JP3706528B2 - 自動車バックドアの排水構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
自動車のバックドアを上方に開いたとき、バックドアに付着している水滴が落ちてきて、室内に入ることがある。本発明は、このような水の浸入に関する技術分野に属している。
【0002】
【従来の技術】
図1、図2は、本発明の実施形態であるが、図5と共に本発明が適用される車体の部位を説明する。まず、バックドア1はほぼ起立した状態で車体の後部に設置されており、ル−フパネル2の後端部にヒンジ3を介して取り付けられている。したがって、バックドア1はその上部を中心にして開閉する。図1は、図5の(1)−(1)断面図に相当するもので、バックドア1の横側のアウタパネル4は符号5の箇所で前方に湾曲させられている。そして、インナパネル6がヘミング部7やフランジ溶接部8において、アウタパネル4に一体化されている。なお、リヤウインドガラス9は枠形状のウエザストリップゴム10でフランジ溶接部8に固定してある。なお、「湾曲部」とは、符号5の箇所からヘミング部7にかけて外板形状が曲がっている箇所、あるいはその近くの部分を意味している。
【0003】
サイドパネル11とインナパネル12とは、エンドパネル13で結合されており、図号14はヘミング部、15はフランジ溶接部である。フランジ溶接部15にはシールゴム16が固定されており、バックドア1を閉じた図1の状態では、インナパネル6の一部がシールゴム16に圧着している。バックドア1を上方へ開けると、後部の開口部17が開放される。符号18は、湾曲部の前端縁であり、サイドパネル11の後端縁19との間に所定の間隔20が空けられている。間隔20は自動車の横から見ると、横側面の後部近くに上下方向に伸びている。すなわち、バックドアと車体静止部位との割線が車体の横側に配置されているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような構造は、極めて一般的なものであるが、降雨時にバックドアをあけると、雨水がバックドアの左右に流れて滴下し、風向き等の影響で室内に入ることがある。バックドアは、通常、中央部が後方に膨らんだ形状になっているので、バックドアを開けると水滴は左右に流れる。あるいは、自動車が傾斜した路面に停車しているときには、片側に流れる。バックドアが閉じているときには、バックドアのアウタパネルやリヤウインドガラスに水滴が付着している程度であるが、バックドアを開けてその下端がヒンジ部分よりも高くなるようなときには、前記水滴が低い方へ流れてウエザストリップゴムでせき止められ、その後、左右に流れて室内に入ることがある。また、バックドアには車幅方向に溝状の意匠ラインが形成されていることが多いので、この部分で前述のウエザストリップゴムと同様な集水現象が発生して、左右に流下する現象が生じる。なお、図2はバックドアが開かれているときの流水状態を示している。
【0005】
上述のような流水を阻止するために、図1、図2の符号5で示した付近に長尺なダム部材を取り付けることが考えられるが、完全に水をせき止めて前方に流すためには、ダム部材を高める必要があり、外観的に好ましくなく、また、風切り音が大きくなるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段とその作用】
本発明は、上述の問題点に注目して発案されたもので、請求項1の発明は、上部を中心にして開閉する自動車のバックドアであって、同ドアの横側のアウタパネルが前方に湾曲させられ、その湾曲部の前端縁はサイドパネルの後端縁との間に所定の間隔の隙間を空けてサイドパネルに連続している形式のものにおいて、前記湾曲部の内側に複数本の制水溝を有する防水ストリップが取り付けられ、前記防水ストリップは少なくともバックドアのリヤウインドの横側に沿う長さとされていることを特徴としている。
【0007】
したがって、流下してきた水は、まず最初の制水溝、すなわち第一の溝に入って前方に流される。このときには水はその表面張力によって、第一の溝に止まろうとする性質があるので、水は溝から溢れることがなく、溝に沿って前方に流される。水量が多くて第一の溝から溢れた水は、次の制水溝、すなわち第二の溝に入ってゆく。そのときリップをオーバーフローして第二の溝へ流入してゆくのであるが、この流入の過渡期に流速が落とされ、第二の溝に沿って流される。第二の溝では、水の流速も低下しているので、水量が少なければ水をせき止める機能が強く果たされる。このような第二の溝における現象においても、第一の溝と同様な表面張力の作用が果たされている。
【0008】
また本発明によれば、バックドアを開いたときには、リヤウインドガラスのウエザストリップゴムにせき止められた水が、バックドアの左右に流れるので、防水ストリップの設置箇所とその長さは、最低、リヤウインドの横側でしかもリヤウインド高さと同等あるいはそれよりも長く設定してある。こうすることによって、バックドアの横側に流下した水は、確実に防水ストリップに捕捉されて、前述のような流動現象を呈するのである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施形態にしたがって、本発明をくわしく説明する。本発明の要点は、前述の車体構造に防水ストリップを付加したものなので、前述の車体構造は本発明の背景として全面的に援用される。
【0011】
主として図3について説明する。ゴム製の防水ストリップ21は、ほぼ逆F字型の断面形状であり、同図の紙面に対して垂直方向に伸びている。リップ22と前端縁18によって最初の制水溝23、すなわち第一の溝23が構成されている。さらに、リップ22とリップ24によって次の制水溝25、すなわち第二の溝25が構成されている。防水ストリップ21は符号26で示した箇所で、湾曲部5の内側に接着されている。防水ストリップ21の長さは、バックドア1の両横全長にわたって設置するのが最適であるが、水の流動状態からすると、少なくとも、リヤウインドの高さかそれよりも若干長く設定するのが適当である。その状態は、図5の符号Lで示されている。
