JP2002009556A - 歪補償装置及び歪補償方法 - Google Patents

歪補償装置及び歪補償方法

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JP2002009556A
JP2002009556A JP2000182274A JP2000182274A JP2002009556A JP 2002009556 A JP2002009556 A JP 2002009556A JP 2000182274 A JP2000182274 A JP 2000182274A JP 2000182274 A JP2000182274 A JP 2000182274A JP 2002009556 A JP2002009556 A JP 2002009556A
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Shigeo Kusunoki
繁雄 楠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力増幅器のようなデバイスの歪成分を、簡
易に補償することのできる歪補償装置及び方法を提供す
る。 【解決手段】 補償されるべき電力増幅器23の出力に
ひずみが存在すると、歪成分のみが減算結果S40に表
れる。この減算結果S40は、ランダムアクセスメモリ
17に書き込まれているデータで、信号S3をアドレス
とするものと加算され、再度ランダムアクセスメモリ1
7に書き込まれる。このランダムアクセスメモリ17の
データは、後続の第3のメモリ19のアドレスとなっ
て、第3のメモリ19に格納されているデータを出力せ
しめる。この第3のメモリのデータS44は、振幅歪補
正経路中にある第2の加算器7により、第1のメモリ6
の振幅補正データに加算されて、補償されるべき電力増
幅器23に入力され、振幅歪の補正に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歪補償装置、特に
携帯電話機に用いる送信用の高周波電力増幅器に適用し
得る歪補償装置及び歪補償方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の通信の高速化、大容量化にともな
い、デジタル無線通信機器における送信電力増幅器に求
められる線形性は厳しくなりつつあり、これは、同時
に、電力増幅器の電力効率の向上を妨げる事態を生じて
いる。
【0003】一方、既に一般市場に多く普及されている
デジタル携帯電話機の連続通話時間は長時間化の一途を
たどっており、新しいデジタル無線通信機器の市場投入
においては、製品競争力の点から、その使用時間を無視
できなくなり、ここに至って、歪み補償の技術を導入し
て、効率の向上を図る動きが活発になりつつある。
【0004】然し、この技術は、その回路規模におい
て、極めて膨大になり、小型軽量を長所とする携帯電話
機においては、実現が厳しいものとなっている。また、
携帯端末の特質上、使用される環境が大きく変動するた
め、歪み補償も、この環境変動に追従する適応歪み補償
とすることが必須であり、小型化とあいまって、極めて
重要な課題となっている。この様な歪み補償装置とし
て、電力増幅器の歪みと逆特性の補償手段を設けたプレ
ディストーションの技術が知られている。
【0005】この様なプレディストーション技術として
は、プレディストーションを適用化したもの、フィード
フォワードを適用化させたものなど幾つかの報告がある
が、この様なプレディストーションに用いる適応歪み補
償装置での分野における従来例を幾つかを以下に説明す
る。
【0006】第1の従来構成として、例えば、1992.Eur
opean Microwave Conference.Vol.22,pp.1125-pp.113
0,"Power amplifier Adaptive Linearization Using Pr
edistorion with Polynomial."がある。図18に、ここ
で紹介されている例のブロック図を示す。
【0007】図18において、歪みを補償すべき電力増
幅器(PA)114の非線型入出力特性をVout=A
(Vin)と表した場合、入力端子111から入力される
入力ベースバンドの同相及び直交信号I,Qは、線形化
比較回路112でA(Vin)を線形化する関数H(I,
Q)を用いて演算を行ない、その結果I,Q信号をデジ
タル−アナログ変換回路(DAC)113に供給してア
ナログ化すると同時に高周波帯に変換し、電力増幅器1
14に入力させる。その出力Voutを検出し、出力端子
115から出力すると共に、復調回路116にてベース
バンド帯に変換したIf,Qf信号を得る。ここで、温度
変化に対応する適応補償は、線形化比較回路112は入
力信号I,Qと検出信号If,Qfとを比較し、差分がゼ
ロとなるように線形化の関数Hに含まれる定数を調整す
る。この差分が正しくゼロとなるまで、この操作を繰返
し、関数H(I,Q)に含まれる定数を最終的に最適な
値に決定している。
【0008】他の従来構成として、例えば、IEEEE Tran
saction on Vehicalar Technologies,Vol.43,No.2,199
4,May,pp.323-pp.332."Adaptive Linearization Using
Predistortion" がある。図19に、ここに記載されて
いるブロック図を示す。図19において、説明を容易に
するために、図18との対応部分は同一符号を付してい
る。入力信号I,Qに対してメモリ等の変換テーブル1
24をアクセスすることによりデータ変換を行ない、電
力増幅器114を線形化し得るデータI’,Q’を得、
電力増幅器114に入力せしめる。その出力Voutを検
出し、復調回路116にてベースバンド帯に変換し信号
If,Qfを得る。ここで、適応補償は、入力信号I,Q
と復調回路116からの検出信号If,Qfとを比較し、
