JP5116634B2 - 開閉体の排水構造 - Google Patents
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Description
これに対して、このような側部フレームからの水をウェザーストリップなどを設けることで案内することもできるが、部品点数が増加しコストアップにつながるという問題もある。
このように構成することで、開閉体の開操作時に第2排水溝から第1排水溝に向かって流れ込む水を拡大部によって一時的に滞留させ、第1排水溝に流れ込む水の量を調整できる。ここで、一方の排水溝を形成するダム部材の端部と他方の排水溝との間に離間部を設け、この離間部を水を受け入れる拡大部の起点として当該拡大部を形成できる。
このように構成することで、第1排水溝の底部が屈曲部よりも上側で屈曲するので、屈曲部と第1排水溝の底部との間の落ち込み量を必然的に大きくできる。
また、開閉体の開操作時において第1排水溝の底部の屈曲している部分よりも後側の傾斜角度を小さくできる。
このように構成することで、装飾部品の側壁により第2排水溝から流れ込んだ水が拡大部に入った後に、ゲート本体の車幅方向端部から溢れるのを防止できる。
このように構成することで、リブの上面と側壁とにより囲まれた空間に第2排水溝から流れ込む水を一時的に滞留させることができる。
このように構成することで、リブの上面に滞留した水をリブの端部から拡大部に直接排出できる。
また、一方の排水溝を形成するダム部材の端部と他方の排水溝との間に離間部を設け、この離間部を水を受け入れる拡大部の起点として当該拡大部を形成できるため、開閉体のアウタパネル、インナパネルの形状を変更することなく拡大部を設けることができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、第1排水溝の底部が屈曲部よりも上側で屈曲するので、屈曲部と第1排水溝の底部との間の落ち込み量を必然的に大きくでき、容易に拡大部を形成することができる効果がある。
また、開閉体の開操作時において第1排水溝の底部の屈曲している部分よりも後側の傾斜角度を小さくできるので、第2排水溝よりも上端側で第1排水溝の底部を屈曲させることで、第2排水溝から流れ込む水をより効果的に拡大部に滞留させることができ、第1排水溝に一度に多量の水が流れ込むのを防止できる効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、装飾部品の側壁により第2排水溝から流れ込んだ水が拡大部に入った後に、ゲート本体の車幅方向端部から溢れるのを防止できる効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、リブの上面と側壁とにより囲まれた空間に第2排水溝から流れ込む水を一時的に滞留させることができるため、大量の水が一度に第1排水溝に流れ込むのを防止できる効果がある。
請求項5に記載した発明によれば、リブを上面に滞留した水をリブの端部から拡大部に直接排出できるため、リブの上面の水を排出しても第2排水溝から水が溢れることを抑制できる。
図1は、この発明の実施形態のテールゲートを備えた車両を示している。車両の車体1の後部に開口部2が設けられ、開口部2にテールゲート3が開閉可能に設けられている。テールゲート3は、ゲート本体10の上部フレーム12Aが車体1の後部の開口部2の上縁に図示しないヒンジにより上下方向に開閉可能に支持され、閉状態において車体のルーフ4から後方側に向かってなだらかに下方に傾斜する傾斜部5と、この傾斜部5の後端から屈曲して下方に急激に斜めに下がる垂立部6を有している。テールゲート3の傾斜部5にはリヤガラス7が接着固定され、垂立部6の上半部にはエキストラウインドウガラス8が接着固定され、リヤガラス7とエキストラウインドウガラス8とに跨ってリヤスポイラ9が取り付けられている。尚、リヤガラス7、エキストラウインドウガラス8は樹脂製のものやガラス製のものが使用できる。
ゲート本体10は鋼板材からなる部材であってテールゲート3の傾斜部5に対応する位置にリヤガラス7の取付開口部11を囲む枠状部12を備えている。ゲート本体10のテールゲート3の垂立部6に対応する位置の下部にはライセンスプレート(図示せず)や操作ハンドル13が取り付けられるパネル部14が設けられ、その上部はリヤガラス7の取付開口部11に隣接してエキストラウインドウガラス8の取付開口部15が設けられている。
具体的には、図3に示すように、枠状部12にはリヤガラス7の取付開口部11の周縁に接着剤16が塗布されている。この接着剤16は枠状部12の下部フレーム12Uでは上縁部に沿って配置され、枠状部12の側部フレーム12Sでは外側寄りに塗布位置が設定されている。
枠状部12の下部フレーム12Uでは接着剤16の塗布位置の下側に隣接してダム部材17が車幅方向に接着されている。このダム部材17は接着剤16を堰き止めつつリヤガラス7を支持するものであり、ダム部材17は接着剤16のコーナー部分の手前、枠状部12の側部フレーム12Sの幅方向中央部付近で終端している。
また、枠状部12の側部フレーム12Sには接着剤16の内側に隣接してダム部材17が固定されている。
ここで、第1排水溝20は枠状部12の各側部フレーム12S,12Sのみならず、これら側部フレーム12S,12Sの下方に連なるエキストラウインドウガラス8の取付開口部15の側縁を構成する側部フレーム28にも連続している(図6の上側の符号「20」参照)。
