JP3881825B2 - サッシュレスドア型車のシール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイドドアに保持されたドア昇降ガラスが、ボディサイドのウエザーストリップとリヤサイドガラスのセンターシールに直接密接するサッシュレスドア型車であって、リヤサイドガラスがボディサイドの窓部に昇降自在に取り付けらるタイプのサッシュレスドア型車のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
サッシュレスドア型車として、図11に示すように、サイドドア1に保持されたドア昇降ガラス2がドア閉時にリヤサイドガラス3の前縁に密接するタイプのものがある。
【0003】
このサッシュレスドア型車は、ボディサイドのドア開口部4の後部に昇降窓5が連設され、ドア開口部4と昇降窓5の、フロントピラー部4aからルーフ部4b及びリヤピラー部4cにかけてボディサイドウエザーストリップ6が取り付けられると共に、前記窓5に昇降可能に収容されるリヤサイドガラス3の前縁にセンターシール7が取り付けられている。そして、ガラス2が最上昇した状態でサイドドア1が閉じられると、ガラス2の前縁部と上縁部がボディサイドウエザーストリップ6に密接し、後縁部がリヤサイドガラス3のセンターシール7に密接するようになっている。また、サイドドア1の周域下半にはドア開口部4の下半周縁に密接するドアウエザーストリップ8が取り付けられ、ドア閉時には、このドアウエザーストリップ8が前記ボディサイドウエザーストリップ6及びセンターシール7との協働によってサイドドア1の周域をシールするようになっている。
【0004】
尚、これと同様のサッシュレスドア型車は、例えば、実開昭51-78517号公報に示されているが、このサッシュレスドア型車は、ドア昇降ガラスの後縁のシール部(ドア昇降ガラスとセンターシールの密接部)と、サイドドアの後部上端のシール部(ドアウエザーストリップとドア開口部の密接部)がドア閉時において不連続であるために、これらのシール部間の隙間から車内に雨水や走行風が侵入することが懸念される。
【0005】
従来、この点を改善したサッシュレスドア型車のシール構造として、図12〜図15に示すようなものが開発されている。以下、この従来のシール構造について簡単に説明する。
【0006】
このシール構造の場合、ドア昇降ガラス2の前縁部と上縁部は図外の車体開口部のフロントピラー部とルーフ部に密接し、ドア昇降ガラス2の後縁部は、リヤサイドガラス3に取り付けられたセンターシール7と、ドア開口部4の後部立ち上がり壁上端に取り付けられたサブウエザーストリップ9とに跨って密接するようになっている。サブウエザーストリップ9は、センターシール7の昇降位置に断面略U字状のガイド溝10が形成され、このガイド溝10の車外側壁10aと略U字の湾曲壁10bがその上端に向かって漸次薄肉に形成されている。この車外側壁10aと湾曲壁10bの上端部は、リヤサイドガラス3の上昇時にセンターシール7の車外側面に密接して同シール7に対する乗り継ぎ部となり、ドア昇降ガラス2の後縁部をセンターシール7とサブウエザーストリップ9に跨って隙間なく密接させるようになっている。
【0007】
また、サブウエザーストリップ9の外側面にはドア閉時にドアウエザーストリップ8の後部上端が密接し、ドア昇降ガラス2の後縁のシール部(ドア昇降ガラス2とセンターシール7の密接部)と、サイドドア1の後部上端のシール部(ドアウエザーストリップ8とドア開口部4の密接部)がサブウエザーストリップ9を介して隙間なく連続するようになっている。
【0008】
尚、図中11は、リヤサイドガラス3の車内側面をシールするインサイドシールであり、12は、リヤサイドガラス3の車外側面をシールするアウトサイドシールである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、乗用車のサイドガラス(ドア昇降ガラスやリヤサイドガラス等)は、ボディサイドの外面形状に合わせて上下方向に湾曲して形成されており、昇降作動時には、ウエスト部に対し車幅方向に変位する。つまり、サイドガラスは、下降状態においては、窓枠下辺に対して車内側に位置しており、この状態から上昇操作されると、上端部がボディサイド形状に沿って上昇すると共に、下端部がウエスト部において車外側に移動する。
