JP2002011971A - 平版印刷版製造方法及び平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版製造方法及び平版印刷版

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JP2002011971A
JP2002011971A JP2000192357A JP2000192357A JP2002011971A JP 2002011971 A JP2002011971 A JP 2002011971A JP 2000192357 A JP2000192357 A JP 2000192357A JP 2000192357 A JP2000192357 A JP 2000192357A JP 2002011971 A JP2002011971 A JP 2002011971A
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layer
coating
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lithographic printing
photosensitive layer
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JP2000192357A
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Hideto Sasaki
秀人 佐々木
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光層を損傷させることなくオーバーコート
層を高速塗布、薄層塗布及び異幅塗布可能であり、しか
も、空気中から溶存してくる酸素の量を少なくして、且
つ感光層又は感熱層を高速塗布、薄層塗布及び異幅塗布
可能な平版印刷版製造方法を得る。 【解決手段】 ウエブの製造ライン10において、感光
層の塗布装置26としてバー塗布方式、オーバーコート
層の塗布装置30としてスライド塗布方式のものをそれ
ぞれ採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版製造方
法及び平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像処理のデジタル処理技術の発
展に伴い、直接製版システムを実現するための平版印刷
版の感光性材料として、光ラジカル重合を利用すること
により可視領域のレーザ光に対して高感度とされたフォ
トポリマが用いられることがある。このフォトポリマに
より感光層が形成された平版印刷版(以下、「フォトポ
リマ型平版印刷版」という。)では、画像データに基づ
いて十分細いビーム径を有するレーザ光により平版印刷
版の画像形成面(感光層)を走査し、支持体上に設けら
れた感光層に光重合反応を生じさせて露光部を硬化させ
る。すなわち、フォトポリマ型平版印刷版を使用するこ
とにより、フィルム原稿(リスフィルム)を用いること
なく文字、画像等を直接、平版印刷版の画像形成面に形
成できる。ここで、フォトポリマ型平版印刷版では、空
気中の酸素が光重合反応の阻害要因となることから、通
常、画像形成面の表層部にポリビニルアルコール(PV
A)等の透明樹脂により酸素遮断膜としてオーバーコー
ト層が設けられ、このオーバーコート層により感光層が
覆われている。
【0003】上記のようなフォトポリマ型平版印刷版の
支持体は、多くの場合、アルミニウム又はアルミニウム
を主体とする合金(以下、「アルミ合金」という。)を
素材とする長尺帯状のアルミニウム板の片面あるいは両
面に粗面化処理を施した後、耐磨耗性を向上するため陽
極酸化処理により陽極酸化皮膜が形成されて製造され
る。この支持体には、その陽極酸化皮膜上に感光性材料
(フォトポリマ)が塗布、乾燥されて感光層が形成され
た後、この感光層の表面全体を覆うようにPVAが塗
布、乾燥されてオーバーコート層が形成される。このよ
うして製造された平版印刷版の素材としてのウエブは、
一旦、ロール状に巻き取られた後、ウエブロールとして
平版印刷版の加工ラインへ供給され、保護用合紙の貼り
付け、製品サイズへの切断等が行われる。
【0004】ところで、オーバーコート層を形成する場
合、支持体表面の感光層又は感熱層に損傷を与えること
がないように塗布液を塗布する必要がある。また、この
塗布液は、一般に中粘度(概ね50mPa以下)であ
り、このような中粘度の塗布液を高速且つ薄層に塗布す
ることが望ましい。さらに、塗布幅を任意に変更できる
(異幅塗布)ようにしておくことが望ましい。しかし、
これらの条件をすべて満たす塗布方法は提案されていな
い。
【0005】一方、感光層を形成する場合には、感度を
安定化させるために、空気中から溶存してくる酸素量を
少なくする必要がある。また、感光層として塗布される
塗布液は、一般に低粘度(概ね20mPa以下)であ
り、このような低粘度の塗布液を、オーバーコート層の
