JP3448599B2 - ランス - Google Patents

ランス

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JP3448599B2
JP3448599B2 JP09635498A JP9635498A JP3448599B2 JP 3448599 B2 JP3448599 B2 JP 3448599B2 JP 09635498 A JP09635498 A JP 09635498A JP 9635498 A JP9635498 A JP 9635498A JP 3448599 B2 JP3448599 B2 JP 3448599B2
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恒明 西川
秀実 筒井
恭資 白崎
功夫 松井
裕樹 楠田
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Kobe Steel Ltd
Nippon Steel Corp
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JFE Steel Corp
Kobe Steel Ltd
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Furnace Details (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶銑、溶鋼処理にお
いて、また転炉等において吹錬を行うランスに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】金属精錬用のランスは、高温の溶銑、溶
鋼に対し至近距離で高圧酸素を吹き込むものであり、そ
のため、ランス先端部は、溶銑、溶鋼からの輻射熱を受
けるとともに、吹錬中に飛散する地金が付着することに
より著しい熱負荷を受ける。
【0003】そこで一般的なランスの構造は、図12に
示すように三重管構造から構成されており、ランス50
の中管51内に供給された冷却水は矢印A方向に流れ、
一部の流れは酸素ノズル52aの外周側に形成されてい
る酸素ノズル外周導入口53を通過して折り返し(矢印
B参照)、外管54内を矢印C方向に流れる。一方、残
りの流れはランス中心部に形成されている受熱面導入口
55を通過して(矢印D参照)外管54内に流れ、上記
一部の流れと合流して排水される。このような冷却構造
を備えることにより、ランス先端部に加わる熱負荷を低
減するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のラン
ス50では、冷却水が酸素ノズル外周導入口53を通過
して矢印A方向から矢印B方向に変化する際に冷却水の
流速が遅くなるため、受熱面に対する冷却効果が低下す
るという問題があった。このような冷却効果の低下は酸
素ノズルまわりの隅部に冷却水の淀みが生じるためであ
る。このような不都合を解消することを目的として、特
開平9−118909号公報には直線状または曲線状の
リブを設けた構成が示されている。このリブは、冷却水
の戻り路であるランスの外管と中管の間にリブを設ける
ことにより冷却水の水路を分割し、冷却水の淀みを解消
しようとしている。
【0005】しかしながら、同公報に記載のリブを採用
してもなお酸素ノズル52aの外周側55では冷却水の
流れが遅くなるため、受熱面の冷却が不十分であった。
【0006】本発明は以上のような従来のランスの課題
を考慮してなされたものであり、ガスノズルの外周側に
おける冷却効果の低下を解消してランスの寿命を延ばす
ことができるランスを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明において、ガスノ
ズル外周側における冷却効果の低下を解消する形態とし
ては、以下の二種類のランスが示される。
【0008】
【0009】第一のランスは、先端に複数のガスノズル
を配置し高圧ガスが供給される内管、該内管の周囲に設
けられ冷却水が供給される中管、該中管の周囲に設けら
