JP6725331B2 - フィルム製造方法及びフィルム製造装置 - Google Patents
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Description
本発明のフィルム製造装置は、1液槽及び第2液槽と、フィルムが前記第1液槽及び前記第2液槽内の液体中を順次通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する搬送装置と、前記第1液槽及び前記第2液槽の外部を経由して前記第1液槽の内壁と前記第2液槽の内壁とに接続された、前記第2液槽から前記第1液槽へ前記液体を移動させる流路とを備える。
前記の課題を解決するために、本発明のフィルム製造方法は、フィルムが液槽の液体中を通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する工程と、前記洗浄液を、前記フィルムの幅方向の端部に対向する前記液槽の内壁から前記液槽内へ導入し、上方又は下方へ吐出する工程とを含む。
方向の端部に対向する液槽の内壁付近を流れることができる。
(1)液体は、吐出されることによって、液槽の液体を導入する内壁(以下「導入内壁」)付近を一方向へ流れる。
(2)液体は、導入内壁から、導入内壁に対向する液槽の内壁(以下「対向内壁」)へ流れる。
(3)液体は、吸引されることによって、対向内壁付近を上述の一方向とは反対方向へ流れる。
(4)液体は、対向内壁から導入内壁へ流れる。
これにより、液体は、液槽の全体を循環できる。このため、フィルムの表面全体の液体の更新が促進される。
きる。また、第1液槽と第2液槽と液槽の間における、液体の移動経路において、例えば浮遊物を除去できる。これにより、第2液槽の浮遊物が第1液槽へ流れ込むことを抑制できる。
を備える。
リチウムイオン二次電池、セパレータ、耐熱セパレータ、耐熱セパレータの製造方法について順に説明する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高く、
それゆえ、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器、自動車、航空機等の移動体に用いる電池として、また、電力の安定供給に資する定置用電池として広く使用されている。
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池1の正極であるカソード11と、その負極であるアノード13との間に、これらに挟持されるように配置される。セパレータ12は、カソード11とアノード13との間を分離しつつ、これらの間におけるリチウムイオンの移動を可能にする多孔質フィルムである。セパレータ12は、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含む。
図3は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の他の構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
ィルム5が融解又は柔軟化しても、耐熱層4が多孔質フィルム5を補助しているため、多孔質フィルム5の形状は維持される。ゆえに、多孔質フィルム5が融解又は柔軟化し、孔Pが閉塞するにとどまる。これにより、リチウムイオン3の移動が停止するため、上述の過放電又は過充電も停止する。このように、セパレータ12の破壊が抑制される。
リチウムイオン二次電池1のセパレータ及び耐熱セパレータの製造は特に限定されるものではなく、公知の方法を利用して行うことができる。以下では、多孔質フィルム5がその材料として主にポリエチレンを含む場合を仮定して説明する。しかし、多孔質フィルム5が他の材料を含む場合でも、同様の製造工程により、セパレータ12(耐熱セパレータ)を製造できる。
ーコート法、スピンコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコーター法、グラビアコーター法、ダイコーター法などを採用することができる。耐熱層4の厚さは塗工ウェット膜の厚み、塗工液中の固形分濃度によって制御することができる。
本発明の第一実施形態について、図4に基づき説明する。
(洗浄槽)
図4は、本実施形態の洗浄方法で用いられる洗浄装置6の構成を示す断面図である。
