JP2002003953A - 連続焼鈍炉内への雰囲気ガス供給方法と装置 - Google Patents

連続焼鈍炉内への雰囲気ガス供給方法と装置

Info

Publication number
JP2002003953A
JP2002003953A JP2000184700A JP2000184700A JP2002003953A JP 2002003953 A JP2002003953 A JP 2002003953A JP 2000184700 A JP2000184700 A JP 2000184700A JP 2000184700 A JP2000184700 A JP 2000184700A JP 2002003953 A JP2002003953 A JP 2002003953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
cooling
gas
continuous annealing
atmosphere gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000184700A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4123690B2 (ja
Inventor
Koichi Taya
耕一 田谷
Takahito Yokote
隆人 横手
Manabu Morinaga
学 森永
Koichi Takeuchi
孝一 武内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2000184700A priority Critical patent/JP4123690B2/ja
Publication of JP2002003953A publication Critical patent/JP2002003953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4123690B2 publication Critical patent/JP4123690B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続焼鈍炉内で鋼板表面の酸化皮膜の生成を
抑制し、ハースロール上へのビルドアップを防止する。 【解決手段】 区画形成された複数の炉から構成される
連続焼鈍炉内にN2+H2からなる雰囲気ガスを供給する際
に、各炉毎に雰囲気ガスを分配して供給するとともに、
冷却装置を備えている冷却炉への上記雰囲気ガスの供給
量を他の炉への供給量よりも多くし、かつ該冷却炉か
ら、前後の炉に向かう雰囲気ガスの流れを形成すること
で、炉内の雰囲気ガスの露点の上昇を阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストリップをロー
ルにより搬送しながら、当該ストリップを加熱そして冷
却して連続的に熱処理を行う連続焼鈍炉の内部へ雰囲気
ガスを供給する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍炉は、従来より、冷延鋼帯ある
いは溶融亜鉛めっき用鋼帯等の製造に採用されている。
【0003】図1は、従来の連続焼鈍炉の全体構成を示
す模式的説明図である。この連続焼鈍炉10は主に直火炉
12、加熱炉14、均熱炉16、徐冷炉 (図示せず)、冷却炉2
0、過時効炉22、2次冷却炉24、そして場合により3次
冷却炉26、等のそれぞれ区画形成された複数の炉から構
成されており、ストリップ1はこれら各炉を順次通過す
ることにより加熱そして冷却を受け、所定の製品特性を
得る。3次冷却炉26は最終冷却のために用いられ、水冷
方式をとっている。
【0004】このようなストリップの連続焼鈍炉におい
ては、鋼板の酸化を防止するため、操業中の炉内雰囲気
を還元性雰囲気とすることが必要で、雰囲気ガスとして
N2+H2等の雰囲気ガスを供給し、還元性雰囲気を確保し
ている。図中、外部から供給されるN2 ガスおよびH2
ガスはガス混合器2で所定比率で混合されてから、各炉
に供給する。
【0005】このように雰囲気ガスは、図示例では、各
炉に上下方向から、それぞれ供給されているが、連続焼
鈍炉全体の雰囲気ガスの流れは、それぞれの炉へのガス
供給量を調整することで、中央の冷却炉から上流側およ
び下流側に向かってそれぞれ流れ、最終的に入口および
出口から外部に排出される。
【0006】排気ブロア3は、そのような炉内のガス流
れを促進するためにに設けられている。排気ブロア3の
設置位置は、ストリップ搬入口またはストリップ搬出口
だけを有する炉にそれぞれ設けられている。ただし、図