差分enがゼロとなるように、変換テーブル124をア
クセスするアドレスを調整するためのアドレス生成部1
23を有する。そして、この差分enが正しくゼロとな
るまで、アドレス生成部123を繰り返し調整し、変換
テーブル124内をアクセスするアドレス値を最適化し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上示した従来構成で
は、線形化関数に含まれる定数あるいは、線形化テーブ
ルをアクセスするアドレスを最適化している。しかし、
いずれの例も、帰還ループを用いて繰り返し操作を行な
って、差分を小さくしようとしているが、この帰還ルー
プには、電力増幅器114の特性を含み、常に安定して
最適値に収束する保証がない、と言う重大な課題を有し
ていた。
【0010】また、以上に示した従来構成では、電力増
幅器の出力をベースバンド帯への変換を行うために、復
調器を必要にしている。一般にこの復調器は直交復調と
なるために、回路規模は膨大なものになる。
【0011】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、電力増幅器のようなデバイスの歪成分を、簡易
に補償することのできる歪補償装置及び方法の提供を目
的とする。また、上記復調器を不要とした簡単な構成と
することのできる歪補償装置及び方法の提供を目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る歪補償装置
は、上記課題を解決するために、デバイスに発生する歪
成分を補償する歪補償装置において、上記デバイスに供
給される入力信号の包絡線信号と上記デバイスから出力
される出力信号の包絡線信号との振幅差分を求め、この
振幅差分を積分して累積した結果に基づいて上記デバイ
スの温度変動に対する振幅歪の適応補正データを出力
し、この適応補正データを用いて上記デバイスの振幅歪
を適応補償する振幅歪適応補償手段を備える。
【0013】この歪補償装置は、さらに、上記デバイス
に供給される入力信号の包絡線信号に基づいて上記デバ
イスの振幅歪を補正するための補正データを出力し、こ
の補正データに応じて上記デバイスの利得可変処理を制
御して上記デバイスの振幅歪を補正する振幅歪補正手段
を備える。
【0014】そして、この歪補償装置の上記振幅歪適応
補償手段は、上記振幅歪補正手段で用いる上記補正デー
タに、上記適応補正データを加算して上記デバイスの振
幅歪を適応補償する。
【0015】特に、上記振幅歪適応補償手段は、上記デ
バイスに供給される入力信号の包絡線信号を検出する第
1の包絡線検出手段と、上記デバイスから出力される出
力信号の包絡線成分を検出する第2の包絡線検出手段
と、上記第1の包絡線検出手段で検出された上記入力信
号の包絡線成分と上記第2の包絡線検出手段で検出され
た上記出力信号の包絡線成分との振幅の差分を求める減
算手段と、上記減算手段で得られた振幅の差分を積分し
て累積する累積手段と、上記累積手段で累積された結果
に基づいて上記デバイスの温度変動に対する適応補正デ
ータを出力する適応補正データ出力手段とを備える。
【0016】また、この歪補償装置は、さらに、上記デ
バイスに供給される入力信号と上記デバイスから出力さ
れる出力信号との位相差に基づいて上記デバイスの温度
変動に対する位相歪の適応補正データを出力し、この適
応補正データを用いて上記デバイスの位相歪を適応補償
する適応位相歪補償手段を備える。
【0017】またさらに、この歪補償装置は、上記デバ
イスに供給される入力信号の包絡線信号に基づいて上記
デバイスの位相歪を補正するための補正データを出力
し、この補正データに応じて上記デバイスの移相処理を
制御して上記デバイスの位相歪を補正する位相歪補正手
段を備える。
【0018】この歪補償装置において、上記適応位相歪
補償手段は、上記位相歪補正手段で用いる上記補正デー
タに、上記適応補正データを加算して上記デバイスの位
相歪を適応補償する。
【0019】特に、上記適応位相歪補償手段は、上記デ
バイスに供給される入力信号と上記デバイスから出力さ
れる出力信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
上記位相差検出手段で検出された位相差に基づいて上記
デバイスの温度変動に対する位相歪の適応補正データを
出力する位相歪適応補正データ出力手段とを備える。
【0020】本発明に係る歪補償方法は、上記課題を解
決するために、デバイスに発生する歪成分を補償する歪
補償方法において、上記デバイスに供給される入力信号
の包絡線信号と上記デバイスから出力される出力信号の
包絡線信号との振幅差分を求め、この振幅差分を積分し
て累積した結果に基づいて上記デバイスの温度変動に対
する振幅歪の適応補正データを出力し、この適応補正デ
ータを用いて上記デバイスの振幅歪を適応補償する振幅
歪適応補償工程を備える。
【0021】また、この歪補償方法は、上記デバイスに
供給される入力信号の包絡線信号に基づいて上記デバイ
スの振幅歪を補正するための補正データを出力し、この
補正データに応じて上記デバイスの利得可変処理を制御
して上記デバイスの振幅歪を補正する振幅歪補正工程を
備える。
【0022】そして、この歪補償方法において、上記振
幅歪適応補償工程は、上記振幅歪補正工程で用いる上記
補正データに、上記適応補正データを加算して上記デバ
イスの振幅歪を適応補償する。
【0023】また、この歪補償方法は、上記デバイスに
供給される入力信号と上記デバイスから出力される出力
信号との位相差に基づいて上記デバイスの温度変動に対
する位相歪の適応補正データを出力し、この適応補正デ
ータを用いて上記デバイスの位相歪を適応補償する適応
位相歪補償工程を備える。
【0024】さらに、上記デバイスに供給される入力信
号の包絡線信号に基づいて上記デバイスの位相歪を補正
するための補正データを出力し、この補正データに応じ
