらには石炭灰をより積極的に利材化することができる方法について検討を行った。その結果、上記酸化カルシウム含有石炭灰が炭酸化処理による固結化の対象として好適な材料であることを見出した。
従来、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグの利材化方法の一つとして、粉粒状のスラグをこれに含まれる酸化カルシウムを利用して炭酸固化させることにより、ブロック化された炭酸固化体を得る方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、例えば、水分を添加した粉粒状のスラグを型枠に充填し、このスラグ充填層に炭酸ガスを吹き込むことによってスラグに含まれる酸化カルシウムに炭酸化反応を生じさせ、この炭酸化反応で生成した炭酸カルシウムを主たるバインダーとしてスラグ充填層を固結させ、ブロック化された炭酸固化体を得るものである。このような炭酸固化体を製造する際のスラグ中のCaとCOとの反応は、スラグ粒子の表面に存在する水(表面付着水)にスラグ粒子間を流れるCOが溶解するとともに、スラグ側からはCaイオンが溶出し、この水に溶解・溶出したCOとCaイオンとが反応(炭酸化反応)することにより、スラグ粒子表面にCaCOが析出すると考えられ、このCaCOがスラグ粒子どうしのバインダーとなってスラグ充填層が固結するものである。
特開平11−71160号公報
本発明者らは、上記のような炭酸化処理の原材料として、酸化カルシウム含有石炭灰が以下のような特性を有していることを見出した。
(i)上記従来技術で用いているスラグは比較的多量の酸化カルシウム(通常、10〜55mass%程度)を含有しているが、そのうちの相当量がフリーのCaOではなく、ダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO)などのような組成物の形態で存在しており、このため酸化カルシウムの含有量の割には炭酸化反応に対する活性度が低い。これに対して、酸化カルシウム含有石炭灰は通常7〜60mass%程度の酸化カルシウムを含有しているが、そのうちの相当量の酸化カルシウムがフリーのCaOであり、このためスラグに較べて炭酸化反応に対する活性度が高い。
(ii)上述のようにスラグ中のCaOは、ダイカルシウムシリケートなどのように他の成分(SiOなど)と結び付いて存在している割合が多いため、スラグ粒子表面で生じる炭酸化反応において、例えばダイカルシウムシリケートを構成していたSiOがスラグ粒子の表面に残留・蓄積し、これがCaイオンの溶出を阻害するなど、炭酸化反応の阻害要因となるおそれがある。これに対して、酸化カルシウム含有石炭灰が含有する酸化カルシウムはその相当量がフリーのCaOであるため、そのようなおそれはなく、Caイオンの溶出に伴う炭酸化反応が円滑に進行する。
(iii)スラグは比較的粒径が大きいため、フリーのCaOが含まれていてもこれがCaイオンとして溶出するまでに時間がかかり、このため炭酸化しないでフリーのCaOのまま残留してしまうおそれがある。炭酸固化体にフリーのCaOが相当量残留してしまうと、これが水和反応により膨張して炭酸固化体の割れの原因となる。これに対して、酸化カルシウム含有石炭灰は粒径が小さいためフリーのCaOからのCaイオンの溶出性が高く、このため炭酸固化体にフリーのCaOが残留しにくい。
(iv)一般にスラグを炭酸化処理する場合、事前に粉砕処理や篩い分けなどの整粒処理を行う必要があるが、酸化カルシウム含有石炭灰は元々粒径が数μm〜3mm程度の粉粒物であるため、スラグのような事前の整粒処理が殆ど必要ない。
以上のように酸化カルシウム含有石炭灰は、炭酸化処理の対象として、スラグにはない優れた特性及び性状を有することが明らかとなった。
本発明は以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
[1]石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることを特徴とする石炭灰の処理方法。
[2]上記[1]の処理方法において、粉粒状原料が、石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰からなることを特徴とする石炭灰の処理方法。
[3]上記[1]又は[2]の処理方法において、酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの燃焼経路から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの排ガス経路に設けられた集塵機から回収される石炭灰、の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする石炭灰の処理方法。
