JP2002004268A - 土砂製品生産システム及びその運用管理方法 - Google Patents

土砂製品生産システム及びその運用管理方法

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JP2002004268A JP2000186357A JP2000186357A JP2002004268A JP 2002004268 A JP2002004268 A JP 2002004268A JP 2000186357 A JP2000186357 A JP 2000186357A JP 2000186357 A JP2000186357 A JP 2000186357A JP 2002004268 A JP2002004268 A JP 2002004268A
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原料となる土砂の性質や状態が多種多様である
場合にも産業廃棄物の増大を招くことなく土砂製品の高
品質化を図れ、廃棄物再利用促進を図る。 【解決手段】土砂を受け入れる土砂ホッパ2、その受け
入れた土砂に固化材を混合する混合装置3、及びその混
合された土砂を排出する排出コンベア8を有し、土砂ホ
ッパ2での受け入れ工程、混合装置3での混合工程、及
び排出コンベア8での排出工程を含む複数の生産工程を
行う自走式土質改良機械200と、複数の生産工程に先
立ち、土砂の分級、解砕、破砕、及び添加物添加のうち
少なくとも1つの前処理を自走式土質改良機200外に
て行う定置式のコンベア110,130,150,17
0、篩い装置120,140、破砕装置160、及び磁
選機171とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良土や基盤材等
の土砂製品を生産する土砂製品生産システムに関し、さ
らに詳しくは、原料となる土砂の性質や状態が多種多様
である場合にも、産業廃棄物の増大を招くことなく土砂
製品の高品質化を図れ、廃棄物再利用促進を図ることが
できる土砂製品生産システム及びその運用管理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ガス管等の埋設工事、上下水道
工事、及びその他の道路工事・基礎工事等においては、
掘削による発生土をそのまま埋め戻すのが望ましい。し
かし、発生土が埋め戻しに適さない場合(例えば、岩石
・煉瓦片・コンクリート片・金属その他の異物が多量に
含まれている場合や、粘性の高い粘土質の土や風化が進
行し過ぎた土など、土質そのものが軟弱でそのまま埋め
戻すと地盤沈下等が発生するおそれのある場合)には、
例えば特開昭54−58901号公報に記載のように、
定置式の土質改良機械を備えた土質改良プラント(以下
適宜、定置式土質改良プラントという)において、発生
土に例えば石灰やセメント等を主成分とする土質改良材
を混合して固化させ、再利用可能な良質の土に改良した
後に掘削箇所を埋めることが行われている。
【0003】このような土質改良作業において、例えば
特開平9−195265号公報の図8に記載のように、
土質改良機械を自力走行可能として機動性を持たせた自
走式土質改良機を用いた方法が既に提唱されている。こ
の自走式土質改良機は、土砂を受け入れる土砂ホッパ
と、その受け入れた土砂と固化材とを混合する混合装置
と、その混合物を排出(搬出)する排出コンベアとを有
しており、前記土砂ホッパでの受け入れ工程、前記混合
装置での混合工程、及び前記排出コンベアでの排出工程
を含む複数の生産工程を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】上記特開平9−1
95265号公報の図8に記載の従来技術においては、
原料となる土砂を例えば油圧ショベル等によって自走式
土質改良機の前記土砂ホッパに投入すると、自走式土質
改良機は、その投入された土砂を前記混合装置に導入し
て土質改良材と混合し、その混合物を土砂製品(改良
土)として排出コンベアで排出する。排出された改良土
は別途設けたコンベア(2次コンベア)によってさらに
搬送され、土砂運搬トラック(ダンプカー)へと積み込
まれるようになっている。
【0005】近年、再生資源促進法(いわゆるリサイク
ル法)の施行(平成3年10月)といった廃棄物再利用
促進の背景の下、掘削発生土の土質改良のニーズが高ま
っており、土質改良の対象となる土砂の性質や状態が極
めて多種多様化するようになっている。そのため、原料
となる土砂(例えば市街地等で生じた残土)中に、例え
ば、砂含量が多く粘着度合いが低い砂質土や、粘着性の
高い粘土というように、土質そのものが大きく異なった
ものが含まれるようになっている。さらにそれぞれの中
で含水量が異なるものが混在したり、さらに粘土状の土
が圧縮されて塊状となったものとが混在する場合もあ
る。
【0006】一方、上述した廃棄物再利用促進という背
景の下、土砂製品である改良土の品質向上に対するニー
ズも高まっており、上記のような多種多様な性質・状態
の発生土から常に高品質(例えば粒度が所定範囲内に揃
った)改良土が求められるようになっている。
【0007】しかしながら、前記特開平9−19526
5号公報の図8に記載の従来技術のように自走式土質改
良機のみを用いて土質改良を行おうとする場合、機器搭
載スペースに制約がある等の理由により、自走式土質改
良機の性能が上記のような近年の傾向に対応するには必
ずしも十分ではない可能性がある。そのため、前記のよ
うに多種多様な土砂がホッパに投入された場合、排出コ
ンベア(1次コンベア)で排出されてくる改良土の品質
が上記近年の高品質のニーズを満たすのには必ずしも十
分でない可能性がある。品質のニーズの一例としては、
埋め戻し材の粒度分布の規格として行政側が定めるもの
として、東京都13mm以下、愛知県25mm以下、大
阪府20mm以下等があるが、自走式土質改良機のみで
土質改良作業を行う場合、改良土中にこのような粒度上
限を超えるものが多数混じった粒度分布となり、規格を
満たすことができない可能性がある。このような場合、
要求される品質に満たないものはそのまま産業廃棄物と
して処分することとなるため、廃棄物量の増大を招き、
廃棄物再利用促進の機運に逆行することとなる。
【0008】なお、上記従来技術では、前記土砂ホッパ
上部に、土砂を粒度に基づき選別して前記土砂ホッパへ
供給する篩手段をさらに設け、前記受け入れ工程に先立
ち前記篩手段の選別工程を行うようにしているが、この
篩手段は異物除去を主目的としており、実質的に上記品
質向上にあまり役立つものではない。
【0009】以上説明したように、上記特開平9−19
5265号公報の図8に記載の従来技術のように自走式
土質改良機のみを用いて土質改良を行う手法では、原料
となる土砂の性質や状態が多種多様である場合には、産
業廃棄物の増大を招くことなく土砂製品の高品質化を図
るのは困難であり、廃棄物再利用促進を図ることができ
なかった。ところで、以上述べた廃棄物再利用促進の背
景に基づく原料多種多様化、製品高品質化、及び廃棄物
利用低減化の観点に鑑めば、前述した特開昭54−58
901号公報のような定置式土質改良プラントにおい
て、前記定置式土質改良機械での土質改良工程に先立っ
て原料となる土砂の分級、解砕、及び破砕といった前処
理を行う定置式の前処理設備を別途設けたり、前記定置
式土質改良機械での土質改良工程が終了した土砂に対
し、分級、解砕、及び破砕といった後処理を追加して行
う定置式の後処理設備を別途設けることも考えられる。
【0010】しかしながら、この場合には、以下のよう
な新たな課題が生じる。
【0011】一般に、定置式土質改良プラントは、前記
土質改良機械の稼動を安定化するために、原料となる土
砂を大量にストックしておくストックヤードを設ける必
要があるが、そのために広大な面積が必要になり、用地
取得費用を含めたプラント設置費用が高額となる傾向と
なる。
【0012】しかしながら、改良対象となる土砂は主と
して公共工事で発生するため、その性格上季節変動が大
きく、冬場・春先は土砂が比較的多く持ち込まれ(特に
年末と年度末に集中する)フル稼働となるものの夏場は
土砂が極端に少なくなり、年間を通じて稼動量を確保す
るのは困難である。また、定置式土質改良プラントは、
定常的に原料となる土砂が発生する場所(例えば市街
地、人口密集地帯)に出来るだけ近い位置に設けるのが
好ましいが、土砂運搬トラックの煩雑な入退場や公道へ
の泥引き(タイヤ痕)の発生等によって周辺住民からの
苦情が発生する可能性を考慮して、郊外の地に建設せざ
る得ないのが実情である。そのため、土砂発生箇所(実
際の施工現場)から定置式土質改良プラントまでの運搬
距離が遠くなってトラック輸送費の増大等により施工経
費が増大し、土質改良を行って再利用するよりも新たな
土砂(改良土)を購入するほうが経費節減となる場合も
あり、処理能力に見合った土砂を集めきれずさらに稼働
率の低下を招いている。すなわち、高額な費用をかけて
建設したプラントが十分に稼働されずに遊休化する場合
があり、不経済であった。
【0013】なお、以上は、劣悪な土質を改良した改良
土が土砂製品である土質改良作業を例にとって説明した
が、前記定置式土質改良プラント又は前記自走式土質改
良機に備えられた前記混合装置や固化材供給装置の機能
を利用して、例えば舗装道路や堤防(導流堤を含む)の
基盤材(道路では路盤材ともいう)を製造することも既
に行われている(堤防の例としては特開平11−269
867号公報に記載のものがある)。
【0014】この基盤材製造では、原料となる土砂(例
えば残土)に加えて粒度調整材や骨材を併せて土砂ホッ
パ内に供給し、混合装置でそれらと固化材とを混合し
て、土砂製品としての前記基盤材を生産することとな
る。
【0015】この基盤材製造作業においても、前述した
土質改良作業と同様の課題がある。すなわち、自走式土
砂製品生産機(この場合は自走式基盤材製造機)のみを
用いて基盤材製造を行う手法では、原料となる土砂の性
質や状態が多種多様である場合には、産業廃棄物の増大
を招くことなく土砂製品である基盤材の高品質化を図る
のは困難であり、廃棄物再利用促進を図ることができな
い。また、高額な費用をかけて土砂製品生産プラント
(この場合は基盤材製造プラント)を建設しても十分に
稼働されずに遊休化する場合があり、不経済となる。
【0016】本発明の第1の目的は、原料となる土砂の
性質や状態が多種多様である場合にも、産業廃棄物の増
大を招くことなく土砂製品の高品質化を図れ、廃棄物再
利用促進を図ることができる土砂製品生産システム及び
その運用管理方法を提供することにある。
【0017】本発明の第2の目的は、土砂製品生産プラ
ントの稼働率を向上し、経済性を向上できる土砂製品生
