JP2001523312A - 構造部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、家屋建築において屋根トラス（４０）の構成のために弦材（４１、４２）として使用される構造部材（１０）に関係するものである。本発明の第一の態様は、小フランジ（１２）、大フランジ（１３）、前記両フランジを相互連接させていると共に、長尺状開放構造部材（１０）の長手軸（１１ｂ）と直交し、前記両フランジ（１２、１３）を貫通する断面軸（１１ａ）を有するウェブ（１４）とを含む断面部分を有する長尺状開放構造部材（１０）であって、前記ウェブ（１４）は前記断面軸（１１ａ）と実質的に一致する直線状部分（１７）と前記断面軸（１１ａ）の一方の側方に延在している開き部分（１８）とを有するものであり、前記小フランジ（１２）は前記断面軸（１１ａ）の前記一方の側方に延在しており、前記大フランジ（１３）は前記開き部分（１８）から前記断面軸（１１ａ）の他方の側方に延在しており、断面構造が、同一構成のもう一つの開放部材を反転裏返しすると、それぞれの直線状断面部分（１７）について互いに並置され、かつ、小フランジ（１２）が対応する大フランジ（１３）の下側に対して当接配置された状態で重ね合わせることができる長尺状開放構造部材である。

Description

【発明の詳細な説明】 構造部材 技術分野 本発明は、家屋等の建築工事用の構造部材に関するものである。本発明は、必 ずしもそれに限らないが、家屋建築における屋根トラス(roof truss)の組み立て のために弦材(chord)としての用途に適したものである。 背景技術 金属製の屋根トラスは、普通、箱形断面弦材(box-section chords)とＣ字形断 面ウェブ部材から構成されている。箱形断面弦材は二つのＣ字形断面部材からな り、それぞれの部材は、圧延加工をしてディンプルを形成した後に、溶接、リベ ット留め、ホールパンチ留め、ボルト締め又はねじ止めを行って二つのＣ字形断 面形状を呈するようにしている。Ｃ字形断面部材の組み立ては特殊な工程である ことから、余分のコスト及び弦材の生産に余分のコストや時間を惹起している。 開放断面材のほうが一般に、２つのＣ字形断面部材で構成される箱形断面材よ りも早く、安く作製できるが、弦材に要求される強さや硬さが不足している。そ のため、溝形材やＺ字形断面材のような開放断面材が建築枠組みや屋根トラスの 構成に用いられる場合では、本来備わっている強さの不足を補償するために、過 大寸法の断面部材を用いるとか、別途補強材を用いるとかで用心が必要である。 いうまでもないことだが、それによってコストがかかってしまう。 さらに加えて、頂部と底部の弦材の連結及びウェブ部材と弦材との連結を行う に当たっては、たいてい特別の連結部材又は溶接による連結部の形成を必要とし 、それによって余分のコストがかかり、そのような構造からくる複雑さを助長し ている。 発明の要旨 本発明の目的は、トラスの弦材又は他の構造部材を形成するために適した代替 の構造部材を提供することである。 本発明の第一の態様では、小フランジ(minor flange)と、大フランジ(major f lange)及びそれらを互いに連結するとともに、構造部材の長手方向に直交し、か つ、両フランジを貫通して延在する断面軸(section axis)を有するウェブ(web) とを含む断面部分を有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブは、実質上前記断面軸と一致する直線状の部分と、前記断面軸の一 方の側方へ延在する開き部分とを備えており、 前記小フランジは、前記断面軸の前記一方の側方に延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記断面軸の他方の側方へ延在している ものであり、 断面構造が、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、それぞ れの直線状断面部分が互いに並置され、かつ、小フランジがそれに対応する大フ ランジの下側に対して当接配置された状態で重ね合わせることができる長尺状開 放構造部材を提供している。 直線状部分は、適当な長さとすることができるが、好ましくはフランジ間の断 面軸の主要部分に沿って延在するのが望ましい。ここで「適当な」(suitable)と は、開放構造部材の特定用途によって制限されるものであり、対応する部材が用 いられた場合には、直線状部分の長さは直線状断面部分が適当に重ね合わせられ るようになっている。 開き部分は適切な形状とすることができる。開き部分は湾曲しているか、直線 状であるか、或いは、一組の直線部分で構成されているものであってもよい。好 ましい態様としては、開き部分は単一の直線部分と開き部分から鋭角で延在して いる大フランジとからなるものである。 直線部分は反対側の開き部分の端で小フランジと連接している。好ましくは、 小フランジは直線状部分からほぼ９０°で延在しているものである。別の方法と しては、直線部分は、小フランジまで延在する別の開き部分を備えていてもよい 。