JP2002004099A - 基板メッキ装置 - Google Patents

基板メッキ装置

Info

Publication number
JP2002004099A
JP2002004099A JP2000178708A JP2000178708A JP2002004099A JP 2002004099 A JP2002004099 A JP 2002004099A JP 2000178708 A JP2000178708 A JP 2000178708A JP 2000178708 A JP2000178708 A JP 2000178708A JP 2002004099 A JP2002004099 A JP 2002004099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
substrate
plating solution
anode
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000178708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3568455B2 (ja
Inventor
Hideaki Matsubara
英明 松原
Masahiro Miyagi
雅宏 宮城
Sadao Hirae
貞雄 平得
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2000178708A priority Critical patent/JP3568455B2/ja
Publication of JP2002004099A publication Critical patent/JP2002004099A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3568455B2 publication Critical patent/JP3568455B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガス等のメッキ液中の泡の発生によるメ
ッキ不良を防止する基板メッキ装置を提供することを課
題とする。 【解決手段】 メッキ液もしくはイオンのみを通す親水
性の膜状シート6によってメッキ槽1を仕切るととも
に、陰電極であるカソード3側をカソード室7として、
陽電極であるアノード4側をアノード室8とする。電源
ユニット5からカソード3とアノード4との間で電流が
流れるように給電すると、アノード室8から発生する酸
素ガスGがカソード室7に侵入して基板Wの処理面Ws
に到達することなく、メッキ処理を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板、液晶
表示器のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光
ディスク用の基板等(以下、単に基板と称する)に対し
てメッキ処理を施す基板メッキ装置に係り、特に硫酸銅
などの電解液(メッキ液)を基板の処理面に供給した状
態で給電して電解メッキ処理を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の基板メッキ装置として、
例えば、図9に示すような構成が挙げられる。なお、以
下の説明では、硫酸銅をメッキ液として、配線用の銅を
メッキする装置を例にとって説明する。
【0003】基板Wは、その処理面Wsを下方に向けた
状態、いわゆるフェイスダウンで、メッキ液Lを貯留し
ているメッキ槽101の開口部102に保持されてい
る。開口部102には、基板Wに電気的に接続された陰
電極、即ちカソード103が、メッキ槽101の底部に
は、陽電極、即ちアノード104がそれぞれ配設されて
いるとともに、前記カソード103とアノード104と
は電源ユニット105によって接続されている。そし
て、カソード103とアノード104との間で電流が流
れるように給電する給電手段の機能を、電源ユニット1
05は果たしている。なお、アノード104は(メッキ
液Lに対して)不溶性の陽電極で形成されている。
【0004】また、メッキ槽101の底部には、図示を
省略するタンクからメッキ液Lをメッキ槽101に供給
して基板Wの処理面Wsに向けて噴出するノズル106
が配設されている。一方、メッキ槽101の上部で、か
つカソード103より下には、メッキ液Lを排出する排
出口107が配設されている。
【0005】上記構成を有することによって、基板メッ
キ装置は以下の作用をもたらす。即ち、電源ユニット1
05がカソード103とアノード104とに給電してい
る状態で、ノズル106からメッキ液Lを噴出させて、
基板Wの処理面Wsにメッキ液Lを供給する。メッキ槽
101の上部から溢れ出たメッキ液Lは、排出口107
から排出される。この過程において、メッキ液Lに触れ
ている基板Wの処理面Wsに銅のメッキ層が形成される
ようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
基板メッキ装置の場合には、次のような問題がある。メ
ッキ液Lが硫酸銅(CuSO4 )溶液の場合を例にとっ
て説明すると、アノード104は陽電極なので、硫酸銅
溶液中のマイナスイオンであるSO4 2-と硫酸銅溶液中
の水(H2 O)とがアノード104側で反応して、”H
2 O+SO4 2-→1/2O2 +H2 SO4 +2e- ”と
なる。従って、酸素ガス(O2 )Gが、図9に示すよう
に、アノード104から発生する。言うまでもなく、酸
素ガスGはメッキ液Lより軽いので、図9に示すよう
に、メッキ槽101の底部から上部へと上昇していき、
やがては基板Wの処理面Wsに到達する。基板Wに作り
込まれたホールやトレンチ等のパターンに酸素ガスGが
付着してメッキ不良を引き起こしてしまう。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、酸素ガス等のメッキ液中の泡の発生に
よるメッキ不良を防止することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
達成するために、次のような構成をとる。即ち、請求項
1に記載の発明は、基板に電解メッキ処理を施す基板メ
ッキ装置において、陽電極側と基板に電気的に接続され
た陰電極側との間に、メッキ液中の泡の通りを阻止して
43×10-3N/m以上の表面張力を有する液体が含浸
するように親水性処理が施された多孔性の仕切部材を介
在させて、メッキ槽を2つの室、即ち陽電極側のアノー
ド室と陰電極側のカソード室とに仕切ることを特徴とす
る。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、基板に電
