JP2002002983A - シート積層体の底部からシート材料を連続的に送る装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる厚さのシートを装置を通して送ること
ができるのに必要な調節手段が極端に簡単である、シー
ト積層体の底部から連続的にシート材料を送る方法及び
装置を提供する。 【解決手段】 シート積層体の底部からシート材料を連
続的に送る装置において、吸引室を形成している手段
と、吸引室上で移動可能な穴の開いた一つ以上のベルト
と、シート積層体がベルトと接触するように吸引室の上
方にシート積層体の位置を確定する手段と、吸引室の下
流端の近くに位置決めされたシート積層体の拘束手段で
あって、拘束手段の底部とベルトの間の間隙を形成する
ように配置されている、シート積層体の拘束手段と、拘
束手段の前に積層体の底部シートに上向きの波形状部を
形成する手段とを備え、間隙は、波形状部の形成された
底部シートが通過できるような形状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、積層体から連続的
にシート材料を送る方法及び装置に関し、とりわけ、積
層体の底面からシートを分離して送ることに関する。

【０００２】

【従来の技術】紙シートなどのシート材料の積層体の種
々の形態のボトムフィーダが公知である。これらのボト
ムフィーダには、特に米国特許第５７９７５９７号、同
第４３３６９２９号、英国特許第２１３７１７８号、同
第２１０９３５２号、欧州特許第０４５９６６７号、同
０４４６８８９号及び同第００３０４１０号が含まれて
いる。これらの多数の従来技術の装置では、シート積層
体が拘束手段によって所定位置に保持されており、送ら
れるシートの厚さに依存してシートの通過のために、拘
束手段の下にある間隙の寸法を形成するように、拘束手
段の高さを調節しなければならない。それにより、これ
らの装置は設定するのが非常に困難となり、送られるシ
ートが変更される度に拘束手段を再調節する必要があ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、異な
る厚さのシートを装置を通して送ることができるのに必
要な調節手段が極端に簡単である、シート積層体の底部
から連続的にシート材料を送る方法及び装置を提供する
ことである。

【０００４】本発明のさらなる目的は、トップフィーダ
よりもかなり安価であり、かつ操作上信頼性があり、か
つ異なる厚さのシートを送ることができるボトムフィー
ダを提供することである。

【０００５】本発明のさらなる目的は、非常に薄い紙か
ら非常に厚いカードまで送ることができ、必要とされる
調節が非常に簡単であるボトムフィーダを提供すること
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の一態様によれ
ば、シート積層体の底部からシート材料を連続的に送る
装置において、吸引室を形成している手段と、吸引室上
で移動可能な穴の開いた一つ以上のベルトと、シート積
層体がベルトと接触するように吸引室の上方にシート積
層体の位置を確定する手段と、吸引室の下流端の近くに
位置決めされたシート積層体の拘束手段であって、拘束
手段の底部とベルトの間の間隙を形成するように配置さ
れている、シート積層体の拘束手段と、拘束手段の前に
積層体の底部シートに上向きの波形状部を形成する手段
とを備え、間隙は、波形状部の形成された底部シートが
通過できるような形状を有する、シート積層体の底部か
らシート材料を連続的に送る装置が提供される。

【０００７】本発明の別の態様によれば、シート積層体
の底部から連続的にシートを送る方法において、吸引室
内で吸引力を発生させる段階と、吸引室周りで穴の開い
た一つ以上のベルトを移動させ、それにより、ベルトの
面において吸引力を発生させる段階と、ベルトの上面と
接触させかつ吸引室の上方にシート積層体を位置決めす
る段階と、形成された間隙を拘束手段とベルトの面の間
に形成する拘束手段によって吸引室の下流端部の近くで
シートの前進を拘束する段階と、積層体の底部シートの
みに上向きの波形状部を形成する波形状部形成手段を拘
束手段の前に配置する段階と、吸引室内で断続的に吸引
作用を生じさせ、形成された間隙を通して積層体の波形
状部の形成された底部シートを送る段階とを備えてい
る、シート積層体の底部から連続的にシートを送る方法
が提供される。

