JP2002010449A - ケーブル貫通部用防火ブロックとそれを用いた防火構造体 - Google Patents

ケーブル貫通部用防火ブロックとそれを用いた防火構造体

Info

Publication number
JP2002010449A
JP2002010449A JP2000181251A JP2000181251A JP2002010449A JP 2002010449 A JP2002010449 A JP 2002010449A JP 2000181251 A JP2000181251 A JP 2000181251A JP 2000181251 A JP2000181251 A JP 2000181251A JP 2002010449 A JP2002010449 A JP 2002010449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
cable
cushioning
hole
fire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000181251A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Owari
正典 尾張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Techno Material Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Techno Material Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Techno Material Co Ltd filed Critical Furukawa Techno Material Co Ltd
Priority to JP2000181251A priority Critical patent/JP2002010449A/ja
Publication of JP2002010449A publication Critical patent/JP2002010449A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Cable Installation (AREA)
  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防火壁のケーブル貫通部に用いる防火ブロッ
クで、ケーブルの引替え工事や増設工事を短時間で行え
るようにする。 【解決手段】 中央部にケーブル貫通孔を有し、そのケ
ーブル貫通孔を二等分する面で二つに分割された形態の
二つの半ブロック20Hで防火ブロックを構成する。二つ
の半ブロック20Hはそれぞれ、形状保持機能を有する硬
質ブロック28と、クッション性ブロック30と、熱膨張性
耐火材32と、これらを包む難燃性又は不燃性シート34と
からなり、クッション性ブロック30のケーブル貫通孔部
分30aの内径が硬質ブロック28及び熱膨張性耐火材32の
ケーブル貫通孔部分28a、32aの内径より小さく形成さ
れている。防火壁のケーブル貫通用の開口に、上記の防
火ブロックをケーブル又はケーブル貫通孔封止材を把持
した状態で所要個数配列して、開口を塞ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防火壁や床などの
防火区画体をケーブルが貫通する部分に用いられる防火
ブロックと、それを用いた防火構造体に関し、特にケー
ブルの引替えや増設に容易に対応できる防火ブロック及
び防火構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に通信ケーブルは、地下に埋設され
たケーブルトンネルと呼ばれる洞道内に布設されてい
る。この洞道内には通常、多数本のケーブルが数10km
もの距離にわたって布設されているため、ひとたび火災
が起こると、その火災はケーブルを伝わって洞道全体に
広がり、甚大な被害をもたらすおそれがある。
【0003】この対策として、洞道内には一定の距離毎
に防火壁が設けられている。この防火壁はケーブル貫通
用の開口を有しているが、この開口部分には、開口内壁
と貫通ケーブルとの間の空隙に耐火材を埋めもどす等の
手段により一定の耐火性能を有する防火処理を施し、こ
れによりケーブルの延焼防止を図っている。
【0004】このような防火壁のケーブル貫通部の防火
構造体としては従来から各種のものが提案されている
が、その主なものとして実開昭57−125136号公
報に示されているようなものが実用化されている。この