この別の開き部分は、曲がっているもの、直線状、又は一組の直線部分からな るものであってもよい。 小フランジは、好ましくは大フランジより短く、さらに好ましくは断面軸と開 き部分から遠い側の大フランジの端（以下、「自由縁部」と言う）との間に延在 している大フランジの切片より短いものである。好ましくは、断面軸の交点は大 フランジと交差する中ほどに現われる。 フランジは、好ましくは実質上平坦であるか、少なくとも、断面軸に対して実 質上対角線的に向かい合っている部分が実質的に平坦なものである。また、好ま しくは、２つのフランジ又は少なくとも２つのフランジの平坦な部分が実質的に 平行である。 開放構造部材は、好ましくは断面軸に沿って結合される部材の断面軸に対して 横への動きを制限する制限手段を備えているものである。また、好ましくは、前 記制限手段が大フランジの自由縁部に沿って延在する返しフランジにより画成さ れている。 大フランジ又は小フランジ、あるいはその両方のフランジは、好ましくは返し フランジで終端させたものである。返しフランジは、好ましくは断面軸と実質上 平行に返るものである。また、好ましくは、同一構成のもう一つの開放構造部材 を反転裏返しすると重ね合わせることができるように、大フランジの返しフラン ジは断面軸から小フランジの自由縁部よりもっと遠くに配置される。 開放構造部材は、好ましくは、非対称な形状であって、同一構成のもう一つの 開放構造部材を反転裏返しすると、重ね合わせることができ、その際、一方の開 放構造部材の小フランジを他方の開放構造部材の大フランジに置くことができ、 直線状断面部分を重ねることができる。 本発明の他の態様は、大まかに言って、小フランジ、大フランジ及びフランジ 間を相互連接しており、小及び大フランジへ直角に延在している平坦なウェブ部 分を持つウェブとを有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブとは、前記平坦部分の一方の側方へと延在している開き部分を備え たものであり、 前記小フランジは、前記平坦部分の前記一方の側方へと延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記平坦部分の他方の側方に延在し、 前記小フランジと大フランジはいずれもそれぞれの自由縁部に沿って返し部分 を有している。 さらに、ここで、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、そ れぞれの平坦部分が互いに並置でき、かつ、返しを有する小フランジが隣接する 大フランジの返しフランジによって形成される範囲内に配置できるものである。 さらに他の態様としては、本発明はトラス用弦材部材を提供するもので、いず れのトラス用弦材部材も上述する開放構造部材であり、それによって弦材部材は 頂上の大フランジに配置することができ、延在しているウェブにより交差する弦 材部材、ウェブと交差している弦材部材の小フランジ、ウェブが互いに横たわっ ていることからいっしょに固定できるウェブを持つ他の弦材部材の小フランジの それぞれの間の相互連接ができる。そのような配置においては、ウェブは接合部 でボルト締め、ねじ留め、溶接のようないずれかによって接続のために重なるも のであり、望まれるときはウェブは相対する弦材部材の大フランジ内に重ね合わ されている小フランジに配置される。 また、好ましくはトラス用弦材は、頂部及び底部弦材部材のウェブ間の接続を 適切に終端させている開放断面部材であるトラス部材によって相互連接されたも のである。 Ｃ字形断面トラス部材に対して頂部及び底部弦材を構成する開放構造部材を有 する組み立てられたトラスは、好ましくは弦材部材がトラス部材をしっかりと保 持している(proud of)ものであって、それによって組み立てられたトラスの積み 重ねを許容し、重なり部分の輸送が弦材部材の積み重ねによるトラス部材の損傷 のおそれもなくできる。それに対して、従来の箱形断面弦材はそれらの表面平坦 部分で連結したＣ字形断面トラス部材を有しており、それによってトラス部材が 弦材部材を保持することとなり、トラス部材を露出させ、積み重ねている間及び 輸送の間に損傷を与えてしまうこととなる。 本発明のまた他の実施の態様として、大まかに言って、いろいろと上述したよ うに複合ビーム（composite beam）を提供している。そして、前記複合ビームは 、２つの開放構造部材の互いに逆の方向での重ね合わせによってなり、それは一 方の部材の小フランジが他方の部材の大フランジ内に配置されているものであっ て、平坦部の重なりと、開放構造部材を連結するとともに固定する手段とから形 成されたものである。 開放構造部材は、固定手段によって互いの横方向の変位を防止することができ るが、好ましくは、開放構造部材の互いの横方向の変位を抑制するように大フラ ンジの自由縁部に沿って返しを設けている。 好ましくは、開放構造部材の重ね合わせは上述したように２つの閉じた断面を 形成し、それによってビームに強さをもたらすものである。 