JP2002002403A - サッシュレスドア型車のシール構造 - Google Patents

サッシュレスドア型車のシール構造

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JP2002002403A JP2000179509A JP2000179509A JP2002002403A JP 2002002403 A JP2002002403 A JP 2002002403A JP 2000179509 A JP2000179509 A JP 2000179509A JP 2000179509 A JP2000179509 A JP 2000179509A JP 2002002403 A JP2002002403 A JP 2002002403A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リヤサイドガラスを上昇させた場合に、サブ
ウエザーストリップの車室側壁とセンターシールの間に
できる隙間による見栄えや遮音性能の低下を防止する。 【解決手段】 ドア開口部の後部立ち上がり壁22aの
上端にサブウエザーストリップ26を設け、このサブウ
エザーストリップ26にセンターシール25が通過する
ガイド溝27を設ける。ガイド溝27の車内側壁27c
の上端位置に、センターシール25の車内側壁方向に延
出する第1の覆いフランジ29を設け、センターシール
25の車内側壁のうちの、リヤサイドガラス23が最上
昇したときに第1の覆いフランジ29の直下にくる位置
に、ガイド溝27の車内側壁27c方向に延出する第2
の覆いフランジ30を設ける。リヤサイドガラス23が
最上昇したときに、ガイド溝27の車内側壁27cとセ
ンターシール25の間にできる隙間は両フランジ29,
30によって閉塞される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイドドアに保持
されたドア昇降ガラスが、ボディサイドのウエザースト
リップとリヤサイドガラスのセンターシールに直接密接
するサッシュレスドア型車であって、リヤサイドガラス
がボディサイドの窓部に昇降自在に取り付けらるタイプ
のサッシュレスドア型車のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】サッシュレスドア型車として、図11に
示すように、サイドドア1に保持されたドア昇降ガラス
2がドア閉時にリヤサイドガラス3の前縁に密接するタ
イプのものがある。
【0003】このサッシュレスドア型車は、ボディサイ
ドのドア開口部4の後部に昇降窓5が連設され、ドア開
口部4と昇降窓5の、フロントピラー部4aからルーフ
部4b及びリヤピラー部4cにかけてボディサイドウエ
ザーストリップ6が取り付けられると共に、前記窓5に
昇降可能に収容されるリヤサイドガラス3の前縁にセン
ターシール7が取り付けられている。そして、ガラス2
が最上昇した状態でサイドドア1が閉じられると、ガラ
ス2の前縁部と上縁部がボディサイドウエザーストリッ
プ6に密接し、後縁部がリヤサイドガラス3のセンター
シール7に密接するようになっている。また、サイドド
ア1の周域下半にはドア開口部4の下半周縁に密接する
ドアウエザーストリップ8が取り付けられ、ドア閉時に
は、このドアウエザーストリップ8が前記ボディサイド
ウエザーストリップ6及びセンターシール7との協働に
よってサイドドア1の周域をシールするようになってい
る。
【0004】尚、これと同様のサッシュレスドア型車
は、例えば、実開昭51-78517号公報に示されて
いるが、このサッシュレスドア型車は、ドア昇降ガラス
の後縁のシール部(ドア昇降ガラスとセンターシールの
密接部)と、サイドドアの後部上端のシール部(ドアウ
エザーストリップとドア開口部の密接部)がドア閉時に
おいて不連続であるために、これらのシール部間の隙間
から車内に雨水や走行風が侵入することが懸念される。
【0005】従来、この点を改善したサッシュレスドア
型車のシール構造として、図12〜図15に示すような
ものが開発されている。以下、この従来のシール構造に
ついて簡単に説明する。
【0006】このシール構造の場合、ドア昇降ガラス2
の前縁部と上縁部は図外の車体開口部のフロントピラー