て上記デバイスの移相処理を制御して上記デバイスの位
相歪を補正する位相歪補正工程を備える。
【0025】そして、上記適応位相歪補償工程は、上記
位相歪補正工程で用いた上記補正データに、上記適応補
正データを加算して上記デバイスの位相歪を適応補償す
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の歪補償装置を図面
を参照して説明する。この歪補償装置は、デジタル無線
通信機器における送信用高周波電力増幅器(以下電力増
幅器と記す)の歪を補償するものである。
【0027】先ず、図1により歪補償装置の全体的構成
を説明する。この歪補償装置は、主に4つの経路から構
成される。上記電力増幅器の振幅歪を補正する経路であ
る振幅歪補正経路と、上記電力増幅器の位相歪を補正す
る位相歪補正経路と、上記電力増幅器の温度の変動に伴
う振幅歪を適応的に補償する振幅歪の適応補償を行う経
路と、上記電力増幅器に至る高周波信号の通過する高周
波信号通過経路である。
【0028】振幅歪補正経路は振幅歪補正手段であり、
上記電力増幅器に供給される高周波入力信号の包絡線信
号に基づいて上記電力増幅器の振幅歪を補正するための
補正データを出力し、この補正データに応じて上記電力
増幅器の利得可変処理を制御して上記電力増幅器の振幅
歪を補正する。
【0029】位相歪補正経路は位相歪補正手段であり、
上記電力増幅器に供給される高周波入力信号の包絡線信
号に基づいて上記電力増幅器の位相歪を補正するための
補正データを出力し、この補正データに応じて上記電力
増幅器の移相処理を制御して上記電力増幅器の位相歪を
補正する。
【0030】振幅歪の適応補償を行う経路は、振幅歪適
応補償手段であり、上記電力増幅器に供給される入力信
号の包絡線信号と上記電力増幅器から出力される出力信
号の包絡線信号との振幅差分を求め、この振幅差分を積
分して累積した結果に基づいて上記電力増幅器の温度変
動に対する振幅歪の適応補正データを出力し、この適応
補正データを用いて上記電力増幅器の振幅歪を適応補償
する。
【0031】先ず、振幅歪補正経路は、包絡線の変動を
有する高周波信号S1の一部を入力とし、その包絡線S
2を検出する第1の包絡線検出部(DET1)1と、こ
の包絡線S2を、第1のセレクタ(SEL1)2を通し
た後にデジタイズし、デジタル信号S21を出力するA
/Dコンバータ3と、このデジタル信号S21を第2の
セレクタ(SEL2)4を通した後、第2のラッチ部
(LCH2)5にてラッチして得た信号S3をアドレス
として入力し、振幅補正用として予め格納されたデータ
で、このアドレスに対応した振幅補正データS7を出力
する第1のメモリー(M1)6と、この第1のメモリ6
の出力S7と、後述するデジタル信号S44とを加算す
る第2の加算器(ADD2)7と、この第2の加算器7
の加算結果S9をアナログ変換する第1のD/Aコンバ
ータ(D/A1)8と、この第1のD/Aコンバータ8
からのアナログ信号に含まれるデジタル雑音を除去する
第1の低域通過フィルタ(LPF1)9からなる。
【0032】位相歪補正経路は、位相補正用として予め
格納されたデータで、前記デジタル信号S3をアドレス
としたときに、このアドレスに対応した位相補正データ
S4を出力する第2のメモリー(M2)10と、この第
2のメモリー10の出力S9をアナログ変換する第2の
D/Aコンバータ(D/A2)11と、この第2のD/
Aコンバータ11からのアナログ信号に含まれるデジタ
ル雑音を除去する第2の低域通過フィルタ(LPF2
12からなる。
【0033】振幅歪の適応補償を行う経路は、前記デジ
タル信号S3をアドレスとして、このアドレスに対応し
て格納されているデータを読み出しして信号S42とし
て出力する、あるいは後述する信号S41を書き込むラ
ンダムアクセスメモリ(RAM1)17と、歪みを補償
すべき電力増幅器(PA)23の出力S30の包絡線S
31を検出する第2の包絡線検出部(DET2)13
と、包絡線S31を第1のセレクタ2を通して、A/D
コンバータ3にてデジタル化し、その後第2のセレクタ
4を通して、第3のラッチ部(LCH3)14にてラッ
チして得た信号S24とし、前記デジタル信号S3から
デジタル的に減算し、結果をデジタル信号S40として
出力する減算器(SUB)15と、該デジタル信号S4
0と後述するデジタル信号S43とをデジタル的に加算
し結果を信号S41として出力する第1の加算器(AD
1)16と、前述した、ランダムアクセスメモリ17
の出力信号S42を信号S43としてラッチする第1の
ラッチ回路(LCH1)と、該ラッチ信号S43をアド
レスとして入力し、適応補正用として予め格納されたデ
ータで、このアドレスに対応した適応補正データS44
を出力する第3のメモリ(M3)からなる経路である。
【0034】ここで、第1の加算器16とランダムアク
セスメモリ17と第1のラッチ回路18は累積手段を形
成する。また、第3のメモリ19は、適応補正データ出
力手段である。
【0035】また、この経路にて使用するA/Dコンバ
ータは、入力信号S1及び電力増幅器23の出力信号S
30の包絡線を各々デジタル化するのに用いられ、それ
らの信号に切り分けと保持のために、セレクタ及びラッ
チを用いている。
【0036】高周波信号通過経路は、前記高周波信号S
1を入力し、通過時間を遅延させ、信号S50とする遅
延素子(DL)20と、この遅延素子20の出力S50
を入力し、制御端子に、前記第2の低域通過フィルタ1
3の出力S6を接続し、ここに加えられる信号により、
その通過位相を可変し得る移相部(PH)21と、該移
相部21の出力S51を入力とし、制御端子に、前記第
1の低域通過フィルタ9の出力S11を接続し、ここに
加えられる信号電圧に依存して通過利得が可変される利
得可変部(AM)22と、この利得可変部22の出力S
52を、歪みを補正すべき電力増幅器23に入力する。
【0037】この歪補償装置は、上記各経路の他に、前
