JP2002009422A - 電子部品の実装方法及び実装体 - Google Patents

電子部品の実装方法及び実装体

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JP2002009422A
JP2002009422A JP2000189253A JP2000189253A JP2002009422A JP 2002009422 A JP2002009422 A JP 2002009422A JP 2000189253 A JP2000189253 A JP 2000189253A JP 2000189253 A JP2000189253 A JP 2000189253A JP 2002009422 A JP2002009422 A JP 2002009422A
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electronic component
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Yukihiro Ishimaru
幸宏 石丸
Hiroteru Takezawa
弘輝 竹沢
Takashi Kitae
孝史 北江
Tsutomu Mitani
力 三谷
Yasuhiro Suzuki
康寛 鈴木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性接着剤を用いて電子部品を実装するに
際して、電極間のショートの発生を防止し、また、電子
部品の部品電極の接合端部にフィレット部を容易に形成
して実装強度の向上を図る。 【解決手段】 回路基板A1の導体電極B1上に導電性
接着剤層E1を形成する工程と、該導電性接着剤層に電
子部品C1の部品電極D1を対応させる工程と、上記導
電性接着剤層を介して上記回路基板上に電子部品を実装
する工程とを含む電子部品の実装方法において、上記導
電性接着剤層が上方に向かって略先細となる凸状に形成
され、該凸状の導電性接着剤層の頂点部分Ea1が、上
記電子部品の対応する部品電極の外側端部Da1よりも
電子部品に対して所定量外側に位置するように設定され
ていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の実装の
分野において、はんだに代えて、導電性接着剤を用いて
電子部品を回路基板に実装する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への認識の高まりから、
エレクトロニクス実装の分野においても、はんだに含ま
れる鉛に対する規制が検討されつつあり、電子部品の実
装に鉛を用いない接合技術(所謂、「鉛フリー」実装技
術)の確立が急務となっている。この鉛フリー実装技術
としては、主として鉛フリーはんだ或いは導電性接着剤
などを用いる方法が挙げられるが、これらのうちでは、
接合部の柔軟性や実装温度の低温化等の点でメリットが
期待でき、また、有機溶剤の使用や特別な洗浄工程の必
要性も無くすることができる、導電性接着剤を用いる方
法がより注目されている。
【0003】周知のように、導電性接着剤は、一般に樹
脂系接着成分中に導電フィラを分散させたものであり、
接着剤を介在して電子部品の接続端子と回路基板の接続
端子を接続した後に樹脂を硬化させ、接着剤中の導電フ
ィラ同士の接触により接続部分の電気的接続を確保する
ものである。従って、この導電性接着剤を用いて接合し
た場合には、接続部分が樹脂で接着されている関係上、
熱や外力による変形に対して柔軟に対応でき、接続部分
が合金であるはんだによる接合と比較して、接続部分に
亀裂が発生しにくいというメリットを有していることか
ら、従前の鉛を含んだはんだの代替材料として期待され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来では、
導電性接着剤を用いて電子部品の実装を行った場合、電
極間のショートが生じ易いという技術的課題があった。
以下に、導電性接着剤を用いた従来の実装方法およびそ
の技術的問題点について説明する。図11(a)及び
(b)は導電性接着剤を用いた従来の実装方法の一例を
模式的に示したもので、回路基板A21上に設けられた
一対の導体電極B21上の所定部位に導電性接着剤が塗
布され接着剤層E21がそれぞれ形成されている。本従
来例では、図11(a)から良く分かるように、この導電
性接着剤層E21は、上面が略平坦で縦断面形状が略矩
形状に形成されている。
【0005】次に、電子部品C21に設けられた一対の
部品電極D21がそれぞれ上記各導体電極B21上の導
電性接着剤層E21に対応するように、電子部品C21
を位置決めする。このとき、導電性接着剤層E21の中
心線L21が、部品電極D21の内外(部品中央側およ
び部品外側)の端面Db21及びDa21から外れるこ
とがないように位置設定されるのが普通である。そし
て、図11(b)に示されるように、部品電極D21を導
電性接着剤層E21によって導体電極B21上に接着す
ることにより、電子部品C21が回路基板A21上に実
装される。
【0006】ところが、この従来の実装方法では、部品
電極D21を導体電極B21上に接合する際に、導電性
接着剤E21は、部品電極D21を含む電子部品C21
と導体電極B21を含む回路基板A21との間で、部品
外方だけでなく内側(部品中央側)に向かっても大きく
(外側と略同等以上に)広がるので、左右の導電性接着
剤E21どうしは、その内向きに広がった部分間で間隔
が狭まり易くなり(図11(b)参照)、ショート発生
や電極間のマイグレーションの危険性が高くなるのであ
る。尚、この様なショート発生やマイグレーションの危
険性は、特に、小型の電子部品を実装する場合に、より
高くなる。
【0007】図12(a)及び(b)は導電性接着剤を
用いた従来の実装方法の他の例を模式的に示したもの
で、回路基板A22の各導体電極B22上に形成された
導電性接着剤層E22は、図12(a)から良く分かるよ
うに、その縦断面形状が、上方に向かって略先細となる
凸状(本従来例では、略三角形状)を成している。しか
しながら、この場合でも、電子部品C22の各部品電極
D22がそれぞれ上記各導体電極B22上の導電性接着
剤層E22に対応するように、電子部品C22を位置決
めする際には、凸状の導電性接着剤層E22の頂点Ea
22の位置が、部品電極D22の内外の端面Db22及
びDa22から外れることがないように位置設定される
のが普通である。
【0008】従って、この従来の実装方法においても、
部品電極D22を導体電極B22上に接合する際に、導
電性接着剤E22は、部品電極D22を含む電子部品C
22と導体電極B22を含む回路基板A22との間で、