示例では2次冷却炉に設けられているが、これは3次冷
却炉が追加装置として炉外に取り付けられたものである
からである。
【0007】図中、ストリップ1は、各炉の上下に設け
たハースロール30に沿って炉内を搬送される。しかしな
がら、操業条件の変動その他の場合、鋼板表面の酸化が
生じるときがあり、特にその傾向は、ストリップが冷却
炉、特に1次冷却炉に入る段階でしばしば見られる。そ
のような鋼板の表面酸化が生じると、今度は、ストリッ
プの冷却時に炉内ハースロール上にビルドアップが生成
することがあり、このような問題は、冷却炉の段階で顕
著となることが知られている。
【0008】後者の問題の対策としては、従来にあって
も、ハースロールに接する前の鋼帯表面に400 ℃以上の
還元性ガスを吹き付ける方法が提案されている (特開昭
55−107720号公報) 。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、冷却装置を
備えている炉では、以下の理由で炉内ハースロール上に
ビルドアップが生じる場合があり、ストリップに押し込
み疵を発生させ、歩留まりを悪化させている。これは、 還元性雰囲気を確保できない状況が発生する、そして 鋼板表面の酸化物が、冷却されストリップとの熱膨張
差によって、鋼板から剥離しハースロール上にビルドア
ップを生成させるためと考えられている。
【0010】の対応として還元性雰囲気は、H2濃度、
露点、ストリップ温度の関係で決定され、この管理を適
正に行うことが必要である。ただし、ストリップ温度は
製品特性上変更できないし、露点も変更することができ
ないため、実質はH2濃度を上げることで、還元性を確保
しているのが実態である。そのため、還元性雰囲気を安
定して確保するため、H2濃度を高めて管理を行ってき
た。このため、雰囲気ガスの使用量が大きくコストアッ
プを招いていた。
【0011】の対応としては、ハースロールに接する
前の鋼帯表面に400 ℃以上の還元性ガスを吹き付けるこ
とを特徴とする方法では、冷却帯で高温の雰囲気ガスを
吹き付けるため、製品特性上実施不可能である。
【0012】ここに、本発明の課題は、鋼板表面の酸化
皮膜の生成をできる限り抑制して、ハースロール上への
ビルドアップを防止できる技術を開発することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するため、調査・検討を行ったところ、雰囲気
ガスの流れに滞留部が見られ、その部分において酸化性
雰囲気が形成され易いこと、そしてそのような滞留部は
炉内へ雰囲気ガスを供給するノズルの近傍、ガス循環方
式の炉の場合にはそのような循環系内に見られること、
特に雰囲気ガスを熱交換器を介して冷却ガスとしてスト
リップを冷却する冷却装置を備える冷却炉では、循環系
統内において雰囲気ガスの特に顕著な滞留があることが
明らかになった。
【0014】これは、ストリップの表面は微小酸化皮膜
に覆われており、これを雰囲気ガスを吹き付けて冷却し
ているが、表面の微小酸化物が還元したときに発生する
H2Oが、冷却装置の吸引側に入り込み循環系統で徐々に
濃度が高くなり、露点が上昇し、還元性雰囲気が損なわ
れるためである。
【0015】そこでこの対策として、冷却装置を備えて
いる冷却炉への雰囲気ガスの供給量を他の炉の供給量よ
りも多くし、冷却炉の前後の炉のいずれかの方向あるい
はその両方の方向へ向かう雰囲気ガスの流れを形成する
ことによって、この滞留を防止し、露点の上昇を抑え、
還元性雰囲気を維持することを着想した。
【0016】また、この対策をより効果的に行うための
装置として、雰囲気ガスの供給元より、冷却炉の雰囲気
ガスを熱交換器を介して冷却ガスとして循環使用してス
トリップを冷却する循環式冷却装置の循環系統へ直接供
給する構成を採用する。
【0017】さらに、冷却炉へ雰囲気ガスを供給する際
に、上記循環式冷却装置の熱交換器の入側および出側の
一方または双方にに供給口を設け、そこへ雰囲気ガスを
供給するように構成してもよい。
【0018】よって、本発明は次の通りである。 (1) 区画形成された複数の炉から構成される連続焼鈍炉
内にN2+H2からなる雰囲気ガスを供給する方法におい
て、各炉毎に雰囲気ガスを分配して供給するとともに、
冷却装置を備えている冷却炉への上記雰囲気ガスの供給
量を他の炉への供給量よりも多くし、かつ該冷却炉から
前後の炉に向かう雰囲気ガスの流れを形成することを特
徴とする連続焼鈍炉の雰囲気ガス供給方法。
【0019】(2) 区画形成された複数の炉から構成され
る連続焼鈍炉内にN2+H2からなる雰囲気ガスを供給する
方法において、雰囲気ガスを炉内から取り出して熱交換
器を介して冷却し、再び雰囲気ガスとして炉内に戻して