産システムの運用管理方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】(1)上記第1の目的を
達成するために、本発明の土砂製品生産システムは、土
砂を受け入れる土砂ホッパ、その受け入れた土砂に固化
材を混合する混合装置、及びその混合された土砂を排出
する排出コンベアを有し、前記土砂ホッパでの受け入れ
工程、前記混合装置での混合工程、及び前記排出コンベ
アでの排出工程を含む複数の生産工程を行う非定置式の
土砂製品生産機と、前記複数の生産工程に先立ち、土砂
の分級、解砕、破砕、及び添加物添加のうち少なくとも
1つの前処理を前記土砂製品生産機外にて行う定置式の
第1前処理設備とを有する。
【0019】原料となる土砂の性質や状態が多種多様で
あるときに非定置式の土砂製品生産機のみを用いて土砂
製品の生産を行おうとすると、機器搭載スペースに制約
がある等の理由によって非定置式土砂製品生産機の性能
が必ずしも十分でない場合には、高品質の土砂製品を得
ることができないか、得るためには廃棄物量の増大を招
く可能性がある。本発明の土砂製品生産システムにおい
ては、非定置式土砂製品生産機における受け入れ工程、
混合工程、排出工程等の複数の生産工程に先立ち、別途
設けた定置式の第1前処理設備にて、予め、原料となる
土砂の分級、解砕、破砕、及び添加物添加等の前処理を
行っておくようにする。これにより、非定置式土砂製品
生産機は既に前処理が行われた土砂原料を基に土砂製品
を生産することとなるので、その性能が十分でない場合
であっても高品質の土砂製品を生産することができ、し
かもそのときの廃棄物量を増大させることもない。した
がって、廃棄物再利用の促進を図ることができる。
【0020】(2)また上記第1の目的を達成するため
に、本発明の土砂製品生産システムは、土砂を受け入れ
る土砂ホッパ、その受け入れた土砂に固化材を混合する
混合装置、及びその混合された土砂を排出する排出コン
ベアを有し、前記土砂ホッパでの受け入れ工程、前記混
合装置での混合工程、及び前記排出コンベアでの排出工
程を含む複数の生産工程を行う非定置式の土砂製品生産
機と、前記排出工程で前記土砂製品生産機外に排出され
た土砂に対し、分級、解砕、破砕、及び添加物添加のう
ち少なくとも1つの後処理を前記土砂製品生産機外にて
行う定置式の後処理設備とを有する。
【0021】本発明の土砂製品生産システムにおいて
は、非定置式土砂製品生産機における排出工程で非定置
式土砂製品生産機外に排出された土砂に対し、別途設け
た定置式の後処理設備にて、土砂の分級、解砕、破砕、
及び添加物添加等の後処理を行う。これにより、上記
(1)と同様、非定置式土砂製品生産機の性能が十分で
ない場合であっても、後処理によってその部分を補うこ
とができるので、廃棄物量を増大させることなく高品質
の土砂製品を生産することができる。したがって、廃棄
物再利用の促進を図ることができる。
【0022】(3)上記(1)又は(2)において、好
ましくは、前記土砂製品生産機は、前記複数の生産工程
の1つとして、少なくとも前記混合工程より前に土砂を
粒度に基づき選別する第1選別工程を行う第1篩手段を
備えており、かつ、前記第1選別工程で選別されず前記
土砂製品生産機外に取り出された土砂に対して、再び前
記土砂製品生産機に投入し再度の前記複数の生産工程を
行うのに先立ち分級、解砕、破砕、及び添加物添加のう
ち少なくとも1つの前処理を前記土砂製品生産機外にて
行う第2前処理設備をさらに設ける。
【0023】(4)上記(2)において、好ましくは、
前記後処理設備は、前記土砂製品生産機外に排出された
土砂を粒度に基づき選別する第2選別工程を行う第2篩
手段を備え、かつ、前記第2選別工程で選別されなかっ
た土砂に対して、再び前記土砂製品生産機に投入して再
度の前記複数の生産工程を行うのに先立ち分級、解砕、
破砕、及び添加物添加のうち少なくとも1つの前処理を
前記土砂製品生産機外にて行う第3前処理設備を設け
る。
【0024】(5)上記(1)〜(4)において、また
好ましくは、前記土砂製品生産機は、走行手段を備え自
走可能な自走式土砂製品生産機、牽引されて走行可能な
トレーラー式土砂製品生産機、及び可搬式土砂製品生産
機のうちいずれか1つである。
【0025】(6)上記(1)〜(4)において、また
好ましくは、前記土砂製品生産機は、前記土砂ホッパで
受け入れた土砂と前記固化材とを前記混合装置で混合し
前記受け入れた土砂の土質を改良し改良土とする非定置
式の土質改良機である。
【0026】(7)上記(1)〜(4)において、また
好ましくは、前記土砂製品生産機は、前記土砂ホッパで
土砂と粒度調整材又は骨材を受け入れ、その受け入れた
土砂及び粒度調整材又は骨材と前記固化材とを前記混合
装置で混合して道路や堤防等の基盤材とする非定置式の
基盤製造機である。
【0027】(8)さらに上記第1及び第2の目的を達
成するために、本発明の土砂製品生産システムの運用管
理方法は、土砂を受け入れる土砂ホッパ、その受け入れ
た土砂に固化材を混合する混合装置、及びその混合され
た土砂を排出する排出コンベアを有し、前記土砂ホッパ
での受け入れ工程、前記混合装置での混合工程、及び前
記排出コンベアでの排出工程を含む複数の生産工程を行
う非定置式の土砂製品生産機を、前記複数の生産工程に
先立ち、土砂の分級、解砕、破砕、及び添加物添加のう
ち少なくとも1つの前処理を前記土砂製品生産機外にて
行う定置式の第1前処理設備の稼働時には、該第1前処
理設備が設けられた土砂製品生産プラント内に配置し
て、前記第1前処理設備と共働して土砂製品生産を行わ
せ、前記第1前処理設備の非稼働時には、前記土砂製品
生産プラント外へ運搬して、単独で土砂製品生産を行わ
せる。
【0028】上記(1)で説明したように、非定置式の
土砂製品生産機に加え、その生産工程に先立ち前処理を
行う定置式の第1前処理設備を設けて土砂製品生産シス
テムを構成することにより、原料となる土砂の性質や状
態が多種多様である場合にも、産業廃棄物の増大を招く
ことなく土砂製品の高品質化を図れ、廃棄物再利用促進
を図れる。このとき、公共工事発生の季節変動や、定置
式の前処理設備を設ける土砂製品生産プラントの立地条
件から、当該プラントへ持ち込まれてくる原料となる土
砂量の変動は避けられない。
【0029】一方、廃棄物再利用促進の背景から土砂製
品の高品質化が望まれる傾向にあるが、すべてがそのよ
うな傾向ではなく、それほど高品質でない土砂製品で足
りるような場合もある。
【0030】そこで、本発明においては、原料となる土
砂が土砂製品生産プラントへ持ち込まれない等で第1前
処理設備が稼働しえない時には、非定置式土砂製品生産
機を土砂製品生産プラント外へ運搬して、土砂製品生産
機単独でそれほど高品質でない土砂製品生産を行わせる
ようにする。これにより、前処理設備が稼働できないと
きでも非定置式土砂製品生産機は稼働させることができ
るので、システム全体で見ると、その分稼働率を向上さ
せることができる。したがって、経済性を向上すること
ができる。
【0031】(9)また上記第1及び第2の目的を達成
するために、本発明の土砂製品生産システムの運用管理
方法は、土砂を受け入れる土砂ホッパ、その受け入れた
土砂に固化材を混合する混合装置、及びその混合された
土砂を排出する排出コンベアを有し、前記土砂ホッパで
の受け入れ工程、前記混合装置での混合工程、及び前記
排出コンベアでの排出工程を含む複数の生産工程を行う
非定置式土砂製品生産機を、前記排出工程で前記土砂製
品生産機外に排出された土砂に対し、分級、解砕、破
砕、及び添加物添加のうち少なくとも1つの後処理を前
記土砂製品生産機外にて行う定置式の後処理設備の稼働
時には、該後処理設備が設けられた土砂製品生産プラン
ト内に配置して、前記後処理設備と共働して土砂製品生
産を行わせ、前記後処理設備の非稼働時には、前記土砂
製品生産プラント外へ運搬して、単独で土砂製品生産を
行わせる。
【0032】上記(8)同様、本発明においては、原料
となる土砂が土砂製品生産プラントへ持ち込まれない等
で後処理設備が稼働しえない時は、非定置式土砂製品生
産機を土砂製品生産プラント外へ運搬し、土砂製品生産
機単独で生産を行わせるようにする。これにより、後処
理設備が稼働できないときでも非定置式土砂製品生産機
を稼働させ、その分システム稼働率を向上できるので、
経済性を向上することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明の土砂製品生産
システムの一実施の形態の全体配置を表すシステム構成
図である。この実施の形態は、本発明を、建設発生土の
土質を改良する土質改良システムに適用した実施の形態
である。
【0034】この図1において、土砂製品生産プラント
である土質改良プラント内に、例えば建設工事現場・掘
削工事現場等で発生した建設発生土(掘削残土等)がト
ラック(ダンプカー)T1により運び込まれ、プラント
内の残土置場(屋根がある場合もない場合もある)Pに
山積みにされている。本実施の形態による土砂製品生産
システムはこの土砂の土質を改良するためにプラントに
設けられるものであり、各設備・機器における土砂通過
効率を向上し土砂処理量を向上するために、複数のコン
ベア及び複数の篩い装置等を多段階に組み合わせた構成
となっている。
【0035】すなわち、この土砂製品生産システムは、
土砂を投入する土砂投入機械(積み込み機械)、例えば
ホイールローダ100(代わりに油圧ショベルでもよ
い)と、このホイールローダ100によって投入された
土砂を土砂ホッパ111で受け入れて搬送するコンベア
110と、このコンベア110で搬送された土砂を導入
しその粒度に応じて選別する1次篩い装置120と、こ
の1次篩い装置120で選別された(後述のスクリーン
を通過した)ものを導入して搬送するコンベア130
と、このコンベア130で搬送された土砂を導入しその
粒度に応じて選別する2次篩い装置140と、この2次
篩い装置140で選別された(後述のスクリーンを通過
した)ものを導入して搬送するコンベア150と、前記
2次篩い装置140で選別されなかった(後述のスクリ
ーンを通過しなかった)ものを導入して破砕する破砕装
置(クラッシャ)160と、前記コンベア150で搬送
された土砂を導入して搬送するコンベア170及びこの
コンベア170の上部に設けられた磁選機171と、前
記コンベア170によって搬送された土砂を導入して、
土質改良材(固化材)と混合及び解砕し、土質が改良さ
れた改良土を生成(生産)する非定置式土砂製品生産機
としての自走式土質改良機械200と、前記改良土を導
入しその粒度に応じて選別する仕上篩い装置180と、
この仕上篩い装置180で選別された(後述のスクリー
ンを通過した)改良土を導入して搬送し改良土置場Rに
山積みにするコンベア190と、前記仕上篩い装置18