図面の簡単な説明 以後、添付図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施の態様を一例として 詳述する。 図１は、長尺状開放構造部材の端面図である。 図２、図３及び図４は、部材の斜視図である。 図５は、互いに反転裏返しして重ねた２つの部材の端面図である。 図６ａは、開放構造部材を頂部弦材と底部弦材に利用した組立てトラスの正面 図である。 図６ｂから図６ｇは、図６ａ中に示しているトラスのいくつかの結合箇所を示 すものである。 図７ａから図７ｃは、２つの開放構造部材の連結を示す図である。 図８ａから図８ｃは、Ｃ字形断面部材からなるトラス部材の弦材とのいくつか の連結を示す図である。 図９ａから図９ｃは、弦材とトラス部材との別の結合を示すものである。 図１０は、代替の構造部材を示すものである。 好ましい実施の形態の詳細な説明 図１、図２、図３及び図４に関して、ここでは小フランジ１２とウェブ１４に より分離されている大フランジ１３とを有する長尺状開放構造部材１０を示して いる。部材１０の長手軸１１ｂが図２に示されている。ウェブ１４は平坦部分１ ７と開き部分１８とを備えている。断面軸１１ａは直線状部分１７に合致してい る。 小フランジ１２は、平坦部分１７から９０°の角度をなして延在している。こ の小フランジ１２は返しフランジ１５を備えている。返しフランジ１５は断面軸 １１ａに平行である。 開き部分１８は、断面軸１１ａからαを以て示している鋭角をなして開いてい る。開き部分１８は大フランジ１３に連接されている。大フランジ１３は、鋭角 をなして形成されている開き部分１８に連接されている広い平坦部分１９を備え ている。大フランジ１３はまた断面軸と平行な返しフランジ２０を備えている。 図５に示したように、長尺状開放構造部材は、上述したように同じもう一つの 長尺状開放構造部材と反転裏返しして重ね合わせることができる。この重合を行 わせるに当たっては、小フランジ３２ａと３２ｂとは、それぞれ大フランジ３３ ｂと３３ａの内側に納めて当接させている。この状態において、それぞれのウェ ブ３４ａ，３４ｂは部分的に重なり合って、側方へのズレを防止するために部材 ３０，３１が互いに留め具により連結されるようにしている。フランジ３２ａ， ３２ｂ，３３ａ，３３ｂがそれぞれ隣接していることから、断面軸方向に沿う動 きを防止している。２つの長尺状部材の重ね合わせにより、複合材に対して強度 や堅性をもたらす２つの閉塞断面３５，３６が形成されている。 図６ａから図６ｇに示されるように屋根トラス４０は、頂部弦材４１と底部弦 材４２とＣ字形断面トラス部材を形成するそれぞれの長尺状開放構造部材で組み 立てられている。頂部弦材４１と底部弦材４２との連結は図６ｂに示されている 。頂部及び底部弦材４１，４２の大フランジ４４，４５は互いに最も遠くに隔て ている。弦材４１の小フランジ４６は、大フランジ４５にその一部分が配置され て閉じ込められている。弦材４１の後方平坦側面部４７は底部弦材４２の前方平 坦側面部４８に部分的に重なっている。側面部４７と４８の間には中間連結板４ ９が介在している。連結板４９は底部弦材４２とボルト５０，５１で取り付けら れ、頂部弦材４１とはボルト５０，５２で取り付けられている。別の連結方法と しては、図９ｃに示すように、頂部弦材６０を底部弦材６１に６２を以て示した 箇所でボルト締めすることがある。 トラス部材４３と弦材４１，４２との連結については、図６ｃ、図６ｄ、図６ ｆに示されている。図６ｄでは、トラス部材４３は端をつぶされて(crimped)、 頂部弦材４１にボルト７０によって連結されている。図６ｅでは、トラス部材４ ３ は底部弦材４２にボルト７２によって取り付けられている。乗りかかっているト ラス部材は少なくとも連結を考慮してその端がカール(crimp)されている。図６ ｃに示した連結では、トラス部材４３を底部弦材４２とボルト７１によって連結 したものである。弦材４１，４２は、トラス４０においてトラス部材４３をしっ かりと保持している。 図６ｆ、図６ｇにはトラス４０の頂端８０が示されている。頂端板８１は頂部 弦材４１をボルト８２によって連結している。頂端板８１はさらなる強化手段を 提供するために凹部としたリブ(ribs)を設けている。頂端板８１には、Ｃ字形断 面トラス部材４３の配置のために凹所８４をも設けている。Ｃ字形断面トラス部 材４３は頂端板８１にボルト８５によって連結されている。頂端での別の連結の 仕方としては、図９ａ、図９ｂに示されている。図９ａに示されるように、頂部 弦材６３とＣ字形断面トラス部材６４はボルト６５によって連結されている。同 様に図９ｂで、頂部弦材６６とＣ字形断面トラス部材６７とはボルト６８で連結 されている。 図７ａから図７ｃには、互いに遠くに隔離した大フランジ９２，９３と大フラ ンジ９２内に部分的に置かれた、小フランジ９４をもつ弦材９０，９１が示され ている。図８ａから図８ｃは、端をつぶされたＣ字形断面トラス部材９５と長尺 状開放構造部材の弦材９６とのボルト９７による取り付けを示している。Ｃ字形 断面トラス部材９５は弦材９６との連結のために平坦な表面９９を示す端をつぶ された端部９８を有している。