ストリップを冷却する雰囲気ガス循環式冷却装置を備え
ている冷却炉への上記雰囲気ガスの供給量を他の炉への
供給量よりも多くし、かつ該冷却炉から前後の炉に向か
う雰囲気ガスの流れを形成することを特徴とする連続焼
鈍炉の雰囲気ガス供給方法。
【0020】(3) 区画形成された複数の炉から構成され
る連続焼鈍炉であって、雰囲気ガス循環式冷却装置を備
え、かつ該装置の循環系統に、系外からN2+H2からなる
雰囲気ガスを供給する供給口を設けた冷却炉を有するこ
とを特徴する連続焼鈍炉。
【0021】(4) 前記雰囲気ガス循環式冷却装置の循環
系統を、熱交換器および循環ブロアーで構成し、該熱交
換器の前後に両方またはその一方に、前記雰囲気ガスを
供給する供給口を設けることを特徴とする上記(3) 記載
の連続焼鈍炉。
【0022】(5) 前記冷却炉への雰囲気ガスを供給する
ノズル口を設け、該冷却炉の形式として、ストリップの
入口と、出口の高さが同じ場合は、前記ノズル口を該出
口、入口の位置よりほぼ炉高分だけ離れた位置に設け、
また、ストリップの入口と、出口の高さが異なる場合
は、前記ノズル口をこれらの入口、出口の高さのほぼ中
間の高さ位置に設けたことを特徴とする上記(3) または
(4) 記載の連続焼鈍炉。
【0023】(6) 前記冷却炉からの、前後の炉へ雰囲気
ガスの流れを促進するために、連続焼鈍炉の各炉のう
ち、ストリップ進入口または/およびストリップ出口だ
けを有する炉については、雰囲気ガスを炉外へ排出する
装置を備えることを特徴とする上記(3) 〜(5) のいずれ
かに記載の連続焼鈍炉。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
の態様についてさらに具体的に説明するが、以下の説明
においては、1次冷却炉、つまり冷却炉に雰囲気ガスを
供給する場合を例にとるが、別の態様においては、冷却
炉として、2次冷却炉を対象としてもよい。
【0025】本発明の基本的な考え方は、冷却炉内の雰
囲気ガスの露点が上昇することによる還元性雰囲気の劣
化を防止して、絶えず雰囲気ガスの還元性を維持するこ
とにある。
【0026】より具体的には、冷却炉の雰囲気ガスを熱
交換器を介して冷却ガスとしてストリップを冷却する冷
却装置を備えている冷却炉では、雰囲気ガスを循環させ
て、ストリップを冷却するため、表面が微小酸化皮膜(
厚さ200 〜500 オングストローム) に覆われているスト
リップに対し、表面の微小酸化物が還元したときに発生
するH2O が、冷却装置の吸引側に入り込み、循環系統で
徐々に濃度が高くなりこれが置換されないまま露点が上
昇し、還元性雰囲気が損なわれるため、この露点上昇を
抑えることにある。本発明の別の基本的考えはかかる循
環系統における露点上昇を防止することである。
【0027】本発明においても図1に示す連続焼鈍炉を
使用することができ、本発明によれば、上述のように雰
囲気ガスの還元性を維持するために、冷却炉20から雰囲
気ガスを供給し、上流側、下流側の前後の炉へ向けて、
雰囲気ガスの流れを形成することで、炉内の雰囲気ガス
の流れの滞留をなくし、H2O の濃度上昇を抑え、これを
もって露点上昇を抑え、還元性雰囲気を安定して維持す
るのである。
【0028】あるいは、冷却ガスの循環式冷却装置を備
えている場合には、この循環系内に外部からの雰囲気ガ
スを供給することで、冷却ガスの露点の上昇を防止する
ように構成してもよい。好ましくは、上述のような方法
を実施する装置において、かかる構成の循環式冷却装置
を設ける。
【0029】ここに、冷却炉への雰囲気ガスの供給は、
炉頂部からあるいは炉中央部から行うが、そのときに当
該冷却炉から前後の炉に向かう雰囲気ガス流れを形成す
るには、各炉への雰囲気ガス供給量を調整することで可
能となる。例えば、図1において冷却炉20への雰囲気ガ
ス供給量を500NM3/Hとし、上流および下流の次の均熱炉
および過時効炉22への供給量をそれぞれ200 、300NM3/H
とし、さらにそれらの炉のさらに上流、下流の加熱炉14
およびに2次冷却炉24への供給量をそれぞれ100 、100N
M3/Hとすることで、効果的に雰囲気ガス流れを調整でき
る。連続焼鈍炉での入口に相当する直火炉12および出口
に相当する2次冷却炉24にはそれぞれ雰囲気ガス流れの
排出を促進するために排気ブロア3 が設けられ、上述の
ような上流、下流方向への雰囲気ガス流れが促進され
る。
【0030】図2(a) 、(b) 、(c) は、それぞれ本発明
において使用する冷却炉への冷却ガス供給方式を説明す
る模式図であり、本発明の場合、いずれの方式でもよい
が、還元性雰囲気劣化防止の観点からは、図2(c) の方
式が好ましい。以下、順次説明する。
【0031】図2(a) は、冷却炉への雰囲気ガスの供給