[4]上記[1]又は[2]の処理方法において、酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰からなるか若しくは石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰を含むことを特徴とする石炭灰の処理方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの処理方法において、酸化カルシウムを含有する石炭灰が、加圧流動床型ボイラから排出される石炭灰であることを特徴とする石炭灰の処理方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの処理方法において、粉粒状原料に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより、粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせることを特徴とする石炭灰の処理方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの処理方法において、粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせるために使用される炭酸ガス含有ガスとして、石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガスを用いることを特徴とする石炭灰の処理方法。
[8]石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることにより、前記粉粒状原料が炭酸化反応で固結した炭酸固化体を得ることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
[9]上記[8]の製造方法において、粉粒状原料が、石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰からなることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
[10]上記[8]又は[9]の製造方法において、酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの燃焼経路から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの排ガス経路に設けられた集塵機から回収される石炭灰、の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
[11]上記[8]又は[9]の製造方法において、酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰からなるか若しくは石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰を含むことを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
[12]上記[8]〜[11]のいずれかの製造方法において、酸化カルシウムを含有する石炭灰が、加圧流動床型ボイラから排出される石炭灰であることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
[13]上記[8]〜[12]のいずれかの製造方法において、粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより、前記粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
[14]上記[8]〜[13]のいずれかの製造方法において、粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に炭酸化反応を生じさせるために使用される炭酸ガス含有ガスとして、石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガスを用いることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
[15]石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料に、石炭焚ボイラから排出される炭酸ガス含有排ガスの存在下で炭酸化反応を生じさせるとともに、該炭酸化反応により前記炭酸ガス含有排ガスの炭酸ガス濃度を低下させることを特徴とする、石炭焚ボイラから排出される燃焼生成物の処理方法。
[16]石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に、石炭焚ボイラから排出される炭酸ガス含有排ガスの存在下で炭酸化反応を生じさせることにより、前記粉粒状原料を固結させて炭酸固化体を得るとともに、前記炭酸ガス含有排ガスの炭酸ガス濃度を低下させることを特徴とする、石炭焚ボイラから排出される燃焼生成物の処理方法。
本発明の石炭灰の処理方法によれば、石炭焚ボイラから排出される酸化カルシウム含有石炭灰を、簡易な方法によって埋め立てなどに適した扱い易い形態に低コストに処理することができる。
また、本発明の炭酸固化体の製造方法によれば、石炭焚ボイラから排出される酸化カルシウム含有石炭灰を原料としてブロック等の炭酸固化体を低コストに製造することができ、この種の石炭灰の利材化を経済的に図ることができる。
以下、本発明の石炭灰の処理方法について説明する。
本発明の処理方法では、石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰(以下、「酸化カルシウム含有石炭灰」という)を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせる。これにより、粉粒状原料は原料粒子どうしが適当に固結した飛散しにくい形態となる。
本発明の処理方法において使用される酸化カルシウム含有石炭灰は、石灰焚火力発電設備の石炭焚ボイラ、特に加圧流動床型ボイラから排出される石炭灰が代表的なものであるが、これに限定されるものではなく、火力発電設備における加圧流動床型ボイラ以外の石炭焚ボイラや、火力発電設備以外で使用される石炭焚ボイラから排出される酸化カルシウム石炭灰を使用してもよい。