【０００８】好ましくは、拘束手段は、ベルトに関する
調節能力を有し、かつ送られるシートの厚さに応じて調
節される必要のない、吸引室の下流端部の近くかつ上方
に位置決めされたゲートを備えている。異なる厚さのシ
ートを送るのに必要な唯一の調節は、波形状部形成手段
が底部シートに形成する変形の量に関する波形状部形成
手段の調節である。

【０００９】ベルトの形状を変化させるために、波形状
部形成手段は、好ましくは、一つのベルトの中にあり、
かつベルトの移動方向に直角な方向に調節可能であるロ
ーラである。

【００１０】好ましくは、拘束手段には、ほぼ直線状の
底縁において、波形状部形成手段に整列された凹所が設
けられている。好ましくは、この凹所は、ベルトによっ
て変形された底部シートの形状に形状が似ている切欠き
部の形態である。このような凹所と、整列されたコルゲ
ータとの組み合わせにより、コルゲータの高さ、ベルト
の変形量を単に変化させることによって、広範囲の厚さ
のシートが誤って送られることや二重に送られることな
く積層体から送ることができることとなる。これによ
り、拘束ゲートの設定を繰り返すことや、拘束ゲートと
下にあるベルトの間の間隙を注意深く再配置することが
必要となることが避けられる。

【００１１】好ましくは、積層体の底部シートの分離を
助けるため、底部シートのみがベルトに接触して下方に
保持され、積層体の側面では底部シートに向けて空気が
連続的に吹かれる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明をより十分に理解するため
に、本発明による装置、及びこの装置の操作方法の実施
例が添付図面を参照して例として記載されている。添付
図面を参照して、材料のシートの積層体１１の底部シー
トを分離して前方へ送る送り機構が全体的に１０で示さ
れている。この送り機構は、各端部において運転可能な
ローラを有するハウジング１６によって形成されている
吸引室１４を有し、一方のローラ１８はハウジングの上
流端部にあり、他方のローラ２０はハウジングの下流端
部にある。ローラ１８及び２０は、各駆動軸２２及び２
４によって回転方向に駆動される。パイプ１９はハウジ
ングを吸引源２１に接続する。図３に示されているよう
に、数列の平行な等間隔の穴２７が設けられているベル
ト２６は、ローラによって駆動されるように、ハウジン
グ１６及びローラ１８及び２０周りでこれらと接触して
いる。ベルト２６の移動方向は矢印２５で図１において
示されている。ハウジング１６には、ベルトの各列の穴
２７と整列している、ハウジングを通る複数の平行な細
長形状スロット２８が設けられている。吸引室１４内で
吸引作用が発生することによって、数列の穴２７でベル
トの面において吸引が発生する。示されているように、
ベルトの中心線の各側に五列の穴があり、各側の外側四
列だけが吸引スロット２８上にある。

【００１３】吸引室ハウジング１６は、ベルト２６の境
界と境界の間に、波形ローラ３０が取り付けられる凹所
２９を組み込んでいる。ローラ３０は回転軸３０ｂに接
続されたピン３０ａ上に担持されている。手動又は他の
方法で、回転軸３０ｂは回転させられることができ、そ
れにより、ピン及びローラ３０が上昇又は下降し、ハウ
ジングの上方にローラ３０が突出する量が増加又は減少
する。この移動は矢印３０ｃ（図１）に示され、この移
動は、ベルト２６がローラ上を通過する時に、ベルト２
６の移動方向２５にほぼ直角な方向である。図３では省
略されているが図１に示されているエンドレス紐又はケ
ーブル３１は、駆動ローラ１８及び２０と波形ローラ３
０を連結し、各ローラには示されているように溝がつけ
られており、三つのローラ全てを回転させる。ローラ３
０の目的はコルゲータとして機能し、ベルトの上側行程
の下流端の近くでベルトの中心において変形する。ハウ
ジングの面の上方にローラ３０の突出する量により、ベ
ルトの変形又は波形状部の量を変化させ、それゆえ、積
層体１１の底部シートの中央領域により大きく又はより
小さく作用する。図３中の寸法ａ及びｂに示されている
ように、ローラ３０は、上流長さ／下流長さに関して前
縁から約３分の１でありかつ後縁から約３分の２である
位置にベルトの位置決めされている。