ノズル32については、冷却炉の形式として、ストリップ
入口と出口の高さが同じ場合、その位置より、ほぼ炉高
分だけ離れた位置とした、雰囲気ガスの供給方法を示
す。ここに「炉高」は炉床と炉頂との間の距離をいう。
【0032】図2(b) は、冷却炉への雰囲気ガス供給口
については、ストリップの入口と出口の高さが異なる場
合は、中間高さ位置とした、雰囲気ガスの供給方法を示
す。ここに (ストリップ入口高さ−ストリップ出口高
さ) ・1/2 =中間高さ位置である。
【0033】図2(c) は、冷却炉の雰囲気ガス循環式冷
却装置36の循環系統にあって、熱交換器8および循環ブ
ロアー7で構成されるもののうち、熱交換器8の前後に
供給口42を設け雰囲気ガスを供給する方法を示す。
【0034】図2(a) において、図1の混合器を出た雰
囲気ガス( N2 +H2)は、冷却炉4の上方に設けたノズ
ル32から炉内に供給される。ノズル32の分布は炉内全体
の雰囲気が淀みなく、上方から下方に流れるようにすれ
ばよく、特定の配置には制限されない。しかし、特に上
方4隅部にガス流れの滞留部を生じさせないように、好
ましくは、全体に均一に供給ノズルを配置する。このよ
うな雰囲気ガスの流れの中をストリップ1は、炉内の上
下に設けられたハースロールを通過しながら、次の炉に
搬送される。図中、冷却装置5は、通常のガスジェット
冷却装置およびロール冷却装置を用いることがでる。
【0035】図2(b) は、別の方式を示すもので、雰囲
気ガス( N2 +H2)は、上下ハースロールの中間位置か
ら炉内に供給され、この中間位置に設けられたノズルか
らは上下方向に雰囲気ガスが供給される。この場合に
も、ノズルの配置は炉中央部における炉内雰囲気ガスの
滞留が生じないようにする限り特定の配置に制限されな
い。
【0036】図2(c) は、さらに別の態様を示すもの
で、混合器から供給される雰囲気ガスは、まず、上流側
および下流側に分割され、それぞれにおいて上段および
下段に分けて炉内に雰囲気ガスを供給する。図示例で
は、それぞれの雰囲気ガス供給系は炉内ガスと循環系を
構成しており、途中、熱交換器を備えている。外部から
供給される雰囲気ガスがこの熱交換器の出口、入口の双
方または一方に供給されているのは、一種の希釈作用の
ためであり、仮に露点が高くなった雰囲気ガスを循環さ
せているときでも露点を下げることができるからであ
る。各循環系統のガス供給量は10〜20NM3/H である。好
適態様では熱交換器の出口側の供給口だけから、例えば
10NM3/H 供給する。
【0037】なお、本発明における雰囲気ガス組成は例
えば20℃でN2:98体積%、H2:2体積%である。次に、
実施例によって本発明の作用効果をさらに具体的に説明
する。
【0038】
【実施例】本例においても、図1に全体構成を示す連続
焼鈍炉10を使って鋼板の連続焼鈍を行った。ただし、冷
却炉20には雰囲気ガス循環系が設けられており、その詳
細は、図2(a) 、図2(b) 、図2(c) に示す通りであ
る。
【0039】図1は、直火炉12、加熱炉14、均熱炉16、
冷却炉20、過時効炉22、2次冷却炉24、3次冷却炉26を
有する連続焼鈍炉10で、冷却炉からの前後の炉へ雰囲気
ガスの流れを促進するために、ストリップ搬入口を備え
た直火炉12およびストリップ搬出口を備えた2次冷却炉
24については、雰囲気ガスを炉外へ排出するブロアを備
えている。
【0040】図1に示す全体構成を有し、図2(c) に示
す冷却炉を備える構成とした。雰囲気ガスは冷却器の出
口において10NM3/H の割合でそれぞれ循環系統で供給し
た。使用雰囲気ガスはH2ガス2体積%、N2ガス98%の組
成を有し、温度は20℃であった。
【0041】本例における冷却炉における冷却形態は、
通常のガスジェット冷却装置であった。各炉へのガス供
給量は前述の通りであった。かくして、本発明によれ
ば、冷却炉20を中心として、前後の炉へ雰囲気ガスが流
入し、炉全体に雰囲気ガスの流れが生じる。これによ
り、冷却炉に高露点雰囲気ガスを滞留させなくする。こ
れによりハースロールへのビルドアップの発生を防止で
きる。
【0042】すなわち、本発明によれば、冷却炉の露点
は図3に示すように、従来方法 (Feの酸化域に存在す
る) に較べ、露点が低く、Feの還元領域に安定して存在
するため、ストリップ表面が、酸化されず、安定して、
還元領域に存在することが確認された。
【0043】ここに従来法は過時効炉だけは炉容が大き
いため雰囲気ガスの供給量を200NM3/Hとした以外は、加
熱炉、均熱炉、冷却炉および2次冷却炉のいずれも100N
M3/Hだけ供給した。各炉へのガスの供給は炉の上下から
行った。
