JP2024007919A - ポリオレフィン系共押出多層延伸フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系共押出多層延伸フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、リサイクルに用いることが可能なフィルムを提供することにある。【解決手段】本発明のポリオレフィン系共押出多層延伸フィルムは、層Aと、中間接着層Bと、層Cと、中間接着層Dと、層Eとを、厚さ方向にこの順に含み、120℃でのMD方向の熱収縮率が20%以上であり、温度200℃で測定した際の、見掛けのせん断速度が10[1/sec]の時の前記中間接着層Bの見掛けの粘度をX[Pa・sec]、フィルムの質量に対する前記中間接着層Bと前記層Cとの合計質量の割合をY(質量%)とした時、下記式(1)を満たす、ことを特徴とする。100<XY<4430 (1)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系共押出多層延伸フィルムに関する。
食料品を覆う包装フィルムとして、ガスバリア性に優れるフィルムが使用されている。近年、環境への配慮から、包装フィルムはリサイクルすることが求められてきている。
ガスバリア性、透明性に優れる包装フィルムとして、ポリオレフィンを主成分とする層と、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、EVOHを主成分とする層と、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、ポリオレフィンを主成分とする層とを含むフィルムが知られている。
特開平4-119809号公報 特開平7-195635号公報
近年、フィルムをリサイクルで使用されることが求められている。包装フィルムをリサイクルする技術は知られているものの(特許文献1、2)、ポリオレフィンを主成分とする層と、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、EVOHを主成分とする層と、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、ポリオレフィンを主成分とする層とを含む多層延伸フィルムをリサイクルする技術、特に再度フィルムに戻すリサイクル技術は知られていないのが現状である。
従って、本発明の目的は、ガスバリア性に優れるフィルムとして使用が可能であり、且つリサイクルに用いることが可能な、ポリオレフィンを主成分とする層と、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、EVOHを主成分とする層と、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、ポリオレフィンを主成分とする層とを含むフィルムを提供することにある。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
ポリオレフィンを主成分とする層Aと、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Bと、EVOHを主成分とする層Cと、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Dと、ポリオレフィンを主成分とする層Eとを、厚さ方向にこの順に含み、
120℃でのMD方向の熱収縮率が20%以上であり、
温度200℃で測定した際の、見掛けのせん断速度が10[1/sec]の時の前記中間接着層Bの見掛けの粘度をX[Pa・sec]、フィルムの質量に対する前記中間接着層Bと前記層Cとの合計質量の割合をY(質量%)とした時、下記式(1)を満たす、ことを特徴とするポリオレフィン系共押出多層延伸フィルム。
100<XY<4430 (1)
[2]
前記ポリオレフィン系共押出多層延伸フィルムの厚みに対する前記層Cの厚みの割合が1~30%である、[1]に記載の多層延伸フィルム。
[3]
厚みが30μm以下である、[1]に記載の多層延伸フィルム。
[4]
[1]に記載の多層延伸フィルムの造粒物である、ことを特徴とするペレット。
[5]
[2]に記載の多層延伸フィルムの造粒物である、ことを特徴とするペレット。
[6]
[3]に記載の多層延伸フィルムの造粒物である、ことを特徴とするペレット。
[7]
温度200℃で見掛けの粘度を測定した際、見掛けのせん断速度が10[1/sec]の時、前記見掛けの粘度が2500[Pa・sec]以上8500[Pa/sec]以下である、[4]に記載のペレット。
[8]
[4]~[7]のいずれかに記載のペレットを含むリサイクル層を有する、ことを特徴とするリサイクルフィルム。
[9]
120℃でのMD方向の熱収縮率が20%以上である、[8]に記載のリサイクルフィルム。
[10]
リサイクル層が請求項[4]~[7]のいずれかに記載のペレットのみからなる層である、[8]に記載のリサイクルフィルム。
[11]
前記リサイクル層のみからなる単層フィルムである、[8]に記載のリサイクルフィルム。
[12]
EVOH層をさらに含み、前記リサイクル層が前記EVOH層に隣接する層である、[8]に記載のリサイクルフィルム。
[13]
一方の表面層がポリプロピレンを含む層であり、他方の表面層がポリエチレンを含む層である、[12]に記載のリサイクルフィルム。