部品外方だけでなく内側(部品中央側)に向かっても大
きく(外側と略同等以上に)広がるので、左右の導電性
接着剤E22どうしは、その内向きに広がった部分間で
間隔が狭まり易くなり(図12(b)参照)、ショート
発生や電極間のマイグレーションの危険性が高くなるの
である。
【0009】ところで、従来、はんだを用いて実装した
場合には、はんだが溶融した後に凝固する際に、電子部
品の部品電極の接合端部に隅肉部(フィレット部)が形
成され、これが部品の実装強度の向上に寄与することが
知られている。これに対して、導電性接着剤を用いて実
装する場合、単に、電子部品の部品電極を回路基板の導
体電極上に導電性接着剤層で接着するだけでは、部品電
極の接合端部に実装強度の向上に寄与し得るようなフィ
レット部は形成されず、このことが、導電性接着剤を用
いた場合、はんだと比較して実装強度が弱くなる原因の
一つとなっていた。
【0010】尚、上述の図11(a),(b)及び図1
2(a),(b)で示された従来例の場合についても、
部品電極を導体電極上に接合する際に、電子部品の下面
と回路基板の上面との間に広がった導電性接着剤のう
ち、外向きに広がった接着剤の余剰分が部品電極の外側
端面の下端部分に付着して若干の盛り上り部が形成され
ることもあり得るが、これは、あくまでも接合面(電子
部品の下面と回路基板の上面)間から洩れ出た余剰の接
着剤が、単に接合部品の外側端面に付着して若干の盛り
上り状態となったものに過ぎず、はんだ接合におけるフ
ィレット部のように、特に接合強度の向上に寄与し得る
ものではない。
【0011】また、部品電極がリードで形成された電子
部品(所謂、リード部品)についても、例えば図13
(a)及び(b)に模式的に示すように、回路基板A2
3の導体電極B23上にその縦断面形状が、上方に向か
って略先細となる凸状(本従来例では、略三角形状)の
導電性接着剤層E23を形成しても、通常は、電子部品
(不図示)のリードD23が導体電極B23上の導電性
接着剤層E23に対応するように電子部品を位置決めす
る際には、凸状の導電性接着剤層E23の頂点Ea23
の位置が、リードD23の端末固定部Db23から外れ
ることがないように位置設定される(図13(a)参
照)。
【0012】従って、上記リードD23を導体電極B2
3に接合した際には、図13(b)に示されるように、
基本的には、リードD23の端末固定部Db23の底面
が導電性接着剤層E23を介して導体電極B23に接合
されるだけであるので(つまり、接合面が上記端末固定
部Db23の底面だけとなるので)、十分な接合強度を
安定して得ることはなかなかに難しいのが実情であっ
た。
【0013】そこで、本発明は、導電性接着剤を用いた
電子部品の実装技術において、電極間のショートの発生
を効果的に防止でき、また、電子部品の部品電極の接合
端部にフィレット部を容易に形成して実装強度の向上を
図ることができる電子部品の実装方法および実装体を提
供することを目的としてなされたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明は、回路基板の導体電極上に導電性接着剤層を形成
する工程と、該導電性接着剤層に電子部品の部品電極を
対応させる工程と、上記導電性接着剤層を介して上記回
路基板上に電子部品を実装する工程とを含む電子部品の
実装方法において、上記導電性接着剤層が上方に向かっ
て略先細となる凸状に形成され、該凸状の導電性接着剤
層の頂点部分が、上記電子部品の対応する部品電極の外
側端部よりも電子部品に対して所定量外側に位置するよ
うに設定されていることを特徴としたものである。この
場合、導電性接着剤の内向きへの広がりが効果的に抑制
されて、当該接合部の導電性接着剤が他の接合部の導電
性接着剤と接触または近接し過ぎることによるショート
の発生を有効に防止できる。また、上記導電性接着剤層
の少なくとも頂点部を含む部分が部品電極の外側端面を
少なくとも所定高さまで覆うことにより、この所定高さ
に見合った「のど厚」を有するフィレット部が部品電極
の外側端面の下部に形成され、電子部品の実装強度を有
効に高めることができる。
【0015】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明において、上記導電性接着剤層の頂点部分の上記導体
電極からの高さ寸法が、上記対応する部品電極の外側端
部の厚みよりも大きいことを特徴としたものである。こ
の場合、部品電極は、その下面および外側端面だけでな
く、外側端面の近傍の上面部分も導電性接着剤層で覆わ
れて、上下を挟むようにして導体電極上に接合され、実
装強度がより一層高められる。
【0016】更に、本願の第3の発明は、上記第1又は
第2の発明において、上記電子部品の実装時および実装
後の少なくとも何れか一方に、上記電子部品の部品電極
を上記回路基板の導体電極側に加圧する加圧工程を含む
ことを特徴としたものである。この場合、上記加圧工程
を設けたことでより容易にフィレット形状を形成するこ
とができ、加圧条件によってはそれぞれの電極や導電性
接着剤中の導電フィラの酸化膜が破られてより高い導電
性が得られることも期待できる。
【0017】また更に、本願の第4の発明は、上記第3
の発明において、上記加圧工程において上記部品電極の
導体電極への接合部に、加熱および振動の少なくともい
ずれか一方が加えられることを特徴としたものである。
この場合、導電性接着剤の粘度を下げてフィレット形状
をより一層容易に形成でき、また、部品電極や導体電極
と導電性接着剤のなじみを良くして電子部品の実装強度
をより向上させることができる。
【0018】また更に、本願の第5の発明は、上記第1
〜第4の発明のいずれか一において、上記電子部品が複
数の部品電極を有しており、上記凸状の導電性接着剤層
の頂点部分の間隔が、各部品電極の外側端部の間隔より
も大きく設定されていることを特徴としたものである。
この場合、複数の部品電極を有する電子部品の全ての部
品電極の接合部分について、凸状の導電性接着剤層の頂
点部分が対応する部品電極の外側端面よりも電子部品に
対して所定量だけ外側に位置するように設定した上で、
部品電極を導体電極に接合することが可能となる。
【0019】また更に、本願の第6の発明は、上記第1
〜第5の発明のいずれか一において、上記部品電極がリ
ードにより形成されていることを特徴としたものであ
る。この場合、部品電極がリードにより形成された電子
部品(所謂リード部品)についても、基本的には上記第
1〜第5の発明のいずれか一と同様の作用効果を奏する
ことができる。
【0020】また、本願の第7の発明は、回路基板の導
体電極上に形成された導電性接着剤層を介して上記回路
基板上に電子部品を実装して成る電子部品の実装体にお
いて、上方に向かって略先細となる凸状に形成された導
