JP2002008722A - ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法

Info

Publication number
JP2002008722A
JP2002008722A JP2000182052A JP2000182052A JP2002008722A JP 2002008722 A JP2002008722 A JP 2002008722A JP 2000182052 A JP2000182052 A JP 2000182052A JP 2000182052 A JP2000182052 A JP 2000182052A JP 2002008722 A JP2002008722 A JP 2002008722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extraction
solvent
electrode sheet
polymer
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000182052A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Shichimoto
克哉 七元
Yoshihiro Kuwabara
義弘 桑原
Takeshi Usumi
羽隅  毅
Naoto Matsueda
直人 松枝
Koichi Imai
宏一 今井
Kazunori Tagawa
和紀 田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Storage Battery Co Ltd
Sanyo GS Soft Energy Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
GS Melcotec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Storage Battery Co Ltd, GS Melcotec Co Ltd filed Critical Japan Storage Battery Co Ltd
Priority to JP2000182052A priority Critical patent/JP2002008722A/ja
Publication of JP2002008722A publication Critical patent/JP2002008722A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー電解質を使用した非水電解質二次電
池の溶媒抽出ステージの装置を小型化する。 【解決手段】 ポリマーを溶媒に溶解させた溶液中に帯
状の電極シート10を通過させて電極シート10の合剤
層内にポリマー溶液を含浸させ、その後、電極シート1
0を抽出溶媒槽中に浸漬することにより溶媒を抽出溶媒
中に溶出させる。この溶媒抽出工程において、複数個
(2個)の抽出槽41,42を設け、電極シート10を
複数の抽出槽41,42内を順次通過させる。第2抽出
槽42から引き出された電極シート10にはノズルから
空気を膜状に吹き付けて表面の抽出溶媒を吹き飛ばす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー電解質を
有する非水電解質二次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非水電解質二次電池にあっては、
遊離電解液量を低減して電池の安全性を向上させる等の
目的のために、従来の液状電解質に代えて、ポリマー電
解質を使用することが注目されつつある。このポリマー
電解質は、固体あるいはゲル状の網目構造を有するポリ
マーに、イオン伝導性を有する電解質塩あるいは電解液
を相溶・保持させた構成のものである。
【0003】従来のポリマー電解質を有する非水電解質
二次電池の製造方法の一例は次のようである。まず、帯
状金属箔からなる集電体の両面に合剤を塗布して乾燥さ
せた電極シートを連続製造し、これをポリマーを溶媒に
溶解させたポリマー溶液中に通過させて合剤層内にポリ
マー溶液を含浸させる(ポリマー含浸工程)。なお、合
剤は、活物質と導電助剤と結着剤とを含んでいる。この
後、この電極シートを抽出溶媒中に浸漬し、ポリマー中
の溶媒を抽出溶媒中に溶出させることで、溶媒と抽出溶
媒とを交換し(溶媒抽出工程)、これを乾燥させる。す
ると、ポリマー中の抽出溶媒が抜けた後が微細な空孔と
なり、ポリマーが多孔質の網目構造となる。そこで、こ
の電極シートを所要の長さに切断し、相手極の電極シー
ト及びセパレータとともに巻回して電池を構成し、つい
でケースに収容して電解液を注入すれば、ポリマーの網
目構造中に電解液が浸透し、合剤中に電解液がポリマー
によって保持された状態となる(電解液含浸工程)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の非水
電解質二次電池の製造方法では、次のような問題があっ
た。すなわち、上述の溶媒抽出工程では電極シートを抽
出溶媒中に走行させてポリマー中から溶媒を抽出させる
必要があるが、溶媒が溶出すればするほどその濃度が高
まって電極シート周囲の抽出溶媒中における濃度勾配が
緩やかになるため溶出速度が低下し、溶媒を充分に抽出
するには相当に長い時間を要する。このために、電極シ
ートを走行させて連続抽出を行うには、抽出溶媒を貯留
した抽出槽を相当に大きくして電極シートが長時間抽出
