JP3029230B2 - ガスバリア性シートの製造方法および熱成形品 - Google Patents

ガスバリア性シートの製造方法および熱成形品

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JP3029230B2
JP3029230B2 JP5346305A JP34630593A JP3029230B2 JP 3029230 B2 JP3029230 B2 JP 3029230B2 JP 5346305 A JP5346305 A JP 5346305A JP 34630593 A JP34630593 A JP 34630593A JP 3029230 B2 JP3029230 B2 JP 3029230B2
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gas barrier
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成彦 阿部
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篤 前田
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Tosoh Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱成形性および平滑性に
優れ、低コストのガスバリア性シートの製造方法に関す
る。また該ガスバリア性シートを熱成形して得られるガ
スバリア性に優れる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂層とガスバリア性
樹脂層を積層したガスバリア性シートを用い、真空成
形、圧空成形等の熱成形により剛性、ガスバリア性等に
優れた食品容器を製造することは広く行われている。ガ
スバリア性シートの製造方法は、ポリプロピレンシート
とガスバリア性多層フィルムをドライラミネート法によ
り接着するか、またはPP/AD/GB/AD/PP
(PP;ポリプロピレン系樹脂,AD;接着剤,GB;
ガスバリア性樹脂)の3種5層からなるシートを共押出
法により製造する方法が一般的である。
【0003】上記方法のうちドライラミネート法は、水
溶性または溶剤型接着剤の乾燥、硬化等を必要とするた
め生産性が悪くガスバリア性シートがコストアップとな
るという問題がある。また共押出法は生産性に優れるも
のの高価な3種5層用の共押出機を必要とし、このため
ガスバリア性シートがコストアップとなり、かつ多品種
を少量生産する場合には樹脂替えの際に多量の製品ロス
がでるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は熱成形
性および平滑性に優れ、低コストのガスバリア性シート
の製造方法を提供することにある。また該方法により得
られたガスバリア性シートを熱成形して得られるガスバ
リア性に優れた成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、ガスバリア性多
層フィルムと溶融ポリプロピレン系樹脂とを1対の冷却
ロール間で貼り合わせることにより上記課題が解決でき
ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、バリア層が接着層を介して
ポリプロピレン系樹脂層と積層した構造を含む厚み10
〜100μmの無延伸積層フィルムのポリプロピレン系
樹脂層側に、Tダイを通して押出された溶融ポリプロピ
レン系樹脂膜(a)を該樹脂膜の固化以前に、線接触状
または面接触状に配置された1対の金属製冷却ロール間
で貼り合わせることを特徴とする厚み0.4〜1.6m
mのガスバリア性シートの製造方法及び該方法により得
られたガスバリア性シートを熱成形して得られる成形品
に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ガスバリア性シートの製造方法において、ガスバリア性
積層フィルム中の1層を構成し、また該積層フィルムと
の貼り合わせるポリプロピレン系樹脂膜(a)として用
いられるポリプロピレン系樹脂とは、室温キシレン可溶