解メッキ処理を施す基板メッキ装置において、陽電極側
と基板に電気的に接続された陰電極側との間に、ポリエ
ーテルスルフォンから成りメッキ液中の泡の通りを阻止
する多孔性の仕切部材を介在させて、メッキ槽を2つの
室、即ち陽電極側のアノード室と陰電極側のカソード室
とに仕切ることを特徴とする。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、基板に電
解メッキ処理を施す基板メッキ装置において、陽電極側
と基板に電気的に接続された陰電極側との間に、メッキ
液中の泡の通りを阻止する多孔性の仕切部材を介在させ
て、メッキ槽を2つの室、即ち陽電極側のアノード室と
陰電極側のカソード室とに仕切り、前記アノード室とカ
ソード室とへそれぞれメッキ液を供給するメッキ液供給
手段と、前記アノード室とカソード室とからそれぞれメ
ッキ液を排出するメッキ液排出手段とを備え、前記アノ
ード室が、仕切部材の全面に一定間隔で形成され、前記
メッキ液供給手段をアノード室の平面視中心部に連通接
続することを特徴とする。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の基板メッキ装置において、前記仕切部材は円形
で、その周縁と前記メッキ液供給手段とが全周で等距離
であることを特徴とする。
【0012】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
から請求項4のいずれかに記載の基板メッキ装置におい
て、前記カソード室へは添加剤を含むメッキ液を供給し
て、前記アノード室へは添加剤を含まないメッキ液を供
給することを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明の作用について説明す
る。仕切部材によってメッキ槽をアノード室とカソード
室とに仕切っていても、仕切部材は多孔性なので、メッ
キ液中のイオンまたはメッキ液はアノード室とカソード
室との間を往来して、メッキ液に触れている基板の処理
面に電解メッキ処理が施されるようになっている。
【0014】また、仕切部材はメッキ液中の泡の通りを
阻止するので、酸素ガス等のメッキ液中の泡が陽電極に
よってアノード室で発生しても、メッキ液中の泡がカソ
ード室に侵入してくることはない。
【0015】また、仕切部材が疎水性を有する物質によ
って形成されている場合、仕切部材にメッキ液が確実に
含浸されないときがある。また仕切部材は多孔性なの
で、空気等の気体が仕切部材内の孔に蓄積される「エア
だまり」と呼ばれるものが存在する。この「エアだま
り」が仕切部材内の孔に蓄積されたまま、メッキ液が供
給されると、図10に示すように、エアだまりAによっ
てメッキ液が含浸されない部分が生じてしまう。従っ
て、電解メッキ処理が施されている状態において、電界
分布が不均一になってしまう。詳述すると、図10に示
すように、エアだまりAによってメッキ液が含浸されな
い部分については、メッキ液中のイオンかつメッキ液さ
えも通しにくく難くするので電界Eは小さくなり、メッ
キ液が含浸される部分については、メッキ液中のイオン
またはメッキ液を通すので電界Eは大きくなる。電界分
布の不均一化によって、陰電極、さらには基板の処理面
に付着するメッキ液中の金属イオンが場所によって不均
一になり、メッキ処理によって形成される金属層または
金属膜も不均一になってしまう。
【0016】そこで、仕切部材が、43×10-3N/m
以上の表面張力を有する液体が含浸するように親水性処
理が施されていることを特徴とする場合は、仕切部材に
メッキ液が含浸し、エアだまりによる電界分布の不均一
化も生じることもない。これは、硫酸銅メッキ液を例に
採って説明すると、硫酸銅メッキ液の表面張力が室温で
43×10-3N/m(43dyn:1dyn/cm=1
-3N/m)以上であるので、この表面張力の値以上の
表面張力を有する液体を含浸するように仕切部材に対し
て親水性処理が施されていれば、メッキ液は仕切部材の
孔を通ることになる。従って、カソード室内の陰電極に
電気的に接続された基板の処理面に、酸素ガス等のメッ
キ液中の泡が到達して付着することなく、基板のメッキ
不良が防止されることになる。
【0017】また、基板の処理面に付着するメッキ液中
の金属イオンが不均一化することなく、メッキ処理によ
って金属層または金属膜も均一に形成される。なお、本
明細書中で「仕切部材に対して親水性処理が施される」
とは、仕切部材の表面に対して親水性処理が施されるこ
とを指すのはもちろんのこと、仕切部材が親水性の物質
で構成されていることも指すものとする。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、仕切部材
はポリエーテルスルフォンから形成され、そのような仕
切部材によってメッキ槽をアノード室とカソード室とに
仕切って、電解メッキ処理が施されるようになってい
る。
【0019】ここで固体表面が液体で湿潤される能力
は、液体の表面張力及び固体の表面自由エネルギーに依
存すると考えられている。一般に、液体の表面張力が固
体の表面自由エネルギーより小さければ、その表面は、
その液体により自然に湿潤される。そして、仕切部材の
親水性を、仕切部材上に置かれた液滴が含浸(孔を通
る)するか否かで、含浸した液滴の表面張力で表すとし
たときに、ポリエーテルスルフォンから形成された仕切
部材は、80×10-3N/m以上の表面張力よりも固体
の表面自由エネルギーが大きく充分な親水性を備えてい
る。
【0020】よって、上述のように、仕切部材が親水性
を有する部材で形成されている場合は、多孔性の仕切部
材にメッキ液が含浸し、エアだまりによる電界分布の不
均一化も生じることもない。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、メッキ槽
は、アノード室とカソード室とへそれぞれメッキ液を供
給するメッキ液供給手段と、アノード室とカソード室と
からそれぞれメッキ液を排出するメッキ液排出手段とを
備え、アノード室が、仕切部材の全面に一定間隔で形成
されるようになっている。さらに、メッキ液供給手段
は、アノード室の平面視中心部に連通接続されて構成さ
れている。
【0022】そして、メッキ液供給手段はアノード室と
カソード室とへそれぞれメッキ液を供給して、それぞれ
の室でメッキ液歯流動する。その際、アノード室は、仕
切部材の全面に一定間隔で形成されているので、例え
ば、凹凸がある場合に比べメッキ液や泡の滞留がなく、
良好に排出される。また、アノード室の中心部からメッ
キ液が供給されるので、仕切部材の全面にメッキ液が均
等に流動していき、例えば、一方側から供給される場合
に比べて、メッキ液の流動の際の流速や流量のバラツキ
が抑えられ、その結果、泡が流速の遅い部位に滞留する
ようなことがない。即ち、仕切部材の全面に沿ってメッ
