JP2002003603A - ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法Info
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Abstract
において重合系の水分量をコントロールする必要のない
簡便なポリアリーレンスルフィド樹脂の製法において、
ポリアリーレンスルフィド樹脂の性状を一定にし、生成
ポリマーの回収時におけるろ過性能の優れたポリアリー
レンスルフィド樹脂の製造方法の提供。 【解決手段】 有機アミド系溶媒中、アルカリ金属硫化
物とジハロ芳香族化合物とを反応させてポリアリーレン
スルフィド樹脂を製造する方法において、反応缶の気相
部分を冷却することにより反応缶の気相の一部を凝縮さ
せ、これを液相に還流せしめ、かつ反応系の180〜2
75℃の範囲における反応温度までの昇温速度を平均
0.01〜1.0℃/分にすることを特徴とするポリア
リーレンスルフィド樹脂の製造方法。
Description
ルフィド樹脂の製造方法に関し、特に反応スラリーのろ
過性が優れることによる後処理工程時間が短縮されるポ
リアリーレンスルフィド樹脂の製造方法に関する。
Sと略すことがある)に代表されるポリアリーレンスル
フィド(以下、PASと略すことがある)は、耐熱性、
成形加工性、耐薬品性、難燃性、電気的特性、寸法安定
性等に優れるエンジニアリングプラスチックであり、射
出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形等の各種成形
法により、各種成形品、フィルム、繊維等に成形可能で
あるため、近年、電気・電子機器部品、自動車機器部
品、あるいは化学機器部品用等の材料として広く利用さ
れてきている。
特公昭45−368号公報に記載されるように、N−メ
チル−2−ピロリドンなどの有機溶媒中で、硫化ナトリ
ウム等のアルカリ金属硫化物とp−ジクロルベンゼン等
のジハロ芳香族化合物とを反応させる方法を基本とし、
重合反応時に重合助剤としてアルカリ金属カルボン酸塩
を用いる方法(特公昭52‐12240号公報)、重合
反応を二段階で行い、第二段階の反応において積極的に
多量の水を添加する方法(特開昭61‐7332号公
報)、あるいは重合反応中、反応缶の気相部分を冷却す
ることにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを
液相に還流せしめる方法(特開平5‐222196号公
報)等が挙げられる。
中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを約1
80〜280℃の温度範囲内で反応させPASを製造し
ている。しかし、該反応は急激な発熱反応を伴い、望ま
しくない副反応等が生じ易く、その場合は、得られるP
AS粒子の形状が一定とならず、得られたPASスラリ
ーをろ別し、水洗ろ過を繰返して行うことによりPAS
を分離するプロセスにおいては、時間がかかり過ぎて経
済的なプロセスとなり得ない場合があった。
辺における反応系の昇温速度を制御することが試みられ
ている。例えば、特開平1−299826号公報におい
ては、架橋PASの3段階重合法における第2段階重合
時に、245〜290℃の昇温時の昇温速度を10〜1
00℃/時間とすることによって、生成するポリマーの
凝集・肥大化及び微粉化を抑え、適度な大きさの顆粒状
の架橋PASを得る方法を記載している。しかしなが
ら、この方法は、高溶融粘度の架橋PASの製法であ
り、各段階での重合反応系中の水分量の調節が複雑で、
反応途中に水分を追加しなければならず、プロセス的に
経済的な方法ではない。
いては、反応液を220以下の温度から260以上に昇
温する時に、平均して0.5℃/分以下の昇温速度で反
応を行い、副反応を抑え高重合度のPASを得る方法が
記載されている。しかしながら、この方法は、反応系の
水分量を0.3モル未満とし、重合助剤であるアルカリ
金属カルボン酸塩を用いる反応であり、比較的多量の重
合助剤を使用するため重合助剤の回収に多大なコストが
かかり、工業的規模での生産方法として望ましいもので
はない。
おいては、高分子量PASの2段階重合法における工程
1で、220℃から240℃までの間を平均0.1〜
1.0℃/分の昇温速度で昇温させながら反応させるこ
とによって、急激な発熱反応を抑制しながら、全体の重
合時間を大幅に短縮して粒状の高分子量PASを得る方
法を記載している。しかしながら、この方法は、粒状の
高分子量PASの製法であり、各段階での重合反応系中
の水分量の調節が複雑で、反応途中に水分を追加しなけ
ればならず、プロセス的に経済的な方法ではない。
時に重合助剤を用いず、重合工程の途中において重合系
の水分量をコントロールする必要のない簡便なポリアリ
ーレンスルフィド樹脂の製法において、ポリアリーレン
スルフィド樹脂の性状を一定にし、生成ポリマーの回収
時におけるろ過性能を向上させることで後処理工程時間
が短縮されるポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
を提供することにある。