本発明によれば、ガスバリア性に優れるフィルムとして使用が可能であり、且つリサイクルに用いることが可能な、ポリオレフィンを主成分とする層と、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、EVOHを主成分とする層と、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層と、ポリオレフィンを主成分とする層とを含むフィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔ポリオレフィン系共押出多層延伸フィルム〕
本発明のポリオレフィン系共押出多層延伸フィルムは、ポリオレフィンを主成分とする層Aと、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Bと、EVOHを主成分とする層Cと、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Dと、ポリオレフィンを主成分とする層Eとを、厚さ方向にこの順に含み、120℃でのMD方向の熱収縮率が20%以上であり、後述の実施例に記載の方法により測定した際の、前記中間接着層Bの見掛けの粘度をX[Pa・sec]、フィルムの質量に対する上記中間接着層Bと上記層Cとの合計質量の割合をY(質量%)とした時、下記式(1)を満たす、ことを特徴とするポリオレフィン系共押出多層延伸フィルムである。
100<XY<4430 (1)
なお、本明細書において、ポリオレフィン系共押出多層延伸フィルムを「多層延伸フィルム」と称する場合がある。また、多層延伸フィルムにおけるポリオレフィンを主成分とする層Aを「層A」、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Bを「層B」、EVOHを主成分とする層Cを「層C」、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Dを「層D」、ポリオレフィンを主成分とする層Eを「層E」とそれぞれ称する場合がある。
本実施形態の多層延伸フィルムは、層A、層B、層C、層D、層Eを厚さ方向にこの順に含み、各層間に他の層が設けられていてもよい。例えば、層Aと層Bとの間、及び/又は層Dと層Eとの間に他の層が設けられていてもよい。
本実施形態の多層延伸フィルムは、層A/層B/層C/層D/層Eの5層からなるフィルムであってよい。
(層Aと層E)
層Aと層Eは表面層であることが好ましい。層Aは、層Bと隣接していることが好ましく、層Eは層Dと隣接していることが好ましい。
上記層Aと上記層Eとは、同じ組成、物性を有していてもよいし、異なっていてもよい。
上記層A、層Eは、ポリオレフィンを主成分とする。「主成分」とは、層100質量%に対して、ポリオレフィンを50質量%超(好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上)含むことをいう。層A、層Eは、ポリオレフィンのみからなる層であってよい。
上記層Aは、フィルムの耐熱性及び生産性の観点から、プロピレンと他のαオレフィンとの共重合体を含むことが好ましい。また層Aは、フィルムの耐熱性及び生産性が一層改善される観点から、層A100質量%に対してプロピレンと他のαオレフィンとの共重合体を95質量%以上含むことが好ましく、プロピレンと他のαオレフィンとの共重合体のみからなる層であることがより好ましい。層Aは、層A100質量%に対して防曇剤を5質量%以下(好ましくは3質量%以下)含んでいてもよく、1種のプロピレンと他のαオレフィンとの共重合体と1種の防曇剤のみからなる層であることが好ましい。
上記層Eは、フィルムのシール性を向上させる観点から、エチレンと他のαオレフィンとの共重合体を含むことが好ましい。また層Eは、フィルムのシール性が一層改善される観点から、層E100質量%に対してエチレンと他のαオレフィンとの共重合体を95質量%以上含むことが好ましく、エチレンと他のαオレフィンとの共重合体のみからなる層であることがより好ましい。層Eは、層E100質量%に対して防曇剤を5質量%以下(好ましくは4質量%以下)含んでいてもよく、1種のエチレンと他のαオレフィンとの共重合体と1種の防曇剤のみからなる層であることが好ましい。
層A、層Eに含まれる上記ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はプロピレンやエチレンとのその他共重合体が好ましい。
上記ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のαオレフィン(例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコサン等の炭素数4~20のαオレフィン、好ましくは炭素数4~8のαオレフィン)との共重合体等が挙げられる。
ポリプロピレンは、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合されたものであってよく、透明性に一層優れる観点からは、シングルサイト系触媒を用いて重合されたものであることが好ましい。また、ポリプロピレンは、チーグラー・ナッタ触媒のような触媒で重合された樹脂であっても、メタロセン系触媒等で重合された樹脂であってもよい。すなわち、ポリプロピレンとしては、例えば、シンジオタクチックポリプロピレン、アイソタクティックポリプロピレン等も使用できる。
上記ポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体、エチレンと他のαオレフィン(例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコサン等の炭素数4~20のαオレフィン、好ましくは炭素数4~8のαオレフィン)との共重合体等が挙げられる。