キ液中の泡がメッキ液ごと速やかに排出される。
【0023】請求項4に記載の発明によれば、仕切部材
は円形に形成される。そして、仕切部材の周縁は、メッ
キ液供給手段から全周において等距離であるので、メッ
キ液や泡の滞留がより良好に防止され、仕切部材の全面
に沿ってメッキ液中の泡がメッキ液ごと速やかに排出さ
れる。
【0024】請求項5に記載の発明によれば、カソード
室へは添加剤を含むメッキ液を、アノード室へは添加剤
を含まないメッキ液を、それぞれ別系統で供給する。次
に添加剤の一使用例について説明する。
【0025】例えば、メッキ液処理によって金属層また
は金属膜を形成する際には、添加剤を使用しないと、
「ボイド」と呼ばれる空隙が生じてしまう場合がある。
即ち、図11の(a)に示すように、2つの絶縁層Iと
の間に「コンタクト」と呼ばれる孔(ビアホール)を有
しており、メッキ処理によってコンタクトCTごと上記
絶縁層の上に金属膜Mを形成する場合、添加剤を使用し
ないと、メッキ処理後には金属膜Mの間に、図11の
(b)に示すようなボイドVが生じてしまう。
【0026】そこで、上記ボイドを防止したり膜質を向
上させるべく高分子界面活性剤と有機硫黄化合物と有機
窒素化合物とを混合させた添加剤が通常時には用いられ
る。しかしながら、ボイドを防止する上記添加剤の場合
には、メッキ液処理による金属層または金属膜に取り込
まれる分と、陽電極及び陰電極に取り込まれる分と、ア
ノード室で発生した酸素ガスによって酸化分解される分
とに添加剤は消費される。特に、添加剤の多くはアノー
ド室で発生した酸素ガスによって酸化分解される。従っ
て、ボイドの防止や膜質の向上を高めるには投入する添
加剤は膨大な量となり、添加剤の濃度を制御するシステ
ムや機構が別途必要になってしまう。
【0027】そこで、カソード室へは添加剤を含むメッ
キ液を、アノード室へは添加剤を含まないメッキ液を、
それぞれ別系統で供給することによって、アノード室で
発生する酸素ガスは仕切部材によってカソード室に侵入
してこないので、酸素ガスとカソード室内のメッキ液中
の添加剤とは反応しない。また、アノード室内には添加
剤を含まないので、アノード室内でも酸素ガスと添加剤
とは反応しない。従って、酸素ガスによって添加剤が酸
化分解される量は低減されて、その結果、投入される添
加剤も低減される。
【0028】以上より、上記添加剤に限らず、一般の添
加剤の場合でも、アノード室で発生したメッキ液中の泡
が仕切部材によってカソード室に侵入してこないので、
アノード室で発生したメッキ液中の泡とカソード室内の
メッキ液中の添加剤とは反応しない。従って、メッキ液
中の泡によって添加剤が分解される量は低減されて、そ
の結果、投入される添加剤も低減される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図1はこの発明の実施例に係る基板
メッキ装置の概略構成を示すブロック図である。
【0030】基板Wは、その処理面Wsを下方に向けた
状態、いわゆるフェイスダウンで、図1に示すように、
メッキ液を貯留しているメッキ槽1の開口部2に保持さ
れている。開口部2には、基板Wに電気的に接続された
陰電極、即ちカソード3が、メッキ槽1の底部には、陽
電極、即ちアノード4がそれぞれ配設されているととも
に、前記カソード3とアノード4とは電源ユニット5に
よって接続されている。そして、カソード3とアノード
4との間で電流が流れるように給電する給電手段の機能
を、電源ユニット5は果たしている。なお、アノード4
は(メッキ液に対して)不溶性の陽電極で形成されてい
る。
【0031】次に、本実施例の特徴的な構成部分につい
て説明する。即ち、図1に示すように、本実施例装置は
特徴的部分である膜状シート6を備えているとともに、
前記膜状シート6の全面はアノード4に対して一定間隔
で形成しつつ、メッキ槽1を仕切っている。そして、膜
状シート6によってメッキ槽1が仕切られたカソード3
及び基板W側はカソード室7となっていて、膜状シート
6によってメッキ槽1が仕切られたアノード4側はアノ
ード室8となっている。また、膜状シート6は親水性の
物質であるポリエーテルスルフォンで、かつ、0.1μ
m以上の粒子を通さないように0.1μm未満の孔を多
数個有する多孔性の物質で形成されており、メッキ液中
のイオンまたはメッキ液を通すようになっている。また
膜状シート6の厚みは100〜200μmである。な
お、膜状シート6は、本発明における仕切部材に相当す
る。
【0032】また、膜状シート6とアノード4とは1m
m程度から数mm程度の間隔でもって離れているものと
する。本実施例では、膜状シート6の全面においてアノ
ード4と一定間隔で形成され、膜状シート6とアノード
4との間隔は好ましくは4mmである。なお、膜状シー
ト6とアノード4との間隔は1mm未満では膜状シート
6とアノード4とが接してしまう恐れがある。また、発
生する酸素ガスGの泡は直径が数10mm〜1mmの大
きさで目で見えるものであり、間隔が1mm未満ではメ
ッキ液の流れる余地がなくなってしまう。逆に5mmを
越えると後述するように酸素ガスG等がメッキ液ごと速
やかに排出され難くなるので、1mmから5mmぐらい
までの範囲が好ましい。
【0033】また、メッキ槽1のカソード室7には、図
1に示すように、高分子界面活性剤と有機硫黄化合物と
有機窒素化合物とを混合させた添加剤を含むメッキ液で
ある硫酸銅溶液L1 が貯留されており、メッキ槽1のア
ノード室8には、前記添加剤を含まないメッキ液である
硫酸銅溶液L2 が貯留されている。本実施例での添加剤
は、ボイド発生を防止したり、膜質の向上を高めたりす
るためのものである。なお、本実施例ではメッキ液とし
て硫酸銅を使用しているが、塩化銅等に例示されるよう
に、メッキ処理を施す液体であれば、特に限定されな
い。
【0034】また、メッキ槽1の底部には、図1に示す
ように、硫酸銅溶液L1 を供給する供給管9と、硫酸銅
溶液L2 を供給する供給管10とがそれぞれ配設されて
いるとともに、前記供給管9はカソード室7に、前記供
給管10はアノード室8に、それぞれ連通接続されてい
る。なお、供給管9の外側を供給管10が取り囲む二重
管の構造になっている。
【0035】ここで、図2に示すように供給管9は、平
面視で円形の膜状シート6の中心部に連通接続し、供給
管10も平面視で円形の円筒容器であるメッキ槽1の中
心部に、言い換えると、アノード室8の平面視中心部に
連通接続している。そして、アノード室8は、この供給
管10の連通接続部位から膜状シート6の周縁まで全周
で等距離となっている。
【0036】また、供給管9は硫酸銅溶液L1 を貯留し
ていて随時硫酸銅溶液L1 を供給するカソード用タンク
11につながっており、供給管10は硫酸銅溶液L2
貯留していて随時硫酸銅溶液L2 を供給するアノード用