溶媒中を走行するようにしなくてはならず、装置全体が
大型化するという問題があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ポリマー含浸工程を終えた電極シートから溶媒を抽
出する溶媒抽出工程における装置の小型化が可能な非水
電解質二次電池の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1の発明は、正極又は負極の少なくともいずれか
一方の電極にポリマー電解質を保持させてなる非水電解
質二次電池を製造する方法であって、前記ポリマーを溶
媒に溶解させたポリマー溶液中に帯状の電極シートを通
過させて前記電極シートの合剤層内に前記ポリマー溶液
を含浸させるポリマー含浸工程と、前記抽出溶媒を貯留
した抽出槽内に前記電極シートを浸漬することにより前
記溶媒を除去する溶媒抽出工程と、その後前記電極シー
トを乾燥させた後に前記電極シート内のポリマーに電解
液を保持させる電解液含浸工程とを順に行うようにした
ものにおいて、前記溶媒抽出工程において、前記抽出槽
を複数個設け、前記電極シートが前記複数の抽出槽内を
順次通過するようにしたところに特徴を有する。なお、
抽出溶媒は、ポリマー溶液に使用する溶媒に合わせて、
これと相溶性のある溶媒、例えば水、アルコール、アセ
トン又はこれらの混合液等を用いることができる。
【0007】また、請求項2の発明は、最後段の抽出槽
に抽出溶媒を供給すると共に、後段の抽出槽から前段の
抽出槽にかけて順次過剰の抽出溶媒を流し込ませるとこ
ろに特徴を有する。そして、請求項3の発明は、前記抽
出槽内から引き出された前記電極シートの表裏両面に対
し、電極シートの幅方向に延びるスリットを有するノズ
ルから空気を膜状にして吹き付けるところに特徴を有す
る。
【0008】
【発明の作用および効果】請求項1の発明によれば、電
極シートはまず初段の抽出槽内を走行し、ここで電極シ
ートに含浸されたポリマー溶液から抽出溶媒中に溶媒が
溶け出す。この溶媒の溶出により、電極シートの周囲の
抽出溶媒の溶媒濃度が上昇して溶媒の溶出速度が低下す
るが、次に、電極シートは次段の抽出槽に移り、溶媒濃
度が低い抽出溶媒中を走行することになる。この結果、
溶媒の溶出速度が再び速くなり、全体として溶媒の溶出
速度は単一槽の場合に比べて速くなる。このことは、電
極シートを抽出溶媒中に浸しておく総時間を短縮できる
ことを意味するから、抽出槽が小型化でき、ひいては装
置全体の小型化が可能になる。
【0009】また、複数の抽出槽を設けてこれらに順次
電極シートを走行させると、前段の抽出槽の抽出溶媒ほ
ど溶媒濃度が高くなる傾向を呈するから、請求項2の発
明のように、最後段の抽出槽に抽出溶媒を供給して後段
の抽出槽から前段の抽出槽に過剰の抽出溶媒を順次流し
込ませるようにすると、最小限の抽出溶媒量で済み、ま
た、排液の処理量も最小で済ませることができる。
【0010】そして、請求項3の発明によれば、抽出槽
内から引き出された電極シートに空気を膜状に吹き付け
るから、電極シートの表面に付着した抽出溶媒を吹き飛
ばして除去することができ、その後の乾燥工程でも短時
間で効率的に抽出溶媒を除去することができる。また、
電極シートから充分に抽出溶媒を除去することができ
る。従って、電池として組み立てた後に、残留する抽出
溶媒によって電池の膨張を引き起こすような事態を確実
に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をリチウムイオン二
次電池の製造に適用した一実施形態について図面を参照
して説明する。このリチウムイオン二次電池は、詳細に
は図示はしないが、共に帯状の正極と、負極とを、例え
ばポリオレフィン系の多孔質フィルムからなるセパレー
タを挟んで巻回してなる周知構造であり、負極は例えば
銅箔の両面にグラファイト等を塗布してなり、正極は例
えばアルミニウム箔の両面に活物質としてLiCoO
等を含む合剤を塗布してなり、この合剤層に電解液を保
持したポリマーが後述するようにして含浸されている。
【0012】さて、正極にポリマーを含浸するための装
置は全体構造を示すと図1の通りである。ここで、正極
用の電極シート10が図中右側から供給され、左側に向
かって走行する。この電極シート10は前述のように帯
状のアルミニウム箔に前記合剤を塗布して形成されたも
ので、両面に合剤が塗布されると共に、所定の間隔毎に
合剤を塗らない非塗布部(図示せず)が形成されてい
る。電極シート10は連続して本装置に供給されて連続
的に処理されるが、最終段階で上記非塗布部において切
断されると共にその非塗布部にリードが溶接されて負極
及びセパレータと共に巻回され、これがケースに収容さ
れて電解液が注入される(電解液含浸工程)。
【0013】さて、本装置は、ポリマー含浸ステージ2
0、溶媒抽出ステージ40、ポリマー払拭ステージ60
及び乾燥ステージ80を順に備える。ポリマー含浸ステ
ージ20には、ポリマー溶液を貯留した含浸槽21が設
けられてポリマー含浸工程が実行される。含浸槽21内
には含浸ロール22が回転可能に配置され、ガイドロー
ル23によってガイドされた電極シート10が含浸槽2
1内に連続的に供給され、含浸ロール22により上向き
に転向される間に含浸槽21内に貯留されたポリマー溶
液が電極シート10の合剤層内に含浸される。この含浸
ロール22から上方に転向した電極シート10は一対の
絞りロール24の間を通った後に溶媒抽出ステージ40
側に案内される。
【0014】なお、この実施形態ではポリマー溶液とし
て、溶媒のNMP(Nメチル2ピロリドン)にポリマー
