JP5790103B2 - シクロペンタノンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、シクロペンタノールの気相脱水素反応を行ってシクロペンタノンを製造する方法に関する。
従来、シクロヘキサノールやシクロペンタノールの脱水素反応によりシクロヘキサノンやシクロペンタノンを製造する際においては、銅を含有する触媒が広く用いられてきた。
例えば、特許文献1及び2には、銅−クロム系触媒の存在下に、シクロヘキサノールの脱水素反応を行い、シクロヘキサノンを製造する方法が記載されている。
特許文献3には、酸化銅及び酸化亜鉛を含有する触媒の存在下に、シクロヘキサノールの脱水素反応を行い、シクロヘキサノンを製造する方法が記載されている。
特許文献4には、銅系脱水素触媒の存在下に、シクロペンタノールの脱水素反応を行い、シクロペンタノンを製造する方法が記載されている。
特許文献5には、酸化銅及び貴金属を含有する触媒の存在下に、シクロヘキサノールの脱水素反応を行い、シクロヘキサノンを製造する方法が記載されている。
特許文献6には、酸化銅又は銅を含有する触媒の存在下に、シクロペンタノールの脱水素反応を行い、シクロペンタノンを製造する方法が記載されている。
これらの銅を含有する触媒の中でも、銅−クロム系触媒や銅−亜鉛系触媒等の触媒は、安価で、かつ、比較的活性が高いという長所を有している。しかしながら、これらの触媒は、シクロヘキサノールやシクロペンタノールの脱水素反応においては反応選択性が低く、副生成物が生成しやすいという問題があった。
そのほか、触媒の活性成分として、パラジウム、白金、ルテニウム等の貴金属を含む触媒を用いて脱水素反応を行う方法も知られているが、触媒が高価であるためコストの面で問題があった。
特開昭56−20541号公報 特開昭58−157741号公報 特開昭61−282334号公報 特開昭58−203932号公報 特開2002−292282号公報 特開2001−335527号公報
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、安価な触媒を用いてシクロペンタノールの気相脱水素反応を行って、極めて高選択的に、かつ、収率よくシクロペンタノンを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、シクロペンタノールの気相脱水素反応において、用いる触媒について鋭意研究した。その結果、少なくとも銅の酸化物とケイ素の酸化物とを含有し、銅の酸化物とケイ素の酸化物の含有量の合計が、触媒全体に対して90質量%以上である触媒の存在下にシクロペンタノールの気相脱水素反応を行うと、極めて高選択的に、かつ、収率よくシクロペンタノンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(3)のシクロペンタノンの製造方法が提供される。
(1)触媒の存在下に、シクロペンタノールの気相脱水素反応を行うことによりシクロペンタノンを製造する方法であって、前記触媒として、少なくとも銅の酸化物及びケイ素の酸化物を含有し、銅の酸化物とケイ素の酸化物の含有量の合計が、触媒全体に対して90質量%以上であるものを用いることを特徴とするシクロペンタノンの製造方法。
(2)前記触媒として、さらにアルミニウムの酸化物を含有するものを用いる(1)に記載のシクロペンタノンの製造方法。
(3)気相脱水素反応の前に、触媒を還元処理する工程を有しないものである、(1)又は(2)に記載のシクロペンタノンの製造方法。
本発明の製造方法によれば、安価な触媒を用いて、極めて高選択的に、かつ、収率よくシクロペンタノンを製造することができる。
本発明の製造方法は、触媒の存在下に、シクロペンタノールの気相脱水素反応を行うことによりシクロペンタノンを製造する方法であって、前記触媒として、少なくとも銅の酸化物とケイ素の酸化物を含有し、銅の酸化物とケイ素の酸化物の含有量の合計が、触媒全体に対して90質量%以上であるものを用いることを特徴とする。
本発明に用いる触媒は、少なくとも銅の酸化物(以下、「銅酸化物」という。)とケイ素の酸化物(以下、「ケイ素酸化物」という。)を含有し、銅酸化物とケイ素酸化物の含有量の合計が、触媒全体に対して90質量%以上のものである。銅酸化物とケイ素酸化物の含有量の合計が、90質量%以上の触媒を用いてシクロペンタノールの気相脱水素反応を行うことで、極めて高選択的に、かつ、収率よくシクロペンタノンを得ることができる。当該観点から、銅酸化物とケイ素酸化物の含有量の合計は、92〜99質量%がより好ましく、92〜98質量%がさらに好ましい。