記ランダムアクセスメモリ17にリードライトのタイミ
ングを切り替えるクロック信号MRW及び前記ラッチ回
路(LCH1,2,3)のラッチ動作を行なわしめるク
ロック信号LCを生成するクロック発生部(CLK)2
4より構成される。
【0038】次に、本発明の歪補償装置の動作を説明す
る。図1において、歪補償装置の入力端子Tinには、携
帯電話機に使用されている、帯域制限を受けたπ/4シ
フトQPSK(Quadrature phase shift keying)、ある
いは0度のQPSK等の直交位相変調信号の高周波入力
信号S1 が供給される。この高周波入力信号S1 は高周
波搬送波をベースバンド信号成分で変調し時間的に緩や
かに変動する包絡線成分を含む。入力端子Tinに供給さ
れた高周波入力信号S1 は、2分割され、振幅歪補正経
路と、第4の系路とに入力される。
【0039】先ず、振幅歪補正経路について説明する。
振幅歪補正経路に入った高周波入力信号S1 は包絡線検
出回路1により、その包絡線信号S2 が検出される。包
絡線検出回路1で検出された包絡線信号S2は第1のセ
レクタ2で選択された後(S20のセレクト出力信号と
なる)、A/Dコンバータ3によってデジタル信号S2
1に変換される。このデジタル信号S21はさらに第2
のセレクタ4で選択されてセレクタ出力信号S23とな
り、第2のラッチ部5にてラッチされ、信号S3として
出力される。
【0040】この信号S3はアドレスとして第1のメモ
リ6に入力される。第1のメモリ6には振幅補正用とし
て予め補正データが格納されており、アドレスとしての
上記信号S3に対応した振幅補正データS7を加算器7
に出力する。なお、上記信号S3は位相歪補正経路の第
2のメモリ10、振幅歪の適応補償を行う経路の減算器
15及びランダムアクセスメモリ17にも供給されるが
これについては後述する。
【0041】加算器7は、上記振幅補正データS7と後
述する適応補償のデータS44とを加算し、その加算出
力S9を第1のD/Aコンバータ8に供給する。第1の
D/Aコンバータ8は、上記加算出力S9、すなわち適
応補償のデータS44が加算された振幅補正データS7
をアナログ信号S10に変換し、第1の低域通過フィル
タ9に供給する。第1の低域通過フィルタ9は、上記ア
ナログ信号S10からデジタル雑音を除去したフィルタ
出力信号S11を高周波信号通過経路を構成する利得可
変部22の制御端子に供給する。そして、利得可変部2
2では、上記制御端子に供給された上記S11を制御信
号として通過利得(振幅)を制御する。
【0042】ここで第1のメモリ6に格納されている振
幅補正データについて説明する。先ず、入力信号S1の
包絡線電圧をVi(t)とする。また、利得可変部22
の出力S52の包絡線電圧をVpd(t)とし、この利得
可変部22の制御端子に加えられる制御信号S11の電
圧をVc(t)とすると第1のメモリ6に格納される電
圧はこのVc(t)である。
【0043】今、利得可変部22の利得G(vc)を、変
換係数aとして、 G(vc)=1+a・Vc(t) ・・・(1) で表したとすると、 Vpd(t)=Vi(t)・G(vc) ・・・(2) となっていることから、(2)式を(1)式に代入し
て、 Vpd(t)=Vi(t)・(1+a・Vc(t)) となり、これより、 Vc(t)=(1/a)・(Vpd(t)/Vi(t)−1) ・・・(3) が得られる。
【0044】包絡線電圧Vpd(t)は、歪みを補正すべ
き電力増幅器23について、図3の入出力特性を測定す
ることにより求めることが可能である。よって、その包
絡線電圧Vpd(t)を用いて上述の(3)式を計算して
得た結果を予め第1のメモリ6に格納すればよい。
【0045】次に、位相歪補正経路の動作について説明
する。この位相歪補正経路の動作も概ね同様である。す
なわち、上記第2のラッチ部5でラッチされてから出力
された信号S3は上記振幅歪補正経路中の第1のメモリ
6と同じ構成の第2のメモリ10をアクセスし、予め第
2のメモリ10に納されている位相補正データS4を出
力させる。このデータS4は第2のD/Aコンバータ1
1によりアナログ信号S5に変換され、第2の低域通過
フィルタ12を通過し、信号S6となって上記高周波信
号通過経路を構成する移相部21の制御端子に入力さ
れ、通過位相を制御し、歪みを補償すべき電力増幅器2
3の位相歪みを補償する。
【0046】温度変動等の変化がない場合には、この振
幅歪補正経路及び位相歪補正経路の動作により、補償さ
れるべき電力増幅器23の歪は補償されている。ところ
が、温度等に変動が現れた場合、この2つの経路による
補償では不完全となり、その変動に対応する振幅歪の適
応補償を行う経路が必要になる。
【0047】この振幅歪の適応補償を行う経路の動作、
すなわち適応補償の動作について説明する。歪みを補償
されるべき電力増幅器23の出力S30の包絡線S31
を第2の包絡線検出器13にて検出し、この包絡線信号
S31を第1のセレクタ2で選択させ、A/Dコンバー
タ3にてデジタル化し、デジタル信号S21を得る。こ
のデジタル信号S21は第2のセレクタ4で選択され、
第3のラッチ部14でラッチされてから信号S24とし
て減算器15に供給される。減算器15は上記デジタル
信号S3から上記信号S24をデジタル的に減算し、減
算結果としてデジタル信号S40を出力する。補償され
るべき電力増幅器23の出力にひずみが存在すると、こ
の減算により、当該歪成分のみが減算結果S40に表れ
ることになる。この減算結果S40は、ランダムアクセ
スメモリ17に書き込まれているデータで、信号S3を
アドレスとするものと加算され、再度ランダムアクセス
メモリ17に書き込まれる。ランダムアクセスメモリ1
7のデータは、読み出しと書き込みとで切り替えられる
ために、いったん読み出された後、第1のラッチ部18
に保存される。アドレスを与える信号S3が同じ値を繰
り返すと、そのアドレスに対応するランダムアクセスメ
