JP2001526181A - 遺伝子輸送体であるグラフト共重合体 - Google Patents

遺伝子輸送体であるグラフト共重合体

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Abstract

(57)【要約】 選択された核酸を宿主細胞に輸送するために使われる、非毒性でポリマーである遺伝子キャリアは、多価陽イオン性の主ポリマーとグラフト化した、両親媒性で直鎖状の副ポリマーを有する、グラフト共重合体を含む。多価陽イオン性の主ポリマーは、静電的な相互作用により、核酸と複合体を形成する。両親媒性の副ポリマーは、多価陽イオンの細胞毒性を減少させ、また、溶解性を高める。副ポリマーのモル比は、トランスフェクション効率を最も高くするように調整し得る。同様に、核酸と、共重合体との比も、効率を最高にするように調整し得る。この組成物は、宿主細胞を選択された核酸により形質転換させる方法において使用することができる。ポリエチレングリコールとポリ-L-リジンのグラフト共重合体(PEG-g-PLL)は、特に効果的であり、遺伝子の発現は24時間以内にピークに達し、そして、少なくとも96時間は持続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明はin vivoの適用に関わる利用のための遺伝子輸送体に関連する。さら に詳しくは、本発明は、選択された核酸と陽イオン性の重合体とが静電気的な複
合体を形成することにより、その核酸を効率的に宿主細胞に輸送する、非毒性の
組成物とその方法に関連する。ポリ-L-リジン(PLL)とポリオキシアルキルグリ
コールとのグラフト共重合体は特に効果的である。
【0002】 遺伝子は、宿主細胞がもつ生合成機構を利用して生理活性をもつタンパク質を
生産することができるため、様々な疾病状態の治療的利用のための非常に魅力的
な候補である(M.S.Wadhwa et al., 6 Bioconjugate Chemistry 283 (1995))。
カルシウムリン酸沈澱法、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、粒子衝撃
法(particle bombardment)、リポソームによる輸送、ウイルスベクター輸送、
及び、受容体を介した遺伝子輸送を含む、遺伝子の細胞内への輸送に関する多数
の確立されたプロトコールが存在する(同上)。これらの全ての方法は培養哺乳
動物細胞への遺伝子輸送に用いることができるが、in vivoの標的細胞に遺伝子 を導入するには多くの難点がある。特に、カルシウムリン酸法と多価陽イオン沈
澱は、研究室での実用において、おそらく最も普及している二つの技術である(
PROFECTION Mammalian Transfection Systems, Technical Manual 2 (Promega C
orp., 1990));しかしながら、それらは比較的トランスフェクション効率が低 いという特徴をもっている(A.V. Kabanov & V.A. Kabanov, 6 Bioconjugate Ch
emistry 7 (1995))。これらの二つの技術は細胞内にRNA分子を導入するには効 果的でないことは明らかであり、in vivoでのトランスフェクションには用いる ことができない(同上)。
【0003】 レトロウィルスまたはアデノウイルスのベクターを用いたトランスフェクショ
ンの方法(E.Gilboa et al., 4 Biotechniques 504 (1986); M.A. Rosenfeld et
al., 252 Science 431 (1991))は、これらの限界のいくつかを克服している。
レトロウイルスベクターは、特に、外来遺伝子を、活発に分裂している細胞へ導
入することに首尾よく用いられてきており、その結果安定した形質転換株が得ら
れている(D.G. Miller et al., 10 Mol. Cell Biol. 4239(1990))。しかしな がら、レトロウイルスベクターを用いて宿主細胞のゲノムに遺伝子を挿入する方
法は、そのウイルスの感染経路に依存している。ヒトの遺伝子治療にレトロウイ
ルスの方法を適用することは、内因性ウイルスとの組換え(recombination)の 可能性、発癌性作用、及び、免疫学的反応に関する深刻な懸念を引き起こす(A.