【００１４】ベルト２６の上側行程の下流端部の上方か
つ近くにおいて、送り機構の全幅に延びかつ板３２の底
縁と下にあるベルト２６との間の間隙３３を形成するほ
ぼ垂直な拘束板３２が設けられている。ゲートとして機
能している拘束板３２は、間隙３３の寸法を変化させる
ように垂直方向の調節移動が可能である。図２に示され
ているように、拘束板３２は、中央においてコルゲート
ローラ３０と整列し、他のほぼ線形の底縁３５におい
て、凹所３４を有するほぼ矩形である。この凹所３４は
浅い三角形を有する。この凹所３４はコルゲートベルト
によって積層体１１の底部シートが変形させられた時に
底部シートの形状にほぼ似ており、この底部シートはコ
ルゲートベルトを通りかつゲートの下を通過する。コル
ゲートローラ３０及び凹所３４の組み合わせにより、個
々のシートが間隙を通して送られることができるという
ことがわかっている。

【００１５】矢印３９によって示されているように、シ
ートが間隙３３を通して送られる時にシートを把持し、
かつさらに処理するために前方へシートを搬送するよう
に配置されている一対のニップローラ３６、３８が間隙
を越えた位置に設けられている。

【００１６】積層体の底部から分離するのを助けるよう
に、送り機構の各側からシート積層体１１の底部シート
に空気噴流を向ける手段が設けられている。これらの空
気噴流は図３中で４０で略図的に示されている。

【００１７】操作中において、シートの積層体１１は、
シートの前縁が拘束板３２と接触した状態で送り機構上
に置かれている。この送り機構によって送られる例えば
シートの厚さ、密度、材料などの特定のタイプに適した
ベルト２６の突出量を形成するために、拘束板３２の位
置がハウジングに関して調節される。次いで、空気が噴
流４０で積層体の底部シートの側面に向けて吹かれ、ベ
ルト２６は、室１４内で同期した断続的な吸引の発生と
共に駆動軸２２、２４によって断続的に駆動される。積
層体１１の底部シートがベルト２６に引き付けられ、吸
引によってベルト２６に対して下方に保持され、積層体
の残りから分離され、間隙３３を通して前方へ送られ、
その一方で、この底部シートの上方のシートが拘束板３
２によって拘束される。底部シートだけがベルトの形状
に適合し、他のシートは遮断されている。

【００１８】異なる厚さ又は異なる密度又は異なる材料
のシートが機構によって送られる場合に必要な唯一の調
節が、交換するシートに適するように、ベルト２６の変
形の量、すなわちベルトの形状を変化させるローラ３０
の高さの調節である。

【００１９】好適な配置であり、かつベルトの内側に対
して作用するローラ３０と一つのベルト２６とを有する
送り機構が記載されているが、別の配置では、ローラ３
０に関して対称に配置された二つ以上の別個の平行なベ
ルトと、ベルトに対してでなく積層体の底部シートに対
して、すなわち二つのベルト間において当接するローラ
とを提供する。この配置は、図４に略図的に示されてい
る。一つのベルト１６に代えて、二つのベルトの間に配
置されたコルゲートローラ３０を有する二つの穴の開い
たベルト１６ａ、１６ｂに交換する。これらベルト１６
ａ、１６ｂは駆動軸２２ａ、２２ｂ、２４ａ、２４ｂに
よって駆動されている。コルゲートローラ３０の設定は
制御ロッド３０ｂによって調節可能である。