平坦な表面９９は狭いフランジ１０１と反対側の ウェブ部分１００の側面と取り付けられている。 上述した実施の態様では、弦材製品を生産するに当たって効率的な圧延加工が できること、最外の大フランジを適切に配向した強硬でより堅性のある開放断面 部材の弦材の提供、使用に先立って、開放断面を有する全体の弦材、複合ビーム 又はトラスの取扱いないし塗装ができること、弦材の積層によるコンパクトなト ラスであって、トラスウェブ部材をしっかりと保持しているものは輸送中のトラ ス部材の損傷を最小にし、輸送と保管のコストを減らすことができること、トラ スの対称性のために弦材の上に他の弦材を積み重ねられた弦材を線上で維持する と同時に、相互連接のために積み重ねることができる弦材の能力及び端部におい て容易に固定できる弦材の能力などの利点が得られる。 もちろん、本発明について先に説明したものは一例として与えられたものでは あるが、すべてのそのような例に対するその他の改変、変形などは当業者に明ら かであり、従ってそのようなものは、ここに説明した本発明の範囲内にあるもの とみなすべきである。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年１２月１７日（１９９８．１２．１７） 【補正内容】 の構造部材を提供することである。 本発明の第一の態様では、小フランジ(minor flange)と、大フランジ(major f lange)及びそれらを互いに連結するとともに、構造部材の長手方向に直交し、か つ、両フランジを貫通して延在する断面軸(section axis)を有するウェブ(web) とを含む断面部分を有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブは、実質上前記断面軸と一致するように延在しているがフランジ間 の断面軸の長さより実質的に短い直線状の部分と、前記断面軸の一方の側方へ延 在する開き部分とを備えており、 前記小フランジは、前記断面軸の前記一方の側方に延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記断面軸の他方の側方へ延在している ものであり、 断面構造が、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、それぞ れの直線状部分が互いに重なり合い、かつ、小フランジがそれに対応する大フラ ンジの下側に対して当接配置された状態で重ね合わせることができる長尺状開放 構造部材を提供している。 本発明の他の態様では、小フランジ、大フランジ、及びそれらを互いに連結す るとともに構造部材の長手方向に直交し、かつ、両フランジを貫通して延在する 断面軸を有するウェブとを含む断面部分を有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブは、実質上前記断面軸と一致するように延在しているがフランジ間 の断面軸の長さより実質的に短い直線状の部分と、断面軸の一方の側方へ延在す る開き部分とを備えており、 前記小フランジは、前記断面軸からその一方の側方に延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記断面軸の他方の側方へ延在している ものであり、 断面構造が、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、それぞ れの直線状部分が互いに重なり合い、かつ、小フランジがそれに対応する大フラ ンジの下側に対して当接配置された状態で重ね合わせることができる長尺状開放 構造部材を提供している。 直線状部分は、適当な長さとすることができるが、好ましくはフランジ間の断 面軸の主要部分に沿って延在するのが望ましい。ここで「適当な」(suitable)と は、開放構造部材の特定用途によって制限されるものであり、対応する部材が用 いられた場合には、直線状部分の長さは直線状部分が重ね合わせられるようにな っている。 開き部分は適切な形状とすることができる。開き部分は湾曲しているか、直線 状であるか、或いは、一組の直線部分を含むものであってもよい。好ましい態様 としては、開き部分は断面軸から鋭角をなして開いている単一の直線部分からな るものである。 好ましくは、大フランジは開き部分から鋭角で延在しているものである。開放 構造部材が頂部に大フランジを持つ弦材として用いられる場合には、直線状部分 はフランジ間の断面軸の長さより実質上短く、開き部分が実質上断面軸の方向に 働く圧縮力に抵抗するバネのように働き、それによって大フランジの変形に抵抗 するという利点をもたらす。 直線部分は反対側の開き部分の端で小フランジと連接している。好ましくは、 小フランジは直線状部分からほぼ９０°で延在しているものである。別の方法と しては、直線部分は、小フランジまで延在する別の開き部分を備えていてもよい 。この別の開き部分は、曲がっているもの、直線状、又は一組の直線部分からな るものであってもよい。 小フランジは、好ましくは大フランジより短く、さらに好ましくは断面軸と大 フランジの交差点と大フランジの自由端との間に延在する大フランジの切片より 短いものである。