JP2002011511A - シートバー加熱方法 - Google Patents

シートバー加熱方法

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JP2002011511A
JP2002011511A JP2000372216A JP2000372216A JP2002011511A JP 2002011511 A JP2002011511 A JP 2002011511A JP 2000372216 A JP2000372216 A JP 2000372216A JP 2000372216 A JP2000372216 A JP 2000372216A JP 2002011511 A JP2002011511 A JP 2002011511A
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JP
Japan
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sheet bar
temperature
heating temperature
heating
bar
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JP2000372216A
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English (en)
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Kimiharu Yanagino
公治 柳野
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱炉での均熱時間が十分にとれない操業を行
うような場合にも、シートバーの加熱が不足することが
なく、加熱炉の能力を最大限に利用でき、シートバーの
仕上出側の温度を安定的に確保すること。 【解決手段】加熱温度決定部41は、仕上圧延速度パタ
ーンに基づいて、シートバー1の加熱温度を予め決定す
る。加熱温度補正部42は、温度計5で測定されるシー
トバー1の先端部の温度に基づいて加熱温度決定部41
で決定されている加熱温度を補正する。加熱温度補正部
43は、荷重計7の測定荷重に基づいて加熱温度補正部
42で補正された加熱温度を補正し、この補正した加熱
温度をシートバーヒータ2に設定する。シートバーヒー
タ2は、シートバー1の進行位置をトラッキングしなが
ら、その設定加熱温度に基づいてシートバー1の加熱を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間粗圧延後のシ
ートバーを仕上圧延機の入側に設置した加熱装置(以
下、シートバーヒータという)で加熱し仕上圧延するシ
ートバーの加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延ラインは一般に、加熱炉10
1、粗圧延機(粗圧延機群:R1〜Rn)102、仕上
圧延機(仕上圧延機群:F1〜Fn)103、冷却ゾー
ン104、巻取装置DC1,DC2などよりなり、近
年、粗圧延機102と仕上圧延機103の中間にシート
バーヒータ105を設置するものが出てきている(図1
3参照)。なお、図13中、符号106はメジャーリン
グロールである。
【0003】従来、シートバーヒータを用いたシートバ
ーの加熱方法としては、例えば、特開平9−22551
7号公報に記載のように、シートバーを加熱し、一定速
度で仕上圧延を行う方法がある。また、特開平10−2
30313号公報に記載のように仕上圧延機出側温度を
圧延後鋼帯の長手方向に一定に保つ方法も提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常のシー
トバーの仕上圧延における速度は、以下に述べる通りシ
ートバー先端位置により変化する。すなわち、シートバ
ーの先端が仕上圧延機のスタンドへ噛み込みこんでから
巻取装置に巻き付くまではその速度を抑え、その後、シ
ートバーを加速して所定の最大速度で圧延し、シートバ
ーの尾端が仕上圧延機を抜ける時には再び圧延速度を遅
くするようにしている。
【0005】ここで、シートバー先端部及び尾端部の圧
延速度が遅い理由は次の通りである。先端部:仕上圧延
