JP2002011885A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2002011885A JP2000197399A JP2000197399A JP2002011885A JP 2002011885 A JP2002011885 A JP 2002011885A JP 2000197399 A JP2000197399 A JP 2000197399A JP 2000197399 A JP2000197399 A JP 2000197399A JP 2002011885 A JP2002011885 A JP 2002011885A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクの吐出量を一定として濃度むらの少ない
良好な画像を高速で記録することが可能なインクジェッ
トヘッドを提供する。 【解決手段】直線状に配列した多数の発熱抵抗体3を有
する基板1と、多数のインク吐出孔8が穿設されている
天板7とを、インク吐出孔8が発熱抵抗体3の上部に位
置するようにして所定の間隔を空けて配置させるととも
に、基板1及び天板7間に形成される隙間にインク9を
充填させてなり、インク9を発熱抵抗体3の配列と直交
する方向に流動させながらインク吐出孔8よりインク滴
iを吐出させて画像を形成するインクジェットヘッドで
あって、前記天板7の下面で、かつ隣接するインク吐出
孔8,8間の領域に、インク9の流動方向に沿った隔壁
10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を形成するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出・飛翔させるのに発熱抵抗
体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変
形を利用するもの,更には電磁波の照射に伴って発生す
る熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗
体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプの
ものは、発熱抵抗体のパターン形成が容易であることに
加え、発熱抵抗体の面積が小さくても比較的大きな熱エ
ネルギーを発生させることができることから高密度記録
への対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば、直線状に配列した多数
の発熱抵抗体を有する基板と、前記発熱抵抗体と1対1
に対応する多数のインク吐出孔が穿設されている天板と
を、間に所定の間隔を空けて配置させるとともに、前記
基板及び天板間の隙間にインクを充填させた構造のもの
が知られており、記録紙を前記天板の上面に沿って搬送
しながら、多数の発熱抵抗体を画像データに基づいて個
々に選択的に発熱させ、この熱エネルギーによってイン
ク中に気泡を発生させるとともに、該発生した気泡によ
る圧力でもってインクの一部を天板のインク吐出孔より
外部に吐出させ、これを記録紙に付着させることによっ
て所定の画像が記録される。
【0005】尚、前記インクをインク吐出孔より外部に
吐出した後、基板と天板との間には吐出したインクと同
じ量のインクが流入して補充されるようになっており、
これによって上述の記録動作を連続的に繰り返すことが
できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のインクジェットヘッドにおいては、発熱抵抗体の熱
エネルギーによってインク滴を吐出させた後、基板−天
板間の気泡は上述したインクの補充によってその大部分
が消滅するものの、細かな気泡が残ってしまうことがあ
る。このような残留気泡を含んだ基板−天板間のインク
は、次ラインの記録動作が開始されるまでの間、そのま
ま同じ場所にあるため、発熱抵抗体を再び発熱させて新
たな気泡を発生させると、インクが小さな残留気泡を含
んだまま外部に吐出されてしまったり、或いは、新たに
発生した気泡と残留気泡とが合体することにより大きな
気泡を形成する等してインクの吐出量にバラツキを生
じ、濃度むらが形成される欠点を有していた。
【0007】また上述した従来のインクジェットヘッド
の基板−天板間に充填されているインクは、気泡発生の
際やインク補充の際を除けば流動することが殆どなく、
インクや基板中には熱がこもり易くなっている。それ
故、インクジェットヘッドを長時間にわたって使用する
と、基板等の温度が過度に高温となり、これによっても
インクの吐出量にバラツキを生じて濃度むらが形成され
たり、或いは不要なインクが外部に吐出される等の不具
合を生じる欠点を有していた。
【0008】そこで上記欠点を解消するために、基板−
天板間に充填されているインクを流動させることでイン
ク吐出孔−発熱抵抗体間より残留気泡を除去し、同時に