タンク12につながっている。そして、供給管9にはカ
ソード用タンク11側から硫酸銅溶液L1 を噴出させる
ポンプ13が配設されており、供給管10にはアノード
用タンク12側から順に、硫酸銅溶液L2 を噴出させる
ポンプ14と、後述する酸素ガスGやアノード4で発生
した不純物を取り除くフィルタ15とが配設されてい
る。
【0037】また、カソード用タンク11とアノード用
タンク12とは、硫酸銅を補給するために、メッキ槽1
に貯留されている硫酸銅溶液L1 、硫酸銅溶液L2 より
も高い濃度の硫酸銅溶液を貯留している図示を省略する
予備用タンクにつながっており、メッキ処理によって硫
酸銅溶液L1 、硫酸銅溶液L2 の濃度が低くなると、そ
の都度、予備用タンクから硫酸銅溶液が補給されるよう
になっている。
【0038】なお、供給管9、供給管10、カソード用
タンク11、アノード用タンク12、ポンプ13、ポン
プ14、及びフィルタ15は、本発明におけるメッキ液
供給手段に相当して、供給管9とカソード用タンク11
とポンプ13とはカソード室7に硫酸銅溶液L1 を供給
する機能を果たしており、供給管10とアノード用タン
ク12とポンプ14とフィルタ15とはアノード室8に
硫酸銅溶液L2 を供給する機能を果たしている。
【0039】また、メッキ槽1の上部には、図1に示す
ように、硫酸銅溶液L1 を排出する排出管16と、硫酸
銅溶液L2 を排出する排出管17とがそれぞれ配設され
ているとともに、前記排出管16はカソード室7に、前
記排出管17はアノード室8に、それぞれ連通接続され
ている。なお、排出管16、及び排出管17は、本発明
におけるメッキ液排出手段に相当して、排出管16はカ
ソード室7から硫酸銅溶液L1 を排出する機能を果たし
ており、排出管17はアノード室8から硫酸銅溶液L2
を排出する機能を果たしている。
【0040】そして、各硫酸銅溶液L1 、硫酸銅溶液L
2 を循環させるように排出管16はカソード用タンク1
1につながっており、排出管17はアノード用タンク1
2につながっている。即ち、カソード室7へは添加剤を
含む硫酸銅溶液L1 を、アノード室8へは添加剤を含ま
ない硫酸銅溶液L2 を、それぞれ別系統で循環する(供
給して排出する)ように本実施例装置は構成されてい
る。
【0041】続いて、本実施例装置の作用・効果につい
て説明する。電源ユニット5によって陽電極であるアノ
ード4と、陰電極であるカソード3との間で電流が流れ
るようにメッキ槽1に給電されている状態で、カソード
用タンク11から、供給管9を経て、カソード室7には
添加剤を含む硫酸銅溶液L1 が供給されており、アノー
ド用タンク12から、供給管10を経て、アノード室8
には添加剤を含まない硫酸銅溶液L2 が供給されてい
る。膜状シート6は親水性の物質であるポリエーテルス
ルフォンで、かつ、0.1μm未満の孔を多数個有する
多孔性の物質で形成されているので、硫酸銅溶液L1
硫酸銅溶液L2 、もしくはイオンのみを通すようになっ
ている。従って、膜状シート6によってメッキ槽1をカ
ソード室7とアノード室8とに仕切っていても、この過
程において、硫酸銅溶液L1 に接触している基板Wの処
理面Wsにメッキ処理が施されるようになっている。
【0042】また、アノード4は(硫酸銅溶液に対し
て)不溶性の陽電極で形成されているので、硫酸銅溶液
中のマイナスイオンであるSO4 2-と硫酸銅溶液中の水
(H2O)とがアノード4側で反応して、酸素ガスGが
発生する。このとき、膜状シート6は0.1μm未満の
孔を多数個有する多孔性の物質で形成されているので、
アノード室8で発生した酸素ガスGがカソード室7に侵
入してくることはない。その結果、基板Wの処理面Ws
に、酸素ガスGが到達して付着することなく、酸素ガス
Gによる基板Wのメッキ不良を防止することができる。
【0043】また、膜状シート6は親水性の物質である
ポリエーテルスルフォンで形成されているので、膜状シ
ート6に硫酸銅溶液L1 、硫酸銅溶液L2 が含浸されや
すくなり、エアだまりによる電界分布の不均一化も生じ
ることはない。従って、基板Wの処理面Wsに付着する
硫酸銅溶液中の銅イオンが不均一化することなく、メッ
キ処理によって処理面Wsに銅を均一に形成することが
できる。即ち、80×10-3N/m以上の表面張力より
も大きい固体の表面自由エネルギーを有しているポリエ
ーテルスルフォンにより形成された膜状シート6は、表
面張力が室温で43×10-3N/mである硫酸銅溶液L
1 、L2 が含浸するのに必要な親水性を有する仕切部材
として形成されている。
【0044】また、膜状シート6の全面においてアノー
ド4と一定間隔で形成しつつ、メッキ槽1を仕切ってい
るので、膜状シート6とアノード4との間に沿って硫酸
銅溶液L2 ごと酸素ガスGが速やかに排出される。その
際、硫酸銅溶液L2 は、アノード室8の平面視中心部よ
り供給され、膜状シート6の周縁に向かって流れる。こ
の距離が膜状シート6の全周で等距離であるので、酸素
ガスGの排出が膜状シート6の全面において偏ることは
ない。その結果、酸素ガスGの残留を防止することがで
きる。特に、膜状シート6とアノード4との間隔は1m
m程度から数mm程度なので、アノード室8を流れるメ
ッキ液が滞留することなく、排出される。
【0045】排出された酸素ガスGを含む硫酸銅溶液L
2 は、排出管17を経て、アノード用タンク12に送り
込まれて、再度、供給管10のポンプ14、フィルタ1
5を経て、アノード室8に供給される。その際に、酸素
ガスGを含む硫酸銅溶液L2はフィルタ15によって酸
素ガスGが取り除かれて、硫酸銅溶液L2 のみとなって
アノード室8に供給される。
【0046】また、カソード室7へは添加剤を含む硫酸
銅溶液L1 が、アノード室8へは添加剤を含まない硫酸
銅溶液L2 が貯留されており、それぞれ別系統で循環し
ているのと、膜状シート6によって酸素ガスGが遮られ
るので、酸素ガスGとカソード室7内の硫酸銅溶液L1
中の添加剤とは反応しない。また、アノード室8内には
硫酸銅溶液L2 しかないので、アノード室8内でも酸素
ガスGと添加剤とは反応しない。従って、本実施例での
添加剤の効果であるボイド発生を防止する性能や、膜質
の性能を保ったまま、酸素ガスGによる添加剤の酸素分
解を低減することができて、投入される添加剤をも低減
することができる。さらに、添加剤の投入量の低減に伴
って、添加剤の濃度を制御するシステムや機構が不要と
なる効果もある。
【0047】本発明は、上記実施形態に限られることは
なく、下記のように変形実施することができる。
【0048】(1)上述した本実施例装置は、膜状シー
ト6はアノード4に対し一定間隔でもってメッキ槽1を
仕切っていたが、膜状シート6がポリエーテルスルフォ
ンで形成されたり、あるいは後述する変形例(2)に示
すように43×10-3N/m以上の表面張力を有する液