機の各スタンドに次々とオンしていく際、高速である
と、シートバー先端のロールへの噛み込み時にスリップ
が生じたり、噛み込み後、出側に抜けたときに跳ね上が
ったり上反りしたりして次スタンドのサイドガイドに突
っかかったりして圧延が継続できなくなる場合がある。
尾端部:巻取終了したら、停止した状態でコイルを巻取
装置から抜き出す。さて尾端がどの位置にあるときに減
速し始めるのがよいかであるが、尾端が高速であると、
仕上圧延機を抜けたときに跳ね上がって冷却ゾーンの冷
却ノズルに突き刺さってノズルやその根元のヘッダーを
破損する。よって尾端が仕上圧延機内にまだあるうちに
減速を開始する。先端巻取装置オン以降、尾端仕上圧延
機抜け以前の中間部速度の高低に応じ、どのスタンドF
nをオフしたときに減速を開始するか適宜決めている。
ちなみに、中間部では生産能率を上げるため、高速で圧
延する。
【0006】ところで、シートバーの加熱後にその長手
方向に均一な温度分布を得るように加熱した場合には、
その後のデスケーリングあるいは仕上圧延において、材
料の先端部と中央部では仕上圧延機通過速度(それによ
り仕上圧延機通過時間も)が異なることになり、仕上圧
延機出側の温度が一定にならないという不都合がある。
これは、その後の巻き取り温度制御に影響し、材料の長
手方向の材質特性を不均一にする要因となる。
【0007】この点、特開平9−225517号公報に
記載のような仕上圧延速度を一定とするような方法をと
れば、材料の長手方向の材質特性は均一になり、一応の
解決はつくが、実は重大な問題がある。それは、加速を
行わないため、生産能率には自ずと限界がある、という
不利があることである。そこで、加速圧延する場合で
も、仕上圧延機出側の温度を長手方向に一定とすること
を目指した特開平10−230313号公報に記載のよ
うな方法が提案されたが、後述のような在炉時間の変動
により、シートバー(粗バー)の仕上圧延機出側温度の
全長均一化精度にはまだ改善の余地がある。それは後述
のように加熱不足の恐れがあるからである。
【0008】その理由を説明すると、熱間圧延ラインで
は、操業上、前述の在炉時間の長短という操業条件の変
動により、加熱炉において均熱時間が十分にとれない操
業を行わざるを得ない場合も生じることがあり、そのよ
うな場合には、シートバーの加熱が不足し、シートバー
の仕上圧延機出側の温度を安定的に確保できないからで
あるが、この解決が望まれていた。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述の点に鑑
み、加熱炉での均熱時間が十分にとれない操業を行うよ
うな場合にも、シートバーの加熱が不足することがな
く、シートバーの仕上圧延機出側の温度を安定的に確保
できるようにしたシートバー加熱方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、本発
明の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
スラブを加熱炉で加熱し、熱間にて粗圧延してシートバ
ーとし、このシートバーを仕上圧延機の入側に設置した
シートバーヒータで加熱し仕上圧延するシートバーの加
熱方法において、予め定められた前記シートバーの仕上
圧延速度パターンに基づいて前記シートバーの先端部と
尾端部の加熱温度をそれぞれ決定するとともに、前記シ
ートバーの加熱前の長手方向の温度分布を考慮して前記
シートバーの先端部と尾端部を除く部分の加熱温度を決
定するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】このように、請求項1に記載の発明は、シ
ートバーの加熱温度を決定する際に、シートバーの先端
部と尾端部だけではなく、シートバーの長手方向の温度
分布を考慮してシートバーの先端部と尾端部を除く部分
の加熱温度を決定するようにした。このため、スラブを
加熱炉で加熱する上で、加熱炉での均熱時間が十分にと
れない操業を行うような場合にも、シートバーの加熱が
不足することがなく、シートバーの仕上圧延機出側温度
を安定的に確保できる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のシートバー加熱方法において、前記シートバー
の加熱前の長手方向の温度分布は、粗圧延機の最終スタ
ンドにおける前記シートバーの圧延時の荷重実績から推
定するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照して説明する。本発明の第1実施形
態が適用される圧延設備の概略構成について、図1を参
照して説明する。この圧延設備は、図1に示すように、
連続鋳造などで得られたスラブを粗圧延してシートバー
1を得るための粗圧延機(図示せず)と、この粗圧延機
で粗圧延されたシートバー1を後述のように加熱するシ
ートバーヒータ(加熱装置)2と、このシートバーヒー
タ2で加熱したシートバー1を仕上げ圧延する仕上圧延
機3と、シートバーヒータ2がシートバー1の先端部と
尾端部を加熱する際の加熱温度をそれぞれ生成する加熱
温度生成装置4と、シートバーヒータ2の入側に配置さ
れてシートバー1の先端部の通過時にその先端部の温度
(実績温度)を測定する温度計5とを少なくとも備えて
いる。
【0014】加熱温度生成装置4は、シートバーヒータ
2で加熱するシートバー1の先端部と尾端部のみの加熱
温度を予めそれぞれ決定する加熱温度決定部41と、温
度計5の測定温度に基づいて加熱温度決定部41で予め
決定してある加熱温度を補正し、この補正した加熱温度
をシートバーヒータ2に供給する加熱温度補正部42と
からなる。
【0015】次に、このように構成される第1実施形態
の動作の概要について、図1を参照して説明する。い
ま、図示しない粗圧延機によって圧延されたシートバー
1が、シートバーヒータ2の手前まで搬送されると、こ
のとき、加熱温度決定部41ではシートバー1の先端部
と尾端部の加熱温度を予め決定しておく。そして、シー
トーバー1の先端部が温度計5の真下に到達すると、温
度計5がその先端部の温度を測定し、この測定温度を加
熱温度補正部42に供給する。
【0016】加熱温度補正部42は、その測定温度に基
づいて加熱温度決定部41で決定されている加熱温度を
補正し、この補正した加熱温度をシートバーヒータ2に
設定する。シートバーヒータ2は、シートバー1の進行
位置をトラッキングしながら、その設定加熱温度に基づ
いてシートバー1の先端から尾端にかけての加熱を行
う。トラッキングは、例えば、図14に示すメジャーリ
ングロール8により行うのがよい。このメジャーリング
ロール8は、リンク10を介して支持部9に揺動可能に
設けられ、シートバー1に押し付けられ回転させられる
ようになっている。メジャーリングロール8の揺動は、
シリンダ11を作動させることにより行う。そして、メ
ジャーリングロール8は、所定角度(周長に直すと例え
ば0.025mm)回転するごとにパルスを発するよう
に製作されていて、このメジャーリングロール8が発す
るパルスを制御装置(図示せず)でカウントすることで
行う。その後、シートバー1は、仕上圧延機3により所
定の寸法に圧延される。
【0017】次に、加熱温度決定部41による加熱温度
の決定方法について、図2〜図5を参照して詳細に説明
する。加熱温度決定部41は、まず、仕上圧延スケジュ
ールの計算結果である、図2に示すような仕上圧延速度
パターンを図示しない別の決定部から取り込み、これに
基づいてシートバー(材料)1の代表点における仕上圧
延機3の通過時間を、図3のように求める。ここで、代
表点とは、シートバー1の加速開始、加速完了、減速開
始、減速完了の各時期に、仕上圧延機3の入側と出側に
存在するシートバー1の位置X1、X2とする(図5参
照)。
【0018】引き続き、加熱温度決定部41は、その求
めたシートバー1の通過時間に所定の定数を掛けて、シ
ートバー1の先端から尾端にかけた各点の温度低下量を
間接的に求めてこれを加熱温度とし、各点を結んで描か
れる図形の高さについて、シートバー1の全長にわたる
加熱温度としてメモリ(図示せず)に記憶しておく。図
4は、このようにして求めたシートバー1の加熱温度で
あり、仕上圧延機3の通過時間が長い箇所は温度低下が
大きいので加熱温度が多く、通過時間が短い箇所はその
温度低下が小さいので加熱温度が少なくなっている。
【0019】なお、上記で使用される定数は、通常、オ
フライン解析などに用いられる差分方法を用いた温度計
算などにより予め容易に求めておくことができ、材料毎
あるいは板厚毎に層別して決定しておくのが好ましい。
ここで、以上説明してきた、シートバー長手方向各位置
の仕上圧延機通過時間変化に応じた加熱温度の計算結果
に加え、さらに、シートバー長手方向各位置の仕上圧延