防火構造体は、防火壁の開口の内面に鋼製の枠体を固定
し、この枠体内に、ケーブル外径より大きい内径のケー
ブル貫通孔を有する二つ割り型の耐火ブロック(珪酸カ
ルシウム製)を設置し、この耐火ブロックにケーブルを
貫通させ、耐火ブロックとケーブルの間の隙間及び耐火
ブロックと鋼製枠体の間の隙間に耐熱性のコ−キング材
やパテ材を充填したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな防火構造体では、防火壁を貫通して布設されている
ケーブルを引き替えたり、新たにケーブルを増設したり
する際には、耐熱コーキング材等を全部取り除く必要が
ある。コーキング材は充填時には軟らかい粘土状である
が、日数が経つと硬化して固まるので、これを剥ぎ取る
のには大変な労力を必要とし、かつその際にケーブルを
傷つけるおそれがある。
【0006】またケーブルの引替え工事には通常、数日
〜数週間かかるが、コーキング材等の再施工が面倒なた
め、工事中は防火材料が取り除かれたままの状態で放置
されがちで、この状態で火災が発生すると、放置部分を
通してケーブルが延焼するおそれがある。
【0007】さらに近年においては、通信ケーブルの光
ファイバ化が急ピッチで進められているが、光ケーブル
の場合、従来のメタルケーブルのように内部に銅線が入
っておらず、断面の多くがプラスチックで占められてい
るため、火災の際にはプラスチックが溶けて内部に空間
ができる可能性がある。このとき従来の耐火ブロックと
耐熱性コーキング材の組み合わせでは、この空間を閉塞
する効果が期待できないので、たとえ施工が正しく行わ
れていたとしても、延焼を防止できないおそれがある。
ケーブル引き込み用予備管が防火壁を貫通して布設され
ている場合にも同様の問題がある。
【0008】この問題を解決するものとしては特開平1
1−222955号公報記載のような防火構造体も公知
である。この防火構造体は、熱膨張材と柔軟性ブロック
材と吸熱材の組み合わせからなる複合体を難燃性又は不
燃性のシートで包んだ直方体又は立方体状の耐火充填材
を用い、この耐火充填材を、防火壁の片面に設けられた
枠体の中にケーブル群を囲むように詰め込むことにより
構成されるものである。この防火構造体の場合は、耐熱
性コーキング材等を使用する必要がなく、ケーブルの引
替え工事、増設工事の際には耐火充填材を出し入れすれ
ばよいので、前記の諸問題を解決できる。
【0009】しかしながら洞道内に布設されるケーブル
のように外径がかなり大きく、かつ1本毎に離して布設
されている場合には、前述の直方体又は立方体状の耐火
充填材では丸いケーブルに馴染みにくく、1本1本のケ
ーブルのまわりを隙間なく埋めることは困難である。
【0010】本発明の目的は、以上のような問題点な鑑
み、防火区画体を貫通するケーブルに容易に取り付け、
取り外しが可能で、ケーブルの引替え工事や増設工事の
際に短時間で防火処理を施すことができ、かつ光ケーブ
ルやケーブル引き込み用予備管などに対しても高い防火
性能をもつケーブル貫通部用防火ブロックと、それを用
いたケーブル貫通部の防火構造体を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るケーブル貫
通孔部用防火ブロックは、中央部にケーブル貫通孔を有
し、そのケーブル貫通孔を二等分する面で二つに分割さ
れた形態のブロックを構成する二つの半ブロックからな
り、前記二つの半ブロックはクッション性ブロックから
なり、前記クッション性ブロックのケーブル貫通孔部分
の内径がケーブル外径より小さく形成されていることを
特徴とするものである(請求項1)。上記構成のケーブ
ル貫通孔部用防火ブロックで、ケーブルを把持すると、
クッション性ブロックが圧縮されてケーブルを締めつけ
るので、ケーブルとの間に隙間が生じ難く、耐熱性コー
キング材等の充填が不要となる。
【0012】また本発明に係るケーブル貫通部用防火ブ
ロックは、中央部にケーブル貫通孔を有し、そのケーブ
ル貫通孔を二等分する面で二つに分割された形態のブロ
ックを構成する二つの半ブロックからなり、前記二つの
半ブロックは、形状保持機能を有する硬質ブロック、ク
ッション性ブロック、及び熱膨張性耐火材がケーブル貫
通方向に積層されてなる複合体と、この複合体を包む難
燃性又は不燃性シートとからなり、前記クッション性ブ
ロックのケーブル貫通孔部分の内径が硬質ブロック及び
熱膨張性耐火材のケーブル貫通孔部分の内径より小さく
形成されているものであることが好ましい(請求項
2)。
【0013】この構成の防火ブロックには硬質ブロック
が設けられているので、クッション性ブロックがケーブ
ルの荷重で変形するのを防止できる。この結果、防火ブ