加圧流動床型ボイラでは、圧力容器内に入れられて加圧状態にある流動床ボイラ内に石灰と石灰石が装入され、これらの混合体を流動層としつつ、石灰が燃焼する。装入された石灰石は熱分解し、その際に燃焼ガスを脱硫するとともに、熱分解によって酸化カルシウムが生成する。この生成した酸化カルシウムを含む石炭灰は、一部(比較的粒径の大きいもの)がボイラ底部に溜り、他の一部がボイラの燃焼経路に溜り、残りが燃焼排ガスに随伴して排ガス経路に入る。この排ガス経路には、通常、1次集塵機、2次集塵機などの複数次の集塵機が配置され、これらの集塵機により燃焼排ガス中の酸化カルシウム含有石炭灰が捕集される。
本発明の処理方法において、酸化カルシウム含有石炭灰として加圧流動床型ボイラから排出される酸化カルシウム含有石炭灰を使用する場合には、上述した各箇所から回収される石炭灰、すなわち、(a)石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰、(b)石炭焚ボイラの燃焼経路から回収される石炭灰、(c)石炭焚ボイラの排ガス経路に設けられた集塵機から回収される石炭灰、のいずれを使用してもよく、これらの中から選ばれる1種以上の石炭灰を用いることができる。また、加圧流動床型ボイラ以外のボイラから排出される酸化カルシウム含有石炭灰についても、いずれの箇所から回収される石炭灰を用いてもよい。
上記酸化カルシウム含有石炭灰のうち、石炭灰粒子の粒径は上記(a)、(b)、(c)の順で小さく、一般に上記(a)の石炭灰の平均粒径は300μm〜3mm程度であり、また、上記(c)の石炭灰うち1次集塵機から回収される石炭灰の平均粒径は10〜数十μm程度、2次集塵機から回収される石炭灰の平均粒径は数μmオーダーのものである。したがって、通常は酸化カルシウム含有石炭灰には粉砕処理などの整粒処理を施す必要はない。
本発明の処理方法では、炭酸化反応を生じさせる粉粒状原料として、上記酸化カルシウム含有石炭灰のみを用いてもよいし、或いは上記酸化カルシウム含有石炭灰を粉粒状原料の一部として用いてもよい。
上述したように酸化カルシウムを含有する粉粒状原料の炭酸化反応は、原料粒子の表面に存在する水(表面付着水)に対して粒子側からCaイオンが溶出するとともに、原料粒子間を流れるCOが溶解し、これらCaイオンとCOが反応することにより原料粒子の表面にCaCOが析出するものと考えられる。したがって、このような炭酸化反応を効率的に進行させるためには、粉粒状原料中に炭酸ガスの通り道が確保される必要があり、このような炭酸ガスの通り道を確保するためには原料粒子はある程度の粒径を有することが好ましい。したがって、粉粒状原料として酸化カルシウム含有石炭灰のみを用いる場合には、炭酸ガスの通り道を確保するという観点から、比較的粒径の大きい上記(a)の石炭灰を用いるか、或いは上記(a)の石炭灰を含む酸化カルシウム含有石炭灰を用いることが好ましい。
また、酸化カルシウム含有石炭灰を粉粒状原料の一部として用いる場合、他の粉粒状原料としては任意のものを用いることができる。すなわち、この他の粉粒状原料としては、CaO又は/及びCa(OH)を含む粉粒状原料(以下、「未炭酸化Ca含有原料」という)でもよいし、CaO又は/及びCa(OH)を含まない粉粒状原料でもよく、要は、酸化カルシウム含有石炭灰を含む粉粒状原料全体として、炭酸化反応とこれによる原料粒子の固結(この固結の意味については後述する)を生じさせるのに必要な量の酸化カルシウム(又は/及びCa(OH))が含有されていればよい。上記未炭酸化Ca含有原料中に含まれる未炭酸化Ca、すなわちCaO及び/又はCa(OH)は、少なくとも固体粒子の組成の一部として含まれるものであればよく、したがって、鉱物としてのCaO、Ca(OH)の他に、2CaO・SiO、3CaO・SiO、ガラスなどのように組成の一部として固体粒子中に存在するものも含まれる。
粉粒状の未炭酸化Ca含有原料としては、例えば、コンクリート、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ、モルタル、ガラス、セメント、アルミナセメント、CaO含有耐火物などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。また、未炭酸化Ca含有原料以外の粉粒状原料としては、例えば、天然石、砂、可溶性シリカ、金属(例えば、金属鉄、酸化鉄など)、酸化カルシウム含有石炭灰以外の石炭灰などが挙げられる。
上記酸化カルシウム含有石炭灰以外の粉粒状原料の粒度に特別な制限はないが、炭酸ガスとの接触面積を確保して反応性を高めるためにはある程度粒度が細かい方が好ましく、具体的には実質的に(すなわち、不可避的に含まれる粒度の大きい固体粒子を除き)20mm以下、特に望ましくは5mm以下の粒度のものが好ましい。なお、これら適当な粒度を有する粉粒状原料を酸化カルシウム含有石炭灰に混合すれば、酸化カルシウム含有石炭灰として粒径の小さいものを用いる場合などに、原料中での炭酸ガスの通り道を確保するのに有利である。
本発明の処理方法では、酸化カルシウム含有石炭灰からなる又はこれを含む粉粒状原料が適量の水分を含有することが必要である。先に述べたように粉粒状原料の炭酸化反応は原料粒子の表面付着水を介して生じるからである。水分の含有量は原料粒度や原料中の空隙率(気孔率)などによっても異なるが、通常は含有率で5〜40%、好ましくは7〜30%程度とするのが適当である。