0で選別されなかった(後述のスクリーンを通過しなか
った)ものを導入して図示しない廃棄物置場へと搬送す
るコンベア210と、改良土置場Rの改良土をトラック
(ダンプカー)T2に投入する土砂投入機械(積み出し
機械)、例えばホイールローダ)220とを有する。
【0036】前記のホイールローダ100は、通常の建
設現場でごく一般的に用いられるものであり、前輪10
1及び後輪102と、これら前輪・後輪101,102
によって走行するフロントフレーム104及びリヤフレ
ーム105と、フロントフレーム104に設けられたバ
ケット103と、リヤフレーム105に設けられた運転
席106とを有し、フロントフレーム104とリヤフレ
ーム105とを屈曲させることにより操舵(進行方向の
変更)が行われるものである。
【0037】前記のコンベア110は、いわゆるベルト
コンベア(エプロンフィーダでもよい)であり、詳細な
図示を省略するが、例えば、フレーム、このフレームに
支持される駆動輪及び従動輪(アイドラ)、前記駆動輪
を駆動するモータ(例えば電動モータや油圧モータ)、
及び前記駆動輪と前記従動輪との間に巻回して設けられ
た搬送ベルト等を備えており、前記搬送ベルトを循環駆
動させることにより、搬送ベルト上に導入された土砂を
搬送するようになっている。
【0038】このとき、詳細な図示は省略するが、前記
土砂ホッパ111は、例えば、上下が開口した無底の箱
型形状となっており、四周の側壁のうちコンベア110
の送り方向の下流側に位置する側壁には、所定の高さで
幅方向寸法が前記搬送ベルトの幅より若干小さい土砂供
給用開口部(ゲート)が形成されている。これにより、
土砂ホッパ111は、上方開口部を介して投入された
(矢印ア参照)土砂をコンベア110の搬送ベルト上に
落下させて下流側へと搬送するとき、その搬送ベルト上
を搬送されていく投入土砂のうち前記土砂供給用開口部
を通り抜けたもの(=供給用開口部の高さ分だけの量)
だけを土砂ホッパ111外へ導出する(切り出す)。こ
れにより、コンベア110における搬送ベルトの搬送速
度と、土砂供給用開口部の開口面積とにより定まる所定
量の土砂が、前記1次篩い装置120へ供給されるよう
になっている(定量供給機能)。
【0039】前記の1次篩い装置120は、振動可能な
いわゆる振動篩(若しくは固定篩でもよい)を備えてお
り、詳細な図示を省略するが、例えば、フレームと、こ
のフレームにばねを介して弾性的に支持された支持枠体
と、この支持枠体に装着された格子部材(スクリーン)
と、回転駆動力を発生する加振用モータ(電動モータ又
は油圧モータ)とを有し、加振用モータの回転駆動力を
公知の変換機構を介して支持枠体及びスクリーンの揺動
運動に変換する。これにより、スクリーンに投入された
(矢印イ参照)土砂に含まれる種々の大きさの成分のう
ち、スクリーンの格子サイズ(格子の目)より大きなも
の(オーバー分)をほぐしつつ(解砕処理)傾斜したス
クリーン上を移動・流下させて排出する(矢印ウ参照)
一方、スクリーンの格子サイズ以下のもの(アンダー
分)のみをほぐしつつ(解砕処理)、格子間から下方へ
落下させて選別する(分級処理)。これにより、土砂中
に含まれる大塊を除去するようになっている。
【0040】前記のコンベア130は、上述のコンベア
110とほぼ同様の構造であり、フレーム、駆動輪、従
動輪、モータ、及び搬送ベルト等を備え、前記搬送ベル
トを循環駆動させることにより、前記1次篩い装置12
0から搬送ベルト上に導入された(矢印エ参照)土砂を
搬送するようになっている。なお、前記コンベア15
0,170,190,210もほぼ同様の構造であるの
で、以下、構造の説明を適宜省略する。
【0041】前記の2次篩い装置140は、上述の1次
篩い装置120とほぼ同様の構造で同様の分級機能を備
えており、スクリーンに投入された(矢印オ参照)土砂
のうち、格子サイズ(但し1次篩い装置120の格子サ
イズよりも小さい)より大きなもの(オーバー分)をほ
ぐしつつ排出する(矢印カ参照)一方、格子サイズ以下
のもの(アンダー分)のみをほぐしつつ格子間から下方
へ落下させ、この結果、落下され選別された(矢印キ参
照)ものは所定の大きさの礫のみとなるように調整され
る。
【0042】前記のコンベア150は、前記2次篩い装
置120から搬送ベルト上に導入された土砂(矢印キ参
照)を搬送するようになっている。このとき、前記破砕
装置160が、矢印カに示す前記オーバー分を導入して
所定の大きさに破砕し、破砕後の土砂を前記コンベア1
50上に併せて導入する(矢印ク参照)ようになってい
る。この破砕装置160は、例えば、いわゆるロールク
ラッシャを含む6軸破砕機等の回転式破砕装置であり、
詳細な図示を省略するが、破砕用の刃物を取り付けた一
対のロール状の回転体(破砕ロータ)を備え、これら一
対の回転体を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の
間に導入土砂を挟み込んで破砕を行うようになってい
る。
【0043】前記のコンベア170は、前記コンベア1
50から搬送ベルト上に導入された土砂(矢印ケ参照)
を搬送するようになっている。このとき、上部に設けら
れた前記磁選機171によって搬送土砂中に含まれる磁
性物を磁気的に吸引除去する。この磁選機171は、詳
細な図示を省略するが、例えば、前記コンベア170の
搬送ベルトの上方にこの搬送ベルトと略直交するように
配置された磁選機ベルトを、モータ(電動モータ又は油
圧モータ)によって磁力発生手段(この例ではコイル)
171aまわりに駆動することにより、磁力発生手段か
らの磁力を磁選機ベルト越しに作用させて搬送ベルト上
の磁性物を磁選機ベルトに吸着させた(矢印コ参照)
後、搬送ベルトの側方に落下させ排出するようになって
いる。この結果、土砂中に含まれる空缶、鉄筋、くぎ等
の金属系の異物が除去される。
【0044】以上説明した、篩い装置120,140の
選別による分級処理及び解砕処理、破砕装置160によ
る破砕処理、磁選機171による金属除去処理からなる
一連の前処理工程で、最終的に自走式土質改良機械20
0への投入土砂の最大粒度は調整され、土塊もほぐさ
れ、比較的良質な土砂(残土)ができあがる。
【0045】前記の土質改良機械200は、この種のも
のとして公知の自走式の土質改良機である。図2はこの
自走式の土質改良機械200の詳細構造を表す側面図で
ある。
【0046】この図2及び図1において、自走式土質改
良機械200は、前記コンベア170により改良対象と
なる土砂が投入され(図1中矢印サ参照、このとき前記
土砂ホッパ111による切り出し機能により定量投入と
なる)その土砂を所定の粒度に選別する(詳細は後述)
篩ユニット1、この篩ユニット1で選別された土砂を受
け入れ一時的に貯留しておく土砂ホッパ2、この土砂ホ
ッパ2から導入された土砂を所定の土質改良材(固化
材)と混合して下方へ排出する混合装置(処理槽)3、
土砂ホッパ2に受け入れた土砂を前記混合装置3へと搬
送して導入する搬入コンベア4、及び前記土質改良材を
供給するための土質改良材供給装置5を搭載した土質改
良機本体6と、この土質改良機本体6の下方に設けられ
た走行体7と、混合装置3で混合され下方へ排出された
混合物を受け入れて自走式土質改良機械200の後方側
(後述する本体フレーム土質改良機取付け部9Aの長手
方向の他方側、図2中右側)に運搬し排出(搬出)する
排出コンベア8とを有する。
【0047】前記の走行体7は、本体フレーム9と、左
・右無限軌道履帯10とを備えている。本体フレーム9
は、例えば略長方形の枠体によって形成され前記篩ユニ
ット1、前記土砂ホッパ2、前記混合装置3、前記土質
改良材供給装置5、及び後述のパワーユニット(機械
室)79等を載置する車台を構成する土質改良機取付け
部9Aと、この土質改良機取付け部9Aと前記の左・右
無限軌道履帯10とを接続するトラックフレーム部9B
とから構成される。また無限軌道履帯10は、前記トラ
ックフレーム部9Bに回転自在に支持された駆動輪11
及び従動輪(アイドラ)12の間に掛け渡されており、
駆動輪11側に設けられた左・右走行用油圧モータ13
によって駆動力が与えられることにより自走式土質改良
機械200を走行させるようになっている。
【0048】前記の篩ユニット1は、上下方向振動を含
み揺動可能ないわゆる振動篩であり、前記本体フレーム
土質改良機取付け部9Aに立設した支持ポスト14の上
に設けた支持部材15に、ばね16を介して弾性的に支
持された支持枠体17と、この支持枠体17に装着され
た格子部材(スクリーン、図示せず)と、このスクリー
ンの振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラム
(図示せず)を回転駆動させるための駆動力を発生する
加振用油圧モータ(図示せず)とを有している。そし
て、加振用油圧モータの駆動力を回転ドラムに伝達して
回転させ、スクリーンの振動軸を振動させることによ
り、スクリーン及び支持枠体17が上下方向に振動する
ようになっている。
【0049】前記の搬入コンベア4は、前記本体フレー
ム土質改良機取付け部9Aの長手方向一方側から他方側
へ向かって(自走式土質改良機械200の後方へ向かっ
て)所定角度だけ斜めに立ち上がるように傾斜して設け
られている。そしてこの搬入コンベア4は、フレーム2
2と、このフレーム22に支持され図示しない搬入コン
ベア用油圧モータで駆動される駆動輪23と従動輪(ア
イドラ)24との間に巻回して設けられた搬送ベルト2
5と、この搬送ベルト25における搬送面を支持するた
めのローラ(キャリアローラ)26と、搬送ベルト25
の搬送面の下流側端部において幅方向左右両側に設けら
れた規制板27とを備えている。
【0050】前記の土砂ホッパ2は、上端部が前記支持
部材15に固定して設けられており、その下端部は搬入
コンベア4の傾斜角に応じた角度傾斜している。またこ
の土砂ホッパ2は、篩ユニット1からの円滑な土砂投入
時の便宜のため、上方へ向かって拡径となる無底の箱型
形状(言い換えれば略角筒形状あるいは枠体形状)とな
っており、その上下は開口している。
【0051】このとき、この土砂ホッパ2の前記枠体を
構成する四周の側壁(図示せず)のうち、搬入コンベア
4の送り方向の下流側に位置する側壁(図示せず)に
は、高さが前記規制板27の高さとほぼ同じでありかつ
幅方向寸法が前記搬入コンベア4の前記搬送ベルト25
の幅より若干小さい図示しない土砂供給用開口部(ゲー
ト)が形成されている。そして、土砂ホッパ2は、前記
篩ユニット1より上方開口部を介して投入された土砂を
搬入コンベア4の搬送ベルト25上に落下させて下流側
へと搬送し、このときその搬送ベルト25上を搬送され
ていく投入土砂のうち前記供給用開口部を通り抜けたも