ロックの引き抜き、押し込みで、ケーブル引替え、増設
工事に対応できる。前記クッション性ブロックのケーブ
ル貫通孔部分の内径は、貫通ケーブルの外径より小さ
く、硬質ブロック及び熱膨張性耐火材のケーブル貫通孔
部分の内径は貫通ケーブルの外径より大きく設定され
る。このような防火ブロックで貫通ケーブルを把持する
と、クッション性ブロックが圧縮されてケーブルを締め
つけ、硬質ブロックとケーブルとの間にできる隙間を封
止した状態となるので、耐熱性コーキング材等の充填が
不要となる。
【0014】本発明に係るケーブル貫通部用防火ブロッ
クにおける複合体は、硬質ブロックのケーブル貫通方向
両端側又は片端側にクッション性ブロックが設けられ、
クッション性ブロックと硬質ブロックの間に熱膨張性耐
火材が設けられている構成とすることが好ましい(請求
項3)。
【0015】また本発明に係るケーブル貫通部用防火ブ
ロックにおける複合体は、硬質ブロックのケーブル貫通
方向両端側又は片端側に2枚のクッション性ブロックが
設けられ、この2枚のクッション性ブロックの間に熱膨
張性耐火材が設けられている構成とすることもできる
(請求項4)。
【0016】また本発明に係るケーブル貫通部用防火ブ
ロックにおける二つの半ブロックは、形状保持機能を有
する硬質ブロック、この硬質ブロックのケーブル貫通方
向の両端側又は片端側に設けられたクッション性ブロッ
ク、及び前記硬質ブロックのケーブル貫通孔部分の内面
に沿って設けられた熱膨張性耐火材からなる複合体と、
この複合体を包む難燃性又は不燃性シートとからなり、
前記クッション性ブロックのケーブル貫通孔部分の内径
が熱膨張性耐火材のケーブル貫通孔部分の内径より小さ
く形成されている構成とすることもできる(請求項
5)。
【0017】また以上のような防火ブロックを用いた本
発明に係るケーブル貫通部の防火構造体は、防火区画体
のケーブル貫通用の開口に、ケーブル又はケーブル貫通
孔封止材を把持した状態の前記防火ブロックを所要個数
配列して、それらの防火ブロックにより又はそれらの防
火ブロックと他の耐火ブロックとの組み合わせにより前
記開口を塞いだことを特徴とするものである(請求項
6)。
【0018】このようにすると、耐熱性コーキング材等
を使用することなく防火構造体を構成できるので、ケー
ブルの引替え又は増設を行う際には、その位置の防火ブ
ロックを抜き出してケーブルの引替え又は増設を行った
のち、抜き出した防火ブロックを元の位置にはめ込めば
よいので、工事を簡単に短時間で行うことが可能とな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。 〔実施形態1〕図1及び図2は本発明に係るケーブル貫
通部の防火構造体の一実施形態を示す。図において、10
は例えば洞道内に一定の距離毎に設けられた防火壁、12
は防火壁10の開口を貫通して水平方向に布設されたケー
ブル、14は防火壁10の開口内の両側に垂直に設置された
側板(図1参照)、16は両側の側板14に両端を支持され
て水平に設置された棚板(図2参照)である。側板14と
棚板16は鋼製で、ちょうど本棚と同じような形の棚枠を
構成している。両側の側板14と最上段及び最下段の棚板
16は防火壁10の開口の内面に固定され、防火壁10と一体
化されている。
【0020】棚板16の間には、ケーブル12又はケーブル
貫通孔封止材18を把持した状態の防火ブロック20が所要
個数隙間なく配列され、これによって防火壁10の開口が
塞がれている。各防火ブロック20は直方体又は立方体状
であるが、中央部にケーブル貫通孔22を有し、そのケー
ブル貫通孔22を二等分する面で上下に(又は左右に)分
割された二つの半ブロック20Hで構成されている。ケー
ブル12を把持しない防火ブロック20は、珪酸カルシウム
等の耐火材で出来た封止材18を把持することで、ケーブ
ル貫通孔22を塞いでいる。
【0021】棚板16の前面には、防火ブロック20が前方
に移動しないように押さえ金具24が取り付けられる。押
さえ金具24の両端は側板14にボルトナット等の締付け具
26により着脱可能に固定される。なお棚板16の後端側に
はほぼ直角に折り曲げられたストッパー16a(図2参
照)が形成され、これによって防火ブロック20の後方へ
の移動が阻止されている。
【0022】防火ブロック20を構成する二つの半ブロッ
ク20Hはそれぞれ、例えば図3(a)、(b)のような
構造を有している。図3において、28は火災の熱にさら
されても形状保持機能を有する硬質ブロック、30は硬質
ブロック28のケーブル貫通方向両端側に設けられたクッ
ション性ブロック、32はクッション性ブロック30と硬質
ブロック28の間に設けられたシート状の熱膨張性耐火