V. Kabanob & V.A. Kabanov, 6 Bioconjugate Chemistry 7 (1995); H.M. Temin
, 1 Human Gene Therapy 111 (1990))。そのような懸念は、人の遺伝子治療へ のウイルスベクターの利用を思いとどまらせてきた(D.G. Miller et al., 10 M
ol. Cell Biol. 4239 (1990))。
【0004】 また一方で、陽イオン性リポソーム(H.M. Temin, 1 Human Gene Therapy 111
(1990))、または、PLL(G.Y. Wu & C.H. Wu, 263 J. Biol. Chem. 14621 (198
8); E. Wagner et al., 87 Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 3410 (1990); H. Farh
ood et al., 1111 Biochem.Biophys. Acta 239 (1992))などの非ウイルス性の 遺伝子輸送機構は、それぞれ独自の欠点を持っている。それらはヒトへの臨床使
用には安全であるとみられるが、典型的な非ウイルス性機構は低いトランスフェ
クション効率を提供するか、もしくは、核酸の沈澱を引き起こす(N.H. Caplen
et al., 1 Nature Medicine 1 (1995))。現在、LIPOFECTIN(GIBCO/BRLの商標 )プロトコールが、この領域で最も信頼性があるとされているが(J.H. Felgene
r et al., Enhanced Gene Delivery and Mechanism Studies with a Novel Seri
es of Cationic Lipid Formulations, 269 J. Biol. Chem.2550 (1994))、しか
し細胞毒性が高いという不利な点を持っている(H. Farhood et al., 1111 Bioc
him. Biophys. Acta 239 (1992))。
【0005】 上記の点から見て、安全で、かつ、効率的な遺伝子輸送機構の開発がこの技術
分野において重要な進歩であることは認められるだろう。
【0006】 発明の簡単な概要 核酸を細胞内に輸送するための組成物と方法を提供することが、本発明の1つ
の目的である。
【0007】 安全かつ効率的な遺伝子輸送のための組成物と方法を提供することも、本発明
の一つの目的である。
【0008】 外来性のDNAまたはRNAを標的細胞に輸送するための、効率的で非ウイルス性で
ある組成物とその使用方法を提供することが、本発明の別の一つの目的である。
【0009】 in vitroで遺伝子を標的細胞に輸送する方法を提供することが、本発明のまた
別の一つの目的である。
【0010】 in vivoで遺伝子を標的細胞に輸送する方法を提供することが、本発明のさら に別の一つの目的である。
【0011】 これら及び、その他の目的は、選択された核酸を標的細胞に輸送するための組
成物を提供することにより示すことができ、ここで組成物は選択された核酸と静
電複合体を形成することにより形作られており、第一の陽イオン性のポリマーと
、第二の両親媒性のポリマーとからなる、生物学的適合性をもつグラフト共重合
体を含んでいる。好ましくは、第一のポリマーは、ポリ(L-リジン)、その誘導体
、及び、それらの混合物からなる群から選択されたメンバーであり、またより好
ましくは、ポリ(L-リジン)である。好ましくは、第二のポリマーは、ポリエチレ
ングリコールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、α-置換 ポリ(オキシアルキル)グリコール、ポリ(オキシアルキル)グリコールの共重
合体およびブロック共重合体、及び、その活性化誘導体からなる群から選択され
たメンバーなどの、ポリオキシアルキルグリコールである。ポリエチレングリコ
ールが特に望ましい。本発明の好ましい一態様において、グラフト共重合体は、
ポリ(L-リジン)の一つのε-アミノ基にグラフト化したポリエチレングリコール を含む。グラフト共重合体は、好ましくは、約5モル%から約25モル%のポリエ チレングリコールを含み、より好ましくは、10モル%のポリエチレングリコール
を含む。
【0012】 本発明の別の観点では、選択された核酸を宿主細胞に輸送する組成物は、選択
された核酸と、第一の陽イオン性のポリマーと第二の両親媒性のポリマーとを含
む生物学的適合性をもつグラフト共重合体との、静電複合体を含む。本発明の好
ましい一態様において、核酸とグラフト共重合体は、約0.3対10の重量比で存在 する。好ましくは、組成物は、効果的な量の、クロロキンといった抗エンドソー
ム作用をもつ薬剤をさらに含む。この効果的な量のクロロキンは、好ましくは、
約25-250μMであり、より好ましくは、約75-150μMである。
【0013】 本発明のさらに別の観点では、宿主細胞を選択された核酸で形質転換する方法
は、選択された核酸と生物学的適合性をもつグラフト共重合体とを含む静電複合
体の効果的な量を、宿主細胞と接触させることを含み、ここで生物学的適合性の
あるグラフト共重合体は、第一の陽イオン性のポリマーと第二の両親媒性のポリ
マーとを含み;宿主細胞が選択された核酸を取り込むようにする。
【0014】 本発明のまたさらに別の観点では、選択された核酸を個体に輸送するために組
成物を使用する方法は、宿主細胞が選択された核酸を取り込むように、複合体が
全身に循環し、宿主細胞と接触するように、第一の陽イオン性のポリマーと第二
の両親媒性のポリマーとを含む、選択された核酸と生物学的適合性をもつグラフ
ト共重合体とを含む、効果的な量の静電複合体を投与することを含む。
【0015】 発明の詳細な説明 本組成物と遺伝子輸送のためのその使用方法が開示され、記載される前に、本
発明は、本明細書中に開示された特定の形状(configuration)、処理段階、及 び、物質に限定されず、このような形状(configuration)、処理段階、及び、 物質は多少変えることができることを理解すべきである。本明細書中で使用され
る用語は、特別な態様のみを記述する目的で用いられており、添付の請求の範囲
、及び、それに相当するものによってのみ本発明の範囲は限定されるため、限定
を意図したものではないこともまた理解すべきである。