の(=供給用開口部の高さ分だけの量)だけを土砂ホッ
パ2外へ導出し(引き出し)、混合装置3へと導く。こ
れにより、搬入コンベア4における搬送ベルト25の搬
送速度と、土砂供給用開口部の開口面積とにより定まる
所定量(土砂ホッパ2にあふれさせない程度となるよう
に予め設定される)の土砂が、土砂ホッパ2から混合装
置3へ供給されるようになっている。
【0052】前記の土質改良材供給装置5は、本体フレ
ーム土質改良機取付け部9A上に立設した4本(または
3本)の支柱32上に設けた例えば略長方形状の台板3
3に支持されている。このとき、前記の搬入コンベア4
は、その下流側端部が、前記支柱32,32間にまで延
在されており、このような位置関係において、その搬入
コンベア4下流側端部の直上にある土質改良材供給装置
5によって、土砂ホッパ2から供給された土砂に対し搬
入コンベア4上で所定量の土質改良材が添加されるよう
になっている。
【0053】土質改良材供給装置5は、所定量の土質改
良材を貯留する貯留タンク(固化材ホッパ)34と、こ
の貯留タンク34の下部に連設され、所定量ずつ土質改
良材を供給するフィーダ35とを備えている。なお、土
質改良材は、改良対象の土質に適合したものが適宜選択
され、例えば石灰が使用される。
【0054】前記の貯留タンク34は、全体が概略円筒
形状で内部に土質改良材を貯留する空間を有するもので
あり、その高さ寸法が可変(詳細は後述)な構成となっ
ている。すなわち、貯留タンク34は、下部側が前記台
板33上に設置され、有底筒形の下部タンク部36と、
天板部37と、下部タンク部36と天板部37との間に
設けた上部側の容積が可変な上部タンク部としての蛇腹
部38とから構成される。
【0055】前記下部タンク部36の底板(図示せず)
には、所定の開口径を有する土質改良材供給開口が設け
られ、この開口から土質改良材をフィーダ35へ供給す
るようになっている。
【0056】前記フィーダ35はいわゆるロータリーフ
ィーダと称されるものであり、その内部に、図示しない
フィーダ用モータによって回転駆動されるロータ(図示
せず)が設けられている。このロータには複数の隔壁
(図示せず)が放射状に設けられており、ロータが所定
角度回転する毎に相隣接する隔壁間の空間に相当する分
の土質改良材が分離され、その空間の容積分の土質改良
材が定量ずつ供給されるようになっている。これによ
り、前記フィーダ用モータの回転速度を制御すること
で、土質改良材の供給量(添加率)を制御し、土砂と土
質改良材との混合比を正確に一定にできるようになって
いる。具体的には、例えば搬入コンベア4による土砂の
搬送量を図示しない検出手段で検出し(あるいは排出コ
ンベア8による土砂・土質改良材混合物の量を検出する
ことで間接的に搬入コンベア4による土砂の搬送量を検
出しても良い)、その検出量に応じてフィーダ用油圧モ
ータを駆動制御するようになっている。なお、前記した
貯留タンク34を上下に分けて、上部側に蛇腹部38を
設けたのは、貯留タンク34による土質改良材の収容量
を多くし、かつ自走式土質改良機械200全体をトレー
ラ等で輸送する際にその高さ寸法を低くするためであ
る。
【0057】すなわち、前記天板部37に設けた取付板
57に支持杆58が垂設されており、前記台板33の各
支持杆58の垂設位置に対応する位置にガイド筒59が
立設されている。そして、ガイド筒59に設けたピン挿
通孔61に対し支持杆58の下方に設けた挿通孔60を
一致させた状態にしてストッパピン(図示せず)を挿通
させると、蛇腹部38は伸長した作動状態に保持され
(図2の状態)、支持杆58の上方に設けたピン挿通孔
60を前記ピン挿通孔61と一致させてストッパピンを
挿通させると、蛇腹部38は格納状態に保持されるよう
になっている。
【0058】前記の混合装置3は、長手方向(=略水平
方向)に配置した長方形状容器からなる混合装置本体6
2と、前記混合装置本体62の前方側上部に設けられ、
前記搬入コンベア4からの土砂及び土質改良材供給装置
5からの土質改良材を導入する導入口(図示せず)と、
前記混合装置本体62の後方側下部に設けられた排出口
(図示せず)と、混合装置本体62内に互いに平行に設
けられた偶数本(例えば2本の)のパドルミキサ(図示
せず)と、駆動力を発生させる混合用油圧モータ72と
を有している。
【0059】前記パドルミキサは、回転軸(図示せず)
に攪拌・移送部材としての羽根(パドル、図示せず)を
間欠的(例えば周方向に90°ごと、軸方向に所定ピッ
チごと)に多数設けた構造であり、前記回転軸の後端部
は、伝達ギア(図示せず)を介し混合用油圧モータ72
の出力軸に連結されている。そして、混合用油圧モータ
72を駆動することで、パドルミキサの両回転軸を同時
にかつ相互に反対方向に(両回転軸の対向側が上向き回
転となるように)回転駆動させ、前記導入口を介し両パ
ドルミキサ間の中央部に導入された土砂及び土質改良材
を攪拌しつつ排出口側に向けて移送し、その移送の間に
それら混合物を解砕(粗解砕)しかつ均一に混合して、
改良土を製造するようになっている。そして、このよう
にして製造された改良土は排出口から自重の作用で前記
排出コンベア8上に排出されるようになっている。
【0060】前記の排出コンベア8は、フレーム80
と、このフレーム80に支持され排出コンベア用油圧モ
ータ(図示せず)で駆動される駆動輪74及び従動輪
(アイドラ、図示せず)との間に巻回して設けられたベ
ルト75と、このベルト75における搬送面を支持する
ためのローラ(キャリアローラ)81とを備えており、
ベルト75を循環駆動することによって前記混合装置3
からベルト75上に落下してきた混合物(改良土)を運
搬し、前記仕上篩い装置180(図1参照)へと投入す
るようになっている。
【0061】ここで、上記篩ユニット1、搬入コンベア
4、混合装置3、排出コンベア8、及び無限軌道履帯1
0は、この自走式土質改良機械200に備えられる動力
源、すなわち原動機としてのエンジン(図示せず)及び
このエンジンによって駆動される少なくとも1つの油圧
ポンプ(図示せず)からの動力によって駆動される。前
記油圧ポンプからの圧油は、当該圧油の方向及び流量を
制御するコントロールバルブを備えた制御弁装置(図示
せず)を介し、前記篩ユニット1、搬入コンベア4、混
合装置3、排出コンベア8、及び無限軌道履帯10にそ
れぞれ対応する前記加振用油圧モータ、前記搬入コンベ
ア用油圧モータ、前記混合用油圧モータ72、前記排出
コンベア用油圧モータ、及び前記左・右走行用油圧モー
タ13へと供給され、これによって対応する油圧モータ
が回転駆動する。
【0062】そして、上記エンジン、油圧ポンプ、及び
制御弁装置は、いずれも、前記本体フレーム土質改良機
取付け部9Aの長手方向他方側端部の上部にパワーユニ
ット積載部材78を介し搭載されたパワーユニット79
内に設けられている。
【0063】なお、自走式土質改良機械200は、図1
には明確には図示していないが、このプラントの出口部
分に配置されており、後述する他の稼動現場への移動時
に自走するのに十分な走行面積は予め確保されている。
上記構成の自走式土質改良機械200において、前記コ
ンベア170から前記篩ユニット1に土砂が投入される
と、この篩ユニット1で投入土砂をその粒度に応じて選
別し(選別工程)、選別された土砂成分を下方の土砂ホ
ッパ2へと導入して受け入れる(受け入れ工程)。土砂
ホッパ2で受け入れられた土砂は、その下方の搬入コン
ベア4の搬送ベルト25上に載置され、自走式土質改良
機械後方へ向かって搬送される。そして、搬入コンベア
4の搬送方向下流側端部近傍にて、その搬送土砂の表面
に土質改良材供給装置5から所定量の土質改良材が加え
られ(固化材供給工程)、これらの混合物が混合装置3
へと導入される。混合装置3へ導入された土砂及び土質
改良材は、混合装置本体62内のパドルミキサで均一に
攪拌混合され、改良土となって搬出コンベア8のベルト
75上に排出される(混合工程)。そして、改良土は搬
出コンベア8によってさらに自走式土質改良機械後方へ
と運搬され、最終的に自走式土質改良機後部から排出
(搬出)される(排出工程)。
【0064】図1に戻り、前記の仕上篩い装置180
は、上述の1次篩い装置140及び2次篩い装置140
とほぼ同様の構造で同様の分級機能を備えており、前記
自走式土質改良機械200からスクリーンに投入された
(矢印シ参照)土砂のうち、格子サイズ(但し2次篩い
装置140の格子サイズよりも小さい)より大きなもの
(オーバー分)をほぐしつつ前記コンベア210へ排出
する(矢印ス参照)一方、格子サイズ以下のもの(アン
ダー分)のみをほぐしつつ格子間から下方へ落下させて
(矢印セ参照)、最終的に必要な(ユーザから土砂製品
の仕様として要求される)粒度に調整された土砂製品
(改良土)とするようになっている。
【0065】前記のコンベア190は、上記のように最
終調整された土砂製品を搬送ベルト上に導入して搬送
し、所定の改良土置場Rに山積みにする(矢印ソ参照)
ようになっている。山積みにされた土砂製品(改良土)
は、前述のホイールローダ110と同様の構造のホイー
ルローダ220でトラック(ダンプカー)T2に積込ま
れ、ユーザの現場に運ばれる。
【0066】なお、以上述べたシステムを構成する各設
備・機器のうち、ホイールローダ100,220及び自
走式土質改良機械200以外、すなわち、コンベア11
0,130,150,170,190,210、篩い装
置120,140,180、破砕装置160、及び磁選
機171は、すべて定置式となっている。
【0067】以上において、前記自走式土質改良機械2
00が、特許請求の範囲各項記載の非定置式の土砂製品
生産機を構成し、自走式土質改良機械200における前
記篩ユニットでの選別工程、前記土砂ホッパ2での受け
入れ工程、前記土質改良材供給装置5での固化材供給工
程、前記混合装置3での混合工程、及び前記排出コンベ
ア8での排出工程が、複数の生産工程に相当する。
【0068】また、コンベア110,130,150,
170、篩い装置120,140、破砕装置160、及
び磁選機171が、複数の生産工程に先立ち、原料とな
る土砂の分級及、解砕、及び破砕の前処理を土砂製品生
産機外にて行う定置式の第1前処理設備を構成する。さ
らに、仕上篩い装置180及びコンベア190,210
が、土砂製品生産機の排出工程で土砂製品生産機外に排
出された土砂に対し、分級及び解砕の後処理を前記土砂
製品生産機外にて行う定置式の後処理設備を構成する。
【0069】以上のような構成の本実施の形態の土砂製
品生産システムの作用を以下順次説明する。
【0070】(I−1)廃棄物再利用促進 (I−1A)前処理による作用 一般に、自走式土質改良機械は、土砂を受け入れる土砂
ホッパと、その受け入れた土砂と固化材とを混合する混
合装置と、その混合物を排出(搬出)する排出コンベア