基板−天板間を流動するインクで基板中の熱を吸収する
ことにより基板を冷却することが検討されている。
【0009】しかしながら、上述したインクジェットヘ
ッドにおいては、インクが基板−天板間の狭い隙間に充
填されていることから、このようなインクを高速で流動
させると、インク中では発熱抵抗体やインク吐出孔付近
において渦巻き状の流れができ、該渦巻きの発生によっ
てインクの流れが止まってしまうという不都合を生じ
る。この場合、残留気泡を除去するのに要する時間が長
くなってしまう上に基板を短時間で冷却するのに必要な
インクの流速が得られず、高速記録に供することが不可
となる欠点を有していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたもので、本発明のインクジェットヘッドは、
直線状に配列した多数の発熱抵抗体を有する基板と、前
記発熱抵抗体と1対1に対応する多数のインク吐出孔が
穿設されている天板とを、前記インク吐出孔が前記発熱
抵抗体の上部に位置するようにして間に所定の間隔を空
けて配置させるとともに、前記基板及び天板間に形成さ
れる隙間にインクを充填させてなり、前記インクを発熱
抵抗体の配列と直交する方向に流動させながら前記発熱
抵抗体の発する熱エネルギーによって前記インク吐出孔
よりインク滴を吐出させて画像を形成するインクジェッ
トヘッドであって、前記天板の下面で、かつ隣接するイ
ンク吐出孔間の領域に、インクの流動方向に沿った隔壁
を形成したことを特徴とするものである。
【0011】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記隔壁が前記天板と一体的に形成されていることを特徴
とするものである。
【0012】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記基板と前記発熱抵抗体との間に断面山状のグレーズ層
が介在されており、かつ該グレーズ層の介在領域にわた
り前記隔壁が配設されていることを特徴とするものであ
る。
【0013】また更に本発明のインクジェットヘッド
は、前記隔壁が基板もしくはグレーズ層に対し非接触に
保たれていることを特徴とするものである。
【0014】更にまた本発明のインクジェットヘッド
は、前記インクの流速が、少なくとも発熱抵抗体−イン
ク吐出孔間の領域で50μm/sec〜2000μm/
secに制御されることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態に係るインク
ジェットヘッドの斜視図、図2は図1のインクジェット
ヘッドの副走査方向にかかる断面図、図3は図1のイン
クジェットヘッドの主走査方向にかかる断面図であり、
1は基板、2はグレーズ層、3は発熱抵抗体、7は天
板、8はインク吐出孔、9はインク、10は隔壁である。
【0016】前記基板1は、アルミナセラミックス等の
電気絶縁性材料によって矩形状をなすように形成され、
その上面でグレーズ層2や多数の発熱抵抗体3等を支持
するための支持母材として機能する。
【0017】尚、前記基板1は、例えばアルミナセラミ
ックスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等
のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加
・混合して泥漿状に成すとともに、これを従来周知のド
クターブレード法やカレンダーロール法等を採用するこ
とによってセラミックグリーンシートを得、しかる後、
前記セラミックグリーンシートを所定形状に打ち抜いた
上、高温で焼成することによって矩形状をなすように製
作される。
【0018】また前記基板1の上面には、一方の長辺に
沿って断面山状のグレーズ層2が帯状に形成され、更に
その頂部には多数の発熱抵抗体3が直線状に被着・配列
される。
【0019】前記グレーズ層2は、ガラス等によって断
面山状をなすように形成されており、その表面は極めて
平滑であることから、該グレーズ層2上に従来周知のフ
ォトリソグラフィー等によって多数の発熱抵抗体3をパ
ターン形成する際、発熱抵抗体3の微細加工を比較的容
易に行うことができる。
【0020】尚、前記グレーズ層2は、ガラスから成る
場合、ガラス粉末に適当な有機溶剤、有機バインダー等
を添加・混合して得た所定のガラスペーストを、前記基
板1の上面に、従来周知のスクリーン印刷等によって帯
状に印刷・塗布し、これを高温で焼き付けることにより
断面山状をなすように形成される。
【0021】また前記グレーズ層2上に設けられている
多数の発熱抵抗体3は、例えば600dpiのドット密
度で主走査方向に直線状に配列されており、TaN系や
TaSiO系,TaSiNO系,TiSiO系,TiS
iCO系,NbSiO系等の電気抵抗材料から成ってい
るため、各発熱抵抗体3の両端に電気的に接続されてい
る電極層4,4を介して発熱抵抗体3に電源電力が供給