【0010】
したがって、上述した従来のサッシュレスドア型車のシール構造においても、ウエスト部前部領域5aにおけるリヤサイドガラス3の車幅方向の変位を許容するため、図13に示すように、サブウエザーストリップ9のガイド溝10には、センターシール7の変位幅よりも大きく充分な幅dを持たせている。
【0011】
ところが、サブウエザーストリップ9のガイド溝10部分は、ウエスト部でリヤサイドガラス3に密接追従するインサイドシール11が途切れる部分であり、リヤサイドガラス3を下降位置から上昇させていくと、ガイド溝10の車内側壁10cに対してセンターシール7が車外側に次第に離間し、図14,図15に示すように、車内側壁10cの上端とセンターシール7の間に隙間dができる。そして、この隙間dは車内側から比較的大きく開口して見え、車内側からの見栄えが悪いばかりでなく、外部の騒音が車内に伝達される経路となり易い。
【0012】
そこで本発明は、ドア昇降ガラスの後縁とリヤサイドガラスの間のシール部と、サイドドアの後部とドア開口部の間のシール部とをサブウエザーストリップを介して隙間なく連続させることができ、しかも、リヤサイドガラスを上昇させた場合に、サブウエザーストリップの車内側壁とセンターシールの間にできる隙間による見栄えの低下と遮音性能の低下を防止することのできるサッシュレスドア型車のシール構造を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、ボディサイドのドア開口部にリヤサイドガラスの昇降窓が連続して形成され、前記ドア開口部と昇降窓のフロントピラー部からルーフ部及びリヤピラー部に沿う位置にボディサイドウエザーストリップが取り付けられ、サイドドアに保持されたドア昇降ガラスの前縁部及び上縁部と、前記リヤサイドガラスの上縁部及び後縁部が前記ボディサイドウエザーストリップに密接する一方で、前記ドア昇降ガラスの後縁部が、前記リヤサイドガラスの前端に取り付けられたセンターシールと、前記ドア開口部の後部立ち上がり壁上端に取り付けられたサブウエザーストリップとに跨って密接し、さらに前記サイドドアの周域下半に取り付けられたドアウエザーストリップの端部が前記サブウエザーストリップに密接するサッシュレスドア型車のシール構造にして、前記サブウエザーストリップのセンターシールの昇降位置に断面略U字状のガイド溝が形成され、このガイド溝が、リヤサイドガラスの最上昇時には車外側壁でセンターシールに密接し、かつリヤサイドガラスの下降時には同ガラスの移動軌跡に追従したセンターシールの車内方向の変位を許容する溝幅に形成されると共に、このガイド溝の車外側壁と略U字の湾曲壁がその上端のセンターシールとの乗り継ぎ部に向かって漸次薄肉に形成されたものにおいて、サブウエザーストリップのガイド溝のうちの車内側壁の上端位置に、センターシールの車内側壁方向に延出する第1の覆いフランジを設ける一方で、センターシールの車内側壁のうちの、リヤサイドガラスが最上昇したときに前記第1の覆いフランジの直下にくる位置に、前記ガイド溝の車内側壁方向に延出する第2の覆いフランジを設け、第1の覆いフランジの上面をセンターシール側に向けて下方に傾斜させ、その下端部をボディサイド後方側に向けて下方に傾斜させ、第1の覆いフランジの上面である傾斜面の角度を後方側に行くにしたがって垂直面に近づく方向に起こすと共に、第2の覆いフランジの上面をボディサイド後方側に向けて下方に傾斜させた。
この発明の場合、リヤサイドガラスが最下降位置にあるときは、センターシールの車内側壁がサブウエザーストリップの第1の覆いフランジに近接しており、この状態からリヤサイドガラスが上昇すると、その上昇に伴なってセンターシールの車内側壁が第1の覆いフランジから次第に離間する。こうしてリヤサイドガラスが最上昇位置まで上昇すると、センターシールの車内側壁が第1の覆いフランジから離間するものの、センターシールの車内側壁に設けた第2の覆いフランジが第1の覆いフランジの直下位置に達し、上方から見たときのガイド溝の車内側壁とセンターシールの間の隙間が第1の覆いフランジと第2の覆いフランジによって閉塞される。