【0044】本例において、ハースロール上にビルドア
ップの形成状況を図4、図5に示す。図4は、ハースロ
ールビルドアップの個数を、図5は、ビルドアップ高
さ、つまり有害度を示すが、いずれのケースにおいて
も、本発明の優位性が明らかである。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、炉内の還元性雰囲気が安定して維持でき、その結
果、ストリップの表面酸化が見られず、そしてビルドア
ップの形成はほぼ1/10以下と大幅に減少し、その高さも
ほぼ1/4 となり、実用上問題とならない程度にまで解消
できるのであって、本発明の実用上の意義は大きく、斯
界の技術進歩に対する貢献には大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主体となる、連続焼鈍炉の全体構成を
示す説明図である。
【図2】図2(a) 〜(c) は、本発明の最重要となる、冷
却炉への雰囲気ガス投入方法を示す説明図である。
【図3】本発明によって改善される、露点および炉内還
元性を示すグラフである。
【図4】本発明によって改善される、ビルドアップの形
成状況を示すがグラフである。
【図5】本発明によって改善される、ビルドアップの形
成状況を示すがグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森永 学 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 武内 孝一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4K043 AA01 CB03 DA05 EA06 FA06 FA11 GA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 区画形成された複数の炉から構成される
    連続焼鈍炉内にN2+H2からなる雰囲気ガスを供給する方
    法において、各炉毎に雰囲気ガスを分配して供給すると
    ともに、冷却装置を備えている冷却炉への上記雰囲気ガ
    スの供給量を他の炉への供給量よりも多くし、かつ該冷
    却炉から前後の炉に向かう雰囲気ガスの流れを形成する
    ことを特徴とする連続焼鈍炉の雰囲気ガス供給方法。
  2. 【請求項2】 区画形成された複数の炉から構成される
    連続焼鈍炉内にN2+H2からなる雰囲気ガスを供給する方
    法において、雰囲気ガスを炉内から取り出して熱交換器
    を介して冷却し、再び雰囲気ガスとして炉内に戻してス
    トリップを冷却する雰囲気ガス循環式冷却装置を備えて
    いる冷却炉への上記雰囲気ガスの供給量を他の炉への供
    給量よりも多くし、かつ該冷却炉から前後の炉に向かう
    雰囲気ガスの流れを形成することを特徴とする連続焼鈍
    炉の雰囲気ガス供給方法。
  3. 【請求項3】 区画形成された複数の炉から構成される
    連続焼鈍炉であって、雰囲気ガス循環式冷却装置を備
    え、かつ該装置の循環系統に、系外からN2+H2からなる
    雰囲気ガスを供給する供給口を設けた冷却炉を有するこ
    とを特徴する連続焼鈍炉。
  4. 【請求項4】 前記雰囲気ガス循環式冷却装置の循環系
    統を、熱交換器および循環ブロアーで構成し、該熱交換
    器の前後の両方または一方に、前記雰囲気ガスを供給す
    る供給口を設けることを特徴とする請求項3記載の連続
    焼鈍炉。
  5. 【請求項5】 前記冷却炉への雰囲気ガスを供給するノ
    ズル口を設け、該冷却炉の形式として、ストリップの入
    口と、出口の高さが同じ場合は、前記ノズル口を該出
    口、入口の位置よりほぼ炉高分だけ離れた位置に設け、
    また、ストリップの入口と、出口の高さが異なる場合
    は、前記ノズル口をこれらの入口、出口の高さのほぼ中
    間の高さ位置に設けたことを特徴とする請求項3または
    4記載の連続焼鈍炉。
  6. 【請求項6】 前記冷却炉からの、前後の炉へ雰囲気ガ
    スの流れを促進するために、連続焼鈍炉の各炉のうち、
    ストリップ搬入口または/およびストリップ搬出口だけ
    を有する炉については、雰囲気ガスを炉外へ排出する装
    置を備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに
    記載の連続焼鈍炉。