粉粒状原料が含有する水分は、粉粒状原料に元々含まれている水分(例えば、石炭焚ボイラから排出された後に不可避的に含水された水分)でもよいし、炭酸化処理するに当たって添加した水分でもよい。
なお、酸化カルシウム含有石炭灰はフリーのCaOを相当量含んでいるため、水分が添加されると反応(CaO+HO→Ca(OH))により発熱するが、この発熱によって粉粒状原料の水分管理がしにくくなるおそれがあり、このため水分を添加した後は、上記発熱(反応)が少なくなるか若しくは実質的に発熱しなくなるのを待って、粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせることが好ましい。また、仮に炭酸化処理においてフリーのCaOの一部が炭酸化せずにそのまま残留した場合には、固結した原料がCaOの水和反応によって膨張崩壊するおそれがあるが、事前に上記反応を十分に進行させてCaOをCa(OH)にしておけば、そのような膨張崩壊のおそれもなくすことができる。したがって、本発明の処理方法には、炭酸化処理の直前において酸化カルシウム含有石炭灰中のCaOの一部又は全部がCa(OH)となっている場合が含まれる。
このように水分を含有した粉粒状原料に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせるが、粉粒状原料を炭酸ガスと接触させる方法は任意であり、例えば、(1)粉粒状原料の堆積層(積み山など)や充填層に炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込む方法、(2)粉粒状原料を気密にされた炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガス雰囲気内に置き、粉粒状原料の内部に炭酸ガスを浸透させる方法、(3)粉粒状原料中に炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより原料流動層を形成する方法など、任意の方法を採ることができる。なお、上記(1)及び(2)の方法は、後述する炭酸固化体の製造方法として説明する各種方法と同様に実施することができる。
以上のように粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせることにより、先に述べたような機構によってCaCOが生成し、このCaCOがバインダーとなって原料粒子どうしが任意に結合(固結)するが、酸化カルシウム含有石炭灰は先に(i)〜(iii)で述べたような特性を有するため炭酸化反応が迅速に進行し、効率的な炭酸化処理を行うことができる。本発明の処理方法では、後述する炭酸固化体の製造方法のように粉粒状原料層全体を炭酸化反応により固結させてもよいが、必ずしも原料層全体を固結させる必要はなく、要は、酸化カルシウム含有石炭灰の飛散性が低下するように、適当な数の原料粒子が凝集して固結したような形態となればよい。
粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせるために使用される炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスに特別な制限はないが、本発明の処理方法を酸化カルシウム含有石炭灰の発生場所又はその近傍で実施する場合には、入手が最も容易な炭酸ガス源は石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガス(特に、炭酸化処理する酸化カルシウム含有石炭灰が生じた石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガス)であると考えられることから、一般には、この石炭燃焼排ガスを炭酸ガス源として用いるのが有利である。また、本発明の処理方法において炭酸化処理に用いられた炭酸ガス含有ガスは当然炭酸ガス濃度が低下し、放出炭酸ガス量の削減に寄与するものであるが、上記のように炭酸ガス源として石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガスを用いることにより、石炭焚ボイラから排出される燃焼生成物(石炭灰及び排ガス中の炭酸ガス)を自己完結的に処理できるという利点がある。
使用する炭酸ガス含有ガスは、CO濃度が低すぎると処理効率が低下するという問題を生じるが、それ以外の問題は格別ない。したがって、CO濃度は特に限定しないが、効率的な処理を行うには3%以上のCO濃度とすることが好ましい。
また、炭酸ガスの供給量にも特別な制限はないが、一般的な目安としては0.004〜0.5m/min・t(原料ton)程度のガス供給量が確保できればよい。また、ガス供給時間(炭酸化処理時間)にも特別な制約はないが、目安としては炭酸ガスの供給量が粉粒状原料の質量の1%以上となる時点、すなわち、ガス量に換算すると原料1t当たり5m以上、好ましくは200m以上の炭酸ガスが供給されるまでガス供給を行うことが好ましい。
供給される炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスは常温でよいが、ガスが常温よりも高温であればそれだけ反応性が高まるため有利である。但し、ガスの温度が過剰に高いと粉粒状原料中の水分を乾燥させたり、或いはCaCOがCaOとCOに分解してしまうおそれがあるため、高温ガスを用いる場合にはその点に留意する必要がある。