【0012】
図1のようにバックドア1を閉じるときには、防水ストリップ21はサイドパネル後端縁19に接触しながら弾性変形をさせられ、ヘミング部14の内側に密着する。こうすることによって、間隔20は防水ストリップ21で封じられる。
【0013】
以上の実施形態の作動を説明する。バックドア上を車幅方向に流下してきた水は、まず最初の制水溝23、すなわち第一の溝23に入って前方に流される。このときには水はその表面張力によって、第一の溝23に止まろうとする性質があるので、水は溝から溢れることがなく、溝に沿って前方に流される。水量が多くて第一の溝23から溢れた水は、次の制水溝25、すなわち第二の溝25に入ってゆく。そのときリップ22をオーバーフローして第二の溝25へ流入してゆくのであるが、この流入の過渡期に流速が落とされ、第二の溝25に沿って流される。第二の溝25では、水の流速も低下しているので、水量が少なければ水をせき止める機能が強く果たされる。
【0014】
防水ストリップ21は少なくともバックドア1のリヤウインドの横側に沿う長さLとされているので、バックドア1を開いたときには、リヤウインドガラス9のウエザストリップゴム10にせき止められた水が、バックドア1の左右に流れるので、防水ストリップ21の設置箇所とその長さは、最低、リヤウインドの横側でしかもリヤウインド高さと同等あるいはそれよりも長く設定してある。こうすることによって、バックドア1の横側に流下した水は、確実に防水ストリップ21に捕捉されて、前述のような流動現象を呈するのである。
【0015】
バックドア1を閉じたときに防水ストリップ21がサイドパネル11の後端縁の内側に進入するように構成したので、湾曲部の前端縁18とサイドパネル11の後端縁19によって形成されている間隔20が、防水ストリップ21によって封じられている。よって、隙間20から内部がみえることがなく、外観的に有利であり、さらにシールゴム16との二重シールとなるので、シール機能を高めることができる。また、このように封じられていると、走行中の空気流によって笛吹き音が発生しないという利点がある。
【0016】
図4には、防水ストリップ21の変形例が示されている。ここでは、リップの形状をいろいろと変化させてある。また、同図の(D)は三つ目の制水溝が設置された事例であり、流水量が著しく多いときに利用される。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、バックドアの横側のアウタパネルが前方に湾曲させられ、その湾曲部の前端縁はサイドパネルの後端縁との間に所定の間隔の隙間を空けてサイドパネルに連続している形式のものにおいて、前記湾曲部の内側に複数本の制水溝を有する防水ストリップが取り付けられ、前記防水ストリップは少なくともバックドアのリヤウインドの横側に沿う長さとされている。したがって、流下してきた水は、まず最初の制水溝、すなわち第一の溝に入って前方に流される。このときには水はその表面張力によって、第一の溝に止まろうとする性質があるので、水は溝から溢れることがなく、溝に沿って前方に流される。水量が多くて第一の溝から溢れた水は、次の制水溝、すなわち第二の溝に入ってゆく。をのときリップをオーバーフローして第二の溝へ流入してゆくのであるが、この流入の過渡期に流速が落とされ、第二の溝に沿って流される。第二の溝では、水の流速も低下しているので、水量が少なければ水をせき止める機能が強く果たされる。
【0018】
上述のような現象によって、流下してきた水はそのまま滴下することがなく、制水溝にそって流されるので、ル−フパネルの後端部左右の部分に導かれる。したがって、水が空中を滴下して室内に入るようなことが防止できるのである。
【0019】
また本発明によれば、バックドアを開いたときには、リヤウインドガラスのウエザストリップゴムにせき止められた水が、バックドアの左右に流れるので、防水ストリップの設置箇所とその長さは、最低、リヤウインドの横側でしかもリヤウインド高さと同等あるいはそれよりも長く設定してある。こうすることによって、バックドアの横側に流下した水は、確実に防水ストリップに捕捉されて、前述のような流動現象を呈し、確実な防水機能を果たすのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す横断平面図であり、図5の(1)−(1)断面図に相当している。
【図2】バックドアを開いた状態の縦断正面図である。
【図3】本発明の要部を拡大した縦断正面図である。
【図4】防水ストリップの変形例を示す断面図であり、(A)から(D)の4種類である。
【図5】本発明が適用される車体の後部を示す立体図である。
【符号の説明】
1 バックドア
4 アウタパネル
18 湾曲部の前端縁
11 サイドパネル
19 サイドパネルの後端縁
20 間隔
23、25 制水溝
21 防水ストリップ
10 ウエザストリップゴム
23 第一の溝
25 第二の溝
Claims (1)
- 上部を中心にして開閉する自動車のバックドアであって、同ドアの横側のアウタパネルが前方に湾曲させられ、その湾曲部の前端縁はサイドパネルの後端縁との間に所定の間隔の隙間を空けてサイドパネルに連続している形式のものにおいて、前記湾曲部の内側に複数本の制水溝を有する防水ストリップが取り付けられ、前記防水ストリップは少なくともバックドアのリヤウインドの横側に沿う長さとされていることを特徴とする自動車バックドアの排水構造。
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JP2000159341A JP3706528B2 (ja) | 2000-05-30 | 2000-05-30 | 自動車バックドアの排水構造 |
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