洗浄装置6は、洗浄槽間において耐熱セパレータSに駆動力を加える駆動ローラーRと、補助ローラーp・qとをさらに備える。補助ローラーp・qは、耐熱セパレータSが駆動ローラーRに接触する角度(いわゆる「抱き角度」)を規定している。この駆動ローラーRと、補助ローラーp・qとを水中に配してもよいが、防水処置を施す必要がなくなるため、図4に示されるように洗浄槽間に配することが好ましい。
本実施形態の洗浄方法は、耐熱セパレータSをその長手方向に搬送する工程と、搬送中の耐熱セパレータSを、洗浄槽15〜19内に満たされた洗浄水Wの中を順次通過させることにより洗浄を行う工程とを含む。このように、耐熱セパレータSは、上流の洗浄槽(第一の洗浄槽)から下流の洗浄槽(第二の洗浄槽)へと順次搬送される。ここでは、特に説明のない限り、「上流」及び「下流」は、セパレータの搬送方向における上流及び下流を意味する。
(拡散による洗浄)
耐熱セパレータSを、洗浄水Wの中を通過させることにより、耐熱セパレータSの孔から水中へNMPが拡散する。ここで、NMPの拡散量は、洗浄水WのNMP濃度が低いほど大きくなる。
図4に示されるように、セパレータ搬送方向における下流の洗浄槽19から上流の洗浄槽15にかけて、洗浄水Wを方向Dへ流してもよい。このために、例えば、洗浄槽15〜19の間の障壁をセパレータ搬送方向における下流から上流へ向かうほど低くしてもよい。このとき、本実施形態の洗浄方法は、下流の洗浄槽へ洗浄水Wを供給するとともに、上流の洗浄槽へは下流の洗浄槽内の洗浄水Wを供給することにより、各洗浄槽内の洗浄水Wを更新する工程をさらに含むことになる。上流の洗浄槽15からは一部の洗浄水Wが排出される。これによれば、洗浄水Wを有効利用しつつ、セパレータ搬送方向における下流の洗浄槽の洗浄水WのNMP濃度を、上流の洗浄槽の洗浄水WのNMP濃度よりも、より低くすることができる。
段階的にNMPの拡散を進めることにより、1槽の洗浄槽のみによる洗浄に比べて効率よくNMPを除去できる。このため、洗浄中の耐熱セパレータSの搬送距離を短くできる
。ゆえに、無孔フィルムに比べて機械的強度が低い耐熱セパレータSを、折れ・しわ・破れ・蛇行といった不具合を抑制しつつ洗浄できる。
(洗浄水の循環)
耐熱セパレータSは、幅広であるほど生産性が高くなる。ゆえに、耐熱セパレータSの幅(図4中紙面垂直方向の幅)は、洗浄槽15〜19の幅近くまで大きくなることが多い。また、洗浄槽15〜19の幅は、耐熱セパレータSの幅に合わせて設計される。
洗浄水Wは、水に限定されず、耐熱セパレータSからNMPを除去できる洗浄液であればよい。
以上の耐熱セパレータSの洗浄方法は、耐熱層を有しないセパレータ(ポリオレフィンセパレータ)の洗浄方法に適用することができる。
質が残留しないように洗浄できることが好ましい。
積層セパレータである耐熱セパレータSの洗浄方法を利用した耐熱セパレータSの製造方法も本発明に含まれる。ここで、耐熱セパレータSは、図3に示される多孔質フィルム5(基材)と、多孔質フィルム5に積層された耐熱層4(機能層)とを含む積層セパレータである。そして、この製造方法は、長尺かつ多孔質の耐熱セパレータSを成形する成形工程と、前記成形工程の後に実行される、上述のセパレータ洗浄方法の各工程とを含む。
本発明の第二実施形態について、図5に基づき説明する。説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。後述する実施形態においても同様である。
図5は、本実施形態の洗浄方法で用いられるガイドロールGの周辺構成を示す断面図である。
本実施形態の洗浄方法は、実施形態1の洗浄方法が含む各工程に加え、上流の洗浄槽と下流の洗浄槽との間において耐熱セパレータSから洗浄水Wを除去する工程を含む。
上流の洗浄槽から下流の洗浄槽へ持ち込まれる洗浄水Wが減る。このため、下流の洗浄槽の洗浄水WのNMP濃度を、上流の洗浄槽の洗浄水WのNMP濃度よりも、確実に低くすることができる。ゆえに、耐熱セパレータSの孔につまったNMPを確実に除去できる。
本発明の第三実施形態について、図6に基づき説明する。
図6は、本実施形態の洗浄方法で用いられるローラーmの周辺構成を示す断面図である。
できる。
本実施形態の洗浄方法は、実施形態1の洗浄方法が含む各工程に加え、上流の洗浄槽と下流の洗浄槽との間において耐熱セパレータSを搬送するローラーmから洗浄水Wを除去する工程を含む。