場合と同様、高速で薄層に塗布でき、しかも異幅塗布可
能とすることが望ましい。特に、支持体の表面は、前述
のように粗面化処理されていることが多いため、このよ
うな支持体表面に対して、上記した条件を満たして塗布
することが望まれる。
【0006】さらに、光重合性平版印刷版に限らず、感
光層(又は感熱層)やオーバーコート層を有する平版印
刷版はすべて、上記した条件を満たして、これらの各層
を形成することが望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、感光層を損傷させることなくオーバーコート層
を高速塗布、薄層塗布及び異幅塗布可能な平版印刷版製
造方法を得ることを第1の課題とする。また、空気中か
ら溶存してくる酸素の量を少なくして、且つ感光層又は
感熱層を高速塗布、薄層塗布及び異幅塗布可能な平版印
刷版製造方法を得ることを第2の課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、支持体上に感光層又は感熱層が形成された平版印刷
版に対して、この感光層又は感熱層の表面にオーバーコ
ート層を形成する平版印刷版製造方法であって、前記オ
ーバーコート層をスライド塗布により形成することを特
徴とする。
【0009】このように、オーバーコート層をスライド
塗布により形成することで、感光層を損傷させることな
く、中粘度の塗布液を高速且つ薄層に塗布し、オーバー
コート層を形成でき、生産性が向上する。また、オーバ
ーコート層の異幅塗布も可能となる。
【0010】請求項2に記載の発明では、支持体上に感
光層又は感熱層を形成し、さらにこの感光層又は感熱層
の表面にオーバーコート層を形成する平版印刷版製造方
法であって、前記感光層又は感熱層をバー塗布により形
成し、前記オーバーコート層をスライド塗布により形成
することを特徴とする。
【0011】このように、感光層又は感熱層をバー塗布
により形成することで、空気中から溶存してくる酸素量
を少なくして、低粘度の塗布液を高速且つ薄層に塗布
し、感光層又は感熱層を形成できる。特に、支持体の表
面が粗面化処理されている場合でも、安定して塗布で
き、生産性が向上する。また、感光層又は感熱層の異幅
塗布も可能となる。
【0012】加えて、オーバーコート層をスライド塗布
により形成するので、感光層を損傷させることなく、中
粘度の塗布液を高速且つ薄層に塗布し、オーバーコート
層を形成できる。また、オーバーコート層の異幅塗布も
可能となる。
【0013】請求項3に記載の発明では、支持体上に感
光層又は感熱層が形成され、さらにこの感光層又は感熱
層の表面にオーバーコート層が形成された平版印刷版で
あって、前記オーバーコート層がスライド塗布により形
成されていることを特徴とする。
【0014】すなわち、オーバーコート層は、塗布液を
スライド塗布することにより形成されているので、高速
且つ薄層に形成される。また、感光層又は感熱層の損傷
が防止され、高品質の平版印刷版となる。
【0015】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記感光層又は感熱層がバー塗布に
より形成されていることを特徴とする。
【0016】すなわち、感光層又は感熱層は、塗布液を
バー塗布することにより形成されているので、高速且つ
薄層に形成される。また、感光層へ空気中から溶存して
くる酸素の量も少なくなり、高品質の平版印刷版とな
る。
【0017】加えて、オーバーコート層は、塗布液をス
ライド塗布することにより形成されているので、高速且
つ薄層に形成される。また、感光層又は感熱層の損傷が
防止され、高品質の平版印刷版となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
フォトポリマ型平版印刷版及びその製造方法を図面に基
づいて説明する。
【0019】図1には本発明の一実施形態に係るフォト
ポリマ型平版印刷版の素材としてウエブの製造ライン1
0が示されている。この製造ライン10の最も上流側
(図1の左側)には送出装置16が配置されており、こ
の送出装置16には、例えば厚さ0.1〜0.5mmの
アルミウエブ12がロール状に巻き取られたアルミコイ
ル14が装填されている。送出装置16は製造ライン1
0全体での製造速度に対応する速さでアルミウエブ12
を下流側へ送り出す。
【0020】ここで、平版印刷版用支持体の素材として
のアルミニウム板は、例えば、JIS1050材、JI
S1100材、JIS1070材、Al−Mg系合金、
Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Z
r系合金、Al−Mg−Si系合金等を適用し得る。メ
ーカにおけるアルミニウム板の製造過程では、上記規格
に適合するアルミニウムの鋳塊を製造し、このアルミニ
ウム鋳塊を熱間圧延した後、必要に応じて焼鈍と呼ぶ熱
処理を施し、冷間圧延により所定の厚さとされた帯状の
アルミニウム板に仕上げる。このアルミニウム板はロー
ル状に巻き取られてアルミコイルとされる。