材、34はこれら硬質ブロック28、クッション性ブロック
30及び熱膨張性耐火材32の複合体を包む難燃性又は不燃
性シートである。
【0023】クッション性ブロック30のケーブル貫通孔
部分30aの内径は硬質ブロック28及び熱膨張性耐火材32
のケーブル貫通孔部分28a、32aの内径より小さく形成
されている。これらの内径は貫通するケーブルの外径に
応じて設定される。具体的には、クッション性ブロック
30のケーブル貫通孔部分30aの内径は貫通するケーブル
の外径より小さく設定され、硬質ブロック28及び熱膨張
性耐火材32のケーブル貫通孔部分28a、32aの内径は貫
通するケーブルの外径より大きく設定される。
【0024】硬質ブロック28は珪酸カルシウムに代表さ
れる無機耐火物で構成することが好ましいが、鋼板を成
型加工したものでもよく、また特にシビアな耐火性が要
求されない所に使用する場合はプラスチック等の耐火性
のない材質の成型加工品であってもよい。この硬質ブロ
ック28は防火ブロック20全体の形状を保持するためのも
ので、長期にわたってケーブルの荷重がかかる場合にク
ッション性ブロック30の負荷を軽減し、柔軟性、弾力性
を維持する働きをする。この効果はケーブルが水平に布
設されている場合に特に顕著である。
【0025】クッション性ブロック30はプラスチック又
はゴムの発泡体(例えばポリエチレン発泡体など)で構
成することができる。クッション性ブロック30は、長期
間にわたって柔軟性、弾力性を保持できるように弾性ク
リープを起こしにくい材料を使用することが好ましい。
【0026】熱膨張性耐火材32は、火災時の熱で加熱さ
れると3〜50倍に体積膨張し、かつ膨張した状態で耐火
性を保持するもので、このようなものとしては例えばブ
チルゴム等のベース樹脂と、熱膨張性黒鉛などの膨張材
と、ポリカーボネート等の加熱によって炭化物等の残渣
を生成する樹脂とからなる組成物が公知である。市販品
では株式会社古河テクノマテリアル製のダンシールD
(商品名)などがある。このほかドイツのバイエル社製
のフォモックス(商品名)、米国の3M社製のファイヤ
ーバリヤー(商品名)なども使用可能である。
【0027】難燃性又は不燃性シート34には、ガラス繊
維又はカーボン繊維の織布等を用いることができる。こ
のシート34は、硬質ブロック28、クッション性ブロック
30及び熱膨張性耐火材32を一体化すると共に、防火ブロ
ック20の型崩れや損傷を防止するものである。なお硬質
ブロック28とクッション性ブロック30と熱膨張性耐火材
32は互いに接着されていることが好ましいが、接着され
ていなくてもよい。
【0028】半ブロック20Hは以上のように構成され、
その高さ寸法hは棚板16の間隔のほぼ2分の1に設定さ
れる。したがって二つの半ブロック20Hでケーブル12を
把持するようにしてそれらを棚板16(図2参照)の間に
押し込むと、クッション性ブロック30の弾力性でケーブ
ル12を隙間なく把持することができる。このようにして
棚板16の間に所要数の防火ブロック20を順次押し込んで
いけば、図1のように防火ブロック20が隙間なく配列さ
れ、これによって防火壁10の開口を塞ぐことができる。
このため耐熱性コーキング材やパテ材を使用する必要が
ない。
【0029】図1及び図2の防火構造体は、図3のよう
な半ブロック20Hを二つ組み合わせた防火ブロック20に
より防火壁10の開口を塞いだものであるから、防火壁10
の片側でケーブル火災が起きたときに発生する煙が反対
側に流入することがない。また火災の熱で半ブロック20
Hが加熱された場合、クッション性ブロック30は収縮す
るが、その収縮体積以上に熱膨張性耐火材32が膨張し、
かつ硬質ブロック28がその形状を保持しているため、防
火ブロック20相互間および防火ブロック20とケーブル12
との間に隙間ができることはない。また光ケーブルやケ
ーブル引き込み予備管などのように火災の際に内部が空
洞になる可能性のあるものであっても、熱膨張性耐火材
32の膨張により、その空間を閉塞する効果が期待でき
る。したがって防火壁10の位置でケーブル12等の延焼を
確実に阻止することができる。
【0030】なお、図1のように両側の側板14間に防火
ブロック20を所要個数配列したときに、隣り合う防火ブ
ロック20を密接させるためには、半ブロック20Hを構成
するクッション性ブロック30の幅寸法を硬質ブロック28
及び熱膨張性耐火材32の幅寸法より若干大きくして、ク
ッション性ブロック30の反発力で隣り合う防火ブロック
20が互いに押し合う状態にすればよい。
【0031】また、防火ブロック20を棚板16の間に押し
込んだときに、棚板16との間に隙間ができないようにす
るためには、半ブロック20Hのクッション性ブロック30