体(メッキ液)が膜状シート6に含浸するように親水性
処理が施されているのならば、以下の様な構成でも構わ
ない。即ち、図3に示すように、メッキ槽1に対して直
線状の傾斜を設けることによって、膜状シート6がメッ
キ槽1を仕切ったり、図4に示すように、メッキ槽1に
対して半球円状の傾斜を設けることによって、膜状シー
ト6はメッキ槽1を仕切ったりする変形例(ポンプやタ
ンクは図示省略)が考えられる。
【0049】図3の構成を有する変形例装置の場合に
は、水平方向に対してほぼ30°の角度θでもって膜状
シート6は傾斜されている。排出管17の方向に従って
上向けに膜状シート6は傾斜されているので、アノード
室8で発生した酸素ガスGがカソード室7に侵入して基
板Wの処理面Wsに到達することなく、上向けに傾斜し
た膜状シート6に沿って、酸素ガスGは硫酸銅溶液L2
ごと速やかに排出される。
【0050】同様に、図4の構成を有する変形例装置の
場合には、半球円の形状でもって膜状シート6は排出管
17の方向に従って上向けに傾斜されているので、アノ
ード室8で発生した酸素ガスGがカソード室7に侵入し
て基板Wの処理面Wsに到達することなく、半球円の形
状でもって傾斜した膜状シート6に沿って、酸素ガスG
は硫酸銅溶液L2 ごと速やかに排出される。
【0051】しかしながら、図3、及び図4のような構
成を有する変形例装置の場合には、以下のような問題点
がある。即ち、図3の構成を有する変形例装置の場合に
は、傾斜部分の両端部6aと6bとにおいて角度がつい
ているので、乱流が発生してしまい、その結果、酸素ガ
スGが6aまたは6b、あるいはアノード室8の角部で
滞留してしまう可能性がある。
【0052】また、図4の構成を有する変形例装置の場
合には、膜状シート6は半球円の形状でもって滑らかに
傾斜しているので、せっかく膜状シート6で仕切ってい
るのにも関わらず、酸素ガスGがトラップして、そのま
まカソード室7に侵入してしまう可能性がある。従っ
て、図3、及び図4の変形例装置よりも、図1の構成を
有する本実施例装置の方が好ましい。
【0053】(2)上述した本実施例装置は、膜状シー
ト6は親水性の物質であるポリエーテルスルフォンで形
成されているが、ポリエーテルスルフォン以外でも、4
3×10-3N/m以上の表面張力を有する液体が膜状シ
ート6に含浸する親水性のある物質であれば、特に限定
されない。また、膜状シート6が疎水性の物質、例え
ば、Perfluoro-alcoxyfluororesins、PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン、Polytetrafluoro-ethylene)、
PE(ポリエチレン、Polyethylene)等の物質で形成さ
れている場合には、「作用」の欄でも述べたように、エ
アだまりが生じて、電界分布を不均一にして、さらには
メッキ処理によって形成される金属層または金属膜も不
均一になってしまうので、疎水性よりも親水性の方が好
ましい。もちろん、疎水性の物質でもエアだまりが生じ
ない場合は、上記物質によって、膜状シート6を構成し
てもよい。また、疎水性の物質等の親水性でない物質の
表面に親水性処理を施したものを膜状シート6として使
用してもよい。例えば、PTFEの表面基を光重合によ
り親水基に改質したものでもよい。
【0054】また、セラミックス等のように多孔性材料
は高い親水性を示すが、物理的に焼結するための厚みが
必要となる。本実施例での膜状シート6の厚みは、上述
したように100〜200μmであり、あまりに厚みが
あると、液の圧力分布によって液が流れやすいところと
流れにくいところとが生じて、疎水性の物質と同様に、
エアだまりが生じて、メッキ処理によって形成される金
属層または金属膜も不均一になってしまう。従って、セ
ラミックス等のような厚みのある物質で形成されている
よりも、本実施例のポリエーテルスルフォンで形成され
ている方が好ましい。もちろん、特別な製法でもって、
上記セラミックスを上述した100〜200μm程度の
厚みに形成できるならば、セラミックスで形成しても構
わない。
【0055】(3)上述した本実施例装置は、循環機構
を備えた装置であったが、図5に示すように、供給機構
と排出機構とをつながない、即ち供給する系統と排出す
る系統とを別系統にする装置であってもよい。因みに、
図5の構成を有する変形例装置の場合は、排出された酸
素ガスGを含む硫酸銅溶液L2 がアノード用タンク12
に送り込まれないので、フィルタ15を必ずしも備える
ことはない。
【0056】(4)上述した本実施例装置は、カソード
室7とアノード室8とへそれぞれの硫酸銅溶液L1 と硫
酸銅溶液L2 とを供給して、カソード室7とアノード室
8とからそれぞれの硫酸銅溶液L2 とを排出する装置で
あったが、膜状シート6は多孔性で硫酸銅溶液L1 、硫
酸銅溶液L2 、もしくはイオンのみを通して、酸素ガス
Gの通過を阻止するようになっているので、図6及び図
7に示すように、カソード室7またはアノード室8の何
れかにおいて、少なくとも1つの供給管と1つの排出管
とを備える装置であってもよい。従って、例えば図7に
示すように、供給管をカソード室7にのみ備えていて、
排出管をアノード室8にのみ備えていて、カソード室7
に供給された硫酸銅溶液が膜状シート6を介してアノー
ド室8に到達してアノード室8から硫酸銅溶液が排出さ
れるような構成であってもよい。図7においては、膜状
シート6はポリエーテルスルフォンで形成されたり、あ
るいは43×10-3N/m以上の表面張力を有する液体
が膜状シート6に含浸するように親水性処理が施されて
いる。また、アノード室8で発生した酸素ガスGを排出
する点で、アノード室8に排出管を直接備える装置の方
がより好ましい。
【0057】(5)上述した本実施例装置は、アノード
4は(硫酸銅溶液に対して)不溶性の陽電極で形成され
ていたが、溶解性の陽電極で形成されていてもよい。溶
解性の陽電極で形成されている場合、アノード4自身が
金属イオン(本実施例では銅イオン)となり、メッキ液
(本実施例では硫酸銅溶液)中に溶け出す。従って、酸
素ガスは発生し難くなるが、アノード4自身がメッキ液
中に溶け出すことによって、アノード4中の不純物が発
生し易くなる。その場合でも、アノード室8で発生した
上記アノード4中の不純物が膜状シート6によって遮ら
れるので、カソード室7に侵入して基板Wの処理面Ws
に到達することはない。従って、たとえアノード4が溶
解性の陽電極で形成されていようが、酸素ガスGだけで
なく、アノード4中の不純物の発生によるメッキ不良を
も防止することができる。また、アノード4中の不純物
は硫酸銅溶液L2 ごと排出管17を介して排出されて、
図1のフィルタ15で除去されるようになっている。
【0058】(6)上述した本実施例装置は、基板W