機に到達するまでの時間変化である、サーマルランダウ
ンの補償加熱分の計算結果を加算する。サーマルランダ
ウンについて説明すると、粗圧延機最終スタンドでの圧
延直後まではシートバーの温度は全長にわたりほぼ一定
であるが、その後は、図15(A)に示すように、先端
から尾端にかけて時間とともにシートバー温度が放冷降
温することをさしてそう呼んでいる。サーマルランダウ
ンの補償加熱分の計算は次のように行う。すなわち、サ
ーマルランダウンにより、シートバー温度は時間の経過
とともにほぼ直線的に降下するから、その補償加熱は、
図15(B)に示すように、先端から尾端にかけて時間
的に加熱量を漸増するように行えばよい。
【0020】次に、加熱温度補正部42による加熱温度
の補正方法について、図6および図7を参照して詳細に
説明する。尚、以下の説明では、前出のサーマルランダ
ウンの補償加熱分を簡単のため略して図示するが、実際
にはサーマルランダウンの補償加熱分を加算した、シー
トバー1の長手方向加熱パターンにて加熱する。
【0021】加熱温度補正部42は、温度計5がシート
バー1の先端部の温度を測定すると、その測定温度と予
め予測あるいは設定してある同温度計設置位置での基準
温度(目標温度)との温度差を求め、この求めた温度差
に基づいて、シートバー1における先端から尾端にかけ
ての加熱温度を算出する。すなわち、温度計5がシート
バー1の先端部の温度を測定して得られた実績温度が基
準温度より高い場合には加熱温度を減少または加熱しな
い方向に、一方、同基準温度が基準温度よりも低い場合
には加熱温度を増加する方向の補正を行う。
【0022】ここで、シートバーの基準温度について説
明する。安定した材料特性を得るためには仕上圧延中の
シートバーの温度を各スタンドで個別にシートバー全長
にわたり一定にすることが好ましいところ、シートバー
全長にわたり、それも各スタンド個々に仕上圧延温度を
厳密に一定にすることは難しいことから、経験的に知ら
れている次のような事実、すなわち、シートバー先端の
仕上圧延機出側温度を冶金学的に決定される許容下限値
以上とすれば、ほぼ安定した材料特性が得られ、それを
下回ればシートバー先端と尾端の温度が低下しすぎ、十
分な特性が得られない、という事実を利用する。つま
り、シートバー先端の仕上圧延機出側温度を許容下限値
以上に保つために必要な仕上圧延機入側でのシートバー
先端温度が経験的に知られており、これをシートバー基
準温度とする。すなわち、仕上圧延機入側でのシートバ
ー先端温度がこの基準温度を下回った場合にのみ、仕上
圧延機出側でのシートバー温度が前記冶金学的に決定さ
れる許容下限値を下回るおそれのある先端と尾端部分に
ついて、この温度以上に加熱すればよい。ここでさら
に、シートバーの基準温度を先端と尾端で分けて別個に
設定し、しかもシートバー尾端の基準温度を同先端の基
準温度に比して少しだけ(10℃程度)低めに設定する
のが好ましい。なぜなら、シートバーの尾端について
は、仕上圧延機入側での温度が先端よりも多少低くて
も、仕上圧延機通過時間が先端より多少短いことによ
り、仕上圧延機出側でのシートバー温度が比較的確保し
やすいことが経験的に知られているからである。
【0023】図8、図6、図7の順に参照しながら基準
温度から加熱温度を決定する方法を示す。図8に示すよ
うに、予め仕上圧延速度パターンから求めたシートバー
加熱パターンと前記基準温度に基づき、基準温度を超え
るように先端と尾端の加熱温度を求める。図6は、温度
計5の測定温度がシートバー1の先端部および尾端部の
各基準温度よりも低い場合の加熱温度の補正方法の説明
図である。
【0024】例えば、温度計5の測定温度が970℃、
シートバー1の先端部の基準温度が1000℃、シート
バー1の尾端部の基準温度が990℃の場合である。こ
の場合には、シートバー1の先端側の補正値aは、a=
(970−1000)=−30℃となり、先端側では3
0℃分高く加熱する必要があり、その尾端側の補正値b
は、b=(970−990)=−20℃となり、尾端側
では20℃分高く加熱する必要がある。
【0025】そこで、図6(A)の一点鎖線で示す先端
基準温度からその30℃分を考慮した実線で示す加熱温
度補正値を求め、この加熱温度補正値よりも上側の大き
さに相当する加熱温度を、同図(B)に示すような先端
部の加熱温度補正値とする。同様に、図6(A)の一点