電性接着剤層に上記電子部品の部品電極を対応させ該電
子部品を上記回路基板上に実装して上記導電性接着剤層
を硬化させることで、上記凸状の導電性接着剤層の少な
くとも頂点部を含む部分が上記部品電極の外側端面を少
なくとも所定高さまで覆っていることを特徴としたもの
である。この場合、上記凸状の導電性接着剤層の少なく
とも頂点部を含む部分が部品電極の外側端面を少なくと
も所定高さまで覆うことにより、この所定高さに見合っ
た「のど厚」を有するフィレット部が部品電極の外側端
面の下部に形成され、電子部品の実装強度が高まる。ま
た、導電性接着剤の内向きへの広がりが効果的に抑制さ
れ、当該接合部の導電性接着剤が他の接合部の導電性接
着剤と接触または近接し過ぎることによるショートの発
生を有効に防止できる。
【0021】更に、本願の第8の発明は、上記第7の発
明において、上記導電性接着剤層の頂点部の上記導体電
極からの高さ寸法が上記対応する部品電極の外側端部の
厚みよりも大きく設定されており、上記凸状の導電性接
着剤層の少なくとも頂点部を含む部分が、上記部品電極
の外側端面と、上記部品電極の上面の少なくとも一部と
を覆っていることを特徴としたものである。この場合、
部品電極は、その下面および外側端面だけでなく、外側
端面の近傍の上面部分も導電性接着剤層で覆われて、上
下を挟むようにして導体電極上に接合されることとな
り、実装強度がより一層高められる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施の形
態について説明する。図1(a)及び図1(b)は、本
実施の形態に係る回路基板上に所定の電子部品を実装す
る際における実装前および実装状態をそれぞれ模式的に
示す縦断面説明図であり、主として、回路基板上の導体
電極とこれに対応する電子部品側の電極(部品電極)と
の接合領域について、実装前後の状態が拡大して表わさ
れている。
【0023】これらの図に示すように、本実施の形態で
は、回路基板A1の上面における所定の部位に例えば薄
膜状の導体電極B1が設けられており、電子部品C1を
回路基板A1上に実装するに先だって、まず、この導体
電極B1上に導電性接着剤を塗布して接着剤層E1が形
成される。この導電性接着剤層E1は、図1(a)から
良く分かるように、上方に向かって略先細となる凸状
(本実施の形態では、例えば略三角形状)に形成され
る。
【0024】上記回路基板A1としては、例えばガラス
エポキシ基板を用いることができ、導体電極B1は、例
えば銅箔で基板A1上に回路パターンとして形成するこ
とができる。また、導電性接着剤E1としては、例え
ば、エポキシ系樹脂に導電フィラとして銀を分散させた
もの用いることができ、これを導体電極B1上に塗布し
て導電性接着剤層E1を形成する際には、例えば、接着
剤ディスペンサを使用することができる。
【0025】次に、上記導体電極B1に接合されるべき
部品電極D1を導電性接着剤層E1に対応させ、位置決
めが行われる。このとき、上記凸状の導電性接着剤層E
1の頂点部Ea1が、部品電極D1の外側端面Da1よ
りも電子部品C1に対して所定量k1だけ外側(図1
(a),(b)における左側)に位置するように設定さ
れている。そして、図1(b)に示されるように、上記
部品電極D1を導電性接着剤層E1によって導体電極B
1上に接着することにより、電子部品C1が回路基板A
1上に実装されるようになっている。以上の実装工程に
は、好ましくは、所謂、部品マウンター(実装機)が用
いられる。
【0026】以上、説明したように、本実施の形態で
は、上記導電性接着剤層E1が上方に向かって略先細と
なる凸状に形成されており、この凸状の導電性接着剤層
E1の頂点部Ea1が、部品電極D1の外側端面Da1
よりも電子部品C1に対して所定量k1だけ外側に位置
するように設定した上で、部品電極D1を導体電極B1
に接合するようにしたので、導電性接着剤E1の内向き
への(図1(a),(b)における右方への)広がりが
効果的に抑制される。従って、当該接合部の導電性接着
剤E1が他の接合部の導電性接着剤と接触または近接し
過ぎることによるショートの発生を有効に防止できる。
【0027】また、凸状に形成された導電性接着剤層E
1の頂点部分Ea1を含む接着剤が粘性によって部品電
極D1の外側端面Da1に引き寄せられ、これが硬化す
ることで、上記導電性接着剤層E1の少なくとも頂点部
Ea1を含む部分が部品電極D1の外側端面Da1を少
なくとも所定高さまで覆っている。すなわち、この所定
高さに見合った「のど厚」を有するフィレット部Eb1
が、部品電極D1の外側端面Da1の下部に形成される
こととなり、部品C1の実装強度を有効に高めることが
できるのである。
【0028】更に、以上の実装方法において、電子部品
C1の回路基板A1上への実装時および実装後の少なく
とも何れか一方において、この電子部品C1の部品電極
D1を上記回路基板A1の導体電極B1側に所定圧力で
加圧することが好ましい。このような加圧工程を設ける
ことで、より容易にフィレット形状を形成することがで
きる。また、部品電極D1や導体電極B1に圧力が加わ
ることで、それぞれの電極D1,B1や導電性接着剤E
1中の導電フィラの酸化膜が破られ、より高い導電性が
得られる場合がある。
【0029】また、この加圧工程において上記部品電極
D1の導体電極B1への接合部に、加熱および振動の少
なくともいずれか一方が加えられることがより好まし
い。このような加熱および振動の少なくともいずれか一
方を加えることにより、導電性接着剤E1の粘度を下げ
ることができ、フィレット形状をより一層容易に形成で
き、また、部品電極D1や導体電極B1と導電性接着剤
E1のなじみを良くして、電子部品C1の実装強度をよ
り向上させることができる。
【0030】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図2(a)及び図2(b)は、本実施の形態に
係る回路基板上に所定の電子部品を実装する際における
実装前および実装状態をそれぞれ模式的に示す縦断面説
明図であり、第1の実施の形態における場合と同様に、
主として、回路基板上の導体電極とこれに対応する電子
部品側の電極(部品電極)との接合領域について、実装
前後の状態が拡大して表わされている。これらの図に示
すように、本実施の形態においても、回路基板A2の上
面における所定の部位に例えば薄膜状の導体電極B2が
設けられており、電子部品C2を回路基板A2上に実装
するに先だって、まず、この導体電極B2上に導電性接
着剤を塗布して接着剤層E2が形成される。
【0031】この導電性接着剤層E2は、第1の実施の
形態における場合と同様に、図2(a)から良く分かる
ように、上方に向かって略先細となる凸状(本実施の形