モリ17内のデータは何度も加算を繰り返されて何度も
書き直される。このランダムアクセスメモリ17のデー
タは、後続の第3のメモリ19のアドレスとなって、第
3のメモリ19に格納されているデータを出力せしめ
る。この第3のメモリのデータS44は、振幅歪補正経
路中にある第2の加算器7により、第1のメモリ6の振
幅補正データに加算されて、補償されるべき電力増幅器
23に入力され、振幅歪の補正に寄与する。したがっ
て、振幅補正が効果を発揮してくると、減算結果の信号
S40はゼロに近づくことになり、ランダムアクセスメ
モリ17内のデータもある値に収束することになる。そ
して、この収束値は、補償されるべき電力増幅器23の
歪を改善する値になっている。
【0048】ここで、第3のメモリ19に格納されるデ
ータについて説明する。すでに述べた通り、利得可変部
22の特性を利用して振幅歪を補償する場合は、上記
(3)式に示すようなデータ変換を施す必要がある。こ
れに対して、第1のメモリ6に格納されているデータ
は、すでにこの変換を終えているため、第2の加算部7
にて加減されるデータは、第1のメモリ6に対して、最
小ビットを単位としてビット加減算を行うことにより、
加減量のみをあつかうことができ、上記(3)式の変換
をいちいち考慮する必要はない。そこで、信号S40の
結果が正ならば、第1のメモリ6の値を減らし、逆に負
ならば、増やすと言う直線変換のみを、該第3のメモリ
19に行わせればよい。
【0049】上述したように、ランダムアクセスメモリ
17に書き込まれるデータは、前回分に逐次加減算さて
いくため、継続的に正または負が累積された結果が、第
3のメモリ19のアドレスを決定する。このため、発生
している歪成分が、ごく小さい場合でも、積分動作によ
り累積され、結果として大きな値となり補正されること
になる。
【0050】一般に、温度が−30度から+80度まで
変動した場合利得は5dB程度の変動を示すが、位相変
異の変動はたかだか数度の範囲におさまる。このため、
上記図1に示した歪補償装置では、位相変位の適応補償
はしていない。なお、位相変位の適応補償を行う具体例
については後述する。
【0051】次に、上記図1に示す歪補償装置で、通常
の補償用と適応補償用とで共通に用いているA/Dコン
バータ3の切り替え動作について説明する。これは信号
S25により、セレクタが切り替えられ、入力信号S1
の包絡線をデジタル化して信号S3としてラッチする場
合と、同じく電力増幅器23の出力S30の包絡線をデ
ジタル化して信号S24としてラッチする場合が交互に
現れる動作を繰り返すものである。これにより、入力信
号のデジタイズ用と出力信号のデジタイズ用のA/Dコ
ンバータを一つで代用できることになり、歪補償装置と
しての小型化、低消費電力化上効果的である。
【0052】次に、図2に示すタイミング図を用いて、
全体の時間的動作について説明する。なお、A/Dコン
バータ、D/Aコンバータに接続されるクロックは省略
してある。クロック発生部24より発生する信号S25
のタイミングにしたがって、入力信号S1の包絡線S2
と電力増幅器23の包絡線信号S31の切り替えを行う
と同時に、各々デジタル化された信号S22(S24)
及びS23(S3)をラッチする。クロックMRWは、
信号S25を2分周して得たものであり、MRWの立ち
上がりにて、ランダムアクセスメモリ17の読みだしを
行い、その読み出し信号S42をクロックLCの立ち上
がりにてラッチする。このときのランダムアクセスメモ
リ17のアドレスは、入力信号S1の包絡線S2をデジ
タル化した信号S3である。クロックLCは、クロック
発生部24がクロックMRWを遅延させて作る。このク
ロックLCを用いて第1のラッチ部18にて読み出し信
号S42がラッチされると同時に第3のメモリ19のア
クセスが開始され、信号S44が読み出される。この信
号S44は、第2の加算器7で上記信号S7に加算さ
れ、加算信号S9とされた後、第1のD/Aコンバータ
8にてクロックMRWのたち下がりに合わせてアナログ
信号S10とされ、さらに第1の低域通過フィルタ9を
介して信号S11として出力される。以上の動作はクロ
ックMRWの1周期内にて繰り返される。
【0053】次に第1のメモリ6、第2のメモリ10、
第3のメモリ19に格納されるデータを図で示す。図3
は、第1のメモリ6に格納されるデータの例である。横
軸は、包絡線信号S1の電圧であり、縦軸は、振幅補正
のデータで、上記(3)式の変換を施してある。図4
は、第2のメモリ10に格納されるデータであり、位相
補償できるデータである。図5は、第3のメモリ19に
格納されるデータであり、信号S43の値により、正負
に対して直線的に変換しているものである。
【0054】次に、本発明を実施した結果を示す。図
6、図7は、25度(室温)の場合の歪補償の例を示す。
図6は、電力増幅器23により発生する歪を含むスペク
トラムであり、図7は、第1のメモリ6、第2のメモリ
10により歪補償が行われたスペクトラムを示す。
【0055】図8、図9は、適応補償の結果を示すもの
である。図8は−30度での例であり、利得Cefなるパ
ラメータを、0.25〜1.0の範囲で変えたときに、
横軸の積算回数に対して縦軸の歪成分(ACPR、dB
c)がどのように変化したかを示す。特性31は上記パ
ラメータ(利得Cef)を0.25として得られた。特性
32は上記パラメータを0.5として、特性33は上記
パラメータを0.75として、特性34は上記パラメー
タを0.9として、特性35は上記パラメータを1.0
として得られたものである。上記利得Cefなるパラメー
タは、上記図5における直線の傾きを表すものであり、
Cefの大きいものほど傾きが大きくなる。積算回数の増
加につれて歪電力が減少している様子が分かる。これ
は、補償できる最小分解能が、係数Cefに依存している
ためで、Cefが大きい場合は、分解能が荒くなり、その
結果歪が残留することを示している。