れ供給された冷却水が戻される外管とから構成される三
重管構造の金属精錬用ランスにおいて、ガスノズルの外
壁に冷却水の流れに沿って1以上の帯板状放熱フィンを
形成したことを要旨とする。
【0010】第一のランスにおいて帯板状放熱フィンの
厚さは、5mm以下であることが好ましい。
【0011】第二のランスは、先端に複数のガスノズル
を配置し高圧ガスが供給される内管、該内管の周囲に設
けられ冷却水が供給される中管、該中管の周囲に設けら
れ供給された冷却水が戻される外管とから構成される三
重管構造の金属精錬用ランスにおいて、ガスノズル外周
面に沿って中管に穿設されている導水口縁部から、ガス
ノズル外壁に沿わせた状態で、冷却水の流速を高める規
制板を延設し、ガスノズルの外壁に冷却水の流れに沿っ
て1以上の帯板状放熱フィンを形成したことを要旨とす
る。第二のランスにおいて、帯板状放熱フィンは規制板
に接続することができる。
【0012】また、第二のランスにおいて、さらにガス
ノズルの先端部開口縁に座ぐりを施し、ガスノズルに接
続した状態で受熱面の裏面に放熱フィンを形成すること
ができる。
【0013】
【0014】上記した第一のランスに従えば、ガスノズ
ルの外壁に放熱フィンが形成されているため、ガスノズ
ル外壁に沿って流れる冷却水の流速が遅くとも放熱フィ
ンを介して抜熱が行われるため、ガスノズルの冷却効果
を高めることができる。
【0015】上記した第二のランスに従えば、ガスノズ
ルの外壁については放熱フィンを介して抜熱が行われ、
ガスノズルの先端部については規制板によって流速が高
められた冷却水が導入されるため冷却効果が高まる。従
って、従来、冷却効果が低かったガスノズル先端部の外
周部分についても確実に冷却が行われる。
【0016】以下、図面に示した好ましい実施の形態に
基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、第一および
第二のランスの構成を示す断面図である。また、図2は
図1に示すランスのノズル部のみ、その一部を切り欠い
て示したものである。
【0017】両図に示す金属精錬用ランス1は転炉吹錬
に使用されるものであり、複数の酸素ノズルから溶鋼中
に高圧ガスとしての酸素を吹き込むことにより精錬を行
うようになっている。このランス1はランス本体1aの
先端部にノズル1bを溶接したものからなり、上下に昇
降するようになっている。
【0018】ランス1の構成は三重管構造をなしてお
り、有底筒状からなる内管2、中管3及び外管4が同心
円状に三重に配置されている。
【0019】内管2は酸素吹込み用の酸素通路5を形成
し、内管2と中管3との間の通路は冷却水を供給するた
めの冷却水供給路6を形成し、中管3と外管4との間の
通路は供給した冷却水を戻すための冷却水戻り路7を形
成している。
【0020】中管3に設けられているガスノズルとして
の酸素ノズル外周開口(導水口)11の開口縁には、冷
却水の流速を加速して方向付けするための規制板8が下
向きに延設されている。詳しくは、この規制板8は、冷
却水供給路6と冷却水戻り路7とを連通している冷却水
通路の断面積を縮小して冷却水の流速を高めるものであ
り、且つ、酸素ノズル9の先端部まわり、すなわち、酸
素ノズル9と外管4とが交わる部分に形成される鋭角の
隅部10に向けて流速を高めた冷却水を導入し、冷却水
が滞留しないようにしている。
【0021】この規制板8は図1(a)に示すように、
中管3の下方に円弧状に穿設されている酸素ノズル外周
開口11に対応してその酸素ノズル外周開口11の外側
に円弧状に配置されている。なお、本実施形態では規制
板8を、断面円弧状を有する一つの部材で構成したが、
これに限らず、規制板8は、断面直線状の複数の部材を
円弧状に配列したものであってもよい。また、冷却水の
流路に上記構成を有する規制板8を配置した場合の冷却
水の流れについて説明する。
【0022】図3は、規制板8の延設長さを変化させた
場合の流路の圧損を従来と比較したものであり、横軸は
規制板8の延設長さXを示し、右側縦軸は従来との流速
比、左側縦軸は従来との圧損比を示している。ただし、