【0016】 本明細書中、及び、添付の請求の範囲で使用される場合に、単数形の“a”、 “an”、及び、“the”は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、 複数の指示物を含んでいることに注意すべきである。したがって、例えば、“抗
エンドソーム作用を持つ薬剤”という言及には、2またはそれ以上のそのような 薬剤の混合物を含み、“両親媒性のポリマー”という言及には、2またはそれ以 上のそのようなポリマーの混合物を含み、そして“陽イオン性のポリマー”とい
う言及には、2またはそれ以上のそのような陽イオン性のポリマーの混合物を含 む。
【0017】 本発明を記載し、そして請求する際に、以下の用語を以下に記載する定義にし
たがって使用するだろう。
【0018】 本明細書中で使用する場合に、“PEG-g-PLL”とは、PEGまたは他のポリ(オキ
シアルキル)グリコールがPLLのリジン残基のε-アミノ基と結合しているグラフ
ト共重合体のことを意味している。
【0019】 本明細書中で使用する場合に、xが1と100の間の数である“xmol% PEG-g-PLL ”とは、xモル%のPEGを有するPEG-g-PLLのことをいう。例えば、5 mol% PEG-g
-PLLは、5モル%のPEGを含有するPEG-g-PLLである。
【0020】 本明細書中で使用する場合に、“ポリ(オキシアルキル)グリコール”は、PL
Lとグラフト化した際に、生成する組成物を非毒性かつ水溶性にする、ポリエー テルグリコールポリマーのことをいう。ポリマーの個々の単量体部分は、約5個
までの炭素原子を有する炭素鎖を含む。好ましいポリ(オキシアルキル)グリコ
ールは、ポリエチレングリコール(PEG)ホモポリマー、ポリプロピレングリコ ールホモポリマー、α-置換ポリ(オキシアルキル)グリコール(例えばメトキ シポリエチレングリコール、または、C1-C4のアルキル基を含むものなどの、他 の適したアルキル置換誘導体)、ポリ(オキシアルキル)グリコール共重合体お
よびブロック共重合体、及び、それらの活性化誘導体が含まれる群から選択され
る。本発明で使用されるポリ(オキシアルキル)グリコールは、好ましくは、分
子量が約200から約50,000であり、より好ましくは約200から約20,000である。特
に好ましいポリ(オキシアルキル)グリコールは、ポリエチレングリコール(PE
G)である。PEGは、安価であり、アメリカ合衆国の食品医薬品局(FDA)により ヒトへの投与が認可されており、また、抗体反応を惹起しにくいため、好ましい
【0021】 本明細書中で使用する場合に、“PLL”とは、ポリ(L-リジン)、その誘導体 、及び、それらの混合物のことをいう。PLLは、好ましくは、分子量が約200から
50,000の範囲であり、また、より好ましくは、約500から30,000の範囲である。
【0022】 本明細書中で使用する場合に、“効果的な量”とは、非毒性であるが、どのよ
うな医学的治療においても伴う妥当な利点/リスク比で、選択した局所もしくは
全身への効果と、成果を提供するのに十分である、核酸の量を意味する。
【0023】 本明細書中で使用する場合に、“投与”及び、類似した用語とは、輸送すべき
核酸と本発明に記載された遺伝子キャリア組成物とを混合することにより形成さ
れる複合体を、治療する個体に輸送して、複合体が、その複合体が標的細胞と接
触し得る生体内の場所に、全身的に循環することができるようにすることを意味
する。このように、この組成物は、全身投与により、典型的な例では皮下、筋内
、または静脈内投与、または腹腔内投与により、個体に投与することが好ましい
。このように使用するための注射可能物質は、液体溶液または懸濁液として、注
射前に溶液または懸濁液として調製するのに適した個体形状か、または乳濁液か
の、従来からの形状に調製し得る。適当な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキ
ストロース、グリセロール、エタノール、その他同種類のものを含み;所望によ
り、湿潤剤または乳化剤、緩衝液、その他同種類のものなどの少量の補助物質を
添加することができる。
【0024】 核酸、即ちDNA及び/またはRNAの輸送は、ポリペプチドの発現を達成すること
、または、“アンチセンス”の核酸、特にアンチセンスRNAを用いてポリペプチ ドの発現を阻害することに使用できる。本明細書中で使用する場合に、“ポリペ
プチド”とは、どの長さのペプチドをも意味し、また、タンパク質も含む。本明
細書中で使用する“ポリペプチド”という用語は、他に特定のサイズについて記
載がない限り、特に意図した大きさの制限はなく、本明細書中で使用される、発
現し得る典型的なポリペプチドは、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺
激ホルモン、上皮増殖因子、プロラクチン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、成
長ホルモン、成長ホルモン放出因子、インスリン様増殖因子、インスリン、エリ
スロポエチン、肥満蛋白であるレプチン、ソマトスタチン、グルカゴン、グルカ
ゴン様インスリン刺激因子、副甲状腺ホルモン、インターフェロン、ガストリン
、インターロイキン-2及びその他のインターロイキン類とリンフォカイン類、 テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストリン、セクレチン、カルシト
ニン、エンケファリン、エンドルフィン類、アンギオテンシン類、レニン、ブラ
ジキニン、バシトラシン類、ポリミキシン類、コリスチン類、チロシジン、グラ
ミシジン類、及び、それらの合成類似体、改変体、薬学的に活性な断片、モノク
ローナル抗体、及び、ワクチン類からなる群から選択される。このグループには
、限定的なものとは考えられていない;発現されうるペプチドまたはタンパク質
薬剤にとっての唯一の限定は、機能性である。DNA及び/またはRNAの輸送は、遺
伝子治療、予防接種、及び、in vivoに核酸またはポリペプチドが投与されるべ き全ての治療状況において有用である。例えば、アメリカ合衆国特許番号5,580,
859が本明細書中で参考文献として援用される。
【0025】 その核酸がDNAである場合、DNA配列そのものは複製することはできないが、複