部とルーフ部に密接し、ドア昇降ガラス2の後縁部は、
リヤサイドガラス3に取り付けられたセンターシール7
と、ドア開口部4の後部立ち上がり壁上端に取り付けら
れたサブウエザーストリップ9とに跨って密接するよう
になっている。サブウエザーストリップ9は、センター
シール7の昇降位置に断面略U字状のガイド溝10が形
成され、このガイド溝10の車外側壁10aと略U字の
湾曲壁10bがその上端に向かって漸次薄肉に形成され
ている。この車外側壁10aと湾曲壁10bの上端部
は、リヤサイドガラス3の上昇時にセンターシール7の
車外側面に密接して同シール7に対する乗り継ぎ部とな
り、ドア昇降ガラス2の後縁部をセンターシール7とサ
ブウエザーストリップ9に跨って隙間なく密接させるよ
うになっている。
【0007】また、サブウエザーストリップ9の外側面
にはドア閉時にドアウエザーストリップ8の後部上端が
密接し、ドア昇降ガラス2の後縁のシール部(ドア昇降
ガラス2とセンターシール7の密接部)と、サイドドア
1の後部上端のシール部(ドアウエザーストリップ8と
ドア開口部4の密接部)がサブウエザーストリップ9を
介して隙間なく連続するようになっている。
【0008】尚、図中11は、リヤサイドガラス3の車
内側面をシールするインサイドシールであり、12は、
リヤサイドガラス3の車外側面をシールするアウトサイ
ドシールである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、乗用
車のサイドガラス(ドア昇降ガラスやリヤサイドガラス
等)は、ボディサイドの外面形状に合わせて上下方向に
湾曲して形成されており、昇降作動時には、ウエスト部
に対し車幅方向に変位する。つまり、サイドガラスは、
下降状態においては、窓枠下辺に対して車内側に位置し
ており、この状態から上昇操作されると、上端部がボデ
ィサイド形状に沿って上昇すると共に、下端部がウエス
ト部において車外側に移動する。
【0010】したがって、上述した従来のサッシュレス
ドア型車のシール構造においても、ウエスト部前部領域
5aにおけるリヤサイドガラス3の車幅方向の変位を許
容するため、図13に示すように、サブウエザーストリ
ップ9のガイド溝10には、センターシール7の変位幅
よりも大きく充分な幅dを持たせている。
【0011】ところが、サブウエザーストリップ9のガ
イド溝10部分は、ウエスト部でリヤサイドガラス3に
密接追従するインサイドシール11が途切れる部分であ
り、リヤサイドガラス3を下降位置から上昇させていく
と、ガイド溝10の車内側壁10cに対してセンターシ
ール7が車外側に次第に離間し、図14,図15に示す
ように、車内側壁10cの上端とセンターシール7の間
に隙間dができる。そして、この隙間dは車内側から比
較的大きく開口して見え、車内側からの見栄えが悪いば
かりでなく、外部の騒音が車内に伝達される経路となり
易い。
【0012】そこで本発明は、ドア昇降ガラスの後縁と
リヤサイドガラスの間のシール部と、サイドドアの後部
とドア開口部の間のシール部とをサブウエザーストリッ
プを介して隙間なく連続させることができ、しかも、リ
ヤサイドガラスを上昇させた場合に、サブウエザースト
リップの車内側壁とセンターシールの間にできる隙間に
よる見栄えの低下と遮音性能の低下を防止することので
きるサッシュレスドア型車のシール構造を提供しようと
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載の発明は、ボディサ
イドのドア開口部にリヤサイドガラスの昇降窓が連続し
て形成され、前記ドア開口部と昇降窓のフロントピラー
部からルーフ部及びリヤピラー部に沿う位置にボディサ
イドウエザーストリップが取り付けられ、サイドドアに
保持されたドア昇降ガラスの前縁部及び上縁部と、前記
リヤサイドガラスの上縁部及び後縁部が前記ボディサイ
ドウエザーストリップに密接する一方で、前記ドア昇降
ガラスの後縁部が、前記リヤサイドガラスの前端に取り
付けられたセンターシールと、前記ドア開口部の後部立
ち上がり壁上端に取り付けられたサブウエザーストリッ
プとに跨って密接し、さらに前記サイドドアの周域下半
に取り付けられたドアウエザーストリップの端部が前記
サブウエザーストリップに密接するサッシュレスドア型