鎖線で示す尾端基準温度からその20℃を考慮した実線
で示す加熱温度補正値を求め、この加熱温度補正値より
も上側に相当する加熱温度を、同図(B)に示すような
尾端部の加熱温度補正値とする。
【0026】なお、先端基準温度と尾端基準温度は、補
正が必要のない場合に加熱温度を求める場合の基準温度
であり、この場合の最終的な加熱温度は、各基準温度よ
りも上側の領域に相当する加熱温度である。図7は、温
度計5の測定温度がシートバー1の先端部および尾端部
の各基準温度よりも高い場合の加熱温度の補正方法の説
明図である。
【0027】例えば、温度計5の測定温度が1030
℃、シートバー1の先端部の基準温度が1000℃、シ
ートバー1の尾端部の基準温度が990℃の場合であ
る。この場合には、その先端側の補正値aは、a=(1
030−1000)=30℃となり、先端側では30℃
分低く加熱する必要があり、その尾端側の補正値bは、
b=(1030−990)=40℃となり、尾端側では
40℃分低く加熱する必要がある。
【0028】そこで、図7(A)の一点鎖線で示す先端
基準温度からその30℃分を考慮した実線で示す加熱温
度補正値を求め、この加熱温度補正値よりも上側の大き
さに相当する加熱温度を、同図(B)に示すような先端
側の加熱温度補正値とする。同様に、図7(A)の一点
鎖線で示す尾端基準温度からその40℃分を考慮した実
線で示す加熱温度補正値を求め、この加熱温度補正値よ
りも上側に相当する加熱温度を、同図(B)に示すよう
な尾端側の加熱温度補正値とするが、この場合は尾端側
では加熱温度は零になり加熱しないことになる。
【0029】なお、上記の説明では、シートバー1の先
端部と尾端部の基準温度を異なるようにしたが、その両
基準温度が異なるようにすると先端部と尾端部とで補正
値a、bが変えられ、先端部と尾端部に応じた最終的な
加熱温度が求めることができるので好ましい。しかし、
両基準温度を同じにしても別に支障はない。以上説明し
たように、この第1実施形態にかかる方法では、シート
バーヒータ2で加熱すべきシートバー1の先端から尾端
にかけての加熱温度を、予め定められたシートバー1の
仕上圧延速度パターンに基づいて決定し、さらに、温度
計5の測定温度に基づいてその決定してある加熱温度を
補正し、この補正した加熱温度をシートバーヒータ2に
供給するようにした。
【0030】このため、仕上圧延機3の通過速度の遅い
シートバー1の先端部と尾端部の温度の低下を防止でき
るので、シートバー1の長手方向の材質の均一化を図
れ、かつ、シートバーは先端部と尾端部のみ補償的に加
熱するだけでよいので、結果的に必要最小限の電力で加
熱ができて省電力化が図れる。また、温度計5の測定温
度に基づいて加熱温度を補正するので、個々のシートバ
ー間の加熱到達温度のばらつきを抑えて均一化できる。
【0031】次に、本発明の第2実施形態が適用される
圧延設備の概略構成について、図9を参照して説明す
る。第1実施形態は、シートバー1の先端部のシートバ
ーヒータ2の入側の温度実績に基づき、シートバー全体
の温度を代表させてその最終的な加熱温度を決定するよ
うにした。しかし、シートバーヒータ2での均熱時間が
十分にとれない操業を行うような場合には、適切な加熱
温度が得られずに、シートバー1の先端部の温度が中央
部に比べて極端に高くなり、この結果、シートバーの先
端部以外が加熱不足になるという不都合が生じる場合が
あると考えられる。
【0032】そこで、この第2実施形態は、シートバー
の加熱温度を決定する際に、シートバー1の先端部と尾
端部だけではなく、シートバー1の長手方向の温度分布
を考慮するようにし、上記の不都合を解消するようにし
た。このために、この第2実施形態にかかる圧延設備で
は、図1に示す加熱温度生成装置4を図9に示すような
加熱温度生成装置4Aに変更するとともに、シートバー
1が粗圧延機の最終スタンド6で圧延される際の圧延荷
重を測定する荷重計7を増設するようにした。
【0033】加熱温度生成装置4Aは、図9に示すよう
に、シートバーヒータ2で加熱するシートバー1の加熱
温度を予め決定する加熱温度決定部41と、温度計5の
測定温度に基づいて加熱温度決定部41で予め決定して
ある加熱温度を補正する加熱温度補正部42と、荷重計
7の測定荷重に基づいて加熱温度補正部42で補正され
た加熱温度をさらに後述のように補正し、この補正した
加熱温度をシートバーヒータ2に最終的な加熱温度とし