分から求めたアイソタクテイック指数が80%以上、好
ましくは95%以上のプロピレンの結晶性単独重合体お
よび/またはプロピレンと他の少量の1種以上のα−オ
レフィンとの結晶性ランダム共重合体である。
【0008】該共重合コモノマーであるα−オレフィン
としては、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン等の例を挙げることができる。
【0009】上記プロピレン/α−オレフィン共重合体
を具体的に例示すると、0.5〜20モル%の1−ブテ
ンを含有するプロピレン/1−ブテン共重合体、0.5
〜20モル%のエチレンを含有するプロピレン/エチレ
ン共重合体、0.5〜20モル%のエチレンと0.5〜
20モル%の1−ブテンを含有するプロピレン/エチレ
ン/1−ブテン共重合体等が挙げられる。
【0010】なおアイソタクテイック指数の測定方法を
次に示す。 (アイソタクテイック指数の測定方法)試料を環流冷却
管に接続した三角フラスコを用いて加熱キシレンに溶解
後、室温で冷却し不溶分をろ過する。ろ液を加熱乾固後
100℃で1時間真空乾燥し、次式によりキシレン可溶
分を求め、 キシレン可溶分=((加熱乾固後のろ液の重量)/(試
料採取量))×100 次式によりアイソタクテイック指数を求める。 アイソタクテイック指数=100−(キシレン可溶分)
【0011】上記ポリプロピレン系樹脂のメルトフロー
レート(以下、「MFR」と略すことがある。JIS
K6758,230℃,荷重2.16kg)は特に限定
するものではないが、1〜10g/10分が好ましく、
2〜4g/10分が更に好ましい。MFRが1g/10
分未満では成形加工性に劣ることがあり、10g/10
分を超えると得られるシートの引張強度、剛性等の機械
的強度に欠けるおそれがある。
【0012】また上記ポリプロピレン系樹脂中には、本
発明の効果を損わない範囲で必要に応じ酸化防止剤、帯
電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、光安定剤、透明
化剤、造核剤、紫外線吸収剤、有機過酸化物、可塑剤等
の一般に熱可塑性プラスチックに用いられる添加剤を添
加してもよい。
【0013】更に上記ポリプロピレン系樹脂中には、本
発明の効果を損わない範囲で必要に応じ、ポリプロピレ
ン系樹脂の耐熱性および寸法安定性を向上させる目的
で、各種の充填剤を配合することができる。このとき用
いられる充填剤としては、ガラス繊維、ビニロン繊維等
の繊維状充填剤、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ガ
ラスビーズ等が挙げられ、これら充填剤を脂肪酸または
その誘導体、界面活性剤、シランまたはチタネート系カ
ップリング剤等で表面処理したものなども用いられる。
【0014】また上記ポリプロピレン系樹脂中には、必
要に応じ本発明の効果を損なわない程度の範囲内で、ポ
リプロピレン系樹脂の耐衝撃性改良を目的とし、エチレ
ン/アクリル酸エチル共重合体、密度0.850〜0.
905g/cm3 の高結晶性、低結晶性または非結晶性
のエチレンとプロピレン、1−ブテン、4−メチルー1
−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン等の少量の1種以上のα−オレフィンと
の共重合体、メタロセン触媒で重合されたエチレンとプ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等
の少量の1種以上のα−オレフィンとの共重合体の中か
ら選ばれた少なくとも1種以上の重合体を配合すること
ができる。
【0015】更に上記ポリプロピレン系樹脂の透明性を
向上させる目的で、スペントC4〜C5留分中のジエン
成分を環化二量体後重合させた樹脂、シクロペンタジエ
ンなどの環状モノマーを重合させた樹脂、水添ジシクロ
ペンタジエン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添し
た樹脂などの脂環状系炭化水素樹脂を本発明の効果を損
なわない程度の範囲内で、ポリプロピレン系樹脂に添加
することができる。
【0016】本発明のガスバリア性シートの製造方法に
おいて、積層フィルム中のバリア層を構成する樹脂は、