更に上記の単量体の他にポリエン構造を有する炭化水素、例えばジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、ノルボルネン系単量体(例えば、エチリデンノルボルネン)等を共重合してもよい。
ポリエチレンは、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合されたものであってよく、強度に一層優れる観点からは、シングルサイト系触媒を用いて重合されたものであることが好ましい。
上記プロピレンやエチレンとのその他共重合体としては、プロピレンに由来する構成単位を含むエラストマーやプラストマー、エチレンに由来する構成単位を含むエラストマーやプラストマー、エチレンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位を含むエラストマーやプラストマー、及びエチレンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位と他のαオレフィン(例えば、ブテン等の炭素数4~20のαオレフィン)に由来する構成単位を含むエラストマーやプラストマーが挙げられる。
更にその他の共重合体として、エチレン-酢酸ビニル共重合体も挙げられる。エチレン-酢酸ビニル共重合体としては、共重合体100質量%に対して酢酸ビニル成分が5~25質量%のものが好ましい。酢酸ビニル成分が5質量%以上ならばシール性が向上し、25質量%以下ならばフィルムの臭いの問題が無く、樹脂組成物をリサイクルした場合に熱安定性が向上するため、好ましい。
層A、層Eに含まれる上記ポリオレフィンは、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
層A、層Eに含まれる上記ポリオレフィンのMFR(メルトフローレート)は、製膜性の観点から、0.5~10.0g/10分であることが好ましく、より好ましくは1.0~8.0g/10分である。
なお、MFRは、JIS K7210に準じて、温度190℃、2.16kg荷重の条件で測定した値をいう。
上記層A、層E中にポリオレフィンエラストマーを含む場合、ポリオレフィンエラストマーの含有量としては、層100質量%に対して、1~40質量%であることが好ましく、より好ましくは5~38質量%、さらに好ましくは10~35質量%である。
フィルムに良好な防曇性と滑り性を付与する目的で、添加剤等を配合してもよい。各層の樹脂への添加方法としてはマスターバッチだけでなく、工程が簡単な液体注入による添加でもよい。
使用される添加剤としては、多価アルコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、炭素原子数が8~18の飽和または不飽和脂肪酸のモノグリセリンエステル、ジグリセリンエステル、トリグリセリンエステル、テトラグリセリンエステル、ソルビタンエステルが好ましく、より好ましくは炭素原子数が12~18の飽和または不飽和脂肪酸のモノグリセリンエステル、ジグリセリンエステル、トリグリセリンエステル、テトラグリセリンエステル、ソルビタンエステルである。
層A、層Eの前記中間接着層Bの見掛けの粘度は、リサイクル性の観点から、2000~10000Pa/secであることが好ましく、より好ましくは2500~8500Pa/secである。上記見掛け密度が2000Pa.sec未満又は10000Pa/sec超である場合、他の層との相溶性が悪く、リサイクルした場合に成形不良の原因となる。
上記見掛けの粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(中間接着層B)
層Bは、層Cと隣接していてもよいし、他の層を介して層C上に設けられていてもよい。層Bは、接着層であってよく、例えば、層Aと層Cとの接着層であってよい。
層Bは、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする。「主成分」とは、層Bの質量100質量%に対して、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを50質量%超(好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上)含むことをいう。層Bは、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンのみからなる層であってよい。
上記層Bは、リサイクル時の成形不良が一層改善される観点から、層Bの質量100質量%に対して酸変性エチレン-αオレフィン共重合体を66質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、酸変性エチレン-αオレフィン共重合体のみからなることがさらに好ましい。また、層Bは、相溶化剤を34質量%以下含むことが好ましく、10質量%以下含むことがより好ましく、相溶化剤を含まないことがさらに好ましい。上記相溶化剤としては、例えば、官能化オレフィン系ポリマー等が挙げられる。
上記酸変性ポリエチレン及び上記酸変性ポリプロピレンとしては、酸変性ポリエチレン重合体、酸変性エチレン-αオレフィン共重合体、酸変性ポリプロピレン重合体、酸変性プロピレン-αオレフィン共重合体等が挙げられる。