の高さ寸法を硬質ブロック28及び熱膨張性耐火材32の高
さ寸法より若干大きくして、クッション性ブロック30の
反発力で上下の半ブロック20Hが互いに押し合う状態に
すればよい。
【0032】次に図1及び図2のように構成されたケー
ブル貫通部の防火構造体において、ケーブルの増設工事
を行う場合を、図4〜図9を参照して説明する。ケーブ
ルを増設する場合には、まず図4に示すように増設する
段の押さえ金具24を取り外す。次に図5に示すように新
たにケーブルを貫通させる防火ブロック20を棚板16の間
から抜き出す。次に図6に示すように防火ブロック20の
抜き出しによって出来た空洞に新たなケーブル12を貫通
布設する。次に図7に示すように抜き出した防火ブロッ
ク20の一方の半ブロック20Hを新たに布設したケーブル
12の下側に押し込む。次に残る半ブロック20Hを図8に
示すようにケーブル12の上側に押し込む。最後に図9の
ように押さえ金具24を取り付ければ、増設完了である。
【0033】以上は増設工事の場合であるが、引替え工
事の場合は、図4のように押さえ金具24を外した後、撤
去すべきケーブルを把持している防火ブロックを抜き出
し、ケーブルを引き抜く。これで図5の状態になるか
ら、その後は増設工事の場合と同じ作業を行えばよい。
いずれの場合も耐熱性コーキング材やパテ材を剥がした
り、再充填したりする必要がないので、きわめて簡単に
しかも短時間のうちにケーブル増設工事、引替え工事を
行うことができる。
【0034】〔実施形態2〕図10は本発明に係る防火
ブロックの他の実施形態を示す。図10は防火ブロック
を構成する二つの半ブロックのうちの一方の半ブロック
20Hだけを示すが、他方の半ブロックも同じ構造であ
る。
【0035】この半ブロック20Hが図3に示した半ブロ
ック20Hと異なる点は、硬質ブロック28のケーブル貫通
方向両端側に設けられたクッション性ブロックが30Aと
30Bの2枚になっていること、この2枚のクッション性
ブロック30A、30Bの間に熱膨張性耐火材32が設けられ
ていること、そして2枚のクッション性ブロック30A、
30Bのうち内側(硬質ブロック28側)のクッション性ブ
ロック30Aのケーブル貫通孔部分30Aaの内径が、外側
のクッション性ブロック30B、硬質ブロック28及び熱膨
張性耐火材32のケーブル貫通孔部分30Ba、28a、32a
の内径より小さく形成されていることである。それ以外
の構成は図3に示した半ブロック20Hと同じであるの
で、同一部分には同一符号を付してある。このような半
ブロック20Hでも図3の半ブロック20Hと同様に使用す
ることができ、また同様な効果を得ることができる。
【0036】〔実施形態3〕図11は本発明に係る防火
ブロックのさらに他の実施形態を示す。図11も防火ブ
ロックを構成する二つの半ブロックのうちの一方の半ブ
ロック20Hだけを示すが、他方の半ブロックも同じ構造
である。
【0037】この半ブロック20Hが図10に示した半ブ
ロック20Hと異なる点は、2枚のクッション性ブロック
30A、30Bの間に熱膨張性耐火材32を挟んだものが、硬
質ブロック28のケーブル貫通方向の片端側だけに設けら
れていることである。それ以外の構成は図10に示した
半ブロック20Hと同じであるので、同一部分には同一符
号を付してある。この半ブロック20Hは、クッション性
ブロック30B側の面を火災が発生する側に向けて設置さ
れる。火災が発生する側が特定できる場合は、このよう
な構成であってもよい。
【0038】〔実施形態4〕図12は本発明に係る防火
ブロックのさらに他の実施形態を示す。図12も防火ブ
ロックを構成する二つの半ブロックのうちの一方の半ブ
ロック20Hだけを示すが、他方の半ブロックも同じ構造
である。
【0039】この半ブロック20Hが図3に示した半ブロ
ック20Hと異なる点は、熱膨張性耐火材32が硬質ブロッ
ク28の両端側ではなく、ケーブル貫通孔部分の内面に沿
って設けられ、硬質ブロック28の両端側に設けられたク
ッション性ブロック30のケーブル貫通孔部分30aの内径
が、前記熱膨張性耐火材32のケーブル貫通孔部分32aの
内径より小さく形成されていることである。それ以外の
構成は図3に示した半ブロック20Hと同じであるので、
同一部分には同一符号を付してある。このような半ブロ
ック20Hでも図3の半ブロック20Hと同様に使用するこ
とができ、また同様な効果を得ることができる。
【0040】〔その他の実施形態〕半ブロック20Hを構
成する硬質ブロック28、クッション性ブロック30、熱膨
張性耐火材32の配置は上記の実施形態に限られるもので
はなく、耐火性能の要求に合わせて、例えば熱膨張性耐
火材32をクッション性ブロック30の外側に配置した構造