JP2000184700A 2000-06-20 2000-06-20 連続焼鈍炉内への雰囲気ガス供給方法 Expired - Fee Related JP4123690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000184700A JP4123690B2 (ja) 2000-06-20 2000-06-20 連続焼鈍炉内への雰囲気ガス供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000184700A JP4123690B2 (ja) 2000-06-20 2000-06-20 連続焼鈍炉内への雰囲気ガス供給方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002003953A true JP2002003953A (ja) 2002-01-09
JP4123690B2 JP4123690B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=18685113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000184700A Expired - Fee Related JP4123690B2 (ja) 2000-06-20 2000-06-20 連続焼鈍炉内への雰囲気ガス供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4123690B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004024959A1 (fr) * 2002-09-13 2004-03-25 Drever International S.A. Controle d’atmosphere pendant le procede de traitement thermique des bandes metalliques en continu
JP2006316345A (ja) * 2005-04-12 2006-11-24 Nippon Steel Corp 連続熱処理設備の冷却帯における鋼帯の冷却方法及び冷却装置
JP2010229488A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nisshin Steel Co Ltd フェライト系ステンレス鋼研磨仕上げ材の製造方法
JP2012233238A (ja) * 2011-05-02 2012-11-29 Ihi Corp 連続式加熱炉
WO2013153791A1 (ja) 2012-04-09 2013-10-17 Jfeスチール株式会社 焼鈍炉内雰囲気ガスの露点低減方法、その装置及び冷延焼鈍鋼板の製造方法
WO2013153790A1 (ja) 2012-04-09 2013-10-17 Jfeスチール株式会社 焼鈍炉内雰囲気ガスの露点低減方法、その装置及び冷延焼鈍鋼板の製造方法
JP5565485B1 (ja) * 2013-02-25 2014-08-06 Jfeスチール株式会社 鋼帯の連続焼鈍装置および連続溶融亜鉛めっき装置
JP2015506412A (ja) * 2011-12-21 2015-03-02 ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG 鋼板材の熱処理用の炉のためのノズル装置およびこのようなノズル装置を備えた炉
WO2015068369A1 (ja) * 2013-11-07 2015-05-14 Jfeスチール株式会社 連続焼鈍設備および連続焼鈍方法
WO2016152018A1 (ja) * 2015-03-23 2016-09-29 Jfeスチール株式会社 連続溶融亜鉛めっき装置及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
WO2017182833A1 (en) * 2016-04-19 2017-10-26 Arcelormittal Method for producing a metallic coated steel sheet

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004024959A1 (fr) * 2002-09-13 2004-03-25 Drever International S.A. Controle d’atmosphere pendant le procede de traitement thermique des bandes metalliques en continu
BE1015109A3 (fr) * 2002-09-13 2004-10-05 Drever Internat S A Procede de traitemant thermique de bande metallique.