【００２０】また、簡単なローラ以外の他の形態のコル
ゲータを使用することができる。

【００２１】本発明の以下の記載は図示及び記載のため
に与えられている。網羅的であることを意図していな
い。記載された正確な形態に本発明を限定することが意
図されていない。多くの修正及び変形は前述の教唆から
可能である。本発明の範囲は本明細書に添付された請求
の範囲によって規定されることが意図されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による第一の実施例の送り機構の略図的
な側面図である。

【図２】図１中の拘束板又はゲートの図である。

【図３】図１に示されている送り機構の略図的な平面図
である。

【図４】別の実施例の略図的な平面図である。

【符号の説明】

１０…送り機構 １１…シート積層体 １４…吸引室 ２６…ベルト ２７…穴 ３０…波形状部を形成する手段 ３２…シート積層体の拘束手段 ３３…間隙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3F343 FA01 FA06 FB00 FC01 FC13 FC29 GA01 GB02 GC01 GD01 JA17 JB05 JD15 JD33 KA05 KA06 KA11 KB05 KB17

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート積層体の底部からシート材料を連
   続的に送る装置において、 吸引室を形成している手段と、 前記吸引室上で移動可能な穴の開いた一つ以上のベルト
   と、 シート積層体が前記ベルトと接触するように前記吸引室
   の上方に前記シート積層体の位置を確定する手段と、 前記吸引室の下流端の近くに位置決めされたシート積層
   体の拘束手段であって、前記拘束手段の底部と前記ベル
   トの間の間隙を形成するように配置されている、シート
   積層体の拘束手段と、 前記拘束手段の前に前記積層体の底部シートに上向きの
   波形状部を形成する手段とを備え、 前記間隙は、前記波形状部の形成された底部シートが通
   過できるような形状を有する、シート積層体の底部から
   シート材料を連続的に送る装置。
2. 【請求項２】 前記拘束手段は、前記吸引室の下流端の
   近くかつ上方に位置決めされかつ前記ベルトに関して調
   節するために配置されたゲートを備えている請求項１に
   記載の装置。
3. 【請求項３】 前記ゲートには、その他の部分がほぼ直
   線状である前記ゲートの底縁において、前記波形状部形
   成手段と整列された凹所が設けられている請求項２に記
   載の装置。
4. 【請求項４】 前記凹所は、前記波形状部の形成された
   底部シートの形状と形状が似ている切欠き部の形態であ
   る請求項３に記載の装置。
5. 【請求項５】 前記凹所は浅い三角形状を有する請求項
   ３又は４に記載の装置。
6. 【請求項６】 前記波形状部形成手段は、前記ベルトの
   形状を変化させるために、一つのベルトの中にあり、か
   つ前記ベルトの移動方向にほぼ直角な方向の調節が可能
   であるローラを備えた請求項１〜５のいずれかに記載の
   装置。
7. 【請求項７】 シート積層体の底部から連続的にシート
   を送る方法において、 吸引室内で吸引力を発生させる段階と、 前記吸引室周りで穴の開いた一つ以上のベルトを移動さ
   せ、それにより、前記ベルトの面において吸引力を発生
   させる段階と、 前記ベルトの上面と接触させかつ前記吸引室の上方にシ
   ート積層体を位置決めする段階と、 形成された間隙を拘束手段と前記ベルトの面の間に形成
   する拘束手段によって前記吸引室の下流端部の近くで前
   記シートの前進を拘束する段階と、 前記積層体の底部シートのみに上向きの波形状部を形成
   する波形状部形成手段を前記拘束手段の前に配置する段
   階と、 前記吸引室内で断続的に吸引作用を生じさせ、前記形成
   された間隙を通して前記積層体の前記波形状部の形成さ
   れた底部シートを送る段階とを備えている、シート積層
   体の底部から連続的にシートを送る方法。
8. 【請求項８】 前記波形状部形成手段は、前記ベルトの
   移動方向にほぼ直角な方向に調節可能であるローラを備
   えている請求項７に記載の方法。
9. 【請求項９】 前記シート積層体の前記底部シートの側
   面に空気噴流を向ける段階を備えている請求項７又は８
   に記載の方法。