上記酸変性ポリエチレン及び上記酸変性ポリプロピレンは、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
上記酸変性ポリエチレン及び上記酸変性ポリプロピレンにおける酸変性としては、不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸誘導体による変性を意味する。不飽和カルボン酸の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が挙げられる。不飽和カルボン酸誘導体の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N-ブチルマレイミド、及びメタクリル酸ナトリウムが挙げられる。接着性に優れる観点から、マレイン酸又は無水マレイン酸変性が好ましい。
上記酸変性ポリエチレン及び上記酸変性ポリプロピレンは、無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られた変性重合体であることが好ましく、そのグラフトレベルは得られた変性重合体の重量に基づき、0.10重量%から0.60重量%である。
層Bは、上記酸変性ポリエチレン又は上記酸変性ポリプロピレン以外にも、他の樹脂、添加剤等が含まれていてもよい。
上記酸変性ポリエチレン又は上記酸変性ポリプロピレンの密度としては、0.870~0.925g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.880~0.920g/cm、更に好ましくは0.890~0.915g/cmである。
なお、上記密度は、JIS K 7112に準じて、D法(密度勾配管)で測定した値をいう。
上記酸変性ポリエチレン又は上記酸変性ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)としては、製膜性の観点から、0.5~10.0g/10分であることが好ましく、より好ましくは1.0~8g/10分である。
上記酸変性ポリエチレン又は上記酸変性ポリプロピレンのMFRが高すぎると、本実施形態の多層延伸フィルムの製膜性が悪くなり、また、得られるフィルムの引張伸度が低下するため、好ましくない。上記酸変性ポリエチレン又は上記酸変性ポリプロピレンのMFRが低すぎると、本実施形態の多層延伸フィルムのリサイクル時に層Bと層Cとの間で架橋反応が進行して、リサイクルペレット内に粘度が高い部分ができる原因となり、リサイクルフィルムの製膜性が悪くなるため、好ましくない。
なお、MFRは、JIS K7210に準じて、温度190℃、2.16kg荷重の条件で測定した値をいう。
(層C)
層Cはバリア層であることが好ましい。層Cは、層B及び/又は層Dと隣接していることが好ましい。
層Cは、EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)を主成分とする。「主成分」とは、層Cの質量100質量%に対して、EVOHを50質量%超(好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上)含むことをいう。層Cは、ガスバリア性に一層優れる観点から、EVOHのみからなる層であることが好ましい。
層Cに含まれる上記エチレン-ビニルアルコール共重合体は、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
層Cに含まれるエチレン-ビニルアルコール共重合体における、エチレンに由来する構成単位の含有量としては、製膜性とガスバリア性の観点から、エチレン-ビニルアルコール共重合体100mol%に対して、20~60mol%であることが好ましく、より好ましくは25~55mol%である。
上記エチレン-ビニルアルコール共重合体は、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体をアルカリ等でケン化することにより得ることができる。上記エチレン-ビニルアルコール共重合体のケン化度としては、20mol%以上であることが好ましく、より好ましくは40~99.5mol%、特には70~99mol%であることが、本実施形態の多層延伸フィルムのガスバリア性の観点から好ましい。
なお、ケン化度は、JIS K 6726記載の方法により、測定することができる。
層Cは、上記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むことが好ましく、ガスバリア性に一層優れる観点から、上記エチレン-ビニルアルコール共重合体のみからなることが好ましい。
層Cは、上記エチレン-ビニルアルコール共重合体以外に、他の樹脂、添加剤等を含んでいてもよい。
(中間接着層D)
層Dは、層Cと隣接していてもよいし、他の層を介して層C上に設けられていてもよい。層Dは、接着層であってよく、例えば、層Cと層Eとの接着層であってよい。
層Dは、層Bと同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
層Dは、酸変性ポリプロピレンを主成分とする。「主成分」とは、層Dの質量100質量%に対して、酸変性ポリプロピレンを50質量%超(好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上)含むことをいう。層Dは、酸変性ポリプロピレンのみ(好ましくは酸変性プロピレン-αオレフィン共重合体のみ)からなる層であってよい。
上記酸変性ポリプロピレンとしては、酸変性ポリプロピレン重合体、酸変性プロピレン-αオレフィン共重合体等が挙げられる。
