JP2001526427A

JP2001526427A - 金融助言システム用のユーザ・インタフェース

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Publication number: JP2001526427A
Application number: JP2000524747A
Authority: JP
Inventors: マジョンカルダ，ジェフ・エヌ; ジョーンズ，クリストファー・エル; シャープ，ウィリアム・エフ; ファイン，ケン; トウバー，エレン
Original assignee: フィナンシャル・エンジンズ・インコーポレーテッド
Priority date: 1997-12-10
Filing date: 1998-09-23
Publication date: 2001-12-18
Also published as: WO1999030261A1; US6012044A; US5918217A; AU9506198A; AU761859B2; EP1038247A1; CN1285068A; CA2313206A1

Abstract

(57)【要約】金融助言システム用のユーザ・インタフェースを提供する。本発明の一態様によれば、ユーザは、リスク許容、貯蓄水準、退職年齢など１つまたは複数の入力決定の変更が、金融目標を達成する確率や短期リスクの表示など１つまたは複数の出力値にどのように影響を与えるかを対話式に調査することができる。第１および第２の視覚的表示が同時に表示される。第１の視覚的表示は、スライダ・バーなど入力決定を受け取るための入力機構を含む。第２の視覚的表示は、入力決定および推奨される金融商品のセットに基づいた出力値のセットを含む。入力決定に関して更新された値が入力機構を介して受け取られた後、更新された値に基づいて、新たな推奨される金融商品のセットおよび新たな出力値のセットを決定することができる。次いで、新たな出力値のセットを反映するように第２の視覚的表示を更新することができる。本発明の他の態様によれば、所望の水準の投資リスクを受け取るためのグラフィカル入力機構を較正することができる。ミューチュアル・ファンドのセットなど利用可能な金融商品のセットと、マーケット・ポートフォリオの変動率など所定の変動率とが受け取られる。グラフィカル入力機構に関連付けられる設定が利用可能な金融商品のセットに基づいて制約される。さらに、グラフィカル入力機構の単位の較正は、グラフィカル入力機構の設定に関連付けられる変動率と所定の変動率との関係として表現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】（著作権表示）本明細書には、著作権保護を受ける資料が含まれている。著作権所有者は、特
許開示が米国特許商標庁特許ファイルまたは記録に現れたとき、何人による開示
された特許のそのままの複製に対しても異議がないが、それ以外の場合は、いか
なる著作権に対するすべての権利を留保する。

【０００２】（発明の分野）本発明は、一般に金融助言サービスの分野に関する。より詳細には、本発明は
、金融商品のセットから、ユーザに関係する実現可能で推奨される商品をアドバ
イスするためのシステム、およびそのようなシステム用のユーザ・インタフェー
スに関する。

【０００３】（発明の背景）個人投資家が利用可能な金融商品の数が近年急激に増加しており、そのため多
くの個人が、提供される情報および選択肢に当惑している。本明細書で使用する
用語「金融商品」は、ある決まった条件下で、予想される将来の利益を提供する
または受け取るための正当な権利を表すもの（しばしば債権または有価証券など
を意味する）を包含する。いずれにせよ、人は自分の要求に合った金融商品を購
入するが、その要求は人によって大幅に異なる。

【０００４】近年、いくつかのコンピュータ金融分析システムが開発されており、個人が自
分の要求に合った最良の金融商品の選択の役に立っている。これらのシステムは
通常、例えば抵当借換え、ローン債務償還、退職金積立計画、投資代替物に関す
る数学モデルに基づいて分析を行う。

【０００５】しかし、典型的な従来技術の金融ソフトウェア・パッケージは、いくつかの点
で制限される。従来システムの制限の１つは、出力の二値的性質である。例えば
、給料、資産、投資額など初期金融状態を表す個人金融データのセットを考える
と、従来技術システムで使用される典型的な単純な計算装置は、目標を達成する
真の可能性は通常０％でも１００％でもなくその間のどこかであることを無視し
て、金融目標を達成できるか否かをユーザに示す。その結果、多くの従来技術の
投資ソフトウェア・パッケージによって行われるいわゆる「アドバイス」は、判
断を誤る可能性がある。

【０００６】さらに、投資に焦点を当てるいくつかの従来技術の金融分析プログラムは、ユ
ーザが、将来のインフレーション、金利、および投資に対する期待される還元の
推定値を与えることを必要とする。理解されるように、この手法が伴う問題の１
つは、実現可能でないシナリオを作成することがユーザに許されていることであ
る。このタイプの従来技術システムでは、ユーザは、所望のポートフォリオ値が
達成されるまで、期待される投資還元額を単に増加させるようになりがちであり
、実際にそう促される。その結果、達成不可能なポートフォリオ還元額に基づい
て、非現実的な将来の経済シナリオを作成してしまう。

【０００７】さらに、従来技術における金融分析プログラムとのユーザ・インタフェースは
、本発明によって克服される他の様々な欠点を有する。とりわけ、従来技術シス
テムは通常、ユーザの特定の投資額および金融環境を与えられた退職金期間のリ
スクと収益のトレードオフの現実的な推定値を提供しない。これは、投資リスク
の適切な水準について、情報に基づいた判断を非常に困難にする。リスクと収益
のトレードオフの概念は、現代のポートフォリオ理論の根本をなすものであり、
長期のリスクと収益を伝達することができないシステムは、情報に基づく投資決
定をするのに不可欠な情報を提供することができない。

【０００８】前述のことに鑑みて、必要とされるのは、今日下さなければならない金融決定
に個人を注目させ、これらの決定に与えられる１つまたは複数の特定の金融商品
を推奨し、さらに、おそらく最も重要なことには、推奨される金融商品と組み合
わせられた最終決定が将来その人の要求を満たす可能性を示す金融助言システム
である。

【０００９】また、根本をなすリスクと収益のトレードオフを通信するインテリジェント・
ユーザ・インタフェースを組み込んで、個人が投資オプションを評価するのを助
けることが望ましい。例えば、二値的な結果ではなく、金融目標を達成する確率
を表す視覚的表示を提供するシステムを提供することが望ましい。また、グラフ
ィカル入力機構によって許容可能な入力の範囲が、利用可能な商品に基づいて実
際に実現可能であるように、機構を較正することが有利である。さらに、利用可
能な金融商品のセットの中から情報に基づいた選択を行う機会をユーザに提供す
るため、特定の推奨される金融商品に関連する予想される成果に基づくリスクの
現実的な推定値を提供することが望ましい。重要なことであるが、リスクのない
方法はないので、短期リスク、長期リスク、ある金融目標に到達しないリスクな
どリスクの様々な概念を提示することが望ましい。

【００１０】（発明の概要）金融助言システム用のユーザ・インタフェースを記述する。本発明の一態様に
よれば、ユーザは、１つまたは複数の入力決定の変更が、１つまたは複数の出力
値にどのように影響を与えるかを対話式に調査することができる。第１および第
２の視覚的表示が同時に表示される。第１の視覚的表示は、入力決定を受け取る
ための入力機構を含み、第２の視覚的表示は、入力決定および推奨される金融商
品のセットに基づいた出力値のセットを含む。一実施態様では、これらの出力値
は、推奨される金融商品の予想される将来価値と、ユーザが目標を達成する可能
性とを含む。入力決定に関して更新された値が入力機構を介して受け取られた後
、更新される値に基づいて、新しく推奨される金融商品のセットおよび出力値の
新しいセットを決定することができる。この時点で、新しい出力値のセットを反
映するように第２の視覚的表示を更新することができる。このようにして、ユー
ザは、１つまたは複数の将来の金融目標に到達するためになすことができる適切
な決定、および１つまたは複数の決定を修正する効果に注目させられる。

【００１１】本発明の第２の態様によれば、所望の水準の投資リスクを受け取るためにグラ
フィカル入力機構を較正することができる。利用可能な金融商品のセットと所定
の変動率が受け取られる。グラフィカル入力機構に関連付けられる設定は、利用
可能な金融商品のセットに基づいて制約される。その結果、ユーザは、実際に利
用できる実現可能なリスクのセット以外のリスクの水準を選択することを妨げら
れる。さらに、グラフィカル入力機構のユニットの較正は、グラフィカル入力機
構の設定に関連付けられる変動率と所定の変動率との関係として表現することが
できる。

【００１２】本発明の第３の態様によれば、金融目標を達成する確率の表示がユーザに提供
される。金融目標はユーザから受け取られる。さらに、確率分布が依存する入力
が受け取られる。確率分布は、例えば入力に基づいて、起こり得る将来のポート
フォリオ値のセットを表すことができる。金融目標を達成する確率は、金融目標
に達する、またはそれを超える累積確率分布を評価することによって決定される
。最後に、金融目標を達成する確率の視覚的表示をユーザに提供することができ
る。

【００１３】本発明の第４の態様によれば、ユーザが金融リスクを処理して制御するのを助
けるため、金融リスクの様々な態様がユーザに提示される。金融目標はユーザか
ら受け取られる。さらに、確率分布が依存する決定変数を含む入力が受け取られ
る。確率分布は、例えば、ユーザがある量の富を有する確率を時間にわたって表
すことができる。第１および第２の視覚的表現が表示される。第１の視覚的表現
は、確率分布に基づいて、金融目標に到達しないリスクを示し、第２の視覚的表
現は、近い将来にポートフォリオ値がどれほど低下する可能性があるかという短
期リスクを示す。さらに、決定変数に関連する長期金融リスクを示すために、第
３の視覚的表現を表示することもできる。特定の決定および金融商品から生じる
可能性がある成果に関してリスクが表現され、それにより、ユーザが自分のリス
ク選好度と合致するリスクの量を選択できるようにすることが望ましい。