【0021】製造ライン10では、先ず、送出装置16
により下流側へ送り出されたアルミウエブ12を、平坦
性を改善するためにローラレベラ、テンションレベラ等
の矯正装置(図示省略)によって形状を矯正して必要な
平坦性を得る。
【0022】矯正装置の下流側には、アルミウエブ12
の搬送経路に沿って上面研磨装置18及び下面研磨装置
20が順次配置されている。
【0023】上面研磨装置18には、アルミウエブ12
の上面に接するように支持された研磨ローラ22が設け
られると共に、アルミウエブ12の下面に接するように
一対のテンションローラ24が設けられている。研磨ロ
ーラ22は、そのローラ面が例えば不織布により構成さ
れており、研磨時にはローラ面の線速度がアルミウエブ
12の搬送速度に対して十分大きくなるように高速回転
される。このとき、研磨ローラ22の回転方向は、アル
ミウエブ12との接触部でのローラ面の移動方向がアル
ミウエブ12の搬送方向と同一となる順回転方向でも、
またローラ面の移動方向がアルミウエブ12の搬送方向
と反対となる逆回転方向の何れでもよい。また一対のテ
ンションローラ24は、アルミウエブ12の搬送方向に
沿って研磨ローラ22を挟むように配置され、アルミウ
エブ12を上方へ付勢してアルミウエブ12の上面を所
定の接触圧で研磨ローラ22のローラ面へ圧接させてい
る。
【0024】上面研磨装置18には、セラミック粒子等
を含む研磨剤を水に分散させたスラリーを研磨ローラ2
2とアルミウエブ12との接触部へ供給するスラリー供
給部(図示省略)が設けられており、このスラリー供給
部はアルミウエブ12の研磨時に単位時間当たりに所定
量のスラリーを供給する。このスラリー中の研磨材が研
磨ローラ22によりアルミウエブ12の上面へ擦り付け
られることにより、アルミウエブ12上面のミクロ的な
凹凸が平均化されるように研磨されて表面粗さが小さく
なって行く。
【0025】なお、上面研磨装置18による研磨の研磨
条件は、メーカから供給されるアルミウエブ12の初期
表面粗さ、製造ライン10によるアルミウエブ12の搬
送速度等により変化する。従って、アルミウエブ12の
初期表面粗さ、搬送速度等に応じて研磨ローラ22の回
転速度、研磨材の種類及び粒径等を設定すればよい。ま
た、本実施形態では、1台の上面研磨装置18によって
アルミウエブ12の上面を研磨しているが、複数台の上
面研磨装置18をアルミウエブ12の搬送経路に沿って
配置し、それぞれの上面研磨装置18により段階的にア
ルミウエブ12の上面を表面粗さが所定値以下となるま
で研磨するようにしてもよい。
【0026】上面が研磨されたアルミウエブ12は、上
面研磨装置18の下流側に配置された下面研磨装置20
により下面の表面粗さ(JIS 中心線平均粗さ)が一
定値以下となるように研磨される。ここで、下面研磨装
置20の構造は、研磨ローラ22と一対のテンションロ
ーラ24がアルミウエブ12を介して上下逆に配置され
ている点を除いて、上面研磨装置18と同一であるので
説明を省略する。なお、アルミウエブ12の下面の表面
粗さは、0.25〜0.75μm以下とすることが好ま
しく、このための研磨条件(研磨ローラ22の回転速
度、研磨材の種類及び粒径等)も上面の場合と同様、ア
ルミウエブ12の初期表面粗さ、搬送速度等に応じて設
定すればよい。
【0027】研磨装置18、20により研磨されたアル
ミウエブ12は、研磨装置18、20の下流側で機械的
又は電気化学的にその表面が粗面化される。このような
粗面化方法としては、機械的な砂目立て法,電気化学的
な砂目立て法などがあり、それらを単独で、あるいは適
宜組合わせて粗面化を行うことができる。機械的な砂目
立て法としては、例えば、ボールグレイン、ワイヤーグ
レイン、ブラシグレイン、液体ホーニング法などがあ
る。また電気化学的砂目立て方法としては、交流電解エ
ッチング法が一般的に採用されており、電解電流として
は、普通の正弦波交流電流あるいは矩形波や、特殊交番
電流などが用いられている。またこの電気化学的砂目立
ての前処理として、アルミニウム板を苛性ソーダなどで
エッチング処理をしても良い。
【0028】製造ライン10には、粗面化処理が完了し
たアルミウエブ12に対して公知の陽極酸化処理を行う
陽極酸化装置(図示省略)が設けられている。この陽極
酸化装置は、アルミウエブ12の表面を公知の液中給電
方式により陽極酸化してアルミウエブ12の表面に高い
硬度を有する陽極酸化皮膜を形成する。このとき、アル
ミウエブ12の表面には、0.1〜10g/m2の陽極
酸化皮膜、より好ましくは0.3〜5g/m2の陽極酸
化皮膜が形成される。また陽極酸化処理の条件は、使用
される電解液によって設定を変更する必要があるので一
概には決定されないが、一般的には、電解液の濃度は1
〜80wt%、液温は5〜70℃、電流密度は0.5〜
60A/dm2、電圧は1〜100V、電解時間は1se
c〜5minの範囲内でそれぞれ設定される。
【0029】陽極酸化装置の下流側には、図1に示すよ
うに、アルミウエブ12に対する感光性材料(フォトポ