ここで、銅酸化物の含有量は、触媒中の銅酸化物の全量をCuOに換算して表した値であり、ケイ素酸化物の含有量は、触媒中のケイ素酸化物の全量をSiOに換算して表した値である。また、後述するアルミニウムの酸化物(以下、「アルミニウム酸化物」という。)の含有量は、触媒中のアルミニウム酸化物の全量をAlに換算して表した値である。
本発明に用いる触媒としては、銅酸化物とケイ素酸化物の含有量比(銅酸化物:ケイ素酸化物で表される質量比)が、30:70〜90:10の範囲であるものが好ましく、40:60〜80:20の範囲であるものがより好ましい。銅酸化物とケイ素酸化物との含有量比が上記範囲内にある触媒を用いてシクロペンタノールの気相脱水素反応を行うことで、極めて高選択的に、かつ、収率よくシクロペンタノンを得ることができる。
本発明に用いる触媒としては、銅酸化物とケイ素酸化物に加えて、さらにアルミニウム酸化物を含有するものが好ましい。銅酸化物とケイ素酸化物に加えて、アルミニウム酸化物を含有する触媒を用いてシクロペンタノールの気相脱水素反応を行うことで、高い選択性を維持したままシクロペンタノールのシクロペンタノンへの転化率をさらに高めることができる。当該観点から、アルミニウム酸化物の含有量は、触媒全体に対して0.5〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
本発明に用いる触媒は、本発明の効果を妨げない範囲において、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、金属元素の単体やその酸化物等が挙げられる。
上記金属元素としては、例えば、ナトリウム等の周期律表第1族の金属元素、カルシウム等の周期律表第2族の金属元素、亜鉛、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、鉛、錫、モリブデン、チタン、ジルコニウム等の周期律表第3〜12族の金属元素などが挙げられる。
本発明に用いる触媒の調製法は特に限定されない。例えば、共沈法、混練法等の公知の調製方法を採用することができる。
共沈法による場合は、例えば、銅含有化合物及びケイ素含有化合物を含む混合溶液を調製し、この混合溶液に塩基性化合物等を添加してpHを調節することで沈殿物を得た後、この沈殿物を触媒前駆体として用いることで、目的の触媒を調製することができる。
触媒成分として、銅酸化物とケイ素酸化物に加えて、アルミニウム酸化物等の他の成分を含有させる場合には、あらかじめ前記混合溶液中にアルミニウム含有化合物等を添加しておき、この混合溶液から析出した沈殿物を触媒前駆体として用いることで、目的の触媒を調製することができる。また、単離した沈殿物にアルミニウム酸化物等の他の成分を混合するようにしてもよい。
混合溶液を調製する際に用いる銅含有化合物としては、銅を含有する水溶性の化合物であれば特に制限なく用いることができる。なかでも比較的安価で入手し易いことから、銅の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等が好ましい。
混合溶液を調製する際に用いるケイ素含有化合物としては、ケイ素を含有する水溶性の化合物であれば特に制限なく用いることができる。例えば、アルカリ金属ケイ酸塩等のケイ酸塩化合物;テトラアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物が挙げられる。
混合溶液を調製する際に用いるアルミニウム含有化合物としては、アルミニウムを含有する水溶性の化合物であれば特に制限なく用いることができる。例えば、アルミニウムの硝酸塩、硫酸塩、塩化物等が挙げられる。
混合溶液に添加する塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;等が挙げられる。
混合溶液から析出した沈殿物を用いて触媒を調製する方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
例えば、得られた沈殿物を用いて、洗浄処理、乾燥・焼成処理、粉砕処理、成形処理等を行うことで、目的の触媒を調製することができる。
前記の洗浄処理を行うことで、触媒毒となるような不純物を除去することができる。洗浄処理は、沈殿物の単離後であれば特に制限なく行うことができる。また、洗浄処理は、後述する乾燥・焼成処理の前に行ってもよく、乾燥・焼成処理の後に行ってもよい。
前記の乾燥・焼成処理を行うことで、機械的安定性に優れる触媒を得ることができる。乾燥・焼成処理の温度は、300〜500℃の範囲が好ましい。乾燥・焼成処理の温度が300℃以上であることで、機械的安定性に優れる触媒が得られ、500℃以下であることで加熱による触媒活性の低下を抑えることができる。乾燥・焼成処理の時間は、通常2〜24時間程度である。