各縦軸において規制板8を備えていない構成における圧
損を1としている。
【0023】同図に示されるように、規制板8の延設長
さXを長くするにつれて流速が速くなりその分圧損が増
加することになる。従来の構成、すなわち酸素ノズル外
周開口のみを有する構成と比較すると、規制板8の延設
長さXを徐々に長くしていった場合、延設長さXが15
mmのとき、流速は従来の1.50倍となり圧損は従来の
2.25倍となる。しかも圧損は冷却水の流速の二乗で
増加する。そこで、本実施形態における好ましい規制板
8の延設長さXの上限は、圧損で2.25倍まで、すな
わち延設長さXを15mmまでとした。圧損が2.25倍
を上回ると、冷却水の供給能力を高めるべく冷却水循環
設備の規模を変更する必要があり好ましくない。
【0024】また、酸素ノズル9と規制板8とは垂直方
向に形成された3本の帯板状部材からなる放熱フィン1
2で接続されており、これらの放熱フィン12は酸素ノ
ズル9外周側から抜熱を行うようになっている。一方、
鋳造において製造可能な放熱フィンの最低肉厚は4mmで
あり、抜きテーパを設けることによって最大肉厚は5mm
となる。従って、放熱フィン12の厚さは、鋳造が可能
な厚さ以上であり5mm以下に形成することが好ましい。
【0025】図4は、酸素ノズル9の先端部(図1に示
すH部)を拡大して示したものである。同図において受
熱面に輪状に貫通配設される複数の酸素ノズル各開口縁
(高圧ガス噴出口の先端部開口縁)13には、開口縁1
3の肉厚が薄くなるように座ぐり13aが施されてい
る。すなわち、冷却水の流れから遠い位置にある開口縁
13は冷却効果が影響しにくいために溶損が生じやす
い。従って、座ぐり13aを施すことによって肉厚を薄
くし冷却水による冷却効果が影響するようにしている。
なお、肉厚を薄くするにあたり、面取り処理ではなく座
ぐり処理を採用した理由は、開口縁13にエッジ部を残
すことにより、酸素吐出範囲が裾広がりに広まることを
防止することにある。それにより、溶鋼中に吹き込まれ
る酸素の反応効率を所定のレベルに維持することができ
る。なお、酸素ノズル開口縁13に座ぐり13aを施し
たランスは本発明の第一のランスとみなすことができ
る。
【0026】図中、t0 は受熱面13bの肉厚を示して
おり、開口縁13の肉厚tとの関係を以下に説明する。
【0027】図5は受熱面13bの肉厚t0 に対する開
口縁13の肉厚tを、各位置での比率t/t0 で示した
ものである。開口縁13の肉厚tは一定ではないため、
図4に示すP点を中心として水平位置0゜から垂直位置
90゜までの範囲で回転する線分が角度θの位置にある
ときの肉厚で示している。角度θが45゜であるとき肉
厚tは最大となる。このときのt/t0 は従来140%
であったが、本実施形態によれば122%まで減少させ
て薄肉化を図ることができる。
【0028】そこで、本実施形態では酸素ノズルの開口
縁13において強度の低下を招くことなく温度分布の均
一化が図れる肉厚を考慮してt/t0 を125%に設定
している。
【0029】また、図6に示すように、ランスノズル受
熱面の温度が低いほどランスの寿命が長くなる傾向にあ
ることは従来より知られている。ランスノズル受熱面1
3bの肉厚をA:13mm,B:15mm,C:14mm,
D:12mm,E:22mm,F:18mmの6種とし、受熱
面温度とランスノズルの寿命(ch:チャージ回数)と
の相関を求めると、直線回帰式Iが得られる。
【0030】そこで、本実施形態では、まず第一段階と
してランスノズル受熱面13bの肉厚を従来の受熱面の
肉厚よりも薄く形成した。具体的には薄肉化ランスでは
従来18mmで形成されている受熱面肉厚を15mmに減少
させた。
【0031】このように受熱面13bの肉厚を従来より
も3mm減少させたランスでは、図7に示すように、ラン
スノズル受熱面13bの温度を270℃から24℃低下
させて246℃まで減じることができる。
【0032】また、従来の酸素ノズル開口縁の温度分布
と本発明の酸素ノズル開口縁の温度分布とを比較する
と、図8に示すように、酸素ノズル9の開口縁13にお
いてその中心側に相当する0゜の位置では、従来、受熱