好ましくは、断面軸の交点は大フランジと交差する中ほどに現 われる。 フランジは、好ましくは実質上平坦であるか、少なくとも、断面軸に対して実 質上対角線的に向かい合っている部分が実質的に平行なものである。また、好ま しくは、大フランジは小フランジと実質的に平行である。 開放構造部材は、好ましくは断面軸に沿って結合される部材の断面軸に対して 横への動きを制限する制限手段を備えているものである。また、好ましくは、前 記制限手段が大フランジの自由縁部(free edge)に沿って延在する返しフランジ により画成されている。 大フランジ又は小フランジ、あるいはその両方のフランジは、好ましくは返し フランジで終端させたものである。返しフランジは、好ましくは断面軸と実質上 平行に返るものである。また、好ましくは、同一構成のもう一つの開放構造部材 を反転裏返しすると、互いに重ね合わせることができるように、大フランジの返 しフランジは断面軸から小フランジの自由端よりもっと遠くに配置される。 開放構造部材は、好ましくは、非対称な形状であって、同一構成のもう一つの 開放構造部材を反転裏返しすると、重ね合わせることができ、その際、一方の開 放構造部材の小フランジを他方の開放構造部材の大フランジに置くことができ、 直線状部分を重ねることができる。 さらに本発明の他の態様では、トラス用弦材部材を提供するもので、前記弦材 部材は上述する開放構造部材であり、それによって弦材部材は頂部の大フランジ 及び交差している弦材部材間の相互連接として配置することができ、弦材部材は 、他方の弦材部材の大フランジの下側に実質的に隣接する一方の弦材部材の小フ ランジと重なっているそれぞれの直線状部分の重なりと、それぞれの弦材部材の 固定を可能にする直線状部分の重なりとによって構成されているそのような配置 においては、ウェブは接合部でボルト締め、ねじ留め、溶接のようないずれかに よって接続のために重なるものであり、望まれるときはウェブは相対する弦材部 材の大フランジ内に重ね合わされている小フランジに配置される。 また、好ましくはトラス用弦材は、頂部及び底部弦材部材のウェブ間の接続を 適切に終端させている開放断面部材であるトラス部材によって相互連接されたも のである。 Ｃ字形断面トラス部材に対して頂部及び底部弦材を構成する開放構造部材を有 する組み立てられたトラスは、好ましくは弦材部材がトラス部材をしっかりと保 持している(proud of)ものであって、それによって組み立てられたトラスの積み 重ねを許容し、重なり部分の輸送が弦材部材の積み重ねによるトラス部材の損傷 のおそれもなくできる。それに対して、従来の箱形断面弦材はそれらの表面平坦 部分で連結したＣ字形断面トラス部材を有しており、それによってトラス部材が 弦材部材を保持することとなり、トラス部材を露出させ、積み重ねている間及び 輸送の間に損傷を与えてしまうこととなる。 本発明のまた他の実施の態様として、大まかに言って、上述したように複合ビ ーム（composite beam）を提供している。そして、前記複合ビームは、２つの開 放構造部材の互いに逆の方向での重ね合わせによってなり、それは一方の部材の 小フランジが他方の部材の大フランジ内に配置されているものであって、直線部 分の重なりと、開放構造部材を連結するとともに固定する手段とから形成された ものである。 開放構造部材は、固定手段によって互いの横方向の変位を防止することができ るが、好ましくは、開放構造部材の互いの横方向の変位を抑制するように大フラ ンジの自由縁部に沿って返しを設けている。 好ましくは、開放構造部材の重ね合わせは上述したように２つの実質的に閉じ た断面部を形成し、それによってビームに強さをもたらすものである。 図面の簡単な説明 以後、添付図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施の態様を一例として 詳述する。 図１は、長尺状開放構造部材の端面図である。 図２、図３及び図４は、部材の斜視図である。 図５は、互いに反転裏返しして重ねた２つの部材の端面図である。 図６ａは、開放構造部材を頂部弦材と底部弦材に利用した組立てトラスの正面 図である。 図６ｂから図６ｇは、図６ａ中に示しているトラスのいくつかの結合箇所を示 すものである。 図７ａから図７ｃは、２つの開放構造部材の連結を示す図である。 図８ａから図８ｃは、Ｃ字形断面部材からなるトラス部材の弦材とのいくつか の連結を示す図である。 図９ａから図９ｃは、弦材とトラス部材との別の結合を示すものである。 図１０は、代替の構造部材を示すものである。 好ましい実施の形態の詳細な説明 図１、図２、図３及び図４に関して、ここでは小フランジ１２とウェブ１４に より分離されている大フランジ１３とを有する長尺状開放構造部材１０を示して いる。部材１０の長手軸１１ｂが図２に示されている。ウェブ１４は平坦部分１ ７と開き部分１８とを備えている。断面軸１１ａは直線状部分１７に合致してい る。 小フランジ１２は、平坦部分１７から９０°の角度をなして延在している。こ 請求の範囲 １．