は、その処理面Wsを下方に向けた状態、いわゆるフェ
イスダウンで構成されていたが、基板Wの処理面Wsを
上方に向けた状態、いわゆる図8に示すようなフェイス
アップで構成されていてもよい。上記フェイスアップで
構成されているとき、アノード室8で発生した酸素ガス
Gは、メッキ槽1の上部で留まって硫酸銅溶液ごと排出
される。このとき、アノード室8に連通する排出管17
は下向きに延在しているので、膜状シート6から除去さ
れる酸素ガスGが硫酸銅溶液L2 の流れとともに速やか
に排出される。また不溶性のアノード4といえども、僅
かであるが硫酸銅溶液中にアノード4自身が溶けだす
が、(5)の変形例で説明したように、アノード室8で
発生したアノード4中の不純物がメッキ槽1の上部から
底部へと下降していっても、膜状シート6によって遮ら
れているので、カソード室7に侵入して基板Wの処理面
Wsに到達することはない。以上より、酸素ガスGやア
ノード4中の不純物の発生によるメッキ不良を防止する
ことができる。
【0059】(7)上述した本実施例装置は、メッキ液
が硫酸銅溶液で、アノード室8で発生した酸素ガスによ
るメッキ不良を防止する装置であったが、メッキ液が硫
酸銅溶液以外で、アノード室8で発生した酸素ガス以外
のメッキ液中の泡によるメッキ不良を防止する装置であ
ってもよい。上述の構成を有する場合、本実施例と同様
に、アノード室8で発生したメッキ液中の泡が侵入して
基板Wの処理面Wsに到達することなく、アノード室8
からメッキ液中の泡をメッキ液ごと排出することができ
るので、基板Wのメッキ不良を防止することができる。
【0060】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1の発明
に係る基板メッキ装置によれば、アノード室とカソード
室とを仕切る仕切部材はメッキ液中の泡の通りを阻止す
るので、アノード室で発生したメッキ液中の泡が基板の
処理面に到達して付着することなく、基板のメッキ不良
を防止することができる。また、仕切部材には親水性処
理が施されているので、仕切部材にメッキ液が含浸され
やすくなり、その結果、メッキ処理によって金属層また
は金属膜を均一に形成することができる。
【0061】また、請求項2の発明に係る基板メッキ装
置によれば、仕切部材がポリエーテルスルフォンから成
ることを特徴とするので、仕切部材にメッキ液が含浸さ
れやすくなり、その結果、メッキ処理によって金属層ま
たは金属膜を均一に形成することができる。
【0062】また、請求項3の発明に係る基板メッキ装
置によれば、アノード室が、仕切部材の全面に一定間隔
で形成され、メッキ液供給手段をアノード室の平面視中
心部に連通接続しているので、アノード室で発生したメ
ッキ液中の泡がカソード室に侵入することなく、仕切部
材と陽電極との間に沿ってアノード室からメッキ液中の
泡をメッキ液ごと速やかに排出することができる。
【0063】また、請求項4の発明に係る基板メッキ装
置によれば、仕切部材は円形に形成されて、仕切部材の
周縁は、メッキ液供給手段から全周において等距離であ
るので、メッキ液や泡の滞留をより良好に防止すること
ができて、仕切部材の全面に沿ってメッキ液中の泡をメ
ッキ液ごと速やかに排出することができる。
【0064】また、請求項5の発明に係る基板メッキ装
置によれば、仕切部材によってアノード室で発生したメ
ッキ液中の泡がカソード室に侵入してこないので、アノ
ード室で発生したメッキ液中の泡とカソード室内のメッ
キ液中の添加剤とは反応しない。特に、ボイドを防止し
たり膜質を向上させる添加剤の場合には、アノード室で
発生した酸素ガスがカソード室に侵入してこないので、
酸素ガスとカソード室内のメッキ液中の添加剤とは反応
しない。従って、添加剤の効果の性能を保ったまま、メ
ッキ液中の泡によって添加剤が分解される量を低減する
ことができて、投入される添加剤をも低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る基板メッキ装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る基板メッキ装置の平面視
の概略構成を示す一部ブロック図である。
【図3】本発明に係る基板メッキ装置の変形例を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明に係る基板メッキ装置の他の変形例を示
すブロック図である。
【図5】本発明に係る基板メッキ装置の他の変形例を示
すブロック図である。
【図6】本発明に係る基板メッキ装置の他の変形例を示
すブロック図である。
【図7】本発明に係る基板メッキ装置の他の変形例を示
すブロック図である。
【図8】本発明に係る基板メッキ装置の他の変形例であ
る、基板の処理面を上方に向けたフェイスアップでの概
略構成を示すブロック図である。
【図9】従来例に係る基板メッキ装置の概略構成を示す
ブロック図である。
【図10】疎水性の物質を膜状部材として使用した場合
のエアだまりの状態を模式的に示した図である。
【図11】添加剤を使用しない場合のボイド(空隙)が
発生する状態を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 … メッキ槽 3 … カソード 4 … アノード 5 … 電源ユニット 6 … 膜状シート 7 … カソード室 8 … アノード室 9 … 供給管 10 … 供給管 11 … カソード用タンク 12 … アノード用タンク 16 … 排出管 17 … 排出管 W … 基板 Ws … 処理面 G … 酸素ガス L1 、L2 … 硫酸銅溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮城 雅宏 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 (72)発明者 平得 貞雄 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 4K024 AA09 AB01 BA11 BA15 BB09 BB12 BB28 BC10 CB01 CB13 CB26 GA01 GA16 4M104 BB04 DD52 HH20 5F067 DC06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に電解メッキ処理を施す基板メッキ
    装置において、 陽電極側と基板に電気的に接続された陰電極側との間
    に、メッキ液中の泡の通りを阻止して43×10-3N/
    m以上の表面張力を有する液体が含浸するように親水性
    処理が施された多孔性の仕切部材を介在させて、 メッキ槽を2つの室、即ち陽電極側のアノード室と陰電
    極側のカソード室とに仕切ることを特徴とする基板メッ
    キ装置。