製開始点をさらに含んでいるプラスミド中に挿入される。そのDNAは、ヒトの体 内でも機能するCMV IEPプロモーターなどの転写プロモーターをも含み得る。そ のDNAはDNAを転写する(transcribing)ためのポリメラーゼもコードし得る。ク ローン化した遺伝子を哺乳動物体内において発現させるための、多くの発現ベク
ターがこの技術分野において知られており、このような発現ベクターの多くは、
例えば、pEUK-C1(Clonetech,Palo Alto, Calif.)のように、市販されていて入
手できる。興味のある遺伝子はこの技術分野においてはよく知られている組換え
DNA技術に従って、このような発現ベクターに挿入できる。例えばJ.Sambrookら (Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2d ed., 1989))が本明細書中 で参考文献として援用される。この方法は、特定のポリペプチドの欠失、または
欠如、または変異に関連した疾病の治療に使用することができる。本発明の別の
観点に従うと、この方法は、ヒトまたは動物であってもよい個体への免疫を提供
し、免疫原に対する免疫応答を惹起する、免疫原性の翻訳産物をコードするDNA 及び/またはRNAの個体への輸送を含む。この方法は体液性免疫、細胞性免疫、 または、それらの組合せを惹起するために使用され得る。
【0026】 本発明に記載の遺伝子キャリアを形成する例示的な方法は、ポリマーであるモ
ノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)をPLLのε-アミノ基とグラフト化さ
せることにより、成し遂げられる。直鎖状で、両親媒性のポリマーであるPEGは 、in vivoにおいて、多くの酵素を、半減期をより長くさせるように変化させる ために使用されてきた(F.F. Davis et al., in 4 Enzyme Engineering 169 (19
78); A. Abuchowski et al., 7 Cancer Biochem. Biophys.175 (1984))。PEGは
また、インターロイキン-2を、溶解性を高めたり、in vivoにおける半減期を増
加させるように、変化させるためにも使用されてきた(N..V. Katre et al., 84
Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 1487 (1987))。PEGがグラフト化したPLL(PEG-
g-PLL)は輸送されるべき遺伝子と静電複合体を形成する際に、PEG鎖の溶解度を
高める効果により、溶解性の増加を提供する(図1)(A.V. Kabanov et al., 6
Bioconjugate Chemistry 639 (1995))。添加されたPEG鎖により誘導される溶 解性の増加は、プラスミドDNA/PLL複合体と比較すると、PLLの細胞毒性を増加 させることなく、トランスフェクション効率に有利に作用する。むしろ、PEG鎖 の存在は、PLL塩基の細胞毒性の減少にも作用し、トランスフェクション時間を 改善する。静電複合体は、正に荷電したポリマー(例えばPLL)と負に荷電した 核酸との親和性により形成される。
【0027】
【実施例】
実施例1 PEG含量が5mol%、10mol%、及び、25mol%のPEG-g-PLLグラフト共重合体を図
2に概説した手順に従って合成した。塩化チオニル(SOCl2)、トリエチルアミ ン(TEA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及び、メトキシポリエチレングリ コール(mPEGOCH2CH2OH; MW=550)はAldrich (Milwaukee, Wisconsin) より購入
した。PLL-臭化水素(反復単位120;MW=25000)は、Sigma (St. Louis, Missour
i) より購入した。
【0028】 例えば、5mol%PEG-g-PLLの合成は次に示すように行った。メトキシPEGOCH2CH 2 CO2H はエチルブロモ酢酸を用いてmPEGOCH2CH2OH をアルキル化して合成した。
6 mg mPEGOCH2CH2CO2Hを含む丸底フラスコに塩化チオニル(1.5 ml)を加え、40
分還流した後、真空条件下で塩化チオニルを蒸発させた。生成物を100μl DMSO に溶解し、25 mg PLL-臭化水素と160μl TEAをを含む1 ml DMSO溶液に対して、 室温で撹拌しながら加えた。30分撹拌後、4 ml脱イオン水を加え、6 N HClでpH
1に合わせた。最後に、生成物を水で透析し、凍結乾燥した。PEG含量は溶媒とし
てD2Oを使ってH1-NMRにより決定した(示してはいない)。約3.5 ppmのピークが
、生成物中のmPEGの存在を示した。
【0029】 実施例2 プラスミドpSV-β-gal(Promega Corp., Madison, Wisconsin; EMBL受託番号
X65335)は哺乳動物細胞へのトランスフェクション効率をモニターする陽性対照
ベクターである。プラスミドpSV-β-galはSV40の初期プロモーターとエンハンサ
ー配列、転写開始位置、β-ガラクトシダーゼをコードしている大腸菌lacZコー ディング領域、及び、SV40スモールT抗原ポリアデニル化シグナルを含んでいる 。SV40の初期プロモーターとエンハンサーはlacZ遺伝子の転写を駆動している。
【0030】 等量のプラスミドDNAと臭化エチジウム(各1μg)を20 mM HEPES(N-[2-ハイ ドロキシエチル]ピペラジン-N'-[2-エタンスルホン酸])と0.15 M NaClを含む緩
衝液(pH7.4)1 mlに入れた。実施例1の手順に従って調製した、異なる量のPEG
-g-PLLをプラスミドDNA-臭化エチジウム混合物に加えた。この混合物の蛍光強度
を蛍光分光光度計(PCl, ISS Co., USA)(λex =516 nm,λex =590 nm)で測定
した。図3は蛍光消光アッセイの結果を示している。これらのデータはPEG-g-PL
LがプラスミドDNAを55%に濃縮したことを示している。PLLのプラスミドDNAの濃
縮力は、PLLと、PEGで修飾したPLLの誘導体の比較において、ほとんど差が認め られなかった。
【0031】 実施例3 この実施例では、PEG-g-PLLがDNAと複合体を形成しているかどうかを決定する