態では、例えば略三角形状)に形成されるが、本実施の
形態では、上記導電性接着剤層E2の頂点部分Ea2の
導体電極B2からの高さ寸法h2が、対応する部品電極
D2の外側端部の厚さt2よりも大きく設定されてい
る。尚、本実施の形態では、例えば、電子部品C2の厚
さが部品電極D2を含めて一定である。また、上記回路
基板A2の材料、導体電極B2の材料および形成方法、
導電性接着剤E2の材料・組成ならびに導電性接着剤層
E2の導体電極B2上への塗布・形成方法等は、上述の
第1の実施の形態における場合と、同様のもの及び同様
の方法を適用することができる。
【0032】次に、上記導体電極B2に接合されるべき
部品電極D2を導電性接着剤層E2に対応させ、位置決
めが行われる。このとき、上記凸状の導電性接着剤層E
2の頂点部Ea2が、部品電極D2の外側端面Da2よ
りも電子部品C2に対して所定量k2だけ外側(図2
(a),(b)における左側)に位置するように設定さ
れている。そして、図2(b)に示されるように、上記
部品電極D2を導電性接着剤層E2によって導体電極B
2上に接着することにより、電子部品C2が回路基板A
2上に実装されるようになっている。以上の実装工程に
は、好ましくは、所謂、部品マウンター(実装機)が用
いられる。
【0033】以上、説明したように、本実施の形態で
は、上記導電性接着剤層E2が上方に向かって略先細と
なる凸状に形成されており、この凸状の導電性接着剤層
E2の頂点部Ea2が、部品電極D2の外側端面Da2
よりも電子部品C2に対して所定量k2だけ外側に位置
するように設定した上で、部品電極D2を導体電極B2
に接合するようにしたので、上述の第1の実施の形態に
おける場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0034】これに加えて、本実施の形態では、上記導
電性接着剤層E2の頂点部分Ea2の導体電極B2から
の高さ寸法h2が、対応する部品電極D2の外側端部の
厚さt2よりも大きく設定されているので、図2(b)
から良く分かるように、導電性接着剤E2が、部品電極
D2の外側端面Da2を下端から上端まで完全に覆った
上で、更に、部品電極D2の上側の少なくとも一部分を
覆うことができる。つまり、部品電極D2は、その下面
および外側端面Da2だけでなく、外側端面Da2の近
傍の上面部分も導電性接着剤層E2で覆われて、上下を
挟むようにして導体電極B2上に接合されることとな
り、実装強度がより一層高められるのである。
【0035】尚、本実施の形態に係る実装方法において
も、電子部品C2の回路基板A2上への実装時および実
装後の少なくとも何れか一方に、この電子部品C2の部
品電極D2を上記回路基板A2の導体電極B2側に所定
圧力で加圧することが好ましく、また、この加圧工程に
おいて上記部品電極D2の導体電極B2への接合部に、
加熱および振動の少なくともいずれか一方が加えられる
ことがより好ましいことは、上述の第1の実施の形態に
おける場合と同様である。
【0036】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図3(a)及び図3(b)に示すように、本実
施の形態では、電子部品C3が複数の部品電極D3を有
している。図3(a)及び図3(b)の例では、電子部
品C3の左右の両端部に部品電極D3が対を成すように
設けられている。これらの図に示すように、本実施の形
態においても、回路基板A3の上面における所定の部位
に例えば薄膜状の導体電極B3が左右に対を成すように
設けられており、電子部品C3を回路基板A3上に実装
するに先だって、まず、この導体電極B3上に導電性接
着剤を塗布して接着剤層E3がそれぞれ形成される。
【0037】この導電性接着剤層E3は、前述の各実施
の形態における場合と同様に、図3(a)から良く分か
るように、上方に向かって略先細となる凸状(本実施の
形態では、例えば略三角形状)に形成されるが、本実施
の形態では、上記左右の凸状導電性接着剤層E3の頂点
部分Ea3どうしの間隔W3が、左右の部品電極D3の
外側端部Da3どうしの間隔Wdよりも大きく設定され
ている。尚、上記回路基板A3の材料、導体電極B3の
材料および形成方法、導電性接着剤E3の材料・組成な
らびに導電性接着剤層E3の導体電極B3上への塗布・
形成方法等は、前述の各実施の形態における場合と、同
様のもの及び同様の方法を適用することができる。
【0038】次に、上記各導体電極B3に接合されるべ
き部品電極D3を導電性接着剤層E3にそれぞれ対応さ
せ、位置決めが行われる。このとき、上述のように、左
右の導電性接着剤層E3の頂点部分Ea3どうしの間隔
W3が、左右の部品電極D3の外側端部Da3どうしの
間隔Wdよりも大きく設定されており、この位置決めに
際しては、導電性接着剤層E3の頂点部Ea3が、部品
電極D3の外側端面Da3よりも電子部品C3に対して
所定量だけ外側に位置するように設定される。この場
合、より好ましくは、上記所定量が左右で均等(左側の
所定量=右側の所定量=k3)となるように位置決めさ
れる。そして、図3(b)に示されるように、上記部品
電極D3を導電性接着剤層E3によって導体電極B3上
に接着することにより、電子部品C3が回路基板A3上
に実装されるようになっている。以上の実装工程には、
好ましくは、所謂、部品マウンター(実装機)が用いら
れる。
【0039】以上、説明したように、本実施の形態で
は、各導電性接着剤層E3が上方に向かって略先細とな
る凸状に形成されており、この凸状の各導電性接着剤層
E3の頂点部Ea3が、各部品電極D3の外側端面Da
3よりも電子部品C3に対して所定量k3だけ外側に位
置するように設定した上で、各部品電極D3を対応する
導体電極B3に接合するようにしたので、上述の第1の
実施の形態における場合と同様の作用効果を奏すること
ができる。すなわち、左右の導電性接着剤層E3が上方
に向かって略先細となる凸状に形成されており、この凸
状の導電性接着剤層E3の各頂点部Ea3が、左右の部
品電極D3の側端面Da3よりも電子部品C3に対して
所定量k3だけ外側に位置するように設定した上で、各
部品電極D3を導体電極B3に接合するようにしたの
で、各接合部について導電性接着剤E3の内向きへの広
がりが効果的に抑制され、左右の部品電極D3間でのシ
ョートの発生を有効に防止できるのである。
【0040】また、上記導電性接着剤層E3の少なくと
も頂点部Ea3を含む部分が部品電極D3の外側端面D
a3を少なくとも所定高さまで覆うことにより、この所
定高さに見合った「のど厚」を有するフィレット部Eb
3が、各部品電極D3の外側端面Da3の下部に形成さ
れ、部品C3の実装強度が高められることは、第1の実
施の形態における場合と同様である。
【0041】尚、本実施の形態に係る実装方法において