  2. 【請求項2】 基板に電解メッキ処理を施す基板メッキ
    装置において、 陽電極側と基板に電気的に接続された陰電極側との間
    に、ポリエーテルスルフォンから成りメッキ液中の泡の
    通りを阻止する多孔性の仕切部材を介在させて、 メッキ槽を2つの室、即ち陽電極側のアノード室と陰電
    極側のカソード室とに仕切ることを特徴とする基板メッ
    キ装置。
  3. 【請求項3】 基板に電解メッキ処理を施す基板メッキ
    装置において、 陽電極側と基板に電気的に接続された陰電極側との間
    に、メッキ液中の泡の通りを阻止する多孔性の仕切部材
    を介在させて、 メッキ槽を2つの室、即ち陽電極側のアノード室と陰電
    極側のカソード室とに仕切り、 前記アノード室とカソード室とへそれぞれメッキ液を供
    給するメッキ液供給手段と、 前記アノード室とカソード室とからそれぞれメッキ液を
    排出するメッキ液排出手段とを備え、 前記アノード室が、仕切部材の全面に一定間隔で形成さ
    れ、前記メッキ液供給手段をアノード室の平面視中心部
    に連通接続することを特徴とする基板メッキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の基板メッキ装置におい
    て、 前記仕切部材は円形で、その周縁と前記メッキ液供給手
    段とが全周で等距離であることを特徴とする基板メッキ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の基板メッキ装置において、 前記カソード室へは添加剤を含むメッキ液を供給して、
    前記アノード室へは添加剤を含まないメッキ液を供給す
    ることを特徴とする基板メッキ装置。
JP2000178708A 2000-06-14 2000-06-14 基板メッキ装置 Expired - Lifetime JP3568455B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000178708A JP3568455B2 (ja) 2000-06-14 2000-06-14 基板メッキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000178708A JP3568455B2 (ja) 2000-06-14 2000-06-14 基板メッキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002004099A true JP2002004099A (ja) 2002-01-09
JP3568455B2 JP3568455B2 (ja) 2004-09-22

Family

ID=18680100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000178708A Expired - Lifetime JP3568455B2 (ja) 2000-06-14 2000-06-14 基板メッキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3568455B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004524436A (ja) * 2000-07-06 2004-08-12 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電気化学的メッキシステムにおいて使用されるフローディフューザ
JP2005043069A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 吸光度計、濃度測定装置、めっき液分析装置、めっき装置、めっき液分析方法、およびめっき方法
JP2006176820A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Electroplating Eng Of Japan Co めっき装置
JP2007169773A (ja) * 2005-11-22 2007-07-05 Electroplating Eng Of Japan Co めっき装置
JP2016522860A (ja) * 2013-05-09 2016-08-04 エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド ウェハのメッキおよび/または研磨のための装置および方法
JP2017503929A (ja) * 2013-11-25 2017-02-02 エンソン インコーポレイテッド 銅の電析
JP2017166072A (ja) * 2017-05-15 2017-09-21 エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド ウェハのメッキおよび/または研磨のための装置および方法
TWI647343B (zh) * 2014-05-16 2019-01-11 盛美半導體設備(上海)有限公司 Apparatus and method for electroplating or electropolishing bracts
JP6951609B1 (ja) * 2020-12-28 2021-10-20 株式会社荏原製作所 めっき装置
JP7057869B1 (ja) * 2021-10-28 2022-04-20 株式会社荏原製作所 めっき装置
WO2022107551A1 (ja) * 2020-11-20 2022-05-27 三友セミコンエンジニアリング株式会社 めっき装置
CN114916234A (zh) * 2020-12-08 2022-08-16 株式会社荏原制作所 镀覆装置以及镀覆处理方法
CN115135815A (zh) * 2021-10-18 2022-09-30 株式会社荏原制作所 镀覆处理方法
TWI789096B (zh) * 2021-11-03 2023-01-01 日商荏原製作所股份有限公司 鍍覆裝置
CN116802346A (zh) * 2022-04-21 2023-09-22 株式会社荏原制作所 镀覆装置
JP7467782B1 (ja) 2023-09-25 2024-04-15 株式会社荏原製作所 めっき装置およびめっき液排出方法

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004524436A (ja) * 2000-07-06 2004-08-12 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電気化学的メッキシステムにおいて使用されるフローディフューザ