や、二つの硬質ブロックで熱膨張性耐火材又はクッショ
ン性ブロックを挟み込む構造とすることもできる。なお
図1では防火ブロック20のみで防火壁10の開口を塞いだ
場合を示したが、ケーブル12を把持しない防火ブロック
は他の単純な(例えば珪酸カルシウムのみで出来た)耐
火ブロックに置き換えてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ケ
ーブル等の引替え又は増設工事の際には当該部分の防火
ブロックを引き抜くだけで工事を開始でき、従来のよう
に耐熱コーキング材やパテ材を取り除く必要がないの
で、工事費用や材料のロス、廃棄に伴う費用を低減でき
る。またケーブル等の引替え又は増設を行った後は、引
き抜いた防火ブロック(又は新たなケーブル等に合う別
の防火ブロック)を元の位置に押し込むだけでよいの
で、きわめて簡単に短時間で防火構造体を復旧すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るケーブル貫通部防火構造体の一
実施形態を示す正面図。
【図2】 図1の防火構造体のケーブル貫通部分の断面
図。
【図3】 本発明に係るケーブル貫通部用防火ブロック
の一実施形態を半ブロックで示す(a)は外観斜視図、
(b)は一部切開斜視図。
【図4】 図1の防火構造体においてケーブルの増設工
事を行う際の最初の段階を示す斜視図。
【図5】 同じく図4の次の段階を示す斜視図。
【図6】 同じく図5の次の段階を示す斜視図。
【図7】 同じく図6の次の段階を示す斜視図。
【図8】 同じく図7の次の段階を示す斜視図。
【図9】 同じく増設工事が完了した状態を示す斜視
図。
【図10】 本発明に係るケーブル貫通部用防火ブロッ
クの他の実施形態を半ブロックで示す(a)は外観斜視
図、(b)は一部切開斜視図。
【図11】 本発明に係るケーブル貫通部防火ブロック
のさらに他の実施形態を半ブロックで示す一部切開斜視
図。
【図12】 本発明に係るケーブル貫通部防火ブロック
のさらに他の実施形態を半ブロックで示す一部切開斜視
図。
【符号の説明】
10:防火壁 12:ケーブル 14:側板 16:棚板 18:ケーブル貫通孔封止材 20:防火ブロック 20H:半ブロック 22:ケーブル貫通孔 24:押さえ金具 28:硬質ブロック 30:クッション性ブロック 32:熱膨張性耐火材 34:難燃性又は不燃性シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中央部にケーブル貫通孔を有し、そのケー
    ブル貫通孔を二等分する面で二つに分割された形態のブ
    ロックを構成する二つの半ブロックからなり、 前記二つの半ブロックはクッション性ブロックからな
    り、前記クッション性ブロックのケーブル貫通孔部分の
    内径がケーブル外径より小さく形成されていることを特
    徴とするケーブル貫通部用防火ブロック。
  2. 【請求項2】中央部にケーブル貫通孔を有し、そのケー
    ブル貫通孔を二等分する面で二つに分割された形態のブ
    ロックを構成する二つの半ブロックからなり、 前記二つの半ブロックは、形状保持機能を有する硬質ブ
    ロック、クッション性ブロック及び熱膨張性耐火材がケ
    ーブル貫通方向に積層されてなる複合体と、この複合体
    を包む難燃性又は不燃性シートとからなり、前記クッシ
    ョン性ブロックのケーブル貫通孔部分の内径が硬質ブロ
    ック及び熱膨張性耐火材のケーブル貫通孔部分の内径よ
    り小さく形成されていることを特徴とするケーブル貫通
    部用防火ブロック。
  3. 【請求項3】硬質ブロックのケーブル貫通方向両端側又
    は片端側にクッション性ブロックが設けられ、クッショ
    ン性ブロックと硬質ブロックの間に熱膨張性耐火材が設
    けられていることを特徴とする請求項2記載のケーブル
    貫通部用防火ブロック。
  4. 【請求項4】硬質ブロックのケーブル貫通方向両端側又
    は片端側に2枚のクッション性ブロックが設けられ、こ
    の2枚のクッション性ブロックの間に熱膨張性耐火材が
    設けられていることを特徴とする請求項2記載のケーブ
    ル貫通部用防火ブロック。
  5. 【請求項5】中央部にケーブル貫通孔を有し、そのケー
    ブル貫通孔を二等分する面で二つに分割された形態のブ
    ロックを構成する二つの半ブロックからなり、 前記二つの半ブロックは、形状保持機能を有する硬質ブ
    ロック、この硬質ブロックのケーブル貫通方向の両端側
    又は片端側に設けられたクッション性ブロック、及び前
    記硬質ブロックのケーブル貫通孔部分の内面に沿って設