(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共
重合体)を溶解させた溶液(濃度2〜10重量%)を使
用している。
【0015】溶媒抽出ステージ40では、2つの抽出槽
41、42が順に並べられ、これらの抽出槽41,42
に貯留された抽出溶媒中を電極シート10が蛇行状に走
行する。これにて電極シート10の合剤層内に含浸され
たポリマー溶液の溶媒分が抽出溶媒中に溶け出し、ポリ
マーの網目構造中に抽出溶媒が代わりに浸透する(溶媒
抽出工程)。なお、ここでは抽出溶媒として水を使用し
ている。そして、後段の抽出槽42内を通過した電極シ
ート10は上方に引き出され、転向ロール44,45及
び出口装置46を介して次段のポリマー払拭ステージ6
0に送られる。
【0016】このポリマー払拭ステージ60では、リー
ル61に巻かれた不織布ベルト62が走行可能に設けら
れており、これが走行して払拭ロール63によって電極
シート10に押し付けられることで電極シート10のう
ち合剤が塗布されていない非塗布部に付着したポリマー
溶液が払拭される。なお、詳細には図示しないが、払拭
ロール63の入口側には光学センサーが設けられ、これ
にて電極シート10の非塗布部を検出し、この非塗布部
にのみ払拭すべく払拭ロール63が電極シート10に押
し付けられるものである。なお、上述した払拭装置64
は上下に2台設けられており、電極シート10の非塗布
部の表裏両面についてポリマー溶液の払拭が行われる。
【0017】そして、後段の払拭装置64から引き出さ
れた電極シート10は乾燥ステージ80に導入されて乾
燥炉81内を走行する。これにてポリマーの網目構造中
に浸透していた抽出溶媒が完全に除去され、ポリマーは
網目構造となる。なお、ポリマーは必ずしも多孔質であ
る必要はないが、ポリマー層に多量の電解液を保持する
ことができ、電導度が高くなって、高率放電特性に優れ
た電池が得られることから、多孔質である方が好まし
い。なお、図示はしないが、この後、電極シート10は
リールに巻き取られ、電池の巻回装置に送られて負極用
の電極シート及びセパレータと共に渦巻き状に巻回さ
れ、そして電解液が注入されると、その電解液がポリマ
ーの網目構造中に浸透してポリマーに保持された形態と
なる。
【0018】さて、本発明の特徴は前記溶媒抽出ステー
ジ40にあり、これについて更に詳述する。図2に示す
ように、第1及び第2の2つの抽出槽41,42が電極
シート10の走行方向に沿って並べられている。各抽出
槽41,42の内部には複数本のガイドロール43が上
下に互い違いに配置されると共に、各抽出槽41,42
間の上方に転向ロール47,47が設けられ、第1抽出
槽41から引き出された電極シート10が転向ロール4
7,47にて下向きに走行方向を転向され、再び第2抽
出槽42内に導入される。第2抽出槽42から引き出さ
れた電極シート10は一対のガイドロール48によって
案内されつつ、上方に走行し、前記転向ロール44に至
る。ガイドロール48と転向ロール44との間には、電
極シート10の幅方向に延びるスリット(図示せず)を
有するノズル49が電極シート10の表裏両面に対応し
て設けられており、ここに図示しないコンプレッサから
の圧縮空気が供給される。
【0019】また、最後段となる第2抽出槽42には抽
出溶媒(ここではイオン交換樹脂によってイオンを除去
した水道水)が給液パイプ50から連続的に供給され、
この第2抽出槽42でオーバーフローした抽出溶媒は連
結パイプ51を通って前段の第1抽出槽41内に流れ込
む。そして、第1抽出槽41でオーバーフローした抽出
溶媒は排液パイプ52を通って図示しない廃液処理装置
に送られる。すなわち、最後段である第2抽出槽42に
抽出溶媒が供給され、ここから前段の第1抽出槽41に
その抽出溶媒が順次流れ込んで行くのである。
【0020】上記構成によれば、ポリマー含浸ステージ
20においてポリマー溶液が含浸された電極シート10
が、溶媒抽出ステージ40に送られる。ここで、電極シ
ート10はまず第1抽出槽41に貯留した抽出溶媒中に
浸漬され、ここで蛇行状に走行するうちに抽出溶媒中と
の濃度差によってポリマー溶液中の溶媒が抽出溶媒中に
溶け出す。溶媒が抽出溶媒中にとけ込むことによりポリ
マーの網目構造中に抽出溶媒が浸入すると共に第1抽出
槽41の抽出溶媒の溶媒濃度は徐々に上昇する。
【0021】しかし、そのころ第1抽出槽41から引き
出された電極シート10は転向ロール47を通って第2
抽出槽42内に送られる。この第2抽出槽42内でも電
極シート10は抽出溶媒中を走行することになるが、第
2抽出槽42内は抽出溶媒が供給されていて溶媒濃度は
低いから、電極シート10からポリマー溶液の溶媒がよ
り速く溶出して抽出溶媒と交換される。この結果、第2
抽出槽42内の溶媒濃度は上昇傾向を呈するが、この第
2抽出槽42には給液パイプ50から抽出溶媒が連続的
に供給されているから、溶媒濃度が過剰に上昇すること
はない。溶媒を含んだ第2抽出槽42の抽出溶媒は連結
パイプ51を通って前段の第1抽出槽41に流れ込む。
ここでは、溶媒が多量に含まれている電極シート10が
通過するから、多少の溶媒を含んだ抽出溶媒であっても
電極シート10に含浸されているポリマー溶液との濃度
勾配は大きく、十分な速度で溶媒の抽出が行われる。
【0022】なお、第1抽出槽41から溢れ出た抽出溶
媒は排液パイプ52を通って廃液処理装置に流し込ま
れ、ここで廃液処理される。この廃液処理装置では、単
一濃度の廃液を処理するように設計すればよいから、装
置を簡単化することができる。
【0023】このように本実施形態によれば、第1及び