前記の粉砕処理を行うことで、粒子径を目的の範囲内に調節することができる。粉砕処理は、一般的な粉砕装置(アトマイザー、ヘンシェルミキサー等)を用いて行うことができる。
前記の成形処理を行うことで、一定の形状に成形された触媒(以下、「成形体」という。)を得ることができる。成形処理は、公知の方法により行うことができる。例えば、転動造粒法、プレス成形法、打錠成形法、押出成形法などの方法により成形体を得ることができる。
成形体の形状は特に制限されない。例えば、球状、円柱状、中空円柱状、ペレット状等が挙げられる。
成形体の大きさは、用いる反応管の内径等によって適宜選択すればよい。例えば、球状の成形体の場合、平均粒径は1〜40mmが好ましく、2〜20mmがより好ましい。
混練法による場合は、例えば、銅含有化合物及びケイ素含有化合物の混合物に水を加えて混練し、得られた混練物を触媒前駆体として用いることで、目的の触媒を調製することができる。
また、触媒成分として、銅酸化物とケイ素酸化物に加えて、アルミニウム酸化物等の他の成分を含有させる場合には、銅酸化物とケイ素酸化物とを混練する際、又は、銅酸化物とケイ素酸化物との混練物を得た後にアルミニウム含有化合物等の他の成分を再度混合し、得られた混合物を触媒前駆体として用いることで、目的の触媒を調製することができる。
混練法を用いて触媒を調製する場合に用いる、銅含有化合物、ケイ素含有化合物、アルミニウム含有化合物等の原料化合物は、触媒毒となる成分を含まないものが好ましい。
好ましい銅含有化合物としては、例えば、塩基性炭酸銅、水酸化銅、酸化銅等が挙げられる。
好ましいケイ素含有化合物としては、例えば、ケイ素の炭酸塩、水酸化物、酸化物等が挙げられる。
好ましいアルミニウム含有化合物としては、アルミニウムの炭酸塩、水酸化物、酸化物等が挙げられる。
混練法を用いて触媒を調製する場合は、上記の混練処理を行い、次いで、得られた混練物を用いて、洗浄処理、乾燥・焼成処理、粉砕処理、成形処理等を行うことで、目的の触媒を調製することができる。洗浄処理、乾燥・焼成処理、粉砕処理、成形処理は、共沈法による触媒の調製法の中で説明したものと同様の方法により行うことができる。
以上のようにして得られる触媒中の、銅原子及びケイ素原子は、銅酸化物及びケイ素酸化物を構成する限りその酸化状態は、特に限定されない。触媒中の銅原子の酸化状態は、通常1価又は2価であり、2価が好ましい。また、触媒中のケイ素原子の酸化状態は、通常4価である。
本発明の製造方法は、シクロペンタノールの気相脱水素反応を行うことによりシクロペンタノンを製造する方法であって、触媒として、前記触媒を用いるものである。
すなわち、本発明の製造方法は、シクロペンタノールを気体状態で前記触媒に接触させることにより、脱水素反応を行い、シクロペンタノンを得るものである。
また、本発明においては、気相脱水素反応の前に、触媒を還元処理する工程を有しないものであることが、より高選択的、かつ、高収率で目的とするシクロペンタノンを製造する観点から好ましい。
本発明に用いるシクロペンタノールは、公知の方法によって得ることができる。例えば、シクロペンテンの水和反応により得られたシクロペンタノールを用いることができる。
本発明の製造方法は、より具体的には、シクロペンタノールを気体状態とした後、気体状態のシクロペンタノールを、触媒が充填された反応器内に導入し、該反応器内で、気体状態のシクロペンタノールと触媒とを接触させることで、シクロペンタノールの脱水素反応を行うものである。
シクロペンタノールを気化させる方法は特に制限されない。例えば、公知の気化装置を使用して、シクロペンタノールを気化させることができる。
シクロペンタノールを反応器に供する際は、シクロペンタノールを単独で供給してもよく、また、シクロペンタノールと希釈剤とを混合して得られた混合物を供給してもよい。
用いる希釈剤としては、不活性ガスや不活性溶媒が挙げられる。不活性ガスや不活性溶媒は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。また、不活性ガスと不活性溶媒を組み合わせて用いてもよい。
不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素などが挙げられる。
不活性ガスの使用量は、通常、シクロペンタノール1モルに対して0.1〜20モル、好ましくは0.2〜10モル、より好ましくは0.5〜5モルである。