リマー)の塗布装置26及び乾燥装置28がそれぞれ設
置されている。
【0030】図2(A)に示すように、塗布装置26
は、軸受部材62に回転可能に、且つアルミウエブ12
に接触するように支持されたロッド64を有している。
軸受部材62に隣接して堰部材66が設けられており、
これらの間には塗布液供給路68が構成されている。こ
の塗布液供給路68から供給された塗布液70(フォト
ポリマー)が、アルミウエブ12に接触して液溜まり7
2を形成する。そして、ロッド64が回転することによ
り、液溜まり72の塗布液70が掻き上げられてアルミ
ウエブ12に転移される。このような構成とされた塗布
装置26は、いわゆるバー塗布(あるいはロッド塗布)
を行う塗布装置である。
【0031】塗布装置26の下流側に配置された乾燥装
置28には、防爆及び断熱構造とされた乾燥槽46が設
けられると共に、この乾燥槽46内に複数本の案内ロー
ラ48が配置されている。フォトポリマーが転移された
アルミウエブ12は、案内ローラ48により上面側から
案内されつつ乾燥槽46内を移動する。このとき、乾燥
槽46内へ熱風50が供給されることにより、アルミウ
エブ12上のフォトポリマーが乾燥されて感光層が形成
される。
【0032】フォトポリマーの乾燥装置28の下流側に
は、ポリビニルアルコール(PVA)の塗布装置30及
び乾燥装置32がそれぞれ設置されている。
【0033】図2(B)に示すように、塗布装置30
は、アルミウエブ12が巻きかけられるローラ82と、
このローラ82に隣接配置された塗布部材84と、で構
成されている。塗布部材84の上面は、ローラ82に向
かって下降し、下端がアルミウエブ12との間にわずか
な隙間を構成するように形成された傾斜面86とされて
いる。また、塗布部材84の内部には、塗布液88(P
VA)を貯留する貯留部90が設けられている。図示し
ない流出装置によって、貯留部90内の塗布液88が傾
斜面86に流出され、傾斜面86を流れて(スライドし
て)、アルミウエブ12に転移される。このような構成
とされた塗布装置30は、いわゆるスライド塗布を行う
塗布装置である。なお、本実施形態では、塗布液88が
1種類のみ(PVA)であるため、貯留部90は図2
(B)に実線で示すように1つのみ設けられていれば十
分であるが、複数の塗布液を多層に塗布する場合には、
これに対応して、図2(B)に二点鎖線で示すように貯
留部90が複数設けられたものが使用される。
【0034】塗布装置30の下流側に配置された乾燥装
置32は、基本的にフォトポリマーの乾燥装置28と同
一構造とされており、その加熱槽56内を移動するアル
ミウエブ12を複数本の案内ローラ58により案内しつ
つ、アルミウエブ12上のPVAを熱風50によって乾
燥する。これにより、アルミウエブ12上には、感光層
を覆うように酸素遮断層としてのオーバーコート層が形
成される。但し、感光層とオーバーコート層とではそれ
ぞれ適正な乾燥条件が異なるため、それぞれの乾燥条件
に応じて乾燥槽46、56へ供給される熱風温度や乾燥
槽46、56の搬送方向に沿った長さ等が設定されてい
る。
【0035】このようにして、本実施形態の製造ライン
10では、感光層上にオーバーコート層が形成されるこ
とにより、フォトポリマ型平版印刷版の素材としてのウ
エブの製造が完了する。製造されたウエブはウエブ巻取
装置38によりロール状に巻き取られてウエブロール3
6とされる。このウエブロール36は、フォトポリマ型
平版印刷版の加工ライン(図示省略)のウエブ供給装置
へ供給され、このウエブ供給装置により巻き出されて加
工ラインの加工速度に対応する速度でラインの下流側へ
供給される。
【0036】表1(A)及び(B)には、アルミウエブ
12に塗布液を塗布可能な各種の塗布方式について、感
光層及びオーバーコート層(OC層)の場合の塗布適性
の検討結果が示されている。表中、「バー塗布」及び
「スライド塗布」は、それぞれ上記した塗布装置26、
30による塗布方式である。また、これら以外の塗布方
式は、従来から一般的に採用されている塗布方式の代表
的なものである。表の評価において、「○」は全く問題
或いは不都合がないことを、「×」は問題や不都合が生
じたりすることを、「△」は問題や不都合が生じるが
「×」よりもその程度が少ないことをそれぞれ示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1(A)から分かるように、感光層を塗
布する場合には、バー塗布によって塗布すれば、求めら
れる評価項目の全てにおいて、全く問題あるいは不都合
が生じないことが分かる。そして、上記した本実施形態
の塗布装置26はバー塗布によって塗布液70を塗布し
感光層を形成しているので、粗面化されたアルミウエブ
12に対して、低粘度(概ね20mPa以下)であるフ
ォトポリマーを高速(例えば150m/分程度)で、且
つ薄層(例えば20ml/m2以下)に塗布できる。ま
た、異幅塗布も安定して行うことが可能であり、感光層
に空気中の酸素が溶存してしまうこともない。このた