JP2005043069A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 吸光度計、濃度測定装置、めっき液分析装置、めっき装置、めっき液分析方法、およびめっき方法
JP2006176820A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Electroplating Eng Of Japan Co めっき装置
JP4560400B2 (ja) * 2004-12-22 2010-10-13 日本エレクトロプレイテイング・エンジニヤース株式会社 めっき装置
JP2007169773A (ja) * 2005-11-22 2007-07-05 Electroplating Eng Of Japan Co めっき装置
JP2016522860A (ja) * 2013-05-09 2016-08-04 エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド ウェハのメッキおよび/または研磨のための装置および方法
JP2017503929A (ja) * 2013-11-25 2017-02-02 エンソン インコーポレイテッド 銅の電析
TWI647343B (zh) * 2014-05-16 2019-01-11 盛美半導體設備(上海)有限公司 Apparatus and method for electroplating or electropolishing bracts
JP2017166072A (ja) * 2017-05-15 2017-09-21 エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド ウェハのメッキおよび/または研磨のための装置および方法
WO2022107551A1 (ja) * 2020-11-20 2022-05-27 三友セミコンエンジニアリング株式会社 めっき装置
CN114916234A (zh) * 2020-12-08 2022-08-16 株式会社荏原制作所 镀覆装置以及镀覆处理方法
JP6951609B1 (ja) * 2020-12-28 2021-10-20 株式会社荏原製作所 めっき装置
WO2022144985A1 (ja) * 2020-12-28 2022-07-07 株式会社荏原製作所 めっき装置
CN115135815A (zh) * 2021-10-18 2022-09-30 株式会社荏原制作所 镀覆处理方法
JP7057869B1 (ja) * 2021-10-28 2022-04-20 株式会社荏原製作所 めっき装置
CN115135813A (zh) * 2021-10-28 2022-09-30 株式会社荏原制作所 镀覆装置
KR102475318B1 (ko) * 2021-10-28 2022-12-08 가부시키가이샤 에바라 세이사꾸쇼 도금 장치
WO2023073860A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 株式会社荏原製作所 めっき装置
TWI789096B (zh) * 2021-11-03 2023-01-01 日商荏原製作所股份有限公司 鍍覆裝置
CN116802346A (zh) * 2022-04-21 2023-09-22 株式会社荏原制作所 镀覆装置
CN116802346B (zh) * 2022-04-21 2024-04-16 株式会社荏原制作所 镀覆装置
JP7467782B1 (ja) 2023-09-25 2024-04-15 株式会社荏原製作所 めっき装置およびめっき液排出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3568455B2 (ja) 2004-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002004099A (ja) 基板メッキ装置
US8475637B2 (en) Electroplating apparatus with vented electrolyte manifold
TWI345801B (en) Electrochemical processing cell
US6365017B1 (en) Substrate plating device
EP1048757B1 (en) Plating method and apparatus
US6852209B2 (en) Insoluble electrode for electrochemical operations on substrates
JP2006525429A5 (ja)
WO2022144985A1 (ja) めっき装置
US20040026255A1 (en) Insoluble anode loop in copper electrodeposition cell for interconnect formation
TW202210664A (zh) 基板之化學及/或電解表面處理之電化學沈積系統
US6793794B2 (en) Substrate plating apparatus and method
JP2008038208A (ja) めっき処理装置および半導体装置の製造方法
JP3677911B2 (ja) 半導体ウエハのめっき方法及びその装置
JP7161085B1 (ja) めっき装置
US6846392B1 (en) Hydrophobic and hydrophilic membranes to vent trapped gases in a plating cell
CN115135815B (zh) 镀覆处理方法
JP7162785B1 (ja) アノード室の液管理方法、及びめっき装置
US11697887B2 (en) Multi-compartment electrochemical replenishment cell
TW202334512A (zh) 用於基板之化學及/或電解表面處理之系統
JP2002220698A (ja) 液処理装置
JP2003201600A (ja) メッキ処理装置、および半導体デバイスの製造方法
JPH086037Y2 (ja) 電解めっき装置
JP2003147596A (ja) メッキ処理装置のミストトラップ機構、メッキ処理装置のミストトラップ方法
WO2000075402A1 (en) Hydrophobic and hydrophilic membranes to vent trapped gases in a plating cell
JPH10154871A (ja) バンプ接点を有する回路基板の製造方法およびそれに用いる噴流式めっき装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6