【0056】図9は、+80度の場合の適応補償の様子
を示している。利得Cefなるパラメータは、0.5〜
1.25の範囲で変えている。特性41は上記パラメー
タ(利得Cef)を0.5として得られた。特性42は上
記パラメータを0.75として、特性43は上記パラメ
ータを1.00として、特性44は上記パラメータを
1.25として得られたものである。上記図8と比較す
ると、高温側では電力増幅器23の利得低下が生じるた
めに、振幅歪の適応補償を行う経路を構成する帰還ルー
プのループ利得が低下し、歪電力の減少に要する積算回
数が増加するという結果が表れている。
【0057】次に、上記図1に示した歪補償装置を構成
する各部の詳細な構成について説明する。先ず、包絡線
検出回路1では、図10に示すように、ダイオード32
のアノード端子に入力端子31を介して入力高周波信号
Sin(S1)が供給され、カソード端子には出力端子3
7が接続されて出力信号Soo(S2)を導出している。
またダイオード32のカソード端子と接地との間には抵
抗35とコンデンサ36とが並列接続されている。高周
波信号Sin(S1)を入力端子31に入力すると、包絡
線成分の出力信号Soo(S2)のみが出力端子37に現
れる。ダイオード32には小信号部分の非直線性を改善
するために、バイアス端子33からバイアス抵抗34を
介してバイアス電圧Vbiasが供給されている。図11に
は上記図10の構成例で得られる包絡線電圧出力信号So
oの、入力信号Sinとして加えられる高周波信号電力に対
する特性を示す。
【0058】次に、利得可変部22として用い得る回路
の具体例について図12を用いて説明する。この具体例
は、2重ゲートFET44を用いた例であり、ソース接
地回路の構成としている。制御されるべき高周波電力が
入力端子45から入力され、入力整合回路46を通過し
て、2重ゲートFET44の第1のゲートG1に入力さ
れる。2重ゲートFET44のドレインDには、出力整
合回路47を接続し、制御された高周波信号が出力端子
48から出力される。2重ゲートFET44の第2のゲ
ートG2には、抵抗42及び、コンデンサ43を接続
し、制御端子41を介して制御電圧Vcを印加する。2
重ゲートFET44の相互コンダクタンスは、第2ゲー
トG2に印加される電圧に依存することを利用して、そ
の利得を制御するものである。
【0059】図13は、利得可変部22の他の具体例で
あり、ゲート接地FET52を用いた例である。端子5
1、端子53はFET52のソース及びドレインであり
高周波信号の通過経路である。ゲート部には抵抗55を
介して端子54より制御電庄が印加され、通過損失量を
調整できる。また、ゲート部と接地との間にはコンデン
サ56を接続する。
【0060】利得可変部22としては、利得の変動に対
して通過位相が変動しないものが望ましい。図12、図
13の回路は、共にこの効果を満たすものである。
【0061】次に、図14には移相器21の具体例を示
す。端子61,端子62は入出力端子であり、この間に
コイル64,コイル65を直列に接続する。該2つのコ
イル64,65の接続点にコンデンサ66とバリキャッ
プダイオード等のバリアブルキャパシタンス素子67を
直列接続したものを、グランドとの間に接続し、該コン
デンサ66とバリアブルキャパシタンス素子67との接
続点に抵抗68を介して制御端子63を設ける。制御端
子63に印加される電圧Vct1により、端子61、端子6
2を通過する高周波信号の位相を偏移できる。
【0062】図15は、該移相器21の特性の一例であ
る。上記図14に示したコンデンサ66の値を2.5p
F、抵抗68を1kΩ、コイル64,65の値を5nH
としたときの特性である。周波数に依存して異なるが、
概ね、制御電圧0.5Vから3.0Vの範囲で、10度から40
度の偏移が起こっている。
【0063】以上に説明したように、上記図1に示し
た、歪補償装置は、プレディストーションに必要な適応
補償のデータを、電力増幅器23の歪成分を、包絡線検
出という方法を用いることで可能にするために、直交復
調を要せずに簡易に実現できる。また、歪成分を出力と
入力差の積算により検出し、歪補償を行っているため、
わずかな歪成分でも補償できるという利点がある。ま
た、使用するA/Dコンバータは、通常の補償用と適応
補償用とを切り替えて用いるために、1つで済み、小型
化、低消費電力化上効果的であり、いずれもその効果は
絶大である。
【0064】なお、上記図1に示した歪補償装置では、
上述したように、温度変動に伴う位相変異の変動が数度
の範囲におさまるため、位相変位の適応補償はしていな
かった。しかし、非常に精度の高い適応補償を行うとき
には、位相歪の適応補償を行うことが望まれる。以下で
は、図16を用いて、位相変位の適応補償を行う歪補償
装置の具体例について説明する。上記図1と同様の構成
のブロックには同じ符号を付して説明を省略する。ま
た、セレクタ(SEL)やラッチ部(LCH)について
は説明の都合上省略している。
【0065】この歪補償装置は、上記電力増幅器に供給
される入力信号と上記電力増幅器から出力される出力信
号との位相差に基づいて上記電力増幅器の温度変動に対
する位相歪の適応補正データを出力し、この適応補正デ
ータを用いて上記電力増幅器の位相歪を適応補償する適
応位相歪補償手段を備える。
【0066】特に、この図16に示す歪補償装置は、入
力信号S1と電力増幅器23の出力信号S30を入力
し、互いの位相差を電圧S100として出力する位相差
検出部(DP)71と、この位相差検出部71の出力を
アドレスとして、対応するデータを信号S101として
出力するメモリ(MP)72と、このメモリ72の出力
を入力し、上記第2のメモリ10の出力と加算する加算
器73とを備えている。加算器73の加算出力は、第2
のD/Aコンバータ11に供給される。
【0067】次に動作を説明する。位相補償のためのテ
ーブルとなる第2のメモリ10にデータが適正な場合