【００１４】本発明の第５の態様によれば、利用可能な金融商品のセット間での推奨される
富の配分がユーザに提示される。決定入力と、利用可能な金融商品のセットが受
け取られる。各金融商品は、関連する変動率を有する。利用可能な金融商品のセ
ットは、それぞれの変動率によって配列される。推奨される富の配分は、決定入
力に基づいて各金融商品について決定され、推奨される富の配分のグラフィカル
表示が表示される。グラフィカル表示は、特定の金融商品に対して推奨される富
の配分に対応する長さを有する、各金融商品に関連するグラフィカル・セグメン
トを含む。

【００１５】本発明の第６の態様によれば、ユーザ指定の制約に基づいて推奨を更新するこ
とができる。利用可能な金融商品のセット間での現行推奨される富の配分のグラ
フィカル表示がユーザに提供される。グラフィカル表示は、関連付けられた金融
商品に関する現行推奨される配分に対応するサイズをそれぞれ有するグラフィカ
ル・セグメントを含む。選択されるグラフィカル・セグメントは、入力装置の活
動化に応答するユーザ所望の配分にサイズが対応するように、サイズ変更するこ
とができる。それにより、新しい金融商品のセットが推奨され、選択されたセグ
メントに対応する金融商品の配分を、ユーザ所望の配分に固定する。次いで、グ
ラフィカル表示が、新しく推奨された配分を表すように更新される。このように
して、ユーザが推奨されるポートフォリオを直接操作して、推奨に対する影響を
観察することができるのが望ましい。

【００１６】本発明の他の特徴は、添付図面および以下の詳細な説明から明らかになる。

【００１７】本発明は、添付図面の図に例示として示されており、限定するものではない。
添付図面において、同じ参照符号は同様の要素を示す。

【００１８】（詳細な説明）金融助言システム用のユーザ・インタフェースを説明する。本発明の実施形態
によれば、確率的シミュレータは、特定の金融目標に到達しないリスク、ならび
に短期および長期の金融リスクを含めた金融リスクの様々な面に関連する情報を
提供して、金融助言システムのユーザがそのような金融リスクを処理して制御す
る際に助けることができる。本発明の他の態様は、ユーザが投資リスク、貯蓄、
および退職年齢に関する自分の決定に注目し、起こり得る投資成果の範囲に対す
るそれらの決定の影響を対話式に観察することを可能にする。

【００１９】以下の説明では、本発明を深く理解できるようにするために、多数の特定の詳
細を提示する。しかし、これらいくつかの特定の詳細を用いずに本発明を実施す
るできることは、当業者には明らかであろう。他の例では、周知の構造および装
置をブロック図の形で示す。

【００２０】本発明は、以下に示される様々なステップを含む。本発明のステップは、機械
実行可能命令で実施することができる。命令を使用して、その命令によってプロ
グラムされた汎用または専用プロセッサに本発明のステップを実施させることが
できる。あるいは、本発明のステップは、ステップを実施するための配線論理を
含む特定のハードウェア構成要素によって、またはプログラムされたコンピュー
タ構成要素とカスタム・ハードウェア構成要素との任意の組合せによって実施す
ることができる。本発明の実施形態を金融助言システムに関して説明するが、本
明細書に記述される方法および装置は同様に、他のタイプの資産配分アプリケー
ション、金融計画アプリケーション、投資助言サービス、金融商品選択サービス
、個人電子ショッピング・エージェントなど自動金融商品選別ツールに利用可能
である。

【００２１】システム概説本発明は、図１に示されるシステムなどクライアント・サーバ・ベースの金融
助言システム１００に含まれるであろう。図１に示される実施形態によれば、金
融助言システム１００は、金融ステージング・サーバ１２０、ブロードキャスト
・サーバ１１５、内容サーバ１１７、ＡｄｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ^TM１１０（Ａｄ
ｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ^TMは、本発明の譲受人であるＦｉｎａｎｃｉａｌＥｎｇ
ｉｎｅｓ，Ｉｎｃ．の登録商標である）、およびクライアント１０５を含む。

【００２２】金融ステージング・サーバ１２０は、金融内容を発行するための１次ステージ
ングおよび検証領域として働くことができる。このようにすると、金融ステージ
ング・サーバ１２０は、データ・ウェアハウスとして働く。生ソース・データ、
典型的には時系列データを精練して、金融ステージング・サーバ１２０上の分析
に有用なデータに処理することができる。毎月、または任意のバッチ処理間隔で
、金融ステージング・サーバ１２０は、データ・ベンダから取得された生の時系
列データを、特定のベンダのフォーマットから、金融助言システム１００によっ
て使用することができる標準フォーマットに変換する。仕入先から受け取ったデ
ータの妥当性検査および品質保証のためのデータを生成するために、様々な財務
エンジンが稼働することができる。金融エンジンによって必要とされる分析デー
タの較正は、最終的な分析データをブロードキャスト・サーバ１１５に発行する
前に実施することができる。

【００２３】ブロードキャスト・サーバ１１５は、データベース・サーバである。したがっ
て、ＭｉｃｒｏｓｏｆｔＳＱＬ−Ｓｅｒｖｅｒ^TMやＯｒａｃｌｅ^TMなどのリレ
ーショナル・データベース管理システム（ＲＤＢＭＳ）のインスタンスを実行す
る。ブロードキャスト・サーバ１１５は、全ての資金情報および分析データにア
クセスする単一の点を提供する。ＡｄｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ１１０などのアドバ
イス・サーバは、データを必要とするとき、ブロードキャスト・サーバ・データ
ベースから情報を照会することができる。ブロードキャスト・サーバ１１５はま
た、内容サーバ１１７などの内容サーバを配置することができ、したがってＡｄ
ｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ１１０の遠隔実装が、ブロードキャスト・サーバ１１５と
直接通信する必要がない。

【００２４】ＡｄｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ１１０は、クライアント１０５に対するサービスの
１次プロバイダである。ＡｄｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ１１０は、外部システム１２
５、およびブロードキャスト・サーバ１１５または内容サーバ１１７など外部シ
ステム間のプロキシとしても働く。ＡｄｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ１１０は、ユーザ
・プロファイルとポートフォリオ・データを保持するための中央データベース・
リポジトリである。このようにすると、以下にさらに説明するように、進行中の
ポートフォリオ分析を行うことができ、アラートをトリガすることができる。

【００２５】図示された実施形態によれば、ユーザは、ブラウザ・アプリケーション内部で
動作する、またはユーザのパーソナル・コンピュータ１０５上で独立型デスクト
ップ・アプリケーションとして動作することができるクライアント・ソフトウェ
アを使用する金融助言システム１００と対話をして、そこからフィードバックを
受け取ることができる。クライアント・ソフトウェアは、ＨＴＴＰサーバとして
働くＡｃｔｉｖｅＳｅｒｖｅｒ１１０と通信する。

【００２６】例示的コンピュータ・システム金融助言システム１００の一実施形態を簡単に説明してきた。ここで、図２を
参照して、本発明の特徴を実施することができる例示的クライアント１０５また
はサーバを表すコンピュータ・システム２００を説明する。コンピュータ・シス
テム２００は、情報を通信するためのバスまたはその他の通信手段２０１と、バ
ス２０１に結合された、情報を処理するための処理装置２０２などの処理手段と
を備える。コンピュータ・システム２００はさらに、バス２０１に結合された、
処理装置２０２によって実行される情報および命令を記憶するためのランダム・
アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、または他の動的記憶装置２０４（主メモリと呼ば
れる）を備える。主メモリ２０４は、処理装置２０２によって命令を実行してい
る間、一時変数や他の中間情報を記憶するために使用することもできる。コンピ
ュータ・システム２００はまた、バス２０１に結合された、処理装置２０２用の
静的情報および命令を記憶するための読取専用メモリ（ＲＯＭ）および／または
他の静的記憶装置２０６を備える。

【００２７】磁気ディスクまたは光ディスク、その対応するドライブなどのデータ記憶装置
２０７をコンピュータ・システム２００に結合して、情報および命令を記憶させ
ることもできる。コンピュータ・システム２００はまた、バス２０１を介して、
陰極線管（ＣＲＴ）や液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）などコンピュータ・ユーザに
対して情報を表示するための表示装置２２１に結合することもできる。例えば、
期待されるポートフォリオ・パフォーマンス、最適なポートフォリオに関する資
産配分、短期および長期の金融リスクを示す図表、様々な金融目標を達成する確
率を示すアイコン、および他のデータ・タイプを、ユーザに対して表示装置２２
１上に表示することができる。典型的には、英数字キーおよび他のキーを含めた
、処理装置２０２に情報および／またはコマンド選択を通信するための英数字入
力装置２２２がバス２０１に結合される。他のタイプのユーザ入力装置は、マウ
ス、トラックボール、またはカーソル方向キーなど、方向情報およびコマンド選
択を処理装置２０２に通信するため、および表示装置２２１上でのカーソルの動
きを制御するためのカーソル制御２２３である。