も、導電性接着剤層E3の頂点部分Ea3の導体電極B
3からの高さ寸法を、対応する部品電極D3の外側端部
の厚さよりも大きく設定することによって、第2の実施
の形態における場合と同様に、実装強度をより高めるこ
とができる。また、電子部品C3の回路基板A3上への
実装時および実装後の少なくとも何れか一方に、この電
子部品C3の部品電極D3を上記回路基板A3の導体電
極B3側に所定圧力で加圧することが好ましく、また、
この加圧工程において上記部品電極D3の導体電極B3
への接合部に、加熱および振動の少なくともいずれか一
方が加えられることがより好ましいことは、前述の各実
施の形態における場合と同様である。。
【0042】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。図4(a)及び図4(b)は、本実施の形態に
係る回路基板上に所定の電子部品を実装する際における
実装前および実装状態をそれぞれ模式的に示す縦断面説
明図であり、第1及び第2の実施の形態における場合と
同様に、主として、回路基板上の導体電極とこれに対応
する電子部品側の電極(部品電極)との接合領域につい
て、実装前後の状態が拡大して表わされている。これら
の図に示すように、本実施の形態では、電子部品(不図
示)側に設けられた部品電極が薄板状のリードD4によ
って形成されている。そして、本実施の形態において
も、回路基板A4の上面における所定の部位に例えば薄
膜状の導体電極B4が設けられており、電子部品(不図
示)を回路基板A4上に実装するに先だって、まず、こ
の導体電極B4上に導電性接着剤を塗布して接着剤層E
4が形成される。
【0043】この導電性接着剤層E4は、図4(a)か
ら良く分かるように、前述の各実施の形態における場合
と同様に、上方に向かって略先細となる凸状(例えば略
三角形状)に形成されるが、本実施の形態では、部品電
極が薄板状のリードD4として形成されているので、上
記導電性接着剤層E4の頂点部分Ea4の導体電極B4
からの高さ寸法h4は、リードD4の端末固定部Db4
の厚さt4よりもかなり大きくなっている。尚、上記回
路基板A4の材料、導体電極B4の材料および形成方
法、導電性接着剤E4の材料・組成ならびに導電性接着
剤層E4の導体電極B4上への塗布・形成方法等は、前
述の各実施の形態における場合と、同様のもの及び同様
の方法を適用することができる。
【0044】次に、上記導体電極B4に接合されるべき
部品電極(リード)D4を導電性接着剤層E4に対応さ
せ、位置決めが行われる。このとき、上記凸状の導電性
接着剤層E4の頂点部Ea4が、対応するリードD4の
外側端面Da4(端末固定部Db4の側端面)よりも電
子部品に対して所定量k4だけ外側(図4(a),
(b)における左側)に位置するように設定されてい
る。そして、図4(b)に示されるように、上記部品電
極D4を導電性接着剤層E4によって導体電極B4上に
接着することにより、電子部品が回路基板A4上に実装
されるようになっている。以上の実装工程には、好まし
くは、所謂、部品マウンター(実装機)が用いられる。
【0045】以上、説明したように、本実施の形態で
は、上記導電性接着剤層E4が上方に向かって略先細と
なる凸状に形成されており、この凸状の導電性接着剤層
E4の頂点部Ea4が、リードD4の外側端面Da4よ
りも電子部品に対して所定量k4だけ外側に位置するよ
うに設定した上で、リードD4を導体電極B4に接合す
るようにしたことにより、かつ、これに加えて、上記導
電性接着剤層E4の頂点部分Ea4の導体電極B4から
の高さ寸法h4が、リードD4の端末固定部Db4の厚
さt4よりもかなり大きくなっていることにより、前述
の第2の実施の形態における場合と同様の作用効果を奏
することができる。すなわち、図4(b)から良く分か
るように、リードD4の端末固定部Db4は、導電性接
着剤層E4でその上下を挟み込むようにして導体電極B
4上に接合されることなり、高い実装強度を得ることが
できる。
【0046】尚、本実施の形態に係る実装方法において
も、電子部品の回路基板A4上への実装時および実装後
の少なくとも何れか一方に、このリードD4を上記回路
基板A4の導体電極B4側に所定圧力で加圧することが
好ましく、また、この加圧工程において上記リードD4
の導体電極B4への接合部に、加熱および振動の少なく
ともいずれか一方が加えられることがより好ましいこと
は、前述の各実施の形態における場合と同様である。
【0047】上記で説明した各種実施の形態の作用効果
を確かめることなどを目的として、種々の具体的な実施
例について、電極間でのショート発生状況および接合強
度を測定し、従来方法による実装体とを比較する比較確
認試験を行った。以下、これら実施例およびその試験結
果について説明する。図5は、この比較確認試験で用い
た回路基板A5の平面説明図である。本試験では、回路
基板A5として、例えば、銅箔で図5に示すような回路
パターンが形成されたガラスエポキシ基板を用意した。
本試験では、基板A5上に、例えば、一対の導体電極B
5が形成されると共に、各導体電極B5の両側に測定用
パッドF5が設けられた回路パターンが形成されてい
る。
【0048】<実施例1>まず、本発明方法の実施例1
について説明する。本実施例1では、図6に示すよう
に、この回路基板A5の導体電極B5上に、導電性接着
剤を例えば接着剤ディスペンサGにより塗布し、上方に
向かって略先細となる凸状の導電性接着剤層E5を形成
した。この導電性接着剤は、例えば、エポキシ系樹脂に
導電フィラとして銀(例えば、80wt%で、球状のも
のとフレーク状のものとの割合が1:1)を分散させた
ものとし、樹脂としてはエポキシ樹脂の硬化剤にアミン
系硬化剤を用いたものを用意した。また、上記凸状の導
電性接着剤層E5は、その頂点Ea5の導体電極B5表
面からの高さh5を100μm±40μmに、頂点Ea
5の付け根近傍の厚さj5を50μm±20μmに設定
して形成した。
【0049】そして、図7(a)に示すように、各導体
電極B5に接合されるべき部品電極D5を導電性接着剤
層E5に対応させて、電子部品C5の位置決めを行っ
た。これにより、上述の各実施の形態で説明したよう
に、凸状の各導電性接着剤層E5の頂点部Ea5が、部
品電極D5の外側端面Da5よりも電子部品C5に対し
て所定量だけ外側に位置させられる。尚、本実施例で
は、電子部品C5として、例えばチップ抵抗(例えば、
1005サイズのショートチップ)を用い、これを部品
マウンターにより回路基板A5上に実装した。
【0050】以上のように位置決めを行った上で、上記
電子部品C5を回路基板A5に対して実装した(図7
(b))。このとき、具体的には図示はしなかったが、
電子部品C5を回路基板A5上にセットする際のマウン