は、位相差検出部71に出力は現れないので、動作は行
われない。このデータが不適正の場合は、電力増幅器2
3の入出力信号の位相差に依存した電圧S100が発生
する。メモリ72には、上記ランダムアクセスメモリ1
7と同様のデータを格納しておき、信号S100に依存
したデータ変換を行い、信号S101を得、このデータ
が、位相補償テーブル(第2のメモリ10)の出力S4
に加算され、移相部21の制御に寄与することとなる。
【0068】図17には、位相差検出部71の具体例を
示す。直列に接続した抵抗93とコンデンサ94、直列
に接続したコンデンサ95と抵抗96を互いに並列に接
続しブリッジを構成する。ブリッジの2つの対向端子9
1,92を入力端子とし、互いに位相差を検出すべき二
つの信号(S1,S30)を入力すると、位相差に対応
した電圧が、該ブリッジのもう一組の対向端子間に現れ
るため、この対向端子の各々に、ダイオード97,10
0及び抵抗98,101、コンデンサ99,102から
なる二つの2乗検波回路を接続し、各々の出力を、減算
器に入力する。この減算器は、演算増幅器107を用い
たものであり、ダイオード97、抵抗98、コンデンサ
99からなる第1の2乗検波回路の出力を抵抗103を
介して演算増幅器107の反転端子(−)で受け、ダイ
オード100、抵抗101、コンデンサ102からなる
第2の2乗検波回路の出力を抵抗105を介して演算増
幅器107の正端子(+)で受ける。演算増幅器107
の反転端子(−)と出力端子との間には抵抗104が接
続されている。また、演算増幅器107の正端子(+)
と接地との間には抵抗106が接続されている。
【0069】上記第1の2乗検波回路の出力をVi1、
上記第2の2乗検波回路の出力をVi2とし、抵抗10
3の値をR1、抵抗104の値をR2、抵抗105の値
をR3、抵抗106の値をR4とすると、出力端子10
8に現れる出力S100は、 S100=(R4/R3)・Vi2−(R2/R1)・Vi1 ・・・(4) ここで、R1=R2=R3=R4とすれば、上記(4)式
は、次の(5)式となる。 V0=Vi2−Vi1 ・・・(5) 以上、図16及び図17を用いて位相変位の適応補償を
行う歪補償装置の具体例について説明した。この位相変
位の適応補償を行う歪補償装置を、上記図1に示した歪
補償装置に付加することにより、温度変動に伴って振幅
歪を適応補償するのに加えて位相歪も適応補償すること
になるので、非常に精度の高い適応補償を行うことがで
きる。
【0070】
【発明の効果】以上、本発明によれば、電力増幅器の歪
成分を、包絡線検出という方法を用いることで可能にす
るために、直交復調を要せずに簡易に実現できる。ま
た、歪成分を出力と入力差の積算により検出し、歪補償
を行っているため、わずかな歪成分でも補償できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態となる、歪補償装置の全体
構成を示すブロック図である。
【図2】上記歪補償装置のタイミング図である。
【図3】室温での振幅補償テーブルを示す図である。
【図4】室温での位相補償テーブルを示す図である。
【図5】適応補償のテーブルを示す図である。
【図6】電力増幅器で発生する歪スペクトラムを示す図
である。
【図7】室温でのひずみ補償の例を示す図である。
【図8】−30度での適応補償の結果を示す図である。
【図9】+80度での適応補償の結果を示す図である。
【図10】上記歪補償装置で用いた包絡線検出部の具体
例を示す回路図である。
【図11】上記図10に示した包絡線検出部の特性図で
ある。
【図12】上記歪補償装置で用いた利得可変部の具体例
の構成を示す回路図である。
【図13】上記歪補償装置で用いた利得可変部の他の具
体例の構成を示す回路図である。
【図14】上記歪補償装置で用いた移相器の具体例の構
成を示す回路図である。
【図15】上記図14に示した移相器の特性図である。
【図16】位相歪についての適応補償を行う歪補償装置
の構成を示すブロック図である。
【図17】上記図16に示した歪補償装置で用いた位相
差検出部の具体例の回路図である。
【図18】第1の従来例を示すブロック図である。
【図19】第2の従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1の包絡線検出回路、3 A/Dコンバータ、6
第1のメモリ、7第2の加算器、15 減算器、16
第1の加算器、17 ランダムアクセスメモリ、21
移相器、22 利得可変部、23 電力増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 AA41 CA02 CA21 CN01 FA19 GN03 HA09 HA13 HA19 HA25 HA29 HA30 HA33 KA00 KA01 KA16 KA17 KA26 KA29 KA31 KA34 KA42 KA55 MA09 MA11 SA14 TA01 TA02 TA03 TA06 5J091 AA01 AA41 CA02 CA21 FA19 HA09 HA13 HA19 HA25 HA29 HA30 HA33 KA00 KA01 KA16 KA17 KA26 KA29 KA31 KA34 KA42 KA55 MA09 MA11 SA14 TA01 TA02 TA03 TA06 5K060 BB07 HH06 HH31 HH36 HH37 KK06 LL24

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デバイスに発生する歪成分を補償する歪
    補償装置において、 上記デバイスに供給される入力信号の包絡線信号と上記
    デバイスから出力される出力信号の包絡線信号との振幅
    差分を求め、この振幅差分を積分して累積した結果に基
    づいて上記デバイスの温度変動に対する振幅歪の適応補
    正データを出力し、この適応補正データを用いて上記デ
