JP2002001707A - リグノセルロース成形板の耐水性改良方法 - Google Patents
リグノセルロース成形板の耐水性改良方法Info
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Abstract
点(Tm)が100℃以上200℃以下のポリオレフィ
ン樹脂又は該ポリオレフィンを含有する樹脂組成物を加
熱溶融し含浸させて得られるリグノセルロース成形板。 【効果】 吸水率を低減することができ、寸法安定性に
優れる成形板を簡便に製造することができ、特に連続製
造が可能となる。
Description
あるいは寸法安定性を改良する方法及び得られた成形板
に関する。
術として、 1) 従来木材を減圧状態としてその中に熱硬化性樹脂
や樹脂原料を注入し常圧に戻す際に樹脂を木材中に浸透
させ、その後に熱圧プレス等で反応し表面に防水樹脂層
を形成する方法 2)表面からの吸湿を防止する為に塩ビ等のシートを貼
り付ける方法等が知られていた。
圧入する方法では、用いられる樹脂が熱硬化性樹脂であ
ったり、樹脂原料であったりするために、一定の反応時
間を必要としていた。このため、その反応が完全に終結
するか、互いに融着・接着等を発生しない状態になるま
で、それぞれの成形板を重ねることができない等であ
り、より生産性の向上が求められていた。特に効率的な
連続法でも製造可能な方法が望まれていた。又、熱硬化
性樹脂や樹脂原料を圧入するために、高圧設備が必要で
あり、構造材等に用いられる整形板の製造の為には過大
な設備が必要となっていた。また、シート等の張り付け
方法においては近年、燃焼させてもダイオキシンが発生
しない等環境負荷の少ないシートへの移行が求められて
いたが全てにおいて塩ビシートと同等以上となる材料が
望まれていた。
らは、鋭意検討を行った結果、成形されたリグノセルロ
ース板の表面に熱可塑性樹脂を溶融させ加圧接着するこ
とで、反応時間を必要とせず、実質的に瞬時にリグノセ
ルロース板の表面に樹脂含浸層を形成することができ、
リグノセルロース板表面からの吸水を低減することがで
き、樹脂を含浸させない樹脂と比較して寸法安定性を著
しく向上することができることを見出し、本発明を完成
するに至った。
である。 (1) 成形されたリグノセルロース成形板に融点(T
m)が100℃以上200℃以下のポリオレフィン樹脂
又は該ポリオレフィンを含有する樹脂組成物を加熱溶融
し含浸させるリグノセルロース成形板の耐水性改良方
法。 (2) 前記ポリオレフィン樹脂が190℃におけるM.
F.I.10〜50g/10minがポリエチレン、230℃にお
けるM.F.I.10〜800g/10minであるポリプロピレン
樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する(1)記載
のリグノセルロース成形板の耐水性改良方法。 (3) 前記ポリオレフィン樹脂中のポリエチレン、ポ
リオレフィンの含有量が30質量%以上である(2)記
載のリグノセルロース成形板の耐水性改良方法。 (4) 成形されたリグノセルロース成形板に融点(T
m)が100℃以上200℃以下のポリオレフィン樹脂
又は該ポリオレフィンを含有する樹脂組成物を加熱溶融
し含浸させて得らうるリグノセルロース成形板。
リグノセルロース成形板とは、木質小削片を用いるパー
ティクルボード、木質繊維を用いるミディアムデンシテ
ィーファイバーボード、ハードボード、インシュレーシ
ョンボード、大型のチップを用いるウエハーボード、細
長いストランドを配向させたOSB等をいう。
リオレフィン樹脂はその融点が(Tm)が100℃以上、2
00℃以下である。これらポリオレフィンに特に限定は
なく本発明のαオレフィンの単独又は共重合体をもちい
ることができる。例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ4メチルペンテンー1等の単独重合体や共重合
体が挙げられる。
ピレンの単独又は共重合体が好ましく用いられ、その融
点(Tm)は、100℃〜200℃である。100℃以上と
することで、成形後製品同士が融着を著しく抑制又は実
質的防止することができ好ましい。200℃以下とする
ことで加熱溶融が容易となり、操作、装置が簡便となり
好ましい。また、ポリエチレン樹脂のメルトフローイン
デックス(M.F.I.)10〜50g/10min、またはポリプ
ロピレン樹脂のメルトフローインデックス(M.F.I.)1
0〜800g/10minであり、好ましくは10乃至500
g/10min、より好ましくは10乃至300g/10minであ
る。
独で用いても、混合して用いてもよく、更に必要に応じ
てその他の樹脂を含有していてもよい。その他の樹脂を
含有する場合は例えばポリエチレン樹脂のメルトフロー
インデックス(M.F.I.)10〜50g/10min、またはポ
リプロピレン樹脂のメルトフローインデックス(M.F.