とを有し、前記土砂ホッパでの受け入れ工程、前記混合
装置での混合工程、及び前記排出コンベアでの排出工程
等を行うことにより、単独でも、改良対象土の土質を改
良し、土砂製品である改良土を生産できるようになって
いる。
【0071】しかしながら、原料となる土砂(改良対象
土砂)の性質や状態が多種多様であるときに自走式土質
改良機械のみを用いて土砂製品の生産を行おうとする
と、機器搭載スペースに制約がある等の理由によって自
走式土質改良機械の性能が必ずしも十分でない場合、高
品質の土砂製品を得ることができないか、得るためには
廃棄物量の増大を招く可能性がある。
【0072】そこで、上記本発明の土砂製品生産システ
ムの一実施の形態では、自走式土質改良機械200にお
ける前記受け入れ工程、混合工程、排出工程等の工程に
先立ち、別途設けた定置式の前処理設備(コンベア11
0,130,150,170、篩い装置120,14
0、破砕装置160、及び磁選機171)にて、予め、
原料となる土砂の分級、解砕、及び破砕等の前処理を行
っておく。これにより、自走式土質改良機械200は、
既に前処理が行われて、前述のように最大粒度が調整さ
れるとともに土塊もほぐされた比較的良質な土砂原料
(残土)を基に土砂製品である改良土を生産することと
なるので、その性能が必ずしも十分でない場合であって
も高品質の土砂製品を生産することができる、しかもそ
のときの廃棄物(コンベア210で排出するもの及び1
次篩い装置120のオーバー分等)の量を増大させるこ
ともない。したがって、廃棄物再利用の促進を図ること
ができる。
【0073】(I−1B)後処理による作用 また、上記本発明の土砂製品生産システムの一実施の形
態では、自走式土質改良機械200の排出工程で機外に
排出された土砂に対し、別途設けた定置式の仕上篩い装
置180及びコンベア210にて、土砂の分級及び解砕
の後処理を行う。これにより、上記(I−1A)と同
様、自走式土質改良機械200の性能が必ずしも十分で
ない(例えば改良土の粒度分布の揃い方が不十分)場合
があっても、その後処理によってそれを補い、最終的に
必要な粒度に調整された土砂製品(改良土)とすること
ができる。したがって、廃棄物量を増大させることなく
高品質の土砂製品を生産することができるので、これに
よっても、廃棄物再利用の促進を図ることができる。
【0074】(I−2)プラント稼働率向上による経済
性向上 上記(I−1A)及び(I−1B)で説明したように、
自走式土質改良機械200に加え、その生産工程に先立
ち前処理を行う定置式の前処理設備(コンベア110,
130,150,170等)や、その排出工程で機外に
排出された土砂に対し後処理を行う後処理設備(仕上篩
い装置180等)を設けて土砂製品生産システムを構成
することにより、原料となる土砂の性質や状態が多種多
様である場合にも、産業廃棄物の増大を招くことなく土
砂製品の高品質化を図れ、廃棄物再利用促進を図れる。
但し、このとき、公共工事発生の季節変動や、上記定置
式の前処理設備(コンベア110,130,150,1
70等)及び後処理設備(仕上篩い装置180等)を設
ける前記土砂製品生産プラントの立地条件から、当該プ
ラントへ持ち込まれてくる原料となる土砂量の変動は避
けられない。
【0075】一方、廃棄物再利用促進の背景から土砂製
品(この例では改良土)の高品質化が望まれる傾向にあ
るが、すべてがそのような傾向ではなく、それほど高品
質でない土砂製品で足りるような場合もある。
【0076】そこで、本実施の形態においては、原料と
なる土砂がプラントへ持ち込まれない等で上記前処理設
備(コンベア110,130,150,170等)や後
処理設備(仕上篩い装置180等)が稼働しえない時に
は、図1中2点鎖線で示すように、自走式土質改良機械
200をこのプラント外の別の稼動現場(自走式土質改
良機械200単独でそれほど高品質でない土砂製品(改
良土)生産を行う現場、例えば、施工現場に近い顧客の
土場)へ運搬し、そこで使用するようにする。
【0077】図3は、そのような別の稼動現場で上記自
走式土質改良機械200を用いて行う土質改良作業の一
例の作業状態を表す図である。図3において、この稼動
現場内に、例えば建設工事現場・掘削工事現場等で発生
した建設発生土(掘削残土等)がトラック(ダンプカ
ー)TAにより運び込まれ、このトラックTAから公知の
油圧ショベルEによって前記自走式土質改良機械200
に(詳細には前記篩ユニット1に)投入される。自走式
土質改良機械200では、前述したのと同様、篩ユニッ
ト1で投入土砂をその粒度に応じて選別し(選別工
程)、選別された土砂成分を下方の土砂ホッパ2で受け
入れ(受け入れ工程)、その下方の搬入コンベア4で自
走式土質改良機後方へ向かって搬送される。そして、そ
の搬送土砂の表面に土質改良材供給装置5から所定量の
土質改良材が加えられ(固化材供給工程)、その混合物
が混合装置3へと導入されてパドルミキサで均一に攪拌
混合されて土砂製品としての改良土となり(混合工
程)、搬出コンベア8によってさらに自走式土質改良機
後方へと運搬・排出(搬出)され(排出工程)、所定の
改良土置場R′に山積みにされる。山積みにされた土砂
製品(改良土)は、ホイールローダHでトラック(ダン
プカー)TBに積込まれ、ユーザの現場に運ばれる。な
お、自走式土質改良機械200は、トラックTAで運ば
れてくる改良対象残土が無くなった時点で再ぴ図1に示
した元のプラントに戻ってもよいし、さらに別の稼動現
場に移動して引き続き改良作業に従事してもよい。
【0078】上記のようにして、図1に示した上記本発
明の土砂製品生産システムの一実施の形態においては、
上記前処理設備(コンベア110,130,150,1
70等)や後処理設備(仕上篩い装置180等)が稼働
できないときでも少なくとも自走式土質改良機械200
は他の稼動現場で稼働させることができるので、システ
ム全体で見ると、その分稼働率を向上させることができ
る。したがって、経済性を向上することができる。
【0079】以上説明したように、上記本発明の土砂製
品生産システムの一実施の形態によれば、産業廃棄物の
増大を招くことなく土砂製品(改良土)の高品質化を図
れ、これによって廃棄物再利用促進を図ることができ
る。また、土砂製品生産プラントの稼働率を向上し、経
済性を向上できる。これにより、プラント設置コストの
回収が早くなるので、安価な改良土の生産が可能となる
効果もある。
【0080】なお、上記本発明の土砂製品生産システム
の一実施の形態においては、自走式土質改良機械200
に加え、前処理設備としてコンベア110,130,1
50,170、篩い装置120,140、破砕装置16
0、及び磁選機171を設けると共に、後処理設備とし
て仕上篩い装置180及びコンベア190,210を設
けたが、上記(I−1A)及び(I−1B)で説明した
ように、これら前処理設備及び後処理設備の一方を設け
るだけでも、上記(I−1)の作用を得ることができ、
廃棄物再利用促進効果を得られることは言うまでもな
い。また、上記本発明の土砂製品生産システムの一実施
の形態においては、非定置式土砂製品生産機として自走
可能な自走式土質改良機械200を用いた場合を例にと
って説明したが、これに限られず、例えば適宜の牽引車
(トレーラーヘッド)に牽引されて被牽引走行可能な車
輪のみを備えたトレーラー式の土質改良機械や、車輪が
なくても、別途の据付手段(クレーン等の重機を含む)
で設置現場の地面等に対し据付・撤収自在でかつ運搬可
能に構成された可搬式の土質改良機械を用いても良い。
この場合も、ほぼ同様の効果を得る。
【0081】さらに、上記本発明の土砂製品生産システ
ムの一実施の形態においては、前記1次篩い装置120
において、前記スクリーンの格子サイズ(格子の目)よ
り大きなもの(オーバー分)を傾斜したスクリーン上を
移動・流下させて排出した(矢印ウ参照)が、この排出
したオーバー分を、図1中2点鎖線で示すように、前記
破砕装置160と同様の構造の破砕装置125によって
所定の大きさに破砕し、破砕後の土砂を前記コンベア1
30上に併せて導入してもよい。この場合、さらに廃棄
物量を低減でき、廃棄物再利用をさらに促進できる。
【0082】また、上記本発明の土砂製品生産システム
の一実施の形態においては、定置式の前処理設備(第1
前処理設備)として、コンベア110,130,15
0,170、1次・2次篩い装置120,140、破砕
装置160、及び磁選機171を設けたが、比較的規模
の小さな土砂製品生産システムの場合、コンベア13
0,150,170、2次篩い装置140、破砕装置1
60、及び磁選機171を省略してコンベア110及び
1次篩い装置120のみとし、この1次篩い装置120
で選別したアンダー分を直接自走式土質改良機械200
の篩ユニット1へ投入するようにしてもよい。
【0083】さらに、上記本発明の土砂製品生産システ
ムの一実施の形態においては、定置式のコンベア11
0,130,150,170,190を用いたが、それ
らの少なくとも一部を自走式コンベアに置き換えたり、
あるいはそれら定置式のコンベアに加えて自走式コンベ
アをさらに組み合わせることにより、さらに種々のニー
ズにフレキシブルに対応可能なシステムが構成できるこ
とは言うまでもない。
【0084】図4は、本発明の土砂製品生産システムの
他の一実施の形態の全体配置を表すシステム構成図であ
る。この実施の形態は、上記本発明の一実施の形態と同
様、本発明を、建設発生土の土質を改良する土質改良シ
ステムに適用した別の例である。
【0085】この図4において、土砂製品生産プラント
である土質改良プラント内に、例えば建設工事現場・掘
削工事現場等で発生した建設発生土(掘削残土等)がト
ラック(ダンプカー)T3により運び込まれる。本実施
の形態による土砂製品生産システムはこの土砂の土質を
改良するためにプラントに設けられるものである。
【0086】すなわち、この土砂製品生産システムは、
前記トラックT3で運び込まれた土砂を投入用土砂置場
Nに積み替える(矢印ム参照)土砂積み替え機械、例え
ば油圧ショベル(パワーショベル)500Aと、前記投
入用土砂置場Nの土砂を後述の自走式土質改良機械60
0に投入する(矢印メ参照)土砂投入機械、例えば油圧
ショベル(パワーショベル)500Bと、この油圧ショ
ベル500Bで投入された土砂を導入して、土質改良材
(固化材)と混合及び解砕し、土質が改良された改良土
を生成(生産)する非定置式土砂製品生産機としての自
走式土質改良機械600と、前記改良土を導入し(矢印
モ参照)その粒度に応じて選別する篩い装置510と、
この篩い装置510で選別された(後述のスクリーンを
通過した)改良土を導入して(矢印ヤ参照)搬送し改良
土置場Mに山積みにする(矢印ユ参照)コンベア520
と、改良土置場Mの改良土をトラック(ダンプカー)T