ポリプロピレン系樹脂に比較し気体不透過性、特に酸素
不透過性に優れる樹脂であれば特にその種類を限定する
ものではないが、例えばナイロン6、ナイロン6−6、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイ
ロン6−10、ナイロン6−12等のポリアミド樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル樹脂、バレックス(商標名,三井
東圧化学(株)製)等のポリアクリロニトリル系樹脂、
ポリ塩化ビニリデン、エチレン/ビニルアルコール共重
合体などが例示できる。
【0017】このうち酸素不透過性および加工性に優れ
ることからエチレン/ビニルアルコール共重合体(以下
「EVOH」と略すことがある。)が特に好ましく用い
られ、特にエチレン含量が20〜55モル%のEVOH
を用いることにより得られるシートの成形性及びガスバ
リア性がより向上するので好ましい。なお、このときE
VOHのMFR(JIS K7210,190℃,荷重
2160g)は特に限定するものではないが、成形性の
点で0.5〜25g/10分とすることが好ましい。
【0018】上記バリア層を構成する樹脂中には、本発
明の効果を損わない範囲で必要に応じ酸化防止剤、帯電
防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、光安定剤、透明化
剤、造核剤、紫外線吸収剤、充填剤、有機過酸化物、可
塑剤等の一般に熱可塑性プラスチックに用いられる添加
剤を添加してもよい。
【0019】本発明のガスバリア性シートの製造方法に
おいて、積層フィルム中の接着層を構成する樹脂として
は、ポリプロピレン系樹脂層とバリア層との接着に優れ
ていれば特にその種類を限定するものではなく、バリア
層を構成する樹脂の種類に応じて適宜選択される。バリ
ア層を構成する樹脂としてEVOHを用いる場合は、共
押出法による積層フィルムの製造にあたっては、例えば
不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィン
が、またドライラミネート法による積層フィルムの製造
にあたっては、例えばウレタン系の溶剤型接着剤が特に
好適に用いられる。
【0020】本発明の製造方法において用いられる積層
フィルムは、その積層構成中に少なくとも1組のバリア
層/接着層/ポリプロピレン系樹脂層の3層構成を有す
るもので、用途に応じて2組以上の3層構成の組合わ
せ、または3層構成と種々の熱可塑性樹脂層との組合わ
せを持つ積層構造を含んでいても良い。例えば積層フィ
ルムとして以下に示す構成を有するものを挙げることが
できる。
【0021】但し、以下の構成例中のADは接着層、P
Pはポリプロピレン系樹脂層、PETはポリエチレンテ
レフタレート層、NYはポリアミド樹脂層、PCはポリ
カーボネート層、PSはポリスチレン層である。 (イ)PP/AD/EVOH (ロ)PP/AD/EVOH/AD/PP (ハ)PP/AD/EVOH/AD/PS (ニ)PP/AD/EVOH/AD/PC (ホ)PP/AD/EVOH/AD/PET (ヘ)PP/AD/EVOH/AD/NY (ト)PP/AD/EVOH/AD
【0022】上記(イ)はEVOHを表面層とし光沢、
剛性を付与したもの、(ロ)は剛性、防湿性、レトルト
性を付与したもの、(ハ),(ニ)および(ホ)は剛
性、熱成形性を付与したもの、(ヘ)は耐薬品性、耐摩
耗性を付与したもの、(ト)はADを表面層とし他の物
との接着を可能にしたものである。
【0023】上記積層フィルムは共押出法、ドライラミ
ネート法等の従来公知の方法により製造することがで
き、また市販されている。またこれらの積層フィルムは
無延伸であることが必要である。テンター法、チューブ
ラー法等の延伸加工により積層フィルム全体が延伸され
たもの、または積層フィルムの接着層以外の1層に延伸
フィルムを用いたものを使用すると、貼合シートの熱成
形時に積層フィルムが収縮してしまい、その結果貼合シ
ートが破れるという問題が発生する。
【0024】本発明の製造方法において用いられる積層
フィルムの厚みは10〜100μm、好ましくは20〜
90μmである。該厚みが10μm未満では貼り合わせ
の際の張力により積層フィルムが切断したりしわが発生