【００２８】例えば、ＡｄｖｉｃｅＳｅｒｖｅｒ^TM１１０やインターネットを介した他のサ
ーバなど、遠隔サーバにアクセスするための通信装置２２５もバス２０１に結合
される。通信装置２２５は、モデム、ネットワーク・インタフェース・カード、
あるいはイーサネット、トークン・リング、または他のタイプのネットワークに
結合するために使用される装置など他のよく知られたインタフェース装置を含む
ことができる。いずれにせよ、このようにすると、コンピュータ・システム２０
０は、例えば会社のイントラネットおよび／またはインターネットなど従来のネ
ットワーク・インフラストラクチャを介して、いくつかのサーバに結合すること
ができる。

【００２９】例示的金融分析システム図３は、本発明の一実施形態を使用することができる金融分析システム３００
を示す概略ブロック図である。一般に、金融助言システム３００は、ユーザ・イ
ンタフェース（ＵＩ）３６０から入力データを受け取り、確率分布などのデータ
をＵＩ３６０に提供するシミュレーション・モジュール３４０を含む。シミュレ
ーション・モジュールは、ランダム分布から経験的にドローを生成するためのシ
ミュレーション・エンジンを含むことができる。図示される実施形態によれば、
シミュレーション・モジュール３４０はさらに、価格決定モジュール３１０、フ
ァクタ・モジュール３２０、スタイル分析モジュール３３０、およびポートフォ
リオ最適化モジュール３５０を含む。

【００３０】価格決定モジュール３１０は、１つまたは複数の資産に関する価格決定データ
を生成する。一実施形態では、価格決定モジュール３１０は、３つの資産（例え
ば、短期国債、長期国債、および米国株）に関する価格決定データを生成する。
これらの資産は、シミュレーション・モジュール３４０によって、シミュレーシ
ョン機能のためのコア資産として使用される。あるいは、コア資産は、米国株や
国債（短期国債と長期国債を区別しない）など異なるタイプの資産であってよい
。当然、異なる数のコア資産を使用することもできる。

【００３１】一実施形態では、価格決定モジュール３１０は、いくつかの資産シナリオを生
成する。各シナリオは、金融助言システム３００への入力に基づく、同じ程度起
こり得る成果である。価格決定モジュール３１０を用いていくつかのシナリオを
生成することによって、金融助言システム３００は、予想される様々な資産評価
額に関する統計を生成することができる。例えば、金融助言システム３００は、
予想される資産評価額ごとに確率分布を提供することができる。

【００３２】ファクタ・モジュール３２０は、価格決定モジュール３１０からコア資産価格
決定データを受け取り、そのデータをファクタのセット上にマップする。ファク
タ・モジュール３２０によって出力されたファクタを、還元ベースのスタイル分
析モジュール３３０で使用して、特定の資産に関するスタイル・エクスポージャ
を生成する。ファクタ・モジュールおよびスタイル分析は、当技術分野でよく知
られており、本明細書ではより詳しく記述しない。ファクタ・モジュール３２０
とスタイル分析モジュール３３０は、本明細書に参照により組み込むＷｉｌｌｉ
ａｍＦ．Ｓｈａｒｐｅ著「Ａｓｓｅｔａｌｌｏｃａｔｉｏｎ：Ｍａｎａｇｅ
ｍｅｎｔｓｔｙｌｅａｎｄｐｅｒｆｏｒｍａｎｃｅｍｅａｓｕｒｅｍｅ
ｎｔ」，ＪｏｕｒｎａｌｏｆＰｏｒｔｆｏｌｉｏＭａｎａｇｅｍｅｎｔ，
Ｖｏｌ．１８，Ｎｏ．２に記載される機能を実施することができる。

【００３３】ポートフォリオ最適化モジュール３５０は、ＵＩ３６０を介して金融助言シス
テム３００に提供される入力に基づいて、１つまたは複数の最適ポートフォリオ
を決定することができる。ポートフォリオ最適化は、当技術分野で知られている
任意の方法で実施することができ、本発明の中心的なものではない。シミュレー
ション・モジュール３４０が、サーバ、またはＵＩ３６０が常駐するのと同じコ
ンピュータに常駐できることが重要である。以下にさらに詳しく説明するように
、ＵＩ３６０は、データ入力および出力用の様々な機構を含み、それぞれ金融助
言システム３００と対話する、およびそこからフィードバックを受け取る手段を
ユーザに提供することができる。

【００３４】本発明の様々な特徴を組み込むことができる金融助言システムのさらなる説明
は、本願と同時係属の、に出願された「ＦＩＮＡＮＣＩＡＬＡＤＶ
ＩＳＯＲＹＳＹＳＴＥＭ」という名称の米国特許出願第号に開示さ
れ、価格決定カーネルのさらなる説明は、本願と同時係属の、に出願
された「ＰＲＩＣＩＮＧＫＥＲＮＥＬＦＯＲＦＩＮＡＮＣＩＡＬＡＤＶ
ＩＳＯＲＹＳＹＳＴＥＭ」という名称の米国特許出願第号に開示さ
れている。どちらの出願も本発明の譲受人に譲渡されており、どちらも本明細書
に参照により組み込む。

【００３５】例示的アドバイス要約画面ＵＩ３６０は、金融商品およびそれに関連する決定の数が非常に多いことがあ
る世界で、ユーザが自分の要求に合うように正しい金融商品を選ぶ助けをするこ
とを試みる。一実施形態によれば、ＵＩ３６０は、ユーザを適切な決定に注目さ
せ、ユーザの現行の決定値を満足する推奨される金融商品のセットに基づく模擬
成果により様々なリスクの概念をユーザに示すことによって、正しい商品を選ぶ
のを助ける。

【００３６】図４は、本発明の一実施形態によるアドバイス要約画面４００を示す。図示さ
れる実施形態によれば、アドバイス要約画面４００は、（１）決定のための領域
４１０、（２）出力値（結果とも言う）を示すための領域４２０、および（３）
推奨される金融商品を示すための領域４３０の３つの異なる領域を含む。

【００３７】領域４１０は、全ての決定を一ヶ所にまとめる。退職金計算装置など従来技術
システムはしばしば、ユーザに仮定、データ、および決定の全てを一ヶ所に提供
させるが、図示される実施形態によれば、決定は離されている。例えば、一実施
形態では、スライダ・バーなどのグラフィカル入力機構が、出力値および推奨さ
れる金融商品から離れた表示画面の所定の部分に一まとめにされる。このように
すると、ユーザは、自分が制御および変更できる事項（例えば、貯蓄率や貯蓄の
水準）と変更できない事項（例えば、インフレーション、特定の金融商品に関す
る収益率）を混乱しない。さらに、領域４１０は、制約された決定のセットを提
示することができる。すなわち、ユーザが注目する必要がある適切な決定のみを
提示することができる。この実施形態の他の特徴は、決定が常に実現可能であり
、ある場合には最適になるようにさらに制約されることである。以下、入力機構
の較正を論ずる。

【００３８】決定変数を実施する形態ごとに変更することができることが重要である。例え
ば、退職金積立計画システムでは、決定変数は、リスク、貯蓄の水準、および退
職年齢のうち１つまたは複数を含むことがある。それとは異なり、抵当分析パッ
ケージは、住宅費、抵当期限、および頭金の額などの決定変数を含むことができ
る。ユーザが決定変数値を指定することを可能にする例示的入力機構を以下さら
に説明する。

【００３９】決定に基づいて、ポートフォリオ最適化モジュール３５０は、推奨される金融
商品のセットを生成し、シミュレーション・エンジンが、推奨される特定の金融
商品を保持する成果を予想する。領域４２０は、推奨される決定と金融商品のセ
ットに関連する全ての出力値を一ヶ所にまとめる。例えば、一実施形態では、出
力値のグラフィカル表現が、決定および推奨される金融商品から離れた表示画面
の所定の部分にひとまとめにされる。出力値は、ユーザが利用可能になっており
、目的機能を満足する金融商品のセットにユーザがたどり着くことができるよう
にする。例えば、将来にある金額を手にしたいという要求がある個人もいれば、
短期の損失を避けたいという要求がある個人もいる。一般に、目的機能が意味す
るのは、決定を下す際に個人が重要と考える基準である。本発明の様々な実施形
態では、出力値は、所定の目標に到達する累積確率、将来のいくつかの時点での
所与のポートフォリオの最可能値、次の１２ヶ月以内に５％の確率で起こる可能
性がある金融損失、およびシミュレーション・エンジンによって使用される確率
分布に基づく他の様々な統計を含むことができる。

【００４０】人それぞれ、異なる出力値が適切である可能性がある。したがって、領域４２
０内にいくつかの異なる出力値を提示することによって、ユーザは、自分に興味
を与える可能性があるどんな出力値にも目を向ける能力を与えられる。一実施形
態では、アドバイス画面４００のこの区域が適応性をもつ場合がある。すなわち
、ユーザは、目的機能を満足するために適切な１つまたは複数の出力値を表示す
るように選択することができる。出力値を様々な順序で表示することができ、全
ての出力値が同時に表示される必要がないことが重要である。