ためにゲル遅延アッセイを行った。実施例2で調製したpSV-β-galとPEG-g-PLL の混合物を1%アガロースゲルで電気泳動し、分画した。分画後、ゲルをエチジ ウムブロマイド(0.5μg/ml)で染色し、UVイルミネーターで発行させた。遊離 のプラスミドDNAの移動度(示してはいない)は、複合体を形成しているPEG-g-P
LLの量が増加するに従って、遅延した。これらの結果はPEG-g-PLLがプラスミドD
NAと安定な複合体を形成したことを示している。完全な遅延はプラスミドDNA対P
EG-g-PLLの重量比が1:1及び、それ以上のときに達成された。
【0032】 実施例4 この実施例では、実施例2の手順に従って調製したプラスミドDNA/PEG-g-PLL 複合体の大きさを、90度の角度で、プラスミドDNA対PEG-g-PLLの重量比1:3を
用いて、動的レーザー光散乱(Brookhaven BI-DS)により測定した。データは、
累積分析により解析した。図4はプラスミドのみの大きさと、異なる化合物との
複合体の大きさを示した。複合体の平均直径は約300 nmである。
【0033】 実施例5 この実施例では、本発明に記載された組成物が、in vitroの哺乳動物細胞への
トランスフェクションを媒介するための効率を立証した。HepG2細胞(ヒト肝臓 癌腫細胞)はthe American Type Culture Collection (Rockville, MD; ATCC受 託番号 8065-HB)より入手した。PEG-g-PLLを用い、96穴プレートに20×104 cell
s/mlの濃度で細胞を播いてトランスフェクションを行った。プラスミドpSV-β-g
al DNA/PEG-g-PLL複合体は、1μgプラスミドDNAと3μg PEG-g-PLLを100μl無血 清MEM培地に混合し室温で30分インキュベートして調製し、続いて10%(V/V) ウ シ胎児血清(Hyclone Laboratories, Logan, Utah)と100μMクロロキン(Sigma
)を添加した。細胞浸透性の塩基であるクロロキンを使用して、部分的に細胞の
酸性の区画(compartments)を中和し、エンドソームとリソソームの融合を防ぐ
ことができた(P. Midoux et al., 21 Nucleic Acids Research 871-78(1993)
)。96穴プレートのそれぞれのウェルの培地をトランスフェクション混合液に交
換した。組織培養インキュベーター(Napco Co.)で37℃、5%CO2において、細 胞を4時間培養した。トランスフェクション混合液を取り除き、10%ウシ胎児血
清を含む新しい培養培地を各ウェルに加えた。さらに44時間、組織培養インキュ
ベーターで37℃、5%CO2において、細胞を培養した。
【0034】 トランスフェクションされた細胞のin situ X-gal(5-クロロ-4-ブロモ-3-イ ンドリル-β-D-ガラクトピラノシド)染色は、発現されたβ-ガラクトシダーゼ の検出に用いられた(J.R. Sanes et al., 5 EMBO J. 3133 (1986))。96穴プレ
ートの各ウェルの細胞は、1×リン酸緩衝溶液(PBS)により2回洗浄し、100μl
の0.25%(v/v)グルタルアルデヒドにより室温で15分間固定した。グルタルアル デヒド溶液を取り除き、細胞を1×PBSでゆるやかに3回リンスした。次に、60 μlのX-gal溶液(1 mg/ml X-gal、2 mM MgCl2、5 mM K4Fe(CN)6、及び、5 mM K3 Fe(CN)6)を加え、続いて、組織培養インキュベーターで37℃、16時間インキュ ベートした。X-gal溶液を取り除き、細胞を1×PBSで覆った。pSV-β-galプラス
ミドのトランスフェクション由来のβ-ガラクトシダーゼ酵素を発現している細 胞は、X-galにより青く染色され、顕微鏡で観察し、数えることができた。
【0035】 図5に示した通り、トランスフェクション効率は、PEGによる修飾の程度が増 加するにつれて、30倍まで増加した。試行された3つの程度の置換物の中で、10
mol%PEG-g-PLLが最も高いトランスフェクション効率を示した。25 mol%PEG-g
-PLLはかなり低いトランスフェクション効率を示した。このように、PLLへのPEG
修飾の最適な範囲は、約10 mol%であるとみられた。市販されており入手できる
トランスフェクション試薬である、LIPOFECTIN試薬(GIBCO/BRL)は、HepG2細胞
において、10 mol%PEG-g-PLLよりも、わずかに高いトランスフェクション効率 を示した。LIPOFECTIN試薬は、膜を透過させた水中の、陽イオン性脂質であるN-
[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-n,n,n-塩化トリメチルアンモニウムクロ リド(DOTMA)とジオレオイルホスホチジルエタノールアミン(DOPE)の1:1(w/
w)のリポソーム製剤である。
【0036】 実施例6 この実施例では、一定量のプラスミドDNA(10μg/ml)と徐々に増加する量の1
0 mol%PEG-g-PLL(1-50μg/ml)を用いて種々の複合体を調製した。これらの複
合体は、次に、実施例5に示した手順に従って、HepG2細胞へのトランスフェク ションに用いられた。図6に示す通り、トランスフェクション効率は、PEG-g-PL
L対プラスミドDNAの重量比が3:1にまで増加するにつれて増加した。さらに高
いPEG-g-PLL対プラスミドDNAの重量比においては、トランスフェクション効率は
減少した。
【0037】 実施例7 この実施例では、PEG-g-PLLの細胞毒性が決定された。生細胞の割合はMTT(3-
[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-臭化ジフェニルテトラゾリウム)アッセ
イ(本明細書中に参考文献として援用するT. Mosman, 65 J. Immunol. Methods
55 (1983))により決定した。
【0038】 実施例5に記載したトランスフェクション実験の最後に、トランスフェクショ
ン混合液を、26μlの2 mg/ml MTT溶液を含む新しい培養培地に置換した。プレー
トを組織培養インキュベーターにおいて、37℃で、さらに4時間インキュベート
し、その後、MTTを含む培地を吸引により除去し、150μlのDMSOを加えて、生細 胞により形成されたホルマザン結晶を溶解した。マイクロプレートリーダー(Mo