する等の問題が生じ、厚みが100μmを超えると入手
が困難となりコストアップとなる。また該積層フィルム
中のバリア層の厚みは少なくとも5μmとすることによ
り良好なガスバリア性を付与する点から好ましい。
【0025】本発明におけるガスバリア性シートの製造
方法は、前述の無延伸積層フィルムのポリプロピレン系
樹脂層側に、Tダイを通して押出された溶融ポリプロピ
レン系樹脂膜(a)を該樹脂の固化以前に、1対の金属
製冷却ロール間で貼り合わせて行われる。
【0026】上記貼合シートを得るための貼り合わせ条
件は、t1 /t0 (但し、t0 は貼り合わせ直前の積層
フィルムとポリプロピレン系樹脂膜との合計厚み(m
m)、t1 は貼り合わせ後の貼合シートの厚み(m
m))がほぼ1.0となるようにすることが好ましい。
1 /t0 が1.0より小さくなり、特に0.95未満
となると貼り合わせ用の1対の金属製冷却ロール間に入
る前のインプット樹脂量が、前記1対の金属製冷却ロー
ル間を出た後のアウトプット樹脂量を上回るため、1対
の金属製冷却ロールの前にTダイから押出された溶融ポ
リプロピレン系樹脂の樹脂溜まりが生じ、貼り合わせ時
のトラブルが発生しやすくなり、平滑な貼合シートが得
られなくなることがあり、逆にt1 /t0 が1.0より
大きくなり、特に1.05を超えるとインプット樹脂量
に比べアウトプット樹脂量が多いため、Tダイから押出
された溶融ポリプロピレン系樹脂膜が次第に薄くなり、
ついには膜切れが生じるおそれがある。
【0027】上述の貼り合わせは、Tダイから押出され
た溶融ポリプロピレン系樹脂膜(a)が固化する前に行
うことが必要である。溶融ポリプロピレン系樹脂膜
(a)が固化すると、積層フィルムとの貼り合わせが出
来ない。Tダイから押出された直後の溶融ポリプロピレ
ン系樹脂膜の樹脂温度は通常210〜240℃であり、
貼り合わせ直前の該樹脂膜(a)の温度は200〜22
0℃が好ましい。
【0028】本発明の製造方法において用いられる1対
の金属ロールは、例えば図1〜3に示すように金属ロー
ル(2)が金属ロール(1)に対して線接触状に配置さ
れるか、または図4に示すように金属ロール(2)が金
属ロール(1)に対して面接触状に配置される。金属ロ
ール(2)が金属ロール(1)に対して面接触状に配置
される場合は、金属ロール(2)は金属製無端ベルト装
置となる。
【0029】該無端ベルト装置の構成は特に限定するも
のではないが、例えば図4に示すように少なくとも一方
が金属製冷却ロールである(21)、(22)並びに補
助ロール(23)の外周に金属製無端ベルト(24)を
張架した装置を好ましい例として挙げることができる。
金属製無端ベルト装置に使用される該補助ロールの材質
は、特に限定はなく金属、ゴム、セラミックス等が用い
られる。図4の(21)または(22)のいずれか一方
が金属製冷却ロールの場合は、他方のロールは金属製冷
却ロールでも良く、補助ロールでも良い。
【0030】本発明の製造方法において貼り合わせに用
いられる冷却ロールは金属製のものであり、ゴム製のも
のやセラミック製のものでは冷却が不十分となり、シー
トの平滑性に劣り、著しく透明性が低下するため好まし
くない。金属ロールおよび上述の金属製無端ベルトの材
質並びに表面状態については特に制限はないが、シート
の平滑性を向上せしめるため、硬質クロムメッキの施さ
れた鏡面仕上げのものが通常用いられる。
【0031】上記金属ロールの冷却方法は特に限定する
ものではないが、通常は冷却媒体として水を用いて金属
ロールの表面温度を50〜90℃とすれば良い。
【0032】本発明の製造方法において積層フィルムは
図1に示すように冷却ロール(2)側に配置しても良
く、図2に示すように冷却ロール(1)側に配置しても
良い。
【0033】本発明の製造方法において貼り合わせ後の
貼合シートは、図3に示すように金属製冷却ロール
(1)の表面に沿わせ冷却を続けることが、平滑性およ
び透明性に優れるシートを得るために好ましい。金属製
冷却ロール(1)の表面に沿わせる際に、図4に示すよ
うに1個以上のガイドロール(7)を用いて貼り合わせ
シートの冷却ロール側と反対側を支えても良い。
【0034】本発明の製造方法によって得られるガスバ
リア性シートの厚みは0.2〜1.6mmである。厚み