車のシール構造にして、前記サブウエザーストリップの
センターシールの昇降位置に断面略U字状のガイド溝が
形成され、このガイド溝が、リヤサイドガラスの最上昇
時には車外側壁でセンターシールに密接し、かつリヤサ
イドガラスの下降時には同ガラスの移動軌跡に追従した
センターシールの車内方向の変位を許容する溝幅に形成
されると共に、このガイド溝の車外側壁と略U字の湾曲
壁がその上端のセンターシールとの乗り継ぎ部に向かっ
て漸次薄肉に形成されたものにおいて、サブウエザース
トリップのガイド溝のうちの車内側壁の上端位置に、セ
ンターシールの車内側壁方向に延出する第1の覆いフラ
ンジを設ける一方で、センターシールの車内側壁のうち
の、リヤサイドガラスが最上昇したときに前記第1の覆
いフランジの直下にくる位置に、前記ガイド溝の車内側
壁方向に延出する第2の覆いフランジを設けるようにし
た。
【0014】この発明の場合、リヤサイドガラスが最下
降位置にあるときは、センターシールの車内側壁がサブ
ウエザーストリップの第1の覆いフランジに近接してお
り、この状態からリヤサイドガラスが上昇すると、その
上昇に伴なってセンターシールの車内側壁が第1の覆い
フランジから次第に離間する。こうしてリヤサイドガラ
スが最上昇位置まで上昇すると、センターシールの車内
側壁が第1の覆いフランジから離間するものの、センタ
ーシールの車内側壁に設けた第2の覆いフランジが第1
の覆いフランジの直下位置に達し、上方から見たときの
ガイド溝の車内側壁とセンターシールの間の隙間が第1
の覆いフランジと第2の覆いフランジによって閉塞され
る。
【0015】請求項2に記載の発明は、リヤサイドガラ
スの最上昇時に、第1の覆いフランジの下面に第2の覆
いフランジの上面を密接させるようにした。
【0016】この発明の場合、リヤサイドガラスが最上
昇して第2の覆いフランジが第1の覆いフランジに密接
すると、サブウエザーストリップの車内側壁とセンター
シールの間の隙間がほぼ密閉され、この隙間を通して車
外の騒音が車内に伝達されるのが阻止される。
【0017】請求項3に記載の発明は、第1の覆いフラ
ンジの上面をセンターシール側に向けて下方に傾斜さ
せ、その下端部をボディサイド後方側に向けて下方に傾
斜させ、傾斜面の角度を後方側に行くにしたがって起こ
すと共に、第2の覆いフランジの上面をボディサイド後
方側に向けて下方に傾斜させるようにした。
【0018】この発明の場合、リヤサイドガラスが最上
昇した状態でサイドドアが閉じられると、ドア昇降ガラ
スの後縁部がセンターシールとサブウエザーストリップ
の車外側壁及び湾曲壁とに跨って密接するが、このとき
万一サブウエザーストリップの上端のセンターシールと
の乗り継ぎ部に沿って雨水等の水滴が車内側に回り込む
ことがあっても、その水滴は第1の覆いフランジの傾斜
面に沿ってセンターシール側に誘導され、さらに、第2
の覆いフランジの上面を伝ってボディサイド後方側に流
下する。したがって、水滴が第1の覆いフランジ付近に
溜まることなく、スムーズに車外に排出される。
【0019】請求項4に記載の発明は、サブウエザース
トリップの第1の覆いフランジのうちの、ボディサイド
後方側の端部に、リヤサイドガラスの車内側面をシール
するインサイドシールを一体形成するようにした。
【0020】この発明の場合、サブウエザーストリップ
とインサイドシールの間に隙間ができなくなり、リヤサ
イドガラスの車内側面からセンターシールにかけてが連
続して密閉されるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図1
〜図7に基づいて説明する。
【0022】この実施形態のサッシュレスドア型車は、
図11に示したものと同様に、サイドドア20に保持さ
れたドア昇降ガラス21の前縁部と上縁部が、ボディサ
イドのドア開口部22のうちの、フロントピラー部から
ルーフ部及びリヤピラー部にかけて取り付けられたボデ
ィサイドウエザーストリップ(図示せず。)に直接密接
するようになっており、ドア開口部22のボディサイド
後方側にはリヤサイドガラス23の昇降する昇降窓24
が連設され、サイドドア20の閉時に、前記ドア昇降ガ
ラス21の後縁が、このリヤサイドガラス23の前縁部
に取り付けられたセンターシール25に密接するように
なっている。
【0023】そして、ドア開口部22の後部立ち上がり