    バイスの振幅歪を適応補償する振幅歪適応補償手段を備
    えることを特徴とする歪補償装置。
  2. 【請求項2】 上記デバイスに供給される入力信号の包
    絡線信号に基づいて上記デバイスの振幅歪を補正するた
    めの補正データを出力し、この補正データに応じて上記
    デバイスの利得可変処理を制御して上記デバイスの振幅
    歪を補正する振幅歪補正手段を備えることを特徴とする
    請求項1記載の歪補償装置。
  3. 【請求項3】 上記振幅歪適応補償手段は、上記振幅歪
    補正手段で用いる上記補正データに、上記適応補正デー
    タを加算して上記デバイスの振幅歪を適応補償すること
    を特徴とする請求項2記載の歪補償装置。
  4. 【請求項4】 上記振幅歪適応補償手段は、上記デバイ
    スに供給される入力信号の包絡線信号を検出する第1の
    包絡線検出手段と、上記デバイスから出力される出力信
    号の包絡線成分を検出する第2の包絡線検出手段と、上
    記第1の包絡線検出手段で検出された上記入力信号の包
    絡線成分と上記第2の包絡線検出手段で検出された上記
    出力信号の包絡線成分との振幅の差分を求める減算手段
    と、上記減算手段で得られた振幅の差分を積分して累積
    する累積手段と、上記累積手段で累積された結果に基づ
    いて上記デバイスの温度変動に対する適応補正データを
    出力する適応補正データ出力手段とを備えることを特徴
    とする請求項1記載の歪補償装置。
  5. 【請求項5】 上記デバイスに供給される入力信号と上
    記デバイスから出力される出力信号との位相差に基づい
    て上記デバイスの温度変動に対する位相歪の適応補正デ
    ータを出力し、この適応補正データを用いて上記デバイ
    スの位相歪を適応補償する適応位相歪補償手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の歪補償装置。
  6. 【請求項6】 上記デバイスに供給される入力信号の包
    絡線信号に基づいて上記デバイスの位相歪を補正するた
    めの補正データを出力し、この補正データに応じて上記
    デバイスの移相処理を制御して上記デバイスの位相歪を
    補正する位相歪補正手段を備えることを特徴とする請求
    項5記載の歪補償装置。
  7. 【請求項7】 上記適応位相歪補償手段は、上記位相歪
    補正手段で用いる上記補正データに、上記適応補正デー
    タを加算して上記デバイスの位相歪を適応補償すること
    を特徴とする請求項6記載の歪補償装置。
  8. 【請求項8】 上記適応位相歪補償手段は、上記デバイ
    スに供給される入力信号と上記デバイスから出力される
    出力信号との位相差を検出する位相差検出手段と、上記
    位相差検出手段で検出された位相差に基づいて上記デバ
    イスの温度変動に対する位相歪の適応補正データを出力
    する位相歪適応補正データ出力手段とを備えることを特
    徴とする請求項5記載の歪補償装置。
  9. 【請求項9】 上記デバイスは電力増幅手段であり、上
    記入力信号は包絡線変動を生ずる高周波入力信号である
    ことを特徴とする請求項1記載の歪補償装置。
  10. 【請求項10】 デバイスに発生する歪成分を補償する
    歪補償方法において、 上記デバイスに供給される入力信号の包絡線信号と上記
    デバイスから出力される出力信号の包絡線信号との振幅
    差分を求め、この振幅差分を積分して累積した結果に基
    づいて上記デバイスの温度変動に対する振幅歪の適応補
    正データを出力し、この適応補正データを用いて上記デ
    バイスの振幅歪を適応補償する振幅歪適応補償工程を備
    えることを特徴とする歪補償方法。
  11. 【請求項11】 上記デバイスに供給される入力信号の
    包絡線信号に基づいて上記デバイスの振幅歪を補正する
    ための補正データを出力し、この補正データに応じて上
    記デバイスの利得可変処理を制御して上記デバイスの振
    幅歪を補正する振幅歪補正工程を備えることを特徴とす
    る請求項10記載の歪補償方法。
  12. 【請求項12】 上記振幅歪適応補償工程は、上記振幅
    歪補正工程で用いる上記補正データに、上記適応補正デ
    ータを加算して上記デバイスの振幅歪を適応補償するこ
    とを特徴とする請求項11記載の歪補償方法。
  13. 【請求項13】 上記デバイスに供給される入力信号と
    上記デバイスから出力される出力信号との位相差に基づ
    いて上記デバイスの温度変動に対する位相歪の適応補正
    データを出力し、この適応補正データを用いて上記デバ
    イスの位相歪を適応補償する適応位相歪補償工程を備え
    ることを特徴とする請求項10記載の歪補償方法。
  14. 【請求項14】 上記デバイスに供給される入力信号の
    包絡線信号に基づいて上記デバイスの位相歪を補正する
    ための補正データを出力し、この補正データに応じて上
    記デバイスの移相処理を制御して上記デバイスの位相歪
    を補正する位相歪補正工程を備えることを特徴とする請
    求項13記載の歪補償方法。
  15. 【請求項15】 上記適応位相歪補償工程は、上記位相
    歪補正工程で用いた上記補正データに、上記適応補正デ
    ータを加算して上記デバイスの位相歪を適応補償するこ
    とを特徴とする請求項14記載の歪補償方法。
  16. 【請求項16】 上記デバイスは電力増幅手段であり、
    上記入力信号は包絡線変動を生ずる高周波入力信号であ
    ることを特徴とする請求項10記載の歪補償方法。
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