【００４１】それぞれの問題について、異なる出力値が適切である可能性があることも理解
されたい。例えば、退職金積立計画システムでは、短期および長期の金融リスク
と、金融目標に到達する累積確率とを表す出力値を有することが望ましい。抵当
分析パッケージは、キャッシュ・フロー、５年以内に抵当支払がなり得る最大額
、調整可能なレート抵当の上限に達する確率、特定の調整可能なレート抵当より
も高い利息コストを特定の固定コスト抵当に対して支払う確率などの出力値を含
むことがある。

【００４２】領域４３０は、領域４２０内に示される結果を得るためにしなければならない
処置をユーザに提示する。例えば、ユーザの決定に基づいて、推奨される金融商
品の表示を提供することができる。さらに、各金融商品に配分されるべき推奨さ
れるユーザの富の割合を文字および／または図表で通信することができる。領域
４３０の他の機能は、決定から生じる全ての処置を一ヶ所にまとめていることで
ある。例えば、一実施形態では、推奨される金融商品のグラフィカル表示が、決
定および出力値から離れた表示画面の所定の部分に一まとめにされている。

【００４３】シミュレーション・エンジンおよびポートフォリオ最適化モジュール３５０に
よって、領域４１０、４２０、および４３０を互いに連結することができる。例
えば、ポートフォリオ最適化モジュール３５０は、決定の所与のセットに関する
金融商品の最適なセットを生成することができる。さらに、シミュレーション・
エンジンは、ポートフォリオ最適化モジュール３５０によって推奨される金融商
品のセットを所有する成果を予想することによって、決定を結果に結びつけるこ
とができる。

【００４４】図示される実施形態では、領域４１０、４２０、および４３０が同時に表示さ
れている。しかし、代替実施形態では、領域のうち２つを同時に表示することが
でき、第３の領域は、他の画面上に表示する、または後で表示することができる
。例えば、入力決定を受け取るための入力機構を表す視覚的表示、および入力決
定に基づく出力値のセットを表す視覚的表示を同時に表示することができ、それ
によってユーザが、１つまたは複数の入力決定への変更に応じた出力値の更新を
観察することが可能になる。次いで、ユーザが出力値に満足したとき、出力値が
基づく推奨される金融商品を閲覧することができる。

【００４５】例示的決定関連機能Ａ．スライダ較正ＵＩ３６０は、１つまたは複数の決定変数入力の値をユーザに与えさせるグラ
フィカル入力機構を備えている。前述したように、いくつかの従来の金融分析プ
ログラムの１つの欠点は、ユーザがしばしば、実現可能でない将来のシナリオを
提示され、そのため最適でない金融商品の集まりを自由に選択できることである
。すなわち、ユーザ・インタフェースは、ユーザの入力を特定の利用可能な金融
商品に制約せず、支配された金融商品の組み合わせを除去しない。支配された決
定とは、ユーザが、他の点で損をせずに、１つの点で絶対的に富を得ることがで
きるような決定を意味する。本発明の実施形態では、様々な支配された決定を除
去することができる。例えば、このシステムは、推奨されるポートフォリオは有
効フロンティア（efficient frontier）にあることを仮定することができる。

【００４６】この実施形態の特徴として、投資リスクに関するグラフィカル入力機構の様々
な位置（設定）を、ユーザが利用できる利用可能な金融商品のセットに基づいて
制約することができる。

【００４７】図５Ａは、ユーザが利用できる金融商品の例示的セットを示す。金融商品、こ
の例ではミューチュアル・ファンドは、例えば雇用者の４０１（ｋ）問題によっ
て利用できる投資であってよい。一実施形態によれば、金融商品は、還元の変動
率の順にリストすることができる。この例では、バンガード公債ファンド（Ｖａ
ｎｇｕａｒｄＢｏｎｄＦｕｎｄ）は、バンガード金融市場（Ｖａｎｇｕａｒ
ｄＭｏｎｅｙＭａｒｋｅｔ）よりも変動率が大きく、株式インカムファンド
（ＥｑｕｉｔｙＩｎｃｏｍｅＦｕｎｄ）は、金融市場（ＭｏｎｅｙＭａｒ
ｋｅｔ）と公債ファンド（ＢｏｎｄＦｕｎｄ）よりも変動率が大きく、バンガ
ード小資本ファンド（ＶａｎｇｕａｒｄＳｍａｌｌＣａｐＦｕｎｄ）は、
セットの最大変動率ファンドである。

【００４８】図５Ｂを参照すると、例示的なグラフィカル入力機構が示されている。本発明
の一実施形態によれば、スライダ・バーは、シミュレータとユーザの間で決定変
数に関する値を通信する機構である。例えば、入力装置によって適切なスライダ
を選択し、スライダを新たな位置に移動することによって、ユーザが特定の決定
変数の現行値を修正することができる。図示された実施形態によれば、シミュレ
ータの確率分布が依存する決定変数は、ユーザのリスク許容、ユーザの貯蓄率、
およびユーザの所望の退職年齢を含む。したがってこの例では、ＵＩ３６０は、
リスク・スライダ・バー５００、貯蓄率スライダ・バー５２０、および退職年齢
スライダ・バー５３０を含めた少なくとも３つのスライダ・バーを含む。

【００４９】リスク・スライダ・バーは、左端点５０５、右端点５１５、およびスライダ５
１０を含む。左端点５０５は最小リスク実現可能ポートフォリオを表し、右端点
５１５は最大リスク実現可能ポートフォリオを表す。ユーザは、左端点５０５と
右端点５１５の間の両端を含めたどこかにスライダ５１０を位置決めすることに
よって、金融分析システムに自分のリスク選好度を示すことができる。リスク・
スライダ５１０のあらゆる位置が、ユーザが利用できる実現可能なリスクのセッ
ト範囲内にあることを保証するため、リスク・スライダ・バー５００は、ユーザ
が利用できる金融商品のセットに基づいて較正される。シミュレーション・モジ
ュール３４０はさらに、特定の水準のリスクに関して最大の還元をもたらす金融
商品のポートフォリオだけを推奨することによって、ユーザを有効フロンティア
にとどまらせることが好ましい。これは、ユーザがリスク・スライダ５１０を位
置決めするとき、シミュレーション・モジュール３４０が、指定された水準のリ
スクに関する最大の還元を有する利用可能な金融商品のセットからポートフォリ
オを構成することができることを意味する。例えば、リスク・スライダ・バー５
００が図５Ａに示されるミューチュアル・ファンドのセットに対して較正された
と仮定すると、リスク・スライダ５１０を左端点５０５に位置決めすることは、
バンガード金融市場ファンド（Vanguard Money Market Fund）のリスク以下のリ
スクを有する最大還元ポートフォリオに対応する。同様に、スライダ５１０を右
端点５１５に位置決めすることは、バンガード小資本ファンド（Ｖａｎｇｕａｒ
ｄＳｍａｌｌＣａｐＦｕｎｄ）のリスク以下のリスクを有する最大還元ポ
ートフォリオに対応する。有利には、このようにして、リスク・スライダ・バー
５００として用いられるＵＩ３６０は、実際にユーザが利用できる実現可能なリ
スクのセット外のリスク水準をユーザが選択しないようにすることができる。

【００５０】貯蓄率スライダ・バー５２０と退職年齢スライダ・バー５３０も同様に、実現
可能な値に制約することができることを理解されたい。例えば、貯蓄率スライダ
・バー５２０は、ゼロと、４０１（ｋ）など特定のアカウント・タイプに関する
最大寄与との間の値に制約することができる。また、退職年齢スライダ・バー５
３０は、ユーザの現行年齢と、例えば保険統計データを参照して決定することが
できる上限との間の値を許すように制約することができる。

【００５１】Ｂ．所定変動率に対するリスク入力機構の関連する設定図６のＡ〜Ｃは、本発明の一実施形態によるリスク・スライダ・バー６０５の
較正を説明するために役立つ。図６のＡは、例えば所望の水準の投資リスクをユ
ーザが指定できるように用意されたリスク・スライダ・バー６０５を示す。リス
ク・スライダ・バー６０５は、スライダ６１５と、現行変動率の表示６１０を示
す。一実施形態によれば、リスク・スライダ・バー６０５の変動率は、例えば、
マーケット・ポートフォリオの変動率や平均個人投資家のポートフォリオの変動
率など所定の変動率の比率として表現される。マーケット・ポートフォリオは、
全ての利用可能な資産における値重み付け投資からなるポートフォリオである。

【００５２】図６のＡに示されるこの例に戻ると、リスク・スライダ・バー６０５は、その
スライダ６１５が最左端設定６０１に位置決めされている。最左端設定６０１は
、利用可能な金融商品のセットにおける金融商品の最小変動率混合と関連付けら
れた変動率に対応する。この例では、リスク・スライダ６０５の現行変動率６１
０は０．３ｘであり、リスク・スライダ・バー６１５の現行設定に関連付けられ
た変動率が所定の変動率の変動率３０％であることを示す。以下に論ずるように
、ポートフォリオ最適化モジュール３５０によって推奨される金融商品の変動率
は、リスク・スライダ６０１の現行設定に対応する。