壁22aの上端部には、昇降窓24の下辺のウエスト部
前部領域24aを覆うようにサブウエザーストリップ2
6がビス止め等によって取り付けられ、このサブウエザ
ーストリップ26に形成された断面略U字状のガイド溝
27の内部を前記センターシール25が昇降するように
なっている。また、このサブウエザーストリップ26
は、ドア開口部22の後部立ち上がり壁22aの段差状
窪み部分を覆うように取付けられ、その車外側面はサイ
ドドア20の閉時に同ドア20によって隠されるように
なっている。そして、このサブウエザーストリップ26
の車外側面には、サイドドア20の周域下半に取付けら
れたドアウエザーストリップ28の後部側端部が密接す
るようになっている。したがって、ドアウエザーストリ
ップ28は、サイドドア20の閉時にはドア開口部22
のボディパネル面からサブウエザーストリップ26にか
けて連続して密接する。
【0024】また、前記ガイド溝27のうちの、車外側
壁27aの前端部から略U字状の湾曲壁27bにかけて
はその上端部が上方に向かって漸次薄肉に形成されてお
り、センターシール25が車外側に最大に変位した状態
において、前記車外側壁27aの前端部から湾曲壁27
bにかけてがセンターシール25の後述するシールリッ
プ25aに段差無く連続するようになっている。そし
て、車外側壁27aの前端部には、ドア昇降ガラス21
の後縁部下端がセンターシール25とに跨って密接す
る。
【0025】リヤサイドガラス23は、ボディサイド形
状に沿って上下方向に湾曲して形成され、下降状態では
ウエスト部前部領域24aにおいて車内側に変位し、上
昇状態では同前部領域24aにおいて車外側に変位する
ようになっている。ここで、センターシール25はリヤ
サイドガラス23と一体に昇降作動するため、サブウエ
ザーストリップ26のガイド溝27はリヤサイドガラス
23の車幅方向の変位を許容する溝幅、つまり、センタ
ーシール25とガイド溝27が強接触することのない溝
幅に形成されている。
【0026】前記ガイド溝27の車内側壁27cの上端
部には、センターシール25の車内側面方向に延出する
第1の覆いフランジ29が延設されており、センターシ
ール25(リヤサイドガラス23)の最下降時に、この
第1の覆いフランジ29の先端部がセンターシール25
の車内側面にほぼ接するようになっている。そして、こ
の第1の覆いフランジ29の延出長さは、センターシー
ル25の最上昇時に、図5に示すように第1の覆いフラ
ンジ29とセンターシール25の間に同シール25の車
幅方向の最大変位幅aにほぼ等しい隙間ができるように
設定されている。
【0027】また、第1の覆いフランジ29は、図5に
示すように、先端部が先細り状になるようにセンターシ
ール25側に下方傾斜して形成されている。さらに、第
1の覆いフランジ29の下端部29aは、ガイド溝27
の湾曲壁27bからボディサイド後方側に向かって僅か
ずつ下方に傾斜して延設されると共に、傾斜面29bの
角度も僅かずつ起きており、その上面は、全体で見る
と、図6に示すようなすり鉢状に形成されている。した
がって、ガイド溝27の湾曲壁27bの上部に水滴bが
滴下したとすると、その水滴bは第1の覆いフランジ2
9のすり鉢状の上面を伝ってセンターシール25のボデ
ィサイド後方側に誘導される。
【0028】一方、センターシール25は、図1〜図4
及び図6に示すように、リヤサイドガラス23の前端部
に嵌着固定されるコ字状の取付基部25bの車内寄り部
分からボディサイド前方に向かって直線的に支柱壁25
cが延設され、さらに、この支柱壁25cの先端部にシ
ールリップ25aが車外側に屈曲して延設された横断面
形状とされている。ドア昇降ガラス21の後縁部はこの
シールリップ25aに車外側から密接する。
【0029】ここで、センターシール25は長手方向に
亙ってほぼ同断面形状に形成されているが、その車内側
壁(取付基部25b及び支柱壁25c)のうちの、リヤ
サイドガラス23が最上昇したときに前記第1の覆いフ
ランジ29の直下にくる位置には、ガイド溝27の車内
側壁27c方向に延出する第2の覆いフランジ30が延
設されている。
【0030】この第2の覆いフランジ30は、センター
シール25が最上昇したときに第1の覆いフランジ29
の下面に密接するようになっており、その上面は、図7