温度が241℃であったが、本発明では図9に示すよう
に183℃となり、58℃の温度降下が達成された。
【0033】また、酸素ノズル9の開口縁13において
その外周側に相当する180゜の位置では、従来、受熱
温度が263℃であったが、本発明では200℃とな
り、63℃の温度降下が達成された。しかも、従来のも
のは0゜と180゜の位置で温度のばらつきがあった
が、本発明ではこの点についても解消されほぼ均一な温
度分布が得られるようになっている。
【0034】このように、ランスノズル先端部の受熱面
13aの肉厚を薄肉化することにより、24℃の温度降
下が得られ、さらに酸素ノズル9の開口縁13に座ぐり
を施すことによりさらに34℃の温度降下が得られたと
推定される。すなわち、受熱面13bの薄肉化によって
41%、酸素ノズル9の開口縁13の座ぐりによって5
9%の割合でそれぞれ従来のランスノズルよりも冷却効
果が高められたことになる。
【0035】次に、酸素ノズル外周開口11の縁部に規
制板8を設け、酸素ノズル9の外壁に放熱フィン12を
形成した構成の動作について説明する。
【0036】図1において、酸素ノズル外周開口11を
通過して外管4内に戻る冷却水は、その流れの方向を矢
印E方向から矢印F方向に転換する際に、規制板8によ
って流路断面積が絞られた部位を通過し、流速が速めら
れる。それにより、従来、酸素ノズル9先端部まわりで
あって外管4と接続されている鋭角部分10に冷却水の
淀みがあったが、流速の速い冷却水が供給されることに
よってその淀みが解消される。それにより酸素ノズル9
の外周部分について従来構成よりも冷却効果が高められ
る。
【0037】また、酸素ノズル9の外壁には放熱フィン
12が形成されているため、酸素ノズル外壁に沿って冷
却水が流れることによってその放熱フィン12を介して
酸素ノズル9から抜熱が行われる。しかも放熱フィン1
2は、冷却水を酸素ノズル9の軸方向に沿った流れに整
えるため、酸素ノズル9外周部分の冷却効果を従来構成
よりも高めることができる。次に、座ぐり13aを設け
た構成の冷却効果を以下に説明する。
【0038】酸素ノズル外周開口11を通過しない冷却
水の残りの流れは、ランス中心部に形成されている受熱
面開口15を通過して(矢印K方向の流れ)外管4内に
流れ、上記一部の流れと合流して排水される。酸素ノズ
ル9の先端部開口縁13には図2に示したように、座ぐ
り13aが施されているため、開口縁13の肉厚は従来
のものよりも薄く形成されている。それにより、冷却水
による冷却効果は、開口縁13まで影響することができ
開口縁13の抜熱が確実に行われる。
【0039】また、受熱面13bの裏面には、ランスノ
ズル中心から酸素ノズル9に向けて放射状に放熱フィン
14が形成されている。この放熱フィン14は、厚さ5
mmの帯板状部材からなり、その高さh1 は、中管3と外
管4の間隔h2 よりも小さくなるように形成されてい
る。また、各放熱フィン14は受熱面背面の中心で交わ
っており、その中心部には冷却水の流れを整えるための
山形の頂部14aが形成されている。
【0040】図10は上記放熱フィン14の肉厚と伝熱
量の変化Q/Q0 との関係を示したものである。なお、
Qは放熱フィンを設けた場合の伝熱量を示し、Q0 は放
熱フィンを設けていない場合の伝熱量を示す。
【0041】同図から分かるように、放熱フィン14の
肉厚σが薄くなるにつれてQ/Q0は大きく、すなわち
冷却効果が高まるため放熱フィン14の肉厚は薄い方が
好ましい。ただし、ランスノズル1は純銅で構成されて
おり、それ自体、熱伝導率が大きいため、冷却水の流速
が速い箇所に放熱フィン14を設けても利点がなく、逆
に圧損が生じて不利になる。
【0042】また、肉厚δを変化させた場合のQ/Q0
において、グラフL1では流速Vを2.1m/sec 以下で
ないと冷却効果が得られない。また、グラフL2では流
速Vを6.5m/sec 以下、また、グラフL3では流速V
が15.4m/sec 以下、また、グラフL4では流速Vを
36.6m/sec 以下でないと、冷却効果が得られない。
すなわち、放熱フィン14の肉厚を薄くすればするほど