て供給する加熱温度補正部43とからなる。
【0034】なお、第2実施形態の他の部分の構成は、
図1に示す第1実施形態の構成と同一であるので、同一
の構成要素には同一符号を付してその説明は省略する。
次に、このように構成される第2実施形態の動作の概要
について、図9を参照して説明する。いま、シートバー
1が粗圧延機によって圧延され、その粗圧延機の最終ス
タンド6を通過する際に荷重計7は、シートバー1の圧
延荷重を測定し、この測定荷重が加熱温度補正部43に
入力される。そして、シートバー1がシートバーヒータ
2の手前まで搬送されると、このとき、加熱温度決定部
41ではシートバー1の先端部と尾端部を含んだ加熱温
度を予め決定しておく(図12(A)参照)。そして、
シートーバー1の先端部が温度計5の真下に到達する
と、温度計5がその先端部の温度を測定し、この測定温
度を加熱温度補正部42に供給する。
【0035】加熱温度補正部42は、その測定温度に基
づいて加熱温度決定部41で決定されている加熱温度を
補正する(図12(B)参照)。この加熱温度の補正後
の値は、シートバー長手方向に見て図12(A)の先端
基準温度、尾端基準温度よりも上側の図形内領域の高さ
に相当する。加熱温度補正部43は、先に荷重計7が測
定した荷重に基づき、加熱温度補正部42で補正された
加熱温度を後述のようにさらに補正し、この補正した加
熱温度をシートバーヒータ2に設定する。シートバーヒ
ータ2は、シートバー1の進行位置をトラッキングしな
がら、その設定加熱温度に基づいてシートバー1の加熱
を行う。その後、シートバー1は、仕上圧延機3により
所定の寸法に圧延される。
【0036】次に、加熱温度決定部41による加熱温度
の決定方法であるが、これは第1実施形態の場合と同様
であるので、その説明は省略する。さらに、加熱温度補
正部42による加熱温度の補正方法についても第1実施
形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。次
に、加熱温度補正部43による加熱温度の補正方法につ
いて、図9〜図12を参照して説明する。
【0037】荷重計7は、シートバー1が粗圧延機の最
終スタンド6を通過する際にシートバー1の圧延荷重を
測定するが、その測定荷重(粗圧延荷重実績)は例えば
図10に示すようになる。加熱温度補正部43は、図1
0に示すように、その測定荷重から、シートバー1の先
端部における荷重最低値と、シートバー1の長手方向に
おいてその後に現れる荷重最大値との差から荷重差Tを
求める。
【0038】ここで、荷重差Tは、粗圧延機の最終スタ
ンド6の出側におけるシートバー1の先端部の最高温度
と、シートバー1の長手方向においてその後に現れる最
低温度とから求まる温度降下量(温度差)θと相関があ
り、荷重差Tと温度降下量θとの関係は例えば図11に
示すようになる。これを受け、加熱温度補正部43は、
最大温度降下部の温度を補償加熱する観点にたち、前記
の荷重差Tに基づき、予め用意した、荷重差Tと温度降
下量θとを対応付けた変換テーブル(図示せず)を利用
して、温度降下量θを求める。さらに、加熱温度補正部
43は、その温度降下量θをもとに、図12(B)に示
すように先に求めてある加熱温度補正部42からの加熱
温度に対して、シートバー1の先端部と尾端部を除いて
前記温度降下量θ分を固定的に補償加熱する観点にた
ち、図12(C)に示すような最終的な加熱温度の補正
値を決める。
【0039】尚、上記のようにθ分固定的に補償加熱す
るやり方はあくまで一例である。本発明はこれに限ら
ず、荷重差Tのシートバー1の長手方向に対する変動に
直接リンクさせて、例えば、比例制御的に補償温度θを
シートバー1の長手方向に対して変化させるように制御
してももちろんよい。この補正により、シートバー1の
先端部および尾端部の加熱温度のみならず、シートバー
1の先端部と尾端部を除く長手方向の加熱温度をシート
バーヒータ2に設定できる。また、このとき、シートバ
ー1の先端部および尾端部の加熱温度は、その補正によ
り上げ下げすることもできるが、上げないからといて支
障が生ずるわけではないので上げ下げしないようにする
こともできる。
【0040】以上説明したように、第2実施形態によれ
ば、シートバー1の加熱温度を決定する際に、シートバ
ー1の先端部と尾端部だけではなく、シートバー1の長
手方向の温度分布を考慮するようにした。このため、加
