JP2002003485A - メバロラクトンの製造方法 - Google Patents

メバロラクトンの製造方法

Info

Publication number
JP2002003485A
JP2002003485A JP2000192729A JP2000192729A JP2002003485A JP 2002003485 A JP2002003485 A JP 2002003485A JP 2000192729 A JP2000192729 A JP 2000192729A JP 2000192729 A JP2000192729 A JP 2000192729A JP 2002003485 A JP2002003485 A JP 2002003485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
mevalolactone
hydrogen
mixture
triol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000192729A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Koyakumaru
健一 小役丸
Hideji Iwasaki
秀治 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2000192729A priority Critical patent/JP2002003485A/ja
Publication of JP2002003485A publication Critical patent/JP2002003485A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メバロラクトンを、安価に入手できる原料を
用いて、効率的に、工業的に有利に製造し得る方法を提
供すること。 【解決手段】 3−メチルペンタン−1,3,5−トリ
オールを、脱水素能を有する触媒の存在下に酸化環化す
ることを特徴とするメバロラクトンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メバロラクトンの
製造方法に関する。本発明で得られるメバロラクトンは
天然イソプレノイドの前駆体として知られており、医
薬、農薬の合成原料として、またエレクトロニクス関連
におけるレジスト素材として有用である(特開平10−
78658号公報参照)。
【0002】
【従来の技術】メバロラクトンを3−メチルペンタン−
1,3,5−トリオールを原料として製造する方法とし
ては、(1)炭酸銀を用いて酸化する方法(テトラヘド
ロンレターズ(Tetrahedron Let
t.)、第31巻、171頁(1975年)参照)、
(2)臭化ナトリウムの存在下、過酢酸を用いて酸化す
る方法(ブリティン オブ ケミカル ソサエティー
ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jpn.)、
第65巻、703頁(1992年)参照)、(3)亜臭
素酸ナトリウムを用いて酸化する方法(シンセティック
コミュニケーションズ(Synth.Commu
n.)、第28巻、123−130頁(1998年)参
照)、(4)臭化ナトリウムなどの臭化物の存在下、水
およびアセトニトリルの混合溶媒中で次亜塩素酸ナトリ
ウムを用いて酸化する方法(特開2000−38383
号公報参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方法は高
価な炭酸銀を多量に使用しなければならないこと、上記
(2)の方法では用いる過酢酸が不安定で、かつ爆発な
どの危険性を有しており取り扱いにくいという問題点が
ある。上記(3)の方法は、使用する亜臭素酸ナトリウ
ムが工業的に製造されておらず、大スケールでの製造に
は適用し難いという問題点を有する。また、上記(4)
の方法は、反応条件は温和であるものの、反応時間が比
較的長い上、多量の溶媒を使用しているので生産性が低
いという問題点を有している。しかして、本発明の目的
は、安価に入手可能な原料を用いて、効率よく、工業的
に有利にメバロラクトンを製造し得る方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール
を、脱水素能を有する触媒の存在下に酸化環化すること
を特徴とするメバロラクトンの製造方法を提供すること
により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる脱水素能を有する
触媒としては、銅、ニッケル、コバルト、パラジウムお
よび白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
を構成成分として含有する触媒が好ましい。かかる触媒
としては、例えば珪藻土、アルミナ、シリカ、シリカ−
アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、活性炭などの
担体に担持されたニッケル、コバルト、パラジウム、白
金触媒;銅−クロム、銅−亜鉛、銅−ケイ素、銅−鉄−
アルミニウムなどの銅の複合または混合酸化物;ラネー
銅、ラネーニッケル、ラネーコバルト、パラジウムブラ
ック、酸化パラジウム、白金ブラック、酸化白金などが
挙げられる。これらの触媒は商業生産されており容易に
入手することができるほか、例えば触媒工学講座10,
元素別触媒便覧(昭和42年2月25日、株式会社地人
書館発行)に記載されている方法に従って製造すること
もできる。これらの触媒は、マンガン、鉄、クロム、ス
ズ、ビスマス、バリウムなどの他の金属成分で部分的に
変性されていてもよい。また、銅、ニッケル、コバル
ト、パラジウムおよび白金からなる群から選ばれる金属
の2種またはそれ以上が触媒の構成成分であっても何ら
差し支えない。
【0006】上記した脱水素能を有する触媒は1種類を
単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いて