小フランジ、大フランジ、前記両フランジを相互連接させていると共に、長 尺状開放構造部材の長手軸と直交し、前記両フランジを貫通する断面軸を有する ウェブとを含む断面部分を有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブは、実質上前記断面軸と一致するように延在しているがフランジ間 の前記断面軸の長さよりは短い直線状部分と前記断面軸の一方の側方に延在する 開き部分を有し、 前記小フランジは、前記断面軸から前記一方の側方に延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記断面軸の他方の側方に延在しており 、 断面構造が、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、それぞ れの直線部分が互いに重なり合い、かつ、小フランジがそれに対応する大フラン ジの下側に対して当接配置された状態で重ね合わせることができる長尺状開放構 造部材。 ２．直線状部分がフランジ間の断面軸の主要部分に沿って延在していることより なる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 ３．直線状部分がフランジ間の断面軸の主要部分に沿って延在しており、開き部 分が断面軸から鋭角をなして延在していることよりなる、請求項１に記載の長尺 状開放構造部材。 ４．小フランジが断面軸と開き部分からかけ離れた端部との間に延在している大 フランジの切片よりも短いものであることよりなる、請求項１に記載の長尺状開 放構造部材。 ５．フランジが実質的に平坦であるか、少なくとも断面軸に対して実質的に斜め に向かい合っている一部が実質的に平坦であることよりなる、請求項１に記載の 開放構造部材。 ６．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えることよりなる、請求項１に記載の開放構造部材。 ７．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えており、前記制限手段が大フランジ内に返し部分を含むことより なる、請求項１に記載の開放構造部材。 １４．請求項１から９のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材によって構成 された弦材を含むトラスであって、ウェブが互いの連結のための連結点において 重なり合い、部材の小フランジが他の弦材部材の大フランジ内に限定され保持さ れ、部材が重ねているウェブ部分で適切な留め具によって連結されていることよ りなるトラス。 １５．請求項１から９のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材からなるトッ プ弦材と連結可能であって、トラス部材との連結のための凹所を有する頂端板。 １６．請求項１から１０のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材による弦材 とトラスウェブ部材とを含む組立てトラスであって、前記弦材がトラスウェブ部 材をしっかりと保持していることよりなる組立てトラス。 １７．請求項１から１０のいずれか一項に記載の開放構造部材２つを互いに反対 方向について重ね合わせたものであり、一方の部材の小フランジが他方の部材の 大フランジ内に配置されているものであって、直線部分の重ね合わせと、開放構 造部材を連結するとともに固定する手段とにより構成される複合ビーム。 【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年１月１９日（１９９９．１．１９） 【補正内容】 請求の範囲 １．小フランジ、大フランジ、前記両フランジを相互連接させていると共に、長 尺状開放構造部材の長手軸と直交し、前記両フランジを貫通する断面軸を有する ウェブとを含む断面部分を有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブは、実質上前記断面軸と一致するように延在しているがフランジ間 の前記断面軸の長さよりは短い直線状部分と前記断面軸の一方の側方に延在する 開き部分を有し、 前記小フランジは、前記断面軸から前記一方の側方に延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記断面軸の他方の側方に延在しており 、 断面構造が、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、それぞ れの直線部分が互いに重なり合い、かつ、小フランジがそれに対応する大フラン ジの下側に対して当接配置された状態で重ね合わせることができる長尺状開放構 造部材。 ２．直線状部分がフランジ間の断面軸の主要部分に沿って延在していることより なる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 ３．直線状部分がフランジ間の断面軸の主要部分に沿って延在しており、開き部 分が断面軸から鋭角をなして延在していることよりなる、請求項１に記載の長尺 状開放構造部材。 ４．小フランジが、断面軸と大フランジとの交差点と大フランジの自由端との間 に延在している大フランジの切片よりも短いものであることよりなる、請求項１ に記載の長尺状開放構造部材。 ５．フランジが実質的に平行であるか、少なくとも断面軸に対して実質的に斜め に向かい合っている一部が実質的に平行であることよりなる、請求項１に記載の 長尺状開放構造部材。 ６．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えることよりなる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 ７．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えており、前記制限手段が大フランジ内に返し部分を含むことより なる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 ８．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えており、前記制限手段が大フランジの自由端に沿って延在してい る返しフランジであることよりなる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 ９．いずれのフランジもそれぞれの自由端において返しフランジを有することよ りなる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 １０．直線状部分がフランジ間の断面軸の主要部分に沿って延在しており、大フ ランジがその自由端において返しフランジを有し、小フランジが断面軸と大フラ ンジとの交差点と大フランジの自由端との間に延在している大フランジの切片よ りも短いものであることよりなる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 １１．トラス用弦材部材であって、前記トラス用弦材部材が請求項１から１０の いずれか一項に記載の開放構造部材であることから、前記弦材部材が弦材部材の 頂部の大フランジに配置でき、また、実質的に他方の弦材部材の大フランジの下 側に隣接している一方の弦材部材の小フランジとそれぞれの直線状部分の重ね合 せ及びそれぞれの弦材部材の固定を可能にする直線状部分の重ね合せによって形 成されており、互いに交差している弦材部材間を相互連接して配置できることよ りなるトラスの弦材部材。 １２．請求項１から１０のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材によって構 成された弦材部材を含むトラス。 １３．請求項１から１０のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材によって構 成された弦材部材を含むトラスであって、ウェブが互いの連結点で重なり合い、 小フランジが他の弦材部材の大フランジ内に一部分が限定され、保持されること よりなるトラス。 １４．請求項１から１０のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材によって構 成された弦材を含むトラスであって、ウェブが互いの連結のための連結点におい て重なり合い、部材の小フランジが他の弦材部材の大フランジ内に一部分が限定 され、保持され、弦材が重なっているウェブ部分で適切な留め具によって連結さ れていることよりなるトラス。 １５．請求項１から１０のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材からなる頂 部弦材と連結可能であって、トラス部材との連結のための凹所を有する頂端板。 １６．請求項１から１０のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材による弦材 とトラスウェブ部材とを含む組立てトラスであって、前記弦材がトラスウェブ部 材をしっかりと保持していることよりなる組立てトラス。 １７．請求項１から１０のいずれか一項に記載の開放構造部材２つを互いに反対 方向について重ね合わせたものであり、一方の部材の小フランジが他方の部材の 大フランジ内に配置されているものであって、直線部分の重ね合わせと、開放構 造部材を連結するとともに固定する手段とにより構成される複合ビーム。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ 【要約の続き】 配置された状態で重ね合わせることができる長尺状開放 構造部材である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．