上流の洗浄槽から下流の洗浄槽へ持ち込まれる洗浄水Wが減る。このため、下流の洗浄槽の洗浄水WのNMP濃度を、上流の洗浄槽の洗浄水WのNMP濃度よりも、確実に低くすることができる。ゆえに、耐熱セパレータSの孔につまったNMPを確実に除去できる。
洗浄装置6は、ガイドロールG、テフロンバーs、及びテフロンチューブt(図5)と、掻き落としバーBL(図6)とをすべて備えてもよい。
洗浄装置6が備える洗浄槽は、一つであってもよい。そして、本発明は、以下の態様を含む。
長尺かつ多孔質の電池用セパレータを洗浄するためのセパレータ洗浄方法において、
前記電池用セパレータをその長手方向に搬送する工程と、
搬送中の前記電池用セパレータを、洗浄槽内に満たされた洗浄液中を通過させることにより洗浄を行う工程と、
前記電池用セパレータを前記洗浄槽へ搬入する位置と前記洗浄槽から搬出する位置との間において前記電池用セパレータから洗浄液を除去する工程とを含む。
長尺かつ多孔質の電池用セパレータを洗浄するためのセパレータ洗浄方法において、
前記電池用セパレータをその長手方向に搬送する工程と、
搬送中の前記電池用セパレータを、洗浄槽内に満たされた洗浄液中を通過させることにより洗浄を行う工程と、
前記電池用セパレータを前記洗浄槽へ搬入する位置と前記洗浄槽から搬出する位置との間において前記電池用セパレータを搬送する搬送ローラーから洗浄液を除去する工程とを含む。
長尺かつ多孔質の電池用セパレータを洗浄するためのセパレータ洗浄方法において、
前記電池用セパレータをその長手方向に搬送する工程と、
搬送中の前記電池用セパレータを、洗浄槽内に満たされた洗浄液中を通過させることにより洗浄を行う工程と、
前記洗浄槽において、前記電池用セパレータの一面側と他面側との間での洗浄液の入れ替わりを促進すべく洗浄液を循環させる工程とを含む。
長尺かつ多孔質の電池用セパレータを洗浄するためのセパレータ洗浄方法において、
前記電池用セパレータをその長手方向に搬送する工程と、
搬送中の前記電池用セパレータを、洗浄槽内に満たされた洗浄液中を通過させることにより洗浄を行う工程とを含み、
前記電池用セパレータをその長手方向に搬送する工程において、前記電池用セパレータを前記洗浄槽へ搬入する位置と前記洗浄槽から搬出する位置との間で、前記電池用セパレータに搬送のための駆動力を加える。
長尺かつ多孔質の電池用セパレータを成形する成形工程と、
前記成形工程の後に実行される、上述の態様1から4のいずれか一態様におけるセパレータ洗浄方法の各工程とを含む。
前記電池用セパレータが基材と当該基材に積層された機能層とを含む積層セパレータであって、
前記成形工程は、
前記機能層を積層するために、当該機能層を構成する物質を含む液状物質を前記基材に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後に前記物質を凝固させる凝固工程と、
を含んでいてもよい。
長尺かつ多孔質の電池用セパレータを得るためのフィルム洗浄方法において、
前記電池用セパレータの中間製品である長尺のフィルムをその長手方向に搬送する工程と、
搬送中の前記フィルムを、洗浄槽内に満たされた洗浄液中を通過させることにより洗浄を行う工程とを含み、
前記フィルムは、ポリオレフィンを主成分とする。
長尺かつ多孔質の電池用セパレータの中間製品である長尺のフィルムを成形する成形工程と、
前記成形工程の後に実行される、
前記電池用セパレータの中間製品である長尺のフィルムをその長手方向に搬送する工程と、
搬送中の前記フィルムを、洗浄槽内に満たされた洗浄液中を通過させることにより洗浄を行う工程と、
を含む。
るポリオレフィン樹脂組成物をフィルム状に成形し、延伸することで耐熱セパレータS(電池用セパレータ)の中間製品を得た後に、図4に示される洗浄槽15〜19のうちの少なくとも一つにおいて、この中間製品を洗浄するものである。態様8によれば、不具合が抑制された、透気度が従来よりも高い電池用セパレータを製造できる。
本発明の第四実施形態について、図7に基づき説明する。
図7は、本実施形態の洗浄槽15・16において洗浄水Wを循環させる構成を示す図であって、(a)は側面断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は正面断面図であり、(d)は(c)とは別の構成を示す正面断面図である。なお、図7のXYZ座標軸は、図7以外の図のXYZ座標軸に対応している。また、図7の(a)は、図4に対応している。そして、図面を簡略化するために、図7の(a)では、図4のローラーa〜mのうちローラーa・mのみを示している。また、図7の(b)では、図4のローラーa〜m及び耐熱セパレータSを示していない。図7の(c)(d)では、図4のローラーa〜mを示しておらず、耐熱セパレータSを破線で示している。