に示すように、ボディサイド後方側に向かって傾斜して
いる。また、第2の覆いフランジ30の延出長さは、図
5に示すように、センターシール25の最上昇時に第2
の覆いフランジ30とセンターシール25の間に同シー
ル25の車幅方向の最大変位幅aにほぼ等しい隙間がで
きるように設定されている。
【0031】また、昇降窓24のウエスト部には、リヤ
サイドガラス23の車内側面と車外側面に夫々密接する
インサイドシール31とアウトサイドシール32が取付
けられている。
【0032】この実施形態のサッシュレスドア型車のシ
ール構造は以上のような構成であるため、ドア昇降ガラ
ス21とリヤサイドガラス23が最上昇した状態で、図
2中の矢印で示すようにサイドドア20が閉じられる
と、ドア昇降ガラス21の前縁部と上縁部が図外のボデ
ィサイドウエザーストリップに密接すると共に、ドア昇
降ガラス21の後縁部がセンターシール25のシールリ
ップ25aとサブウエザーストリップ26の車外側壁2
7aに密接し、さらに、サイドドア20側のドアウエザ
ーストリップ28がドア開口部22の下半周縁部とサブ
ウエザーストリップ26とに跨って密接する。
【0033】したがって、センターシール25によるド
ア昇降ガラス21の後縁のシール部と、ドアウエザース
トリップ28によるサイドドア20の後縁のシール部と
は図2中に破線Lで示したようにサブウエザーストリッ
プ26を介して連続し、両シール部の隙間からの水滴や
風の浸入は確実に阻止される。
【0034】また、リヤサイドガラス23が最下降位置
から上昇すると、サブウエザーストリップ26の車内側
壁27c上端の第1の覆いフランジ29とセンターシー
ル25の間の隙間は次第に増大するが、リヤサイドガラ
ス23が最上昇位置に近づくと、センターシール25の
車内側壁に設けられた第2の覆いフランジ30が第1の
覆いフランジ29の直下位置まで近接するため、車内側
上方から見たときのガイド溝27とセンターシール25
の間の隙間は第2の覆いフランジ30によって塞がれ
る。したがって、隙間が見えることによる車内側からの
見栄えの低下は生じない。
【0035】そして、さらにリヤサイドガラス23が最
上昇位置まで上昇して窓24が完全に閉塞されると、第
2の覆いフランジ30は第1の覆いフランジ29の下面
に完全に密接し、ガイド溝27の車内側壁27cとセン
ターシール25の間の隙間はほぼ完全に閉塞される。し
たがって、これにより車外の騒音がこの隙間を通して車
内に伝達される不都合も生じない。
【0036】また、このシール構造においては、第1の
覆いフランジ29と第2の覆いフランジ30をオ−バー
ラップさせるように突出させているため、リヤサイドガ
ラス23を閉じた状態で仮にサブウエザーストリップ2
6を真上から覗いた場合であっても隙間を通してガイド
溝27の内部が見えることがない。そして、第1の覆い
フランジ29はその上面がセンターシール25方向に傾
斜して先端部が先細り状に収斂しているため、リヤサイ
ドガラス23が最上昇した状態においては、第1の覆い
フランジ29と第2の覆いフランジ30が滑らかに連続
して見える。したがって、これらの点からも見栄えのよ
り一層の向上が図られている。
【0037】ところで、ドア昇降ガラス21とリヤサイ
ドガラス23が完全に閉じられ、ドア昇降ガラス21の
後縁がセンターシール25とサブウエザーストリップ2
6に密接した状態においても、経時使用に伴なうシール
反力の低下等により、図6に示すように、雨水等の水滴
bがサブウエザーストリップ26の車外側壁27a上端
のセンターシール25との乗り継ぎ部を伝い、さらにガ
イド溝27の湾曲壁27bを回り込んでセンターシール
25の背部側に流入することが考えられる。
【0038】しかし、この実施形態のシール構造におい
ては、ガイド溝27の車内側壁27cに延設され、第1
の覆いフランジ29の上面がセンターシール25側に向
けて下方に傾斜し、その下端部29aがボディサイド後
方側に向けて下方に傾斜し、その傾斜面29bが角度を
後方に行くに従って起こして形成されているため、湾曲
壁27bを回り込んだ水滴bは車室内側に流れ込むこと
なく、第1の覆いフランジ29の上面を伝ってセンター
シール25側に誘導される。そして、第1の覆いフラン
ジ29の先端部に達した水滴bはそれに密接する第2の