が0.2mm未満のシートを製造することは困難であ
り、また該シートの厚みが1.6mmを超えると冷却効
率が悪くなる結果、シートの平滑性が悪くなり著しく透
明性に劣る。
【0035】本発明の製造方法によって得られるガスバ
リア性シートは熱成形により透明性およびガスバリア性
に優れた容器または蓋状に成形され、食品包装等の包装
用途に好適に用いられる。本発明において熱成形とは、
被成形シートをそのガラス転移温度以上の温度に加熱し
真空、圧空、プラグによる加圧等により金型に圧着し容
器等を成形する方法である。この熱成形における加熱方
法は熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱、熱板加熱等の
従来公知の方法が採用される。このときの熱成形温度T
aは、Ta≦Tm+50(但しTmはTダイより押出さ
れたポリプロピレン系樹脂の融点(℃)、Taは熱成形
温度(℃))とすることが好ましく、Ta>Tm+50
では、シートのたれが大きくなり熱成形できなくなるこ
とがある。
【0036】また熱成形によって得られる容器をレトル
ト用途に用いるときは、Ta≧Tm−10の条件で熱成
形することが好ましく、Ta<Tm−10では熱成形時
に樹脂が延伸されて分子配向が強くなる結果、熱成形品
はレトルト処理時の熱により容易に収縮変形を起こしや
すくなる傾向にある。
【0037】なお融点の測定方法を次に示す。 (融点の測定方法)熱プレス成形した厚みが約100μ
mのフィルムから約5mgの試料を秤量し、差動走査熱
量測定装置(DSC)を用いて、80℃から80℃/分
の昇温速度で230℃まで昇温し5分間保持する。10
℃/分の速度でー10℃まで降温しー10℃で5分間保
持する。次に再び10℃/分の速度で230℃まで昇温
し、昇温中に現れたピークのうち最大のピークの頂点の
位置の温度(℃)を融点とする。
【0038】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお実施例および比較例における性能の測定は下記
の方法によった。
【0039】 シートの平滑性 シートの平滑性を肉眼で観察し次の基準で評価した。 ○;平滑性に優れる ×;シートにうねりや凹凸が見られる
【0040】 シートの熱成形性 シートの真空圧空成形時の状態を肉眼で観察し次の基準
で評価した。 ○;熱成形により変形のない容器が得られる ×;熱成形時にシートが破れて容器にならない
【0041】(実施例1〜2)プロピレンの単独重合体
(MFR;10g/10分,アイソタクチック指数;9
8%)をキャスト成形し厚み25μmの無延伸フィルム
を得た。得られたフィルムをウレタン系接着剤を用い
て、厚み25μmの無延伸EVOH(エチレン含量;4
4モル%,MFR;5.5g/10分)フィルムとドラ
イラミネートし、PP/接着剤/EVOH/接着剤/P
P構成の総厚み80μmの多層フィルムを紙管にロール
アップした。得られたロール状フィルムを繰り出し部に
セットした。
【0042】プロピレンとエチレンとの結晶性ランダム
共重合体(MFR;1.6g/10分,エチレン含量;
5.8モル%,融点;146℃)をTダイを備えた90
mm径の押出機に供給し樹脂温度230℃で押出し、T
ダイ下方の繰り出し部から繰り出された図3に示す多層
フィルム(5)と直径310mm、幅1500mm、表
面温度50℃のクロムメッキされた金属冷却ロール
(2)および直径310mm、幅1500mm、表面温
度80℃のクロムメッキされた金属冷却ロール(1)間
で貼り合わせ、ライン速度5m/分でシートを引き取り
0.7mm厚みの貼合シートを得た。得られたシートの
平滑性を評価した結果を表1に示すが、本実施例のシー
トは平滑性に優れていた。
【0043】次に得られたシートを用い、表1に示す温
度、空気圧5.5kg/cm2 および真空度760mm
Hgにて真空圧空成形し、図5に示す形状の容器を得た
時の熱成形性を評価した結果を表1に示す。本実施例の
シートは熱成形性に優れていた。
【0044】(実施例3〜4)Tダイより押出されるプ
ロピレン系樹脂の押出量を上げ貼合シート厚みを1.0
mmとした以外は実施例1と同様にして貼合シートを
得、該シートの平滑性および熱成形性を評価した。結果