吐出部211〜213は、洗浄水Wを洗浄槽15の外部から内部へ導入する。吐出口Hは、導入された洗浄水WをZ軸正方向側へ吐出する。そして、図7の(c)に示されるように、洗浄水Wは、耐熱セパレータSの幅方向の端部に対向する洗浄槽15のY軸負方向側の内壁付近を方向Fへ流れる。ここで「幅方向」とは、耐熱セパレータSの長手方向と厚み方向とに垂直な方向を意味する。
(1)洗浄水Wは、吐出されることによって、洗浄槽15のY軸負方向側の内壁付近をZ軸負方向側からZ軸正方向側へ流れる。
(2)洗浄水Wは、洗浄槽15の水面側(Z軸正方向側)をY軸負方向側からY軸正方向側へ流れる。つまり、洗浄槽15の上部においてY軸負方向側の内壁から、Y軸正方向側の内壁へ流れる。
(3)洗浄水Wは、吸引されることによって、洗浄槽15のY軸正方向側の内壁付近をZ軸正方向側からZ軸負方向側へ流れる。
(4)洗浄水Wは、洗浄槽15の底面付近をY軸正方向側からY軸負方向側へ流れる。つまり、洗浄槽15の底面付近をY軸正方向側の内壁から、Y軸負方向側の内壁へ流れる。なお、洗浄水Wは、洗浄槽16においても洗浄槽15と同様に循環する。
本実施形態のフィルム製造方法は、耐熱セパレータSが洗浄槽15の水中を通過するように、耐熱セパレータSを長手方向へ搬送する工程(図7の(a))と、洗浄水Wを、耐熱セパレータSの幅方向の端部に対向する洗浄槽15の内壁から洗浄槽15内へ導入し、
上方へ吐出する工程(図7の(c))とを含むものである。
図7の(c)に示されるように、吐出口Hから洗浄水Wが吐出される方向Fは、吐出口Hを起点として方向Fへ延びる仮想的な直線が水中において耐熱セパレータSと、耐熱セパレータSの幅方向の端部に対向する洗浄槽15の内壁との間を通るように設定されている。これにより、洗浄水Wは、耐熱セパレータSの一面側から他面側へ入れ替わることができる。
図7の(b)(c)に示されるように、洗浄槽15(第1洗浄槽)と洗浄槽16(第2洗浄槽)との間には、洗浄水Wを洗浄槽16から洗浄槽15へ移動させる迂回路23が設けられている。迂回路23の洗浄水Wが流入する流入口は、洗浄槽16のY軸正方向側の内壁におけるX軸負方向側かつZ軸正方向側に設けられている。迂回路23の洗浄水Wが流出する流出口は、洗浄槽15のY軸正方向側の内壁におけるX軸負方向側かつZ軸正方向側に設けられている。以上により、洗浄水Wの一部は、耐熱セパレータSの幅方向の端部に対向する洗浄槽15・16の内壁付近における洗浄水Wの流れを阻害せずに、洗浄槽16から洗浄槽15へ移動できる。また、図7の(b)に示されるように、迂回路23は、フィルター231を備える。これにより、洗浄槽16の浮遊物が洗浄槽15へ流れ込むことを抑制できる。
図8は、図7に示される迂回路23の変形例を示す図であって、(a)は正面断面図であり、(b)は(a)の迂回路23を含む平面断面図であり、(c)は(a)とは異なる変形例を示す正面断面図である。
図9は、図4に示される洗浄装置6の洗浄槽16と洗浄槽17との間に設けられたパイプ23aの構成を示す側面断面図であって、(a)はパイプ23aを含む断面を示し、(b)は(a)の変形例を示す。
図7の(a)に示されるように、洗浄槽15の底面は、方向D側がその反対側よりも深くなるように傾斜している。これにより、メンテナンス時には、洗浄槽15に洗浄水Wを残さずに、洗浄槽15から洗浄水Wを排出できる。
図10は、図7に示される洗浄槽15・16の吐出部211〜213の他の構成を示す図であって、図10の(a)は、図7の(c)において吐出部211〜213の形状を変更した吐出部211a〜213aの構成を示す正面断面図である。図10の(a)に示されるように、吐出部211a〜213aの洗浄槽15内部側の部位は、洗浄槽15のY軸負方向側の内壁にそってZ軸正方向側へ延びている。
図10の(b)は、図10の(a)に示される吐出部211a〜213aの洗浄水Wの供給元を一体化した吐出部21bの構成を示す平面図である。なお、図10の(b)は、図7の(b)に対応している。図10の(b)に示されるように、吐出部21bの洗浄槽15の内側の端部(吐出側)は、3個に分岐している。吐出部21bの洗浄槽15の外側の端部(供給元)は、一体化されている。なお、洗浄槽15の正面断面における吐出部21bの形状は、図10の(a)に示される吐出部211a〜213aの形状と同様である。