del EL311, Bio-Tek instrument Co.)を使用して570nmでの吸光度を測定し、生
細胞の割合を以下の方程式から計算した:
【0039】
【数1】
【0040】 図7に示す通り、HepG2細胞に対して、LIPOFECTIN試薬またはPLLが、中程度に
高い細胞毒性を示したのに対し、5 mol%、及び、10 mol%で修飾されたPEG-g-P
LLの両方は、非常に軽い細胞毒性を示した。25 mol%置換PEG-g-PLLは、5 mol%
または10 mol%置換PEG-g-PLLより低い細胞生存率を示したが、その細胞毒性は 、LIPOFECTINまたはPLLのどちらよりもまだ低かった。そのため、本発明の組成 物は、細胞毒性に関しては、知られていた物質にまさった改良物である。
【0041】 実施例8 この実施例では、細胞生存率アッセイを、トランスフェクション後、24、48、
72、または、96時間に行われたことを除いては、実施例7の手順に従った。一般
に、トランスフェクションアッセイはトランスフェクション後48時間に行われる
が、24時間のみインキュベーションした後にアッセイを行った場合に、それと同
様のトランスフェクション効率が得られた(図8)。LIPOFECTIN試薬の場合には
、24時間インキュベーション後のβ-ガラクトシダーゼ活性は、48時間インキュ ベーション後のβ-ガラクトシダーゼ活性の半分だった(データは示していない )。さらに、プラスミドpSV-β-gal DNA/PEG-g-PLL混合液によりトランスフェク
ションした細胞ではその遺伝子発現レベルは96時間まで維持された(図8)。
【0042】 実施例9 この実施例では、トランスフェクション効率におけるクロロキンの役割を決定
した。クロロキン濃度を0-100 μMに変化させたことを除いては、実施例5の手 順に従った。図9は、細胞に首尾よくトランスフェクションするためにクロロキ
ンが必要不可欠ではないことを示しているが、しかしクロロキンはトランスフェ
クション効率を増加させる点で重要な役割を果たしている。クロロキン濃度を10
0 μMまで増加させるたところ、トランスフェクション効率は30倍まで増加した 。
【0043】 実施例10 この実施例では、in vivoにおいて個体に遺伝子を輸送する方法を説明してい る。レプチン肥満タンパク質をコードする核酸、例えばヒトレプチン、またはラ
ットレプチンcDNA(本明細書中で参考文献として援用される、C.Guoxun et al.,
Disappearance of Body Fat in Normal Rats Induced by Adenovirus-medieted
Leptin, 93 Proc. Nat'l Acad. Sci USA 14795-99(1996))またはマウスレプ
チンcDNA(本明細書中で参考文献として援用される、P.Muzzin et al., Correct
ion of Obesty and Diabetes in Genetically Cloned Mice by Leptin Gene The
rapy, 93 Proc. Nat'l Acad. Sci USA 14804-14808)は、この技術分野において
よく知られている。哺乳動物の発現ベクターである、pEUK-C1(Clonetech, Palo
Alto, Calif.)はクローニングされたされた遺伝子を一過性に発現するように 設計されている。このベクターは、4.9kbのプラスミドであり、細菌における増 殖のため、pBR322複製開始点、及び、アンピシリン耐性マーカーを含んでおり、
そして哺乳動物細胞における選択された遺伝子の複製及び発現のため、SV40複製
開始点、SV40後期プロモーター、及び、SV40後期ポリアデニル化シグナルもまた
、含んでいる。SV40後期プロモーターとSV40後期ポリアデニル化シグナルの間に
、独特のXho I、Xba I、Sma I、sac I、及びBam HI制限酵素サイトである、マル
チクローニングサイト(MCS)が位置する。MCSにクローニングされたDNA断片は 、SV40後期プロモーターからRNAとして転写され、クローニングされた断片中の 1番目のATGコドンから翻訳される。クローニングされたDNAの転写産物はSV40 V
PIプロセッシングシグナルを使って、スプライシングされ、また、ポリアデニル
化される。レプチン遺伝子は、この技術分野では良く知られた技術を使って、pE
UK-C1のMCSにクローニングされる(例えば、J. Sambrook et al., Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual (2d ed., 1989))。得られたプラスミドは、実施 例2で説明した本発明に従って、複合体に組み込まれた後、ヒトまたは動物に輸
送される。
【0044】 効果的な量の得られた複合体が個体に全身投与され、複合体が血流に入り標的
細胞に接触するようにする。複合体が接触する標的細胞は、複合体を取り込み、
その結果レプチンDNAを取り込む。その後、レプチンDNAは、レシピエント細胞中
で発現され、肥満や糖尿病の治療に陽性の効果をもたらす。
【0045】 本発明の組成物は、PLLにより得られるものより改善されたトランスフェクシ ョン能力を提供する。本組成物はまた、低い細胞毒性、早期の遺伝子発現、及び
、早期遺伝子発現レベルの96時間までの維持をも明らかにした。これらの特徴は
、LIPOFECTIN試薬といった先行技術の化合物にまさる利点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プラスミドDNAと本発明による実例となる遺伝子輸送組成 物との複合体形成の概要図である。
【図2】 図2は、本発明によるグラフト共重合体であるPEG-g-PLLの実例と なる合成の概要を示している。
【図3】 図3は、蛍光消光アッセイによるデータを示している。(□)PLL
対照、(◇)5モル%PEG-g-PLL、()10モル%PEG-g-PLL、(△)25モル%PEG -g-PLL
【図4】 図4は、pSV-β-gal(DNA)、pSV-β-galとPLLとの複合体(PLL) 、pSV-β-galと5モル%PEG-g-PLLとの複合体(5mol%PEG)、pSV-β-galと10モ ル%PEG-g-PLLとの複合体(10mol%PEG)、及び、pSV-β-galと25モル%PEG-g-P