また、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスは、粉粒状原料の乾燥を防ぐために加湿した状態で原料に供給されることが好ましい。このため粉粒状原料にガスを供給するに当たっては、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを一旦水中に吹き込んでHOを飽和させた後、粉粒状原料に供給することが好ましく、これにより原料の乾燥を防止して炭酸化反応を促進させることができる。
次に、本発明の炭酸固化体の製造方法について説明する。
本発明の製造方法では、石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石灰を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、この水分を含有した粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることにより、前記粉粒状原料が炭酸化反応で固結した炭酸固化体を得る。
本発明の製造方法において、酸化カルシウム含有石炭灰や粉粒状原料の種類、それらの使用条件、水分含有条件、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスの種類及びその供給条件などは、先に述べた石炭灰の処理方法と実質的に同じである。
すなわち、使用される酸化カルシウム含有石炭灰は、石灰焚火力発電設備の石炭焚ボイラ、特に加圧流動床型ボイラから排出される石炭灰が代表的なものであるが、これに限定されるものではなく、火力発電設備における加圧流動床型ボイラ以外の石炭焚ボイラや、火力発電設備以外で使用される石炭焚ボイラから排出される酸化カルシウム石炭灰を使用してもよい。
また、酸化カルシウム含有石炭灰として加圧流動床型ボイラから排出される酸化カルシウム含有石炭灰を使用する場合には、(a)石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰、(b)石炭焚ボイラの燃焼経路から回収される石炭灰、(c)石炭焚ボイラの排ガス経路に設けられた集塵機から回収される石炭灰、のいずれを使用してもよく、これらの中から選ばれる1種以上の石炭灰を用いることができる。また、加圧流動床型ボイラ以外のボイラから排出される酸化カルシウム含有石炭灰についても、いずれの箇所から回収される石炭灰を用いてもよい。通常、酸化カルシウム含有石炭灰には粉砕処理などの整粒処理を施す必要はない。
本発明の製造方法では、炭酸化反応を生じさせる粉粒状原料として、上記酸化カルシウム含有石炭灰のみを用いてもよいし、或いは上記酸化カルシウム含有石炭灰を粉粒状原料の一部として用いてもよい。また、粉粒状原料として酸化カルシウム含有石炭灰のみを用いる場合には、炭酸ガスの通り道を確保するという観点から、比較的粒径の大きい上記(a)の石炭灰を用いるか、或いは上記(a)の石炭灰を含む酸化カルシウム含有石炭灰を用いることが好ましい。
また、酸化カルシウム含有石炭灰を粉粒状原料の一部として用いる場合、他の粉粒状原料としては任意のものを用いることができる。すなわち、この他の粉粒状原料としては、CaO又は/及びCa(OH)を含む粉粒状原料(以下、「未炭酸化Ca含有原料」という)でもよいし、CaO又は/及びCa(OH)を含まない粉粒状原料でもよく、要は、酸化カルシウム含有石炭灰を含む粉粒状原料全体として、炭酸化反応とこれによる原料粒子の固結(この固結の意味については後述する)を生じさせるのに必要な量の酸化カルシウム(又は/及びCa(OH))が含有されていればよい。上記未炭酸化Ca含有原料中に含まれる未炭酸化Ca、すなわちCaO及び/又はCa(OH)は、少なくとも固体粒子の組成の一部として含まれるものであればよく、したがって、鉱物としてのCaO、Ca(OH)の他に、2CaO・SiO、3CaO・SiO、ガラスなどのように組成の一部として固体粒子中に存在するものも含まれる。
上記酸化カルシウム含有石炭灰以外の粉粒状原料としては、先に石炭灰の処理方法で挙げたものを用いることができる。これらの粉粒状原料の粒度に特別な制限はないが、炭酸ガスとの接触面積を確保して反応性を高めるためにはある程度粒度が細かい方が好ましく、具体的には実質的に(すなわち、不可避的に含まれる粒度の大きい固体粒子を除き)20mm以下、特に望ましくは5mm以下の粒度のものが好ましい。なお、これら適当な粒度を有する粉粒状原料を酸化カルシウム含有石炭灰に混合すれば、酸化カルシウム含有石炭灰として粒径の小さいものを用いる場合などに、原料中での炭酸ガスの通り道を確保するのに有利である。
本発明の製造方法では、酸化カルシウム含有石炭灰からなる又はこれを含む粉粒状原料が適量の水分を含有することが必要である。先に述べたように粉粒状原料の炭酸化反応は原料粒子の表面付着水を介して生じるからである。水分の含有量は原料粒度や原料中の空隙率(気孔率)などによっても異なるが、通常は含有率で5〜20%、好ましくは7〜15%程度とするのが適当である。
粉粒状原料が含有する水分は、粉粒状原料に元々含まれている水分(例えば、石炭焚ボイラから排出された後に不可避的に含水された水分)でもよいし、炭酸化処理するに当たって添加した水分でもよい。
なお、酸化カルシウム含有石炭灰はフリーのCaOを相当量含んでいるため、水分が添加されると反応(CaO+HO→Ca(OH))により発熱するが、この発熱によって粉粒状原料の水分管理がしにくくなるおそれがあり、このため水分を添加した後は、上記発熱(反応)が少なくなるか若しくは実質的に発熱しなくなるのを待って、粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせることが好ましい。また、仮に炭酸化処理においてフリーのCaOの一部が炭酸化せずにそのまま残留した場合には、得られた炭酸固化体がCaOの水和反応によって膨張崩壊するおそれがあるが、事前に上記反応を十分に進行させてCaOをCa(OH)にしておけば、そのような膨張崩壊のおそれもなくすことができる。したがって、本発明の製造方法には、炭酸化処理の直前において酸化カルシウム含有石炭灰中のCaOの一部又は全部がCa(OH)となっている場合が含まれる。