小フランジ、大フランジ、前記両フランジを相互連接させていると共に、長 尺状開放構造部材の長手軸と直交し、前記両フランジを貫通する断面軸を有する ウェブとを含む断面部分を有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブは、実質上前記断面軸と一致する直線状部分と前記断面軸の一方の 側方に延在する開き部分を有し、 前記小フランジは、前記断面軸の前記一方の側方に延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記断面軸の他方の側方に延在しており 、 断面構造が、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、それぞ れの直線断面部分について互いに並置され、かつ、小フランジがそれに対応する 大フランジの下側に対して当接配置された状態で重ね合わせることができる長尺 状開放構造部材。 ２．直線状部分がフランジ間の断面軸の主要部分に沿って延在していることより なる、請求項１に記載の長尺状開放構造部材。 ３．直線状部分がフランジ間の断面軸の主要部分に沿って延在しており、大フラ ンジが開き部分から鋭角をなして延在していることよりなる、請求項１に記載の 長尺状開放構造部材。 ４．小フランジが断面軸と開き部分からかけ離れた端部との間に廷在している大 フランジの切片よりも短いものであることよりなる、請求項１に記載の長尺状開 放構造部材。 ５．フランジが実質的に平坦であるか、少なくとも断面軸に対して実質的に斜め に向かい合っている一部が実質的に平坦であることよりなる、請求項１に記載の 開放構造部材。 ６．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えることよりなる、請求項１に記載の開放構造部材。 ７．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えており、前記制限手段が大フランジ内に返し部分を含むことより なる、請求項１に記載の開放構造部材。 ８．部材が断面軸に沿った接続部材の断面軸についての横方向の動きを制限する 制限手段を備えており、前記制限手段が大フランジの自由縁部に沿って延在して いる返しフランジであることよりなる、請求項１に記載の開放構造部材。 ９．小フランジ、大フランジ、両フランジを相互連接させていると共に小フラン ジと大フランジとに直角に延在している平坦なウェブ部分を有するウェブとを含 む断面部分を有する長尺状開放構造部材であって、 前記ウェブは、前記平坦部分の一方の側方から延在している開き部分を有し、 前記小フランジは、前記平坦部分の前記一方の側方に延在しており、 前記大フランジは、前記開き部分から前記平坦部分の他方の側方に延在してお り、 小フランジと大フランジとが、いずれもそれぞれの自由縁部に沿って返し部分 を有しており、 断面構造が、同一構成のもう一つの開放構造部材を反転裏返しすると、それぞ れの平坦部分が互いに並置され、かつ、返し部分を有する小フランジが対応する 大フランジの返しフランジによって形成される範囲内に配置できることよりなる 長尺状開放構造部材。 １０．小フランジが対応する大フランジの下側に対して当接配置されることより なる、請求項９に記載の開放構造部材。 １１．トラス用弦材部材であって、いずれのトラス用弦材部材も請求項１から９ のいずれか一項に記載の開放構造部材であることから、頂上の大フランジと、長 尺状ウェブとウェブと交差する弦材部材の小フランジとによって形成される弦材 部材といっしょに固定できる互いに重ね合わせたウェブを有する他の弦材部材の 小フランジとの相互連接に配置できることよりなるトラスの弦材部材。 １２．請求項１から９のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材によって構成 された弦材部材を含むトラス。 １３．請求項１から９のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材によって構成 された弦材部材を含むトラスであって、ウェブが互いの連結点で重なり合い、小 フランジが他の弦材部材の大フランジ内に一部分が限定され、保持されることよ りなるトラス。 １４．請求項１から９のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材によって構成 された弦材を含むトラスであって、ウェブが互いの連結のための連結点において 重なり合い、部材の小フランジが他の弦材部材の大フランジ内に限定され保持さ れ、部材が重ねているウェブ部分で適切な留め具によって連結されていることよ りなるトラス。 １５．請求項１から９のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材からなるトッ プ弦材と連結可能であって、トラス部材との連結のための凹所を有する頂端板。 １６．請求項１から９のいずれか一項に記載の長尺状開放構造部材による弦材と トラスウェブ部材とを含む組立てトラスであって、前記弦材がトラスウェブ部材 をしっかりと保持していることよりなる組立てトラス。 １７．請求項１から９のいずれか一項に記載の開放構造部材２つを互いに反対方 向について重ね合わせたものであり、一方の部材の小フランジが他方の部材の大 フランジ内に配置されているものであって、平坦部の重ね合わせと、開放構造部 材を連結するとともに固定する手段とにより構成される複合ビーム。