不活性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂肪族エーテル、芳香族炭化水素、芳香族エーテルなどが挙げられる。なかでも、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素がより好ましい。
脂肪族炭化水素としては、通常、炭素数1〜15、好ましくは炭素数3〜10、より好ましくは炭素数5〜8の脂肪族炭化水素が使用できる。その具体例としてはn−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロオクタンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素としては、通常、80〜200℃の沸点を有するものが使用できる。また、芳香族炭化水素としては、単環のものであっても、縮合環のものであってもよいが、単環の芳香族炭化水素であることが好ましい。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼンなどが挙げられる。これらの中ではベンゼン、トルエン、キシレンなどが好ましく、トルエンがより好ましい。
不活性溶媒の使用量は、通常、シクロペンタノール100質量部に対して5〜3000質量部、好ましくは10〜2000質量部、より好ましくは20〜1000質量部である。
シクロペンタノールの気相脱水素反応の反応温度(反応器内の温度)は、通常140℃〜450℃の範囲であり、好ましくは160℃〜300℃である。反応温度が140℃以上であることで、十分な触媒活性が得られる。また、原料のシクロペンタノールが反応管内で凝縮するおそれがない。一方、反応温度が450℃以下であることで、触媒中の酸化銅の凝集を抑制することができ、高い選択性が維持され、また、触媒寿命の低下を避けることができる。
シクロペンタノールの気相脱水素反応の反応圧力(ゲージ圧)は特に限定されない。反応圧力(ゲージ圧)は、通常、減圧から加圧まで広範囲の圧力を選択できる。なかでも、反応圧力は0〜0.3MPaが好ましい。反応圧力(ゲージ圧)が0.3MPa以下であることで、反応の平衡面で有利となり、シクロペンタノール転化率が向上する。
シクロペンタノールの気相脱水素反応の反応様式は特に限定されない。例えば、気相回分(バッチ)反応や気相流通反応を用いることができる。なかでも、生産性の観点から、気相流通反応が好ましい。気相流通反応は、原料のシクロペンタノールを連続的に反応器に供給し、一方で、シクロペンタノンを含む反応生成物を連続的に反応器から抜き出すことで行われる。
反応器内の触媒床は特に制限されない。触媒床は、固定床式、流動床式のいずれのものでもよい。
反応器は、その形状や材質について特に制限されない。通常、気相回分反応においては、耐圧反応器が用いられ、気相流通反応においては、1個又は直列に連結した2個以上の反応器、例えば多管式固定床流通反応器が用いられる。
反応器として触媒を充填した反応管を用いて気相流通反応を行う場合、反応管の内径は、好ましくは6〜100mm、より好ましくは10〜70mmである。また、反応管の長さは、好ましくは0.1〜10m、より好ましくは0.3〜7mである。
前記反応管内における原料のシクロペンタノールの液空間速度(供給した原料の1時間当りの総流量(液容量基準)を触媒の充填容積(空筒基準)で除した値。以下、「LHSV」という。)は特に制限されない。LHSVは、通常0.5〜200hr−1、好ましくは1.5〜50hr−1の範囲である。LHSVが0.5hr−1以上であることで、効率よくシクロペンタノンを生産することができ、200hr−1以下であることで、高いシクロペンタノール転化率で反応を行うことができる。
シクロペンタノンを含む反応生成物は通常は気体として反応管出口から流出する。通常はこの気体を冷却により液化し、次いで、得られた液体を、必要に応じて蒸留などの通常の精製処理を行うことで、目的物であるシクロペンタノンを単離することができる。
以上のようにして製造されるシクロペンタノンはジャスミン系香料などの製造原料として有用である。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。なお、実施例中の%は、特に断りのない限りモル基準である。
実施例及び比較例中の反応成績を示すシクロペンタノールの転化率(%)とシクロペンタノンの選択率(%)及び収率(%)は、反応で得られた凝縮液(粗生成物)をガスクロマトグラフィーで分析して求めた組成比に基づき、次式により算出した。
シクロペンタールの転化率(%)=[1−(反応管出口におけるシクロペンタノールの流量(モル/分))÷(導入したシクロペンタノールの流量(モル/分))]×100