LLとの複合体(25mol%PEG)の動的レーザー光散乱による大きさ(直径)の測定
値を示している。
【図5】 図5は、LIPOFECTIN試薬(Lipofectin)、PLL複合体(PLL)、5モ ル%PEG-g-PLL複合体(5mol%PEG)、10モル% PEG-g-PLL複合体(10mol%PEG)
、及び、25モル%PEG-g-PLL複合体(25mol%PEG)を使用した、ヒト肝臓癌腫(H
epG2)細胞へのpSV-β-galのトランスフェクションに関するトランスフェクショ
ン効率を示している。
【図6】 図6は、DNA対PEG-g-PLLの重量比の違いによるヒト肝臓癌腫(HepG
2)細胞へのトランスフェクション効率を示している。
【図7】 図7は、対照(培地)、LIPOFECTIN試薬(Lipofectin)、PLL(PLL
)、5モル%PEG-g-PLL複合体(5mol%PEG)、10モル% PEG-g-PLL複合体(10mol
%PEG)、及び、25モル%PEG-g-PLL複合体(25mol% PEG)を使用して、pSV-β-
galをトランスフェクション後のヒト肝臓癌腫HepG2細胞の細胞生存率を示してい
る。
【図8】 図8は10モル%PEG-g-PLL複合体を使用して、ヒト肝臓癌腫HepG2細
胞にpSV-β-galを導入した際の、トランスフェクション後24、48、72、及び、96
時間のトランスフェクション効率を示している。
【図9】 図9は10モル%PEG-g-PLL複合体を使用したヒト肝臓癌腫HepG2細胞
へのpSV-β-galのトランスフェクションにおけるクロロキン濃度の作用を示して
いる。
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月20日(2000.6.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項47】 複合体が全身に循環して宿主細胞と接触し、その結果宿主
細胞が選択された核酸を取り込むように、選択された核酸と、第一の陽イオン性
のポリマーと第二の両親媒性のポリマーとを含む生物学的適合性をもつグラフト
共重合体とを含む、効果的な量の静電複合体を投与することを含む、選択された
核酸を個体に輸送するための組成物を使用する方法。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月21日(2001.3.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 CA11 DA02 EA04 GA11 HA17 4C076 AA18 CC29 EE23 EE41 FF67 FF68 4C084 AA13 AA19 MA24 NA10 ZB212 ZB382 ZC191 ZC192 4C086 AA01 AA02 BC28 EA16 MA03 MA05 MA24 ZC19

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の陽イオン性の重合体と第二の両親媒性の重合体を含む
    、生物学的適合性をもつグラフト共重合体を含む、選択された核酸との静電複合
    体を形成することにより形作られる組成物である、前記選択された核酸を標的細
    胞に輸送するための前記組成物。
  2. 【請求項2】 前記第一の重合体が、ポリ(L-リジン)、その誘導体、及び
    、それらの混合物からなる群から選択されたメンバーである、請求項1の組成物
  3. 【請求項3】 前記第一の重合体が、ポリ(L-リジン)である、請求項2の
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリ(L-リジン)が、約200から50,000の分子量を有す る、請求項3の組成物。
  5. 【請求項5】 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキルグリコールである
    、請求項1の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、ポリエチレングリコ
    ールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、α-置換ポリ(オ キシアルキル)グリコール、ポリ(オキシアルキル)グリコール共重合体および
    ブロック共重合体、及び、それらの活性化誘導体からなる群から選択されたメン
    バーである、請求項5の組成物。
  7. 【請求項7】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、約200から約50,000 の分子量を有する、請求項6の組成物。
  8. 【請求項8】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、約200から約20,000 の分子量を有する、請求項7の組成物。
  9. 【請求項9】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、ポリエチレングリコ
    ールである、請求項6の組成物。
  10. 【請求項10】 前記グラフト共重合体が、ポリ(L-リジン)のε-アミノ 基とグラフト化しているポリエチレングリコールを含む、請求項1の組成物。
  11. 【請求項11】 前記グラフト共重合体が、約5モル%から約25モル%のポ リエチレングリコールを含む、請求項10の組成物。
  12. 【請求項12】 前記グラフト共重合体が、約10モル%のポリエチレングリ
    コールを含む、請求項11の組成物。
  13. 【請求項13】 選択された核酸と、第一の陽イオン性のポリマーと第二の
    両親媒性のポリマーとを含む生物学的適合性をもつグラフト共重合体との静電複
    合体を含む、選択された核酸を宿主細胞に輸送するための組成物。
  14. 【請求項14】 前記第一の重合体が、ポリ(L-リジン)、その誘導体、及
    び、それらの混合物からなる群から選択されたメンバーである、請求項13の組成
    物。
  15. 【請求項15】 前記第一の重合体が、ポリ(L-リジン)である、請求項14
    の組成物。
  16. 【請求項16】 前記ポリ(L-リジン)が、約200から50,000の分子量を有 する、請求項15の組成物。