を解決すべく鋭意検討した結果、反応缶の気相部分を冷
却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、こ
れを液相に還流せしめるポリアリーレンスルフィドの重
合反応において、反応温度までの特定温度範囲におい
て、特定の昇温速度を採用することにより、粒子性状が
安定したPASポリマーを得ることができ、反応スラリ
ーのろ過性能を改善し、ポリアリーレンスルフィド樹脂
の生産性を改善することができることを見出し、本発明
を完成した。
溶媒中、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを
反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方
法において、反応缶の気相部分を冷却することにより反
応缶の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せし
め、かつ反応系の180〜275℃の範囲における反応
温度までの昇温速度を平均0.01〜1.0℃/分とす
ることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の製
造方法である。
260℃の範囲における反応温度までの昇温速度を平均
0.05〜1.0℃/分とすることを特徴とする上記発
明(1)に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造
方法である。
る。 (3)重合反応を230〜275℃で、0.1〜20時
間行う上記発明(1)又は(2)に記載のポリアリーレ
ンスルフィド樹脂の製造方法。 (4)重合反応を240〜265℃で、1〜6時間行う
上記発明(1)又は(2)に記載のポリアリーレンスル
フィド樹脂の製造方法。 (5)重合反応を195〜240℃で、0.1〜20時
間及び240〜270℃で、1〜10時間の2段反応で
行う上記発明(1)又は(2)に記載のポリアリーレン
スルフィド樹脂の製造方法。 (6)重合反応を210〜240℃で、0.5〜10時
間及び240〜265℃で、1〜6時間の2段反応で行
う上記発明(1)又は(2)に記載のポリアリーレンス
ルフィド樹脂の製造方法。 (7)反応系の水分量が、アルカリ金属硫化物1モル当
たり0.5〜1.7モルである上記発明(1)乃至
(6)のいずれかの方法に記載のポリアリーレンスルフ
ィド樹脂の製造方法。 (8)反応系の水分量が、アルカリ金属硫化物1モル当
たり0.8〜1.2モルである上記発明(1)乃至
(6)のいずれかの方法に記載のポリアリーレンスルフ
ィド樹脂の製造方法。 (9)上記発明(1)乃至(8)のいずれかの方法で製
造されたポリアリーレンスルフィドを気相酸化性雰囲気
下、180〜270℃の温度で0.5〜300時間熱処
理を行うポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。 (10)上記発明(1)乃至(8)のいずれかの方法で
製造されたポリアリーレンスルフィドを気相酸化性雰囲
気下、200〜270℃の温度で1〜96時間熱処理を
行うポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
ドの重合方法は、有機アミド系溶媒中、アルカリ金属硫
化物とジハロ芳香族化合物を反応させてポリアリーレン
スルフィドを製造する方法において、反応缶の気相部分
を冷却することにより反応缶の気相部の一部を凝縮さ
せ、これを液相に還流せしめて反応させる際に、反応系
を180〜270℃までの温度範囲において、反応温度
までの昇温速度を平均0.01〜1.0℃/分に制御す
ることが必須であり、この昇温速度の制御により、得ら
れるPASの粒子性状を一定にし、PASスラリーのろ
過性能を改善するものである。以下に各要件について説
明する。
AS重合のために知られており、例えばN−メチル−2
−ピロリドン(NMP)、N−エチルピロリドン、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル(又はジ
エチル)アセトアミド、N−メチル(又はエチル)カプ
ロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、ホルムアミド、アセトアミド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、テトラメチルウレア、N,N’−エチレン−
2−ピロリドン、2−ピロリドン、ε−カプロラクタ
ム、ジフェニルスルホン等、及びこれらの混合物を使用
でき、NMPが好ましい。
化ナトリウム(Na2S)、硫化カリウム、硫化ルビジ
ウム、硫化セシウム及びこれらの混合物である。これら
のアルカリ金属硫化物は、水和物及び水溶液であっても
良い。又、これらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和
物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用いるこ
とができる。これらのアルカリ金属硫化物の中では、硫