そして、リヤサイドガラスが最上昇した状態でサイドドアが閉じられると、ドア昇降ガラスの後縁部がセンターシールとサブウエザーストリップの車外側壁及び湾曲壁とに跨って密接するが、このとき万一サブウエザーストリップの上端のセンターシールとの乗り継ぎ部に沿って雨水等の水滴が車内側に回り込むことがあっても、その水滴は第1の覆いフランジの傾斜面に沿ってセンターシール側に誘導され、さらに、第2の覆いフランジの上面を伝ってボディサイド後方側に流下する。したがって、水滴が第1の覆いフランジ付近に溜まることなく、スムーズに車外に排出される。
【0014】
この発明の場合、リヤサイドガラスが最下降位置にあるときは、センターシールの車内側壁がサブウエザーストリップの第1の覆いフランジに近接しており、この状態からリヤサイドガラスが上昇すると、その上昇に伴なってセンターシールの車内側壁が第1の覆いフランジから次第に離間する。こうしてリヤサイドガラスが最上昇位置まで上昇すると、センターシールの車内側壁が第1の覆いフランジから離間するものの、センターシールの車内側壁に設けた第2の覆いフランジが第1の覆いフランジの直下位置に達し、上方から見たときのガイド溝の車内側壁とセンターシールの間の隙間が第1の覆いフランジと第2の覆いフランジによって閉塞される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、リヤサイドガラスの最上昇時に、第1の覆いフランジの下面に第2の覆いフランジの上面を密接させるようにした。
【0016】
この発明の場合、リヤサイドガラスが最上昇して第2の覆いフランジが第1の覆いフランジに密接すると、サブウエザーストリップの車内側壁とセンターシールの間の隙間がほぼ密閉され、この隙間を通して車外の騒音が車内に伝達されるのが阻止される。
【0019】
請求項4に記載の発明は、サブウエザーストリップの第1の覆いフランジのうちの、ボディサイド後方側の端部に、リヤサイドガラスの車内側面をシールするインサイドシールを一体形成するようにした。
【0020】
この発明の場合、サブウエザーストリップとインサイドシールの間に隙間ができなくなり、リヤサイドガラスの車内側面からセンターシールにかけてが連続して密閉されるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0022】
この実施形態のサッシュレスドア型車は、図11に示したものと同様に、サイドドア20に保持されたドア昇降ガラス21の前縁部と上縁部が、ボディサイドのドア開口部22のうちの、フロントピラー部からルーフ部及びリヤピラー部にかけて取り付けられたボディサイドウエザーストリップ(図示せず。)に直接密接するようになっており、ドア開口部22のボディサイド後方側にはリヤサイドガラス23の昇降する昇降窓24が連設され、サイドドア20の閉時に、前記ドア昇降ガラス21の後縁が、このリヤサイドガラス23の前縁部に取り付けられたセンターシール25に密接するようになっている。
【0023】
そして、ドア開口部22の後部立ち上がり壁22aの上端部には、昇降窓24の下辺のウエスト部前部領域24aを覆うようにサブウエザーストリップ26がビス止め等によって取り付けられ、このサブウエザーストリップ26に形成された断面略U字状のガイド溝27の内部を前記センターシール25が昇降するようになっている。また、このサブウエザーストリップ26は、ドア開口部22の後部立ち上がり壁22aの段差状窪み部分を覆うように取付けられ、その車外側面はサイドドア20の閉時に同ドア20によって隠されるようになっている。そして、このサブウエザーストリップ26の車外側面には、サイドドア20の周域下半に取付けられたドアウエザーストリップ28の後部側端部が密接するようになっている。したがって、ドアウエザーストリップ28は、サイドドア20の閉時にはドア開口部22のボディパネル面からサブウエザーストリップ26にかけて連続して密接する。