4に投入する土砂投入機械(積み出し機械)、例えばホ
イールローダ530と、前記篩い装置510で選別され
なかった(後述のスクリーンを通過しなかった)ものを
導入して(矢印ヨ参照)再破砕用の被破砕物置場Lへと
搬送(矢印ラ参照)するコンベア540と、前記被破砕
物置場Lの被破砕物を導入して再破砕し再改良用の土砂
置場Kへと排出する自走式破砕機械(クラッシャ)55
0Aと、前記自走式土質改良機械600の篩いユニット
1(後述)で選別されなかった(後述のスクリーンを通
過しなかった)ものを導入して(矢印リ参照)再破砕し
再改良用の土砂置場Jへと排出する自走式破砕機(クラ
ッシャ)550Bとを有している。
【0087】前記油圧ショベル500A,500Bは、
互いにほぼ同様の構造であり、通常の建設現場でごく一
般的に用いられる自走式のものである。すなわち、走行
手段としての履帯503を備えた走行体502と、この
走行体502の上部に旋回可能に設けられた旋回体50
1と、この旋回体501に回動自在に接続された多関節
型のフロント装置(=旋回体501に基端部が枢支され
たブーム506、このブーム506に回動自在に接続さ
れたアーム505、及びこのアーム505に回動自在に
接続されたバケット504)とを備えている。そしてこ
のような構成により、油圧ショベル500Aは、前記ト
ラックT3の荷台上の土砂をバケット504内にすくい
込んで、投入用土砂置場Nに積み替えるようになってお
り、油圧ショベル500Bは、投入用土砂置場Nに積ま
れた土砂を土質改良機械600の篩ユニット1(後述)
を介し土砂ホッパ2へと投入するようになっている。な
お、油圧ショベル500Aで土砂を投入用土砂置場に積
み替える際には、適宜の手段(例えば前記バケット50
4をいわゆるスケルトンバケットとする)により土砂中
の大塊を除去するようになっている。
【0088】前記の自走式土質改良機械600は、先に
述べた本発明の土砂製品生産システムの一実施の形態に
おける前記土質改良機械200と同一の構造及び機能の
ものであり、前記油圧ショベル500Bから篩ユニット
1に土砂が投入されると、この篩ユニット1で投入土砂
をその粒度に応じて選別し(選別工程)、選別された成
分(選別されなかった成分については後述)を下方の土
砂ホッパ2へと導入して受け入れる(受け入れ工程)。
土砂ホッパ2で受け入れられた土砂等は、その下方の搬
入コンベア4の搬送ベルト上に載置され、自走式土質改
良機械後方へ向かって搬送される。そして、搬入コンベ
ア4の搬送方向下流側端部近傍にて、その搬送されてい
る土砂等の表面に土質改良材供給装置5から所定量の固
化材が加えられ(固化材供給工程)、これらの混合物が
混合装置3へと導入される。混合装置3へ導入された土
砂及び固化材は、混合装置3内のパドルミキサで均一に
攪拌混合され、改良土となって搬出コンベア8のベルト
上に排出される(混合工程)。そして、改良土は搬出コ
ンベア8によってさらに自走式土質改良機械後方へと運
搬され、最終的に自走式土質改良機後部から排出(搬
出)される(排出工程)。
【0089】前記の篩い装置510は、先に述べた本発
明の土砂製品生産システムの一実施の形態における12
0,140と同様、振動可能ないわゆる振動篩(若しく
は固定篩でもよい)を備えており、詳細な図示を省略す
るが、例えば、加振用モータの回転駆動力を公知の変換
機構を介して支持枠体及びスクリーンの揺動運動に変換
することにより、前記自走式土質改良機械600の排出
工程で機外に取り出されスクリーンに投入された改良土
に含まれる種々の大きさの成分のうち、オーバー分をほ
ぐしつつ(解砕処理)前記コンベア540上へ排出する
一方(このオーバー分のその後の処理については後述す
る)、アンダー分を格子間から下方へ落下させて選別す
る(分級処理)。このような後処理を行うことにより、
最終的に必要な(ユーザから土砂製品の仕様として要求
される)粒度に調整された比較的良質な土砂製品として
の改良土を得ることができる。
【0090】前記のコンベア520は、前記コンベア5
40とともに先に述べた本発明の土砂製品生産システム
の一実施の形態におけるコンベア110,130等とほ
ぼ同様の構造であり、搬送ベルトをモータ駆動の駆動輪
で循環駆動させることにより、篩い装置510から搬送
ベルト上に導入されたアンダー分の改良土を搬送し改良
土置場Mに山積みにする。この改良土は、ホイールロー
ダ530でトラックT4に積込まれ、ユーザの現場に運
ばれる。
【0091】前記の自走式破砕機550A,550B
は、互いにほぼ同様の構造であり、通常の破砕現場でご
く一般的に用いられる自走式のものである。すなわち、
この自走式破砕機550A,550Bは、例えば、左・
右の無限軌道履帯を備えた走行体551と、その上部に
設けられ、ホッパ552から投入された被破砕物を所定
の大きさに破砕する破砕装置(例えばジョークラッシャ
等)553と、ホッパ552から投入された被破砕物を
破砕装置553へ導くフィーダ554と、破砕装置55
3で破砕され小さくなった破砕物を運搬するコンベア5
55とを備えている。そして、このような構成により、
自走式破砕機550A,550Bは、ホッパ552に投
入された被破砕物を所定の大きさに破砕しその破砕物を
コンベア555で搬出するようになっている。自走式破
砕機550Aは、前記篩い装置510で選別されず前記
コンベア540で被破砕物置場Lへと搬送されたオーバ
ー分の改良土成分(例えばレキ等)を、例えば図示しな
い投入機械によって(木材などを除去するさらなる選別
を行ってもよい)ホッパ552から導入して再破砕し、
コンベア555で再改良用の土砂置場Kへと排出するよ
うになっている。この土砂置場Kに排出された改良土
は、矢印ルに示すように、図示しない投入機械(前記油
圧ショベル500Bでもよい)で再び自走式土質改良機
械600へ投入されて再び改良処理されるようになって
いる。言い換えれば、自走式破砕機550Aは、前記オ
ーバー分の改良土に対し、再度自走式土質改良機械60
0の前記複数の生産工程(篩ユニット1での選別工程、
前記ホッパ2での受け入れ工程、前記土質改良材供給装
置5での固化材供給工程、前記混合装置3での混合工
程、及び前記排出コンベア8での排出工程)を行うのに
先立ち、前処理としての破砕を行うようになっている。
自走式破砕機550Bは、自走式土質改良機械600の
前記篩いユニット1で選別されなかったオーバー分を、
例えば図示しない投入機械あるいは搬送機械を介して
(さらに木材などを除去する選別を行ってもよい)ホッ
パ552から導入して再破砕し、コンベア555で再改
良用の土砂置場Jへと排出するようになっている。この
土砂置場Jに排出された改良土は、上記と同様、矢印レ
に示すように、図示しない投入機械(前記油圧ショベル
500Bでもよい)で再び自走式土質改良機械600へ
投入されて再び改良処理されるようになっている。言い
換えれば、自走式破砕機550Bは、前記篩ユニット1
でのオーバー分の土砂に対し、再度自走式土質改良機械
600の前記複数の生産工程(篩ユニット1での選別工
程、前記ホッパ2での受け入れ工程、前記土質改良材供
給装置5での固化材供給工程、前記混合装置3での混合
工程、及び前記排出コンベア8での排出工程)を行うの
に先立ち、前処理としての破砕を行うようになってい
る。
【0092】なお、以上述べたシステムを構成する各設
備・機器のうち、自走式の機械でないもの、すなわち、
コンベア520,540及び篩い装置351は、すべて
定置式となっている。
【0093】以上において、前記自走式土質改良機械6
00が、特許請求の範囲各項記載の非定置式の土砂製品
生産機を構成し、前記自走式土質改良機械600の篩い
ユニット1での選別工程が、少なくとも混合工程より前
に土砂を粒度に基づき選別する第1選別工程に相当し、
前記篩いユニット1がその第1選別工程を行う第1篩手
段を構成する。また、前記第1選別工程に加え、自走式
土質改良機械600における前記土砂ホッパ2での受け
入れ工程、前記土質改良材供給装置5での固化材供給工
程、前記混合装置3での混合工程、及び前記排出コンベ
ア8での排出工程が、複数の生産工程に相当する。この
とき、自走式破砕機550Bが、第1選別工程で選別さ
れず土砂製品生産機外に取り出された土砂に対して、再
び土砂製品生産機に投入し再度の複数の生産工程を行う
のに先立ち破砕という前処理を行う第2前処理設備を構
成する。
【0094】さらに、篩い装置510及びコンベア52
0が、土砂製品生産機の排出工程で土砂製品生産機外に
排出された土砂に対し、分級及び解砕の後処理を前記土
砂製品生産機外にて行う定置式の後処理設備を構成し、
そのときの前記篩い装置510での選別工程が、土砂製
品生産機外に排出された土砂を粒度に基づき選別する第
2選別工程に相当し、前記篩い装置510がその第2選
別工程を行う第2篩手段を構成する。そして、自走式破
砕機550Aが、第2選別工程で選別されなかった土砂
に対して、再び土砂製品生産機に投入して再度の複数の
生産工程を行うのに先立ち、破砕という前処理を土砂製
品生産機外にて行う定置式の第3前処理設備を構成す
る。
【0095】以上のように構成した本実施の形態の土砂
製品生産システムにおいても、上記本発明の土砂製品生
産システムの一実施の形態と同様の原理で、以下のよう
な作用を得る。
【0096】(II−1)廃棄物再利用促進 (II−1A)後処理による作用 上記本発明の土砂製品生産システムの他の実施の形態で
は、自走式土質改良機械600における前記排出工程で
機外に排出された土砂に対し、別途設けた定置式の後処
理設備(篩い装置510及びコンベア520)にて、土
砂の分級及び解砕の後処理を行う。これにより、自走式
土質改良機械600の性能が必ずしも十分でない(例え
ば改良土の粒度分布の揃い方が不十分)場合であって
も、その後処理によってそれを補い、高品質の土砂製品
(改良土)を生産することができる。したがって、廃棄
物量を増大させることなく高品質の土砂製品を生産する
ことができ、廃棄物再利用の促進を図ることができる。 (II−1B)再投入前の前処理による作用(その1) また、上記本発明の土砂製品生産システムの他の実施の
形態では、自走式土質改良機械600の篩ユニット1で
の第1選別工程で選別されず機外に取り出された土砂に
対し、再び自走式土質改良機械600に投入する前に自
走式破砕機550Bにて破砕の前処理を行うことによ
り、上記と同様、再投入する自走式混合機械600の性
能が必ずしも十分でない場合であっても、それを補い最
終的に必要な粒度に調整された高品質の土砂製品(改良
土)を得ることができる。また、一度第1選別工程で機
外に取りだされた土砂を破砕し再投入することで廃棄物
量をさらに低減し、廃棄物再利用のさらなる促進を図る