化ナトリウムが安価であって工業的には好ましい。
m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2,5
−ジクロロトルエン、p−ジブロモベンゼン、1,4−
ジクロロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジクロロ
ベンゼン、4,4’−ジクロロビフェニル、4,4’−
ジブロモビフェニル、2,4−ジクロロ安息香酸、2,
5−ジクロロ安息香酸、3,5−ジクロロ安息香酸、
2,4−ジクロロアニリン、2,5−ジクロロアニリ
ン、3,5−ジクロロアニリン、4,4’−ジクロロフ
ェニルエーテル、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
キシド、4,4’−ジクロロフェニルケトン、およびこ
れらに類するものならびにそれらの混合物が含まれる。
なかでもp−ジクロロベンゼンに代表されるp−ジハロ
ベンゼンを主成分とするものが好ましい。
PASの分子量をより大きくするために、1分子当り3
個以上のハロゲン置換基を有する、例えば1,3,5−
トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン
等のポリハロ芳香族化合物を用いることができる。ポリ
ハロ芳香族化合物は、アルカリ金属硫化物1モルに対し
て好ましくは0.005〜1.5モル%、特に好ましく
は0.02〜0.75モル%の量で使用するのが好まし
い。
でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物を反応させ
てPASを製造する方法であるが、特開平5−2221
96号公報に記載された反応缶の気相部分を積極的に冷
却して、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してや
ることによって反応溶液上部に水含有率の高い層を形成
する方法を用いる。すなわち、反応缶の気相部分を積極
的に冷却することにより、残存のアルカリ金属硫化物
(例えばNa2S)、ハロゲン化アルカリ金属(例えば
NaCl)、オリゴマー等がその層に多く含有されるよ
うになり、従来法に比較し、反応を阻害するような因子
を効率良く除外でき、必要に応じて、高分子量PASを
得ることができる。
段により行え、反応缶内の上部に設置した内部コイルに
冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外部
コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶上
部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方法、
反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒素
等)を吹き付ける方法、反応缶上部に従来備えられてい
る保温材を取外す方法等の方法が考えられるが、いずれ
の方法を用いても良い。
行われる場合では、反応開始時から行うことが望ましい
が、少なくとも250℃以下の昇温途中から行わなけれ
ばならない。2段階反応では、第1段階の反応から冷却
を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了
後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合
いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標であり、反応
缶内圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に
行うのが好ましい。
活性ガス雰囲気下で、重合系の水分量が、アルカリ金属
硫化物1モル当り、好ましくは0.5〜1.7モル、よ
り好ましくは0.8〜1.2モルとなるように、必要に
応じて脱水または水添加をする。水分量が1.7モルを
超えると、副反応の発生が著しくなり、系内水分量の増
加とともに、反応生成物中のフェノール等の副生成物が
増大する。0.5モル未満では、反応速度が速すぎて十
分な高分子量物を得ることができない。
5℃の温度範囲における昇温速度を平均0.01〜1.
0℃/分、好ましくは200〜260℃の温度範囲にお
いて平均0.05〜1.0℃/分に制御することが必要
である。昇温速度が1.0℃/分を超えると、昇温時に
反応熱が著しく生じて反応の制御が困難になり、また、
得られた反応スラリーのろ過性は悪くなる。一方、昇温
速度が0.01℃/分未満であると反応時間が長くなり
過ぎるため経済性が悪化する。本発明でいう昇温速度、
例えば0.5℃/分というのは、1分間に0.5℃ずつ
昇温させる方法ではなく、10分かけて5℃上昇させる
方法をとるものであり、平均昇温速度である。
間の温度で行わせるが、二段以上の多段反応も含む。よ
り高い分子量のPASを得るには、2段以上の反応温度
プロフィールを用いることが好ましい。1段重合反応の
場合、反応温度は230〜275℃で、反応時間は0.