【0024】
また、前記ガイド溝27のうちの、車外側壁27aの前端部から略U字状の湾曲壁27bにかけてはその上端部が上方に向かって漸次薄肉に形成されており、センターシール25が車外側に最大に変位した状態において、前記車外側壁27aの前端部から湾曲壁27bにかけてがセンターシール25の後述するシールリップ25aに段差無く連続するようになっている。そして、車外側壁27aの前端部には、ドア昇降ガラス21の後縁部下端がセンターシール25とに跨って密接する。
【0025】
リヤサイドガラス23は、ボディサイド形状に沿って上下方向に湾曲して形成され、下降状態ではウエスト部前部領域24aにおいて車内側に変位し、上昇状態では同前部領域24aにおいて車外側に変位するようになっている。ここで、センターシール25はリヤサイドガラス23と一体に昇降作動するため、サブウエザーストリップ26のガイド溝27はリヤサイドガラス23の車幅方向の変位を許容する溝幅、つまり、センターシール25とガイド溝27が強接触することのない溝幅に形成されている。
【0026】
前記ガイド溝27の車内側壁27cの上端部には、センターシール25の車内側面方向に延出する第1の覆いフランジ29が延設されており、センターシール25(リヤサイドガラス23)の最下降時に、この第1の覆いフランジ29の先端部がセンターシール25の車内側面にほぼ接するようになっている。そして、この第1の覆いフランジ29の延出長さは、センターシール25の最上昇時に、図5に示すように第1の覆いフランジ29とセンターシール25の間に同シール25の車幅方向の最大変位幅aにほぼ等しい隙間ができるように設定されている。
【0027】
また、第1の覆いフランジ29は、図5に示すように、先端部が先細り状になるようにセンターシール25側に下方傾斜して形成されている。さらに、第1の覆いフランジ29の下端部29aは、ガイド溝27の湾曲壁27bからボディサイド後方側に向かって僅かずつ下方に傾斜して延設されると共に、傾斜面29bの角度も僅かずつ起きており、その上面は、全体で見ると、図6に示すようなすり鉢状に形成されている。したがって、ガイド溝27の湾曲壁27bの上部に水滴bが滴下したとすると、その水滴bは第1の覆いフランジ29のすり鉢状の上面を伝ってセンターシール25のボディサイド後方側に誘導される。
【0028】
一方、センターシール25は、図1〜図4及び図6に示すように、リヤサイドガラス23の前端部に嵌着固定されるコ字状の取付基部25bの車内寄り部分からボディサイド前方に向かって直線的に支柱壁25cが延設され、さらに、この支柱壁25cの先端部にシールリップ25aが車外側に屈曲して延設された横断面形状とされている。ドア昇降ガラス21の後縁部はこのシールリップ25aに車外側から密接する。
【0029】
ここで、センターシール25は長手方向に亙ってほぼ同断面形状に形成されているが、その車内側壁(取付基部25b及び支柱壁25c)のうちの、リヤサイドガラス23が最上昇したときに前記第1の覆いフランジ29の直下にくる位置には、ガイド溝27の車内側壁27c方向に延出する第2の覆いフランジ30が延設されている。
【0030】
この第2の覆いフランジ30は、センターシール25が最上昇したときに第1の覆いフランジ29の下面に密接するようになっており、その上面は、図7に示すように、ボディサイド後方側に向かって傾斜している。また、第2の覆いフランジ30の延出長さは、図5に示すように、センターシール25の最上昇時に第2の覆いフランジ30とガイド溝27の車内側壁27cの間にセンターシール25の車幅方向の最大変位幅aにほぼ等しい隙間ができるように設定されている。
【0031】
また、昇降窓24のウエスト部には、リヤサイドガラス23の車内側面と車外側面に夫々密接するインサイドシール31とアウトサイドシール32が取付けられている。
【0032】