されるとジュール発熱を起こし、インク9中で気泡Aを
形成するのに必要な熱エネルギーを発生する作用を為
す。
【0022】尚、前記発熱抵抗体3は、従来周知の薄膜
手法、具体的にはスパッタリング、フォトリソグラフィ
ー技術及びエッチング技術等を採用し、前述の電気抵抗
材料をグレーズ層2の上面に所定厚み、所定パターンに
被着させることにより形成される。
【0023】更に前記発熱抵抗体3等の上面には窒化珪
素等から成る保護膜5が略一定の厚みに被着され、該保
護膜5でもって発熱抵抗体3や電極4,4を被覆してい
る。
【0024】前記保護膜5は、発熱抵抗体3や電極層
4,4をインク10の接触による腐食から保護するため
のものであり、従来周知のスパッタリング等によって発
熱抵抗体3等の上面に例えば2.0μm〜20.0μm
の厚みに被着される。
【0025】そして上述した基板1上には、発熱抵抗体
3と1対1に対応する多数のインク吐出孔8を有した天
板7が、間に所定の間隔を空けて、基板上面と略平行に
配置される。
【0026】前記天板7は、インク吐出孔8が対応する
発熱抵抗体3の上部に位置するように位置合わせされ、
その下面には、隣接するインク吐出孔8,8の間の領域
に発熱抵抗体3の配列と直交する方向(副走査方向)に
沿って延びる隔壁10が天板7と一体的に形成されてい
る。
【0027】前記天板7のインク吐出孔8は、インクジ
ェットヘッドの記録動作時、インク滴iを記録紙に向け
て吐出するためのものであり、発熱抵抗体3と1対1に
対応するように、発熱抵抗体3と略等しい密度、例えば
600dpiのドット密度で主走査方向に直線状に配列
されている。
【0028】また前記天板7の下面に設けられている隔
壁10は、基板1−発熱抵抗体3間に介在されているグ
レーズ層2の介在領域にわたって配設されており、その
下端は基板1やその上に設けられているグレーズ層2,
保護膜5等に対し非接触の状態に保たれ、その幅は例え
ば5μm〜60μmに設定される。
【0029】ここで前記隔壁10を基板1等に対し非接
触に保っておくのは、インクジェットヘッドを組み立て
る際に隔壁10の下端が基板1等と接触して該接触部が
破損するのを有効に防止するためである。
【0030】尚、前記天板7は、モリブデン等の金属材
料から成り、例えばモリブデンから成る場合、モリブデ
ンのインゴット(塊)を従来周知の金属加工法によって
所定形状と成し、得られた板体に従来周知のレーザー加
工等によって直径50μm〜110μmのインク吐出孔
8を複数個、穿設することにより製作される。
【0031】また前記天板7と基板1との間には、天板
7の外周に沿ってスペーサ(図示せず)が介在されてお
り、該スペーサによって基板1−天板7間の隙間が略一
定に保持される。
【0032】そして更に前述した天板7と基板1との間
に形成された隙間にはインク9が充填される。
【0033】前記インク9としては、例えば顔料タイプ
の油性インクや水性染料インク等が使用され、該インク
9は図示しないインクタンクから基板1−天板7間に供
給され、前述した発熱抵抗体3の熱エネルギーによって
インク9中に気泡Aが発生すると、該気泡Aによる圧力
でもってインク9の一部がインク滴iとなってインク吐
出孔9より外部に吐出される。
【0034】前記インク9は、インク吐出孔8の配列と
直交する方向(副走査方向)に流動させる図示しない循
環ポンプ等によってインクタンクとの間で循環され、発
熱抵抗体3とインク吐出孔8との間の領域において例え
ば50μm/sec〜2000μm/secの流速で流
動するように制御される。このインク9の流れは、発熱
抵抗体3の駆動状態にかかわらず、発熱抵抗体3が発熱
しているときも、発熱していないときも常に略等しい流
速に保たれる。
【0035】従って、発熱抵抗体3の発する熱エネルギ
ーによってインク滴をインク吐出孔8より吐出させた
後、基板1−天板7間にいくつかの細かな気泡aが残留
したとしても、これらの残留気泡aは基板1−天板8間
を流動するインク9と共にインク吐出孔8の配列と直交
する方向に移動して、次ラインの記録動作が開始される
までの間に、発熱抵抗体3とインク吐出孔8との間の領
域から速やかに排除される。従って、次ラインの記録動
作に伴い発熱抵抗体3を再び発熱させて新たな気泡を発
生させた際、インク吐出孔8より吐出されるインク滴i
の中に細かな残留気泡aが含まれたり、新たに発生した
気泡Aと残留気泡aとが合体することにより大きな気泡
を形成したりすることは殆どなく、これによりインク9
の吐出量を略一定として濃度むらの少ない良好な画像を
形成することが可能となる。
【0036】尚、インク9の流動方向を副走査方向以外
の方向、例えばインク吐出孔8の配列と平行な主走査方
向に設定した場合、インク9の流動に伴って残留気泡a
が移動する方向には他のインク吐出孔8が多数配置され
ることとなるので、全ての残留気泡aを発熱抵抗体3と
インク吐出孔8との間の領域から排除するには次ライン