本発明の製造方法は、酸化カルシウム含有石炭灰からなる又はこれを含む粉粒状原料全体を炭酸化反応により固結させて炭酸固化体を製造するものであり、このため水分を含有した粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体を形成し、この粉粒状原料に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせる。
ここで、上記堆積層として一般的に挙げられるのは、ストックヤードや適当なピット内に形成される粉粒状原料の積み山である。また、充填層として一般的に挙げられるのは、型枠などの容器を用いて形成される原料充填層である。また、成形体として一般的に挙げられるのは、粉粒状原料を適当な成形手段で圧密成形した成形体である。
本発明の製造方法では、上記形態の粉粒状原料に炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込む、或いは粉粒状原料を気密にした炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガス雰囲気内に置き、原料内部に炭酸ガスを浸透させる、などの方法で粉粒状原料を炭酸ガスと接触させ、粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせる。これにより、先に述べたような機構によってCaCOが生成し、このCaCOがバインダーとなって粉粒状原料が固結して炭酸固化体が得られるが、酸化カルシウム含有石炭灰は先に(i)〜(iii)で述べたような特性を有するため炭酸化反応が迅速に進行し、効率的な炭酸化処理を行うことができる。
ここで、粉粒状原料を積み山にする場合は、適当なピット内に積み山を形成してもよいし、野積みの積み山を形成してもよいが、吹き込まれる炭酸ガスが積み山全体に十分に流れるようにし、且つ粉粒状原料の飛散や雨水などによる流失を避けるため、積み山をシートなどで覆うことが好ましい。
粉粒状原料の堆積層や充填層の量は特に限定されず、例えば数トンないし数百トン規模の量としてもよいし、数kg〜数十kg程度の量としてもよい。なお、粉粒状原料の堆積層や充填層の量が多くても、炭酸固化後の堆積層や充填層を重機などで砕くことにより、塊状の炭酸固化体を容易に切り出すことができる。
本発明法により製造される炭酸固化体の密度は、堆積層や充填層の嵩密度(圧密度)に依存し、したがって、必要に応じて堆積層や充填層の締め固めの度合いを調整し、その嵩密度を調整することにより、炭酸固化体の密度を容易に調整することができる。
粉粒状原料の堆積層や充填層の締め固めは、堆積層や充填層の上部から重機で締め固める方法や、粉粒状原料の堆積層や充填層に振動を与えることにより締め固める方法などを採用でき、これらを行う際の締め固めの度合いを調整することにより、堆積層や充填層の嵩密度の調整を行う。
堆積層や充填層内に炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込む方法に特別な制限はないが、堆積層や充填層の底部にガス吹き込み手段を設け、このガス吹き込み手段を通じてガスを吹き込むことが最も効果的である。例えば、堆積層や充填層の底部(ピット、型枠などを用いる場合には、それらの底部)にガス供給用の配管又はホース等を適当な配置密度で配し、これら配管又はホースに設けたガス吹出孔から炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスが吹出されるようにすればよい。また、後述する実施形態のように、型枠の底部にガス吹き込み用の給気部(空間)を設けてもよい。
粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせるために使用される炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスに特別な制限はないが、本発明の製造方法を酸化カルシウム含有石炭灰の発生場所又はその近傍で実施する場合には、入手が最も容易な炭酸ガス源は石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガス(特に、炭酸化処理する酸化カルシウム含有石炭灰が生じた石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガス)であると考えられることから、一般には、この石炭燃焼排ガスを炭酸ガス源として用いるのが有利である。また、本発明の製造方法において炭酸化処理に用いられた炭酸ガス含有ガスは当然炭酸ガス濃度が低下し、放出炭酸ガス量の削減に寄与するものであるが、上記のように炭酸ガス源として石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガスを用いることにより、石炭焚ボイラから排出される燃焼生成物(石炭灰及び排ガス中の炭酸ガス)を自己完結的に処理できるという利点がある。