ターの吸着ノズル先端と導体電極B5との設定間隔は、
マイナス(−)値(例えば、−50μm)に設定した。
つまり、電子部品C5のセット時点では電子部品C5が
回路基板A5を押し下げる状態となるように設定した。
この後、150℃に温度調整された熱風循環炉中に上記
チップ部品C5を配置した回路基板A5を配設し、30
分間の加熱によって導電性接着剤層E5を硬化させる
と、チップ部品の実装体が完成した。
【0051】図7(b)から良く分かるように、本実施例
1に係る実装体では、導電性接着剤E5の内向きへの広
がりが抑制され、また、上記導電性接着剤層E5の少な
くとも頂点部Ea5を含む部分が部品電極D5の外側端
面Da5をかなりの高さまで覆っており、この高さに見
合った「のど厚」を有するフィレット部Eb5が、部品
電極D5の外側端面Da5の下部に形成されている。
【0052】以上のような本発明方法に係る実施例1で
製造した電子部品の実装体と、図11若しくは図12で
説明した従来例1に係る実装体とについて、電極間での
ショート発生状況および接合強度を比較した。ショート
発生状況は、測定用パッドF5を用いた導通試験におい
てショートが発生したサンプル数をカウントすると共
に、導電性接着剤層E5による接合部を顕微鏡観察し、
導電性接着剤層どうしの接触の有無を判定して、接触が
認められたサンプル数をカウントして比較した。また、
接合強度は、各サンプル毎に導電性接着剤層による接合
部のせん断試験を行い、全サンプルのせん断強度の平均
値を算出して比較した。尚、この比較試験ではサンプル
数を100個とした。
【0053】比較結果を表1に示す。この表1の結果か
ら分かるように、本発明の実施例1の場合、導通試験に
よるショート発生数および導電性接着剤層どうしの接触
発生数は共にゼロ(0)であり、従来(従来例1)に比
べて極めて高いショート発生の防止効果が得られること
が確認された。また、接合強度も従来に比べて大幅に高
められことが分かった。
【0054】
【表1】
【0055】<実施例2>次に、本発明方法の実施例2
について説明する。本実施例2では、回路基板A6及び
導電性接着剤の材質は実施例1と同様であるが、回路基
板A6の導体電極B6上への導電性接着剤の塗布をスク
リーン印刷により塗布した。図8における符号Scは、
スクリーン印刷板を示している。これにより導体電極B
6上に形成された凸状の導電性接着剤層E6の形状およ
び寸法は実施例1における場合と同様で、その頂点Ea
6の導体電極B6表面からの高さh6を100μm±4
0μmに、頂点Ea6の付け根近傍の厚さj6を50μ
m±20μmに設定した。また、電子部品(不図示)と
して、実施例1と同様のチップ抵抗(1005サイズの
ショートチップ)を用い、これを部品マウンターを用い
て回路基板A6上に実装した。
【0056】本実施例2では、部品を実装した後、0.
5MPaの圧力で電子部品を回路基板A6に対して加圧
した。また、その際に振動を加えたサンプルと加熱した
サンプルとを作製した。振動としては、周波数が50H
zで振幅が2ミクロンの振動を加えた。尚、振動として
は数十Hz程度の周波数でも良く、或いは20kHz以
上の超音波振動でも良い。また、加熱は60℃で行っ
た。この後、150℃に温度調整された熱風循環炉中に
上記チップ部品をセットした回路基板を設設し、30分
間の加熱によって導電性接着剤層を硬化させると、チッ
プ部品の実装体が完成した。
【0057】以上のような本発明方法に係る実施例2で
製造した電子部品の実装体と、上述の従来例1に係る実
装体とについて、実施例1の場合と同様の方法で、電極
間でのショート発生状況および接合強度を比較した。比
較結果を表1に示す。この表1の結果から分かるよう
に、本発明の実施例2の場合、導通試験によるショート
発生数および導電性接着剤層どうしの接触発生数は共に
ゼロ(0)であり、従来(従来例1)に比べて極めて高
いショート発生の防止効果が得られることが確認され
た。また、接合強度も従来に比べて大幅に高められこと
が分かった。更に、加圧工程中に振動を加えるか若しく
は加熱することにより、接合強度が更に向上することが
確認された。
【0058】<実施例3>次に、本発明方法の実施例3
について説明する。本実施例3は、部品電極がリードに
より形成された所謂リード部品を回路基板上に実装する
もので、その概略は図4(a)及び(b)に示した通り
であるが、導電性接着剤層の実際の形状については上述
の実施例1と同様である。本実施例3では、回路基板,
導電性接着剤の材質およびその塗布方法は実施例1と同
様であり、また、導体電極上に形成した凸状の導電性接
着剤層の形状および寸法も、実施例1における場合と同
様で、その頂点の導体電極表面からの高さを100μm
±40μmに、頂点の付け根近傍の厚さを50μm±2
0μmに設定した。
【0059】そして、電子部品として、図4(a)及び
(b)に示されたリードを有するリード部品(ショート
抵抗)を用い、これを部品マウンターを用いて回路基板
上に実装した。この後、150℃に温度調整された熱風
循環炉中に上記リード部品をセットした回路基板を設設
し、30分間の加熱によって導電性接着剤層を硬化させ
ると、リード部品の実装体が完成した。
【0060】以上のような本発明方法に係る実施例3で
製造した電子部品の実装体と、図13(a)及び(b)
で示した従来例(従来例2)に係る実装体とについて、
実施例1の場合と同様の方法で、電極間でのショート発
生状況および接合強度を比較した。比較結果は、表2に
示す通りであり、本発明の実施例3の場合、導通試験に
よるショート発生数および導電性接着剤層どうしの接触
発生数は共にゼロ(0)であり、この点については従来
(従来例2)と同様であるが、接合強度は従来に比べて
大幅に高められことが確認された。
【0061】
【表2】
【0062】<実施例4>次に、本発明方法の実施例4
について説明する。本実施例4では、回路基板および導
電性接着剤の材質については実施例1と同様であり、ま
た、導電性接着剤の塗布をディスペンサで行う点につい
ても実施例1と同様であるが、図9に示すように、導電
性接着剤層E7の形状を、その縦断面形状が上方に向か
って凸状となるように、略半円柱状(略かまぼこ形状)
とした。また、この導電性接着剤層E7の頂点Ea7の
高さは、80μm±20μmに設定して塗布した。尚、
このようにかまぼこ状にディスペンスする際に、図10
に示すように、導電性接着剤層E8の上側の一部に突起
部Ec8が形成されても良い。
【0063】そして、電子部品として、チップ抵抗(3
216サイズのショートチップ)を用い、これを部品マ
ウンターを用いて回路基板上に実装した。この後、15
0℃に温度調整された熱風循環炉中に上記チップ部品を
セットした回路基板を設設し、30分間の加熱によって