第2抽出槽41,42の2段の抽出槽中を電極シート1
0が走行するから、溶媒の抽出が効率的に行われ、全体
として溶媒の溶出速度は単一槽の場合に比べて速くな
る。従って、電極シート10を抽出溶媒中に浸しておく
総時間を短縮でき、装置全体の小型化が可能になる。ま
た、本実施形態では、最後段である第2抽出槽42に抽
出溶媒を供給して前段の第1抽出槽41に過剰の抽出溶
媒を流し込ませるようにしているから、最小量の抽出溶
媒で済み、また、排液の処理量も最小で済ませることが
できる。
【0024】さらに、特に本実施形態では、第2抽出槽
42内から引き出された電極シート10にノズル49か
ら圧縮空気を膜状に吹き付けるようにしているから、電
極シート10の表面に付着した抽出溶媒を吹き飛ばして
除去することができる。従って、その後の乾燥工程でも
短時間で効率的に抽出溶媒を除去することができる。ま
た、電極シート10から充分に抽出溶媒分を除去するこ
とができるから、電池として組み立てた後に、残留する
抽出溶媒によって電解液が反応して電池の膨張に至るよ
うな事態を確実に防止することができる。
【0025】ちなみに、次表に、この実施形態のノズル
49を省略した比較例と、ノズル49に供給した圧縮空
気の圧力を様々に異ならせたいくつかの実施例によって
作成された極板を用いた電池の、化成後の膨れを測定し
た結果を示す。この測定から、供給される空気圧力が高
いほど表面の抽出溶媒分をより完全に除去できて電池の
膨れが少ないことが明らかである。しかし、実験によれ
ば、空気圧が過剰であると走行する電極シート10が振
動して「しわ」が発生することがあった。その上限値
は、電極シート10の厚さやテンションにより相違する
と思われるが、本実施形態では30Kpaであった。
【0026】 ノズル49の有無 空気圧力 膨れ(mm) 比較例 無 -- 0.18 実施例1 有 0.5 0.03 実施例2 有 1 0.01 実施例3 有 3 0.02 実施例4 有 5 0.01 実施例5 有 7 0.02 実施例6 有 10 0.01 実施例7 有 15 0.01 実施例8 有 20 0.01
【0027】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、例えば次のような実施の形態も本発明の
技術的範囲に属する。 (1)本発明で使用するポリマー電解質のポリマー成分
としては、フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオ
ロプロピレン(HFP)との共重合体が好ましいが、こ
れに限らず、例えばポリアクリロニトリル(PAN)や
ポリメチルメタクリレート(PMMA)等、またはこれ
らの混合物や共重合体等、他のものを使用してもよい。
また、これらポリマーの重量平均分子量は、10万〜1
00万が好ましい。分子量が100万以上であると、溶
媒に溶かしたときに電解液の粘度が高くなり、電極に含
浸し難く、10万以下であると、溶媒に溶解してポリマ
ーの網目構造自体が崩れてしまうため、いずれも好まし
くない。
【0028】(2)上記ポリマーを溶解または分散させ
る有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンの
他、例えば、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、テ
トラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、ジメチ
ルカーボネイト、酢酸エチル、酢酸ブチル等が使用でき
る。
【0029】(3)上記実施形態では、正極にポリマー
を含浸させるようにしているが、負極に含浸させてもよ
い。正極合剤としては、リチウムイオンが吸蔵・放出可
能な酸化物等を使用することが好ましく、このような酸
化物としては例えばLiCoO等のリチムコバルト酸
化物、LiMn等のリチウムマンガン酸化物、L
iNiO等のリチウムニッケル酸化物、LiV
等のリチウムバナジウム酸化物、これらの複合酸化物、
混合物等がある。また、負極合剤としては、炭素系材
料、リチウム金属、リチウム合金、あるいは酸化物材料
等が使用される。炭素系材料としては、例えば人造ある
いは天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭
素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイク
ロビーズ、活性炭、グラファイト、炭素繊維等が使用さ
れる。また酸化物としては、酸化スズを主体とする化合
物が使用される。これらは、粉末の状態で用いられる。
なお、セパレータとしては、例えば不織布、多孔質フィ
ルム等を使用することができる。さらに、本発明の非水
電解質電池は、円筒型、角型、シート状、積層型、コイ
ン型、ピン型等、いずれのものにも使用可能であり、形
状には特に制約はない。
【0030】(4)上記実施形態では、第1及び第2の
2つの抽出槽41,42を設けたが、これに限らず、3
槽以上を設けるようにしてもよいことは勿論である。ま
た、必ずしも、最後段の抽出槽に抽出溶媒を供給して後
段の抽出槽から前段の抽出槽に過剰の抽出溶媒を順次流
し込ませるようにしなくても、各抽出槽の全てに抽出溶
媒を供給してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す製造装置の概略的
側面図
【図2】 溶媒抽出ステージを示す概略的縦断面図
【符号の説明】