1〜20時間、好ましくは240〜265℃で1〜6時
間である。また、2段階重合反応の場合、第1段階は反
応温度195〜240℃で、反応時間0.1〜20時
間、第2段階は反応温度240〜270℃で反応時間1
〜10時間、好ましくは、第1段階は反応温度210〜
240℃で、反応時間0.5〜10時間、第2段階は反
応温度240〜265℃で反応時間1〜6時間である。
さすぎ、実用的ではない。温度が高すぎると反応速度が
速すぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみな
らず、副反応速度が著しく増大する。特に、2段反応に
おいては、第1段の終了は、重合反応系内ジハロ芳香族
化合物の残存率が1〜40モル%で行うことが好まし
い。残存率が40モル%を超えると、第2段階の反応で
解重合など副反応が生じやすく、一方、1モル%未満で
は、最終的に高分子量PASを得難い。その後昇温し
て、最終段階の反応は、反応温度240〜270℃の範
囲で、1〜10時間行うことが好ましい。温度が低いと
十分に高分子量化したPASを得ることができず、また
270℃より高い温度では解重合等の副反応が生じや
すくなり、安定的に高分子量物を得難くなる。
PASの融点未満の温度で加熱処理しても良い。熱処理
温度は、好ましくは180〜270℃、特に好ましくは
200〜270℃である。該温度が上記下限未満では、
硬化速度が不十分で加熱処理に要する時間が増加し、上
記上限を超えては、硬化速度が高くなり過ぎて溶融粘度
の制御ができず、またPASのゲルを生じる。また、加
熱処理に要する時間は、上記の加熱処理温度等により異
なるが、好ましくは0.5〜300時間、特に好ましく
は1〜96時間である。該時間が上記下限未満では、熱
処理による効果が十分に得られず、上記上限を超えては
PAS粒子同士が融着しやすくなり、2次粒子が著しく
大きくなったり、容器缶壁への付着が生じ好ましくな
い。
又はこれらと任意の適当な不活性ガスとの混合物のよう
な酸素含有ガスの気相酸化性雰囲気下で実施される。不
活性ガスとしては、水蒸気、窒素、二酸化炭素等又はそ
れらの混合物が挙げられる。上記ガスの酸素含有ガス中
の酸素の濃度は、好ましくは0.5〜50体積%、特に
好ましくは10〜25体積%である。該酸素濃度が、上
記上限を超えてはラジカル発生量が増大し、溶融時の増
粘が著しくなり、また色相が暗色化して好ましくなく、
上記下限未満では、熱酸化速度が遅くなり好ましくな
い。
処理) 本発明の方法では、上記のようにして得られたPASス
ラリーからのポリアリーレンスルフィドの回収は、常法
にしたがって行うことができる。例えば、PASスラリ
ーをろ過し、溶媒を含むPASケーキを得、該PASケ
ーキを、窒素ガス気流中、好ましくは150〜250℃
の温度で、好ましくは10分間〜24時間加熱して、得
られたPAS粉末に水洗浄・ろ過を数回繰り返した後、
乾燥してPASを得る溶媒乾燥処理法によりPASを得
ることができる。あるいは、PASスラリーをろ過し、
溶媒を除去後、水洗浄・ろ過を数回繰り返した後、乾燥
してPASを得る直接水洗処理法によりPASを得るこ
とができる。本発明の方法により製造されたPASは、
粒子性状が安定しており、ろ過性能が優れている。
形加工する際には、慣用の添加剤、例えばカーボンブラ
ック、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粉末状
充填剤、又は炭素繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維、
ポリアラミド繊維等の繊維状充填剤を混入することがで
きる。更に、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、離型剤、着色剤等の添加剤を配合することもでき
る。
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。なお、実施例における試験方法は、以下の通りであ
る。
リー100gを50℃に加熱した後、電動ポンプを用い
て3.3×104Paの条件で直径60mm、保留サイ
ズ1μmのろ紙を用いて減圧ろ過を行った。この時のろ