導電性接着剤層を硬化させると、チップ部品の実装体が
完成した。
【0064】以上のような本発明方法に係る実施例4で
製造した電子部品の実装体と、図11若しくは図12で
説明したと同様の方法を適用した従来例3に係る実装体
とについて、電極間でのショート発生状況および接合強
度を比較した。比較結果を表3に示す。この表3の結果
から分かるように、本発明の実施例4の場合、導通試験
によるショート発生数および導電性接着剤層どうしの接
触発生数は共にゼロ(0)であり、従来(従来例3)に
比べて極めて高いショート発生の防止効果が得られるこ
とが確認された。また、接合強度も従来に比べて大幅に
高められことが分かった。
【0065】
【表3】
【0066】なお、以上の説明では、導電性接着剤の塗
布方法としてディスペンス法やスクリーン印刷法を用い
ていたが、例えばピン転写法など、他の塗布方法でも同
様の効果を奏することができる。また、導電性接着剤層
の上方に向かって略先細りとなる凸状の形状は、以上の
ように、円錐形状や上向き突起形状あるいは半円柱状や
かまぼこ状の形状であっても良い。更に、回路基板上の
導体電極は、電子部品が実装され導電性接着剤層が押し
つぶされて広がることで電子部品と導体電極が電気的に
導通すればよく、その位置や形状は任意である。また、
以上の説明では、電子部品として、チップ抵抗やリード
部品を用いていたが、本発明は、ベアICチップやその
他の電子部品についても、有効に適用することができ
る。特に、1005サイズや0603サイズ等の微小チ
ップ部品を導電性接着剤で実装する場合には、より好適
なものである。
【0067】このように、本発明は、以上の実施の形態
あるいは実施例に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の
変更等が可能であることは言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】本願の第1の発明に係る実装方法によれ
ば、導電性接着剤層が上方に向かって略先細となる凸状
に形成されており、この凸状の導電性接着剤層の頂点部
が、部品電極の外側端面よりも電子部品に対して所定量
だけ外側に位置するように設定した上で、部品電極を導
体電極に接合するようにしたので、導電性接着剤の内向
きへの広がりが効果的に抑制される。従って、当該接合
部の導電性接着剤が他の接合部の導電性接着剤と接触ま
たは近接し過ぎることによるショートの発生を有効に防
止できる。また、凸状に形成された導電性接着剤層の頂
点部分を含む接着剤が粘性によって部品電極の外側端面
に引き寄せられ、これが硬化することで、上記導電性接
着剤層の少なくとも頂点部を含む部分が部品電極の外側
端面を少なくとも所定高さまで覆うことができる。すな
わち、この所定高さに見合った「のど厚」を有するフィ
レット部が、部品電極の外側端面の下部に形成されるこ
ととなり、上記電子部品の実装強度を有効に高めること
ができる。
【0069】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の作用効果を奏することが
できる。特に、上記導電性接着剤層の頂点部分の導体電
極からの高さ寸法が、対応する部品電極の外側端部の厚
さよりも大きく設定されているので、導電性接着剤が、
部品電極の外側端面を下端から上端まで完全に覆った上
で、更に、部品電極の上側の少なくとも一部分を覆うこ
とができる。つまり、部品電極は、その下面および外側
端面だけでなく、外側端面の近傍の上面部分も導電性接
着剤層で覆われて、上下を挟むようにして導体電極上に
接合されることとなり、実装強度がより一層高められ
る。
【0070】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1又は第2の発明と同様の作用効果を奏す
ることができる。特に、上記電子部品の回路基板上への
実装時および実装後の少なくとも何れか一方において、
この電子部品の部品電極を上記回路基板の導体電極側に
所定圧力で加圧する加圧工程を設けたので、より容易に
フィレット形状を形成することができる。また、部品電
極や導体電極に圧力が加わることで、加圧条件によって
はそれぞれの電極や導電性接着剤中の導電フィラの酸化
膜が破られることも考えられ、より高い導電性が得られ
ることも期待できる。
【0071】また更に、本願の第4の発明によれば、基
本的には、上記第3の発明と同様の作用効果を奏するこ
とができる。特に、上記加圧工程において部品電極の導
体電極への接合部に加熱および振動の少なくともいずれ
か一方を加えることにより、導電性接着剤の粘度を下げ
ることができ、フィレット形状をより一層容易に形成で
き、また、部品電極や導体電極と導電性接着剤のなじみ
を良くして、電子部品の実装強度をより向上させること
ができる。
【0072】また更に、本願の第5の発明によれば、特
に、複数の部品電極を有する電子部品について、上記凸
状の導電性接着剤層の頂点部分の間隔が各部品電極の外
側端部の間隔よりも大きく設定されているので、全ての
部品電極の接合部分について、凸状の導電性接着剤層の
頂点部分が対応する部品電極の外側端面よりも電子部品
に対して所定量だけ外側に位置するように設定した上
で、部品電極を導体電極に接合することが可能となる。
従って、複数の部品電極を有する電子部品のその全ての
部品電極について、基本的には上記第1〜第4の発明の
いずれか一と同様の作用効果を奏することができるよう
になる。
【0073】また更に、本願の第6の発明によれば、特
に、部品電極がリードにより形成された電子部品(所謂
リード部品)についても、基本的には上記第1〜第5の
発明のいずれか一と同様の作用効果を奏することができ
る。
【0074】また、本願の第7の発明に係る実装体によ
れば、上方に向かって略先細となる凸状の導電性接着剤
層の少なくとも頂点部を含む部分が部品電極の外側端面
を少なくとも所定高さまで覆っているので、この所定高
さに見合った「のど厚」を有するフィレット部が、部品
電極の外側端面の下部に形成されることとなり、電子部
品の実装強度を有効に高めることができる。更に、上記
凸状の導電性接着剤層の頂点部は、接合時に部品電極の
外側端面よりも電子部品に対して外側に位置することと
なるので、導電性接着剤の内向きへの広がりが効果的に
抑制される。従って、当該接合部の導電性接着剤が他の
接合部の導電性接着剤と接触または近接し過ぎることに
よるショートの発生を有効に防止できる。
【0075】更に、本願の第8の発明によれば、基本的
には、上記第7の発明と同様の作用効果を奏することが
できる。特に、上記導電性接着剤層の頂点部分の導体電
極からの高さ寸法が対応する部品電極の外側端部の厚さ
よりも大きく設定され、上記凸状の導電性接着剤層の少