10……電極シート 20……ポリマー含浸ステージ 21……含浸槽 40……溶媒抽出ステージ 41……第1抽出槽 42……第2抽出槽 49……ノズル 80……乾燥ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 義弘 京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1番地 日本電池株式会社内 (72)発明者 羽隅 毅 京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1番地 日本電池株式会社内 (72)発明者 松枝 直人 京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5番地 ジ ーエス・メルコテック株式会社内 (72)発明者 今井 宏一 京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5番地 ジ ーエス・メルコテック株式会社内 (72)発明者 田川 和紀 京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5番地 ジ ーエス・メルコテック株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ14 AK03 AK05 AL06 AL07 AL08 AL12 AM00 AM16 CJ02 CJ12 CJ13 CJ23 CJ28 CJ30 DJ09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極又は負極の少なくともいずれか一方
    の電極にポリマー電解質を保持させてなる非水電解質二
    次電池を製造する方法であって、前記ポリマーを溶媒に
    溶解させたポリマー溶液中に帯状の電極シートを通過さ
    せて前記電極シートの合剤層内に前記ポリマー溶液を含
    浸させるポリマー含浸工程と、前記抽出溶媒を貯留した
    抽出槽内に前記電極シートを浸漬することにより前記溶
    媒を除去する溶媒抽出工程と、その後前記電極シートを
    乾燥させて前記電極シート内のポリマーに電解液を保持
    させる電解液含浸工程とを順に行うようにしたものにお
    いて、前記溶媒抽出工程において、前記抽出槽を複数個
    設け、前記電極シートが前記複数の抽出槽内を順次通過
    するようにしたことを特徴とするポリマー電解質を有す
    る非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 最後段の前記抽出槽に抽出溶媒を供給す
    ると共に、後段の抽出槽から前段の抽出槽にかけて過剰
    の抽出溶媒を流し込ませることを特徴とする請求項1記
    載のポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記抽出槽内から引き出された前記電極
    シートの表裏両面に対し、電極シートの幅方向に延びる
    スリットを有するノズルから空気を膜状にして吹き付け
    ることを特徴とする請求項2又は3記載のポリマー電解
    質を有する非水電解質二次電池の製造方法。
JP2000182052A 2000-06-16 2000-06-16 ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法 Pending JP2002008722A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000182052A JP2002008722A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000182052A JP2002008722A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002008722A true JP2002008722A (ja) 2002-01-11

Family

ID=18682892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000182052A Pending JP2002008722A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002008722A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101382013B1 (ko) * 2012-06-19 2014-04-04 세방전지(주) 축전지의 건조장치
WO2016097090A1 (de) * 2014-12-18 2016-06-23 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung einer lithium-ionen-zelle

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101382013B1 (ko) * 2012-06-19 2014-04-04 세방전지(주) 축전지의 건조장치
WO2016097090A1 (de) * 2014-12-18 2016-06-23 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung einer lithium-ionen-zelle
CN107004826A (zh) * 2014-12-18 2017-08-01 宝马股份公司 用于制备锂‑离子‑电池的方法