冷却効果が高まるものの、薄肉化した放熱フィン14
は、流速の遅い部位に取り付けなければ冷却効果が得ら
れないことになる。これに対し、実際のランス1に供給
される冷却水の流速は、ランス1内の各部位で異なって
はいるものの、およそ5m/sec から18m/sec である。
従って、例えば肉厚δと熱伝達関数αの関係式2λ/α
δの値が25となるグラフL1はδが4mmで冷却水流速
が2.1m/sec 以下の部位でなければ冷却効果が得られ
ないため採用することができない。一方、鋳造において
製造可能な放熱フィンの最低肉厚は4mmであり、抜きテ
ーパを設けることによって最大肉厚は5mmとなる。従っ
て、放熱フィン14の厚さは5mm以下とすることが好ま
しい。
【0043】このように、放熱フィン14を設けた構成
によれば、受熱面13bの温度上昇を抑制することがで
き、それによりランス1先端部に発生する熱応力を小さ
くすることができる。図11は従来のランスノズル先端
部で生じる熱応力と本発明のランスノズル先端部で生じ
る熱応力とを比較したものである。同図から分かるよう
に従来のランスノズルの熱応力を1とした場合、本発明
のランスノズルでは熱応力を86%に減少させることが
できる。
【0044】このように、冷却水供給路6内に供給さ
れ、受熱面開口15を通過した冷却水は矢印K方向に流
れ、このとき、放射状に形成されている放熱フィン14
に沿って放射状に流れる(図1の矢印M方向の流れ)。
【0045】各放熱フィン14は酸素ノズル9先端部の
外壁と接続されているため、放熱フィン14に沿って冷
却水が流れる際に、その放熱フィン14を介して酸素ノ
ズル先端受熱面の温度を抜熱することができる。また、
放熱フィン14が交わる中心に形成されている頂部14
aは、受熱面開口15を通過した冷却水が放熱フィン1
4に沿って流れる際にその流れを整えるように機能す
る。
【0046】従って、酸素ノズル9の外周開口11の縁
部から規制板8を延設し、酸素ノズル9の外壁に放熱フ
ィン12を形成し、さらに、酸素ノズル9の先端部開口
縁に座ぐり13aを施し、受熱面13bの背面に放熱フ
ィン14を形成した本発明の構成によれば、従来抜熱が
不完全であった酸素ノズル9先端部まわりついて確実に
冷却を行うことができる。
【0047】また、従来のランスでは、酸素ノズル開口
縁の背面側温度は(後述する図8参照)264℃である
が、酸素ノズル外周開口縁に規制板8を延設した本発明
によれば、198℃となり66℃の温度降下が得られ
る。そのうち、上述したように、受熱面13bの肉厚を
薄肉化したことによる温度降下が24℃であり、座ぐり
13aによる温度降下が34℃であることから、規制板
8によって得られる冷却降下は8℃であると推定され
る。冷却効果を割合で示すと、受熱面の薄肉化によるも
のが36%、座ぐり13aによるものが52%、規制板
8によるものが12%となる。
【0048】なお、本発明における放熱フィン14は、
上記実施形態ではそれぞれランスノズルの中心で接続す
るように構成したが、これに限らず各放熱フィンは必ず
しも受熱面背面の中心で接続させる必要はなく、少なく
とも一方端部が酸素ノズル9の外壁と接続するものであ
ればよい。
【0049】なお、本発明のランスは、上記した転炉に
限らず、溶銑、溶鋼処理において吹錬を行う任意の装置
に適用されうる。
【0050】
【0051】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の第一のランスによれば、ガスノズル外壁に沿っ
て流れる冷却水の流速が遅くとも放熱フィンを介して抜
熱が行われるため、ガスノズル先端部、特にガスノズル
外周部分の冷却効果を高めることができる。
【0052】本発明の第二のランスによれば、ガスノズ
ルの外壁については放熱フィンを介して抜熱が行われ、
先端部については規制板によって冷却効果が高められる
ため、従来、冷却効果が低かったガスノズル外周部分に
ついても確実に冷却が行われ、それによりランスの寿命