なくとも頂点部を含む部分が、上記部品電極の外側端面
と部品電極の上側の少なくとも一部分を覆っているの
で、部品電極は、その下面および外側端面だけでなく、
外側端面の近傍の上面部分も導電性接着剤層で覆われ
て、上下を挟むようにして導体電極上に接合されること
となり、実装強度がより一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の
実装方法を示す電子部品と回路基板の接合部分の部分拡
大断面説明図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る電子部品の
実装方法を示す電子部品と回路基板の接合部分の部分拡
大断面説明図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態に係る電子部品の
実装方法を示す電子部品と回路基板の断面説明図であ
る。
【図4】 本発明の第4の実施の形態に係る電子部品の
実装方法を示す電子部品と回路基板の接合部分の部分拡
大断面説明図である。
【図5】 本発明の各実施例の比較確認試験に用いた回
路基板の平面説明図である。
【図6】 本発明の実施例1に係る回路基板の導体電極
上への導電性接着剤の塗布状態を示す断面説明図であ
る。
【図7】 上記実施例1に係る電子部品の実装方法を示
す電子部品と回路基板の断面説明図である。
【図8】 本発明の実施例2に係る回路基板の導体電極
上への導電性接着剤の塗布状態を示す断面説明図であ
る。
【図9】 本発明の実施例4に係る導電性接着剤層を概
略的に示す斜視図である。
【図10】 上記実施例4の一変形例に係る導電性接着
剤層を概略的に示す斜視図である。
【図11】 従来例に係る電子部品の実装方法を示す電
子部品と回路基板の断面説明図である。
【図12】 他の従来例に係る電子部品の実装方法を示
す電子部品と回路基板の断面説明図である。
【図13】 更に他の従来例に係る電子部品の実装方法
を示す電子部品と回路基板の断面説明図である。
【符号の説明】
A1,A2,A3,A4,A5,A6…回路基板 B1,B2,B3,B4,B5,B6…導体電極 C1,C2,C3,C5…電子部品 D1,D2,D3,D4,D5…部品電極 Da1,Da2,Da3,Da4,Da5…部品電極の
外側端部 E1,E2,E3,E4,E5,E6…導電性接着剤層 Ea1,Ea2,Ea3,Ea4,Ea5,Ea6…導
電性接着剤層の頂点部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北江 孝史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三谷 力 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 康寛 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5E319 AA03 BB11 CC61

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基板の導体電極上に導電性接着剤層
    を形成する工程と、該導電性接着剤層に電子部品の部品
    電極を対応させる工程と、上記導電性接着剤層を介して
    上記回路基板上に電子部品を実装する工程とを含む電子
    部品の実装方法において、 上記導電性接着剤層が上方に向かって略先細となる凸状
    に形成され、該凸状の導電性接着剤層の頂点部分が、上
    記電子部品の対応する部品電極の外側端部よりも電子部
    品に対して所定量外側に位置するように設定されている
    ことを特徴とする電子部品の実装方法。
  2. 【請求項2】 上記導電性接着剤層の頂点部分の上記導
    体電極からの高さ寸法が、上記対応する部品電極の外側
    端部の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1記載
    の電子部品の実装方法。
  3. 【請求項3】 上記電子部品の実装時および実装後の少
    なくとも何れか一方に、上記電子部品の部品電極を上記
    回路基板の導体電極側に加圧する加圧工程を含むことを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子部品の実
    装方法。
  4. 【請求項4】 上記加圧工程において上記部品電極の導
    体電極への接合部に、加熱および振動の少なくともいず
    れか一方が加えられることを特徴とする請求項3記載の
    電子部品の実装方法。
  5. 【請求項5】 上記電子部品が複数の部品電極を有して
    おり、上記凸状の導電性接着剤層の頂点部分の間隔が、
    各部品電極の外側端部の間隔よりも大きく設定されてい
    ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一
    に記載の電子部品の実装方法。
  6. 【請求項6】 上記部品電極がリードにより形成されて
    いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか
    一に記載の電子部品の実装方法。
  7. 【請求項7】 回路基板の導体電極上に形成された導電
    性接着剤層を介して上記回路基板上に電子部品を実装し
    て成る電子部品の実装体において、 上方に向かって略先細となる凸状に形成された導電性接
    着剤層に上記電子部品の部品電極を対応させ該電子部品
    を上記回路基板上に実装して上記導電性接着剤層を硬化
    させることで、上記凸状の導電性接着剤層の少なくとも
    頂点部を含む部分が上記部品電極の外側端面を少なくと
    も所定高さまで覆っていることを特徴とする電子部品の
    実装体。
  8. 【請求項8】 上記導電性接着剤層の頂点部の上記導体
    電極からの高さ寸法が上記対応する部品電極の外側端部
    の厚みよりも大きく設定されており、上記凸状の導電性
    接着剤層の少なくとも頂点部を含む部分が、上記部品電
    極の外側端面と、上記部品電極の上面の少なくとも一部
    とを覆っていることを特徴とする請求項7記載の電子部
    品の実装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8630797B2 (en) 2007-05-11 2014-01-14 Koninklijke Philips N.V. Method and device for guiding a person to a destination

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