使用する炭酸ガス含有ガスは、CO濃度が低すぎると処理効率が低下するという問題を生じるが、それ以外の問題は格別ない。したがって、CO濃度は特に限定しないが、効率的な処理を行うには3%以上のCO濃度とすることが好ましい。
また、炭酸ガスの供給量にも特別な制限はないが、一般的な目安としては0.004〜0.5m/min・t(原料ton)程度のガス供給量が確保できればよい。また、ガス供給時間(炭酸化処理時間)にも特別な制約はないが、目安としては炭酸ガスの供給量が粉粒状原料の質量の3%以上となる時点、すなわち、ガス量に換算すると原料1t当たり15m以上、好ましくは200m以上の炭酸ガスが供給されるまでガス供給を行うことが好ましい。
供給される炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスは常温でよいが、ガスが常温よりも高温であればそれだけ反応性が高まるため有利である。但し、ガスの温度が過剰に高いと粉粒状原料中の水分を乾燥させたり、或いはCaCOがCaOとCOに分解してしまうおそれがあるため、高温ガスを用いる場合にはその点に留意する必要がある。
また、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスは、粉粒状原料の乾燥を防ぐために加湿した状態で原料に供給されることが好ましい。このため粉粒状原料にガスを供給するに当たっては、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを一旦水中に吹き込んでHOを飽和させた後、粉粒状原料に供給することが好ましく、これにより原料の乾燥を防止して炭酸化反応を促進させることができる。
図1は本発明法の一実施形態を示すもので、型枠を用いて原料充填層を形成し、この原料充填層を炭酸固化させるようにした例である。図1は、原料充填層を形成する型枠を縦断面した状態を示している。
前記型枠1は実質的に気密にすることが可能な型枠であって、本実施形態では、容器状の本体100とその上部を閉塞する蓋体101とから構成されている。前記本体100の底部にはガス給気部2(ガス給気用空間)が設けられるとともに、このガス給気部2と本体100との間の隔壁には多数のガス通孔20が形成されている。前記ガス給気部2にはガス供給管3が接続され、また、型枠1の上部には型枠内に供給されたガスの排気を行うための排気管4が接続されている。
型枠1内には水分添加された粉粒状原料が装入され、原料充填層Aが形成される。なお、水分添加は型枠1内に粉粒状原料を装入した後に行ってもよい。また、原料装入後、必要に応じて粉粒状原料の締め固めを行ってもよい。
上記のように原料充填層Aを形成した後、蓋体101を装着して型枠1を気密状態にし、しかる後、ガス供給管3から型枠1内に炭酸ガスを一定期間(例えば、数時間〜数百時間程度)供給する。炭酸ガスはガス給気部2に導入された後、ガス通孔20から上方の原料充填層A内に吹き込まれる。原料充填層A内を通過する炭酸ガスの一部は、原料粒子からその表面付着水に溶出したCaイオンと反応し、原料粒子の表面にCaCOが析出し、これがバインダーとなって原料充填層Aが固結して炭酸固化体となる。炭酸ガスの残りは原料充填層Aを通過して排気管4から型枠1外に排出される。また、場合によっては、排気管4の開閉弁5を閉じた状態で原料充填層A内に炭酸ガスを供給するようにしてもよいが、その場合には、時々開閉弁5を開にして型枠1内に溜まったガスを放出し、型枠1内の炭酸ガス濃度が所定レベル以上に維持されるようにすることが好ましい。以上のような炭酸ガスの供給を一定期間行った後、脱型し、炭酸固化体を取り出す。
本発明の製造方法により得られる炭酸固化体の形状は任意であり、例えば断面形状が円形、楕円形、三角形、四角形以上の多角形、星形など、或いは全体形状が球形状、楕球形、四面体以上の多面体形、円錐体形、柱状形、テトラポット形など、任意の形状とすることができる。
また、本発明の製造方法により得られる炭酸固化体は、漁礁・藻礁造成用石材、築磯用石材、水質浄化用石材、通水性舗装用石材、通水性被覆ブロック、埋設排水溝用ブロック、水耕栽培用ベース材、浄水用フィルター、給水用容器をはじめとする種々の用途に使用することができる。
[実施例1]
加圧流動床型ボイラの底部から回収された酸化カルシウム含有石炭灰を100cm×100cm×50cmの型枠内に充填し、含水率:11%、充填密度:1.5g/cmの原料充填層を形成した。型枠に蓋を装着した後、型枠の底部から原料充填層中に炭酸ガスを供給量10Nm/hrの割合で4日間吹込み、原料充填層を炭酸固化させて炭酸固化体を得た。
この炭酸固化体の任意の箇所から直径100mm,長さ200mmの円柱状の試料(炭酸固化体)を10本切り出し、それらの圧縮強度を測定した。なお、圧縮強度は試料の端面を研磨した後、アムスラー試験機により測定した。その結果、10本の試料の平均圧縮強度は約100kgf/cmであった。
[実施例2]
加圧流動床型ボイラの底部から回収された酸化カルシウム含有石炭灰を100cm×100cm×50cmの型枠内に充填し、含水率:13%、充填密度:1.6g/cmの原料充填層を形成した。型枠に蓋を装着した後、型枠の底部から原料充填層中に炭酸ガスを供給量10Nm/hrの割合で5日間吹込み、原料充填層を炭酸固化させて炭酸固化体を得た。
この炭酸固化体の任意の箇所から直径100mm,長さ200mmの円柱状の試料(炭酸固化体)を10本切り出し、それらの圧縮強度を測定した。なお、圧縮強度は試料の端面を研磨した後、アムスラー試験機により測定した。その結果、10本の試料の平均圧縮強度は約200kgf/cmであった。
本発明による炭酸固化体の製造方法の一実施形態を示す説明図