もよい。触媒の使用量に特に制限はないが、基質である
3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールに対して
通常0.01〜10重量%の範囲であるのが好ましい。
【0007】触媒は、その使用に先立ちあらかじめ水素
で処理することにより活性化しておくことが、より高い
触媒活性の発現のために好ましい。
【0008】反応は、溶媒の不存在下または存在下で行
うことができる。使用できる溶媒としては、反応に悪影
響を及ぼさない限り特に限定されるものではなく、例え
ばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シ
クロヘキサン、シクロオクタン、流動パラフィンなどの
脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシ
チレン、クメンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリ
コールジメチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられ
る。これらの溶媒は単独で使用しても2種類以上を混合
して使用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量
に特に制限はないが、通常3−メチルペンタン−1,
3,5−トリオールに対して0.1〜100重量倍の範
囲であり、経済性および容積効率の観点からは0.01
〜100重量倍の範囲であることが好ましく、0.1〜
50重量倍の範囲がより好ましい。
【0009】反応温度は、20〜500℃の範囲が好ま
しく、操作性、経済性、安全性および生成物であるメバ
ロラクトンの安定性の観点からは20〜300℃の範囲
がより好ましく、30〜250℃の範囲がさらに好まし
い。
【0010】反応は、常圧下でも、また減圧下でも加圧
下でも実施することができる。反応時の圧力に特に制限
はないが、通常1kPa〜1GPaの範囲が好ましく、
10kPa〜1MPaの範囲で実施するのがより好まし
い。本発明は大気下でも実施できるが、窒素、アルゴン
などの反応に不活性なガスの雰囲気下で行うのが好まし
い。また、脱水素能を有する触媒の反応系内での安定性
を保つ観点から、反応系内に水素をさらに共存させるの
が好ましい。反応系内に水素を共存させる場合、その量
は水素の分圧として0.1〜100kPaの範囲である
のが好ましい。
【0011】本発明は、バッチ式または連続式のいずれ
の方法でも実施することができる。連続式としては、例
えば、好ましくは減圧条件下で、原料の3−メチルペン
タン−1,3,5−トリオールを反応系に供給しつつ生
成物であるメバロラクトンを留出させながら行う方法
(反応蒸留形式)、または単管式、多管式、熱交換式な
どの通常の固定床流通式反応装置にペレット状などに成
型した触媒を充填し、そこに3−メチルペンタン−1,
3,5−トリオールを連続的に供給しながら行う方法な
どが挙げられる。
【0012】このようにして得られたメバロラクトン
は、有機合成において行われる通常の単離・精製操作に
より単離・精製することができる。例えば、反応混合液
を濾過して触媒を分離した後、蒸留またはカラムクロマ
トグラフィーなどによって精製する。
【0013】なお、本発明で用いる3−メチルペンタン
−1,3,5−トリオールは安価に大量に市販されてお
り、容易に入手することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0015】実施例1 メカニカルスターラ、還流管、温度計、滴下ロートおよ
び水素導入管を装着した容量100mlの3口フラスコ
に、1,4−ジオキサン20gおよび触媒としてラネー
ニッケル(デグッサ−ヒュルス製;B−113/w)
0.8gを入れ、系内を窒素置換した。次に、水素導入
管から水素を0.2ml/分の速度で混合液中に導入
し、バブリングさせながら80℃で2時間攪拌し、触媒
の還元処理を行った。次いで、水素の導入量を0.1m
l/分に調節し、この混合液に3−メチルペンタン−
1,3,5−トリオール10g(0.075mol)を
加え、同温度で3時間攪拌した。反応混合液を冷却後、
触媒をフィルターを用いて分離し、濾液を減圧下に蒸留
して、142〜158℃/5.3Pa(0.04mmH
g)の範囲の留分を集め、メバロラクトン9.2g(純
度96%、収率89%)を得た。
【0016】実施例2 メカニカルスターラ、還流管、温度計、滴下ロートおよ
び水素導入管を装着した容量100mlの3口フラスコ
に、流動パラフィン30gおよび触媒として銅−鉄−ア
ルミニウム複合酸化物(日揮化学製;E100F29)
1.2gを入れ、系内を窒素置換した。次に、水素導入
管から水素を0.2ml/分の速度で混合液中に導入
し、バブリングさせながら120℃で2時間攪拌し、触
媒の還元処理を行った。次いで、水素の導入量を0.1
ml/分に調節し、混合液の内温を180℃に昇温した
後、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール10
g(0.075mol)を加え、同温度で5時間攪拌し
た。反応混合液を冷却後、触媒をフィルターを用いて分
離し、濾液を減圧下に蒸留して、140〜157℃/
5.3Pa(0.04mmHg)の範囲の留分を集め、
メバロラクトン6.97g(純度97%、収率69%)
を得た。
【0017】実施例3 メカニカルスターラ、還流管、温度計、滴下ロートおよ
び水素導入管を装着した容量100mlの3口フラスコ
に、1,4−ジオキサン20gおよび触媒として5%パ
ラジウム−炭素(デグッサ−ヒュルス製;5%PdE−
106NN/w)0.3gを入れ、系内を窒素置換し
た。次に、水素導入管から水素を0.2ml/分の速度
で混合液中に導入し、バブリングさせながら60℃で2
時間攪拌し、触媒の還元処理を行った。次いで、水素の
導入量を0.1ml/分に調節し、この混合液に3−メ
チルペンタン−1,3,5−トリオール10g(0.0
75mol)を加え、同温度で8時間攪拌した。反応混