I.)10〜800g/10minから選ばれる少なくとも1種
の樹脂を30質量%以上含有することが好ましく、50
質量%以上含有することが更に好ましい。M.F.I.は、A
STM D-1238に規定されている測定方法に従って測定し
た。ポリエチレン樹脂は、2160gの荷重をピストンに加
えたとき、190℃の溶融体が特定のオリフィスを通して1
0分間に押し出される重量であり、ポリプロピレン樹脂
の場合、溶融体の温度が230℃で同様の荷重をピストン
にかけた場合の10分間に押し出される重量を表してい
る。
0.970g/cm3、好ましくは0.91〜0.970
g/cm3であるエチレン単独重合体あるいはエチレン・
α−オレフィン共重合体が好ましく製造される。なおこ
こで密度はASTM D1505によって測定された値
である。
マー例えばエチレン、プロピレン、4メチルペンテンー
1とチーグラ触媒やメタロセン触媒存在下、液相、気
相、スラリー状態で重合させる。通常コモノマーとして
は主モノマーと相異なる炭素数2ないし20のα−オレ
フィンは用いられる。 例えば、エチレン、プロピレ
ン、2-メチルプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ペ
ンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、
1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ド
デセンなどが挙げられる。またα−オレフィンとポリエ
ンとを共重合させることもできる。このようなポリエン
としては、ブタジエン、イソプレン、1,4-ヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボル
ネンなどを例示することができる。重合条件に特に限定
はないが通常、重合温度は、通常20〜150℃、好ま
しくは50〜120℃、より好ましくは70〜110℃
であり、重合圧力は通常1〜1000Kg/cm2 、好まし
くは2〜40Kg/cm2 である。上記のような共重合は二
段以上の多段で行うこともできる。これらオレフィン
(共)重合体には、必要に応じて耐熱安定剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、
顔料、染料、無機あるいは有機充填剤などを配合するこ
ともできる。
0℃、好ましくは、120〜230℃である。融点に相
関して条件を設定する必要はないが、融点よりも20〜
50℃高い温度で成形すると操作性に優れ好ましい。溶
融状態での粘度に特に限定はないが加熱下BH型粘度計
で測定した粘度が250mPa以上5000mPa以下
であることが好ましい。これらの樹脂の状態としてフィ
ルム状、粒状、ブロック状等があるが、フィルム状態の
場合、溶融方法として加熱圧縮成形機の使用が望まし
い。加熱圧縮成形の場合、フィルムをリグノセルロース
成形板表面及び下部に設置し上下に離型剤を塗布した鉄
板あるいは、テフロン(登録商標)シートや離型フィル
ムを置き成形する。成形圧力は、特に規定しない。ま
た、成形された板は、特に強制的な冷却を必要としなく
ともよいが、エアブローやファンなどで強制的に除熱し
表面を固化させる事で、ボードの積み上げ速度を早くで
きる。また、粒状樹脂を用いる場合は、熱ロール上で溶
融させながら連続的に塗布する。この場合、熱ロール通
過前に塗布する基材に熱風を吹き付け基材表面を暖め、
熱ロール通過後に冷却エアを吹き付け固化させることで
瞬時に安定した塗布状態を得ることが出来る。ホットメ
ルト樹脂の形態は、ポリエチレンまたはポリプロピレン
樹脂同様、フィルム、ペレット、シート、粉末等の種類
があるので溶融槽で溶融するかあるいは、熱ロールで加
熱溶融しながらリグノセルロース成形板に塗布する必要
がある。溶融槽を用いる場合、市販のロールコータ、カ
ーテンコータ等任意に用いることが可能であるが、上面
及び下面に同時に塗布する為には、ロールコータを用い
るのが好ましい。この場合、通常溶融したホットメルト
をリグノセルロース板上に塗布し熱ロールで押し広げ板
上に均一に塗布する方法、あるいは、塗布ロールとガイ
ドロールを組み合わせた装置で板全面に均一に塗布する
方法が用いられる。この方法によれば、用いる樹脂が熱
可塑性樹脂であるため固化後は、表面のベタツキがな
