JP2001522018A - 中央冷却室を備えたピストン - Google Patents

中央冷却室を備えたピストン

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Abstract

(57)【要約】 ピストン底部の下方に配置された、油を供給され得る中央冷却室（７）を有するピストンであって、前記中央冷却室（７）の少なくとも下方壁が金属薄板（９）によって形成されている形式のものでは、この金属薄板（９）をピストン（１）においてできるだけ簡単に固定するのが望ましい。このためにピストン（１）はピストンピン（１４）の上方に、ほぼピストンピン軸線方向に延在する、ピストン（１）に結合された、比較的小さな直径を有する少なくとも１つの第２のピン（１０）、もしくは緊締スリーブ（１３）を有しており、中央冷却室（７）の下方壁を形成する金属薄板（９）が弾性的に前記第２のピン（１０）もしくは緊締スリーブ（１３）に支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は内燃機関のためのピストンであって、ピストン底部と、このピストン
底部の下方に位置する中央冷却室とが設けられている形式のものに関する。実開
昭６０−１２５３３８号公報に基づきこのような形式のピストンが公知である。
中央冷却室の下方壁は、ばねプレロード下でピストンに固定された金属薄板によ
って形成される。この金属薄板は一体成形された舌片によって内部ボスの上方領
域において支持されている。
【０００２】 このような構成の欠点は、金属薄板が複雑な形状を有していることにある。公
知の構成における別の欠点は、内部ボスにおいて、支持したい金属薄板のための
載置面を提供する構成が強度的な理由に基づき全てのピストンにおいて得られる
わけではないことにある。
【０００３】 中央冷却室を得るための別の構成が国際公開第８８／０４７２５号パンフレッ
トに示されている。この構成ではヘッド旋回型ピストンに設けられたボス支持体
の間の領域において金属薄板がピストンにねじ締結されている。しかし特にねじ
山切削および確実なねじ固定のためには著しいコストが必要である。
【０００４】 ゆえに本発明の課題は、前記欠点を取り除き、かつ簡単な金属薄板を冷却室の
下方壁として使用できる、中央冷却室とこの中央冷却室の下方壁を形成する金属
薄板とを備えたピストンを提供することである。
【０００５】 この課題は請求項１または５の特徴部に記載した特徴を有する構成によって解
決される。別の有利な改良形態は請求項２、３、４、６に記載した。
【０００６】 ばね鋼から成る金属薄板はピストンボスの上方に位置するピンによって支持さ
れプレロードがかけられているので、前記金属薄板はその端部において所定の接
触力で、ボスを互いに結合させているウェブに接触させられている。
【０００７】 金属薄板を支持するピンを図３に示したように中空体としてまたは中実に製造
することができる。ピンの材料としては鋼を使用するのが有利である。
【０００８】 ピンを受容する孔を一方側で袋孔としても形成することができる。
【０００９】 金属薄板が接触する面の加工は必要ではない。
【００１０】 同時に、組付け位置が、ピストンの比較的精密でない内側形状への接触によっ
て規定されている金属薄板よりも、ピンに接触する、金属薄板に加工成形された
押込み成形隆起部によってピストンに対する金属薄板の位置を正確に規定するこ
とができる。
【００１１】 要求に応じて金属薄板を支持するピンの、ピストン長手軸線方向における位置
変化および金属薄板形状の適合化によって、ピストン内側形状を変えることなく
中央冷却室の容量を変えることができる。
【００１２】 ボス支持体に向かって金属薄板は所定の間隙または切欠を有しており、この間
隙または切欠によって冷却油の流出をコントロールすることが可能となる。この
流出開口の位置は場合によって有利には、流出する油をピストンピン用孔の潤滑
油としても使用できるように選択できる。
【００１３】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０３９７５４号明細書に基づき、外側の冷
却通路を制限する金属薄板部材が、ボス支持体内にプレス嵌めされる緊締ピンに
よって支持され、金属薄板が端面側もしくは縁部でピンに載置されていて、これ
により高められた縁部圧力が生じるようになっている構成は公知である。しかし
当該発明からは金属薄板を幅全体で支持する、両ボス支持体の間に延在する本発
明のピンもしくは緊締ピンを推考することはできない。
【００１４】 次に本発明による実施例を図面に基づき詳説する。
【００１５】 油冷却されたピストン１はピストン底部２と、このピストン底部２にボス支持
体３によって一体的に結合されたピストンボス４と、ピストンシャフト５とを有
している。このピストン底部２には外側の冷却通路６と中央冷却室７とが一体成
形されている。この冷却通路６と中央冷却室７とは下方に向かって金属薄板８，
９によって閉鎖されている。冷却油は外側の冷却通路６を介して供給され、孔を