この実施形態のサッシュレスドア型車のシール構造は以上のような構成であるため、ドア昇降ガラス21とリヤサイドガラス23が最上昇した状態で、図2中の矢印で示すようにサイドドア20が閉じられると、ドア昇降ガラス21の前縁部と上縁部が図外のボディサイドウエザーストリップに密接すると共に、ドア昇降ガラス21の後縁部がセンターシール25のシールリップ25aとサブウエザーストリップ26の車外側壁27aに密接し、さらに、サイドドア20側のドアウエザーストリップ28がドア開口部22の下半周縁部とサブウエザーストリップ26とに跨って密接する。
【0033】
したがって、センターシール25によるドア昇降ガラス21の後縁のシール部と、ドアウエザーストリップ28によるサイドドア20の後縁のシール部とは図2中に破線Lで示したようにサブウエザーストリップ26を介して連続し、両シール部の隙間からの水滴や風の浸入は確実に阻止される。
【0034】
また、リヤサイドガラス23が最下降位置から上昇すると、サブウエザーストリップ26の車内側壁27c上端の第1の覆いフランジ29とセンターシール25の間の隙間は次第に増大するが、リヤサイドガラス23が最上昇位置に近づくと、センターシール25の車内側壁に設けられた第2の覆いフランジ30が第1の覆いフランジ29の直下位置まで近接するため、車内側上方から見たときのガイド溝27とセンターシール25の間の隙間は第2の覆いフランジ30によって塞がれる。したがって、隙間が見えることによる車内側からの見栄えの低下は生じない。
【0035】
そして、さらにリヤサイドガラス23が最上昇位置まで上昇して窓24が完全に閉塞されると、第2の覆いフランジ30は第1の覆いフランジ29の下面に完全に密接し、ガイド溝27の車内側壁27cとセンターシール25の間の隙間はほぼ完全に閉塞される。したがって、これにより車外の騒音がこの隙間を通して車内に伝達される不都合も生じない。
【0036】
また、このシール構造においては、第1の覆いフランジ29と第2の覆いフランジ30をオ−バーラップさせるように突出させているため、リヤサイドガラス23を閉じた状態で仮にサブウエザーストリップ26を真上から覗いた場合であっても隙間を通してガイド溝27の内部が見えることがない。そして、第1の覆いフランジ29はその上面がセンターシール25方向に傾斜して先端部が先細り状に収斂しているため、リヤサイドガラス23が最上昇した状態においては、第1の覆いフランジ29と第2の覆いフランジ30が滑らかに連続して見える。したがって、これらの点からも見栄えのより一層の向上が図られている。
【0037】
ところで、ドア昇降ガラス21とリヤサイドガラス23が完全に閉じられ、ドア昇降ガラス21の後縁がセンターシール25とサブウエザーストリップ26に密接した状態においても、経時使用に伴なうシール反力の低下等により、図6に示すように、雨水等の水滴bがサブウエザーストリップ26の車外側壁27a上端のセンターシール25との乗り継ぎ部を伝い、さらにガイド溝27の湾曲壁27bを回り込んでセンターシール25の背部側に流入することが考えられる。
【0038】
しかし、この実施形態のシール構造においては、ガイド溝27の車内側壁27cに延設され、第1の覆いフランジ29の上面がセンターシール25側に向けて下方に傾斜し、その下端部29aがボディサイド後方側に向けて下方に傾斜し、その傾斜面29bが角度を後方に行くに従って起こして形成されているため、湾曲壁27bを回り込んだ水滴bは車室内側に流れ込むことなく、第1の覆いフランジ29の上面を伝ってセンターシール25側に誘導される。そして、第1の覆いフランジ29の先端部に達した水滴bはそれに密接する第2の覆いフランジ30の上面に流れ込み、第2の覆いフランジ30の上面を伝ってインサイドシール31との隙間よりボディ内部に入り、下方の排水路より排出される。このとき第2の覆いフランジ30の上面はボディサイドの後方側に傾斜しているため、水滴bは第1の覆いフランジ29と第2の覆いフランジ30によって形成されたサブウエザーストリップ26の前方の窪み領域に溜まることがない。