を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランスの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すノズル部の一部切り欠きを有する斜
視図である。
【図3】図1に示す放熱フィン11の特性を示すグラフ
である。
【図4】図1のH部拡大図である。
【図5】本発明の酸素ノズル開口縁の肉厚を従来例と比
較したグラフである。
【図6】受熱面温度とランスノズル寿命との相関を示す
グラフである。
【図7】受熱面肉厚とランスノズル先端温度との相関を
示すグラフである。
【図8】従来の酸素ノズル先端部の温度分布図である。
【図9】本発明の酸素ノズル先端部の温度分布図であ
る。
【図10】放熱フィン肉厚と伝熱量変化との関係を示す
グラフである。
【図11】酸素ノズル先端部に生じる熱応力を従来例と
比較したグラフである。
【図12】従来のランスの構成を示す図1相当図であ
る。
【符号の説明】
1 ランス 2 内管 3 中管 4 外管 5 酸素通路 6 冷却水供給路 7 冷却水戻り路 8 規制板 9 酸素ノズル(ガスノズル) 10 隅部 11 酸素ノズル外周開口(導水口) 12 放熱フィン 13 酸素ノズル開口縁 13a 座ぐり 14 放熱フィン 15 受熱面開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 秀実 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (72)発明者 白崎 恭資 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 松井 功夫 倉敷市水島川崎通り1丁目(番地なし) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 楠田 裕樹 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式 会社 和歌山製鉄所内 (56)参考文献 特開 平3−229814(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 5/46 101 C21C 7/072 F27D 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に複数のガスノズルを配置し高圧ガ
    スが供給される内管、該内管の周囲に設けられ冷却水が
    供給される中管、該中管の周囲に設けられ供給された冷
    却水が戻される外管とから構成される三重管構造の金属
    精錬用ランスにおいて、前記ガスノズルの外壁に前記冷却水の流れに沿って1以
    上の帯板状放熱フィンを形成したことを特徴とするラン
    ス。
  2. 【請求項2】 前記帯板状放熱フィンの厚さが、5mm以
    下である請求項1記載のランス。
  3. 【請求項3】 先端に複数のガスノズルを配置し高圧ガ
    スが供給される内管、該内管の周囲に設けられ冷却水が
    供給される中管、該中管の周囲に設けられ供給された冷
    却水が戻される外管とから構成される三重管構造の金属
    精錬用ランスにおいて、 前記ガスノズル外周面に沿って前記中管に穿設されてい
    る導水口縁部から、前記ガスノズル外壁に沿わせた状態
    で、前記冷却水の流速を高める規制板を延設し、前記ガ
    スノズルの外壁に前記冷却水の流れに沿って1以上の帯
    板状放熱フィンを形成したことを特徴とするランス。
  4. 【請求項4】 前記帯板状放熱フィンが前記規制板に接
    続されている請求項3記載のランス。
  5. 【請求項5】 前記ガスノズルの先端部開口縁に座ぐり
    が施され、前記ガスノズルに接続した状態で前記受熱面
    の裏面に放熱フィンが形成されている請求項3または4
    に記載のランス。
JP09635498A 1998-04-08 1998-04-08 ランス Expired - Fee Related JP3448599B2 (ja)

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