US10847842B2 (en) 2014-12-18 2020-11-24 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Method for producing a lithium-ion cell
US11508994B2 (en) 2014-12-18 2022-11-22 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Method for producing a lithium-ion cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5045086A (en) Method for manufacture of electrochemical cell
ES2727325T3 (es) Electrodo, método para fabricarel mismo, y batería que usa el mismo
EP1298740B1 (en) Process for production of composite porous film
KR101097555B1 (ko) 2차 전지 전극재의 박리제 및 상기 박리제를 사용한 2차 전지의 처리 방법
JP4499088B2 (ja) ゲル状ポリマーで部分コートされたセパレータ膜を用いたリチウム二次電池
US6881438B2 (en) Process for production of composite porous film
FR2488051A1 (fr) Membrane microporeuse et hydrophile a cellules ouvertes, separateur de batterie et batterie l'utilisant, procede pour rendre hydrophile une membrane microporeuse normalement hydrophobe, et procede pour reduire la penetration, dans un separateur de batterie, des ions derives des electrodes
KR20120039013A (ko) 파이버 전극을 구비한 축전 디바이스 및 그 제조방법
EP0494147B1 (en) Ultra-thin plate electrochemical cell
JPH0676808A (ja) 電池用隔膜及び電池
WO2000052774A1 (fr) Materiau composite actif et leur procede de preparation, electrode et son procede de preparation, et cellule electrolytique non aqueuse
JP2002008722A (ja) ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法
JP2003208918A (ja) 電池の製造方法
JP2002042875A (ja) ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法
JP2001357880A (ja) ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法
KR101615827B1 (ko) 환원 그래핀 옥사이드/그래핀 복합필름, 이를 구비하는 에너지 저장소자, 및 환원 그래핀 옥사이드/그래핀 복합필름의 제조방법
EP4169116A1 (en) Separators for aqueous zinc-ion cells and batteries, zinc metal batteries, and methods of fabricating a separator for use in a zinc metal battery
JP3709160B2 (ja) 合成樹脂材料の表面改質方法及び電池セパレータの製造方法
JPH11242956A (ja) 電池用電極体の製造方法
CN110783513B (zh) 膜制造方法以及膜制造装置
JP2000188114A (ja) 非水電解質電池の製造方法
JP2011124093A (ja) ダイ、電極スラリー塗布装置及び電極スラリーの塗布方法
JP2002008637A (ja) ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法
JP2002252032A (ja) ポリマー電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法
JPH11307129A (ja) リチウム二次電池の製造方法及びリチウム二次電池用巻回体の製造方法及びリチウム二次電池用正極体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20051213

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060112

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070110

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20070515