シクロペンタノンの選択率(%)=(反応管出口のシクロペンタノンの流量(モル/分))÷[(導入したシクロペンタノールの流量(モル/分))−(反応管出口におけるシクロペンタノールの流量(モル/分))]×100
シクロペンタノンの収率(%)=(上記転化率(%))×(上記選択率(%))÷100
(実施例1)
ステンレス製反応管(内径9.3mm、長さ100mm)に、酸化銅−シリカ(酸化ケイ素)系触媒(酸化銅67質量%、シリカ27質量%、酸化ナトリウム2質量%、及びその他の金属酸化物と水分とを4質量%含有する円柱状押し出し成型品、日揮触媒化成社製、E35S)を5.5ml充填し、オーブンで190℃に加温した。
次いで、反応管中の触媒について還元処理を行わず、そのまま以下のようにして反応を行った。
まず、反応管入口から、気化させたシクロペンタノール(純度99.2%)をLHSV=3.3hr−1の速度で供給し、反応管出口圧力を常圧に保ちながら190℃で連続反応を行った。このとき、反応生成物が反応管出口から気体として流出するため、これを冷却捕集し、凝縮液(粗生成物)を得た。
連続反応開始後の50〜51時間の間に採取した凝縮液をガスクロマトグラフィーで分析し、上記式に従い、シクロペンタノールの転化率、シクロペンタノンの選択率、シクロペンタノンの収率をそれぞれ求めた。これらの結果を第1表に示す。
(実施例2)
触媒を、酸化銅−シリカ系触媒(酸化銅49質量%、シリカ47質量%、アルミナ(酸化アルミニウム)1質量%、酸化ナトリウム2質量%、及びその他の金属酸化物と水分とを1質量%含有する円柱状押し出し成型品、日揮触媒化成社製、N240)に変えた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。結果を第1表に示す。
(比較例1)
触媒を、酸化銅44質量%、酸化亜鉛42質量%、シリカ5質量%、及びその他の金属酸化物と水分とを9質量%含有する円柱状押し出し成型品に変えた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。結果を第1表に示す。
(比較例2)
触媒を、酸化銅57質量%、シリカ29質量%、及び酸化カルシウム14質量%を含有する円柱状押し出し成型品に変えた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。結果を第1表に示す。
(比較例3)
触媒を、酸化銅49質量%、酸化亜鉛45質量%、及びその他の金属酸化物と水分とを6質量%含有する直径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットに変えた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。結果を第1表に示す。
Figure 0005790103
銅酸化物とケイ素酸化物の含有量の合計が、触媒全体に対して90質量%以上の触媒を用いた実施例1及び2においては、どちらも、シクロペンタノンの選択率において99.7%という極めて高い値を示している。特に、銅酸化物とケイ素酸化物に加えてアルミニウム酸化物を含有する触媒を用いた実施例2においては、高い選択率を維持したまま、シクロペンタノールの転化率を高めることができる。この結果、実施例2においては、高い収率が得られている。
これに対して、比較例1〜3においては、シクロペンタノンの選択率が低く、シクロペンタノンの収率も低い値を示している。

Claims (4)

  1. 触媒の存在下に、シクロペンタノールの気相脱水素反応を行うことによりシクロペンタノンを製造する方法であって、
    前記触媒として、少なくとも銅の酸化物及びケイ素の酸化物を含有し、銅の酸化物とケイ素の酸化物の含有量の合計が、触媒全体に対して90質量%以上であり、銅の酸化物とケイ素の酸化物の含有質量比が、51:49〜90:10の範囲であるものを用いることを特徴とするシクロペンタノンの製造方法。
  2. 前記銅の酸化物とケイ素の酸化物の含有質量比が、51:49〜80:20の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のシクロペンタノンの製造方法。
  3. 前記触媒として、さらにアルミニウムの酸化物を含有するものを用いる請求項1又は2に記載のシクロペンタノンの製造方法。
  4. 気相脱水素反応の前に、触媒を還元処理する工程を有しないものである、請求項1〜3のいずれかに記載のシクロペンタノンの製造方法。
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