【００５３】図６のＢを参照すると、リスク・スライダ・バー６０５は、スライダ６１５が
中間点設定６０２に位置決めされた状態で示されている。この実施形態によれば
、中間点設定６０２は、所定の変動率に対応する。この場合も、リスク・スライ
ダ・バー６０５に関する単位は、設定６０２の変動率について、マーケット・ポ
ートフォリオの変動率など所定の変動率の比率として表現される。この例では、
リスク・スライダ６０２の設定の現行値６０７は１．０Ｘであり、スライダ６０
２の現行設定に関連付けられる変動率が、所定の変動率の変動率に等しいことを
示す。

【００５４】次に図６のＣを参照すると、リスク・スライダ・バー６０５の最右端設定６０
３が、利用可能な金融商品のセットにおける金融商品の最大変動率混合に関連付
けられる変動率を反映する。この場合も、リスク・スライダ・バー６０５に関す
る単位は、設定６０３の変動率について、マーケット・ポートフォリオの変動率
など所定の変動率の比率として表現される。この例では、リスク・スライダ６０
５の設定の現行値６０８が２．５Ｘであり、スライダ６０３の現行設定に関連付
けられる変動率が、所定の変動率の変動率の２５０％であることを示す。

【００５５】スライダ・バー６０５の各設定（例えば６０１、６０２、６０３）は、一意の
変動率と、変動率がその変動率に等しい推奨される金融商品のセットとに対応す
る。有利には、上述のようにして、ユーザは、所定の変動率を基準として、自分
の金融商品のポートフォリオの所望の変動率を選択することができる。所定の変
動率と等しい変動率を有するポートフォリオは、中間点６０２にスライダ６１５
を位置決めすることによって選択することができる。所定の変動率よりも小さい
変動をする推奨されるポートフォリオを好む場合、ユーザは、中間点６０２の左
方にスライダ６１５を位置決めすることができる。同様に、所定の変動率よりも
大きい変動をする推奨されるポートフォリオを好む場合、ユーザは、中間点６０
２の右方へスライダ６１５を移動させることができる。さらに、中間点６０２に
関連付けられる変動率が、利用可能な金融商品のセットの構成に関係なく一定に
保たれることを理解されたい。

【００５６】３つの異なるスライダ６１５の位置のみを記述したが、リスク・スライダ・バ
ー６０５に沿って任意の数の位置に配置することができ、各位置を、定数×ポー
トフォリオ変動率を所定の変動率で割った値によって定義される変動率尺度に関
連付けることができることを理解されたい。

【００５７】出力値（結果）を通信するための例示的機構Ａ．確率分布から確率を通信する例示的方法図７Ａの図表７００は、時間にわたって金融商品のポートフォリオの取り得る
値の範囲を表す。今日の現行値を有する金融商品のセットから開始し、寄与と撤
退を考慮して、金融商品がどのように成長するかについてのいくつかのシナリオ
をシミュレーション・モジュール３４０によって実行することができる。時間枠
ごとの確率分布を生成するプロセスは、シミュレーション・エンジン、シミュレ
ーション・エンジンによって配置された索引テーブル、またはシミュレーション
・エンジンによって生成される確率分布の分析近似であってよい。そのような確
率分布を生成するために他の様々な機構を使用できることは、当業者に理解され
よう。

【００５８】図表７００の垂直軸はドルを表し、水平軸は、例えばユーザの年齢としての時
間を表す。図表７００はさらに、上方線７０５、下方線７１５、および中央線７
１０を含む。あらゆる時点について、値、この例ではドルが目標７２０と同じ高
さになる確率が存在する。

【００５９】この例では、中央線７１０は、対応するドル値が特定の時点で達成される５０
％可能性（チャンス）を表す。上方線７０５は、上側５％末端を表すことができ
る。下方線７１５は、下側５％末端を表すことができる。時間における各スライ
スは、確率分布の断面を表す。図７Ｂは、時間ａ１の特定のスライスで、確率分
布を示す図表７００の断面である。

【００６０】図７Ａを再び参照すると、特定の断面の中間範囲内にある高い方の確率と、末
端での低い方の確率が存在する。特定の時間での９０％の成果は、両端を含めた
上方線７０５と下方線７１５の間に落ちる。時間ａ１での点ｘ１〜ｘ４に関連付
けられる例示的確率は以下のようになっている。（１）ドル値がｘ１以上になる
可能性が５％、（２）ドル値がｘ２以上になる可能性が５％〜５０％、（３）ド
ル値がｘ３以上になる可能性が５０％、（４）ドル値がｘ４以上になる可能性が
９５％。

【００６１】本発明の利点の１つとして、誤解を招く二値的結果を提示する、または根底に
ある確率７４０の表示をユーザに示すのではなく、このユーザ・インタフェース
は、例えばある水準の確率を表すために特定のアイコンを使用する画像様式で、
ユーザが金融目標を達成する累積確率を通信することができる。所定の水準の確
率と、所定の水準の確率を表すために使用されるアイコンとの間に１対１対応を
確立することもできる。

【００６２】アイコン７５０の例示的セットを図７Ｃに示す。目標７２０を達成する尤度を
通信するために、アイコン７５０のセットによって天気のテーマが採用されてい
る。他の様々なテーマを採用することができることを理解されたい。いずれにせ
よ、この実施形態によれば、アイコン７６０〜７６９はそれぞれ、空、雲、太陽
、太陽光線、および数値的予報の５つの基本要素の１つまたは複数を含む。一実
施形態では、基本要素の表示がそれぞれ、目標７２０を達成する尤度に依存する
ことがある。例えば、ある所定のしきい値で、表示されるアイコンに様々な要素
を包含する、またはそこから除外することができる。図示される例では、アイコ
ンのセット７５０は、暗い空を伴う暗い雲のグラフィカルから、明るい空を伴う
明るい太陽と太陽光線の表示までの範囲にわたる。目標７２０を達成する尤度が
増すにつれて、天気の見通しが明るくなる。この例では、最低の確率はアイコン
７６０によって表される。アイコン７６０は暗い嵐曇を含み、目標が達成される
可能性が５％未満であることを示す。目標を達成する確率が５０％に達するまで
は、雲が太陽を完全に隠している。しかし、確率が増加するにつれ、雲が次第に
明るくなる。アイコン７６１は、ユーザが目標を達成する可能性が１０％である
ことを表す。アイコン７６２は、可能性が２０％であることを表す。アイコン７
６３は、目標を達成する可能性が３０％であることを表す。アイコン７６４は、
目標を達成する可能性が４０％であることを表す。最後に、目標を達成する可能
性が５０％であることを表すアイコン７６５で、太陽が雲の後ろから現れはじめ
る。アイコン７６６は、目標を達成する可能性が６０％であることを表す。アイ
コン７６７は、目標を達成する可能性が７０％であることを表す。アイコン７６
８と７６９を参照すると、目標を達成する可能性が８０％以上になると、雲はも
はや現れず、太陽の光線が見えるようになる。この例では、ユーザに確率を通信
するために天気のテーマを採用したが、他の様々な比喩を使用できることを理解
されたい。

【００６３】本発明の一実施形態によれば、以下さらに説明するように、ユーザが退職年齢
などの決定変数を修正すると、確率分布が求められ、適切なアイコンがユーザに
表示される。

【００６４】図８は、本発明の一実施形態による金融目標を達成する確率を示す方法を図示
する流れ図である。ステップ８０５で、目標が受け取られる。目標はユーザから
受け取ることができ、または、例えばシステムとの前のセッション中に確定され
たユーザ・プロファイルから検索することができる。目標は、退職所得目標、あ
るいは住宅の頭金、または子供の大学学費のための貯蓄といった他のいくつかの
中間目標などの金融目標を表すことができる。投資の文脈では、確率分布は通常
、ポートフォリオがある金額の価値を有する確率を時間にわたって表す。

【００６５】ステップ８１０で、確率分布が依存する値が受け取られる。例えば、金融計画
ソフトウェアの文脈では、これらの値は、推奨される特定の金融商品と、現行の
、および予想される経済状況と、ユーザの貯蓄の水準および時間範囲に関するユ
ーザ入力とを含むことができる。

【００６６】ステップ８１５で、ステップ８１０で受け取られた値に基づいて、シミュレー
ション・エンジンが、将来の時点に関する将来値の分布を生成する。一実施形態
によれば、確率分布を評価することが、シミュレートされた値の分布の分析近似
を使用することを含む場合がある。あるいは、値のテーブルを、シミュレーショ
ン・エンジンによって前もって生成することができ、その場合、評価が、ステッ
プ８１０で受け取られる値に対応するデータを検索テーブルから受け取ることを
含む場合がある。

【００６７】このようにして、特定の時間範囲に関する成果の範囲が求められる。例えば、
退職金目標を評価する場合、時間範囲はユーザが定める所望の退職年齢を表す。
図７Ａを再び参照すると、特定の時間範囲に対する成果の範囲は、２次元図表７
００の断面、例えば両端を含めた下方線７１５と上方線７０５の間の値を表す。

【００６８】ステップ８２５で、ユーザの目標に達するまたはそれを超える累積確率に基づ
いて、ユーザが目標を達成する尤度が求められる。例えば、ユーザの目標が特定
の年間退職所得を有することである場合、指定の所得以上の額を達成する累積確
率が求められる。