    けられた熱膨張性耐火材からなる複合体と、この複合体
    を包む難燃性又は不燃性シートとからなり、前記クッシ
    ョン性ブロックのケーブル貫通孔部分の内径が熱膨張性
    耐火材のケーブル貫通孔部分の内径より小さく形成され
    ていることを特徴とするケーブル貫通部用防火ブロッ
    ク。
  6. 【請求項6】防火区画体のケーブル貫通用の開口に、ケ
    ーブル又はケーブル貫通孔封止材を把持した状態の請求
    項1ないし5のいずれかに記載の防火ブロックを所要個
    数配列して、それらの防火ブロックにより又はそれらの
    防火ブロックと他の耐火ブロックとの組み合わせにより
    前記開口を塞いだことを特徴とするケーブル貫通部の防
    火構造体。
JP2000181251A 2000-06-16 2000-06-16 ケーブル貫通部用防火ブロックとそれを用いた防火構造体 Pending JP2002010449A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000181251A JP2002010449A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 ケーブル貫通部用防火ブロックとそれを用いた防火構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000181251A JP2002010449A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 ケーブル貫通部用防火ブロックとそれを用いた防火構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002010449A true JP2002010449A (ja) 2002-01-11

Family

ID=18682212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000181251A Pending JP2002010449A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 ケーブル貫通部用防火ブロックとそれを用いた防火構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002010449A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008245940A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 防火区画用耐熱材
JP2011061919A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Furukawa Techno Material Co Ltd 防火構造体、防火構造体の施工方法および防火構造体へのケーブルの追加方法
JP2011158013A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Mirai Ind Co Ltd 耐火処理具及び耐火処理構造
JP2011255213A (ja) * 2011-09-12 2011-12-22 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 防火区画用耐熱材
JP2014050182A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Mirai Ind Co Ltd 耐火処理材
KR101654349B1 (ko) * 2015-05-08 2016-09-05 주식회사 유일이엔지 무대용 방화장치
KR20190033782A (ko) * 2017-09-22 2019-04-01 한국전력공사 설치 및 유지보수가 용이한 관통부용 다분할 내화 장치
KR102066655B1 (ko) * 2019-04-22 2020-01-15 홍성수 전기 배선 시공용 조립체
JP7097484B1 (ja) 2021-08-18 2022-07-07 株式会社古河テクノマテリアル 耐火部材、耐火構造
CN114734688A (zh) * 2021-11-08 2022-07-12 湖南省湘电锅炉压力容器检验中心有限公司 一种电缆通道复合材料层合板防火隔断及其施工方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008245940A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 防火区画用耐熱材