【0039】
尚、本発明の実施形態は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、図8〜図10に示す実施形態のように、ウエスト部前部領域24aにおいてリヤサイドガラス23の車内側面に密接するインサイドシール31を、第1の覆いフランジ29と一体形成するようにしても良い。
【0040】
以下、この実施形態について簡単に説明するが、前述の実施形態と同一部分には同一符号を付し、重複する部分については説明を省略するものとする。
【0041】
この実施形態の場合、全体の構成は前述の実施形態とほぼ同様とされているが、第1の覆いフランジ29の端部29cをボデイサイド後方側に紐状に延出させ、その端部29cをほぼ半回転捩るようにしてインサイドシール31の上段側のシールリップ31aと一体化している。
【0042】
したがって、この実施形態のシール構造においては、リヤサイドガラス23からセンターシール25にかけての車内側面を、図9に示すように、インサイドシール31と第1の覆いフランジ29によって連続して密閉することができる。よって、サブウエザーストリップ26の車内側壁27cとインサイドシール31の間に隙間ができなくなり、車内側から見たときの見栄えと、遮音性能がより一層向上する。
【0043】
以上のように請求項1に記載の発明は、リヤサイドガラスが最上昇したときに、サブウエザーストリップの車内側壁とセンターシールの間にできる隙間を、サブウエザーストップ側の第1の覆いフランジとセンターシール側の第2の覆いフランジによって覆うことができるため、車内側からの見栄えの低下を防止することができると共に、隙間を通しての外部騒音の伝達を阻止することができる。したがって、この発明によれば、ドア昇降ガラスの後縁のシール部とサイドドアの後縁のシール部をサブウエザーストリップを介して隙間なく連続させることができるうえ、車両の外観品質の向上と遮音性の向上を図ることができる。
また、サブウエザーストリップの上端のセンターシールとの乗り継ぎ部を通して車内側に雨水等の水滴が回り込んだときであっても、その水滴を第1の覆いフランジの傾斜面の角度変化によりセンターシール側に誘導し、さらに第2の覆いフランジの上面の傾斜に沿ってボディサイド後方側に誘導し、ボディの内部に落とし込み下方の排出路より排出できるため、水滴が第1の覆いフランジ付近に溜まり、その水滴が車内側に流入する不具合を確実に回避することができる。
【0044】
請求項2に記載の発明は、リヤサイドガラスの最上昇時に、第2の覆いフランジと第1の覆いフランジが密接するため、サブウエザーストリップの車内側壁とセンターシールの間の隙間をほぼ完全に密閉して、この隙間を通しての車外騒音の進入をより確実に防止することができる。
【0046】
請求項4に記載の発明は、サブウエザーストリップとインサイドシールの間に隙間ができなくなるため、リヤサイドガラスの車内側面からセンターシールの車内側面にかけてを連続して密閉し、車内側からの見栄えと、遮音性をより確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、図11のA部を車内側から見た斜視図。
【図2】同実施形態を示すものであり、図11のA部を車外側から見た斜視図。
【図3】同実施形態を示すものであり、図11のA部を車内側から見た分解斜視図。
【図4】同実施形態を示す図5のD−D線に沿う断面図。
【図5】同実施形態を示す図4のE−E線に沿う断面図。
【図6】同実施形態を示すものであり、センターシールを破断した図2と同様の斜視図。
【図7】同実施形態を示す図6のF−F線に沿う断面図。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、センターシールを取り去った図6と同様の斜視図。
【図9】同実施形態を示す平面図。
【図10】同実施形態を示す図8のG矢視側面図。
【図11】サッシュレスドア型車を示す側面図。
【図12】従来の技術を示すものであり、図11のA部を車外側から見た斜視図。