【００６９】ステップ８３０で、目標を達成する尤度の表示がユーザに提供される。一実施
形態によれば、ステップ８２５で求められた尤度に対応するアイコンが表示され
る。このようにして、簡単に理解できるグラフィック・ピクチャに予測が要約さ
れる。

【００７０】上述したフィードバック機構が、対話環境でも有用であることを理解されたい
。例えば、ユーザが、スライダ・バーなどのユーザ・インタフェース機構を操作
すると、視覚的表示を実時間で変更することができる。入力装置（例えば、マウ
ス、トラックボール、ライト・ペンなど）を活動化することによって、ユーザが
スライダを新たな位置に移動させることができる。入力装置が係合されている間
、ステップ８１０〜８３０を、スライダ・バーの新たな位置ごとに繰り返すこと
ができる。このようにして、予測アイコンは、スライダ・バーの現行位置での予
測を反映し、スライダ・バーが様々な位置に移動されるとき、ユーザは、変更す
る予測アイコンの形でフィードバックを受け取る。例えば図７Ｃの天気予報アイ
コンを使用する実施形態では、スライダがユーザによって移動されると、天気が
変わる。入力装置が係合解除されると、最後に表示されたアイコンが表示画面上
に残る。

【００７１】上の実施形態は、時間範囲を変えることによって、ユーザが目標を達成する確
率を変更することを記述しているが、確率を変更する他の多くの方法があること
を理解されたい。例えば、目標を高くする、または低くすることができ、貯蓄の
水準を上げること、または下げることができ、投資リスクを修正することができ
る。

【００７２】Ｂ．長期リスクの表示図９は、本発明の一実施形態による長期金融リスクを通信するために使用する
ことができるグラフィカル装置９００を示す。図示された実施形態では、グラフ
ィカル装置９００は、金融目標９１０、上側退職所得９２０、予想される退職所
得９５０、および基礎値９４０の表示を含むダイヤモンド９３０を備える。この
例では、金融目標９１０は、退職所得目標を表わす。貯蓄目標や他の中間目標な
ど他の様々な金融目標を表すこともできることを理解されたい。この実施形態で
は、上側退職所得９２０は、ユーザが、指定された退職年齢で示される退職所得
を有する可能性が５％であることを表す。予想される退職所得９５０は、現行決
定変数に基づいて、期待される退職所得を表す。基礎値９４０は、最悪の場合５
％の退職所得を表す。他の様々な確率を使用することができ、そのような確率が
また、ユーザ構成可能であることを理解されたい。

【００７３】代替実施形態では、長期リスクの表示を、上述の予測アイコンなど他の様々な
グラフィカル装置によって伝達することができ、または長期リスクを単に数字に
よって表示し、テキストを添付することによって記述することができる。長期リ
スクの他の例としては、例えば、金融目標を達成しない確率、ある確率で起こる
可能性がある損失の大きさ、あるいは、あるタイプの損失を実現する確率が挙げ
られる。さらに、長期リスク表示は、リスク尺度で様々な値を含むことができる
。

【００７４】Ｃ．長期リスクの表示図１０は、本発明の一実施形態による短期金融リスクを通信するために使用す
ることができるグラフィカル装置１０００を示す。図示される実施形態によれば
、グラフィカル装置は分円図１０００を備える。この実施形態では、分円図１０
００は、ユーザの合計の富を表し、比較的短期間に、どれほど損失が起こる可能
性があるかをユーザに示す。分円図１０００は、第１のスライス１０１０と第２
のスライス１０２０の２つのスライスを含む。第１のスライス１０１０は、第１
のスライス１０１０の大きさに対応する額を損失する５％下側可能性を図示する
。第２のスライス１０２０は、そのような損失後に残る富の量を図示する。この
場合も、他の様々な確率値を使用することができる。

【００７５】代替実施形態では、短期リスクの表示を、上述の予測アイコンなど他の様々な
グラフィカル装置によって通信することができ、または短期リスクを、単に数字
によって表示し、テキストを添付することによって記述することができる。

【００７６】短期および長期の金融リスクを伝達するための例示グラフィカル装置を、図９
および１０に分けて示し、論じてきたが、領域４２０は、金融リスクおよび他の
様々な出力値の複数の面を、同じ画面上に同時にかつ個別に表示できることが重
要である。

【００７７】アドバイス画面４００の領域４２０とＵＩ３６０は通常、他の様々な出力値を
含むことができる。例えば、ユーザは、ある退職所得を有して、特定の年齢範囲
中、または特定の年齢で退職することができる確率を知ることが有用な場合があ
る。さらに、特定の金融目標までの期待される時間がどれくらいか、または最悪
の損失可能性（例えば最大低下）がどれくらいかを知りたいと思うユーザもいる
可能性がある。

【００７８】推奨される金融商品に関連する例示的機能Ａ．推奨される金融商品ポートフォリオの実時間表示図１１は、本発明の一実施形態による、推奨される金融商品ポートフォリオを
表す方法を示す流れ図である。ステップ１１１０で、ユーザの有用性を最大限に
する金融商品の組合せが決定される。これら推奨される金融商品のセットは、リ
スク選好度、貯蓄の水準、および時間範囲の１つまたは複数を含むことができる
、ユーザによって指定される１つまたは複数の決定変数を与えられる最大利回り
を提供するセットである。一実施形態によれば、推奨される金融商品のセットが
、利用可能な金融商品のセットを備える有効フロンティアに位置される。有効フ
ロンティアは、１つまたは複数の決定変数によって指示され、ユーザの有用性を
最大限にするように制約された推奨される金融商品のポートフォリオのスペース
である。有効フロンティアの決定が、貯蓄の水準および時間範囲の１つまたは複
数を考慮することが好ましい。

【００７９】ステップ１１２０で、更新された決定変数値が受け取られる。一実施形態によ
れば、ユーザは、対応するスライダの位置を調整することによって、リスク、貯
蓄、および／または退職年齢決定変数を修正することができる。しかし、他の様
々な図表のおよび／または文字の入力機構を使用して、決定変数値を受け取るこ
とができる。例えば、代替実施形態では、テキスト・エントリ・フィールドを、
決定変数のエントリのために提供することができる。

【００８０】ステップ１１３０で、シミュレーション・モジュール３４０は、決定変数に関
する現行値に基づいて、ユーザが利用可能な金融商品間での最適な富の配分を決
定する。

【００８１】ステップ１１４０で、ステップ１１３０で決定された最適な配分が、図の形で
ユーザに提示される。上述したように、ユーザがグラフィカル入力機構（例えば
、スライダ・バー）を操作すると、ユーザに提示されるグラフィカル・フィード
バックを、実時間で提供することができる。例えば、カーソル制御装置２２３な
どの入力装置が係合されている間、選択されたスライダ・バーの新しい位置ごと
にステップ１１２０〜１１４０を繰り返すことができる。このようにして、金融
商品間での最適な富の配分のグラフィカル表示は、スライダ・バーの現行位置で
の推奨を反映し、ユーザは、入力装置を非活動化することなく、スライダ・バー
が様々な位置に移動されたとき動的図表の形でフィードバックを受け取る。

【００８２】一実施形態によれば、最適な金融商品配分が示されるグラフィカル形式が、図
１２Ａおよび１２Ｂに示される棒グラフを備える。図１２Ａは、更新された決定
変数値を受け取る前の画面１２００の例示的状態を示す。図示される実施形態に
よれば、画面１２００は、棒グラフ１２３０と、リスク・スライダ・バー１２１
０など入力決定値を受け取るための１つまたは複数のスライダ・バーとを含む。
棒グラフ１２３０は、利用可能な金融商品１２２０〜１２２７のリストを含む。
各金融商品１２２０〜１２２７は、現行の推奨に従って特定の金融商品に配分さ
れる富のパーセンテージを表す大きさ（長さ）を有する対応するグラフィカル・
セグメント、この例では棒の近傍に表示される。例えば、現行の推奨される富の
配分は、３１％を金融商品１２２１に、５０％を金融商品１２２２に、７％を金
融商品１２２３に、５％を金融商品１２２４に配分することを提案する。この例
では、さらに、利用可能な金融商品１２２０〜１２２７が、上から下に金融商品
還元の変動率を増大する順序で整理されている。当然、実装態様に応じるように
、代替の順序、およびドル額などの配分単位を呼び出すこともできる。リスク・
スライダ・バー１２１０は、現行変動率１２１５の表示およびスライダ１２１１
を含む。この状態では、リスク・スライダ・バー１２１０は、変動率尺度．７５
ｘを有する。

【００８３】ユーザがリスクを増大させると仮定する。図１２Ｂは、リスク・スライダ・バ
ー１２１０から新たな決定変数値を受け取った後、かつ画面１２００がポートフ
ォリオ最適化モジュール３５０によって提供される新たな最適な配分によって更
新された後の画面１２００の例示的状態を表す。ここで、リスク・スライダ・バ
ー１２１０は、１．２５ｘの変動率尺度を有し、棒グラフ１２３０は、更新され
たリスク許容値に対応する推奨される金融商品配分を示す。新たな配分は、ユー
ザの寄与の３８％を金融商品１２２４に、２５％を金融商品１２２５に、３７％
を金融商品１２２６に配分することを提案する。