上記酸変性ポリプロピレンは、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
上記酸変性プロピレンにおける酸変性としては、不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸誘導体による変性を意味する。不飽和カルボン酸の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が挙げられる。不飽和カルボン酸誘導体の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N-ブチルマレイミド、及びメタクリル酸ナトリウムが挙げられる。接着性に優れる観点から、マレイン酸又は無水マレイン酸変性が好ましい。
上記酸変性ポリプロピレンは、無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られた変性重合体であることが好ましく、そのグラフとレベルは得られた変性重合体の重量に基づき、0.10重量%から0.60重量%である。
層Dは、上記酸変性ポリプロピレン以外にも、他の樹脂、添加剤等が含まれていてもよい。層Dは、酸変性ポリエチレンを含まない層であってよい。
上記酸変性ポリプロピレンの密度としては、0.870~0.925g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.880~0.920g/cm、更に好ましくは0.890~0.915g/cmである。
なお、上記密度は、JIS K 7112に準じて、D法(密度勾配管)で測定した値をいう。
上記酸変性ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)としては、製膜性の観点から、0.5~10.0g/10分であることが好ましく、より好ましくは1.0~8.0g/10分である。
なお、MFRは、JIS K7210に準じて、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した値をいう。
本実施形態の多層延伸フィルムの120℃でのMD方向の熱収縮率は、5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。また、10~90%(より好ましくは20~80%、さらには30~70%)であることが、本実施形態の多層延伸フィルムを使用した包装体の見た目の観点から好ましい。
また、120℃でのTD方向の熱収縮率は、10~90%(より好ましくは20~80%、さらには30~70%)であることが、本実施形態の多層延伸フィルムを使用した包装体の見た目の観点から好ましい。
上記120℃での熱収縮率は、次に記載の方法で測定を行った。すなわち、フィルムの表面に各辺が縦方向(MD方向)と横方向(TD方向)に平行になるように1辺の長さが50mmの正方形の枠線をつける。その枠線の外側20mmを切り出して試験片とする。その試験片の両面に、タルクをまぶす。タルクをまぶすことで、試験片に熱がかかり、収縮した時にも、フィルムの表面同士が接触して、収縮が阻害されることを抑制することができる。その後、その試験片を、120℃に設定した空気循環乾燥機に入れ、10分間保持した後、取り出す。取り出した試験片の正方形の枠線の各辺の長さを計測する。測定した各辺に対して、
{(収縮前の辺の長さ)-(収縮後の辺の長さ)}/(収縮前の辺の長さ)×100
を算出する。上記の測定をn=2で行い、それぞれの試験片の熱収縮率の平均値を本実施形態の多層延伸フィルムの120℃における熱収縮率(%)として用いた。
本実施形態の多層延伸フィルムの、中間接着層Bの見掛けの粘度Xは、2000~12000Pa・secであることが好ましく、より好ましくは2500~10000Pa・sec、さらに好ましくは3000~9000Pa・secである。見掛けの粘度が2000Pa・secより低い場合はフィルムの引張強度が低下し、見掛けの粘度が12000Pa・secより高い場合はフィルムをリサイクルした場合に成形不良の原因となる。
上記見掛けの粘度Xは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の多層延伸フィルムの、多層延伸フィルムの全質量に対する中間接着層B及び層Cの合計質量の割合Yは、フィルムのガスバリア性及びリサイクル性の観点から、1~80質量%であることが好ましく、より好ましくは5~70質量%、さらに好ましくは10~65質量%である。
本実施形態の多層延伸フィルムの上記Xと上記Yとの積XYは以下の条件(1)を満たし、条件(2)を満たすことが好ましく、条件(3)を満たすことがより好ましく、条件(4)を満たすことがさらに好ましい。
100<XY<4430 (1)
500<XY<4430 (2)
1000<XY<4430 (3)
1500<XY<4430 (4)
上記中間接着層Bの見掛けの粘度Xが高すぎると、リサイクル時にEVOHと反応して成形不良の原因となる。また、中間接着層Bと層Cとの合計質量の割合Yが大きいと、中間接着層Bの見掛けの粘度が低くてもリサイクル時に成形不良の原因となる。特に、上記中間接着層Bの見掛けの粘度Xと中間接着層Bと層Cとの合計質量の割合Yとの積を4430未満とすることで、リサイクル時の成形不良を抑制することができる。また、上記Xが低すぎるとフィルムの引張強伸度の物性悪化の原因となることがあり、上記Yが低すぎるとフィルムのバリア性や層間接着性が悪化する原因となることがある。出願人は、上記Yとの積の下限値が上記範囲であると、リサイクル時の成形不良を改善できることを見出した。