熱炉での均熱時間が十分にとれない操業を行うような場
合であっても、適切な加熱温度が得られ、シートバー1
の先端部や尾端部の温度が中央部に比べて極端に高くな
ることを防止でき、この結果、シートバーの先端部や尾
端部を除く部分が加熱不足になるという不都合を解消で
きる。
【0041】また、この第2実施形態では、シートバー
1の長手方向の温度分布を、シートバー1の最終スタン
ド6における圧延荷重実績から推定し、この推定値に基
づいてシートバー1の先端部と尾端部を除く長手方向の
加熱温度を補正するようにした。このため、温度計で直
接計測する場合に比べて、シートバー1の表面の冷却水
の影響を排除できる上に、表面温度でなく平均温度、す
なわちシートバー1が持つ全体の熱エネルギー含有量を
考慮できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る発明
によれば、シートバーの加熱温度を決定する際に、シー
トバーの先端部と尾端部だけではなく、シートバーの長
手方向の温度分布を考慮してシートバーの先端部と尾端
部を除く部分の加熱温度を決定するようにした。このた
め、加熱炉での均熱時間が十分にとれない操業を行うよ
うな場合にも、シートバーの加熱が不足することがな
く、シートバーヒータの能力を最大限に利用でき、シー
トバーの仕上出側の温度を安定的に確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の第1実施形態が適用される圧延設
備の概略構成を示す図である。
【図2】仕上圧延速度パターンの一例を示す図である。
【図3】シートバーの仕上圧延機の通過時間の一例を示
す図である。
【図4】シートバーの加熱温度を求めるための説明図で
ある。
【図5】代表点を説明するための説明図である(中間ス
タンド省略)。
【図6】温度計の測定温度がシートバーの先尾端部の基
準温度よりも低い場合の加熱温度の補正方法を説明する
説明図である。
【図7】温度計の測定温度がシートバーの先尾端部の基
準温度よりも高い場合の加熱温度の補正方法を説明する
説明図である。
【図8】基準温度から加熱温度を決定する方法を示す図
である。
【図9】本発明方法の第2実施形態が適用される圧延設
備の概略構成を示す図である。
【図10】シートバーにおける粗圧延荷重実績の一例を
示す図である。
【図11】粗圧延荷重差と温度差の関係を示す図であ
る。
【図12】第2実施形態の動作の一例を説明する図であ
る。
【図13】熱間圧延ラインの全体概要を説明するための
図である。
【図14】メジャーリングロールの動作の仕組みを示す
図である。
【図15】(A)はサーマルランダウンによる時間的な
シートバー温度の降下を説明するための説明図、(B)
はサーマルランダウンによる時間的なシートバー温度の
降下に対しての補償加熱の仕方を説明するための説明図
である。
【符号の説明】
1 シートバー 2 シートバーヒータ 3 仕上圧延機 4、4A 加熱温度生成装置 5 温度計 6 粗圧延機の最終スタンド 7 荷重計 8 メジャーリングロール 9 支持部 10 リンク 11 シリンダ 41 加熱温度決定部 42 加熱温度補正部 43 加熱温度補正部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブを加熱炉で加熱し、熱間にて粗圧
    延してシートバーとし、このシートバーを仕上圧延機の
    入側に設置したシートバーヒータで加熱し仕上圧延する
    シートバーの加熱方法において、 予め定められた前記シートバーの仕上圧延速度パターン
    に基づいて前記シートバーの先端部と尾端部の加熱温度
    をそれぞれ決定するとともに、前記シートバーの加熱前
    の長手方向の温度分布を考慮して前記シートバーの先端
    部と尾端部を除く部分の加熱温度を決定するようにした
    ことを特徴とするシートバー加熱方法。
  2. 【請求項2】 前記シートバーの加熱前の長手方向の温
    度分布は、粗圧延機の最終スタンドにおける前記シート
    バーの圧延時の荷重実績から推定するようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載のシートバー加熱方法。
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