を表1に示す。本実施例のシートは平滑性および熱成形
性に優れていた。
【0045】(比較例1)厚み25μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(OPP)をウレタン系接着剤を用
いて、厚み25μmの延伸EVOH(エチレン含量;4
4モル%)フィルムとドライラミネートし、OPP/接
着剤/EVOH/接着剤/OPP構成の総厚み80μm
の多層フィルムを紙管にロールアップした。得られたロ
ール状フィルムを繰り出し部にセットした。
【0046】上記多層フィルムを用いた以外は実施例1
と同様に0.7mm厚みの貼合シートを作製した。得ら
れたシートの平滑性および熱成形性を評価した結果を表
1に示す。本比較例のシートは平滑性に優れていたが、
熱成形時にシートが破れて容器にならなかった。
【0047】(実施例5〜6)プロピレンの単独重合体
(MFR;1g/10分,アイソタクチック指数;98
%,融点;165℃)100重量部に低密度ポリエチレ
ン(MFR(JISK6760);0.3g/10分,
密度(JIS K6760);0.92g/cm3 )5
重量部およびタルク30重量部を添加しVブレンダーで
混合後、2軸押出機で溶融混練しペレット化した。得ら
れたペレットをTダイを備えた90mm径の押出機に供
給し樹脂温度250℃で押出し、Tダイ下方の繰り出し
部から繰り出された実施例1で作製した多層フィルムと
実施例1と同様の条件で貼り合わせ、厚み0.7mmの
貼合シートを得た。該シートの平滑性および熱成形性を
評価した。結果を表1に示すが、本実施例のシートは平
滑性および熱成形性に優れていた。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法により熱成形性および
平滑性に優れ、低コストのガスバリア性シートを得るこ
とができる。得られたガスバリア性シートは熱成形等に
より加工されガスバリア性に優れた成形品を得ることが
でき、食品包装、医薬品包装等の包装用途に好適に利用
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により用いられる装置の一実施例
を示す模式図である。
【図2】本発明の方法により用いられる装置の一実施例
を示す模式図である。
【図3】本発明の方法により用いられる装置の一実施例
を示す模式図である。
【図4】本発明の方法により用いられる装置の一実施例
を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例において得た熱成形品を示すも
ので(a)は側断面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
1、2 金属製冷却ロール 3 Tダイ 4 Tダイより押出された溶融樹脂膜 5 無延伸積層フィルム 6 ガイドロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−147853(JP,A) 特開 昭51−62886(JP,A) 特開 昭50−2082(JP,A) 特開 昭58−194518(JP,A) 特開 昭55−107428(JP,A) 特開 昭58−163625(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 47/06 B29C 51/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリア層が接着層を介してポリプロピレ
    ン系樹脂層と積層した構造を含む厚み10〜100μm
    の無延伸積層フィルムのポリプロピレン系樹脂層側に、
    Tダイを通して押出された溶融ポリプロピレン系樹脂膜
    (a)を該樹脂膜の固化以前に、線接触状または面接触
    状に配置された1対の金属製冷却ロール間で貼り合わせ
    ることを特徴とする厚み0.2〜1.6mmのガスバリ
    ア性シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により得られたガ
    スバリア性シートを熱成形して得られる成形品。
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