符号の説明
1 型枠
2 ガス給気部
3 ガス供給管
4 排気管
5 開閉弁
20 ガス通孔
100 本体
101 蓋体
A 原料充填層

Claims (16)

  1. 石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることを特徴とする石炭灰の処理方法。
  2. 粉粒状原料が、石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰からなることを特徴とする請求項1に記載の石炭灰の処理方法。
  3. 酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの燃焼経路から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの排ガス経路に設けられた集塵機から回収される石炭灰、の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の石炭灰の処理方法。
  4. 酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰からなるか若しくは石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の石炭灰の処理方法。
  5. 酸化カルシウムを含有する石炭灰が、加圧流動床型ボイラから排出される石炭灰であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の石炭灰の処理方法。
  6. 粉粒状原料に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより、粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の石炭灰の処理方法。
  7. 粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせるために使用される炭酸ガス含有ガスとして、石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガスを用いることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の石炭灰の処理方法。
  8. 石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることにより、前記粉粒状原料が炭酸化反応で固結した炭酸固化体を得ることを特徴とする炭酸固化体の製造方法。
  9. 粉粒状原料が、石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰からなることを特徴とする請求項8に記載の炭酸固化体の製造方法。
  10. 酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの燃焼経路から回収される石炭灰、石炭焚ボイラの排ガス経路に設けられた集塵機から回収される石炭灰、の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の炭酸固化体の製造方法。
  11. 酸化カルシウムを含有する石炭灰が、石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰からなるか若しくは石炭焚ボイラの底部から回収される石炭灰を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の炭酸固化体の製造方法。
  12. 酸化カルシウムを含有する石炭灰が、加圧流動床型ボイラから排出される石炭灰であることを特徴とする請求項8、9、10又は11に記載の炭酸固化体の製造方法。
  13. 粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより、前記粉粒状原料に炭酸化反応を生じさせることを特徴とする請求項8、9、10、11又は12に記載の炭酸固化体の製造方法。
  14. 粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に炭酸化反応を生じさせるために使用される炭酸ガス含有ガスとして、石炭焚ボイラから排出される石炭燃焼排ガスを用いることを特徴とする請求項8、9、10、11、12又は13に記載の炭酸固化体の製造方法。
  15. 石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料に、石炭焚ボイラから排出される炭酸ガス含有排ガスの存在下で炭酸化反応を生じさせるとともに、該炭酸化反応により前記炭酸ガス含有排ガスの炭酸ガス濃度を低下させることを特徴とする、石炭焚ボイラから排出される燃焼生成物の処理方法。
  16. 石炭焚ボイラにおいて石灰石粉とともに装入された石炭を燃焼させることにより生成した、酸化カルシウムを含有する石炭灰を、少なくとも原料の一部として含む粉粒状原料に水分を含有させ、該水分を含有した粉粒状原料の堆積層、充填層又は成形体に、石炭焚ボイラから排出される炭酸ガス含有排ガスの存在下で炭酸化反応を生じさせることにより、前記粉粒状原料を固結させて炭酸固化体を得るとともに、前記炭酸ガス含有排ガスの炭酸ガス濃度を低下させることを特徴とする、石炭焚ボイラから排出される燃焼生成物の処理方法。
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