【００８４】図１２を特定の決定変数、リスク許容に関して説明したが、他の様々な決定変
数の新たな値の受取りを同様の方法で取り扱うことができることを理解されたい
。

【００８５】Ｂ．推奨される金融商品のセットの修正ユーザが、推奨される金融商品のセットを修正することを望む場合があり得る
。例えば、推奨されたものよりも多い、または少ない金融商品を保持することを
望む。この場合、ユーザは推奨を修正することができ、それによってシステムが
、ユーザの修正を考慮して、推奨される金融商品を更新するようにする。ユーザ
制約と呼ばれる他の機構がＵＩ３６０によって提供されて、システムによって提
供される推奨される配分を修正することによって、ユーザが自分の有用性機能を
表現できるようにする。一般に、ユーザ制約は、他の決定入力として働く。より
具体的には、ユーザ制約は、推奨される金融商品を操作することによって、１つ
または複数の金融商品を保持するように制約する能力をユーザに提供する。一実
施形態では、制約の受取りに応答して、ポートフォリオ最適化モジュール３５０
が、残りの制約を受けていない金融商品を最適化し、その結果、ポートフォリオ
が全体としてユーザの制約に対処し、ユーザのリスク許容の水準に関して最適に
なるようにする。例えば、ユーザは、自分のポートフォリオにおいて特定の金融
商品をあるパーセンテージ保持したいという望みを表現することができ、または
自分のポートフォリオにおいて特定の金融商品を保持しないという選好を表現す
ることができる。制約を受け取ると、ポートフォリオ最適化モジュール３５０は
、制約を受けていない金融商品の間での配分を決定し、それにより、推奨される
ポートフォリオが全体として最大の有用性を有するようにする。有利には、この
ようにして、平均変量効率とは異なる有用性機能を有する個人に、推奨される金
融商品を直接操作して、有用性機能を通信するための機構が提供される。

【００８６】図１３は、本発明の一実施形態によるユーザ指定の制約に基づいて推奨される
ポートフォリオを更新する方法を示す流れ図である。ステップ１３１０で、金融
商品のグラフィカル・セグメントの選択が検出される。ステップ１３２０で、選
択されたセグメントを、カーソル制御運動によってサイズ変更することができる
。サイズ変更が完了すると、ステップ１３３０で、グラフィカル・セグメントに
関連付けられた値がロックされる。ステップ１３４０で、新たな金融商品のセッ
トが推奨される。例えば、残りの金融商品の間での最適な富の配分を決定するこ
とによって、ユーザ制約を条件として、制約を受けていない金融商品を最適化し
直すことができる。ステップ１３５０で、制約を受けていない金融商品に関して
推奨される最適な配分が図示される。グラフィカル・セグメントを選択して操作
する多数の他の方法が可能であることを理解されたい。例えば、英数字入力装置
２２２などキーボード上の特定のキーストロークを使用して、様々なグラフィカ
ル・セグメントを活動化することができ、他のキーを使用して、現行の配分を増
加または減少させることができる。

【００８７】この場合も、上述したように、ユーザがグラフィカル・セグメントのサイズを
操作したとき、ユーザに提示されるグラフィカル・フィードバックを実時間で提
供することができる。

【００８８】図１４Ａは、制約を受け取る前の画面１４００の例示的状態を示す。この例で
は、画面１４００は、金融商品１２２０〜１２２７のセットの間での現行の富の
配分を示す棒グラフ１４３０を含む。図１４Ｂは、ユーザが金融商品の１つに制
約を課した後、かつポートフォリオ最適化モジュール３５０によって提供される
新たな最適な配分によって画面１４００が更新された後の画面１４００の例示的
状態を示す。この例では、ユーザが、金融商品１４２３への富の配分を１８％ま
でに制約している。図示される実施形態によれば、グラフィカル・セグメントが
ロックされた（ステップ１３３０）後、ユーザにその制約を思い出させるように
ロック１４５０が表示される。

【００８９】Ｃ．選好の自己説明上述したＵＩ構成要素を使用することによって、ユーザは、決定変数および／
または推奨されるポートフォリオを操作し、成果のセットへの影響を同時に見る
ことができる。この選好の自己説明のプロセスをここで簡単に説明する。本発明
の一実施形態によれば、金融助言システム１００との初期セッション中、ユーザ
は、リスク選好度、貯蓄選好度、現行年齢、性別、所得、期待される所得増加、
現行収支、現行金融商品保持、現行貯蓄率、退職年齢目標、退職所得目標、利用
可能な金融商品、中間および長期目標、ファンド保持に関する制約、債務、期待
される寄与、国および連邦の税率等級（限界および平均）に関する情報を提供す
ることができる。ユーザは自分自身とその家族の各人の情報も提供することがで
きる。この情報は、金融助言システム１００内の１つまたは複数のファイル、好
ましくはサーバの１つに保存することができ、進行中の計画の監視を実施するこ
とができるようになる。本発明の他の実施形態では、ユーザによって、追加の情
報、例えば将来の社会保障給付または予期される相続財産を提供することができ
る。

【００９０】いずれにせよ、ユーザによって入力されるユーザの現行保持および他のデータ
に基づいて、金融助言システム１００は様々な出力値を提供するであろう。シミ
ュレーション・モジュール３４０は、例えばリスク選好度、貯蓄率、および所望
の退職年齢を含めた推奨される金融商品および現行決定のセットに基づいて、将
来のポートフォリオ値の確率分布を提供することができる。さらに、ユーザの金
融目標、現行の決定変数、および確率分布に鑑みて、シミュレーション・モジュ
ール３４０は、現行の決定変数を条件として有用性を最大限にする推奨されるポ
ートフォリオに関して、ユーザに提案する一連の処置を生じる初期診断を提供す
ることができる。

【００９１】ユーザが、必要な情報を金融助言システムに提供すると、決定変数の値を修正
し、現行の決定変数値に関連付けられた１つまたは複数の出力値の変更を観察し
、その特定の変更を作成した推奨される金融商品を見る対話プロセスを開始する
ことができる。システムがフィードバックを提供し、ユーザが決定を調整するこ
のプロセスは、所望の結果のセットを生成する所望の決定値および金融商品のセ
ットにユーザが到達するまで続けることができる。有利には、この対話式手法を
使用すると、ユーザは、経済変数およびパラメータを推測するのが難しい金利、
インフレーション、期待されるポートフォリオ還元などに関して将来を予測する
ことを求められない。

【００９２】上述の明細書において、本発明をその特定の実施形態に関して説明してきた。
しかし、本発明のより広い精神および範囲を逸脱することなく、様々な修正およ
び変更を加えられることは明らかである。したがって、明細書と図面は限定する
ものとしてではなく例示としてみなされるべきである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態による金融助言システムを示す図である。

【図２】本発明の一実施形態を実施することができるコンピュータ・システムの例を示
す図である。

【図３】本発明のユーザ・インタフェースを使用することができる金融分析システムの
一実施形態を示す概略ブロック図である。

【図４】本発明の一実施形態によるアドバイス要約画面を示す図である。

【図５Ａ】ユーザが利用できる可能性がある金融商品の例示的セットを示す図である。

【図５Ｂ】本発明の一実施形態による決定変数の値を通信するために使用することができ
るスライダ・バーを示す図である。

【図６】本発明の一実施形態によるリスク・スライダ・バー較正を示す図である。

【図７】時間にわたる金融商品のポートフォリオの起こり得る値の範囲を表す２次元図
表を示す図（Ａ）、特定の時間における確率分布を示す、図７Ａに示された図表
の断面図（Ｂ）、本発明の一実施形態による金融目標に到達する尤度を通信する
ために使用することができるアイコンのセットを示す図（Ｃ）である。

【図８】本発明の一実施形態による金融目標に到達する確率を表示する方法を示す流れ
図である。

【図９】本発明の一実施形態による長期金融リスクを通信するために使用することがで
きるグラフィカル装置を示す図である。

【図１０】本発明の一実施形態による短期金融リスクを通信するために使用することがで
きるグラフィカル装置を示す図である。

【図１１】本発明の一実施形態による、推奨される金融商品ポートフォリオを表す方法を
示す流れ図である。

【図１２】本発明の一実施形態による、決定変数および他の入力の現行状態に基づいて、
現行の最適ポートフォリオ配分を通信するために使用することができるグラフィ
カル装置を示す図（Ａ）、本発明の一実施形態による、リスク決定変数が増加し
た後の図１２Ａのグラフィカル装置を示す図（Ｂ）である。