そして、特に中間接着層Bの主成分が酸変性ポリエチレンであると、上記Xと上記Yとの積が上記範囲であるときの成形不良改善効果が大きいことを見出した。
本実施形態の多層延伸フィルムの厚みは、30μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
本実施形態の多層延伸フィルムの、フィルムの厚み100%に対する層Aの厚みの割合は、1~80%であることが好ましく、より好ましくは5~70%、さらに好ましくは10~60%である。
本実施形態の多層延伸フィルムの、フィルムの厚み100%に対する層Bの厚みの割合は、1~80%であることが好ましく、より好ましくは5~70%、さらに好ましくは10~60%である。
本実施形態の多層延伸フィルムの、フィルムの厚み100%に対する層Cの厚みの割合は、1~30%であることが好ましく、より好ましくは2~20%、さらに好ましくは3~15%である。
本実施形態の多層延伸フィルムの、フィルムの厚み100%に対する層Dの厚みの割合は、1~80%であることが好ましく、より好ましくは5~70%、さらに好ましくは10~60%である。
本実施形態の多層延伸フィルムの、フィルムの厚み100%に対する層Eの厚みの割合は、1~80%であることが好ましく、より好ましくは5~70%、さらに好ましくは10~60%である。
(製造方法)
本実施形態の多層延伸フィルムは、各層を構成する樹脂を順に混合押し出しすること等により得ることができる。
具体的な製造方法の例としては、押出機を用いて各層を構成する樹脂組成物を溶融押出して、1層ずつ環状ダイス内で順次合流させるか、環状ダイス内で1度に合流させて、多層のチューブ状未延伸原反を得る方法が挙げられる。このとき、1層につき1台の押出機を使用してもよいし、1台の押出機から環状ダイスに樹脂組成物が流入するまでに2つ以上に分割して、複数の層としてもよい。これを急冷固化したものを延伸機内に誘導し、目的に応じて、延伸開始点の加熱温度を調整し、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、流れ方向、幅方向に、それぞれ3.0倍以上の延伸を行ってもよい。
延伸倍率の上限としては、延伸安定性の観点から、12.0倍以下が好ましい。
延伸温度としては、バリア層に含まれるエチレンビニルアルコール共重合体のガラス転移点以上、融点以下の範囲が挙げられ、延伸終了後にガラス転移点以下になるようにフィルムの周方向から冷却してもよい。
本実施形態の多層延伸フィルムは、例えば、多層延伸フィルムからリサイクルフィルムを製造する際の原料として用いることができる。
〔ペレット〕
本実施形態のペレットは、上述の本実施形態の多層延伸フィルムの造粒物である。造粒に用いる本実施形態の多層延伸フィルムとしては、生産時の端材や、販売・流通・使用後に回収されたものを用いることができる。
本実施形態のペレットの見掛けの粘度は、リサイクル品の成形性の観点から、2500~8500Pa・secであることが好ましく、より好ましくは3000~8300Pa・sec、さらに好ましくは4000~8200Pa・secである。
上記ペレットの見掛けの粘度は、温度200℃で見掛けの粘度を測定した際、見掛けのせん断速度が10[1/sec]の時の見掛けの粘度であり、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態のペレットの製造方法としては、例えば、多層延伸フィルムを加熱してペレット化する方法、多層延伸フィルムを加熱加圧してペレット化する方法、多層延伸フィルムを加熱せずに加圧してペレット化する方法等が挙げられる。
本実施形態のペレットは、例えば、リサイクルフィルムを製造する際の原料として用いることができる。
〔リサイクルフィルム〕
本実施形態のリサイクルフィルムは、上述の本実施形態のペレットを含むリサイクル層を少なくとも含む。
本実施形態のリサイクルフィルムは、上記リサイクル層のみからなる単層フィルムであってもよいし、上記リサイクル層と他の層とを有する積層フィルムであってもよい。上記積層フィルムは、本実施形態のペレットを含むリサイクル層を2層以上有していてもよい。
上記リサイクル層は、本実施形態のペレットのみからなる層であってもよいし、さらに他の成分を含む層であってもよい。
上記他の成分としては、例えば、酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。上記リサイクル層に含まれる酸変性ポリプロピレンとしては、上記中間接着層Dで説明した酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
上記リサイクル層100質量%に対する、本実施形態のペレットの質量割合としては、プラスチック資源循環の観点から、5~100質量%であることが好ましく、より好ましくは10~100質量%、さらに好ましくは15~100質量%である。
本実施形態のリサイクルフィルムに含まれる他の層としては、例えば、バリア層、表面層、中間接着層等が挙げられる。
上記バリア層としては、例えば、EVOHを含む層が挙げられ、EVOHを主成分とする層が好ましい。EVOHとしては、上記層Cであげたものが挙げられる。また、EVOHを主成分とする、とは、上記層Cと同様に定義される。
上記バリア層は、上記リサイクル層と隣接することが好ましい。