の記録動作が開始されるまでの間にインク9を主走査方
向にわたって流動させる必要があり、この場合、次ライ
ンの記録動作を開始するまでに極めて長時間を要し、高
速記録に供しなくなる。従って、残留気泡aをインク吐
出孔8の直下より速やかに取り除くにはインク9の流動
方向を副走査方向と合致させておくことが重要である。
【0037】また前記インク9は、発熱抵抗体3や基板
1を被覆する保護膜5と接した状態で流動するようにな
っていることから、インクジェットヘッドを長時間にわ
たって使用する場合であっても、発熱抵抗体3や基板
1,グレーズ層2等の内部に蓄積される熱は保護膜5を
介してインク9に良好に吸収され、基板1やグレーズ層
2等の温度が過度に高温となることはない。従って、各
ラインの記録動作の間に十分な冷却時間を設けなくて
も、発熱抵抗体3の温度を記録動作に適した温度に維持
して、インク吐出孔8からのインク9の吐出量を常に略
一定となすことができ、濃度むらの少ない鮮明な画像を
高速で記録することが可能となる。
【0038】しかも本形態においては、前記天板7の下
面で、かつ隣接するインク吐出孔間8−8の領域にイン
ク9の流動方向に沿った隔壁10が形成されており、イ
ンク9が隔壁10の形成方向、即ち、副走査方向に沿っ
て良好かつ安定的に流動するようになっている。このた
め、インク9を比較的速い流速(50μm/sec〜2
000μm/sec)で流動させても、インク9中で渦
巻き状の流れが発生することは殆どなく、インク9の流
れが局所的に止まるといった不都合も有効に防止される
ようになる。従って、インク9中の残留気泡aを発熱抵
抗体3−インク吐出孔8間より短時間で良好に除去する
とともに基板1を流動するインク9で速やかに冷却する
のに必要な所定の流速を得ることができ、高速記録に対
応することが可能となる。
【0039】尚、前記インク9は、基板1と天板7との
間を通過した後、一旦、前述のインクタンクに戻って、
再度、基板1と天板7との間に供給されるようになって
おり、これによってインク9が基板1−天板7間の領域
とインクタンクとの間を繰り返し循環することとなる。
【0040】また基板1−天板7間を流動するインク9
が吸収した熱は、前述の如き循環経路を流動する過程で
外部に放散され、再び基板1−天板7間に供給されるま
での間に十分に低い温度まで冷却される。
【0041】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙を天板7の上面に沿ってインク吐出孔8の配
列方向と直交する方向に搬送しながら、多数の発熱抵抗
体3を外部からの画像データに基づき個々に選択的に発
熱させ、該発生した熱エネルギーによって発熱抵抗体3
上に気泡Aを発生させるとともに、この気泡Aによる圧
力でもってインク9の一部を天板7のインク吐出孔8よ
り外部に吐出させ、吐出したインク滴iを記録紙に付着
させることによって所定の画像が記録される。
【0042】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0043】例えば上述の形態において、金属材料から
成る天板8の上面に更にポリイミド樹脂製のフィルムを
被着させておいても構わない。この場合、前記フィルム
には、インク吐出孔9の形成箇所に該吐出孔9よりも一
回り小さなインク吐出孔が形成され、インク滴iは前記
フィルムに設けたインク吐出孔より外部に吐出されるこ
ととなる。
【0044】また上述の形態において、基板1−天板7
間のインク9が全てのインク吐出孔8の直下領域で常に
流動するようになしておけば、発熱抵抗体3の発した熱
等によってインク9中の水分もしくは油分がインク吐出
孔8から多量に蒸発し、インク吐出孔8内のインク9の
粘度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐出孔
8の直下を流れるインク9から水分もしくは油分が順次
補給されることによりインク9がインク吐出孔8付近で
固まってしまうことはなく、インク吐出孔8の目詰まり
を有効に防止することができる。この場合、画像データ
に対応した正確な画像を形成することができ、インクジ
ェットヘッドの信頼性を向上させることが可能となる利
点がある。
【0045】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、基板及び天板間のインクを、インク吐出孔の配列と
直交する方向に流動させるようになしたことから、発熱
抵抗体の熱エネルギーによってインク滴を吐出させた
後、基板−天板間にいくつかの細かな気泡が残留したと
しても、これらの気泡は基板−天板間を流動するインク
と共にインク吐出孔の配列と直交する方向に移動して、
次ラインの記録動作が開始されるまでの間に、発熱抵抗
体とインク吐出孔との間の領域から速やかに排除され
る。従って、次ラインの記録動作に伴い発熱抵抗体を再
び発熱させて新たな気泡を発生させた際、インク吐出孔