ータSの幅方向の端部に対向する洗浄槽15の内壁付近を方向Fへ流れることができる。
図10の(c)は、図10の(b)に示される吐出部21bの吐出口Hとは異なる形状の吐出口Hcを設けられた吐出部21cの構成を示す平面図である。図10の(c)に示されるように、吐出部21cには、図10の(b)に示される3個の吐出口Hを一体化した吐出口Hcが設けられている。吐出口Hcは、洗浄槽15の内壁が延びる方向であるX軸方向に広がっている。なお、洗浄槽15の正面断面における吐出部21cの形状は、図10の(a)に示される吐出部211a〜213aの形状と同様である。
洗浄槽15と、ローラーa〜m(搬送装置)と、吐出部211〜213又は吐出部211A〜213Aとを備えるフィルム製造装置も、本発明に含まれる。このフィルム製造装置も、上述のフィルム製造方法と同様に、耐熱セパレータSに発生する不具合を抑制しつつ、除去対象物質の残留が抑制された耐熱セパレータSを製造できる。
本発明の第五実施形態について、図11に基づき説明する。
図11は、本実施形態の洗浄槽15・16において洗浄水Wを循環させる構成を示す図であって、(a)は側面断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は正面断面図である。図11の(a)〜(c)は、図7の(a)〜(c)に対応している。
吐出部211d・212d・213dは、洗浄水Wを洗浄槽15の外部から内部へ導入する。吐出口Hは、導入された洗浄水WをZ軸負方向側へ吐出する。そして、図11の(c)に示されるように、洗浄水Wは、耐熱セパレータSの幅方向の端部に対向する洗浄槽15のY軸負方向側の内壁付近を方向Fへ流れる。
(1d)洗浄水Wは、吐出されることによって、洗浄槽15のY軸負方向側の内壁付近を
Z軸正方向側からZ軸負方向側へ流れる。
(2d)洗浄水Wは、洗浄槽15の底面付近をY軸負方向側からY軸正方向側へ流れる。つまり、洗浄槽15の底面付近をY軸負方向側の内壁から、Y軸正方向側の内壁へ流れる。
(3d)洗浄水Wは、吸引されることによって、洗浄槽15のY軸正方向側の内壁付近をZ軸負方向側からZ軸正方向側へ流れる。
(4d)洗浄水Wは、洗浄槽15の水面側(Z軸正方向側)をY軸正方向側からY軸負方向側へ流れる。つまり、洗浄槽15の上部においてY軸正方向側の内壁から、Y軸負方向側の内壁へ流れる。
なお、このときの洗浄水Wの循環方向は、図7の(c)に示される洗浄水Wの循環方向を上下(Z軸方向)に逆転させた方向である。洗浄水Wは、洗浄槽16においても洗浄槽15と同様に循環する。
本実施形態のフィルム製造方法は、耐熱セパレータSが洗浄槽15の水中を通過するように、耐熱セパレータSを長手方向へ搬送する工程(図11の(a))と、洗浄水Wを、耐熱セパレータSの幅方向の端部に対向する洗浄槽15の内壁から洗浄槽15内へ導入し、下方へ吐出する工程(図11の(c))とを含むものである。
本実施形態では、洗浄槽15と洗浄槽16とには、迂回路23dが接続されている。そして、迂回路23dは、迂回路23と同様に、フィルター231を備える。ただし、迂回路23dは、迂回路23とは異なり、Y軸負方向側において洗浄槽15と洗浄槽16とを接続している。
洗浄槽15と、ローラーa〜m(搬送装置)と、吐出部211d〜213dとを備えるフィルム製造装置も、本発明に含まれる。このフィルム製造装置も、上述のフィルム製造
方法と同様に、耐熱セパレータSに発生する不具合を抑制しつつ、除去対象物質の残留が抑制された耐熱セパレータSを製造できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
5 多孔質フィルム(基材)
6 洗浄装置
15〜19 洗浄槽(液槽)
21b・21c・211〜213・211A〜213A・211a〜213a・211d〜213d 吐出部
22・22d 吸引口
23・23d 迂回路
23a パイプ
BL 掻き落としバー
G ガイドロール
H・Hc 吐出口
R 駆動ローラー
S 耐熱セパレータ(電池用セパレータ、積層セパレータ、フィルム)
W 洗浄水(液体)
a〜m ローラー(搬送ローラー)
p・q 補助ローラー
s テフロンバー
t テフロンチューブ
Claims (9)
- フィルムが第1液槽及び第2液槽内の液体中を順次通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する工程と、
前記第1液槽及び前記第2液槽の外部を経由して前記第1液槽の内壁と前記第2液槽の内壁とに接続された流路を介して、前記第2液槽から前記第1液槽へ前記液体を移動させる工程と、
を含み、
前記流路は、前記フィルムの幅方向の端部に対向する前記第2液槽の内壁で開口した流入口から前記流路に前記液体を流入させ、当該端部に対向する前記第1液槽の内壁で開口した流出口から前記第1液槽内へ前記液体を流出させることを特徴とするフィルム製造方法。 - フィルムが第1液槽及び第2液槽内の液体中を順次通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する工程と、
前記第1液槽及び前記第2液槽の外部を経由して前記第1液槽の内壁と前記第2液槽の内壁とに接続された流路を介して、前記第2液槽から前記第1液槽へ前記液体を移動させる工程と、
を含み、
前記液体を、前記フィルムの幅方向の端部に対向する前記第1液槽の内壁から前記第1液槽内へ導入し、上方又は下方へ吐出する工程をさらに含むことを特徴とするフィルム製造方法。 - フィルムが第1液槽及び第2液槽内の液体中を順次通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する工程と、
前記第1液槽及び前記第2液槽の外部を経由して前記第1液槽の内壁と前記第2液槽の内壁とに接続された流路を介して、前記第2液槽から前記第1液槽へ前記液体を移動させる工程と、
を含み、
前記液体を、前記フィルムの幅方向の端部に対向する前記第2液槽の内壁から前記第2液槽内へ導入し、上方又は下方へ吐出する工程をさらに含むことを特徴とするフィルム製造方法。 - 前記流路は、前記第1液槽と前記第2液槽との間に設けられており、前記第2液槽の内壁で開口した流入口から前記流路に前記液体を流入させ、前記第1液槽の内壁で開口した流出口から前記第1液槽内へ前記液体を流出させることを特徴とする請求項2または3に記載のフィルム製造方法。
- 前記流入口は、前記第2液槽内の前記液体の液面の高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1または4に記載のフィルム製造方法。
- 前記流路は、当該流路内に、前記液体に含まれる異物を除去するフィルタを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルム製造方法。
- 第1液槽及び第2液槽と、
フィルムが前記第1液槽及び前記第2液槽内の液体中を順次通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する搬送装置と、
前記第1液槽及び前記第2液槽の外部を経由して前記第1液槽の内壁と前記第2液槽の内壁とに接続された、前記第2液槽から前記第1液槽へ前記液体を移動させる流路と、
を備え、
前記流路は、前記フィルムの幅方向の端部に対向する前記第2液槽の内壁で開口した流入口から前記流路に前記液体を流入させ、当該端部に対向する前記第1液槽の内壁で開口した流出口から前記第1液槽内へ前記液体を流出させることを特徴とするフィルム製造装置。 - 第1液槽及び第2液槽と、
フィルムが前記第1液槽及び前記第2液槽内の液体中を順次通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する搬送装置と、
前記第1液槽及び前記第2液槽の外部を経由して前記第1液槽の内壁と前記第2液槽の内壁とに接続された、前記第2液槽から前記第1液槽へ前記液体を移動させる流路と、
を備え、
前記液体を、前記フィルムの幅方向の端部に対向する前記第1液槽の内壁から前記第1液槽内へ導入し、上方又は下方へ吐出する吐出部をさらに備えることを特徴とするフィルム製造装置。 - 第1液槽及び第2液槽と、
フィルムが前記第1液槽及び前記第2液槽内の液体中を順次通過するように、前記フィルムを長手方向へ搬送する搬送装置と、
前記第1液槽及び前記第2液槽の外部を経由して前記第1液槽の内壁と前記第2液槽の内壁とに接続された、前記第2液槽から前記第1液槽へ前記液体を移動させる流路と、
を備え、
前記液体を、前記フィルムの幅方向の端部に対向する前記第2液槽の内壁から前記第2液槽内へ導入し、上方又は下方へ吐出する工程をさらに備えることを特徴とするフィルム製造装置。
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