上記表面層としては、ポリプロピレンを含む層、ポリエチレンを含む層が挙げられる。中でも、一方の表面層がポリプロピレンを含む層であり、他方の表面層がポリエチレンを含む層であることが好ましい。
本実施形態のリサイクルフィルムは、例えば、一方の表面層/上述の中間接着層B/バリア層/リサイクル層/他方の表面層の5層の積層フィルムであってよい。リサイクル層を中間層にすることでフィルムの透明性を保つことが可能になる。また、一般的にはリサイクル層を持つ多層フィルムとしては7層構成のものが知られているが、5層構成にすることで押出機の数を減らすことができ、コスト的に有利である。
本実施形態のリサイクルフィルムの120℃でのMD方向の熱収縮率は、このフィルムを使用した包装体の見た目の観点から、5%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。また、10~90%であることが好ましく、より好ましくは20~80%である。
また、120℃でのTD方向の熱収縮率は、このフィルムを使用した包装体の見た目の観点から、10~90%、より好ましくは20~80%であることが好ましい。
本実施形態のリサイクルフィルムの厚みは、5~50μmであることが好ましく、より好ましくは8~30μm、さらに好ましくは10~20μmである。
本実施形態のリサイクルフィルムが積層フィルムである場合、フィルムの厚み100%に対するリサイクル層の厚みの割合は、1~80%であることが好ましく、より好ましくは5~70%、さらに好ましくは10~60%である。
本実施形態のリサイクルフィルムが積層フィルムである場合、フィルムの厚み100%に対するバリア層の厚みの割合は、1~30%であることが好ましく、より好ましくは2~20%、さらに好ましくは3~15%である。
本実施形態のリサイクルフィルムが積層フィルムである場合、フィルムの厚み100%に対する各表面層の厚みの割合は、1~80%であることが好ましく、より好ましくは5~70%、さらに好ましくは10~60%である。2つの表面層の厚みは同じであってもよいし異なっていてもよい。
本実施形態のリサイクルフィルムは、各層を構成する樹脂を順に混合押し出しすること等により得ることができる。
具体的な製造方法の例としては、押出機を用いて各層を構成する樹脂組成物を溶融押出して、1層ずつ環状ダイス内で順次合流させるか、環状ダイス内で1度に合流させて、多層のチューブ状未延伸原反を得る方法が挙げられる。
本実施形態のリサイクルフィルムは、例えば、食品包装用のフィルムとして用いることができる。また製袋することで、ゴミ袋などの袋用途で用いることもできる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下に実施例、比較例において用いた測定方法を記す。
(ガスバリア性)
実施例・比較例のフィルムの酸素透過率 OTR(ml/m・day・MPa)を下記の方法で測定した。
MOCON社製OX-TRAN 2/21を用いて、測定法はASTM D-3985に準拠して、酸素透過率を測定した。ガスバリア性積層フィルムを装置にセットして6時間後の値を採用した。測定は23℃、65%RHの条件下で行った。
この測定値によって、下記のように評価を行った。
ガスバリア性〇:測定値<1000(ml/m・day・MPa)
ガスバリア性×:測定値>1000(ml/m・day・MPa)
(熱収縮性)
実施例・比較例のフィルムの熱収縮率を下記の方法で測定した。すなわち、フィルムの表面に各辺が縦方向(MD方向)と横方向(TD方向)に平行になるように1辺の長さが50mmの正方形の枠線をつける。その枠線の外側20mmを切り出して試験片とする。その試験片の両面に、タルクをまぶす。その後、その試験片を、120℃に設定した空気循環乾燥機に入れ、10分間保持した後、取り出す。取り出した試験片の正方形の枠線の各辺の長さを計測する。測定した各辺に対して、
{(収縮前の辺の長さ)-(収縮後の辺の長さ)}/(収縮前の辺の長さ)×100
を算出する。上記の測定をn=2で行い、それぞれの試験片の熱収縮率の平均値を本実施形態の多層延伸フィルムの120℃における熱収縮率(%)として用いた。
この測定値によって、下記のように評価を行った。
熱収縮性〇:測定値>20(%)
熱収縮性×:測定値<20(%)
(リサイクル性)
実施例・比較例で得られたフィルムの造粒物を、先端にTダイを付けた2軸押出機(テクノベル製、KZW15)及び冷却ロール付き巻取り機にて、シリンダー温度210℃、冷却ロール10℃、巻取り速度0.6m/分で、厚み150μm、幅100~150mmの無延伸シートを得た。このシート1mあたりの穴の数で、下記のように評価を行った。
リサイクル性〇:穴の数が0
リサイクル性×:穴の数が1以上、もしくはサンプルが採取不可
(見掛けの粘度)
実施例・比較例で得られたフィルム中の中間接着層B、及び実施例・比較例で得られたフィルムから製造したペレットを用いて、下記の方法で、見掛けのせん断速度が10(1/sec)の時の見掛けの粘度を測定した。
具体的には、測定装置にラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、型式:10C100、単軸押出機D2020)および粘度測定用スリットダイ(CAPF、流路:W=20mm、検出距離L=60mm、H=1.5mm)ならびに付属する解析ソフト「スリットダイ粘度測定プログラム」を用い、次の条件で測定した圧力損失のデータから見掛けのせん断速度(1/sec)および見掛けの粘度(Pa・sec)を算出する。