覆いフランジ30の上面に流れ込み、第2の覆いフラン
ジ30の上面を伝ってインサイドシール31との隙間よ
りボディ内部に入り、下方の排水路より排出される。こ
のとき第2の覆いフランジ30の上面はボディサイドの
後方側に傾斜しているため、水滴bは第1の覆いフラン
ジ29と第2の覆いフランジ30によって形成されたサ
ブウエザーストリップ26の前方の窪み領域に溜まるこ
とがない。
【0039】尚、本発明の実施形態は以上で説明したも
のに限るものではなく、例えば、図8〜図10に示す実
施形態のように、ウエスト部前部領域24aにおいてリ
ヤサイドガラス23の車内側面に密接するインサイドシ
ール31を、第1の覆いフランジ29と一体形成するよ
うにしても良い。
【0040】以下、この実施形態について簡単に説明す
るが、前述の実施形態と同一部分には同一符号を付し、
重複する部分については説明を省略するものとする。
【0041】この実施形態の場合、全体の構成は前述の
実施形態とほぼ同様とされているが、第1の覆いフラン
ジ29の端部29cをボデイサイド後方側に紐状に延出
させ、その端部29cをほぼ半回転捩るようにしてイン
サイドシール31の上段側のシールリップ31aと一体
化している。
【0042】したがって、この実施形態のシール構造に
おいては、リヤサイドガラス23からセンターシール2
5にかけての車内側面を、図9に示すように、インサイ
ドシール31と第1の覆いフランジ29によって連続し
て密閉することができる。よって、サブウエザーストリ
ップ26の車内側壁27cとインサイドシール31の間
に隙間ができなくなり、車内側から見たときの見栄え
と、遮音性能がより一層向上する。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
リヤサイドガラスが最上昇したときに、サブウエザース
トリップの車内側壁とセンターシールの間にできる隙間
を、サブウエザーストップ側の第1の覆いフランジとセ
ンターシール側の第2の覆いフランジによって覆うこと
ができるため、車内側からの見栄えの低下を防止するこ
とができると共に、隙間を通しての外部騒音の伝達を阻
止することができる。したがって、この発明によれば、
ドア昇降ガラスの後縁のシール部とサイドドアの後縁の
シール部をサブウエザーストリップを介して隙間なく連
続させることができるうえ、車両の外観品質の向上と遮
音性の向上を図ることができる。
【0044】請求項2に記載の発明は、リヤサイドガラ
スの最上昇時に、第2の覆いフランジと第1の覆いフラ
ンジが密接するため、サブウエザーストリップの車内側
壁とセンターシールの間の隙間をほぼ完全に密閉して、
この隙間を通しての車外騒音の進入をより確実に防止す
ることができる。
【0045】請求項3に記載の発明は、サブウエザース
トリップの上端のセンターシールとの乗り継ぎ部を通し
て車内側に雨水等の水滴が回り込んだときであっても、
その水滴を第1の覆いフランジの傾斜面の角度変化によ
りセンターシール側に誘導し、さらに第2の覆いフラン
ジの上面の傾斜に沿ってボディサイド後方側に誘導し、
ボディの内部に落とし込み下方の排出路より排出できる
ため、水滴が第1の覆いフランジ付近に溜まり、その水
滴が車内側に流入する不具合を確実に回避することがで
きる。
【0046】請求項4に記載の発明は、サブウエザース
トリップとインサイドシールの間に隙間ができなくなる
ため、リヤサイドガラスの車内側面からセンターシール
の車内側面にかけてを連続して密閉し、車内側からの見
栄えと、遮音性をより確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、図11
のA部を車内側から見た斜視図。
【図2】同実施形態を示すものであり、図11のA部を
車外側から見た斜視図。
【図3】同実施形態を示すものであり、図11のA部を
車内側から見た分解斜視図。
【図4】同実施形態を示す図5のD−D線に沿う断面
図。
【図5】同実施形態を示す図4のE−E線に沿う断面
図。
【図6】同実施形態を示すものであり、センターシール
を破断した図2と同様の斜視図。
【図7】同実施形態を示す図6のF−F線に沿う断面
図。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、セン