【図13】同技術を示す図15のB−B線に沿う断面図。
【図14】同技術を示すものであり、図11のA部を車内側から見た斜視図。
【図15】同技術を示す図13のC−C線に沿う断面図。
【符号の説明】
20…サイドドア
21…ドア昇降ガラス
22…ドア開口部
22a…後部立ち上がり壁
23…リヤサイドガラス
24…昇降窓
25…センターシール
26…サブウエザーストリップ
27…ガイド溝
27a…車外側壁
27b…湾曲壁
27c…車内側壁
28…ドアウエザーストリップ
29…第1の覆いフランジ
30…第2の覆いフランジ
31…インサイドシール
Claims (3)
- ボディサイドのドア開口部にリヤサイドガラスの昇降窓が連続して形成され、前記ドア開口部と昇降窓のフロントピラー部からルーフ部及びリヤピラー部に沿う位置にボディサイドウエザーストリップが取り付けられ、サイドドアに保持されたドア昇降ガラスの前縁部及び上縁部と、前記リヤサイドガラスの上縁部及び後縁部が前記ボディサイドウエザーストリップに密接する一方で、前記ドア昇降ガラスの後縁部が、前記リヤサイドガラスの前端に取り付けられたセンターシールと、前記ドア開口部の後部立ち上がり壁上端に取り付けられたサブウエザーストリップとに跨って密接し、さらに前記サイドドアの周域下半に取り付けられたドアウエザーストリップの端部が前記サブウエザーストリップに密接するサッシュレスドア型車のシール構造にして、
前記サブウエザーストリップのセンターシールの昇降位置に断面略U字状のガイド溝が形成され、このガイド溝が、リヤサイドガラスの最上昇時には車外側壁でセンターシールに密接し、かつリヤサイドガラスの下降時には同ガラスの移動軌跡に追従したセンターシールの車内方向の変位を許容する溝幅に形成されると共に、このガイド溝の車外側壁と略U字の湾曲壁がその上端のセンターシールとの乗り継ぎ部に向かって漸次薄肉に形成されたものにおいて、
サブウエザーストリップのガイド溝のうちの車内側壁の上端位置に、センターシールの車内側壁方向に延出する第1の覆いフランジを設ける一方で、センターシールの車内側壁のうちの、リヤサイドガラスが最上昇したときに前記第1の覆いフランジの直下にくる位置に、前記ガイド溝の車内側壁方向に延出する第2の覆いフランジを設け、第1の覆いフランジの上面をセンターシール側に向けて下方に傾斜させ、その下端部をボディサイド後方側に向けて下方に傾斜させ、第1の覆いフランジの上面である傾斜面の角度を後方側に行くにしたがって垂直面に近づく方向に起こすと共に、第2の覆いフランジの上面をボディサイド後方側に向けて下方に傾斜させたことを特徴とするサッシュレスドア型車のシール構造。 - リヤサイドガラスの最上昇時に、第1の覆いフランジの下面に第2の覆いフランジの上面を密接させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のサッシュレスドア型車のシール構造。
- サブウエザーストリップの第1の覆いフランジのうちの、ボディサイド後方側の端部に、リヤサイドガラスの車内側面をシールするインサイドシールを一体形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のサッシュレスドア型車のシール構造。
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JP2000179509A JP3881825B2 (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | サッシュレスドア型車のシール構造 |
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JP2000179509A JP3881825B2 (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | サッシュレスドア型車のシール構造 |
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