温度200℃、スクリュー回転数5、10、20、40rpmの設定で、実施例・比較例の組成の層又は樹脂を押出し、それぞれのスクリュー回転数においてスリットダイから吐出された試料を60秒間採取し、その質量を電子天秤で測定、ソフトに入力する。測定した流量と、試料を採取している間(60秒間)のスリットダイにおける圧力損失を測定する。横軸を見掛けのせん断速度(対数目盛)、縦軸を見掛けの粘度として、得られた値のプロットを行う。これらの点の対数近似曲線を用いて、見掛けのせん断速度が10(1/sec)の時の各試料の見掛けの粘度を求めた。
実施例及び比較例で用いた原料は以下のとおりである。
(樹脂)
・PP1:PC540R(サンアロマー(株) プロピレン系共重合体)
・PP2:PP1/AF1=9/1(質量%)
・AMPE1:NF587(三井化学(株) 酸変性エチレン系共重合体)
・AMPE2:NE827(三井化学(株) 酸変性エチレン系共重合体)
・EVOH1:GH3804B
・AMPP1:QF580(三井化学(株) 酸変性プロピレン系共重合体)
・PE1:0520F(宇部丸善ポリエチレン(株) エチレン系共重合体)
・PE2:PE1/AF2=9/1(質量%)
(その他の成分)
・AF1:OL37(理研ビタミン(株) 防曇剤)
・AF2:B’OL235(理研ビタミン(株) 防曇剤)
・CA1:Retain3000(Dow Chemical 相溶化剤)
(実施例1)
表1に示すように、層A(一方の表面層)としてPP1を押し出し、中間接着層BとしてAMPE1とCA1とを91/9の質量割合で混合して押し出し、層C(バリア層)としてEVOH1を積層し、中間接着層DとしてAMPP1を押し出し、層E(他方の表面層)としてPE1を押し出しして、層A/層B/層C/層D/層Eの順で、14/31/28/14/14の層厚み比率になるように調整して、環状ダイスから5層構成の未延伸原反を押し出し、冷却固化して総厚み210μmの未延伸チューブ原反を作製した。これを延伸機内に誘導してEVOH1のガラス転移点以上である80℃まで再加熱を行い、2対の差動ニップロール間に通して、エアー注入によりバブルを形成し、流れ方向に4.0倍、幅方向に3.5倍の倍率でそれぞれ延伸を行い、平均厚みが15μmのポリオレフィン共押出多層延伸フィルムを得た。
造粒にはハイペレッター(株式会社東洋整機、型式:HP90-24CRC)を用い、ピンチロール速度100m/min、スクリュー回転数500rpmにて、上記ポリオレフィン共押出多層延伸フィルムの造粒物を得た。
(実施例2~8)
表1に示した樹脂組成、厚み比率に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、平均厚みが15μmのポリオレフィン共押出多層延伸フィルム及び造粒物を得た。
(比較例1~4)
表2に示した樹脂組成、厚み比率に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、平均厚みが15μmのフィルム及び造粒物を得た。
Figure 2024007919000001
Figure 2024007919000002

Claims (13)

  1. ポリオレフィンを主成分とする層Aと、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Bと、EVOHを主成分とする層Cと、酸変性ポリプロピレンを主成分とする中間接着層Dと、ポリオレフィンを主成分とする層Eとを、厚さ方向にこの順に含み、
    120℃でのMD方向の熱収縮率が20%以上であり、
    温度200℃で測定した際の、見掛けのせん断速度が10[1/sec]の時の前記中間接着層Bの見掛けの粘度をX[Pa・sec]、フィルムの質量に対する前記中間接着層Bと前記層Cとの合計質量の割合をY(質量%)とした時、下記式(1)を満たす、ことを特徴とするポリオレフィン系共押出多層延伸フィルム。
    100<XY<4430 (1)
  2. 前記ポリオレフィン系共押出多層延伸フィルムの厚みに対する前記層Cの厚みの割合が1~30%である、請求項1に記載の多層延伸フィルム。
  3. 厚みが30μm以下である、請求項1に記載の多層延伸フィルム。
  4. 請求項1に記載の多層延伸フィルムの造粒物である、ことを特徴とするペレット。
  5. 請求項2に記載の多層延伸フィルムの造粒物である、ことを特徴とするペレット。
  6. 請求項3に記載の多層延伸フィルムの造粒物である、ことを特徴とするペレット。
  7. 温度200℃で見掛けの粘度を測定した際、見掛けのせん断速度が10[1/sec]の時、前記見掛けの粘度が2500[Pa・sec]以上8500[Pa/sec]以下である、請求項4に記載のペレット。
  8. 請求項4~7のいずれか一項に記載のペレットを含むリサイクル層を有する、ことを特徴とするリサイクルフィルム。
  9. 120℃でのMD方向の熱収縮率が20%以上である、請求項8に記載のリサイクルフィルム。
  10. リサイクル層が請求項4~7のいずれか一項に記載のペレットのみからなる層である、請求項8に記載のリサイクルフィルム
  11. 前記リサイクル層のみからなる単層フィルムである、請求項8に記載のリサイクルフィルム。
  12. EVOH層をさらに含み、前記リサイクル層が前記EVOH層に隣接する層である、請求項8に記載のリサイクルフィルム。
  13. 一方の表面層がポリプロピレンを含む層であり、他方の表面層がポリエチレンを含む層である、請求項12に記載のリサイクルフィルム。
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