  17. 【請求項17】 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキルグリコールであ
    る請求項13の組成物。
  18. 【請求項18】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、ポリエチレングリ
    コールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、α-置換ポリ( オキシアルキル)グリコール、ポリ(オキシアルキル)グリコール共重合体およ
    びブロック共重合体、及び、それらの活性化誘導体からなる群から選択されたメ
    ンバーである、請求項17の組成物。
  19. 【請求項19】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、約200から約50,00
    0の分子量を有する、請求項18の組成物。
  20. 【請求項20】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、約200から約20,00
    0の分子量を有する、請求項19の組成物。
  21. 【請求項21】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、ポリエチレングリ
    コールである、請求項18の組成物。
  22. 【請求項22】 前記グラフト共重合体が、ポリ(L-リジン)のε-アミノ 基とグラフト化しているポリエチレングリコールを含む、請求項13の組成物。
  23. 【請求項23】 前記グラフト共重合体が、約5モル%から約25モル%のポ リエチレングリコールを含む、請求項22の組成物。
  24. 【請求項24】 前記グラフト共重合体が、約10モル%のポリエチレングリ
    コールを含む、請求項23の組成物。
  25. 【請求項25】 前記核酸と前記グラフト共重合体が、重量比約0.3対10で 存在している、請求項13の組成物。
  26. 【請求項26】 効果的な量の抗エンドソーム作用をもつ薬剤をさらに含む
    、請求項13の組成物。
  27. 【請求項27】 前記抗エンドソーム作用をもつ薬剤が、効果的な量のクロ
    ロキンを含む、請求項26の組成物。
  28. 【請求項28】 前記効果的な量のクロロキンが、約25-250μMである、請 求項27の組成物。
  29. 【請求項29】 前記効果的な量のクロロキンが、約75-150μMである、請 求項28の組成物。
  30. 【請求項30】 宿主細胞が選択された核酸を取り込むように、選択された
    核酸と、第一の陽イオン性のポリマーと第二の両親媒性のポリマーである生物学
    的適合性をもつグラフト共重合体とを含む、効果的な量の静電複合体と宿主細胞
    を接触させることを含む、前記選択された核酸により前記宿主細胞を形質転換す
    る方法。
  31. 【請求項31】 前記第一のポリマーが、ポリ(L-リジン)、その誘導体、
    及び、それらの混合物からなる群から選択されたメンバーである、請求項30の方
    法。
  32. 【請求項32】 前記第一の重合体が、ポリ(L-リジン)である、請求項31
    の方法。
  33. 【請求項33】 前記ポリ(L-リジン)が、約200から50,000の分子量を有 する、請求項32の方法。
  34. 【請求項34】 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキルグリコールであ
    る請求項30の方法。
  35. 【請求項35】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、ポリエチレングリ
    コールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、α-置換ポリ( オキシアルキル)グリコール、ポリ(オキシアルキル)グリコール共重合体およ
    びブロック共重合体、及び、それらの活性化誘導体からなる群から選択されたメ
    ンバーである、請求項34の方法。
  36. 【請求項36】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、約200から約50,00
    0の分子量を有する、請求項35の方法。
  37. 【請求項37】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、約200から約20,00
    0の分子量を有する、請求項36の方法。
  38. 【請求項38】 前記ポリオキシアルキルグリコールが、ポリエチレングリ
    コールである、請求項35の方法。
  39. 【請求項39】 前記グラフト共重合体が、ポリ(L-リジン)のε-アミノ 基とグラフト化しているポリエチレングリコールを含む、請求項30の方法。
  40. 【請求項40】 前記グラフト共重合体が、約5モル%から約25モル%のポ リエチレングリコールを含む、請求項39の方法。
  41. 【請求項41】 前記グラフト共重合体が、約10モル%のポリエチレングリ
    コールを含む、請求項40の方法。
  42. 【請求項42】 前記核酸と前記グラフト共重合体が、重量比約0.3対10で 存在している、請求項30の方法。
  43. 【請求項43】 効果的な量の抗エンドソーム作用をもつ薬剤をさらに含む
    、請求項30の方法。
  44. 【請求項44】 前記抗エンドソーム作用をもつ薬剤が、効果的な量のクロ
    ロキンを含む、請求項43の方法。
  45. 【請求項45】 前記効果的な量のクロロキンが、約25-250μMである、請 求項44の方法。
  46. 【請求項46】 前記効果的な量のクロロキンが、約75-150μMである、請 求項45の方法。
  47. 【請求項47】 複合体が全身に循環して宿主細胞と接触し、その結果宿主
    細胞が選択された核酸を取り込むように、選択された核酸と、第一の陽イオン性
    のポリマーと第二の両親媒性のポリマーとを含む生物学的適合性をもつグラフト
    共重合体とを含む、効果的な量の静電複合体を投与することを含む、選択された
    核酸を個体に輸送するための組成物を使用する方法。
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