【図１３】本発明の一実施形態による、ユーザ指定の制約に基づいて推奨されるポートフ
ォリオを更新する方法を示す流れ図である。

【図１４】本発明による一実施形態による、決定変数の現行状態に基づいて、現行の最適
ポートフォリオ配分を通信するために使用することができるグラフィカル装置を
示す図（Ａ）、ユーザが金融商品の１つに対して制約を課した後の図１４Ａのグ
ラフィカル装置を示す図（Ｂ）である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者ジョーンズ，クリストファー・エルアメリカ合衆国・94065・カリフォルニア州・レッドウッドショアズ・ケープコッドドライブ・805 (72)発明者シャープ，ウィリアム・エフアメリカ合衆国・94022・カリフォルニア州・ロスアルトス・ダウドドライブ・ 25 (72)発明者ファイン，ケンアメリカ合衆国・94025・カリフォルニア州・メンロパーク・グレンウッドドライブ・517 (72)発明者トウバー，エレンアメリカ合衆国・94304・カリフォルニア州・パロアルト・オレゴンアベニュ・ 967 Ｆターム(参考） 5B055 CC00 EE27 【要約の続き】変動率など所定の変動率とが受け取られる。グラフィカル入力機構に関連付けられる設定が利用可能な金融商品のセットに基づいて制約される。さらに、グラフィカル入力機構の単位の較正は、グラフィカル入力機構の設定に関連付けられる変動率と所定の変動率との関係として表現することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金融分析システムにおいて、１つまたは複数の入力決定の変
更が１つまたは複数の出力値にどのように影響を及ぼすかを対話式に調査する方
法であって、１つまたは複数の入力決定を受け取るための入力機構を表す第１の視覚的表示
と、１つまたは複数の入力決定および推奨される金融商品のセットに基づく出力値
のセットを表す第２の視覚的表示とを同時に表示するステップと、１つまたは複数の表された入力機構を介して、１つまたは複数の入力決定に関
する更新された値を受け取るステップと、更新された値に基づく新たな推奨される金融商品のセットおよび新たな出力値
のセットを求めるステップと、新たな出力値のセットを反映するように第２の視覚的表示を更新するステップ
とを含む方法。
【請求項２】さらに、１つまたは複数の入力決定を条件とする推奨される
金融商品のセットを表す第３の視覚的表示を表示するステップを含む請求項１に
記載の方法。
【請求項３】第１、第２、および第３の視覚的表示が同時に表示される請
求項２に記載の方法。
【請求項４】出力値のセットが金融目標を達成する確率を含む請求項１に
記載の方法。
【請求項５】出力値のセットが表示画面の第１の所定の部分にまとめられ
、推奨される金融商品のセットが表示画面の第２の所定の部分にまとめられる請
求項２に記載の方法。
【請求項６】出力値のセットが表示画面の第１の所定の部分にまとめられ
、推奨される金融商品のセットが表示画面の第２の所定の部分にまとめられ、入
力機構が表示画面の第３の所定の部分にまとめられる請求項３に記載の方法。
【請求項７】１つまたは複数の入力決定がリスクの水準および貯蓄の水準
を含む請求項１に記載の方法。
【請求項８】金融分析システムにおいて、投資リスクの所望の水準を指定
できるようにするグラフィカル入力機構を較正する方法であって、利用可能な金融商品のセットを受け取るステップと、利用可能な金融商品のセットに基づいて、グラフィカル入力機構に関連付けら
れた設定を制約するステップと、所定の変動率を受け取るステップと、グラフィカル入力機構の設定と所定の変動率との関係を形成するステップとを含む方法。
【請求項９】利用可能な金融商品のセット中の各金融商品が変動率に関連
付けられており、グラフィカル入力機構に関連付けられる設定を制約するステッ
プがさらに、最小変動率設定と最大変動率設定との間にあるように設定を制約す
るステップを含み、前記最小変動率設定は、利用可能な金融商品のセット中の最
小変動率金融商品の変動率に関連付けられ、前記最大変動率設定は、利用可能な
金融商品のセット中の最大変動率金融商品の変動率に関連付けられている請求項
８に記載の方法。
【請求項１０】グラフィカル入力機構の各設定が変動率に関連付けられて
おり、各変動率が、利用可能な金融商品のセットのサブセットに関連付けられて
いる請求項８に記載の方法。
【請求項１１】グラフィカル入力機構がリスク・スライダ・バーを備える
請求項１０に記載の方法。
【請求項１２】グラフィカル入力機構がリスク・スライダ・バーを備える
請求項８に記載の方法。
【請求項１３】リスク・スライダ・バーが中間点設定を有し、中間点設定
に関連付けられる変動率が、所定の変動率に関して定義される請求項１１に記載
の方法。
【請求項１４】所定の変動率が、マーケット・ポートフォリオに関連付け
られる変動率に関して定義される請求項１３に記載の方法。
【請求項１５】グラフィカル入力機構の各設定が、ある単位に関連付けら
れており、前記単位が、設定に関連付けられる変動率と所定の変動率との間の関
係に関して表現される請求項１３に記載の方法。
【請求項１６】金融目標を達成する確率を表示する方法であって、ａ．金融目標を受け取るステップと、ｂ．確率分布が依存する１つまたは複数の入力を受け取るステップであって、
前記確率分布が、１つまたは複数の入力に基づいて起こり得る将来のポートフォ
リオ値のセットを表すステップと、ｃ．金融目標に達する、またはそれを超える累積確率分布を求めることによっ
て金融目標を達成する確率を決定するステップと、ｄ．前記決定するステップに応答して、金融目標を達成する確率の視覚的表示
を提供するステップとを含む方法。
【請求項１７】複数の確率値のそれぞれが、対応するアイコンに関連付け
られ、金融目標を達成する確率の視覚的表示をユーザに提供するステップがさら
に、金融目標を達成する確率に対応するアイコンを表示するステップを含む請求
項１６に記載の方法。
【請求項１８】複数のアイコンが、雲、太陽、および空の様々な組合せを
組み込んだ天気予報アイコンを備える請求項１７に記載の方法。
【請求項１９】金融目標が、特定の時間範囲について表現される請求項１
６に記載の方法。
【請求項２０】確率分布がシミュレータによって生成される請求項１６に
記載の方法。
【請求項２１】確率分布が、検索テーブルから値を受け取ることによって
得られる請求項１６に記載の方法。
【請求項２２】確率分布が、シミュレートされた値の分布の分析近似によ
って生成される請求項１６に記載の方法。
【請求項２３】金融目標が、退職生活水準目標を備える請求項１６に記載
の方法。
【請求項２４】１つまたは複数の入力が、リスクの水準と貯蓄の水準の１
つまたは複数を含む請求項１６に記載の方法。
【請求項２５】金融目標を達成する確率の視覚的表示が実時間で更新され
、さらに、入力装置の係合を検出するステップと、入力装置が係合されている間、ステップｂ、ｃ、およびｄを繰り返すステップ
とを含む請求項１６に記載の方法。
【請求項２６】金融分析システムにおいて、ユーザが金融リスクを処理し
、制御するのを助けるために、ユーザに金融リスクの様々な態様を提示する方法
であって、ユーザから金融目標を受け取るステップと、確率分布が依存する決定変数を含めた１つまたは複数の入力を受け取るステッ
プであって、前記確率分布が、ユーザがある量の富を有する確率を時間にわたっ
て表すステップと、１つまたは複数の決定変数に関連付けられた短期金融リスクを示す第１の視覚
的表現を表示するステップと、確率分布に基づいて、金融目標を達成しないリスクを示す第２の視覚的表現を
表示するステップとを含む方法。
【請求項２７】１つまたは複数の決定変数に関連付けられる長期金融リス
クを示す第３の視覚的表現を表示する請求項２６に記載の方法。
【請求項２８】金融目標が時間範囲を含み、短期金融リスクが、時間範囲
に関する短い期間にわたって、所定の信頼水準の範囲で、損失する可能性がある
最大量の富を表す請求項２６に記載の方法。
【請求項２９】第２の視覚的表現が、特定の時間範囲で金融目標を達成す
る確率を示すアイコンを含む請求項２６に記載の方法。
【請求項３０】第１、第２、第３の視覚的表現が同時に表示される請求項
２６に記載の方法。
【請求項３１】利用可能な金融商品のセットの間での推奨される富の配分
を示す方法であって、１つまたは複数の決定入力を受け取るステップと、関連付けられる変動率を有する、利用可能な金融商品のセットを受け取るステ
ップと、利用可能な金融商品のセットを変動率によって配列するステップと、利用可能な金融商品のセット中の金融商品ごとに、１つまたは複数の決定入力に基づいて、推奨される富の配分を決定するステ
ップと、推奨される配分に対応する長さを有するグラフィカル・セグメントからなる
、推奨される富の配分のグラフィカル表示を表示するステップと、を含む方法。
【請求項３２】金融助言システムにおいて、ユーザ指定の制約に基づいて
推奨を更新する方法であって、利用可能な金融商品のセットの間で現行推奨される富の配分のグラフィカル表
示を提供するステップであって、グラフィカル表示が、関連付けられた金融商品
に関する現行推奨される配分に対応するサイズをそれぞれが有するグラフィカル
・セグメントを含むステップと、入力装置の活動化に応答して、ユーザ所望の配分にサイズが対応するように、
選択されたグラフィカル・セグメントをサイズ変更するステップと、選択されたセグメントに対応する金融商品の配分をユーザ所望の配分に固定し
ておいて、新たな推奨される配分を決定するステップと新たな推奨される配分を表すようにグラフィカル表示を更新するステップとを含む方法。
【請求項３３】新たな推奨される配分を決定するステップがさらに、残っ
ている金融商品のセットを最適化し直すステップを含む請求項３２に記載の方法
。
【請求項３４】新たな推奨される配分を決定するステップが、入力装置が
非活動化するときに行われる請求項３２に記載の方法。
【請求項３５】新たな推奨される配分を決定するステップが実時間で行わ
れる請求項３２に記載の方法。