介して中央冷却室７に流入し、金属薄板９とボス支持体３との間に存在する所定
の間隙を介して中央冷却室７から流出する。
【００１６】 中央冷却室７を閉鎖する金属薄板９はピストンボスの上方でボス支持体３にプ
レス嵌めされたピン１０によって、上方に向かって弾性的に、ボス支持体３を互
いに結合するウェブ１１に押圧されている。このピン１０は金属薄板９の押込み
変形隆起部１２に位置している。これによってピストンに対して相対的な金属薄
板９の正確な位置決めが保証されるようになっている。金属薄板９は端部領域に
おいてウェブ１１の輪郭およびウェブ１１のボス支持体３への移行部に適合され
ている。そのため金属薄板９の端部が下方に向かって引っ張られている。
【００１７】 図４には別の実施形態による本発明のピストンが示してある。このピストンで
は金属薄板９はピン１０のかわりに緊締スリーブ１３によって支持されている。
図４にはまた、原則的に全実施形態において設けられるピストンピン１４が図示
されていてかつこの図ではコンロッドも略示されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ピストンピンの方向で断面した本発明によるピストンの横断面図である。
【図２】 本発明によるピストンの下から見た図である。
【図３】 ピストンピンに対して垂直な方向に断面した本発明によるピストンの横断面図
である。
【図４】 ピンの代わりに緊締スリーブを用いた別の実施形態によるピストンの横断面図
である。
【符号の説明】
１ ピストン、 ２ ピストン底部、 ３ ボス支持体、 ４ ピストンボス
、 ５ ピストンシャフト、 ６ 冷却通路、 ７ 冷却室、 ８，９ 金属薄
板、 １０ ピン、 １１ ウェブ、 １２ 押込み変形隆起部、 １３ 緊締
スリーブ、 １４ ピストンピン
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１１年９月２４日（１９９９．９．２４）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター ケムニッツ ドイツ連邦共和国 ロイテンバッハ パノ ラマシュトラーセ 39 (72)発明者 カルメン クルーシュ ドイツ連邦共和国 ルートヴィヒスブルク フラッティヒシュトラーセ 52／３ Ｆターム(参考） 3J059 AB14 BA11 BB01 BD03 CB08 GA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内燃機関のためのピストンであって、ピストンボスで支持さ
    れたピストンピン（１４）と、ピストン底部（２）と、該ピストン底部（２）の
    下方に配置された、油を供給され得る中央冷却室（７）とが設けられており、少
    なくとも前記冷却室（７）の下方壁が、ばねプレロード下で前記ピストン（１）
    に固定された金属薄板（９）によって形成されている形式のものにおいて、 前記ピストン（１）が前記ピストンピン（１４）の上方に、ピストン（１）に
    結合された、ほぼピストンピン軸線方向で一方のピストンボス支持体から他方の
    ピストンボス支持体にまで延在する少なくとも１つの第２のピン（１０）を有し
    ており、該ピン（１０）は比較的小さな直径を有しており、 前記中央冷却室（７）の前記下方壁を形成する金属薄板（９）が、弾性的に前
    記第２のピン（１０）に支持されていることを特徴とする、中央冷却室を備えた
    ピストン。
  2. 【請求項２】 前記金属薄板（９）のほぼ中央に押込み変形隆起部（１２）
    が加工成形されており、該押込み変形隆起部（１２）によって前記金属薄板（９
    ）が前記第２のピン（１０）に支持されている、請求項１記載のピストン。
  3. 【請求項３】 前記ピストン（１）の前記ピストン底部（２）が鋼から成っ
    ている、請求項１または２記載のピストン。
  4. 【請求項４】 ヘッド旋回型ピストン構造である、請求項１から３までのい
    ずれか１項記載のピストン。
  5. 【請求項５】 請求項１の上位概念に記載の形式のピストンにおいて、 前記ピストン（１）が前記ピストンピン（１４）の上方に、ピストン（１）に
    結合された、ほぼピストンピン軸線方向で一方のピストンボス支持体から他方の
    ピストンボス支持体にまで延在する少なくとも１つの緊締スリーブ（１３）を有
    しており、 前記中央冷却室（７）の前記下方壁を形成する金属薄板（９）が、弾性的に前
    記緊締スリーブ（１３）に支持されていることを特徴とする、中央冷却室を備え
    たピストン。
  6. 【請求項６】 前記金属薄板（９）のほぼ中央に押込み変形隆起部（１２）
    が加工成形されており、該押込み変形隆起部（１２）によって前記金属薄板（９
    ）が前記第２のピン（１０）に支持されている、請求項５記載のピストン。
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