EA008419B1 (ru) * 2002-09-13 2007-04-27 Древер Энтернасьональ, С.А. Способ термической обработки металлической ленты
US7384489B2 (en) 2002-09-13 2008-06-10 Drever International S.A. Atmosphere control during continuous heat treatment of metal strips
KR100954164B1 (ko) 2002-09-13 2010-04-20 드르베르 엥떼르나씨오날 에스.아. 금속 스트립의 연속적 열처리 과정 중 분위기 조절 방법
JP2006316345A (ja) * 2005-04-12 2006-11-24 Nippon Steel Corp 連続熱処理設備の冷却帯における鋼帯の冷却方法及び冷却装置
JP2010229488A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nisshin Steel Co Ltd フェライト系ステンレス鋼研磨仕上げ材の製造方法
JP2012233238A (ja) * 2011-05-02 2012-11-29 Ihi Corp 連続式加熱炉
JP2015506412A (ja) * 2011-12-21 2015-03-02 ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG 鋼板材の熱処理用の炉のためのノズル装置およびこのようなノズル装置を備えた炉
US9657366B2 (en) 2012-04-09 2017-05-23 Jfe Steel Corporation Method of reducing dew point of atmosphere gas in annealing furnace, apparatus for the same and method of producing cold-rolled and annealed steel sheet
WO2013153791A1 (ja) 2012-04-09 2013-10-17 Jfeスチール株式会社 焼鈍炉内雰囲気ガスの露点低減方法、その装置及び冷延焼鈍鋼板の製造方法
WO2013153790A1 (ja) 2012-04-09 2013-10-17 Jfeスチール株式会社 焼鈍炉内雰囲気ガスの露点低減方法、その装置及び冷延焼鈍鋼板の製造方法
JP5565485B1 (ja) * 2013-02-25 2014-08-06 Jfeスチール株式会社 鋼帯の連続焼鈍装置および連続溶融亜鉛めっき装置
WO2014129177A1 (ja) * 2013-02-25 2014-08-28 Jfeスチール株式会社 鋼帯の連続焼鈍装置および連続溶融亜鉛めっき装置
CN105074021A (zh) * 2013-02-25 2015-11-18 杰富意钢铁株式会社 钢带的连续退火装置以及连续熔融镀锌装置
US9499875B2 (en) 2013-02-25 2016-11-22 Jfe Steel Corporation Continuous annealing device and continuous hot-dip galvanising device for steel strip
WO2015068369A1 (ja) * 2013-11-07 2015-05-14 Jfeスチール株式会社 連続焼鈍設備および連続焼鈍方法
JP5790898B1 (ja) * 2013-11-07 2015-10-07 Jfeスチール株式会社 連続焼鈍設備および連続焼鈍方法
US10415115B2 (en) 2013-11-07 2019-09-17 Jfe Steel Corporation Continuous annealing system and continuous annealing method
JP2016180137A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 Jfeスチール株式会社 連続溶融亜鉛めっき装置及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
WO2016152018A1 (ja) * 2015-03-23 2016-09-29 Jfeスチール株式会社 連続溶融亜鉛めっき装置及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