ことができる。 (II−1C)再投入前の前処理による作用(その2) さらに、上記本発明の土砂製品生産システムの他の実施
の形態では、篩い装置510での第2選別工程で選別さ
れなかった土砂に対し、再び自走式土質改良機械600
に投入する前に自走式破砕機550Aにて破砕の前処理
を行うことにより、上記と同様、再投入する自走式混合
機械600の性能が必ずしも十分でない場合であって
も、それを補い高品質の土砂製品(改良土)を生産でき
る。また第2選別工程で選別されなかった土砂を破砕し
再投入することで廃棄物量を低減し、廃棄物再利用のさ
らなる促進を図れる。
【0097】(II−2)プラント稼働率向上による経済
性向上 上記本発明の土砂製品生産システムの他の実施の形態に
おいても、上記本発明の土砂製品生産システムの一実施
の形態と同様、原料となる土砂がプラントへ持ち込まれ
ない等で上記後処理設備(篩い装置510等)が稼働し
えない時には、自走式混合機械600をこのプラント外
の別の稼動現場へ運搬し、そこで使用する。これによ
り、少なくとも自走式混合機械600はこの間も稼働さ
せることができるので、システム全体で見ると、その分
稼働率を向上し、経済性を向上することができる。
【0098】以上説明したように、上記本発明の土砂製
品生産システムの他の実施の形態によれば、産業廃棄物
の増大を招くことなく土砂製品(改良土)の高品質化を
図れ、これによって廃棄物再利用促進を図ることができ
る。また、土砂製品生産プラントの稼働率を向上し、経
済性を向上できる。これにより、プラント設置コストの
回収が早くなるので、安価な改良土の生産が可能となる
効果もある。
【0099】なお、上記本発明の土砂製品生産システム
の他の実施の形態においては、自走式土質改良機械60
0において篩ユニット1をホッパ2の上部に設け、篩ユ
ニット1による第1選別工程をホッパ2による受け入れ
工程より先に行ったが、これに限られず、ホッパ2の受
け入れ工程の後に第1選別工程を行っても良い。少なく
とも第1選別工程を混合装置3での混合工程よりも前に
行えば足りる。この場合も、同様の効果を得る。
【0100】図5は、本発明の土砂製品生産システムの
さらに他の実施の形態の全体配置を表すシステム構成図
である。この実施の形態は、本発明を、例えば舗装道路
や堤防(導流堤を含む)の基盤材(道路では路盤材とも
いう)を製造する基盤材生産システムに適用した実施の
形態である。
【0101】この図5において、この土砂製品生産シス
テムは、土砂製品生産プラントである基盤材生産プラン
トに設けられるものであり、予め図示しない予備工程で
スクリーン、クラッシャ等により大塊が除去された建設
発生土(残土)等が投入され(矢印タ参照)貯留される
土砂ホッパ300と、この土砂ホッパ300からの土砂
を導入して(矢印チ参照)搬送するコンベア310と、
骨材としての40mm以下の砕石(C−40)が投入さ
れ(矢印ツ参照)貯留されるホッパ320と、骨材とし
ての20mm以下の砕石(C−20)が投入され(矢印
テ参照)貯留されるホッパ330と、粒度調整材として
の山砕が投入され(矢印ト参照)貯留されるホッパ34
0と、これらホッパ320,330,340から使用目
的に応じて所定の量の素材(骨材・粒度調整材)を切り
出し(上記本発明の一実施の形態におけるホッパ111
及びコンベア110のような構造でも良いし、他の公知
の切り出し機構でも良い。矢印ナ,ニ,ヌ参照)前記コ
ンベア310へ添加導入する(矢印ネ,ノ,ハ参照)コ
ンベア350,360,370と、前記コンベア310
によって搬送された土砂、骨材、及び粒度調整材を導入
して(矢印ヒ参照)、固化材(土質改良材)と混合及び
解砕し、基盤材(この例では路盤材)を生成(生産)し
排出する非定置式土砂製品生産機としての自走式混合機
械400と、前記基盤材を導入して(矢印フ参照)その
粒度に応じて選別し、選別したものを基盤材置場Sに山
積みにする(矢印マ参照)篩い装置380と、この篩い
装置380で選別されなかった(スクリーンを通過しな
かった)ものを導入して(矢印ミ参照)搬送する(詳細
は後述)コンベア390とを有する。
【0102】前記のコンベア310は、先に述べた本発
明の土砂製品生産システムの一実施の形態におけるコン
ベア110,130等とほぼ同様の構造であり、搬送ベ
ルトをモータ駆動の駆動輪で循環駆動させることによ
り、搬送ベルト上に導入された土砂を搬送するようにな
っている。なお、前記コンベア350,360,37
0,390もほぼ同様の構造である。そして、ホッパ3
20〜340及びコンベア350〜370による添加処
理からなる一連の前処理工程で、最終的に自走式混合機
械400へ投入される土砂に対する各添加物の添加割合
(混合比)が調整され、比較的良質な基盤材材料ができ
あがるようになっている。
【0103】前記の自走式混合機械400は、先に述べ
た本発明の土砂製品生産システムの一実施の形態におけ
る前記土質改良機械200と同一の構造及び機能のもの
であり、前記コンベア310から篩ユニット1に土砂、
骨材、及び粒度調整材(以下適宜、土砂等という)が投
入されると、この篩ユニット1で投入された土砂等をそ
の粒度に応じて選別し(選別工程)、選別された成分を
下方の土砂ホッパ2へと導入して受け入れる(受け入れ
工程)。土砂ホッパ2で受け入れられた土砂等は、その
下方の搬入コンベア4の搬送ベルト上に載置され、自走
式混合機械後方へ向かって搬送される。そして、搬入コ
ンベア4の搬送方向下流側端部近傍にて、その搬送され
ている土砂等の表面に土質改良材(固化材)供給装置5
から所定量の固化材が加えられ(固化材供給工程)、こ
れらの混合物が混合装置3へと導入される。混合装置3
へ導入された土砂等及び固化材は、混合装置3内のパド
ルミキサで均一に攪拌混合され、基盤材となって搬出コ
ンベア8のベルト上に排出される(混合工程)。そし
て、基盤材は搬出コンベア8によってさらに自走式混合
機械後方へと運搬され、最終的に自走式混合機械後部か
ら排出(搬出)される(排出工程)。
【0104】前記の篩い装置380は、先に述べた本発
明の土砂製品生産システムの一実施の形態における12
0,140と同様、振動可能ないわゆる振動篩(若しく
は固定篩でもよい)を備えており、詳細な図示を省略す
るが、例えば、加振用モータの回転駆動力を公知の変換
機構を介して支持枠体及びスクリーンの揺動運動に変換
することにより、前記自走式混合機械400の排出工程
で機外に取り出されスクリーンに投入された基盤材に含
まれる種々の大きさの成分のうち、オーバー分をほぐし
つつ(解砕処理)前記コンベア390上へ排出する一
方、アンダー分を格子間から下方へ落下させて選別する
(分級処理)。このような後処理を行うことにより、最
終的に必要な(ユーザから土砂製品の仕様として要求さ
れる)粒度に調整された比較的良質な土砂製品としての
基盤材(この例では路盤材)を得ることができ、この基
盤材を基盤材置場Sに山積みにするようになっている。
山積みにされた土砂製品は、図示を省略するが、例えば
ホイールローダでトラック(ダンプカー)に積込まれ、
ユーザの現場に運ばれる。なお、前記コンベア390上
に排出されたオーバ分の基盤材は、コンベア390で再
び自走式混合機械400の篩いユニット1へリターン搬
送し再投入して小割りを行ってもよいし、所定の場所に
搬送しておいてある程度の量がまとまった時点で別途の
手段で解砕を行ってもよい。
【0105】なお、以上述べたシステムを構成する各設
備・機器のうち、自走式混合機械400以外、すなわ
ち、ホッパ300,320,330,340、コンベア
310,350,360,370,390、及び篩い装
置380は、すべて定置式となっている。
【0106】以上において、前記自走式混合機械400
の土砂ホッパ2での受け入れ工程、前記固化材供給装置
5での固化材供給工程、前記混合装置3での混合工程、
及び前記排出コンベア8での排出工程が、特許請求の範
囲各項記載の複数の生産工程に相当する。また、自走式
混合機械400が非定置式の基盤製造機を構成すると共
に、非定置式の土砂製品生産機をも構成する。
【0107】また、ホッパ320〜340及びコンベア
350〜370が、非定置式の土砂製品生産機での複数
の生産工程に先立ち、土砂の添加物添加の前処理を土砂
製品生産機外にて行う定置式の第1前処理設備を構成
し、篩い装置380が、非定置式土砂製品生産機外に取
り出した土砂に対し、土砂の分級、解砕、及び破砕のう
ち少なくとも1つの後処理を土砂製品生産機外にて行う
定置式の後処理設備を構成する。
【0108】以上のように構成した本実施の形態の土砂
製品生産システムにおいても、上記本発明の土砂製品生
産システムの一実施の形態及び他の実施の形態と同様の
効果を得る。
【0109】すなわち、上記本発明の土砂製品生産シス
テムのさらに他の実施の形態では、自走式混合機械40
0における前記受け入れ工程、混合工程、排出工程等の
工程に先立ち、別途設けた定置式の前処理設備(ホッパ
320〜340及びコンベア350〜370)にて、予
め、原料となる土砂に使用目的に応じた所定の量の添加
物(この例ではC−40、C−20、山砕)を添加する
前処理を行っておく。これにより、自走式混合機械40
0は、既に前処理が行われて、前述のように土砂に対す
る各添加物の添加割合(混合比)が調整され、比較的良
質な状態となった基盤材材料を基に土砂製品である基盤
材を生産することとなるので、その性能が必ずしも十分
でない場合であっても高品質の土砂製品(基盤材)を生
産することができる、また、上記本発明の土砂製品生産
システムのさらに他の実施の形態では、自走式混合機械
400の排出工程で排出された土砂に対し、定置式の篩
い装置380にて土砂の分級及び解砕の後処理を行うこ
とにより、上記と同様、自走式混合機械400の性能が
必ずしも十分でない場合であっても、それを補い最終的
に必要な粒度に調整された土砂製品(基盤材)とするこ
とができる。以上のようにして、廃棄物量を増大させる
ことなく高品質の土砂製品を生産することができ、廃棄
物再利用の促進を図ることができる。
【0110】さらに、本実施の形態においても、上記本
発明の土砂製品生産システムの一実施の形態及び他の実
施の形態と同様、原料となる土砂がプラントへ持ち込ま
れない等で上記前処理設備(ホッパ320〜340等)
や後処理設備(篩い装置380等)が稼働しえない時に
は、自走式混合機械400をこのプラント外の別の稼動
現場(例えば、改良土生産現場)へ運搬し、そこで使用
する(土質改良機械としての使用も含む)。これによ
り、少なくとも自走式混合機械400は稼働させること
ができるので、システム全体で見ると、その分稼働率を
向上し、経済性を向上することができる。
【0111】なお、上記本発明のさらに他の実施の形態
においては、自走式混合機械400に備えられた貯留タ
ンク(固化材ホッパ)34のみから固化材を供給した
が、大量処理の場合は、自走式混合機械400外に別途
設けた定置式の大容量固化材ホッパ410(図5中2点
鎖線参照)から例えばスクリューコンベア420を介し
て固化材を投入するようにしてもよい。
【0112】また、上記本発明のさらに他の実施の形態
においては、ホッパ320に骨材としての40mm以下
の砕石(C−40)を貯留し、ホッパ330に骨材とし
ての20mm以下の砕石(C−20)を貯留し、ホッパ
340に粒度調整材としての山砕を貯留し、これらと固
化材を混合して路盤材を製造したが、これに限られず、
土砂ホッパ300内の残土等の土質がそれほど悪くなく
山砕による含水比および粘性調整の必要がない等の場合
には、コンベア370を介したホッパ340からの山砕
添加を適宜省略してもよい。また、本発明の範疇ではな
いが、例えば、残土の改良土だけ欲しい場合は、ホッパ
300のみから残土を切出し、自走式混合機械400に
投入するといった使い方も可能である。
【0113】
【発明の効果】請求項1,2,5〜7記載の発明によれ
ば、非定置式土砂製品生産機では既に第1前処理設備で
前処理が行われた土砂原料を基に土砂製品を生産するこ
ととなるので、原料となる土砂の性質や状態が多種多様
である場合にも、産業廃棄物の増大を招くことなく土砂
製品の高品質化を図れる。
【0114】請求項3,4,5〜7記載の発明によれ
ば、非定置式土砂製品生産機における排出工程で機外に
排出された土砂に対し定置式の後処理設備で後処理を行
うので、原料となる土砂の性質や状態が多種多様である
場合にも、産業廃棄物の増大を招くことなく土砂製品の
高品質化を図れる。請求項8記載の発明によれば、第1
前処理設備の非稼働時には、前記土砂製品生産プラント
外へ運搬して、単独で土砂製品生産を行わせるので、土
砂製品生産プラントの稼働率を向上し、経済性を向上で
きる。請求項9記載の発明によれば、後処理設備の非稼
働時には、前記土砂製品生産プラント外へ運搬して、単
独で土砂製品生産を行わせるので、土砂製品生産プラン
トの稼働率を向上し、経済性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土砂製品生産システムの一実施の形態
の全体配置を表すシステム構成図である。
【図2】図1に示した本発明の土砂製品生産システムの
一実施の形態を構成する自走式の土質改良機械の詳細構
造を表す側面図である。
【図3】図2に示した本発明の土砂製品生産システムの
一実施の形態を構成する自走式の土質改良機械を別の稼
動現場で用いて行う土質改良作業の一例の作業状態を表
す図である。
【図4】本発明の土砂製品生産システムの他の実施の形
態の全体配置を表すシステム構成図である。
【図5】本発明の土砂製品生産システムのさらに他の実
施の形態の全体配置を表すシステム構成図である。
【符号の説明】
1 篩ユニット(第1篩手段) 2 土砂ホッパ 3 混合装置 8 排出コンベア 110 コンベア(第1前処理設備) 120 篩い装置(第1前処理設備) 130 コンベア(第1前処理設備) 140 篩い装置(第1前処理設備) 150 コンベア(第1前処理設備) 160 破砕装置(第1前処理設備) 170 コンベア(第1前処理設備) 171 磁選機(第1前処理設備) 180 仕上篩い装置(後処理設備) 190 コンベア(後処理設備) 200 自走式土質改良機械(土砂製品生産
機) 210 コンベア(後処理設備) 320〜340 ホッパ(第1前処理設備) 350〜370 コンベア(第1前処理設備) 380 篩い装置(後処理設備) 400 自走式混合機械(基盤製造機、土砂製
品生産機) 510 篩い装置(後処理設備) 520 コンベア(後処理設備) 550A 自走式破砕機(第3前処理設備) 550B 自走式破砕機(第2前処理設備) 600 自走式土質改良機械(土砂製品生産
機)
フロントページの続き (72)発明者 三浦 哲志郎 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AB07 EA02 4D004 AA32 AC05 AC07 BA02 CA04 CA15 CA45 CB05 CB42 CB43 CB45 CC11 CC13 DA16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】土砂を受け入れる土砂ホッパ、その受け入
    れた土砂に固化材を混合する混合装置、及びその混合さ
    れた土砂を排出する排出コンベアを有し、前記土砂ホッ
    パでの受け入れ工程、前記混合装置での混合工程、及び
    前記排出コンベアでの排出工程を含む複数の生産工程を
    行う非定置式の土砂製品生産機と、 前記複数の生産工程に先立ち、土砂の分級、解砕、破
    砕、及び添加物添加のうち少なくとも1つの前処理を前
    記土砂製品生産機外にて行う定置式の第1前処理設備と
    を有することを特徴とする土砂製品生産システム。
  2. 【請求項2】土砂を受け入れる土砂ホッパ、その受け入
    れた土砂に固化材を混合する混合装置、及びその混合さ
    れた土砂を排出する排出コンベアを有し、前記土砂ホッ
    パでの受け入れ工程、前記混合装置での混合工程、及び
    前記排出コンベアでの排出工程を含む複数の生産工程を
    行う非定置式の土砂製品生産機と、 前記排出工程で前記土砂製品生産機外に排出された土砂
    に対し、分級、解砕、破砕、及び添加物添加のうち少な
    くとも1つの後処理を前記土砂製品生産機外にて行う定
    置式の後処理設備とを有することを特徴とする土砂製品
    生産システム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の土砂製品生産システ
    ムにおいて、前記土砂製品生産機は、前記複数の生産工
    程の1つとして、少なくとも前記混合工程より前に土砂
    を粒度に基づき選別する第1選別工程を行う第1篩手段
    を備えており、かつ、前記第1選別工程で選別されず前
    記土砂製品生産機外に取り出された土砂に対して、再び
    前記土砂製品生産機に投入し再度の前記複数の生産工程
    を行うのに先立ち分級、解砕、破砕、及び添加物添加の
    うち少なくとも1つの前処理を前記土砂製品生産機外に
    て行う第2前処理設備をさらに設けたことを特徴とする
    土砂製品生産システム。
  4. 【請求項4】請求項2記載の土砂製品生産システムにお
    いて、前記後処理設備は、前記土砂製品生産機外に排出
    された土砂を粒度に基づき選別する第2選別工程を行う
    第2篩手段を備え、かつ、前記第2選別工程で選別され
    なかった土砂に対して、再び前記土砂製品生産機に投入
    して再度の前記複数の生産工程を行うのに先立ち分級、
    解砕、破砕、及び添加物添加のうち少なくとも1つの前
    処理を前記土砂製品生産機外にて行う第3前処理設備を
    設けたことを特徴とする土砂製品生産システム。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載の土砂製
    品生産システムにおいて、前記土砂製品生産機は、走行
    手段を備え自走可能な自走式土砂製品生産機、牽引され
    て走行可能なトレーラー式土砂製品生産機、及び可搬式
    土砂製品生産機のうちいずれか1つであることを特徴と
    する土砂製品生産システム。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項記載の土砂製
    品生産システムにおいて、前記土砂製品生産機は、前記
    土砂ホッパで受け入れた土砂と前記固化材とを前記混合
    装置で混合し前記受け入れた土砂の土質を改良し改良土
    とする非定置式の土質改良機であることを特徴とする土
    砂製品生産システム。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれか1項記載の土砂製
    品生産システムにおいて、前記土砂製品生産機は、前記
    土砂ホッパで土砂と粒度調整材又は骨材を受け入れ、そ
    の受け入れた土砂及び粒度調整材又は骨材と前記固化材
    とを前記混合装置で混合して道路や堤防等の基盤材とす
    る非定置式の基盤製造機であることを特徴とする土砂製
    品生産システム。
  8. 【請求項8】土砂を受け入れる土砂ホッパ、その受け入
    れた土砂に固化材を混合する混合装置、及びその混合さ
    れた土砂を排出する排出コンベアを有し、前記土砂ホッ
    パでの受け入れ工程、前記混合装置での混合工程、及び
    前記排出コンベアでの排出工程を含む複数の生産工程を
    行う非定置式の土砂製品生産機を、前記複数の生産工程
    に先立ち、土砂の分級、解砕、破砕、及び添加物添加の
    うち少なくとも1つの前処理を前記土砂製品生産機外に
    て行う定置式の第1前処理設備の稼働時には、該第1前
    処理設備が設けられた土砂製品生産プラント内に配置し
    て、前記第1前処理設備と共働して土砂製品生産を行わ
    せ、 前記第1前処理設備の非稼働時には、前記土砂製品生産
    プラント外へ運搬して、単独で土砂製品生産を行わせる
    ことを特徴とする土砂製品生産システムの運用管理方
    法。
  9. 【請求項9】土砂を受け入れる土砂ホッパ、その受け入
    れた土砂に固化材を混合する混合装置、及びその混合さ
    れた土砂を排出する排出コンベアを有し、前記土砂ホッ
    パでの受け入れ工程、前記混合装置での混合工程、及び
    前記排出コンベアでの排出工程を含む複数の生産工程を
    行う非定置式土砂製品生産機を、 前記排出工程で前記土砂製品生産機外に排出された土砂
    に対し、分級、解砕、破砕、及び添加物添加のうち少な
    くとも1つの後処理を前記土砂製品生産機外にて行う定
    置式の後処理設備の稼働時には、該後処理設備が設けら
    れた土砂製品生産プラント内に配置して、前記後処理設
    備と共働して土砂製品生産を行わせ、前記後処理設備の
    非稼働時には、前記土砂製品生産プラント外へ運搬し
    て、単独で土砂製品生産を行わせることを特徴とする土
    砂製品生産システムの運用管理方法。
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CN115162101A (zh) * 2022-07-05 2022-10-11 四川公路桥梁建设集团有限公司 一套楼式高品质地材加工及粉料处置的系统和工艺

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