ターシールを取り去った図6と同様の斜視図。
【図9】同実施形態を示す平面図。
【図10】同実施形態を示す図8のG矢視側面図。
【図11】サッシュレスドア型車を示す側面図。
【図12】従来の技術を示すものであり、図11のA部
を車外側から見た斜視図。
【図13】同技術を示す図15のB−B線に沿う断面
図。
【図14】同技術を示すものであり、図11のA部を車
内側から見た斜視図。
【図15】同技術を示す図13のC−C線に沿う断面
図。
【符号の説明】
20…サイドドア 21…ドア昇降ガラス 22…ドア開口部 22a…後部立ち上がり壁 23…リヤサイドガラス 24…昇降窓 25…センターシール 26…サブウエザーストリップ 27…ガイド溝 27a…車外側壁 27b…湾曲壁 27c…車内側壁 28…ドアウエザーストリップ 29…第1の覆いフランジ 30…第2の覆いフランジ 31…インサイドシール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボディサイドのドア開口部にリヤサイド
    ガラスの昇降窓が連続して形成され、前記ドア開口部と
    昇降窓のフロントピラー部からルーフ部及びリヤピラー
    部に沿う位置にボディサイドウエザーストリップが取り
    付けられ、サイドドアに保持されたドア昇降ガラスの前
    縁部及び上縁部と、前記リヤサイドガラスの上縁部及び
    後縁部が前記ボディサイドウエザーストリップに密接す
    る一方で、前記ドア昇降ガラスの後縁部が、前記リヤサ
    イドガラスの前端に取り付けられたセンターシールと、
    前記ドア開口部の後部立ち上がり壁上端に取り付けられ
    たサブウエザーストリップとに跨って密接し、さらに前
    記サイドドアの周域下半に取り付けられたドアウエザー
    ストリップの端部が前記サブウエザーストリップに密接
    するサッシュレスドア型車のシール構造にして、 前記サブウエザーストリップのセンターシールの昇降位
    置に断面略U字状のガイド溝が形成され、このガイド溝
    が、リヤサイドガラスの最上昇時には車外側壁でセンタ
    ーシールに密接し、かつリヤサイドガラスの下降時には
    同ガラスの移動軌跡に追従したセンターシールの車内方
    向の変位を許容する溝幅に形成されると共に、このガイ
    ド溝の車外側壁と略U字の湾曲壁がその上端のセンター
    シールとの乗り継ぎ部に向かって漸次薄肉に形成された
    ものにおいて、 サブウエザーストリップのガイド溝のうちの車内側壁の
    上端位置に、センターシールの車内側壁方向に延出する
    第1の覆いフランジを設ける一方で、センターシールの
    車内側壁のうちの、リヤサイドガラスが最上昇したとき
    に前記第1の覆いフランジの直下にくる位置に、前記ガ
    イド溝の車内側壁方向に延出する第2の覆いフランジを
    設けたことを特徴とするサッシュレスドア型車のシール
    構造。
  2. 【請求項2】 リヤサイドガラスの最上昇時に、第1の
    覆いフランジの下面に第2の覆いフランジの上面を密接
    させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のサ
    ッシュレスドア型車のシール構造。
  3. 【請求項3】 第1の覆いフランジの上面をセンターシ
    ール側に向けて下方に傾斜させ、その下端部をボディサ
    イド後方側に向けて下方に傾斜させ、傾斜面の角度を後
    方側に行くにしたがって起こすと共に、第2の覆いフラ
    ンジの上面をボディサイド後方側に向けて下方に傾斜さ
    せたことを特徴とする請求項1または2に記載サッシュ
    レスドア型車のシール構造。
  4. 【請求項4】 サブウエザーストリップの第1の覆いフ
    ランジのうちの、ボディサイド後方側の端部に、リヤサ
    イドガラスの車内側面をシールするインサイドシールを
    一体形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のサッシュレスドア型車のシール構造。
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