より吐出されるインク滴の中に細かな残留気泡が含まれ
たり、新たに発生した気泡と残留気泡とが合体すること
により大きな気泡を形成したりすることは殆どなく、こ
れによりインクの吐出量を一定として濃度むらの少ない
良好な画像を形成することが可能となる。
【0046】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、基板−天板間に充填させたインクを流動させるよう
にしたことから、インクジェットヘッドを長時間にわた
って使用する場合であっても、発熱抵抗体や基板等の内
部に蓄積される熱はインクに良好に吸収され、基板の温
度が過度に高温となることはない。従って、各ラインの
記録動作の間に十分な冷却時間を設けなくても、発熱抵
抗体の温度を記録動作に適した温度に維持して、インク
吐出孔からのインクの吐出量を略一定となすことがで
き、これによって濃度むらの少ない鮮明な画像を高速で
記録することが可能となる。
【0047】更に本発明のインクジェットヘッドにおい
ては、前記天板の下面で、かつ隣接するインク吐出孔間
の領域にインクの流動方向に沿った隔壁を形成するよう
にしたことから、基板−天板間のインクを比較的速い流
速で所定の方向に安定的に流動させることができるよう
になり、インク中で渦巻き状の流れが発生するのを有効
に防止することができる。従って、インク中の残留気泡
を発熱抵抗体−インク吐出孔間より短時間で良好に除去
するとともに基板を速やかに冷却するのに必要な所定の
流速を得ることができ、高速記録に対応することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るインクジェットヘッドの
斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの副走査方向にか
かる断面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドの主走査方向にか
かる断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・グレーズ層、3・・・発熱抵抗
体、7・・・天板、8・・・インク吐出孔、9・・・イ
ンク、10・・・隔壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線状に配列した多数の発熱抵抗体を有す
    る基板と、前記発熱抵抗体と1対1に対応する多数のイ
    ンク吐出孔が穿設されている天板とを、前記インク吐出
    孔が前記発熱抵抗体の上部に位置するようにして間に所
    定の間隔を空けて配置させるとともに、前記基板及び天
    板間に形成される隙間にインクを充填させてなり、前記
    インクを発熱抵抗体の配列と直交する方向に流動させな
    がら前記発熱抵抗体の発する熱エネルギーによって前記
    インク吐出孔よりインク滴を吐出させて画像を形成する
    インクジェットヘッドであって、 前記天板の下面で、かつ隣接するインク吐出孔間の領域
    に、インクの流動方向に沿った隔壁を形成したことを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】前記隔壁が前記天板と一体的に形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    ヘッド。
  3. 【請求項3】前記基板と前記発熱抵抗体との間に断面山
    状のグレーズ層が介在されており、かつ該グレーズ層の
    介在領域にわたり前記隔壁が配設されていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット
    ヘッド。
  4. 【請求項4】前記隔壁が基板もしくはグレーズ層に対し
    非接触に保たれていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】前記インクの流速が、少なくとも発熱抵抗
    体−インク吐出孔間の領域で50μm/sec〜200
    0μm/secに制御されることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットヘッ
    ド。
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JPH01110157A (ja) * 1987-10-22 1989-04-26 Alps Electric Co Ltd インクジェットヘッド基板の製造方法
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JPH01258958A (ja) * 1988-04-08 1989-10-16 Ricoh Co Ltd 記録装置

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