過が終了するまでのろ過時間とろ液量を計測し、下記式
により、ろ過性を求めた。ろ過性(g/sec)=ろ液
量(g)/ろ過時間(sec)
ローテスター、CFT−500Cを用い、300℃、荷
重=1.96×106Pa、L/D=10/1で6分間
保持した後に測定した粘度(ポイズ)である。
(日機装(株)製マイクロトラックSRA)を用いて、
得られた反応スラリーの粒度分布測定を行い、累積の5
0vol%の粒径(D50:体積換算において、50%
となる粒径)を求めた。
ダ(60.91重量%Na2S)15.375kgとN
−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略すことが
ある)38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しなが
ら216℃まで昇温して、水3.740kgを留出させ
た(硫化ソーダ1モル当たり水1.05モル)。その
後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パ
ラジクロロベンゼン(以下、p−DCBと略すことがあ
る)18.000kg及びNMP16.0kgを仕込ん
だ。液温150℃で窒素ガスを用いて9.8×104P
aに加圧して昇温を開始した。液温200〜260℃の
間を0.7℃/分の平均速度で昇温し、液温260℃に
なった時点でオートクレーブ上部への散水を開始した。
該温度で2時間保持して反応を行った。反応終了後、散
水を止めて、室温にまで冷却した。
して、ろ過性と粒度分布の測定を行った。残りの反応ス
ラリーは、ろ過して溶媒を除去し、次に常法により水洗
浄、ろ過を7回繰り返した後、120℃で約8時間、熱
風循環乾燥機中で乾燥し、粉末状のポリマーを得た。ポ
リマーの溶融粘度を表1に示す。
で昇温した以外は、実施例1と同様にして粉末状のポリ
フェニレンスルフィドポリマーを得た。ろ過性、粒度分
布、溶融粘度を表1に示す。
で昇温した以外は、実施例1と同様にして粉末状のポリ
フェニレンスルフィドポリマーを得た。ろ過性、粒度分
布、溶融粘度を表1に示す。
0℃の間を0.08℃/分の平均速度で昇温した以外
は、実施例1と同様にして粉末状のポリフェニレンスル
フィドポリマーを得た。ろ過性、粒度分布、溶融粘度を
表1に示す。
て、粉末状のポリフェニレンスルフィドポリマーを得
た。ろ過性、粒度分布、溶融粘度を表1に示す。
0℃の間を0.33℃/分の平均速度で昇温し、240
℃で1時間反応させ、さらに240〜260℃の間を
0.33℃/分の平均速度で昇温し、260℃で2時間
反応させた以外は、実施例1と同様にして粉末状のポリ
フェニレンスルフィドポリマーを得た。ろ過性、粒度分
布、溶融粘度を表1に示す。
昇温した以外は、実施例1と同様にして粉末状のポリフ
ェニレンスルフィドポリマーを得た。ろ過性、粒度分
布、溶融粘度を表1に示す。
製造方法は、重合助剤を用いることもなく、反応途中に
反応系に水を加えることもなく、簡便な方法で、反応ス
ラリーのろ過性を大幅に改善することにより、後工程時
間が短時間で実施できるため、生産性が向上し、経済的
に有利な方法であるとともに、溶融粘度の大きい高分子
量PASが得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 有機アミド系溶媒中、アルカリ金属硫化
物とジハロ芳香族化合物とを反応させてポリアリーレン
スルフィド樹脂を製造する方法において、反応缶の気相
部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮
させ、これを液相に還流せしめ、かつ反応系の180〜
275℃の範囲における反応温度までの昇温速度を平均
0.01〜1.0℃/分にすることを特徴とするポリア
リーレンスルフィド樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 反応系の200〜260℃の範囲におけ
る反応温度までの昇温速度を平均0.05〜1.0℃/
分にすることを特徴とする請求項1に記載のポリアリー
レンスルフィド樹脂の製造方法。
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