JP2011061919A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Furukawa Techno Material Co Ltd 防火構造体、防火構造体の施工方法および防火構造体へのケーブルの追加方法
JP2011158013A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Mirai Ind Co Ltd 耐火処理具及び耐火処理構造
JP2011255213A (ja) * 2011-09-12 2011-12-22 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 防火区画用耐熱材
JP2014050182A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Mirai Ind Co Ltd 耐火処理材
KR101654349B1 (ko) * 2015-05-08 2016-09-05 주식회사 유일이엔지 무대용 방화장치
KR20190033782A (ko) * 2017-09-22 2019-04-01 한국전력공사 설치 및 유지보수가 용이한 관통부용 다분할 내화 장치
KR102017308B1 (ko) * 2017-09-22 2019-09-03 한국전력공사 설치 및 유지보수가 용이한 관통부용 다분할 내화 장치
KR102066655B1 (ko) * 2019-04-22 2020-01-15 홍성수 전기 배선 시공용 조립체
JP7097484B1 (ja) 2021-08-18 2022-07-07 株式会社古河テクノマテリアル 耐火部材、耐火構造
JP2023027844A (ja) * 2021-08-18 2023-03-03 株式会社古河テクノマテリアル 耐火部材、耐火構造
CN114734688A (zh) * 2021-11-08 2022-07-12 湖南省湘电锅炉压力容器检验中心有限公司 一种电缆通道复合材料层合板防火隔断及其施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5427782B2 (ja) 防火区画貫通部構造およびその施工方法
KR930005717B1 (ko) 방화구획체에서의 합성수지제 배관물 관통부의 방화조치구조
AU726093B2 (en) Structural frame member
JP2002010449A (ja) ケーブル貫通部用防火ブロックとそれを用いた防火構造体
KR101531943B1 (ko) 열적으로 취약할 수 있는 물질로 이루어져 있고 경직한 도관을 통해 연장되어 있는 파이프, 튜브 또는 덕트와 도관 사이의 환형 공간을 밀봉하는 방법 및 밀봉 시스템
KR101361647B1 (ko) 내화충전재 고정프레임
JP6353307B2 (ja) 樹脂製防火建具
DK163835B (da) Fremgangsmaade til brandhaemmende taetning af aabninger i byggeelementer
JP2568656Y2 (ja) 長尺体の防火区画体貫通部の防火構造
JP4224559B2 (ja) 防火区画貫通部の断熱被覆金属管の施工方法及び防火区画貫通部構造
EP0225107B1 (en) Fire-retardant wall penetration for electrical cables
KR101930909B1 (ko) 발포 불연재가 구비된 댐퍼
JPH0568556U (ja) 防火区画体の長尺物貫通部の防火措置構造
JP3583917B2 (ja) 防火措置構造
JP2583388B2 (ja) 防火区画体における長尺物貫通部の防火措置構造
JPH089499Y2 (ja) 区画体における多条合成樹脂製管貫通部の防火措置構造
KR20180137899A (ko) 관통구 방화구조
JPH087779Y2 (ja) 建物耐火スラブの貫通部防火構造
KR102517215B1 (ko) 케이블 트레이 및 케이블 트레이를 이용한 내화채움구조 시공방법
JP3014535B2 (ja) 防火区画体における長尺体貫通部の防火措置工法
JP2006009428A (ja) 耐火目地構造
JP2002084635A (ja) ケーブル配線の貫通部の防火構造
KR101938732B1 (ko) 부스덕트의 시공방법
JPH0326764Y2 (ja)
KR200391703Y1 (ko) 건축용 조립식 패널