く、成形板を連続的に表面加工し成形板同士を重ね合わ
せても、とも付き等の問題が生じない利点がある。
は、これら実施例に限定されるものではない。
クルボード及び厚み20mmM-E1typeMDFを用いた。 (測定方法) 吸水率・厚み変化率・ホルマリン放散量:JIS-5908に従
って測定した。 融点の測定方法 :自動融点測定装置(メトラー(株)
製)にて測定
IMR-100)を塗布したコール板上にM.F.I.10、融点
(Tm)100℃のポリエチレンシート(三井化学(株)社
製テストシート、厚さ0.1mm)を置きその上に成形さ
れた15mm厚のパーティクルボードを設置、さらにポリエ
チレンシートを載せ離型剤を塗布したコール板を載せ、
180℃で1分間、加熱圧縮成形しポリエチレンフィル
ムを含浸したパーティクルボードを得た。
60℃のポリプロピレン樹脂(三井化学(株)社製J-73
9F)を粘度5000mPa・sになるように190℃の熱ロ
ール上で溶融し、15mm厚のパーティクルボード上に熱ロ
ール塗布し、その後冷却空気で定着し表面にポリプロピ
レンの皮膜を形成した。出来たボードの裏面に対しても
同様の操作を行い両面にポリプロピレン樹脂を塗布した
パーティクルボードを得た。
0℃のポリプロピレン樹脂を200℃の熱ロール上で溶
融しながら15mm厚のパーティクルボード上に加熱塗布し
た。その後、冷却ロールで定着した。出来たボードの裏
面に対しても同様の操作を行い両面にポリプロピレンフ
ィルムを塗布したパーティクルボードを得た。
50、融点(Tm)130℃のポリエチレンシートを置きそ
の上に成形された20mm厚のMDFを設置、さらにポリエチ
レンシートを載せその上にペットフィルムを載せ、19
0℃、1MPaで1分間、加熱圧縮成形し,ペットフィルム
を除去してポリエチレンフィルムを含浸したMDFを得
た。
typeパーティクルボード (比較例2)表面処理しない20mm厚のM-E1typeのMDF
オレフィン樹脂を含浸させ、木材表面の吸水率を低下さ
せることができる。また、熱可塑性樹脂であるポリオレ
フィンをもちいることにより、樹脂表面近傍に熱可塑性
樹脂が含浸された後、直ちに固体となるため、実質的に
瞬時に表面処理を実施することができる。このため、反
応時間を必要としていた熱硬化性樹脂で発生していた、
表面層形成直後の成形板同士の接着等が発生せず、成型
後短時間で成形板を重ねても、互いが固着、又一部接着
する等が発生せず、成形板同士に離型シートを挟むこと
なく、成型板同士を重ねることができる。このことによ
り、製品のロスが抑制されるだけでなく、高速で連続的
成形板を製造することができた。また、ボード表面から
のホルマリンの放散を抑える効果も得られる有用な表面
加工方法である。
Claims (4)
- 【請求項1】 成形されたリグノセルロース成形板に融
点(Tm)が100℃以上200℃以下のポリオレフィ
ン樹脂又は該ポリオレフィンを含有する樹脂組成物を加
熱溶融し含浸させることを特徴とするリグノセルロース
成形板の耐水性改良方法。 - 【請求項2】 前記ポリオレフィン樹脂が190℃にお
けるM.F.I.10〜50g/10minがポリエチレン、230
℃におけるM.F.I.10〜800g/10minであるポリプロ
ピレン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有すること
を特徴とする特許請求項1記載のリグノセルロース成形
板の耐水性改良方法。 - 【請求項3】 前記ポリオレフィン樹脂中のポリエチレ
ン、ポリオレフィンの含有量が30質量%以上であるこ
とを特徴とする請求項2記載のリグノセルロース成形板
の耐水性改良方法。 - 【請求項4】 成形されたリグノセルロース成形板に融
点(Tm)が100℃以上200℃以下のポリオレフィ
ン樹脂又は該ポリオレフィンを含有する樹脂組成物を加
熱溶融し含浸させて得らうることを特徴とするリグノセ
ルロース成形板。
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JP2000189301A JP4573952B2 (ja) | 2000-06-23 | 2000-06-23 | リグノセルロース成形板の耐水性改良方法 |
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