ここで、ゲート本体10の枠状部12の側部フレーム12Sはアウタパネル18とインナパネル19とのフランジ部fをヘミング加工により接合して閉断面構造に形成され、アウタパネル18の上面に内側のダム部材17と外側の接着剤16を介してリヤガラス7が接着固定されている。リヤガラス7の側縁部はテールゲート3閉時に車幅方向でリヤフェンダ21に近接配置され、リヤフェンダ21との間でパーティング部Pを形成している。アウタパネル18とインナパネル19とのフランジ部fを接合したヘミング部hの端末はリヤガラス7の端末の手前まで延出しており、このヘミング部hとリヤガラス7の延出部との間であって接着剤16の外側部に第1排水溝20が形成されている。
ここで、第1排水溝20はゲート本体10の屈曲部、つまりテールゲート3の屈曲部K1の角度を第1角度θ1とした場合に、第1角度θ1より大きい第2角度θ2の屈曲部K2を屈曲部K1よりも前側(テールゲート3の上端側)に備えている。
つまり、屈曲部K1の稜線R1はゲート本体10の両側部の手前側で終端しており、この端部とゲート本体10の側縁に設けた屈曲部K2とを結ぶ稜線R2よりもゲート本体10の車幅方向外側の部分が、第1排水溝20の流路断面積を拡大した拡大部25として形成される。
そして、図8に示すように、これらリヤガラス7の下縁とエキストラウインドウガラス8の上縁とに跨り拡大部25を覆うようにしてリヤスポイラ9が取り付けられている。
ここで、リヤスポイラ9は上壁31と後壁32と上下方向に延びる側壁33とを備えていて、側壁33は第1排水溝20よりも車幅方向の外側で拡大部25の外側に配置されている。
拡大部25に流れ込んだ水の一部はリヤスポイラ9の側壁33によって勢いを止められ、リブ34と側壁33との間の空間に一時的に貯留され、その後、リブ34の上面に落ちてリブ34の端部から拡大部25に排出され、ここで滞留される。したがって、第2排水溝30から流れ込む水の勢いは拡大部25において十分に抑えられる。
ここで、拡大部25内の水が第1排水溝20に流れ始める際に、エキストラウインドウガラス8の上縁とダム部材17とアウタパネル18とで形成された第3排水溝40の水が誘導部27から前側に向かって拡大部25に流れ込むため(図6の矢印(3))、この水も第1排水溝20から排水される。
また、第2排水溝30を形成するダム部材17の端部と第1排水溝20との間に離間部26を導入部として拡大部25を形成したため、テールゲート3のアウタパネル18、インナパネル19の形状を変更することなく簡単に拡大部25を設けることができる。
また、テールゲート3を開いた状態で屈曲部K2よりも後で屈曲部K1までの間の部分の地面に対する傾斜角度が、屈曲部K2よりも前側の部分や屈曲部K1よりも後側の部分に比較して小さくできるため、第1排水溝20の上端側に一度に多量の水が流れることを防止して、第2排水溝30から流れ込む水をより効果的に拡大部25に滞留させることができる。
リブ34の上面と側壁33とにより囲まれた空間に第2排水溝30から流れ込む水を一時的に滞留させることができるため、大量の水が一度に第1排水溝20に流れ込むのを防止できる。
ここで、リブ34を上面に滞留した水はリブ34の端部から拡大部25に直接排出できるため、リブ34の上面の水を排出しても第2排水溝30から水が溢れることを抑制できる。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、テールゲート以外に、トランクリッド、ボンネット等の排水構造に適用できる。また、装飾部材としてはリヤスポイラに限らずモールディングであってもよい。
3 テールゲート(開閉体)
7 リヤガラス(ウインドウパネル)
9 リヤスポイラ(装飾部材)
17 ダム部材
18 アウタパネル
20 第1排水溝
20a 底壁
25 拡大部
30 第2排水溝
33 側壁
34 リブ
θ1 第1角度
θ2 第2角度
K1 屈曲部
Claims (5)
- 上端が車体に開閉可能に支持され、外面を構成するアウタパネルと該アウタパネルにダム部材を介して取り付けられるウインドウパネルとを備えた開閉体の排水構造であって、前記開閉体の外面に上下方向に延びる第1排水溝と幅方向に延びる第2排水溝とを備え、前記第1排水溝と前記第2排水溝との接続部に、前記第1排水溝又は前記第2排水溝の流路断面積を拡大した拡大部を設け、前記第1排水溝または第2排水溝の一方は、前記アウタパネルを前記ダム部材に接合することにより形成され、前記拡大部は前記ダム部材の端部と前記第1排水溝または前記第2排水溝の他方との間に設けられた離間部により形成されることを特徴とする開閉体の排水構造。
- 前記アウタパネルは上下方向において第1角度で屈曲する屈曲部を備え、前記第1排水溝の底部は前記屈曲部及び前記第2排水溝よりも上端側で前記開閉体の外面に対して前記第1角度よりも大きい第2角度で屈曲することを特徴とする請求項1記載の開閉体の排水構造。
- 前記第2排水溝の近傍に装飾部材が取り付けられ、前記装飾部材は前記上下方向に延びる側壁を備え、前記側壁は前記第1排水溝よりも幅方向の外側に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開閉体の排水構造。
- 前記装飾部材は前記側壁から幅方向に突出するリブを備え、前記リブは前記拡大部の内部に設けられることを特徴とする請求項3記載の開閉体の排水構造。
- 前記リブの幅方向の端部は、前記拡大部と重なる位置に設けられることを特徴とする請求項4記載の開閉体の排水構造。
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