め、得られた平版印刷版は、高品質となり、しかも品質
が安定する。
【0039】また、表1(B)から分かるように、オー
バーコート層を塗布する場合には、スライド塗布によっ
て塗布すれば、求められる評価項目の全てにおいて、全
く問題又は不都合が生じないことが分かる。そして、上
記した本実施形態の塗布装置30は、スライド塗布によ
って塗布液88を塗布しオーバーコート層を形成してい
るので、中粘度(概ね50mPa以下)であるPVAを
高速(例えば150m/分程度)で、且つ薄層(例えば
50ml/m2以下)に塗布できる。また、異幅塗布も
安定して行うことが可能であり、感光層に損傷を与えて
しまうこともない。従って、得られた平版印刷版は、高
品質となり、しかも品質が安定する。
【0040】しかも、オーバーコート層をスライド塗布
によって形成する場合の上記した適性は、感光層がどの
ような塗布方式で形成されたかに依存していない。従っ
て、バー塗布方式の塗布装置26によって感光層を形成
した場合に限らず、どのような塗布方式で形成された感
光層に対しても、本実施形態のようにスライド塗布によ
ってオーバーコート層を形成すれば、上記した効果が得
られる。
【0041】なお、感光層をバー塗布(あるいはロッド
塗布)によって形成するための塗布装置の構成は、上記
した塗布装置26に限定されない。すなわち、一般的に
バー塗布(あるいはロッド塗布)と称されている塗布方
式が可能なものであれば、本発明に適用できる。例え
ば、ロッド64の外周にワイヤーが巻きつけられた構成
の塗布装置を使用し、いわゆるワイヤーバー塗布方式と
してもよい。
【0042】同様に、オーバーコート層をスライド塗布
によって形成するための塗布装置としても、上記した塗
布装置30に限定されず、一般的にスライド塗布と称さ
れている塗布方式が可能なものであれば、本発明に適用
できる。
【0043】また、上記説明では、感光性材料としてフ
ォトポリマを用い、酸素遮断材料としてPVAを用いた
平版印刷版を製造する場合のみについて説明したが、本
発明はオーバーコート層(酸素遮断膜)により感光層又
は感熱層が覆われている平版印刷版ならばフォトポリマ
型平版印刷版以外の他の平版印刷版にも適用可能であ
る。このような平版印刷版の具体的な態様としては、例
えば、下記(1)〜(11)記載の感光層を有するもの
が挙げられる。 (1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生す
る化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する
態様。 (2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアル
カリ溶解性となる化合物を含有する態様。 (3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発
生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多
官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層
と、酸素遮断層との2層を含む態様。 (4) 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層
との2層からなる態様。 (5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バ
インダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤
を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 (6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノン
ジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層と
の2層を含む態様。 (7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。 (8) 感光層が、レーザー光照射によって除去される
レーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層
とからなる2〜3層を含む態様。 (9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する
化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生
する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光
を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物
を含有する態様。 (10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラ
ック樹脂とを含有する態様。 (11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己
もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物
とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
【0044】また上記(1)〜(11)記載の感光層又
は感熱層を有する平版印刷版へオーバーコート層を適用
する際には、オーバーコート層の材質及び層厚等の構成
はその感光層の性質に応じて当然、変化する。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、支持体上に
感光層又は感熱層が形成された平版印刷版に対して、こ
の感光層又は感熱層の表面にオーバーコート層を形成す
る平版印刷版製造方法であって、前記オーバーコート層
をスライド塗布により形成するので、感光層を損傷させ
ることなく、中粘度の塗布液を高速且つ薄層に塗布し、
オーバーコート層を形成でき、生産性が向上する。ま
た、オーバーコート層の異幅塗布も可能となる。
【0046】請求項2に記載の発明では、支持体上に感
光層又は感熱層を形成し、さらにこの感光層又は感熱層
の表面にオーバーコート層を形成する平版印刷版製造方
法であって、前記感光層又は感熱層をバー塗布により形
成し、前記オーバーコート層をスライド塗布により形成
するので、空気中から溶存してくる酸素量を少なくし
て、低粘度の塗布液を高速駆る薄層に塗布し、感光層又
は感熱層を形成できる。加えて、オーバーコート層をス
ライド塗布により形成するので、感光層を損傷させるこ
となく、中粘度の塗布液を高速且つ薄層に塗布し、オー
バーコート層を形成できる。また、オーバーコート層の
異幅塗布も可能となる。
【0047】請求項3に記載の発明では、支持体上に感
光層又は感熱層が形成され、さらにこの感光層又は感熱
層の表面にオーバーコート層が形成された平版印刷版で
あって、前記オーバーコート層がスライド塗布により形
成されているので、オーバーコート層は、高速且つ薄層
に形成される。また、感光層又は感熱層の損傷が防止さ
れ、高品質の平版印刷版となる。
【0048】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記感光層又は感熱層がバー塗布に
より形成されているので、感光層又は感熱層は、高速且
つ薄層に形成される。また、感光層へ空気中から溶存し
てくる酸素の量も少なくなり、高品質の平版印刷版とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフォトポリマ型平版
印刷版の製造ラインを示す概略構成図である。
【図2】(A)は本発明の一実施形態に係る感光層の塗
布装置を示す断面図であり、(B)は本発明の一実施形
態に係るオーバーコート層の塗布装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 製造ライン 26 塗布装置 30 塗布装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AB03 AC08 AD01 BC13 BC31 DA01 DA04 EA04 2H096 AA06 BA05 BA20 CA12 EA04 EA23 2H114 AA04 AA14 AA23 AA24 AA27 AA30 BA01 BA05 BA10 DA04 DA51 GA03 GA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層又は感熱層が形成され
    た平版印刷版に対して、この感光層又は感熱層の表面に
    オーバーコート層を形成する平版印刷版製造方法であっ
    て、 前記オーバーコート層をスライド塗布により形成するこ
    とを特徴とする平版印刷版製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に感光層又は感熱層を形成し、
    さらにこの感光層又は感熱層の表面にオーバーコート層
    を形成する平版印刷版製造方法であって、 前記感光層又は感熱層をバー塗布により形成し、 前記オーバーコート層をスライド塗布により形成するこ
    とを特徴とする平版印刷版製造方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に感光層又は感熱層が形成さ
    れ、さらにこの感光層又は感熱層の表面にオーバーコー
    ト層が形成された平版印刷版であって、 前記オーバーコート層がスライド塗布により形成されて
    いることを特徴とする平版印刷版。
  4. 【請求項4】 前記感光層又は感熱層がバー塗布により
    形成されていることを特徴とする請求項3に記載の平版
    印刷版。
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