合液を冷却後、触媒をフィルターを用いて分離し、濾液
を減圧下に蒸留して、142〜156℃/5.3Pa
(0.04mmHg)の範囲の留分を集め、メバロラク
トン9.3g(純度97%、収率90%)を得た。
【0018】実施例4 メカニカルスターラ、還流管、温度計、滴下ロートおよ
び水素導入管を装着した容量100mlの3口フラスコ
に、1,4−ジオキサン20gおよび触媒として3%白
金−炭素(デグッサ−ヒュルス製;3%PtF101R
C/W)0.2gを入れ、系内を窒素置換した。次に、
水素導入管から水素を0.2ml/分の速度で混合液中
に導入し、バブリングさせながら80℃で2時間攪拌
し、触媒の還元処理を行った。次いで、水素の導入量を
0.1ml/分に調節し、この混合液に3−メチルペン
タン−1,3,5−トリオール10g(0.075mo
l)を加え、同温度で11時間攪拌した。反応混合液を
冷却後、触媒をフィルターを用いて分離し、濾液を減圧
下に蒸留して、142〜158℃/5.3Pa(0.0
4mmHg)の範囲の留分を集め、メバロラクトン9.
1g(純度95%、収率88%)を得た。
【0019】
【発明の効果】メバロラクトンを、安価に入手できる原
料を用いて、効率的に、工業的に有利に製造することが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−メチルペンタン−1,3,5−トリ
    オールを、脱水素能を有する触媒の存在下に酸化環化す
    ることを特徴とするメバロラクトンの製造方法。
  2. 【請求項2】 脱水素能を有する触媒が、銅、ニッケ
    ル、コバルト、パラジウムおよび白金からなる群から選
    ばれる少なくとも1種の金属を構成成分として含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
JP2000192729A 2000-06-27 2000-06-27 メバロラクトンの製造方法 Pending JP2002003485A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000192729A JP2002003485A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 メバロラクトンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000192729A JP2002003485A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 メバロラクトンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002003485A true JP2002003485A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18691821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000192729A Pending JP2002003485A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 メバロラクトンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002003485A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2326330T3 (es) Metodo para la produccion de mentol.
KR101223949B1 (ko) 1,4-부탄디올의 정제 방법
CN101208288B (zh) 取代环戊酮的制造方法
WO2000048975A1 (fr) Procede de preparation de cycloalcanone
JP5210161B2 (ja) 1,4−ブチンジオールからのポリマーの副生成物の分離方法
US7064239B2 (en) Preparation of 1,6-hexanediol
JP6885930B2 (ja) 3−メチルシクロペンタデカン−1,5−ジオールを調製する方法
TWI418542B (zh) 製備n-甲基吡咯烷酮之方法
CN102197016B (zh) 苯并降冰片烯的制备方法
Joh et al. Rhodium-catalyzed synthesis of 2 (5H)-furanones from terminal alkynes and non-substituted alkynes under water-gas shift reaction conditions
JPS6021126B2 (ja) シクロヘキセン類の製造法
JP2002003485A (ja) メバロラクトンの製造方法
JP5790103B2 (ja) シクロペンタノンの製造方法
JP2994462B2 (ja) 高純度テトラヒドロフランの製造方法
JP3961938B2 (ja) テトラヒドロゲラニオールの製造
JP2021134141A (ja) 不均一系貴金属触媒を用いた芳香族化合物の製造方法
KR20000064438A (ko) 에폭시부타디엔으로부터1,6-헥산디올의제조방법
CN108947846A (zh) 一种对硝基苯乙酮的制备方法
JP7152715B2 (ja) 脂環式含酸素化合物の製造方法
JP3579507B2 (ja) ベンゼンの部分的水素化によるシクロヘキセンの連続的製造方法
JP2000178216A (ja) イソブチレングリコールの製造方法
US4703126A (en) Process for the production of 7-ethyl indole
CN117603129A (zh) 一种从丁二酸二酯制备2-取代吡啶的方法
JP2004505937A (ja) シクロドデカン−1,2−ジオンをシクロドデカノンに転化する方法
JPH03240746A (ja) O―アルコキシフェノール類の製造方法