WO2017182833A1 (en) * 2016-04-19 2017-10-26 Arcelormittal Method for producing a metallic coated steel sheet
WO2017182863A1 (en) * 2016-04-19 2017-10-26 Arcelormittal Method for producing a metallic coated steel sheet
CN109072323A (zh) * 2016-04-19 2018-12-21 安赛乐米塔尔公司 用于生产金属涂覆钢板的方法
RU2696126C1 (ru) * 2016-04-19 2019-07-31 Арселормиттал Способ изготовления стального листа с металлическим покрытием
US11131005B2 (en) 2016-04-19 2021-09-28 Arcelormittal Method for producing a metallic coated steel sheet

Also Published As

Publication number Publication date
JP4123690B2 (ja) 2008-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7381364B2 (en) Gas jet cooling device
US5885382A (en) Primary cooling method in continuously annealing steel strip
JP2002003953A (ja) 連続焼鈍炉内への雰囲気ガス供給方法と装置
JP4770428B2 (ja) 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備
JP2006307244A (ja) 鋼帯の連続熱処理設備における冷却工程のシール装置およびシール方法
JP4797601B2 (ja) 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備
JPWO2002081760A1 (ja) 連続燒鈍設備における鋼帯の急速冷却装置
JP2002003956A (ja) 連続熱処理炉の急冷帯前後用ロール及び急冷帯設備
EP0803583B2 (en) Primary cooling method in continuously annealing steel strips
JP2006144104A (ja) 溶融亜鉛メッキ用鋼板の連続焼鈍装置及び連続焼鈍方法
JP2007056334A (ja) 横型連続処理炉の冷却帯とその冷却帯における鋼帯スレッディング方法
JP3572983B2 (ja) 連続熱処理炉ならびに連続熱処理炉における冷却方法
JP2003328098A (ja) 連続溶融金属めっき方法および装置
JP4286544B2 (ja) 連続式熱処理設備における鋼帯の強制対流式冷却方法及び装置
JP2010121160A (ja) 金属ストリップ冷却装置及び金属ストリップ冷却方法
JP2807134B2 (ja) ガスジェットチャンバのシール装置
JPH11236622A (ja) 連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法
JPH11256225A (ja) 連続式のウォーキングビーム式加熱炉
JP2970920B2 (ja) 合金化炉およびその運転方法
JPH11256235A (ja) 連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法
JPH1180843A (ja) 連続鋼板のガスジェット冷却装置
JP2006281220A (ja) H形鋼の冷却設備及び冷却方法
JPS58120740A (ja) 浮揚装置を備えた横型連続焼鈍炉
JP2907311B2 (ja) 合金化炉の温度制御方法および装置
JP3448599B2 (ja) ランス

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060815

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080415

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4123690

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140516

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees